JP3641915B2 - 消しゴムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル系樹脂と可塑剤から少なくともなる軟質塩化ビニル成形品を消しゴムの基材として使用する消しゴムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、人体・環境への安全性、ゴミ処分場確保問題、資源・エネルギーの有効利用といった多角的な問題として、廃プラスチックのリサイクルが大きな社会的課題となっている。
これら廃プラスチックの1つに塩化ビニル系樹脂と可塑剤から少なくともなる軟質塩化ビニル成形品がある。
軟質塩化ビニル成形品の廃材としては、工場の生産工程で発生する裁断時の切れ端などの未使用の屑と、製品として使用された使用済みの廃材とがある。使用済みの廃材のうち、特にビニールハウス等に使用された農業用塩化ビニル樹脂製フィルムは廃棄量が多く、そのリサイクルが社会的に望まれている。
【0003】
軟質塩化ビニル成形品の代表的なものとして、塩化ビニル樹脂製フィルムがある。塩化ビニル樹脂製フィルムの代表的配合例が、プラスチック材料講座(18)塩化ビニル樹脂(昭和47年2月20日初版発行、著者 古谷正之、発行所 日刊工業新聞社)の208ページの表7・3に下記のように記載されている。
【0004】
一般的な軟質塩化ビニル成形品を得るための混練り条件としては、二本ロール混練り条件が、プラスチック材料講座(18)塩化ビニル樹脂の184ページの表6・2に下記のように記載されている。
同じく、バンバリーミキサーの混錬り条件が、プラスチック材料講座(18)塩化ビニル樹脂の187ページの表6・5に下記のように記載されている。
ここで、ストック温度は混練りされている配合物の温度である。
このように、軟質塩化ビニル成形品は既に140℃以上の高い温度で混練りされている。
【0005】
軟質塩化ビニル成形品の特殊なものとして、塩化ビニル系樹脂を基材とした消しゴムがある。ところで、塩化ビニル系樹脂を基材とした消しゴムの製造方法としては、以下のような方法が提案されている。
ペースト用塩化ビル樹脂を用いた場合の製造方法として、特公昭32−8220号公報には、ペースト用塩化ビニル樹脂100重量部に対し、可塑剤DOPを80〜160重量部とし、これに充填剤を加えて混合撹拌して得たペースト状物を125〜135℃に加熱し低度のゲル化を行ってなる消しゴムの製造方法が記載されている。
【0006】
該ペースト状物の加熱成形方法としては、該ペースト状物を型に流し込んで加熱する方法が知られている。ペースト用塩化ビニル樹脂は微粒子状の樹脂粉末であるため、可塑剤と混合したペースト状物はプラスチゾルである。このゾルは、加熱すると塩化ビニル樹脂粒子が可塑剤を吸収して膨潤するため流動性を失ってゲルとなる。さらに高温にすると塩化ビニル樹脂粒子が溶融して、塩化ビニル樹脂分子どうしが絡み合う。
塩化ビニル樹脂粒子が溶融して塩化ビニル樹脂分子どうしが絡み合った状態の成形品は丈夫なため、紙との擦過で摩耗しない。これに対し、消しゴムは紙面から消しゴムに転写した鉛筆やシャープペンシルの筆跡を、消し屑と共に排出することによって消去性能を維持している。従って、消しゴムは紙との擦過で摩耗するために、塩化ビニル樹脂粒子が溶融しないゲル状態の、特に低い状態が好ましい。
【0007】
軟質塩化ビニル成形品の代表的なものである塩化ビニル樹脂製フィルムは塩化ビニル樹脂100重量部に対し可塑剤が40重量部前後配合されている。これに対し塩化ビニル樹脂製消しゴムは塩化ビニル樹脂100重量部に対し、80〜160重量部又はそれ以上の可塑剤が必要のため、軟質塩化ビニル成形品を使った消しゴムを製造する場合、軟質塩化ビニル成形品に可塑剤を、さらに必要に応じて充填剤や他の添加剤を加えて均一にする必要がある。
しかし、塩化ビニル樹脂製フィルムは簡単な裁断や破砕では数センチ〜数ミリの大きさの薄葉状の小片にするのがやっとであり、フィルム以外の成形品についても簡単な粉砕などでは数ミリの塊状の小片にするのがやっとである。このため、軟質塩化ビニル成形品の裁断や破砕や粉砕を行ったものと可塑剤、充填剤やその他の添加剤とを混合しても均一なペースト状にはならない。更に、この混合したものを、125〜135℃に加熱しても、軟質塩化ビニル成形品の小片どうしは混ざり合わず、充填剤は軟質塩化ビニル成形品の小片間にのみ存在する。
この為、この混合したものを用いて加熱成型品を形成し、この加熱成形品で紙面を擦過した場合、この加熱成型品は、軟質塩化ビニル製成形品の小片間で崩れて、鉛筆やシャープペンシルの筆跡を消去できない。
従って、軟質塩化ビニル成形品の裁断や破砕や粉砕を行ったものと可塑剤、充填剤やその他の添加剤とを混合したもの全体を均一な状態にするためには、混練りを行う必要がある。混練りとは、加熱により樹脂を軟化、溶融させた状態で強力な剪断力により樹脂どうしや、樹脂と他の配合物を均一に練り合わせることである。
【0008】
これに対し、ペースト用塩化ビニル樹脂より粒径の大きな懸濁重合や塊状重合の塩化ビニル樹脂を使用して消しゴムを製造する方法については、懸濁重合あるいは塊状重合の塩化ビニル系樹脂と可塑剤と無機質充填剤とからなる配合物を加熱撹拌した後、背圧30〜100Kg/cm2 、配合物温度80〜140℃の条件で押出成形する消しゴムの製造方法が特開昭54−124066号公報に記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
塩化ビニル系樹脂と可塑剤から少なくともなる軟質塩化ビニル成形品を消しゴムの基材として使用する消しゴムの製造方法を提供することである。
塩化ビニル樹脂製消しゴムにおいては、低度のゲル化状態とするため125〜135℃の温度範囲で加熱したり、80〜140℃の温度範囲で混練りを行う事が知られている。しかし、これらは可塑剤を含有していない塩化ビニル樹脂をゲル化する場合の条件である。軟質塩化ビニル成形品は、既に可塑剤を含有し一旦140℃以上で混練りされている。このため、軟質塩化ビニル成形品に新たに可塑剤や他の添加剤を加えても、従来知られている消しゴムの製造方法では、均一で紙との擦過で摩耗する消去性の良い消しゴムを得ることはできない。
【0010】
塩化ビニル系樹脂と可塑剤から少なくともなる軟質塩化ビニル成形品と可塑剤、充填剤、その他の添加剤との混合物を混練りする場合、115℃未満では均一な混練りができない。即ち、例えば、混練り温度が90℃では軟質塩化ビニル成形品が十分に軟化しないため、混練り品中に軟質塩化ビニル成形品の小片が多数存在する。このため、この混練り品をブロック状に成形した消しゴムで紙面を擦過すると軟化塩化ビニル成形品の小片か剥がれるため、消去感がザラザラし、消去性も悪い。また、混練り温度が110℃の場合、軟質塩化ビニル成形品の小片はないが、混練り品をブロック状に成形した消しゴムで紙面を擦過しても、消し屑が紙面や消しゴム本体に貼り付きやすく、粘着性があってべたつく。これは、既に有る程度可塑剤を含有して一旦溶融状態になった塩化ビニル樹脂は、可塑剤を含有していない塩化ビニル樹脂に比べ可塑剤を吸収しにくくなって、塩化ビニル樹脂に吸収されない可塑剤があるためと考えられる。
これに対し、混練り温度が120℃やそれ以上の場合、混練り品をブロック状に成形した消しゴムは、丈夫で摩耗しにくく鉛筆やシャープペンシルの筆跡を消去すると、筆跡のカーボンが消しゴム表面に付着して黒く汚れ、この汚れが紙面に再転写して紙面を汚してしまう。これは、既にある程度可塑剤を含有して一旦溶融状態になった塩化ビニル樹脂は、可塑剤を含有していない塩化ビニル樹脂に比べ溶融し易いため120℃で溶融状態になるためと考えられる。
以上のように、塩化ビニル系樹脂と可塑剤から少なくともなる軟質塩化ビニル成形品を消しゴムの基材として使用する消しゴムの製造において、軟質塩化ビニル成形品と可塑剤、充填剤、その他の添加剤を混練りする場合、115℃未満では充分な混練りができず、115℃以上では紙との擦過で摩耗しにくくなり、いずれにせよ消しゴムとして消去性能が悪いものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩化ビニル系樹脂と可塑剤から少なくともなる軟質塩化ビニル成形品を消しゴムの基材として使用する消しゴムの製造方法において、この製造方法が、115℃以上で混練りを行う第1の混練り工程と、この第1の混練り工程により得られたものを室温にまで冷却する冷却工程と、この冷却工程の後に60℃以上115℃未満で混練りを行う第2の混練り工程と、この第2の混錬り工程により得られたものを所望の形状にする成形工程とを少なくとも含むことを特徴とする消しゴムの製造方法を要旨とする。
以下、詳述する。
塩化ビニル系樹脂と可塑剤から少なくともなる軟質塩化ビニル成形品は、可塑剤を含有し一旦塩化ビニル樹脂が溶融状態にされた成形品である。主な軟質塩化ビニル成形品である農業用塩化ビニル樹脂製フィルムの用途としては、地表を直接覆うマルチ、丈の短い苗にかぶせるトンネル、ビニールハウスがある。農業用塩化ビニル樹脂製フィルム以外の成形品としては一般用フィルム・シート、ビニルレザー用フィルム・シート、壁紙、玩具、雑貨などがある。
農業用塩化ビニル樹脂製フィルムは農家から大量に排出されるため、各自治体や農業団体、関連団体による回収が行われている。回収された使用済みの農業用塩化ビニル樹脂製フィルムは裁断、洗浄後、リサイクル原料として供給されている。
【0012】
軟質塩化ビニル成形品に使用されている塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル樹脂及び/又は塩化ビニル共重合樹脂である。共重合用の他の物質としては酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸、フマル酸エステル、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、ビニルエステル等がある。
【0013】
軟質塩化ビニル成形品を基材として使用する消しゴムに使用される可塑剤は、従来、消しゴムに使用される公知の可塑剤が使用できる。
具体的には、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジノルマルオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類や、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート等の脂肪族二塩基酸エステル類や、トリメリット酸エステルやピロメリト酸エステル等の芳香族カルボン酸エステル類や、リン酸トリクレジル、リン酸ジフェニルクレジル等のリン酸エステル類や、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル類や、ポリエステル可塑剤などが挙げられる。
可塑剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して80〜200重量部使用するのが消しゴムとして望ましいため、軟質塩化ビニル成形品に含まれる可塑剤量との合計がこの範囲に入るようにする。
【0014】
充填剤は、従来消しゴムに使用される公知の充填剤が使用できる。
具体的には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、クレイ、タルク、珪藻土などが使用できる。
安定剤は、塩化ビニル樹脂製フィルム・シート中に既に添加されているが、さらに添加することができる。また、必要に応じて他の添加剤や着色剤など従来消しゴムに使用できることが公知の配合剤を添加できること勿論である。
【0015】
本発明の消しゴムの製造方法においては、115℃以上で混練りを行う第1の混練り工程と、この第1の混練り工程により得られたものを室温にまで冷却する冷却工程と、この冷却工程の後に60℃以上115℃未満で混練りを行う第2の混練り工程と、この第2の混錬り工程により得られたものを所望の形状にする成形工程とを少なくとも含むことが必須である。
混練りを行うためには、塩化ビニル樹脂混練り用の従来公知のロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機などの混練機が使用できる。
第1の混練り工程においては、均一な混練りを行うために混練り温度を115℃以上とすることが必要である。これは、115℃未満では、均一な混練りができないためである。また、混練り温度が高くなりすぎると塩化ビニル樹脂が分解、炭化して、黒く着色したり混練り機に焼き付いたりするため、200℃を越えないようにした方がよく、より好ましくは150℃を越えないようにするとよい。
上記第1の混練り工程の後、この第1の混練り工程によって得られたものを室温にまで冷却する冷却工程が必要である。これは、この冷却工程の後に行われる第2の混練り工程において、摩耗性付与の効果を顕著なものとするために必要な工程である。因みに本発明において冷却工程の室温とは、15〜35℃程度である。
第2の混練り工程においては、摩耗性を付与するために、混練り温度を60℃以上115℃未満で行うことが必要である。これは、115℃以上では、丈夫で摩耗しにくく消去性の悪い消しゴムとなり、また、60℃未満では混練りで配合物に粘着性がないため、剪断力で崩れて粉の混ざった小塊状になってしまい混練りできないためである。
なお、第1の混練り工程と第2の混練り工程との混練りの温度差は20℃以上であることが好ましい。温度差が少ないと第2の混練り工程の摩耗性付与の効果が少ない。
【0016】
混練り機がロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー等のバッチ式の場合、混練りされているものの温度の最も高い温度が一度目の混練りでは115℃以上、であり、二度目の混練りでは60℃以上115℃未満の温度範囲内に入っていればよい。
一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機などの連続式の混練り機では、混練りされているものの温度を直接測れないため、混練り機中の混練り部分において測定される、混練り機の最も高い温度が温度範囲内に入っていればよい。
例えばスクリュー式の押出成形機、射出成形機のように混練りと成形を連続して行う機械の場合、混練りを行うシリンダー部分のシリンダー温度が温度範囲内に入っていればよい。通常、シリンダーの温度は、一つのシリンダーをいくつかに区切って、独立して温度測定制御される。本発明の場合、これらの区切られたシリンダーで測定される温度の内、最も高い温度が前述の温度範囲に入っていればよい。
押出成形機の場合、成形を行い混練りを行わないフランジ、ヘッド、ダイノズル部分の温度は前述の温度範囲と関係ない。
【0017】
本発明の消しゴムの製造方法において、混練りを三回以上行っても良いが、混練り温度による作用は同じため、最後の混練りが60℃以上115℃未満の範囲であり、その他の混練り時に115℃以上で混練り後を行っていれば前述の二度混練りと実質的に同じ効果が得られる。
【0018】
上記、第1の混練り工程、冷却工程、第2の混練り工程を経て得られた配合物は、成形工程を経て所定の消しゴム形状に成形される。
この成形工程は、混練り作用を伴わない。混練りと成形を連続して行う押出成形機や射出成形機においては、シリンダー部分がスクリューによる混練り部分であり、押出成形機ではフランジ、ヘッド、ダイノズル等が成形部分であり、射出成形では金型が成形部分である。ロールミル、ニーダー、バンバリーミキサー等のバッチ式の混練り機の場合、成形部分を持たないため、混練り直後の軟化状態の配合物を型等に詰め込んで圧力により型の形状に成形するプレス成形などにより成形を行う。特に、ロールミルにより、シート状物を作る場合は、裁断などにより所定の消しゴム形状に成形する事もできる。
【0019】
【作用】
なぜ、二度目の混練り温度を60℃以上115℃未満の範囲にすると、軟質塩化ビニル成形品を基材に使用する消しゴムが、紙面との擦過で摩耗するようになるかは定かではないが、以下のためと推考される。
混練り機は混練りされる物質に剪断力により歪みを生じさせるが、充分に温度が高い場合、混練りされるものは軟らかく歪みが連続している。しかし本発明における塩化ビニル樹脂組成物は115℃未満では軟化が不充分のため、歪みが連続せず、配合物中に細かい樹脂粒子界面が形成されると考えられる。このため、成形後の消しゴムは紙との擦過においてこの界面から剥離して摩耗しやすい状態になると考えられる。混練り温度が60℃未満では配合物が硬すぎるため、剪断力により引きちぎられてバラバラの小塊物になってしまうと考えられる。
【0020】
特に農業用塩化ビニル樹脂製フィルムは屋外で使用されるため、直射日光や風雨に曝されて強度劣化が著しい。このため、リサイクルによる再利用においては、通常強度不足が大きな問題となるが、消しゴムは強度が弱く、紙との擦過で摩耗した方が好都合のため、使用済みの農業用塩化ビニル樹脂製フィルムを消しゴムに使用することは好ましい。
【0021】
【実施例】
実施例1
(第1の混練り工程)
下記条件にて二本ロールミルで、まず塩化ビニル樹脂製透明シートを二本のロール間を通しながらロールに巻き付けた後、順次他の配合物を添加して混錬りを行い、配合物を得た。
前・後ロール温度 130℃
ロール間隔,初期 0.5〜1mm
ロール間隔,後期 >3mm
混練り時間 全ての配合物を添加後10分
混練り物温度 全ての配合物を添加後130〜140℃
(冷却工程)
この配合物を室温まで放冷した。
(第2の混練り工程)
下記条件にて二本ロールミルで前述の配合物を混錬りした。
前・後ロール温度 80℃
ロール間隔,初期 2mm
ロール間隔,後期 >3mm
混練り時間 全ての配合物を添加後10分
混練り物温度 全ての配合物を添加後80〜90℃
(成形工程)
80℃に加熱された厚さ10mm、幅22mm、長さ65mmの直方体の内容物形状を持つ型に混錬りした配合物を適宜量を入れてプレス機にて加圧して成形を行って消しゴムを得た。
【0022】
実施例2
(第1の混練り工程)
下記条件にて二本ロールミルで、まず廃農業用塩化ビニル樹脂製フィルムを二本のロール間を通しながらロールに巻き付けた後、順次他の配合物を添加して混錬りを行い、配合物を得た。
前・後ロール温度 130℃
ロール間隔,初期 0.5〜1mm
ロール間隔,後期 >3mm
混練り時間 全ての配合物を添加後10分
混練り物温度 全ての配合物を添加後130℃
(冷却工程)
この配合物を室温まで放冷した。
(第2の混練り工程)
下記条件にて二本ロールミルで前述の配合物を混錬りした。
前・後ロール温度 100℃
ロール間隔,初期 2mm
ロール間隔,後期 >3mm
混練り時間 全ての配合物を添加後10分
混練り物温度 全ての配合物を添加後100℃
(成形工程)
100℃に加熱された厚さ10mm、幅22mm、長さ65mmの直方体の内容物形状を持つ型に混錬りした配合物を適宜量を入れてプレス機にて加圧して成形を行て消しゴムを得た。
【0023】
実施例3
(前処理工程)
廃農業用塩化ビニル樹脂製フィルムと重質炭酸カルシウムをヘンシェルミキサーにて撹拌混合し、撹拌による発熱で80℃にした。80℃になったところでDOP、エポキシ化大豆油を前記撹拌しているヘンシェルミキサー中に投入して、顆粒状の撹拌混合物を得た。この、混合物を室温まで放冷した。
(第1の混練り工程)
シリンダー内径が90mm、スクリューの長さが28×シリンダー内径、スクリューの圧縮比(供給部側のスクリュー溝断面積÷計量部側のスクリュー溝断面積)が3.0の一軸押出機にて、材料供給側から排出側に向かってシリンダー温度を供給部温度70℃、圧縮部温度105℃、計量部温度130℃にて混練りした。
(ペレット化のための成形工程)
上記押出機のフランジ、ヘッド、ダイノズル温度130℃にて、混練りから連続して直径5mm丸棒を成形した。
(冷却工程)
この配合物を水中を通すことにより、室温にまで急冷した。
(ペレット化のための切断工程)
この配合物を水冷後、長さ5mmに切断して、ペレット状の配合物を得た。
(第2の混練り工程)
このペレット状の配合物を、上記押出機にて、材料供給側から排出側に向かってシリンダー温度を供給部温度60℃、圧縮部温度80℃、計量部温度100℃にて混練りした。
(成形工程)
上記押出機のフランジ・ヘッド・ダイノズル温度100℃にて混練りから連続して断面形状が22ミリ×10ミリの角棒を成形して消しゴムを得た。
【0024】
比較例1
実施例1において、1度目の混練り温度を100℃となした以外は、実施例1と同様になして消しゴムを得た。
【0025】
比較例2
実施例1において、2度目の混練り温度を140℃となした以外は、実施例1と同様になして消しゴムを得た。
【0026】
比較例3
実施例3において、2度目の混練り工程の温度条件を、供給部温度60℃、圧縮部温度100℃、計量部温度150℃となし、成形工程の温度条件をフランジ・ヘッド・ダイノズル温度150℃となした以外は、実施例3と同様になして消しゴムを得た。
【0027】
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた消しゴムについて、その消去性を消字率と目視評価で調べた。
結果を表1に示す。
尚、消字率はJIS S6050(平成6年2月1日改正)の4.4消し能力(消字率)の方法によって測定した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明の消しゴムの製造方法によれば、軟質塩化ビニル樹脂成形品を使用した消しゴムにおいて、良好な摩耗性を与えることにより、消去性の優れた消しゴムを得ることができる。
Claims (1)
- 塩化ビニル系樹脂と可塑剤から少なくともなる軟質塩化ビニル成形品を消しゴムの基材として使用する消しゴムの製造方法において、この製造方法が、115℃以上で混練りを行う第1の混練り工程と、この第1の混練り工程により得られたものを室温にまで冷却する冷却工程と、この冷却工程の後に60℃以上115℃未満で混練りを行う第2の混練り工程と、この第2の混錬り工程により得られたものを所定の形状にする成形工程とを少なくとも含むことを特徴とする消しゴムの製造方法。
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KR20180058469A (ko) * | 2016-11-24 | 2018-06-01 | 이병열 | 모형제작용 점토 및 그를 이용한 점토성형품의 제조방법 |
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