JP3637629B2 - 記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は記録方法に関し、例えば、画像情報に応じた選択的加熱により記録部から記録液を液滴として吐出せしめ、対向する印画紙に転写するフルカラー画像記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コンピュータグラフィクス等の画像記録のカラー化が進むにつれ、ハードコピーのカラー化に対するニーズが急速に高まっている。これに対応して、色々な方式のカラープリンタが開発され、様々な分野に展開している。これらの記録方式の中で、高画質の画像を簡単な装置で手軽に出力する方法は、染料拡散熱転写方式(昇華熱転写方式や溶融熱転写方式)とインクジェット方式に大きく分類できる。
【0003】
これらの記録方式の中で、染料拡散熱転写方式によれば、適当なバインダ樹脂中に高濃度の転写染料の分散するインク層が塗布されいてるインクシートと、転写された染料を受容する染着樹脂がコーティングされた印画紙等の被転写体を、一定の圧力で密着させ、インクシート上に位置する感熱記録ヘッドから画像情報に応じた熱が加えられ、この加えられた熱量に応じてインクシートから染料受容層に転写染料を熱転写させる。
【0004】
上記の操作を、減法混色の三原色、即ち、イエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞれ繰り返すことによって、連続的な階調を持つフルカラー画像を得ることを特徴とする、いわゆる熱転写方式は、小型化、保守が容易で、即時性を備え、銀塩カラー写真並の高品位な画像を得る優れた技術として注目を集めている。
【0005】
図18は、こうした熱転写方式のプリンタの要部の概略正面図である。
【0006】
感熱記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと呼ぶ)1とプラテンローラ3とが対向し、これらの間に、ベースフィルム12b上にインク層12aを設けたインクシート12と、紙20b上に染着樹脂層20aを設けた被記録紙(被転写体)20とが挟まれ、これらが回転するプラテンローラ3によってサーマルヘッド1に押し付けられて走行する。
【0007】
そして、サーマルヘッド1によって選択的に加熱されたインク層12a中のインク(転写染料)が、被転写体20の染着樹脂層20aにドット状に転写され、熱転写記録が遂行される。このような熱転写記録には、被記録紙20の走行方向と直交する方向にサーマルヘッドを走査するシリアル方式や、同被記録紙走行方向に直交して一本のサーマルヘッドを固定して配したライン方式とが採用されている。
【0008】
しかし、この方式はインクシートの使い捨てに起因する多量の廃棄物の発生と、高いランニングコストが大きな欠点であり、その普及が妨げられている。
【0009】
一方、インクジェット方式とは、特公昭61−59911 号や特公平5−217 号公報等に示されるように、画像情報に応じて、静電吸引方式、連続振動発生方式(ピエゾ方式)、サーマル方式(バブルジェット方式)等の方法で記録液の小滴を記録ヘッドに設けられたノズルから飛翔させ、記録部材に付着せしめ、記録を行うものである。
【0010】
図19及び図20は、そうしたインクジェット記録方式を示すものであり、ノズル(ヘッド)21内の記録液23を記録信号に応じて、電気−熱変換体である発熱体(ヒータ)10によって加熱し、記録液滴23aを記録紙11に対して放出し、記録するものである。
【0011】
この場合、記録液23は、染料を溶媒に溶かした染料溶液からなり、貯蔵タンク(図示せず)からパイプ24を経てポンプ22に供給され、このポンプからパイプ25及びバルブ26を経てノズル21に導入される。
【0012】
そして、加熱手段10により記録液23を選択的に加熱して溶媒の体積膨張によって微小液滴化し、空隙27を飛翔によって移動させ、被記録体11上に連続的に転写させて画像を形成する。この操作を1回行えばモノカラー画像が得られ、また、減法混色の三原色であるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号について3本のノズルを用いてそれぞれ繰り返すことで、フルカラー化を達成できる。
【0013】
従って、インクジェット記録方式は、インクシート等を使用する場合のような廃棄物の発生はほとんどない。最近では、特に上記の如きサーマル方式が簡易にカラー画像を出力できることから、普及が拡大している。
【0014】
しかし、インクジェット方式は、図20に拡大図示するようにノズル21の先端開口22のサイズで液滴23aの大きさが決まるために、画素内の濃度階調が原理的に困難である。このために、濃淡の表現は面積階調(転写面積の大小)に依らざるをえず、従って画像の解像度が低下してしまう。このため、染料拡散熱転写方式で得られるような、銀塩写真に匹敵する高品位な画像を再現することは困難である。
【0015】
上記した各方式を比較してまとめると、下記の表1のようになる。
Figure 0003637629
【0016】
従って、フルカラープリンタ等のプリンタとして、銀塩写真と同等以上の解像度と階調性を持ち、プリント時の廃棄物の発生を抑制し、普通紙に転写可能であり、低ランニングコストで、小型、軽量で、かつ即時性を兼ね備えた方式の実現が切望されていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した熱転写方式とインクジェット方式の双方の利点を生かしつつ、それらの欠点を同時に解消して、高画質と即時性を兼ね備え、装置の小型、軽量化が可能であり、廃棄物が発生せずに、普通紙にも転写可能であり、低消費電力及び低ランニングコストで実施できる記録方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、記録ヘッドの記録液飛翔部(例えば記録液加熱部)に記録液を供給し、前記記録液飛翔部にて例えば加熱により前記記録液の状態を変化させて液滴を生成させ、この液滴を前記記録ヘッドと対向配置された被記録体へ移行させるようにした記録方法において、
サイズ及び間隔がそれぞれ0.1〜10μmである柱状体からなる多孔性構造体を前 記記録液飛翔部に形成し、前記多孔性構造体に供給された前記記録液を液滴化し、生成 する液滴を前記記録ヘッドと所定の間隙、特に10〜500μmの間隙を置いて対向配 置された前記被記録体へ飛翔させる
ことを特徴とする記録方法に係るものである。
【0019】
本発明の記録方法によれば、上記の多孔性構造体を記録液飛翔部に設けることによってその表面積が増加し、記録液を毛細管現象により記録液飛翔部へと常時供給し、かつそこに保持することができ、この状態で液滴化手段である例えば加熱手段(例えば、レーザ光)により記録情報に応じた熱量を選択的に加えることによって、記録液の一部を蒸発させて圧力上昇を起こし、カラービデオカメラ等で作成された電気的な画像に対応した記録情報に応じた量の記録材を微小な液滴にして被記録体へ移行させ、この被記録体上に転写することになる。
【0020】
この場合、公知のインクジェット方式と比較して、上記の多孔性構造体のもつ微細孔から、これに対応して、従来のインクジェット方式のノズルに比べてずっと小さいサイズの液滴(マイクロドット)を多数形成でき、かつ記録液飛翔部への記録情報に対応した加熱エネルギー等の印加エネルギーに応じて液滴の生成数(即ち、飛翔する液滴量)を自由に制御することができるので、本発明の記録方法は、多値濃度階調が可能になり、銀塩方式の画像と同等若しくはそれ以上の画質を持つ記録(例えば、フルカラー画像)を得ることができる。
【0021】
即ち、本発明によって、オンデマンドで非常に微小な記録液滴の転写が可能である独得の構造を持つヘッドを使用して、少なくとも1色当たり1画素内で 128階調若しくはそれ以上の濃度階調表現が可能であるインクジェット方式を実現できる。
【0022】
本発明の記録方法において、上記の多孔性構造体の作用は非常に重要であって、特に、サイズ及び間隔がそれぞれ 0.1〜10μm(横方向の代表的寸法が特に 0.2〜3μm、高さ方向の代表的寸法が2〜15μm)である柱状体等によって多孔性構造体を形成し、記録情報に応じて記録液を加熱等によって液滴化し、生成する液滴を記録ヘッドと10〜500 μmの間隙を置いて対向配置された被記録体へ飛翔させることが望ましい。
【0023】
上記の多孔性構造体を形成する柱状体等からなる多孔体として、高さ1〜20μm(特に1〜15μm)、直径又は一辺 0.1〜5μm(特に 0.5〜3μm)、間隔 0.1〜5μm(特に 0.5〜3μm)であって、特に 300℃以上の耐熱性を持つ突起が、縦方向と横方向においてそれぞれ2〜100 行と2〜100 列(望ましくは3行以上、3列以上)の範囲でマトリクス状に並んだパターンをなしているのが望ましい。
【0024】
そして、記録ヘッドの記録液飛翔部で消費された記録液をその供給通路から前記飛翔部に連続的にかつ自発的に補給することができる。
【0025】
また、記録液の液滴化は、加熱手段又は機械的手段(例えば機械的手段としての連続振動発生方式(ピエゾ方式)、静電吸引方式)によって行える。これらの加熱手段又は機械的手段は、上記の多孔性構造体の手前(即ち、記録液の飛翔側とは反対側)に配することができる。
【0026】
記録液の液滴化のための加熱は、レーザ光の照射によって行えるが、記録情報に応じて出力の変化が可能なレーザと、記録ヘッドの記録液加熱部に設けられたレーザ光吸収性のある光熱変換体とを使用するのがよい。或いは、記録液の加熱源は、加熱部に設けられた発熱体を用い、抵抗加熱によって行ってもよい。
【0027】
また、記録液の液滴化を良好に行うには、記録液を飛翔部に十分に保持しておくことが必要であり、このためには、非記録時において多孔性構造体の先端を記録液面よりも0〜50μm深く位置させておくのがよい。
【0028】
そして、記録液の液滴量をコントロールして濃度変調を良好に行う上で、多孔性構造体の底部に気泡形成用の発熱体(ヒータ)を配することによって、多孔性構造体の小孔内で発熱体による加熱エネルギーに対応した量の小さい気泡を発生させ、この気泡による噴出効果により小孔サイズで所望の量の液滴を形成することができる。
【0029】
本発明の記録方法に使用する記録液は、分散染料、油溶性染料、塩基性染料、酸性染料、カチオン染料及び直接染料からなる群より選ばれた染料、或いは、フタロシアニン、カーボンブラック等の顔料と、これらの染料又は顔料を溶解若しくは分散させる物質とを含有するものである。こうした物質は、気化により50倍以上の体積膨張をし、前記染料又は顔料を溶解若しくは分散させかつ融点が 150℃以下、沸点が 150〜350 ℃の範囲の物質からなっているのがよい(この物質には、水又は水溶性有機溶媒等の溶媒や必要に応じて分散剤等を使用可能)。この物質の含有量は、染料又は顔料1重量部に対して通常は2〜100 重量部であり、3〜30重量部がよく、8〜20重量部が更によい。
【0030】
そして、記録の多色化(特にフルカラー化)を達成するには、減法混色の三原色のうち1色を呈する染料を含有する記録液と、この染料とは異なる減法混色の三原色の色を呈する少なくとも1種類の染料を含有する記録液とをそれぞれ選択的に加熱し、例えば、この操作をイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞれ繰り返すことによってフルカラー化を達成できる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0032】
図1〜図は、本発明を非接触方式のサーマル型インクジェットプリンタ(例えばビデオプリンタ:以下、同様)に適用した実施例を示すものである。
【0033】
本実施例の記録方式には、図1に示す構造のヘッド70をレーザ光による加熱用として使用し、また、レーザ光の吸収性を向上させるためには図2に示す構造のヘッド70を使用するのがよい。
【0034】
図1及び図2に示すヘッド70、70は基本的には同じ構造からなっているが、図2では記録液(染料)加熱部又は気化部53にレーザ光吸収性のある光熱変換体60を設けている。そして、染料とキャリアとからなる記録液62を収容し、対向する印画紙80との間に一定の微小空隙51を設けている。
【0035】
そして、レーザ光L等の適当な加熱手段により記録部上の液化染料(記録液)62を選択的に加熱して微小液滴化し、空隙51を飛翔によって移動させ、被記録体80上に連続的な階調を持つ画像が得られる。この操作を減法混色の三原色であるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞれ繰り返すことで、フルカラー化が達成できる。
【0036】
ここで、上記の空隙51は10〜500 μmであるのが好ましく、特に50〜200 μmであることが好ましい。空隙が10μm未満であると、ヘッドの移動中にヘッドが印画紙と接触する可能性が高く、画像転写の安定性が低下し易い。空隙51が 500μmを超えると、記録液滴が効率良く印画紙に到達せず、転写感度と画像の解像度が低下し易い。
【0037】
この記録方式では、印画紙80を記録ヘッド70に対して例えば上方側で対向させ、気化部57の上面付近に、レーザ18から出射されてレンズ19で集光されたレーザ光Lを照射して記録液滴82を上方に飛翔若しくは移行させるのがよい。
【0038】
また、レーザ光透過性のあるヘッドベース54に染料溜め55を設け、ヘッドベース54上に固定したスペーサ58との間に液化染料(記録液)62を収容し、ここから染料通路67を経て気化部57に連続的に供給する。この場合、気化部57への染料の供給効率及び気化効率の向上のために、毛細管現象を利用して染料の供給及び保持を行う多数の小柱体61からなる微小凹凸を気化部57に設けている。
【0039】
これらの小柱体61は、 300℃以上の耐熱性を有していて、高さが1〜20μm(望ましくは1〜15μm、更に2〜15μm、更には3〜10μm)、直径又は一辺の長さtが 0.1〜5μm(望ましくは 0.2〜3μm、更に 0.5〜3μm、更には1〜3μm)、柱と柱の間隔dが 0.1〜5μm(望ましくは 0.5〜3μm、更には1〜3μm)である断面円形、正方形又は長方形の円柱あるいは角柱が多数並ぶ構造を有している(図3及び図4参照)。
【0040】
この柱体構造は、表面積が大きいために、毛細管現象によって記録液体を加熱部(転写部又は気化部)に自発的に導入すると共に、転写時に転写部の中心が局所的に加熱されても表面張力の温度依存性により記録液体が非加熱部に移動する現象(逃げ現象)を防止する働きをする。これと同様の効果は、図4に示す他の板構造、迷路構造、十字構造でも実現できる。
【0041】
この場合、柱61の高さが1μm未満では、転写時の逃げ現象を防止し難くなり、また、20μmを超えると記録液体が多すぎて効率よく加熱することが困難となる。柱61の直径又は一辺の長さが 0.1μm未満では記録のための加熱で生じる流体の波動で柱が破損し易くなり、また、5μmを超えると記録液体の占有できる体積が小さく、転写感度が低下し易い。柱61と柱61との間隔が 0.1μm未満であると記録液体の占有できる体積が小さく、転写感度が低下し易く、また、5μmを超えると転写時の逃げ現象を防止し難い。これと同様の微小構造のサイズ制限は図4に示す他の板構造、迷路構造、十字構造にも適用される。
【0042】
小柱体61の平面形状は、図4に示すように、正方形、矩形、十字状等、種々のものを採用してよく、また、その集合体の平面パターンは、縦方向と横方向においてそれぞれ2〜100 行と2〜100 列の範囲内で特に3行以上、3列以上のマトリクス状となるように選択可能である。
【0043】
そして、上記の空隙51を保持し、X方向に移動する印画紙80をガイドするために、スペーサ58上に保護板59を固定している。この保護板59には、上記の液化状態を保持するためのヒータ56が仮想線のように埋設されてよいが、ここではヒータ56は染料収容部のベース54の外面に固定される。或いは、上記の通路67及び染料溜め55内に配設することができる。
【0044】
本例に使用する記録ヘッドにおいて、主としてベース54はガラス、金属、シリコン、セラミック等の耐熱性の良い無機物で構成されるか、或いは、ポリイミド、アラミド等の 300℃以上の耐熱性を具備する有機高分子で構成される。このヘッドに適当な保温装置を設けることによって、融点が室温以上である記録液体の使用も可能になる。
【0045】
また、転写部57とインクタンク55の間の記録液体を補給するための供給通路67は、50μm2以上の断面積があり、かつ記録液体62の粘性率が 150℃以下で10cps 以下とすれば、速やかに記録液体62を転写部へ供給でき、転写中に感度が低下することはない。
【0046】
記録液体62中の色材として、分散染料、油溶性染料、塩基性染料、酸性染料、カチオン染料及び直接染料等からなる群より選ばれた染料、或いは、フタロシアニンやカーボンブラック等の顔料を使用できる。これらの染料又は顔料は、色相や感度を調整するために2種類以上を混合して使用してもよい。
【0047】
そして、記録液体の一部を加熱により蒸発させて圧力上昇を起こし、画像情報に応じた量の色材を微小な液滴にして空隙51中を移動せしめ、記録紙80上に転写するためには、気化することによって50倍以上の体積膨張をし、前記染料又は顔料を溶解若しくは分散させ、融点が 150℃以下、1気圧での沸点が 150〜350 ℃の物質(キャリア)を添加することが好ましい。
【0048】
キャリアの沸点が水のように 150℃未満であると、転写ヘッドの転写部上で速やかに蒸発して失われてしまい、記録液体中の色材だけが残留し易く、また、沸点が 350℃を超えると、記録のための加熱を行っても効率よくキャリアの体積膨張が行われ難くなる。
【0049】
キャリアは無色透明であり、かつ上記の染料又は顔料類を溶解若しくは分散する性能を持つことが好ましい。更に、沸点以下で熱分解を起こさないことが好ましい。
【0050】
具体的には、エチレングリコール、グリセリン、プロパンジオール、ブタンジオール等の多価アルコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の前記多価アルコールのエーテル類、直鎖パラフィン系炭化水素類、側鎖を持つパラフィン系炭化水素類、鎖中にエステル結合を持つパラフィン系炭化水素類、鎖中にカルボニル基を持つパラフィン系炭化水素等が好ましい。
【0051】
水、アルコールのような低沸点物質は転写部で速やかに蒸発により失われるために、そのままでは使用できないが、前記のキャリア中に界面活性剤を添加して1μm以下のサイズを持つエマルジョンとして分散させれば使用可能である。
【0052】
こうした界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンフェノールエーテル類等の非イオン系界面活性剤、高級脂肪酸アミン塩類、アルキルピリジニウム塩類等のカチオン系界面活性剤、高級スルホン酸アルカリ塩等の両性界面活性剤、脂肪酸アルカリ塩等のアニオン系界面活性剤、ポリジメチルシロキサン等のシリコン系界面活性剤等が好ましい。
【0053】
これらの染料又は顔料類、キャリア類、界面活性剤類に熱劣化し易い不純物が含有されると、転写部を加熱して転写を行う時に熱劣化物が転写部の柱状体61に付着することがある。この現象は、染料又は顔料類、キャリア類、界面活性剤類をカラムクロマトグラフィー法、昇華精製法、再結晶法、再沈法等の手段で精製することによって防止できる。
【0054】
本実施例の記録方式に適した記録媒体は、染料受容層80aを有する印画紙80であってよく、転写染料と適当な相溶性を持ち、転写染料を容易に受容して染料本来の発色を促進し、かつ染料を固定する作用があれば、どのような印画紙でも使用可能である。
【0055】
例えば、分散染料に対しては、分散染料と相溶性の良いポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂等を基紙表面にコートした印画紙などが好ましい。酸性染料、直接染料は普通紙、アート紙等が好ましい。
【0056】
特に、前記キャリアがワックス系の材料であると、ワックス中に染料又は顔料が溶解若しくは分散して発色するので、ワックスを受容できる性質を持つ材料であれば、普通紙以外にも、ティッシュペーパーや布類にも転写定着可能である。定着法としては、転写後の画像を加温して印画紙表面の転写染料を受容層内部に浸透させる方式も可能である。
【0057】
本発明による転写方式の加熱手段は大きく分けて、熱ヘッドによる方法、レーザ光による方法、レーザ光とレーザ光の波長領域を含む吸収を持ち、光エネルギーを熱エネルギーに変換する材料(光熱変換体)とを組み合わせる方法がある。
【0058】
レーザ光を使用する場合には、解像度が著しく向上すると共に、レーザ光密度を光学系で大きくすることにより集中的な加熱が可能となり、到達温度が上がり、その結果として熱効率が向上するという特徴がある。
【0059】
特に、半導体マルチレーザ(数個から数百個の半導体レーザ素子がライン上に並んだ構造を持つレーザ)を使用することによって、1画面を転写する時間は大幅に短縮される。但し、光熱変換体(図2中の60)は、連続的にレーザ光の光エネルギーを吸収するために、耐熱性を十分に満足するものでなければならない。
【0060】
従って、この方式の光熱変換体60としては、レーザの発光波長に一致する吸収を持つ金属薄膜、金属薄膜と高誘電率を持つセラミック薄膜との2層膜等の薄膜系光吸収体を図2のように転写部に直接設ける他に、カーボンブラック、金属微粒子等の微粒子系光吸収体や、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アントラキノン系色素等の有機系色素、有機金属系色素等、耐熱性の優れた染料又は顔料を転写染料に均一に分散して使用しても良い。
【0061】
後者の場合、レッド、グリーン、ブルーの波長を持つ3種類のガスレーザや半導体レーザ又は波長変換素子を用いて、発光波長を変えたレーザを加熱源として同時に使用すれば、記録液自体がレーザ光を吸収するため、光熱変換層又は光熱変換体の付加は不必要である。
【0062】
上記したヘッドを含むプリンタヘッド全体は、図5に明示するように、例えばフルカラー用としてシアン、マゼンタ及びイエローの各染料溜め55C、55M、55Yを共通のベース54に設けて各収容部又は供給ヘッド部70C、70M、70Yを構成し(図6参照)、各色用の液体を12〜24個の多数のドットを形成する列状の気化部57C、57M、57Yに供給する。
【0063】
各気化部に対しては、対応するレーザ(特に半導体レーザチップ)18を例えば24個アレイ状に配したマルチレーザアレイ30から出射される各レーザ光を多数の集光レンズ19を配したマイクロレンズアレイ31によってそれぞれ集光する(36はレーザ光Lを直角方向に導くためのミラー)。
【0064】
集光レンズとしては、図示したレンズ系でもよいが、仮想線で示す1枚の径大の集光レンズ38を使用して良い。このレンズ38は、光入射位置に応じて光出射位置が上記の各気化部57C、57M、57Yに相当するように屈折経路が変化するように形成されたものである。なお、マルチレーザアレイ30は、基板33に設けたコントロールIC34によって駆動制御し、またヒートシンク35によって十分に放熱できるようになっている。
【0065】
なお、モノカラー印刷の場合は、図7に示すように、1次元レーザアレイ30を作製し、それぞれのレーザ素子を独立かつ並列に動作できる構造にすることによって、簡単にビーム数の一倍以上の印刷速度が得られる(例えば24ビームのレーザアレイを用いれば24倍の速度となる)。
【0066】
上記したプリンタヘッド70は、染料収容部において記録ドット数に対応した個数分だけ液体62をドット状に収容すると共に、レーザ18も記録ドット数の各発光点18aを有するアレイ状に配したものである。
【0067】
また、上記したプリンタヘッド70を有するプリンタは、縦方向(X方向)の紙送りと、X方向と直交方向のヘッドの横方向(Y方向)スキャンとによって、印刷を行うものであり、これらの縦方向の紙送りと横方向のヘッドスキャンは交互に行うように構成されている。
【0068】
図8に示すように、このプリンタ91において、例えば多色印刷用のプリンタヘッド70は、送りねじ機構からなるヘッド送り軸92とヘッド支軸93とにより、印画紙80の紙送り方向Xと直交するヘッド送り方向Yに往復移動自在にしてある。
【0069】
また、ヘッド70の上側には、印画紙80を挟むように支持するヘッド受けローラ94が回転自在に設けられている。そして、印画紙80は、紙送り駆動ローラ95と従動ローラ96との間に挟持されて紙送り方向Xに移動するようになっている。
【0070】
なお、ヘッド70は、フレキシブルハーネス97を介してヘッド駆動回路基板(図示せず)等に接続されている。
【0071】
本実施例の記録方式は、上記した如き熱転写記録方式とインクジェット方式の双方の利点を生かしつつ、廃棄物及び転写エネルギーを低減し、プリンタを小型、軽量化するために、上記した非接触方式のサーマル型インクジェットプリンタを使用するものである。
【0072】
即ち、この記録方式によれば、熱溶融性の染料とキャリアを含む記録液62を気化部57に有する記録ヘッド(例えばシリアル型のプリンタヘッド)40と、加熱によって生じた記録液滴82を受容する受容層80aを持つ被記録体(印画紙)80との間に10μm〜100 μmの範囲の微小空隙51を設けている。
【0073】
そして、レーザ光Lの照射によって、記録ヘッド70の気化部57の染料収容部に収容した記録液62をその沸点近傍まで選択的に加熱して液滴化させ、この液滴82を空隙51内で飛翔させて、気化穴53から被記録体である印画紙80上に転写し、連続的な階調を持つ画像を得る。この操作を減法混色の三原色であるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞれ繰り返すことによって、フルカラー化を達成できる。
【0074】
この場合、図9に拡大図示するように、気化部57において多数の小柱体61を微細に設けているので、レーザ光Lによる加熱で小柱体61−61間の微小な間隙(即ち、微細孔)からこのサイズに対応して、図19及び図20に示した従来のインクジェット方式のノズルによる場合に比べてずっと小さいサイズの液滴(マイクロドット)82を多数形成でき、しかも画像情報に対応したレーザ光Lの加熱エネルギーに応じて液滴82の生成数を任意にコントロールできる。この結果、多値濃度階調を高解像度に得ることができる。なお、記録液62の液滴化を良好に行うには、特に非記録時において、記録液62の液面と小柱体61の上端との距離h(即ち、記録液面からの小柱体62の上端の深さ)を0〜50μmとし、記録液を小柱体上に十分に保持するのがよい。
【0075】
なお、この記録方式では、印画紙80を記録ヘッド70に対して例えば上方側で対向させ、気化部57の上面付近に、レーザ18から出射されてレンズ19で集光されたレーザ光Lを照射して液滴82を上方に飛翔若しくは移行させるのがよい。
【0076】
また、レーザ光透過性のあるヘッドベース54に染料溜め55を設け、ヘッドベース54上に固定した蓋体を兼ねたスペーサ58との間に液化染料62を収容し、ここから染料通路67を経て気化部57に液化染料62を供給する。この場合、気化部57への染料の供給効率及び気化効率の向上のために、発熱によって生じる染料の表面張力低下による染料逃げを防止し、毛細管現象を利用して継続的な染料の供給及び保持を行うために、図1や図2では小柱体61を設けたが、参考例として図10のように、小さなビーズ61’からなるビーズ集合体を気化部57に設けることができる
【0077】
上記したように、このサーマル型インクジェットプリンタによれば、記録に消費される染料については、その失われた分だけを染料溜めから液化状態で気化部へ自発的若しくは強制的に流すことにより、或いは、適当な基体上に連続的に塗布され、その基体が転写部に移動することにより、気化部へ連続的に供給することができる。これは、染料がバインダ樹脂を殆ど含有しないために、可能となる。
【0078】
従って、記録に関与する気化部は、繰り返して多数回使用できるので、既述しサーマルヘッドを用いた熱転写方式においてはインクシートが1回限りの使い捨てであるのに対し、省資源及び環境保護の面で有利である。
【0079】
また、液滴を飛翔させる方法であるために、染料層と被記録体(印画紙)とが接触しないで記録を行え、従って、2回目以降のプリント時に既述したサーマルヘッドを用いた熱転写方式でみられるような染料の逆転写、混色は生じることがないと共に、加熱部分は気化部を含むヘッドのみとなり、上述した熱転写方式に比べて著しく消費電力が低減する。
【0080】
同時に、染料の供給に上述したインクシートではなく小体積の染料溜めを使用するために、プリンタを小型、軽量化できる。
【0081】
また、この記録方式は、染料液滴の飛翔を利用したものであるために、既述のサーマルヘッドを用いた熱転写方式のように被記録体の染料受容層を加熱する必要がなく、インクシートと被記録体とを高い圧力で押し付ける必要もなく、この点でもプリンタの小型化、軽量化に有利である。
【0082】
そして、気化部の染料層と被記録体とが接触しないために、それらの間で熱融着が起こり得ないだけではなく、染料と受容層樹脂の相溶性が小さくても記録可能である。従って、染料及び受容層樹脂の設計、選択の幅が著しく広がる。
【0083】
また、染料の液滴化のための熱エネルギー供給源として、光源に半導体レーザ18を用いることを基本としているが、半導体レーザは電力から光への変換効率が高く、その上、指向性、集光性に優れているので、染料の熱エネルギー伝達効率も非常に高い。従って、従来方式(上記のサーマルヘッドによる熱転写やインクジェット)に比べてトータルのエネルギー利用効率が格段に高くなり、小型化や省電力化に有利になるという特徴も有する。
【0084】
さらに、従来のインクジェット方式のカラープリンタでは、階調表現が難しいが、半導体レーザは出力パワーやパルス幅等の制御が容易であるため、上記の記録方式では簡単に多階調表現が実現できる。即ち、カラービデオカメラ等で作り出された電気的な画像を半導体レーザによって画像信号に応じた染料転写に変換し、銀塩写真に匹敵する少なくとも1色当たり 128階調を持つフルカラー画像を形成することができる。
【0085】
図11〜図13は、本発明を非接触方式のサーマル型インクジェットプリンタに適用した他の実施例を示すものである。
【0086】
本実施例で使用するプリンタヘッド120 によれば、記録液を液滴化するためのエネルギー源として上述の実施例で使用したレーザ光に代えて抵抗加熱を利用し、記録液には赤外線吸収剤を含有させる必要はなく、また光熱変換体60を設ける必要はない。その他は、上述した実施例と実質的に同様である。
【0087】
このプリンタヘッド120 の気化部77においては、ベース73に深さが例えば50μmの染料収容部87が凹状に形成され、この収容部にベース73と同材質のガラスからなる幅が例えば1〜2μmの微細な柱状体(又は壁状体)101 がリソグラフィ技術によって蛇行して設けられている。
【0088】
この柱状体101 は、収容部87の底面からその上面に至るまでの高さに設けられ、かつ、その蛇行パターン間には幅狭の空隙102 を交互に有しており、この空隙によって全体として多孔性構造体を構成している。空隙102 は、その毛細管作用によって収容部87内で液化染料62を保持すると同時に、プリンタの1ドット分の時系列的動作に必要な十分な量の液化染料62を上方へ供給する作用をなすものである。
【0089】
そして、この柱状体101 の上面に接して、これと同一パターンに重なる厚さが例えば6μmの発熱体75が蛇行状に積層されている。即ち、発熱体75の下部に(これより深い位置に)多孔性構造体としての柱状体101 が設けられている。この発熱体75は、収容部87内の液化染料62の表面域において、この表面に接するか或いはこの表面下に少なくとも部分的に浸漬されるが、後者の状態の方が気化及び供給効率の面で望ましいと言える。
【0090】
この場合、発熱体75にも、柱状体101 と同一パターンに空隙103 が存在しており、柱状体101 の空隙102 の毛細管作用に加えて空隙103 の毛細管作用も発揮されるため、染料の保持と供給を効果的に行うことができる。
【0091】
発熱体75はカーボンやポリシリコン等のシリコン系化合物で形成されていて、このシリコン系化合物の薄膜をエッチングによりパターニングし、薄膜抵抗として染料収容部87上をまたぐ如くに設けられ、その両側に被着した一対の電極(アルミニウム電極であってよい。)84−85間にマトリックス駆動によって画像信号に基づく信号電圧が印加され、これによる通電で50〜500 ℃の発熱を生じ、この熱で液化染料62をその表面域にて効率良く加熱して気化させるものである。また、この熱は、発熱体75下にはガラス製の柱状体101 が存在しているためにこの柱状体101 を経てベース73へ放散されることは殆どない。
【0092】
電極84及び85上を含む上面には、SiO2 等の絶縁層86が設けられ、電極84及び85を電気的に絶縁するが、これは熱的絶縁作用も有してもよい。また、絶縁層86上には、フッ素系又はシリコン系樹脂からなる染料液止め層107 が設けられ、液化染料62の上方への漏れを防止している。更にこの液止め層107 上には、タンタルやガラス等からなる保護層81が設けられている。各層81、86、97には気化用の開口81a、86a、97aが形成されている。
【0093】
上記のように構成された気化部77は、ヘッド120 において実際には、図12に示すようにフルカラー用として各色(イエローY、マゼンタM、シアンC)毎に複数ドットが配置される。これらの各気化部77Y、77M、77Cには、各収納槽41Y、41M、41Cから導入部64Y、64M、64C、更には引込み路64Y’、64M’、64C’及び各導入口64”を経て各色の液化染料が供給される。
【0094】
このヘッド120 では、各気化部における発熱体75の電極84、85からの配線84’、85’はそれぞれ、ベース73上で引き廻された後、一端部側のコントロール基板(タブ)88に導かれて高温半田等の接続部100 において接続されている。電極84、85の配線84’、85’の交差位置112 では、SiO2 等の層間絶縁膜91を介して両配線間が絶縁分離されている。そして、このコントロール基板にマウントされたコントロールIC89によって、マトリックス駆動による所定の駆動信号が供給されるように構成されている。
【0095】
この駆動信号によって、各気化部では、選択された発熱体75がオンして発熱し、染料を気化せしめる一方、選択されないでオフされた発熱体75はその余熱によって液化染料の保温又は液化に用いることができる。即ち、発熱体75を交互に駆動することにより、その余熱のコントロールで染料の液化と冷却のいずれかを効率よく行える。但し、図示は省略したが、染料液化のためには、図1及び図2に示したヒータ56を各気化部又はベース上に設けることができる。なお、このヘッド120 は、ヘッド本体 120Aに対して染料槽本体41Aが接合されたものであり、その接合面を93、94で表す。
【0096】
そして、気化器として、染料収容部87において液化染料62の表面域に発熱体75が配されているので、液化染料をその表面域で迅速に温度上昇させ、発熱による加熱効率を高め、気化による転写効率を向上させることができる。しかも、レーザを使用する必要がないため、低コスト化が可能となる。また、発熱体75の駆動オフ時には、染料62の表面域の温度を迅速に降下させ、温度低下を早く行えるため、応答性が良好となる。
【0097】
しかも、染料62の表面域の発熱体75に接してこれよりも深い位置(即ち、発熱体75の下部)に、染料22の保持及び供給のための微細な蛇行状柱状体80が多孔性構造体として設けられているので気化部77に毛細管構造を設けることになり、この毛細管作用で染料の逃げを抑制し、染料を効果的に保持及び定量供給し、発熱体75による熱を効率良く伝えることを可能にし、気化効率を向上させることができ、また、染料の定量供給により、気化量を一定として高画質の記録が得られる。
【0098】
そして、この毛細管構造の上部に発熱体75を設けているため、熱の逃げを抑制して加熱効率を上げ(それでも熱が逃げる場合、この余熱を染料液化に利用したり、印画紙80の加熱に用いて染料定着用の熱源としても利用でき、定着エネルギーを削減できる。)、冷却用フィン等を小さくしてコスト低減も図ることができる。
【0099】
本実施例に用いるヘッド構造によれば、図1及び図2に示したと同様に、各染料収納槽41内の染料は各収納槽41内の発熱体56により加熱されてよい。この各液化染料62は各導入部64の毛細管現象によって各気化部77まで導かれる。
【0100】
この場合、保護層81側には液止め層107 を設けているので、各気化部77の収容部には常に一定量の液化染料が蓄えられ、保護層81へ流れることもない。また、染料が発熱体75により加熱されたとき、微細加工の柱状体101 によって染料が保持されるため、表面張力差が生じても染料は逃げない。
【0101】
なお、発熱体75(更には発熱体56)により各導入部64の一部を構成するスペーサ(ここでは図示せず)なども加熱保温される。そして、印画紙80をカラー印画する際に、画像信号に応じて発熱体75により熱が発生する。この熱により、各気化部の発熱体75の周りの染料が気化し、保護層81の穴81aを通り、印画紙80の受容層80aにY、M、Cの順で転写される。
【0102】
本実施例によるプリンタヘッド120 は、図1及び図2に示したヘッドと同様、染料62を含む記録液を加熱して間隙を通して印画紙80へ飛翔させる熱転写方式のものであるから、既述した小型化、保守容易性、即時性、画像の高品位化、高階調性等の特長を有している。
【0103】
なお、発熱体75を支持する柱状体101 やベース73は、ガラスで形成したが、他の材質でも形成可能である。例えば、ポリイミド等の高分子材で形成することもできるが、これは、プリンタヘッド120 を印画紙80に対して押し付けない構造としているため、大きな圧力を受けないことに依るものであり、また、発熱体75の作動時に熱放散も少なく、熱的絶縁性が良好となる。
【0104】
図14〜図15は、本発明を非接触方式のサーマル型インクジェットプリンタに適用した他の実施例を示すものである。
【0105】
この実施例では、上記した図11〜図13の実施例が柱状体101 の上面に接して発熱体75が設けられているのに対し、例えばガラス製の柱状体131 が上述したベース73の加工時にリソグラフィ技術によって微細加工され、この柱状体131 の上方において一定の距離を隔てて発熱体75がブリッジ式に3〜5μmの幅で設けられていることが異なっており、その他の構成は同様である。ここでは、柱状体131 の毛細管作用が発揮されるため、発熱体75は直線状に設けられてよい。
【0106】
このように構成することにより、柱状体131 が発熱体75から離れていたり、発熱体75が幅細の直線形状であっても、柱状体131 の毛細管作用によって染料62の逃げを十分に防止できると共に、染料表面より加熱を行うために効率が良い。また、上面に発熱体75が存在するため、上述した例と同様に印画時のみに印画紙を加熱したり、予め加熱された印画紙へ加算して加熱を行うことができる。
【0107】
図16〜図17は、本発明を非接触方式のサーマル型インクジェットプリンタに適用した更に他の実施例を示すものである。
【0108】
本実施例で使用するプリンタヘッド70によれば、記録液を液滴化するためのエネルギー源として抵抗加熱方式のヒータ95を用い、これを小柱体61からなる多孔性構造体の底部に設けている点以外は、図1〜図2に示した実施例と実質的に同様である。従って、上述した実施例で述べたと同様の作用効果が得られる上に、次に述べる特有の作用効果を得ることができる。
【0109】
この実施例では、抵抗加熱方式のヒータ95によって記録液62を加熱する際、図17に拡大図示するように、多孔質部である小柱体61の群において記録液中での気泡の成長過程で小柱体61−61間の微小間隙に応じて気泡90が分割され、これによって細かい液滴82が形成される。こうした現象は、図1〜図15に示した実施例においても同様に生じるものである。
【0110】
即ち、気化部57において多数の小柱体61を微細に設けているので、ヒータ95による加熱によって気化部の底部で小柱体61−61間の微小な間隙(即ち、微細孔)内に微小に分割された気泡90が生成され、このサイズ(小柱体間の微小間隙に対応)に対応した小さいサイズの液滴82を多数形成でき、しかも画像情報に対応した加熱エネルギーに応じて液滴82の生成数を任意にコントロールできる。従って、ヒータ95による気泡形成のための投入エネルギー量(加熱量)を制御することにより、細かい液滴82の量を制御することができるから、ドット内の濃度変調が可能になり、解像度も高くできる。
【0111】
このことから、ヒータ95の位置は、小柱体61の下部とするのがよい。或いは、小柱体61自体を発熱体で形成し、これに通電することによって小柱体61の領域全体で気泡を発生させると、液滴化の効率が更に向上する。
【0112】
なお、記録液62の液滴化を良好に行うには、特に非記録時において、記録液62の液面と小柱体61の上端との距離h(即ち、記録液面からの小柱体62の上端の深さ)を0〜50μmとし、記録液を小柱体上に十分に保持するのがよい。
【0113】
次に、上述した各実施例の記録方法による記録結果を具体例について説明する。
【0114】
具体例1
石英基板に、パウダービームエッチング(PBE)又はリアクティブイオンエッチング(RIE)により図1に示す転写ヘッドを作成した(但し、転写部に設けた小柱体の一辺の長さ及び間隔はそれぞれ2μm、高さは10μmとした)。
【0115】
転写ヘッドのインクタンクに下記の組成を持つ記録液体を室温で導入し、毛細管現象により自発的に転写部に導いた。下記のテトラエチレングリコールはキャリアであり、NK−125(日本感光色素研究所製)は 780nmのレーザ光(赤外線)を効率よく吸収するシアニン系染料である。
【0116】
(1)イエロー用:
ベーシックイエロー25 10g
テトラエチレングリコール 90g
NK−125 0.5g
【0117】
(2)マゼンタ用:
ローダミン6G 10g
テトラエチレングリコール 90g
NK−125 0.5g
【0118】
(3)シアン用:
クリスタルバイオレット 10g
テトラエチレングリコール 90g
NK−125 0.5g
【0119】
これら3色の記録液体を導入した転写ヘッドをそれぞれ図8に示すプリンタに組み込み、バブルジェット用の高品位記録紙(カラーBJ用光沢紙:キャノン社製)をA6サイズに裁断してプラテンローラに巻付け、ヘッドの転写部と記録紙の間隙を 100μmとして24ラインマルチダイオードレーザアレイ(各ダイオードレーザの出力:30mW、波長:780nm : ソニー社製)により、画像情報に応じた長さのレーザパルスを発光させた。レーザ光はレンズアレイで10μm径に集光して転写部上の記録液体を加熱した。
【0120】
加熱された記録液体はキャリアの気化により体積膨張して、小柱体の間から平均直径が 1.5μmの液滴が初速度約2m/秒で 100μmの間隙中を飛翔し、記録紙に付着した。転写により失われた記録液体は、毛細管現象によって自発的にインクタンクから転写部に導入された。この操作をイエロー、マゼンタ、シアンについて行った。
【0121】
得られた画像について、最大の転写感度を示す部分のドット径は80μmであった。これは 300DPIに相当する。最大の光学濃度はマクベス濃度計で測定すると各色とも 1.8以上に達した。また、濃度の階調は 256以上であった。
【0122】
具体例2
図11〜図13のように、転写部に薄膜抵抗体(発熱体)を設けた以外は具体例1と同様の転写ヘッドを作成した。薄膜抵抗体の電気抵抗は 500Ωであった。
【0123】
この転写ヘッドに、具体例1で用いた記録液体から赤外線吸収剤を除いた記録液体を導入し、画像情報に応じた長さのパルス電流を薄膜抵抗体に加えた。パルス電流の電位は4Vであった。
【0124】
通電によって加熱された記録液体はキャリアの気化により体積が膨張し、小柱体の間から平均直径が 1.5μmの液滴が初速度約2m/秒で 100μmの空隙中を飛翔し、記録紙に付着した。転写により失われた記録液体は、毛細管現象によって自発的にインクタンクから転写部に導入された。この操作をイエロー、マゼンタ、シアンについて行った。
【0125】
得られた画像について、最大の転写感度を示す部分のドット径は80μmであった。これは 300DPIに相当する。最大の光学濃度はマクベス濃度計で測定すると各色とも 1.5以上に達した。また、濃度の階調は 256以上であった。
【0126】
具体例3
具体例1と同様の転写ヘッドを80℃に保温して、下記の記録液体を導入した。下記のカルバナワックスはキャリアであり、NK−2911(日本感光色素研究所製)は 780nmのレーザ光(赤外線)を効率良く吸収するシアニン系染料である。
【0127】
(1)イエロー用:
ESC−155 10g
カルバナワックス 90g
NK−2911 0.5g
【0128】
(2)マゼンタ用:
ESC−451 10g
カルバナワックス 90g
NK−2911 0.5g
【0129】
(3)シアン用:
ESC−655 10g
カルバナワックス 90g
NK−2911 0.5g
【0130】
これら3色の記録液体を導入した転写ヘッドをそれぞれ図8に示すプリンタに組み込み、PPC用紙(普通紙)をA6サイズに裁断してプラテンローラに巻付け、ヘッドの転写部と記録紙の間隙を 100μmとして24ラインマルチダイオードレーザアレイ(各ダイオードレーザの出力:30mW、波長:780nm : ソニー社製)により、画像情報に応じた長さのレーザパルスを発光させた。レーザ光はレンズアレイで10μm径に集光して転写部上の記録液体を加熱した。
【0131】
加熱された記録液体はキャリアの気化により体積膨張して、小柱体の間から平均直径が 1.5μmの液滴が初速度約1m/秒で 100μmの間隙中を飛翔し、記録紙に付着した。転写により失われた記録液体は、毛細管現象によって自発的にインクタンクから転写部に導入された。この操作をイエロー、マゼンタ、シアンについて行った。
【0132】
得られた画像について、最大の転写感度を示す部分のドット径は 100μmであった。これは 250DPIに相当する。最大の光学濃度はマクベス濃度計で測定すると各色とも 1.5以上に達した。また、濃度の階調は 128以上であった。
【0133】
具体例4
具体例1と同様の転写ヘッドを80℃に保温して、下記の記録液体を導入した。下記のBRIJ−78はポリオキシエチレンアルキルエステルからなる界面活性剤であり、水はキャリアである。
【0134】
(1)イエロー用:
ESC−155 10g
カルバナワックス 40g
BRIJ−78 40g
水 10g
NK−2911 0.5g
【0135】
(2)マゼンタ用:
ESC−451 10g
カルバナワックス 40g
BRIJ−78 40g
水 10g
NK−2911 0.5g
【0136】
(3)シアン用:
ESC−655 10g
カルバナワックス 40g
BRIJ−78 40g
水 10g
NK−2911 0.5g
【0137】
これら3色の記録液体をそれぞれ80℃に加熱し、融解して超音波攪拌器で十分に攪拌した。記録液体中に分散した水の平均直径は1μm以下であった。
【0138】
そして、これら3色の記録液体を導入した転写ヘッドをそれぞれ図8に示すプリンタに組み込み、PPC用紙(普通紙)をA6サイズに裁断してプラテンローラに巻付け、ヘッドの転写部と記録紙の間隙を 100μmとして24ラインマルチダイオードレーザアレイ(各ダイオードレーザの出力:30mW、波長:780nm : ソニー社製)により、画像情報に応じた長さのレーザパルスを発光させた。レーザ光はレンズアレイで10μm径に集光して転写部上の記録液体を加熱した。
【0139】
加熱された記録液体はキャリアの気化により体積膨張して、小柱体の間から平均直径が 1.5μmの液滴が初速度約2m/秒で 100μmの間隙中を飛翔し、記録紙に付着した。転写により失われた記録液体は、毛細管現象によって自発的にインクタンクから転写部に導入された。この操作をイエロー、マゼンタ、シアンについて行った。
【0140】
得られた画像について、最大の転写感度を示す部分のドット径は 100μmであった。これは 250DPIに相当する。最大の光学濃度はマクベス濃度計で測定すると各色とも 2.0以上に達した。また、濃度の階調は 128以上であった。
【0141】
なお、上記の具体例1において、転写部の小柱体の高さを 0.5μmとして同様に転写を試みたところ、転写部においてレーザ照射部の記録液体がレーザ非照射部へ移動し、記録液滴が生成されないことがあった。
【0142】
また、具体例1において、記録媒体と転写ヘッドとの間隙を10μm未満として同様に転写を試みたところ、転写部と記録媒体が転写ヘッドの移動中に接触し、転写感度に濃度むらが発生することがあった。
【0143】
具体例5
図16に示す転写ヘッドを80℃に保温して、下記の記録液体を導入した。下記の水、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドンはそれぞれキャリアである。また、カッコ内の%は重量%を表す。
【0144】
(1)イエロー用:
ダイレクトイエロー86(3%)
水(47%)
トリエチレングリコール(15%)
ポリエチレングリコール(15%)
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン(20%)
【0145】
(2)マゼンタ用:
アシッドレッド37(3%)
水(47%)
トリエチレングリコール(20%)
グリセリン(10%)
N−メチル−2−ピロリドン(20%)
【0146】
(3)シアン用:
ダイレクトブルー86(3%)
水(47%)
ポリエチレングリコール(13%)
グリセリン(17%)
N−メチル−2−ピロリドン(20%)
【0147】
そして、これら3色の記録液体を導入した転写ヘッド(但し、ヒータを形成する薄膜抵抗体の電気抵抗は 500Ω)をそれぞれ図8に示すプリンタに組み込み、PPC用紙(普通紙)をA6サイズに裁断してプラテンローラに巻付け、ヘッドの転写部と記録紙の間隙を 100μmとし、ヒータへの通電量を変えることにより発熱量を変えて転写試験を行ったところ、下記の表2の結果が得られた。色濃度はマクベス濃度計で測定したものである。
【0148】
この結果によれば、転写された記録液のドットサイズは80μm〜100 μmの範囲にあり、濃度は投入エネルギーに応じて変調されていた。このドットを1つ分について顕微鏡で拡大してみると、1〜20μm程度のマイクロドットの集合体であり、濃度が高くなるにつれて、単位面積当たりのマイクロドットの数密度が増大していることがわかった。
【0149】
Figure 0003637629
【0150】
以上、本発明の実施例を説明したが、上述の実施例は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能である。
【0151】
例えば、転写部(加熱部又は気化部)に形成すべき多孔性構造体は、上述したものに限らず、例えば柱体の場合はその高さ、平面又は断面形状、密度等を変化させてよいし、また、その形成箇所も微細パターン化又は多孔質化、或いは表面積の拡大等が要求される箇所であれば適用可能である。
【0152】
染料等の記録材を液滴化するエネルギーとしては、レーザ光以外の加熱ビームを用いてもよいし、或いは抵抗加熱等の他の加熱方式によってもよい。このためには、記録材に導電性物質を添加することができる。また、濃度階調性を出すために適宜の加熱方法を採用することができる。
【0153】
また、記録材(染料)を収容する記録材収容部の数やドット数、及びこれに対応したレーザアレイのビーム数(発光点の数)は種々変更してよいし、その配列形状やサイズ等も上述したものに限定されることはない。
【0154】
なお、本発明に使用するヘッド及びプリンタは、染料の加熱にレーザ又は発熱体を使用しているが、これらを組み合わせることもできる。この場合は、各加熱手段のパワーを下げても良好に気化を実現することができる。染料の液滴化は、加熱による以外にも、ピエゾ素子を用いた連続振動発生方式、静電吸引方式等の他の手段によって行うこともできる。
【0155】
また、ヘッドやプリンタの構造や形状は、前記以外の適宜の構造、形状としてよく、ヘッドを構成する各部分の材料には、他の適宜の材料を使用して良い。記録染料についても、マゼンタ、イエロー、シアンの3色として(更には、黒を加えた)フルカラーの記録を行うほか、2色印刷、1色のモノカラー又は白黒の記録を行うことができる。
【0156】
また、固体染料を一旦液状にし、これを液滴化して記録を行う他、染料溜めに液化染料(室温にて液状)を収容することもできる。また、上述したプリンタとは異なり、ヘッド上方からレーザ光を照射してその下側に位置する被記録紙に記録を行っても良い。
【0157】
【発明の作用効果】
本発明の記録方法によれば、記録ヘッドの記録液飛翔部にサイズ及び間隔が0.1〜10μmの柱状体からなる多孔性構造体を形成し、記録液を前記記録液飛翔部に供給し、加熱等により前記記録液の状態を変化させて液滴を生成させ、この液滴を前記記録ヘッドに対して所定の間隙を置いて対向配置された被記録体へ移行させるようにしている。
【0158】
従って、上記の多孔性構造体によって飛翔部の表面積が増加し、記録液を毛細管現象により記録液飛翔部へ常時供給し、かつそこに保持し、この状態で加熱手段(例えば、レーザ光)等により記録情報に応じたエネルギー量を選択的に加えることによって記録液の一部に圧力上昇を起こし、カラービデオカメラ等で作成された電気的な画像に対応した記録情報に応じた量の記録材を微小な液滴にして被記録体へ移行させ、この被記録体上に転写することができる。
【0159】
この場合、公知のインクジェット方式と比較して、上記の多孔性構造体の微細孔に対応した小さいサイズの液滴を多数形成でき、かつ記録液飛翔部への記録情報に対応した印加エネルギーに応じて液滴の生成数を自由に制御できるので、本発明の記録方法は、多値濃度階調が可能になり、銀塩方式の画像と同等若しくはそれ以上の画質を持つ記録(例えばフルカラー画像)を得ることができる。
【0160】
また、熱転写方式の記録であるため、既述した小型化、保守容易性、即時性、画像の高品位化、高階調性等の特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用するプリンタヘッドの断面図である。
【図2】同プリンタの他のヘッド部の断面図である。
【図3】同プリンタヘッドの要部の斜視図である。
【図4】同プリンタヘッドの転写部(気化部)に設ける小柱状体群の平面パターン図である。
【図5】同プリンタヘッドの分解斜視図である。
【図6】同プリンタヘッドとそのスキャン状態を示す概略裏面図である。
【図7】同モノカラー記録用プリンタヘッドとそのスキャン状態を示す概略裏面図である。
【図8】同プリンタを下方から見た概略斜視図である。
【図9】同プリンタヘッドによる記録液の飛翔状況を説明するための要部の拡大断面図である。
【図10】 参考例によるプリンタヘッドの断面図である。
【図11】本発明の他の実施例に使用するプリンタヘッドの要部の平面図である。
【図12】図11の XII−XII 線断面図である。
【図13】同プリンタヘッドの平面図である。
【図14】本発明の他の実施例に使用するプリンタヘッドの要部の平面図である。
【図15】図14のXV−XV線断面図である。
【図16】本発明の更に他の実施例に使用するプリンタヘッドの断面図である。
【図17】同プリンタヘッドによる記録液の飛翔状況を説明するための要部の拡大断面図である。
【図18】従来の感熱記録ヘッドを用いた記録装置の要部正面図である。
【図19】従来のインクジェット方式のプリンタヘッドの概略断面図である。
【図20】同プリンタヘッドの要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
10・・・電気−熱変換体
11・・・記録紙
18・・・レーザ(半導体レーザ)
21・・・ノズル(ヘッド)
23・・・記録液
23a・・・液滴
30・・・マルチレーザアレイ
31・・・マイクロレンズアレイ
51・・・空隙
53・・・気化孔
54・・・ベース
56・・・ヒータ
57・・・気化部
58・・スペーサ
59・・・保護板
61・・・小柱体
62・・・記録液(液化染料)
67・・・染料通路
70・・・プリンタヘッド
75、95・・・発熱体(ヒータ)
80・・・印画紙
80a・・・染料受容層
82・・・記録液滴
90・・・気泡
L・・・レーザ光

Claims (8)

  1. 記録ヘッドの記録液飛翔部に記録液を供給し、前記記録液飛翔部にて前記記録液を液滴化し、この液滴を前記記録ヘッドと対向配置された被記録体へ移行させるようにした記録方法において、
    サイズ及び間隔がそれぞれ0.1〜10μmである柱状体からなる多孔性構造体を前 記記録液飛翔部に形成し、前記多孔性構造体に供給された前記記録液を液滴化し、生成 する液滴を前記記録ヘッドに対して所定の間隙を置いて対向配置された前記被記録体へ 飛翔させる
    ことを特徴とする記録方法
  2. 高さ1〜20μm、直径又は一辺0.1〜5μm、間隔0.1〜5μmであって300℃以上の耐熱性を持つ突起が、縦方向と横方向においてそれぞれ2〜100行と2〜100列の範囲でマトリクス状に並んだパターンをなし、多孔性構造体を形成している、請求項に記載した記録方法。
  3. 記録液を加熱手段又は機械的手段によって液滴化する、請求項1に記載した記録方法。
  4. 非記録時において多孔性構造体の先端を記録液面よりも0〜50μm深く位置させておく、請求項1に記載した記録方法。
  5. 記録液をレーザ光の照射によって加熱して液滴化する、請求項に記載した記録方法。
  6. 記録情報に応じて出力の変化が可能なレーザと、記録ヘッドの記録液加熱部に設けられたレーザ光吸収性のある光熱変換体とを使用する、請求項に記載した記録方法。
  7. 記録液飛翔部に設けられた発熱体によって記録液を加熱して液滴化する、請求項に記載した記録方法。
  8. 多孔性構造体の底部に気泡形成用の発熱体を配する、請求項に記載した記録方法。
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