JP3643217B2 - 無線端末機の電磁界環境特性評価システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機等といった無線端末機の電磁界環境特性評価を、簡易な構成で実現するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば移動体通信システムはセルラー電話等のサービスエリアの拡大や通信コストの低減等に伴って急速に普及しており、これに伴って、当該システムで用いられる携帯無線端末機(携帯電話機)の屋外伝搬環境下における特性を評価する技術の重要性も益々高まっている。
特に、都市内での移動体通信のように多重波が到来する環境下では、携帯無線端末機の移動に伴って激しいフェージングが生じるため、静的な特性評価だけでは不十分である。
【0003】
従来より、携帯無線端末機の特性評価方法は多くのものが提案されているが、実際に屋外で測定を行う評価方法としては図10に示すようなものがあった。すなわち、簡易基地局1を設置して、都市内の測定路2を移動する携帯無線端末機(被試験機)から送信されてくる電波を簡易基地局1で受信して、当該環境下における携帯無線端末機の特性を評価する方法である。
しかしながら、このように実際に屋外で測定を行う方法にあっては、天候、時間、周囲の環境等によって測定した受信電界強度が変化してしまうため、正確な評価を行うためには数多くの測定を行って統計的に評価しなければならず、膨大な時間と労力を要してしまうといった問題があった。
【0004】
一方、携帯無線端末機の特性評価を屋内で行う方法も従来より提案されており、その一例として図11に示すようなものがあった。すなわち、フェージングシミュレータ3と携帯無線端末機4のアンテナとをケーブル5で直接接続し、フェージングシミュレータ3から出力したフェージング信号をケーブル5を介して携帯無線端末機4に受信させて、携帯無線端末機4の受信レベルによりその特性を評価する方法である。
しかしながら、このようにフェージング信号をケーブル5を介して携帯無線端末機4に受信させる方法にあっては、空間的に広がりをもった環境下でアンテナにより無線信号を受信するという状況を再現することができず、携帯無線端末機4のアンテナ系全体を含めた評価を行うことができないといった問題があった。
【0005】
また、携帯無線端末機のアンテナの特性評価を屋内で行う方法も従来より提案されており、その一例として図12に示すようなものがあった。すなわち、内部に受信機能を有しない携帯無線端末機筺体6上に評価対象のアンテナ7を設置して、これを電磁的に遮蔽された金属壁のシールドボックス8内に設置する。また、シールドボックス8内には3本の送信用アンテナ9a〜9cを設置し、シールドボックス外部の標準信号発生器10からの信号を分配して移相器11a〜11cでランダムな位相変化をつけて各送信用アンテナ9a〜9cへ送信する。
したがって、位相差をつけられた電波が各送信用アンテナ9a〜9cからシールドボックス8内に送信されて、シールドボックス8内の電界強度がランダムに変動するため、屋外での移動体通信と同様な環境が実現される。
【0006】
また、評価対象のアンテナ7はケーブル12を介してシールドボックス外部の受信機13に接続されており、アンテナ7で受信した信号はケーブル12を介して受信機13で受信される。そして、受信機13で受信した信号はA/D変換器14でデジタル変換されてパーソナルコンピュータ15に入力され、パーソナルコンピュータ15による演算処理によって、アンテナ7による受信電界強度データが取得される。なお、パーソナルコンピュータ15は移相器11a〜11cによる位相変化の制御も行い、シールドボックス8内の電磁界環境を種々変更して受信電界強度データを取得する。
【0007】
しかしながら、このようにアンテナ7と外部の受信機13とをケーブル12で接続する方法にあっては、ケーブル12がシールドボックス8内に引き回されて測定環境の再現性が損なわれるばかりか、ケーブル12に流れる電流によってシールドボックス8内の電界環境が乱されてしまい、正確な評価が行えないといった問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、時間や労力を節約するために、屋内においてフィールドシミュレーションを行う場合にあっては、無線端末機の十分な特性評価を行うことができないという問題があった。
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたもので、屋内におけるシミュレーションによって無線端末機の十分な特性評価を行うことができる電磁界環境特性評価システムを提供することを目的とする。
ここで、無線端末機には無線電波を受信させ、その受信信号に関する情報信号を送信させるが、特に本発明では、無線端末機に受信させる信号と無線端末機から送信される信号との干渉も防止して、より精度の高い評価を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る無線端末機の電磁界環境特性評価システムでは、電磁的に遮蔽されたシールドボックス内に送信用アンテナを配設するとともに評価対象の無線端末機を設置し、送信用アンテナから無線信号を送信して無線端末機が受信する信号の電磁界環境特性を再現する。
ここにおいて、本発明では、無線端末機に電界強度等の受信信号に関する情報信号を光信号又は音声信号といった無線電波以外の信号として送信する手段を設けてあり、また、シールドボックス内に複数の送信用アンテナを配設するとともに、シールドボックス内に無線端末機から送信された受信情報信号を受信する光センサ又はマイクロホンを配設してある。これによって、シールドボックス内における無線端末機の受信情報信号をシールドボックスの外部に設けた評価制御手段に光信号又は音声信号を介して入力する。
【0010】
これによって、天候、時間、周囲環境等の影響を受けずに再現性に優れた測定を実施することができ、且つ、アンテナ系を含めた無線端末機の全体としての特性評価をケーブルを用いることなく空間をインタフェースとして正確に行うことができる。
そして、無線端末機から送信される受信情報信号は無線電波ではないため、評価試験を行うために送信用アンテナから送信される無線電波と干渉を生ずることはない。
【0011】
また、本発明に係る電磁界環境特性評価システムでは、シールドボックス内に回転テーブルを設置して当該回転テーブル上に無線端末機を設置するとともに、無線端末機から受信信号情報を受信する光センサ又はマイクロホンを複数個配設している。
これによって、無線端末機のアンテナ指向性を考慮に入れて様々な到来方向からの無線信号を無線端末機に受信させて受信評価を行うことができるとともに、無線端末機から送信される受信情報信号を確実に受信することができる。
【0012】
また、本発明に係る電磁界環境特性評価システムでは、シールドボックスの内壁の一部或いは全部に電波吸収体を設けてある。
これによって、シールドボックス内の空間体積を小さくした場合にあっても、無線端末機のアンテナ入力インピーダンスの変動を回避することができ、安定した測定を実施することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る携帯無線端末機の電磁界環境特性評価システムを、図面を参照して説明する。
図1には、携帯無線端末機22からの受信情報信号を光信号の形式で受信する第1実施形態に係る電磁界環境特性評価システムの全体構成を、シールドボックス20を透視した状態で示してある。
【0014】
シールドボックス20は金属製の直方体形状の箱体であり、シールドボックス20の内部空間は外部と電磁的に遮蔽されている。
本実施形態では測定周波数を800MHzとしていることから、シールドボックス20の幅Wを1670mm、高さHを1330mm、奥行きLを2000mmとしてある。
なお、シールドボックス20の大きさには特に限定はないが、シールドボックス20の内部空間の体積を大きくすると、比較的大型の携帯無線端末機を評価する場合にあっても良好な評価環境を保つことができる。
【0015】
因みに、良好な評価環境を保つためには、評価対象の携帯無線端末機22はシールドボックスの内部空間体積の約2%以下の体積であるのが好ましい。
また、シールドボックス20をより小型化する場合には、シールドボックスの内壁面の全体或いは一部を電波吸収体21で覆い、シールドボックス20の内部に設置した携帯無線端末機(評価対象)22のアンテナ入力インピーダンス変化を回避するようにすれば、良好な評価環境を保つことができる。なお、本実施形態では、携帯無線端末機22の背面となる内壁面のみを電波吸収体21で覆っている。
【0016】
シールドボックス20の携帯無線端末機22に対向する一壁面には3本の送信用アンテナ23a〜23cが設けられており、これら送信用アンテナ23a〜23cの先端部はシールドボックス20の内部空間内に臨んでいる。なお、各送信用アンテナ23a〜23cは互いに間隔を隔てて設けられており、この間隔は測定に用いる無線信号の約1波長以上に設定して、これらアンテナ間の結合を抑制して独立した信号源となるようにしている。
また、シールドボックス20の同一壁面には光センサ24が設けられており、この光センサ24の受光面もシールドボックス20の内部空間内に臨んでいる。
【0017】
なお、送信用アンテナ23a〜23cの形式には特に限定はなく、標準ダイポールアンテナ等の線状アンテナ、プリント基板等に印刷した平面アンテナや板状アンテナ等を用いることができる。また、これらのアンテナは壁面に対して傾けて(チルト)用いてもよく、これによって、アンテナ間結合及び交差偏波識別度(XPD)を可変にすることができる。
また、本実施形態では全てのアンテナ23a〜23cを同一の壁面に設置しているが、これらアンテナの設置位置には特に限定はなく、例えば図2に示すように送信用アンテナ23a〜23cを互いに異なる壁面に設置するようにしてもよい。また、アンテナ23a〜23cは壁面で囲まれたコーナー部に設置するのを避けるのが好ましい。
【0018】
また、送信用アンテナの本数は2本以上が必要であり、弱電界感度試験等には問題がないが、シールドボックス20内部の電界強度における相関係数と密接な関係があり、この相関係数を屋外環境と同様に低い相関係数に近付けるためには、公知のように送信用アンテナの本数は3本以上必要である(信学技報、AP94−1、1994、”フィールドシミュレータの基礎的検討”)。なお、送信用アンテナは4本以上設けるようにしてもよく、本数が増えることによってより一層相関係数が低下して良好な評価を行える。
参考として、図3には送信用アンテナを3本設けた場合の、シールドボックス20の中央部における相関係数ヒストグラムを示してあり、相関係数の平均値は約0.2といった屋外環境に匹敵する低い値となり、実用上問題のない値である。
【0019】
光センサ24は、pin光検出器、アバランシュ光検出器(APD:Avalanche Photodiode)等といった種々な受光素子を用いることができ、特に、高い量子効率、高速応答性、広帯域特性、低雑音動作性、高信頼性等を有した小型軽量にして少消費電力なものが好ましい。
なお、光センサ24は、後述するように携帯無線端末機22からの光信号を受信し易い位置に設置するのが好ましい。
【0020】
ここで、評価対象としてシールドボックス20内に設置される携帯無線端末機22は、通常の携帯電話機と同様に、アンテナ22a、アンテナ22aを介して無線信号を受信する受信回路等の他に、特に、この携帯無線端末機22には、発光素子、及び、受信電界強度やビット情報等といった受信信号に関する情報を検出して、この受信情報信号を光信号として発光素子から送信する回路が備えられている。
これによって、従来のようにケーブルを用いることなく、図1中に破線矢印で示すように携帯無線端末機22から受信信号に関する情報が光信号によって光センサ24へ送信され、シールドボックス20の外部へ出力される。
【0021】
シールドボックス20の外部には、携帯無線端末機22の評価を行い、また、この評価試験のための制御を行う評価制御手段が設けられている。
この評価制御手段は、光センサ24に接続された受信及び発信機能を有した簡易基地局25と、簡易基地局25で受信された信号を解析するとともにランダムな位相制御電圧を出力するパーソナルコンピュータ26と、簡易基地局25から発信された信号を3つの信号に分配する分配器27と、分配器27から出力された信号をそれぞれ位相制御する3つの移相器28a〜28cと、パーソナルコンピュータ26からの位相制御電圧をアナログ変換して各移相器28a〜28cに入力するD/A変換器29と、各移相器28a〜28cから出力された信号を増幅してそれぞれの送信用アンテナ23a〜23cから送信させる増幅器30a〜30cと、を備えている。
【0022】
上記構成の電磁界環境特性評価システムによると、シールドボックス20内に設置した携帯無線端末機22の特性評価が次のようにして実施される。
まず、簡易基地局25から発信された信号が分配器27で分配されて各移相器28a〜28cに入力され、パーソナルコンピュータ26からの位相制御電圧に基づいて、各移相器28a〜28cにより各信号の位相が変化される。そして、これら位相制御がなされた信号は、それぞれ増幅器30a〜30cで増幅されて各送信用アンテナ23a〜23cからシールドボックス20内に送信される。
なお、増幅器30a〜30cの増幅度は、後述するように信号を受信する携帯無線端末機22の受信機の電界強度測定回路が飽和しないように、且つ、受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)レベルのダイナミックレンジが最大となるように設定される。
【0023】
この結果、各送信用アンテナ23a〜23cから互いにランダムな位相差をもった信号がシールドボックス20内に送信され、これら信号はシールドボックス20の内壁面に反射して、様々は方向から入射された信号が携帯無線端末機22で受信される。
そして、携帯無線端末機22は電界強度やビット情報等といった所定の受信信号に関する情報信号を発光素子から光信号として送信し、この受信情報信号が光センサ24を介して簡易基地局25で受信される。そして、この受信情報信号はパーソナルコンピュータ26に入力され、受信電界強度やその変動等の解析がなされ、シールドボックス20内に形成されたフェージング環境下での携帯無線端末機22の特性が評価される。したがって、パーソナルコンピュータ25によって送信信号の位相をランダムに制御することにより、種々なフェージング環境下での携帯無線端末機22の特性を評価することができる。
【0024】
更に具体的には、送信用アンテナ23a〜23cからランダムな位相差をもった信号が送信されると、シールドボックス20内の空間フィールドの電界が乱れてランダムな電界強度変動を生ずる。
この結果、シールドボックス20内の多くの観測点では電界強度に対する累積確率分布は図4中のBで示すようにレイリー分布に近い分布を呈し、それ以外の観測点では同図中のAで示すようにライス分布を呈する。なお、図4の横軸は受信電界強度の中央値で正規化されており、縦軸は当該中央値のレベル以下となる累積確率を示している。
【0025】
また、図5には分布Bを示す観測点での電界強度変動を示してあり、横軸は移相器の制御電圧を変更するスイッチング回数(すなわち、サンプリング数)を表している。
本実施形態では、移相器のスイッチング周波数を40Hzとしており、移相器28a〜28cのスイッチング周波数を変えることにより、シールドボックス20内に所望のフェージングピッチを有する環境を形成して、携帯無線端末機22の特性評価を実施することができる。
したがって、電磁界環境特性評価システムを用いることにより、室内において、天候、時間、周囲環境等の影響を受けずに、再現性の高い正確な特性評価を簡易に実施することができる。
【0026】
ここで、上記した実施形態では、評価対象の携帯無線端末機22をシールドボックス20内に静的に設置したが、図6に示すように回転駆動される回転テーブル31上に携帯無線端末機22を設置して評価試験を行うようにしてもよい。なお、図6に示す例では、環境の電界に影響を与えない発砲材からなる円筒部材32を回転テーブル31上に設置し、その上に携帯無線端末機22を設置してある。
この回転テーブル31を回転駆動させた状態で評価試験を実施することにより、様々な方向から到来する無線信号を携帯無線端末機22に受信させることができ、携帯無線端末機22のアンテナ指向性を考慮した評価試験を行うことができる。
【0027】
そして、このように携帯無線端末機22を回転させる場合には、光センサ24はシールドボックス20内に複数個間隔を隔てて設けたり、或いは、携帯無線端末機22の回転軸に沿った上方位置に設けるのが好ましく、このようにすることによって、携帯無線端末機22から送信される光信号に方向性があっても、当該光信号を光センサにより安定して受信することができる。なお、各光センサ24からの信号は合成されて簡易基地局25に入力される。
また、携帯無線端末機22を回転させない場合にあっても、光センサ24を複数個設けて各光センサ24からの信号を合成して簡易基地局25に入力するようにしてもよく、これによって一層感度を高めることができる。
【0028】
図7には、携帯無線端末機22からの受信情報信号を音声信号の形式で受信する第2実施形態に係る電磁界環境特性評価システムの全体構成を、シールドボックス20を透視した状態で示してある。
なお、上記した第1実施携帯と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0029】
本実施形態では、シールドボックス20の携帯無線端末機22に対向する一壁面に3本の送信用アンテナ23a〜23cが設けられ、また、シールドボックス20の同一壁面にはマイクロホン34が設けられており、このマイクロホン34の受音面もシールドボックス20の内部空間内に臨んでいる。
なお、本実施形態では全てのアンテナ23a〜23cを同一の壁面に設置しているが、これらアンテナの設置位置には特に限定はなく、例えば図8に示すように送信用アンテナ23a〜23cを互いに異なる壁面に設置するようにしてもよい。
また、マイクロホン34は、後述するように携帯無線端末機22からの音声信号を受信し易い位置に設置するのが好ましい。
【0030】
本実施形態では、評価対象としてシールドボックス20内に設置される携帯無線端末機22は、通常の携帯電話機と同様に、アンテナ22a、アンテナ22aを介して無線信号を受信する受信回路等の他に、特に、この携帯無線端末機22には、スピーカ、及び、受信電界強度やビット情報等といった受信信号に関する情報を検出して、この受信情報信号をトーン信号等の音声信号としてスピーカから送信する回路が備えられている。
これによって、従来のようにケーブルを用いることなく、図7中に破線矢印で示すように携帯無線端末機22から受信信号に関する情報が音声信号によってマイクロホン34へ送信され、シールドボックス20の外部へ出力される。
【0031】
ここで、受信電界強度情報を音声信号とする方法の一例としては、携帯無線端末機22のRSSIレベルを音声周波数に対応付ければよい。例えば、電界強度が50dBuV/mのときには500Hzの音声信号、電界強度が100dBuV/mのときには1000Hzの音声信号をスピーカから送信し、これをマイクロホン34で受音して、簡易基地局25でマイクロホン34からの受信音声信号の周波数を計測して電界強度を検出する。
【0032】
なお、本実施形態においても、シールドボックス20の外部には、携帯無線端末機22の評価を行い、また、この評価試験のための制御を行う評価制御手段が設けられているが、簡易基地局25はマイクロホン34に接続されて、マイクロホン34で受音した音声信号が入力される。
【0033】
上記構成の電磁界環境特性評価システムによると、第1実施形態と同様に、各送信用アンテナ23a〜23cから互いにランダムな位相差をもった信号がシールドボックス20内に送信され、これら信号はシールドボックス20の内壁面に反射して、様々は方向から入射された信号が携帯無線端末機22で受信される。そして、携帯無線端末機22は電界強度やビット情報等といった所定の受信信号に関する情報信号をスピーカから音声信号として送信し、この受信情報信号がマイクロホン34を介して簡易基地局25で受信される。そして、この受信情報信号はパーソナルコンピュータ26に入力され、受信電界強度やその変動等の解析がなされ、シールドボックス20内に形成されたフェージング環境下での携帯無線端末機22の特性が評価される。したがって、パーソナルコンピュータ25によって送信信号の位相をランダムに制御することにより、種々なフェージング環境下での携帯無線端末機22の特性を評価することができる。
【0034】
つまり、本実施形態においても、移相器28a〜28cのスイッチング周波数を変えることにより、シールドボックス20内に所望のフェージング環境を形成して、携帯無線端末機22の特性評価を実施することができる。
したがって、電磁界環境特性評価システムを用いることにより、室内において、天候、時間、周囲環境等の影響を受けずに、再現性の高い正確な特性評価を簡易に実施することができる。
【0035】
ここで、上記した第2実施形態では、評価対象の携帯無線端末機22をシールドボックス20内に静的に設置したが、図8に示すように回転駆動される回転テーブル31上に携帯無線端末機22を設置して評価試験を行うようにしてもよい。なお、図8に示す例では、環境の電界に影響を与えない発砲材からなる円筒部材32を回転テーブル31上に設置し、その上に携帯無線端末機22を設置してある。
この回転テーブル31を回転駆動させた状態で評価試験を実施することにより、様々な方向から到来する無線信号を携帯無線端末機22に受信させることができ、携帯無線端末機22のアンテナ指向性を考慮した評価試験を行うことができる。
【0036】
そして、このように携帯無線端末機22を回転させる場合には、マイクロホン34はシールドボックス20内に複数個間隔を隔てて設けるのが好ましく、このようにすることによって、携帯無線端末機22から送信される音声信号に方向性があっても、当該音声信号をマイクロホンにより安定して受信することができる。なお、各マイクロホン34からの信号は合成されて簡易基地局25に入力される。
また、携帯無線端末機22を回転させない場合にあっても、マイクロホン34を複数個設けて各マイクロホン34からの信号を合成して簡易基地局25に入力するようにしてもよく、これによって一層感度を高めることができる。
【0037】
なお、上記した第1実施形態及び第2実施形態では携帯無線端末機(携帯電話機)を評価対象としたが、本発明は無線端末機一般の評価試験に広く適用することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、屋内においてフィールドシミュレーションを行うことができるシステムを簡易な構成によって実現することができ、しかも、評価対象にケーブル等を接続する必要がなくなって、無線端末機の十分な特性評価を精度よく行うことができる。
そして、特に本発明では、無線端末機からの受信情報信号を無線電波とは異なる光信号又は音声信号で出力するようにしたため、試験のために送信する無線電波とこの受信情報信号とがシールドボックス内で干渉してしまう事態が生ぜず、この点での正確な評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る電磁界環境特性評価システムの構成図である。
【図2】 送信用アンテナの他の配置例を示す図である。
【図3】 相関係数ヒストグラムの一例を示すグラフある。
【図4】 電界強度における累積確率分布を示すグラフである。
【図5】 電界強度の変動を示すグラフである。
【図6】 本発明の第1実施形態に係る電磁界環境特性評価システムの他の構成例を示す図である。
【図7】 本発明の第2実施形態に係る電磁界環境特性評価システムの構成図である。
【図8】 送信用アンテナの他の配置例を示す図である。
【図9】 本発明の第2実施形態に係る電磁界環境特性評価システムの他の構成例を示す図である。
【図10】 従来の屋外評価方法の一例を説明する図である。
【図11】 従来の屋内評価方法の一例を説明する図である。
【図12】 従来の屋内評価方法の他の一例を説明する図である。
【符号の説明】
20・・・シールドボックス、 21・・・電波吸収体、
22・・・携帯無線端末機、 22a・・・アンテナ、
23a〜23c・・・送信用アンテナ、 24・・・光センサ、
25・・・簡易基地局、 26・・・パーソナルコンピュータ、
27・・・分配器、 28a〜28c・・・移相器、
31・・・回転テーブル、 34・・・マイクロホン、
Claims (5)
- 電磁的に遮蔽されたシールドボックス内に送信用アンテナを配設するとともに評価対象の無線端末機を設置し、送信用アンテナから無線信号を送信して無線端末機が受信する信号の電磁界環境特性を再現する電磁界環境特性評価システムにおいて、
シールドボックス内に複数の送信用アンテナを配設するとともに、無線端末機に受信信号に関する情報信号を光信号として送信する手段を設け、
更に、シールドボックス内に無線端末機から送信された受信情報信号を受信する光センサを配設して、シールドボックスの外部に設けた評価制御手段に当該光センサを介して無線端末機の受信情報信号を入力することを特徴とする無線端末機の電磁界環境特性評価システム。 - 請求項1に記載の無線端末機の電磁界環境特性評価システムにおいて、
シールドボックス内に回転テーブルを設置して当該回転テーブル上に無線端末機を設置し、
また、当該無線端末機からの受信情報信号を受信する光センサを複数個配設して、これら光センサで受信した受信情報信号を合成して評価制御手段に入力することを特徴とする無線端末機の電磁界環境特性評価システム。 - 電磁的に遮蔽されたシールドボックス内に送信用アンテナを配設するとともに評価対象の無線端末機を設置し、送信用アンテナから無線信号を送信して無線端末機が受信する信号の電磁界環境特性を再現する電磁界環境特性評価システムにおいて、
シールドボックス内に複数の送信用アンテナを配設するとともに、無線端末機に受信信号に関する情報信号を音声信号として送信する手段を設け、
更に、シールドボックス内に無線端末機から送信された受信情報信号を受信するマイクロホンを配設して、シールドボックスの外部に設けた評価制御手段に当該マイクロホンを介して無線端末機の受信情報信号を入力することを特徴とする無線端末機の電磁界環境特性評価システム。 - 請求項3に記載の無線端末機の電磁界環境特性評価システムにおいて、
シールドボックス内に回転テーブルを設置して当該回転テーブル上に無線端末機を設置し、
また、当該無線端末機からの受信情報信号を受信するマイクロホンを複数個配設して、これらマイクロホンで受信した受信情報信号を合成して評価制御手段に入力することを特徴とする無線端末機の電磁界環境特性評価システム。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の無線端末機の電磁界環境特性評価システムにおいて、
シールドボックスの内壁の一部或いは全部に電波吸収体を設けたことを特徴とする無線端末機の電磁界環境特性評価システム。
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