JP3643821B2 - 炭素バリア膜のバリア性評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチック容器または炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチックシートにおける炭素バリア膜のバリア性を評価するための炭素バリア膜のバリア性評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック容器、例えばペットボトルは、外部からの酸素の透過、内部(例えば炭酸飲料水)からの二酸化炭素や水分などの透過、ペット樹脂成分の溶出を防止するために、プラスチック容器表面への炭素膜被覆装置を用いて、その内面または外面にDLC(Diamond Like Carbon)のような炭素膜をコーティングすることが試みられている。
【0003】
このようなプラスチック容器表面への炭素バリア膜被覆装置によりバリア膜を被覆する際、その炭素バリア膜のバリア性を評価することが重要である。特に、ペットボトルなどへの応用の場合、大量生産されるボトルをなるべく数多く迅速に評価する事が求められる。
【0004】
ところで、従来、炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチック容器または炭素バリア膜が表面に被覆されたシートのバリア性の評価には、次に挙げるようなガス透過性の測定方法が採用されている。
【0005】
1)炭素バリア膜被覆プラスチック容器、例えば炭素バリア膜被覆ペットボトル内に炭酸水または水を収容して密封した後、ペットボトル内のガス圧力または重量の経時変化を測定する二酸化炭素または水分の保持率計測方法。
【0006】
2)炭素バリア膜被覆ペットボトルから所望寸法のシートを試験片として切り出し、この試験片を密閉容器内にその容器を上下に分離するように挿入し、分離された下部室に二酸化炭素や酸素を封入し、上部室を例えば真空にした状態で放置し、前記下部室内から前記試験片を透過して上部室内に流入した二酸化炭素量や酸素を測定するJIS K7126に準ずる差圧法。
【0007】
3)炭素バリア膜被覆ペットボトルから所望寸法のシートを試験片として切り出し、この試験片を密閉容器内にその容器を左右に分離するように挿入し、分離された左室に二酸化炭素や酸素を連続的に供給し、右室に窒素のようなキャリアガスを連続的に供給し、右室からの排出ガスをセンサに導入し、ここで前記左室内から前記試験片を透過して右室内に流入した二酸化炭素量や酸素を測定するMOCON法。
【0008】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、前述した1)〜3)のガス透過速度測定方法では、使用する二酸化炭素や酸素などのガスは炭素バリア膜被覆ペットボトルまたはこのペットボトルから切り出したシートに対して透過性が低いために、十分に長い放置時間(最短でも3日間)を置かないと計測値が定常値に達しないという問題があった。
【0009】
具体的には、前記3)のMOCON法では計測初期においてペット樹脂内および炭素バリア膜内の酸素濃度および二酸化炭素濃度の分布が定常状態にならないため、計測される酸素透過量および二酸化炭素量が経時変化を起こす。図10は、このような方法で計測したときの酸素透過量および二酸化炭素量の変化の一例(理論値)示す。酸素透過量が安定するには2〜3日程度かかり、二酸化炭素の場合には1〜2週間程度かかることがわかる。これは、濃度分布が定常状態になるのにかかる時間であり、ガスの透過速度が遅いために長い時間となってしまうためである。
【0010】
本発明者らは、炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチック容器または炭素バリア膜が表面に被覆されたシートにおけるバリア性が炭素バリア膜の膜質(具体的には膜厚および結晶性)に依存し、かつその膜厚および結晶性が特定の波長帯域を持つ光の透過率等に特異的に現れることを究明し、前記膜厚および結晶性に起因するバリア性を簡便かつ迅速に評価できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置は、炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチック容器または炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチックシートからなる被評価部材に光を照射するための光源と、
前記被評価部材を透過した光を受光するための受光手段と、
前記光源と前記受光手段の間の光路に配置され、その光路の光を緑から紫外の波長帯域を持つ第1光と赤から赤外の波長帯域を持つ第2光にそれぞれ分光するための分光手段と、
前記受光手段で出力された前記第1光に基づく第1受光信号を処理し、かつ前記受光手段で出力された前記第2光に基づく第2受光信号を処理するための情報処理手段と
を具備したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る別の炭素バリア膜のバリア性評価装置は、炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチック容器または炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチックシートからなる被評価部材に緑から紫外の波長帯域を持つ第1光を照射するための第1光源と、
前記被評価部材に赤から赤外の波長帯域を持つ第2光を照射するための第2光源と、
前記被評価部材に第1光または第2光のいずれかを照射するための光照射切替手段と、
前記被評価部材を透過した光を受光するための受光手段と、
前記受光手段で出力された前記第1光に基づく第1受光信号を処理し、かつ前記受光手段で出力された前記第2光に基づく第2受光信号を処理するための情報処理手段と
を具備したことを特徴とするものである。
【0013】
前記情報処理手段では、前記受光手段で出力された前記第1光に基づく第1受光信号から例えば前記被評価部材の炭素バリア膜の膜厚に起因する透過率を読み取り、予め記憶した膜厚に起因する吸光度基準値(設定値)と比較し、前記炭素バリア膜の膜厚の良否を判定し、かつ前記受光手段で出力された前記第2光に基づく第2受光信号から例えば前記被評価部材の炭素バリア膜の結晶性に起因する透過率を読み取り、予め記憶した結晶性に起因する吸光度基準値(設定値)と比較し、前記炭素バリア膜の結晶性の良否を判定する、処理がなされる。
【0014】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
まず、本発明に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置の原理について説明する。
【0016】
炭素バリア膜被覆プラスチック容器から切り出した試験片を用意する。この試験片は、プラスチック基材とこの基材に被覆された炭素バリア膜とから構成されている。この試験片は、サンプルA、サンプルB、サンプルCとして3種類用意した。また、4つ目のサンプルとしてはバリア膜を被膜する前のプラスチック基材である“ブランク”を用意した。
【0017】
前記サンプルAは、炭素バリア膜の膜厚および結晶性が適正となる条件で試作されている。このサンプルAは、膜厚、結晶性が共に標準となるサンプルである。サンプルBは、炭素バリア膜の膜厚が適正であるものの、結晶性がサンプルAに比べて2倍劣る条件で試作されている。サンプルCは、炭素バリア膜の膜厚が適正値の1/3程度となる条件で試作されている。
【0018】
光路上に白色光を放射する光源、光学的手段であるレンズ、スリット、回折型分光器およびフォトダイオードのような受光手段をこの順序で配置し、前記受光手段をパーソナルコンピュータのような情報処理装置に接続した構成の試験装置を用い、前記4つのサンプルを前記回折型分光器と受光手段の間の光路にそれぞれ配置し、前記回折型分光器によるスペクトル分解能2nmの条件で紫外域から可視域、さらに近赤外域における前記4種類のサンプルの透過スペクトルを計測した。その結果を図1に示す。図1には、一般的な分類としての紫外、青、緑、赤のスペクトル帯域も併せて示した。
【0019】
図1から次のような結果が明瞭に理解できる。
【0020】
炭素バリア膜が被膜されたサンプルA,B,Cは、ブランクに比べて光の透過率が低下するが、透過率の低下の様子はサンプルによって異なり、炭素バリア膜の厚さが最も薄いサンプルCは、透過率低下量が最も小さい。炭素バリア膜の膜厚が適正であるサンプルAとサンプルBの透過率の低下は、紫外、青、緑の帯域ではいずれも顕著であるが、長波長域(すなわち赤の帯域)においてはサンプルBのみが透過率の低下を示している。
【0021】
一般に透過率の低下量を定量的に扱うには、透過率を吸光度に変換するのが好適である。透過率から吸光度への変換方法は、サンプルA,B,Cの各波長における透過率をブランクの透過率で除した値の対数(底は10)をとり、マイナス1を乗じた結果を吸光度(abs)とする方法を用いた。吸光度に変換した結果を図2に示す。
【0022】
図2の縦軸である吸光度は、ランバートベールの法則によれば吸収の原因となっている物質の濃度や、量に比例する物理量である。したがって、各波長における吸光度は炭素バリア膜の膜質に関する情報を反映していると解釈することができる。ここで、膜質とは炭素バリア膜を構成している膜厚と結晶性の両方を含んでいる。この結晶性とは、主にDLC(Diamond Like Carbon)とグラファイトの組成の割合を指す。
【0023】
図2より、炭素バリア膜の膜質情報において膜厚のみが異なるように試作されたサンプルAとサンプルCの違いは、吸光度の大きさに直接反映されており、任意の波長における吸光度を比較すればよいことが分る。より有意な信号を取得するという観点からは、紫外か青か緑の帯域の光を選択し、吸光度(または透過率)を比較するのが好適である。定量的には、波長が300〜550nmの範囲の帯域を持つ光、より好ましくは透過率の差が大きく得られる波長が325〜500nmの範囲の帯域を持つ光を選択することが望ましい。
【0024】
一方、炭素バリア膜の膜厚が適正ではあるが、炭素バリア膜の結晶性がサンプルAに較べて2倍劣る条件で試作されたサンプルBは、サンプルAの吸光度カーブに対し、全ての波長帯域でほぼ一定量の吸光度を足したような吸光度カーブとなる。この結果は、サンプルAに較べて、サンプルBは黒色な組成の物質をより多く含有していることを示している。実際に、サンプルBの炭素バリア膜をラマン分光分析した結果、サンプルBの炭素バリア膜はサンプルAに比べてグラファイト組成の割合が多い(その分、DLCの割合が低い)ことが分っている。
【0025】
なお、前記ラマン分光分析を用いた結晶性の評価手法は、吉川正信、岩上景子、「ラマン分光法によるダイヤモンド状炭素膜の構造評価」、表面技術、Vol.49、No.7、p750-756、(1998)の文献で報告されている内容に準じた。
【0026】
また、結晶性の指標としてグラファイト組成の割合が増加するとバリア性が低下する。前記グラファイトは、黒色であり、紫外、可視域のスペクトルとしては一様な吸収を有することが一般的に知られている。
【0027】
以上の理由によって、図2におけるサンプルAとサンプルBの吸光度カーブからサンプルBは炭素バリア膜がそのバリア性を低下させるグラファイトをサンプルAよりも多く含有していることが理解される。
【0028】
したがって、炭素バリア膜の膜質情報において結晶性のみが異なるように試作されたサンプルAとサンプルBの違いは、吸光度の大きさに顕著な違いが認められる長波長域、すなわち赤、近赤外の帯域の波長における吸光度を比較すればよいことが分る。より有意な信号を取得するという観点からは、赤、近赤外の帯域の光を選択して吸光度(または透過率)を比較するのが好適である。定量的には、透過率の差が大きく得られ、前述の膜厚の違いによる影響が少ない600nm〜750nmの範囲の帯域を持つ光を選択することが望ましい。
【0029】
(第1実施形態)
図3は、本発明の第1実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図である。
【0030】
図中の光源1からは例えば白色光が放射される。レンズ2およびスリット3で構成される光学的手段4は、前記光源1前方の白色光の光路に配置されている。例えばフォトダイオードのような受光手段5は、前記光学的手段4の後方に配置され、後述する測定光が入射されその光強度を電気信号に変換する機能を有する。この受光手段5は、フォトダイオードの他に、光電子増倍管などを用いることができる。
【0031】
例えば干渉フィルタのような第1分光手段6は、前記光学的手段4と前記受光手段5の間(前記光学的手段4と後述する試験片の間)の光路に配置され、その光路の光を緑から紫外の波長帯域、好ましくは波長が300〜550nmの範囲の帯域を持つ第1光に分光する機能を有する。また、例えば干渉フィルタのような第2分光手段7は、例えば後述する情報処理装置からの出力信号により前記第1分光手段6に対して切替可能に前記光路に配置され、その光路の光を赤から赤外の波長帯域、好ましくは波長が600nm〜750nmの範囲の帯域を持つ第2光に分光する機能を有する。前記第1、第2の分光手段6,7は、干渉フィルタの他に、色フィルタ、分散型分光器、回折型分光器等を用いることができる。色フィルターとは、材料そのものの有する吸収特性を利用したフィルターであり、材料としては、ガラス、プラスチック、結晶、液体などが利用できる。前記互いに切替可能な第1、第2の分光手段6,7は後述する試験片の入射側に配置したが、この試験片の出射側に配置してもよい。
【0032】
前記受光手段5は、ケーブル8を通してCRTのような表示器9を有するパーソナルコンピュータのような情報処理装置10に接続され、前記受光手段5の受光信号が伝送される。この情報処理装置10は、予め膜厚に起因する透過率から前述の原理説明のように計算された吸光度基準値(設定値)および予め結晶性に起因する透過率から前述の原理説明のように計算された吸光度基準値(設定値)が記憶され、受光信号との対比による結果が前記表示器9に表示される。
【0033】
次に、前述した図1に示す炭素バリア膜のバリア性評価装置による炭素バリア膜のバリア評価を説明する。
【0034】
(第1評価操作)
炭素バリア膜被覆プラスチック容器から切り出した試験片11を第1分光手段6と受光手段5の間の光路に図示しないホルダにより支持して配置する。この試験片11は、プラスチック基材12とこの基材12に被覆された炭素バリア膜13とから構成されている。この状態で光源1から例えば白色光を放射させる。放射された白色光14は、レンズ2およびスリット3を通過する間に集光、幅規制がなされ、さらにこの白色光14は第1分光手段6で前記炭素バリア膜の膜厚情報評価ために緑から紫外の波長帯域を持つ光(第1光)に分光され、測定光15として前記試験片11に照射される。測定光15は、前記試験片11と透過して受光手段5に入射される。この受光手段5では、入射された緑から紫外の波長帯域を持つ測定光の光強度に応じた受光信号をケーブル8を通して情報処理装置10に出力される。この情報処理装置10では、予め膜厚に起因する透過率からに計算された吸光度基準値が記憶されているため、この吸光度基準値と前記受光信号に基づく測定吸光度とを対比し、その対比による判定結果を前記表示器9に表示する。
【0035】
(第2評価操作)
前記情報処理装置10からの出力信号により前記第1分光手段6から第2分光手段7に切替、同様に光源1から例えば白色光を放射させる。このとき、白色光は第2分光手段7で前記炭素バリア膜の結晶性情報評価ために赤から赤外の波長帯域を持つ光(第2光)に分光され、測定光として前記試験片11に照射され、透過して受光手段5に入射される。この受光手段5では、入射された赤から赤外の波長帯域を持つ測定光の光強度に応じた受光信号をケーブル8を通して情報処理装置10に出力される。この情報処理装置10では、予め結晶性に起因する透過率から計算された吸光度基準値が記憶されているため、この吸光度基準値と前記受光信号に基づく測定吸光度とを対比し、その対比による判定結果を前記表示器9に表示する。
【0036】
このような試験片の評価チャートを図4に示す。
【0037】
前記第1評価操作において、情報処理装置10で処理された緑から紫外の波長帯域を持つ第1光の吸光度(測定吸光度)と吸光度基準値との大小関係を求める。このとき、測定吸光度が吸光度基準値よりも低い場合、試験片の炭素バリア膜は膜厚が不十分、つまり不良品として判定する。一方、測定吸光度が吸光度基準値よりも高い場合、試験片の炭素バリア膜は膜厚が適正として判定される。
【0038】
炭素バリア膜は膜厚が適正として判定された試験片は、前記第2評価操作がなされ、情報処理装置10で処理された赤から赤外の波長帯域を持つ第2光の吸光度(測定吸光度)と吸光度基準値との大小関係を求める。このとき、測定吸光度が吸光度基準値よりも高い場合、試験片の炭素バリア膜は結晶性が不十分、つまり不良品として判定する。一方、測定吸光度が吸光度基準値よりも低い場合、試験片の炭素バリア膜は結晶性が適正として判定され、最終的には良品として判定される。
【0039】
以上、本第1実施形態のバリア性の評価装置によれば例えば前述した図4に示すチャートに基づいて炭素バリア膜被覆プラスチック容器から切り出した試験片についてその炭素バリア膜の膜質、すなわち膜厚と結晶性がそれぞれ適正か否かを判定でき、ひいてはバリア性を評価することができる。
【0040】
したがって、本発明によればペットボトルに被覆した炭素バリア膜のバリア性に起因する膜質(膜厚および結晶性)、すなわちバリア性を短時間で評価することができる。このようにボトルのバリア性の迅速な評価によって、出荷する製品ボトルの抜き取り検査を迅速化したり、全数検査を行ったり、あるいはバリア膜成膜装置やバリア膜被覆量産装置などに本装置を組み込むなどして、その生産工程の健全性評価などを迅速化することができる。
【0041】
なお、前述した第1実施形態では図3に示すように被評価部材として炭素バリア膜被覆プラスチック容器から切り出した試験片11を第1分光手段6(または第2分光手段7)と受光手段5の間の光路に配置したが、図5に示すように被評価部材として炭素バリア膜被覆プラスチック容器(例えば炭素バリア膜被覆ペットボトル)16を第1分光手段6(または第2分光手段7)と受光手段5の間の光路に配置しても、第1実施形態と同様な作用によりペットボトル16を非破壊的にそれに被覆された炭素バリア膜のバリア性に起因する膜質(膜厚および結晶性)、すなわちバリア性を短時間で評価することができる。
【0042】
(実施例1)
以下、本発明の実施例を前述した図3を参照して詳細に説明する。
【0043】
炭素バリア膜被覆プラスチック容器から切り出した試験片11または炭素バリア膜被覆シートの一部である試験片11を第1分光手段6と受光手段5の間の光路に図示しないホルダにより支持して配置した。この試験片11は、プラスチック基材12とこの基材12に被覆された炭素バリア膜13とから構成されている。この状態でタングステン電球からなる光源1から白色光を放射した。放射された白色光14は、レンズ2およびスリット3を通過する間に集光、幅規制がなされて断面形状が4mm×4mmの平行光束となり、さらにこの平行光束を第1分光手段6である干渉フィルタで波長400nmの光(第1光)に分光され、測定光15として前記試験片11に照射し、透過して受光手段5である光電子増倍管に入射された。干渉フィルターの透過帯域幅は20nmであり、前述の波長の値は透過帯域の中心波長を意味する。この受光手段5から波長400nmの測定光の光強度に応じた受光信号をケーブル8を通して情報処理装置10に出力し、ここでその受光信号を予め記憶されている膜厚に起因する透過率からに計算された吸光度基準値と対比し、その対比による判定結果(膜厚の適正の良否)を前記表示器9に表示した。この操作で膜厚適正と判定されると、前記情報処理装置10からの出力信号により前記第1分光手段6から第2分光手段7に切替、同様に光源1から白色光を放射させた。このとき、白色光は第2分光手段7である干渉フィルタで波長700nmの光(第2光)に分光され、測定光として前記試験片11に照射し、透過して受光手段5に入射された。干渉フィルターの透過帯域幅は20nmであり、前述の波長の値は透過帯域の中心波長を意味する。この受光手段5から波長700nmの測定光の光強度に応じた受光信号をケーブル8を通して情報処理装置10に出力し、ここでその受光信号を予め記憶された結晶性に起因する透過率から計算された吸光度基準値と対比し、その対比による判定結果(結晶性の良否)を前記表示器9に表示し、炭素バリア膜のバリア性を評価した。
【0044】
以上の評価操作は、数分以内で完了することができ、通常なら2〜3日かかる酸素バリア性を短時間で評価することができた。
【0045】
分光手段として、第1分光手段として波長400nmの光(第1光)に波長分離するための干渉フィルタまたは色フィルタ、第2分光手段として波長700nmの光(第2光)に波長分離するための干渉フィルタまたは色フィルタをそれぞれ用意し、交互に測定光9の光路上に挿入するような構成にすれば、数秒以内で上記工程を完了することができる。
【0046】
本発明の評価装置は、炭素バリア膜コーティング装置に搭載し、初期立ち上げ運転時またはメンテ終了後の装置のコーティング動作が正常かどうかを迅速に確認するために用いることができる。例えばコーティング装置のチャンバ毎にコーティングを適当な複数回行い、ボトル毎のバリア性を上記装置で定量し、必要なバリア性が出ているかどうかを確認することができる。
【0047】
従来の方法でこのような計測をすれば、酸素で一チャンバあたり2〜3日、30チャンバあるコーティング装置の場合には全部で1ヶ月の期間がかかってしまい、コスト的にも大きなコストがかかり、実用上は適用が難しい。これに対し、本発明の装置では一試料あたり数分〜数十分、30チャンバでも並行してボトルの接着、装着などの準備を行えば数時間で計測を終えて生産を開始することができると共に、万が一コーティング装置に不具合があってバリア性が予定通りに得られなければ、その発見と修正を即座に行うことができる。
【0048】
さらに、本発明の装置をバリア膜コーティング装置に搭載すれば、通常はコーティング有無のスクリーニングの全数検査または抜き取り検査に用いることによって、不良品の検知、コーティング工程の条件適正化あるいは制御、メンテ時期の検知などに用いることが出来、コーティングボトルの品質保持に役立てることが出来る。また、バリア膜コーティング装置以外であっても、バリア膜コーティング後に何らかの処理を行う装置、たとえば、プラスチック容器を洗浄する装置、プラスチック容器に飲料を充填する装置、プラスチック容器にキャッピングする装置、などに本装置を組み込むことで、同様の処理を行うことが可能である。また、それらの装置を組合せてなる飲料プラントに組み込むことも可能である。
【0049】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図である。なお、図6において前述した図3と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0050】
このバリア性評価装置は、第1分光手段6(または第2分光手段7)の前方の光路上に凸レンズ17、光ファイバ18および凸レンズ19を配置した構造になっている。前記光ファイバ18は、炭素バリア膜被覆プラスチック容器(例えば炭素バリア膜被覆ペットボトル)16の口部からその内部に先端が前記ペットボトル16の内側面に所望距離隔てて対向するように挿入され、かつ前記凸レンズ19は前記光ファイバ18の先端と前記ペットボトル16の内側面との間に配置されている。前記光ファイバは、シングルモードファイバーでも、マルチモードファイバーでもよく、バンドルファイバーでもよい。また、光ファイバーのコア径に制限はなく、ガラス棒のような太いものでもよい。
【0051】
このような図6に示す構成の炭素バリア膜のバリア性評価装置によれば、光源1から放射された例えば白色光14をレンズ2およびスリット3を通過する間に集光、幅規制し、さらにこの白色光14を第1分光手段6で炭素バリア膜の膜厚情報評価ために緑から紫外の波長帯域を持つ光(第1光)に分光し、凸レンズ17で集光して光ファイバ18に出光した後、光ファイバ18から放射された測定光15を凸レンズ19を通して平行光束化し、炭素バリア膜被覆ペットボトル16の内側面に照射する。測定光15は、前記ペットボトル16の側壁を透過して受光手段5に入射される。この受光手段5では、入射された緑から紫外の波長帯域を持つ測定光の光強度に応じた受光信号をケーブル8を通して情報処理装置10に出力される。この情報処理装置10では、予め膜厚に起因する透過率から計算された吸光度基準値が記憶されているため、この吸光度基準値と前記受光信号に基づく測定吸光度とを対比し、その対比による判定結果を前記表示器9に表示する。
【0052】
前記情報処理装置10からの出力信号により前記第1分光手段6から第2分光手段7に切替、同様に光源1から例えば白色光を放射させる。このとき、白色光は第2分光手段7で前記炭素バリア膜の結晶性情報評価ために赤から赤外の波長帯域を持つ光(第2光)に分光され、測定光として炭素バリア膜被覆ペットボトル16の内側面に照射される。測定光15は、前記ペットボトル16の側壁を透過して受光手段5に入射される。この受光手段5では、入射された赤から赤外の波長帯域を持つ測定光の光強度に応じた受光信号をケーブル8を通して情報処理装置10に出力される。この情報処理装置10では、予め結晶性に起因する透過率から計算された吸光度基準値が記憶されているため、この吸光度基準値と前記受光信号に基づく測定吸光度とを対比し、その対比による判定結果を前記表示器9に表示する。
【0053】
所定の操作を実施し、計測が終了したら、図示しない駆動機構によって前記光ファイバ等をペットボトル16の口部から抜き取られる。
【0054】
したがって、第2実施形態では第1実施形態と同様な作用によりペットボトルを非破壊的にそれに被覆された炭素バリア膜の膜質(膜厚および結晶性)、すなわちバリア性を短時間で評価することができる。
【0055】
また、前述した第1実施形態の図5に示すペットボトル16を非破壊的なバリア性の評価は分光された測定光をペットボトル16の2つの側壁を透過させるのに対し、第2実施形態では測定光を光ファイバ18を経由させてペットボトル16の1つの側壁を透過させるため、前述した第1実施形態の図5に示すペットボトル16を非破壊的なバリア性の評価に比べてより高精度の非破壊的なバリア性の評価を行なうことができる。
【0056】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図である。なお、図7において前述した図3と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0057】
このバリア性評価装置は、複数個、例えば3個のタングステン球からなる光源1を有し、これら光源1の前方に拡散板20が配置されている。この拡散板20は、光源1から遠距離に配置することがそれら光源から放射された白色光を均一な照明光とすることができるために好適である。
【0058】
第1分光手段6は、前記拡散板20前方の光路上に配置され、その光路の光(この第3実施形態では炭素バリア膜被覆プラスチック容器、例えば炭素バリア膜被覆ペットボトル16の透過光)を緑から紫外の波長帯域、好ましくは波長が300〜550nmの範囲の帯域を持つ第1光に分光する機能を有する。また、第2分光手段(図示せず)は、例えば情報処理装置10からの出力信号により前記第1分光手段6に対して切替可能に前記光路に配置され、その光路の光(炭素バリア膜被覆ペットボトル16の透過光)を赤から赤外の波長帯域、好ましくは波長が600nm〜750nmの範囲の帯域を持つ第2光に分光する機能を有する。均一化された照明光は測定光9として、被試験体に照射され、透過した測定光9は分光手段8で波長分解される。前記第1、第2の分光手段としては、色フィルタ、干渉フィルタが使用でき、コスト的には色フィルターがより好適である。具体的には、HOYA社製の色フィルタB390が前記第1分光手段、HOYA社製の色フィルタB60が前記第2分光手段としてそれぞれ好適である。ただし、これらの分光手段はここで述べた仕様の色フィルタに限定されない。
【0059】
前記第1分光手段6(または第2分光手段)で波長分離された測定光は、受光手段であるCCDカメラ21で受光され、2次元の画像情報の受光信号としてケーブル8を通して情報処理装置10に出力される。CCDカメラ21は、モノクロでよい。CCDカメラ21には、レンズが付属されており、撮像系の焦点位置は被試験体に合わせるか、拡散板20に合わせることが好適である。
【0060】
このような第3実施形態によれば、炭素バリア膜被覆ペットボトル16を前記拡散板20と第1分光手段6(または第2分光手段)の間の光路上に配置することによって、第1実施形態と同様な作用によりペットボトルを非破壊的にそれに被覆された炭素バリア膜のバリア性に起因する膜質(膜厚および結晶性)、すなわちバリア性を短時間で評価することができる。
【0061】
また、第3実施形態では均一な照明光を測定光に用い、色フィルタからなる第1分光手段6(または第2分光手段)とCCDカメラ21の画像取り込みシステムにより2次元の画像情報が加わるため、ペットボトル16の各部位における炭素バリア膜のバリア性の評価を非破壊で、かつ短時間で実行できる。
【0062】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図である。なお、図8において前述した図3と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0063】
このバリア性評価装置は、RGB(赤、緑、青)の三色のカラーフィルタ付のカラーCCDカメラを受光手段22として備え、第1、第2の分光手段を省略した構成になっている。
【0064】
このような図8に示す構成の炭素バリア膜のバリア性評価装置によれば、炭素バリア膜被覆プラスチック容器から切り出した試験片11を光源1と受光手段22の間の光路に図示しないホルダにより支持して配置する。この状態で光源1から例えば白色光を放射させるると、その白色光14はレンズ2およびスリット3を通過する間に集光、幅規制し、さらにこの白色光14は測定光15として前記試験片11に照射される。この測定光15は、前記試験片11を透過し、受光手段22においてRGB(赤、緑、青)の三色のカラーフィルタを通してカラーCCDカメラに入射される。この受光手段22では、入射された緑から紫外の波長帯域および赤または近赤外の波長帯域を持つ測定光の光強度に応じた受光信号をケーブル8を通して情報処理装置10に一括して出力される。この情報処理装置10では、予め膜厚および結晶性に起因する透過率からに計算された吸光度基準値が記憶されているため、前記膜厚に関与する吸光度基準値と前記緑から紫外の波長帯域を持つ測定光の受光信号に基づく測定吸光度とを対比し、同時に前記結晶性に関与する吸光度基準値と前記赤から赤外の波長帯域を持つ測定光の受光信号に基づく測定吸光度とを対比し、これらの判定結果を前記表示器9に表示する。
【0065】
したがって、第4実施形態では前述した第1実施形態と同様に試験片の炭素バリア膜の膜質(膜厚および結晶性)、すなわちバリア性を短時間で評価することができる。
【0066】
また、第4実施形態では第1、第2の分光手段を省略できるため、前述した第1実施形態に比べて簡素化された構造の炭素バリア膜のバリア性評価装置を実現できる。
【0067】
(第5実施形態)
図9は、本発明の第5実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図である。なお、図9において前述した図3と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0068】
このバリア性評価装置は、緑から紫外の波長帯域を持つ光(第1光)発する第1発光ダイオード23および赤から赤外の波長帯域を持つ光(第2光)を発する第2発光ダイオード24を光源として備え、これら第1、第2の発光ダイオード23、24はそれらの放射光が90°の角度で互いに交わるように配置されている。反射鏡25は、前記第1、第2の発光ダイオード23、24の放射光の交点に前記第1発光ダイオード23の放射光を90°屈折するように出退可能に配置されている。なお、このバリア性評価装置は第1、第2の分光手段を省略している。
【0069】
このような図9に示すバリア性評価装置によれば、炭素バリア膜被覆プラスチック容器から切り出した試験片11を光学的手段4と受光手段5の間の光路に図示しないホルダにより支持して配置する。この状態で第1発光ダイオード23を作動して緑から紫外の波長帯域を持つ光(第1光)を放射させる。放射された第1光は、反射鏡25で90°反射され、さらにレンズ2およびスリット3を通過する間に集光、幅規制がなされ、測定光15として前記試験片11に照射、透過して受光手段5に入射される。この受光手段5では、入射された緑から紫外の波長帯域を持つ測定光の光強度に応じた受光信号をケーブル8を通して情報処理装置10に出力される。この情報処理装置10では、予め膜厚に起因する透過率からに計算された吸光度基準値が記憶されているため、この吸光度基準値と前記受光信号に基づく測定吸光度とを対比し、その対比による判定結果を前記表示器9に表示する。
【0070】
前記情報処理装置10からの出力信号により前記第1発光ダイオード23の作動を停止し、前記反射鏡25を第1発光ダイオード23の光路から外れた箇所に移動させた後、前記第2発光ダイオード24を作動して赤から赤外の波長帯域を持つ光(第2光)を放射させる。放射された第2光は、レンズ2およびスリット3を通過する間に集光、幅規制がなされ、測定光15として前記試験片11に照射、透過して受光手段5に入射される。この受光手段5では、入射された赤から赤外の波長帯域を持つ測定光の光強度に応じた受光信号をケーブル8を通して情報処理装置10に出力される。この情報処理装置10では、予め結晶性に起因する透過率から計算された吸光度基準値が記憶されているため、この吸光度基準値と前記受光信号に基づく測定吸光度とを対比し、その対比による判定結果を前記表示器9に表示する。
【0071】
したがって、第5実施形態では前述した第1実施形態と同様に試験片の炭素バリア膜の膜質(膜厚および結晶性)、すなわちバリア性を短時間で評価することができる。
【0072】
なお、前述した第5実施形態において、反射鏡に代えて高速で回転して透過と反射を切り替え可能なミラー素子を用いれば、試験片の炭素バリア膜のバリア性をミリセック(msec)で評価することができる。
【0073】
さらに、前述した第5実施形態において、可動する反射鏡25に代えて、固定式のハーフミラーを第1、第2の発光ダイオード23、24の放射光の交点に前記第1発光ダイオード23の放射光を90°屈折するように配置し、第1、第2の発光ダイオード23,24の発光を交互に実施することにより、第1光、および第2光を交互に試験片に透過させて、試験片の炭素バリア膜のバリア性を高速で評価することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置によれば炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチック容器または炭素バリア膜が表面に被覆されたシートにおけるバリア性を簡便かつ迅速に評価でき、ひいてはプラスチック容器またはシートの炭素バリア膜被覆装置のコーティング動作の正常性の迅速な見極めや、コーティング条件の制御の指標に利用できる等の顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】紫外域から可視域、さらに近赤外域における4種類のサンプルの透過スペクトル図。
【図2】図1のサンプルA〜Cの透過スペクトルを吸光度に変換した特性図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図。
【図4】本発明の第1実施形態に係るバリア性評価装置による評価チャート。
【図5】本発明の第1実施形態において、被評価部材を炭素バリア膜被覆ペットボトルに代えて配置したバリア性評価装置を示す概略図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図。
【図8】本発明の第4実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図。
【図9】本発明の第5実施形態に係る炭素バリア膜のバリア性評価装置を示す概略図。
【図10】従来の炭素バリア膜被覆ペットボトルにおける酸素透過速度および二酸化炭素速度の時間に対する変化を示す特性図。
【符号の説明】
1…光源、
4…光学的手段、
5、21、22…受光手段、
6…第1分光手段、
7…第2分光手段、
9…表示器、
10…情報処理装置、
11…試験片、
14…白色光、
15…測定光、
16…炭素バリア膜被覆ペットボトル、
18…光ファイバ、
20…拡散板、
23…第1発光ダイオード、
24…第2発光ダイオード、
25…反射鏡。
Claims (8)
- 炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチック容器または炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチックシートからなる被評価部材に光を照射するための光源と、
前記被評価部材を透過した光を受光するための受光手段と、
前記光源と前記受光手段の間の光路に配置され、その光路の光を緑から紫外の波長帯域を持つ第1光と赤から赤外の波長帯域を持つ第2光にそれぞれ分光するための分光手段と、
前記受光手段で出力された前記第1光に基づく第1受光信号を処理し、かつ前記受光手段で出力された前記第2光に基づく第2受光信号を処理するための情報処理手段と
を具備したことを特徴とする炭素バリア膜のバリア性評価装置。 - 前記分光手段は、前記光路に切替可能に配置される緑から紫外の波長帯域を選択的に透過する第1フィルタおよび赤から赤外の波長帯域を選択的に透過する第2フィルタである請求項1記載の炭素バリア膜のバリア性評価装置。
- 前記受光手段は、前記分光手段を兼ねるカラーCCDである請求項1記載の炭素バリア膜のバリア性評価装置。
- 光を集光するレンズを有する光学的手段は、さらに前記光源と前記被評価部材の間の光路に配置されることを特徴とする請求項1記載の炭素バリア膜のバリア性評価装置。
- 炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチック容器または炭素バリア膜が表面に被覆されたプラスチックシートからなる被評価部材に緑から紫外の波長帯域を持つ第1光を照射するための第1光源と、
前記被評価部材に赤から赤外の波長帯域を持つ第2光を照射するための第2光源と、
前記被評価部材に第1光または第2光のいずれかを照射するための光照射切替手段と、
前記被評価部材を透過した光を受光するための受光手段と、
前記受光手段で出力された前記第1光に基づく第1受光信号を処理し、かつ前記受光手段で出力された前記第2光に基づく第2受光信号を処理するための情報処理手段と
を具備したことを特徴とする炭素バリア膜のバリア性評価装置。 - 前記第1光源は、緑色から紫外の波長帯域を持つの第1光を放射する発光ダイオード、前記第2光源は赤色あるいは赤外の波長帯域を持つの第2光を放射する発光ダイオードであることを特徴とする請求項5記載の炭素バリア膜のバリア性評価装置。
- 光を集光するレンズを有する光学的手段は、さらに前記光照射切替手段と前記被評価部材の間の光路に配置されることを特徴とする請求項5記載の炭素バリア膜のバリア性評価装置。
- 前記緑色から紫外の波長帯域は、波長が300nm〜550nmの範囲、前記赤から赤外の波長帯域は波長が600nm〜750nmの範囲であることを特徴とする請求項1または5記載の炭素バリア膜のバリア性評価装置。
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