JP3639075B2 - 冶金用コークス破壊粉の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークスの製造後に受ける衝撃などによってコークスから発生する粉の粒度および量を制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉用コークスの性状は直接高炉操業に影響することから、所定の性状を確保するために最大の関心が払われる。
【0003】
高炉操業に関するコークス品位管理指標の一つにコークス冷間強度指標があり、その代表的なものとして、JIS K2151 に規定されたドラム強度指数やタンブラー強度指数、DIN 51717 に規定されたマイカム強度指数などがある。これらの指数は、いずれも円筒容器に規定量のコークスを入れ、容器を規定回数回転させた後に取り出したコークスのうち、規定の大きさの篩上(または篩下)の試料重量の初期投入試料重量に対する百分率によって表わされる。
【0004】
これらの管理指標を制御する手段の一つとして、原料の均質化を目的として原料石炭の粉砕粒度を一定に調節する方法が広く行われており、その際、コークス化性が悪い低石炭化度炭、高イナート(不活性成分)炭を細粉砕して均一に分散させコークス強度の向上を図る方法が一般的に実施されている。その代表的な方法としてはSOVACO法があげられる。この方法は、石炭組織間の粉砕性の差を利用し、粉砕されやすい成分である活性成分の多いビトリットの過粉砕を防止すると同時に不活性成分を微粉砕するために、ビトリット部分をまず粉砕して篩分けすることにより分離した後、粉砕されにくい不活性成分に富むドリット部分を粉砕と篩分けを何回か繰り返して微粉砕し、その後両者を混合する方法であり、こうした操作を加えることにより、前述のコークス強度指数を向上させようとするものである。
【0005】
また、原料の均質化を図る方法とは別に、装入炭の充填密度を向上させることによりコークス強度の向上を図る方法も広く実施されている。装入炭の充填密度を向上させるための具体的な方法としては、装入炭の粒度分布を調整する方法、装入炭の水分を調整する方法、ある種の填圧による方法などがある。これらの方法のうち、装入炭の粒度分布を調整する方法については、粉砕対象とする原料石炭を適正に選択することにより原料の均質化も同時に図ることができ、こうした方法も一般化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
原料石炭の粉砕粒度を調整する方法は従来より行われており、またSOVACO法のように粉砕および篩分けを併用した選択粉砕も行われているが、これらの方法は全て前述のコークス強度指数の向上を目的とするものである。
【0007】
一方、前述のコークス強度指数はいずれも一定の衝撃を与えた際に発生する規定の篩目開以下の粒径のコークス(コークス粉)の総重量をもってコークス強度の評価指数とするものであり、その際に粒径が規定の篩目開以下であれば、コークスはその粒度によらずコークス粉として扱われる。
【0008】
ところで、コークスの輸送中や高炉への装入時あるいは高炉内を下降する際に発生する粉については、その総量のみならず粒度も高炉炉況に対して大きな影響を与えることが知られている。
【0009】
しかしながら、これまでのところ、コークス粉の粒度を制御するための有効な方法は見い出されておらず、前述のコークス強度も、規定の篩目開以下の粒径のコークス(コークス粉)の総重量をもってコークス強度の評価指標とするにとどまっている。
【0010】
もしコークス製造前にコークス破壊粉の粒度および量を制御することが可能となれば、高炉内のコークス充填層の空隙率を低下させ通気性の悪化を招きあるいは高炉内での反応でも完全には消費されず炉下部に到達して炉心に蓄積される粗粉の量を減じることができ、また一方で、衝撃によって発生し環境を汚染する微粉の量を減少させることも可能となる。さらに、このようにコークスの破壊挙動を予測することができるようになれば、コークス強度指数の制御にも対応できることになる。
【0011】
本発明は、このような背景下において、配合炭のうちの特定の炭種部分を粉砕したときの指標に着目して、その配合炭から得たコークスから発生する粉についての特定の相関関係を見い出すことにより、コークスから発生する粉の粒度および量を制御する方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の冶金用コークス破壊粉の制御方法は、
低石炭化度または/および高イナートの炭種(以下、対象石炭部分と称する)を特定割合aで含む配合炭につき、当該対象石炭部分を粉砕したときの特定粒度範囲bの粉砕物の量xと、前記配合炭から製造したコークスの製造後に受ける衝撃によって発生する特定粒度範囲cのコークス粉の量yとを、予め試験データまたは操業データに基いて求めることにより、その中から強いx−y相関関係を示す条件a,b,cを把握し、
もって、配合炭からコークスを製造するときに、前記で把握した強いx−y相関関係およびそのような相関関係が得られる条件a,b,cに基いて、コークスから発生する粉の粒度および量を制御するようにしたこと
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「イナート」とは「不活性成分」のことである。
【0014】
原料石炭からコークス消費までの流れを概念的に示せば、「原料石炭→粉砕→コークス炉への装入→乾留→コークスの運搬・輸送→コークス消費」となる。そして、コークスの運搬・輸送およびコークス消費の工程で、各種衝撃によりコークス破壊粉が発生する。
【0015】
本発明においては、配合炭のうち、低石炭化度または/および高イナートの炭種(対象石炭部分)に着目する。
【0016】
次に、当該対象石炭を特定割合aで含む配合炭につき、当該対象石炭部分を粉砕したときの特定粒度範囲bの粉砕物の量xと、その配合炭から製造したコークスの製造後に受ける衝撃によって発生する特定粒度範囲cのコークス粉の量yとを、予め試験データまたは操業データに基いて求める。
【0017】
当該対象石炭部分の粉砕は、たとえば、粉砕機を選択したり、粉砕機の回転数調整や負荷量調節などの粉砕機器の運転条件を調整したり、粉砕と篩分けとを併用した選択粉砕法を採用したりするなどして行われる。
【0018】
上記の特定粒度範囲bの粉砕物の量xと、上記の特定粒度範囲cのコークス粉の量yとを求めた後は、その中から、強いx−y相関関係を示す条件a,b,cを把握する。
【0019】
そして、配合炭からコークスを製造するときに、前記で把握した強いx−y相関関係およびそのような相関関係が得られる条件a,b,cに基いて、コークスから発生する粉の粒度および量を制御する。
【0020】
このように、条件a,b,cおよびx−y相関関係を求め、さらにその中から強いx−y相関関係を示す条件a,b,cの把握を見い出す具体的手法については、次の実施例で明らかになるであろう。
【0021】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに説明する。
【0022】
実施例
実操業における配合炭を用い、その配合炭のうち後述の炭種部分(対象石炭部分)を粉砕調整してから、試験炉によりコークスの製造を行った。
【0023】
すなわち、試験炉で製造した各コークス試料を用い、「コークスが受ける衝撃」を想定して、JIS K2151 の回転強度試験方法のドラム法を適用して破壊試験(150回転)を行った。このようにしてコークスに衝撃を加えた後のコークスの発生粉として15mm篩下の粒度分布を、篩の目開の大きさの異なる数種の篩により篩分けると共に、各粒度の重量を測定することにより求めた。結果を図1〜2に基いて説明する。
【0024】
図1は、配合炭のうち特に低石炭化度側から選択したものとイナート量の多いものから選択した単味炭5種(対象石炭部分)で配合割合a=33%の部分を対象としたときの粉砕粒度(対象石炭部分粒度)(b=3mm篩下重量%)と、衝撃試験後の発生コークス粉の各粒度フラクションにおける重量との単相関について調べ、発生コークス粉の各粒度ごとに単相関係数を示したものである。横軸は衝撃試験後の発生コークス粉の粒径(mm)、縦軸は当該対象石炭部分粒度と各フラクション毎のコークス発生粉量との単相関係数である。
【0025】
図1から、粒径 1.5mm〜15mm程度のコークス粉量と、対象石炭部分粒度との関係には、強い負の相関関係が認められることがわかる。
【0026】
図2は、図1の結果において、一例として15mm篩下のコークス粉を3mm篩の上下に分けて、その発生粉量yと、対象石炭部分粒度との関係についてプロットしたものである。横軸は対象石炭部分粒度(b=3mm篩下重量%)の量x、縦軸は衝撃試験後のコークス粉発生量y(g/10kg)である。
【0027】
図2から、対象石炭部分粒度(b=3mm篩下重量%)と、衝撃試験後コークス粗粒部(粒度範囲c=3〜15mm)についての粉発生量yとの間には、強い相関関係が認められることがわかる。
【0028】
一方、図2から、対象石炭部分粒度(b=3 mm 篩下重量%)と、衝撃試験後コークス細粒部(粒度範囲c=3 mm 未満)についての粉発生量yとの間には、明確な相関は認められない。
【0029】
以上の結果から、配合炭において低石炭化度または/および高イナートの炭種の量に応じて粉砕調整することにより、コークスが製造後に受ける衝撃によって発生する破壊粉の粒度および各粒度における量の制御ができることがわかる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、コークス製造後に受ける様々な衝撃によって発生する破壊粉の粒度および発生粉量を制御することができる。従って、本発明は次の点で有用性の高いものである。
【0031】
製造後のコークスを使用するに際して、運搬、移送途中において発生する発塵量は微粉の量と関係するから、衝撃によって発生する微粉の量を制御することは環境上有意義である。
【0032】
高炉中の鉄鉱石、ペレット、コークス等による充填層の通気性の確保は重要視されている。高炉内の反応によって炉上部で消失せずに炉下部まで到達するような粗粉は、充填層の空隙率を低下させ通気性を低下させる。従って、コークスの衝撃による破壊粉のうち比較的粗い発生粉を制御することは、高炉操業において有意義である。
【0033】
さらに、微粉および粗粉の発生粉量の制御によりコークス強度指数の制御にも対応できるため、冶金用コークスの製造においても有意義である。
【0034】
加えて、配合炭のうちの低石炭化度または/および高イナートの炭種の粉砕粒度調整は容易に行うことができるので、操業管理上の取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 衝撃試験後に発生したコークス粉の粒径(mm)と、対象石炭部分粒度との単相関係数との関係を示したグラフである。
【図2】 対象石炭部分粒度(3mm篩下重量%)と、衝撃試験後の発生コークス粉量(g/10kg)との関係を示したグラフである。
Claims (1)
- 低石炭化度または/および高イナートの炭種(以下、対象石炭部分と称する)を特定割合aで含む配合炭につき、当該対象石炭部分を粉砕したときの特定粒度範囲bの粉砕物の量xと、前記配合炭から製造したコークスの製造後に受ける衝撃によって発生する特定粒度範囲cのコークス粉の量yとを、予め試験データまたは操業データに基いて求めることにより、その中から強いx−y相関関係を示す条件a,b,cを把握し、
もって、配合炭からコークスを製造するときに、前記で把握した強いx−y相関関係およびそのような相関関係が得られる条件a,b,cに基いて、コークスから発生する粉の粒度および量を制御するようにしたこと
を特徴とする冶金用コークス破壊粉の制御方法。
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JP00063997A JP3639075B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | 冶金用コークス破壊粉の制御方法 |
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JP00063997A JP3639075B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | 冶金用コークス破壊粉の制御方法 |
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JP00063997A Expired - Lifetime JP3639075B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | 冶金用コークス破壊粉の制御方法 |
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JP4788167B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-10-05 | Jfeスチール株式会社 | 冶金用コークスの製造方法 |
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1997
- 1997-01-07 JP JP00063997A patent/JP3639075B2/ja not_active Expired - Lifetime
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