JP3636226B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真感光体に関する。更に詳しくは、特定のポリカーボネートをバインダー樹脂として使用した電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子写真技術は、その高速性、高画質である事等により、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等に広く応用されている。
この電子写真技術における電子写真感光体としては、従来は、セレン、セレン/テルル合金、セレン/砒素合金、硫化カドミウム等の無機系光導電性物質が主に用いられてきた。しかし、毒性、安全性、価格、生産性、等の点から、最近では、有機系光導電性物質を使用した電子写真感光体が開発されている。
【0003】
有機系光導電性物質が低分子物質の場合、バインダー樹脂と混合して塗膜を形成することが通常行われている。バインダー樹脂としてはポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられてきている。これら種々の樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂が比較的優れた特性を有していることから広く利用されており、バインダー樹脂として各種のポリカーボネート樹脂を用いる事が報告されている。例えば特開昭60−172044にはビスフェノールZから誘導されるポリカーボネート樹脂が、特開昭63−170647にはビスフェノールAから誘導されるポリカーボネート樹脂が、特開昭63−148263にはジメチルビスフェノールAから誘導されるポリカーボネート樹脂が、特開平4−44048にはビスフェノールAPから誘導されるポリカーボネート樹脂が、それぞれバインダー樹脂として使用する事が開示されている。また、インダン構造を有する特定のポリカーボネートは耐熱性や耐加水分解性にに優れていることが特開昭52−123490に開示されている。
【0004】
これらの公知の有機系光導電性物質(OPC)と各種バインダー樹脂とを使用する電子写真感光体(OPC感光体)においては、感度等の点では無機系光導電性物質を使用した電子写真感光体に匹敵するものが得られている。
これらOPC感光体は、キャスト製膜法により容易に薄膜とすることが可能であって大量生産に向いており、価格も比較的安価である。OPC感光体はこのように優れた面がある反面、残留電位上昇などの帯電特性問題や耐摩耗性などの問題があり、改善が要求されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、OPC感光体における上記したような問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定ポリカーボネート樹脂をバインダーとして用いた電子写真感光体は、耐摩耗性と良帯電特性とを兼ね備えた良質の電子写真感光体となることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、導電性基体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層のバインダー樹脂として、下記一般式(A)または、一般式(A)および下記一般式(B)で表される構造単位を有し、一般式(A)の構造単位が全構成単位中5〜100mol%で、かつ極限粘度が0.30〜2.0dl/g であるポリカーボネートからなる樹脂を含有する電子写真感光体に関する。
【0007】
【化4】
Figure 0003636226
【0008】
(式中、R1 〜R4 は水素原子、フッ素、塩素、臭素原子、またはそれぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子またはジメチルポリシロキシ基である。)
【0009】
【化5】
Figure 0003636226
【0010】
(式中、R5 〜R8 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲンまたはジメチルポリシロキシ基を示す。Yは下記に示される基を示す。
【0011】
【化6】
Figure 0003636226
【0012】
ここにR9 、R10はそれぞれ、水素、各々置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基又は炭素数6〜12アリール基を表すか、R9 及びR10が結合して、炭素環または複素環を形成する基を表し、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基またはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲンである。a は0〜20の整数、b およびc は1〜100の整数を表す。)
【0013】
本発明の電子写真感光体は導電性支持体上に単一層の光導電層を有するものでも、機能分離した積層型のものでも良い。最近は、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層との二層からなる積層型の電子写真感光体が主流となっている。又、必要に応じて下引き層、保護層、接着層等を設けても良い。
【0014】
本発明の導電性支持体とは、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル等の金属材料や、又、表面にアルミニウム、パラジウム、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステルフィルム、フェノール樹脂、紙等が使用される。
【0015】
本発明の電荷発生層は公知の方法により、導電性支持体上に形成される。電荷発生物質としては、例えば、アゾキシベンゼン系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンズイミダゾール系、多環式キノリン系、インジゴイド系、キナクリドン系、フタロシアニン系、ペリレン系、メチン系等の有機顔料が使用できる。これらの電荷発生物質は、その微粒子をポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、各種セルロース等のバインダー樹脂に分散させた形で使用される。
【0016】
本発明の電荷輸送層は、電荷発生層上に公知の方法により、本発明のポリカーボネート樹脂をバインダー樹脂として、電荷輸送物質を分散させる事により形成される。電荷輸送物質としては、例えば、ポリテトラシアノエチレン;2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物;ジニトロアントラセン等のニトロ化合物;無水コハク酸;無水マレイン酸;ジブロモ無水マレイン酸;トリフェニルメタン系化合物;2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物;ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物;1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物;4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のアミン誘導体;1、1ービス(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン等の共役不飽和化合物;4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物;インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物;縮合多環式化合物等が挙げられる。上記電荷輸送物質は単独で使用しても、複数種併用しても良い。
【0017】
本発明のポリカーボネートは、ビスフェノールAと炭酸エステル形成化合物からポリカーボネートを製造する際に用いられている公知の方法、例えば二価フェノールとホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あるいは二価フェノールとビスアリールカーボネートとのエステル交換反応(エステル交換法)などの方法を採用することができる。
【0018】
ホスゲン法とエステル交換法では、一般式(A)構造を誘導するインダン構造含有二価フェノールの反応性を考慮した場合、ホスゲン法の方が好ましい。
また、期待される物性を有するには、一般式(A)の構造単位が全構成単位中5〜100mol%が好ましく、さらには溶媒溶解性を考慮すると20〜100mol% がより好ましい。
【0019】
本発明中にのポリカーボネートの製造に使用される一般式(B)を誘導する二価フェノールとしては、具体的にはビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ−ルA;BPA )、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノ−ルZ ;BPZ )、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4,4' − [1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)] ビスフェノール、4,4’− [1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)] ビス(2−メチルフェノール)、4,4’− [1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)] ビスフェノール、α, ω- ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、またはα, ω- ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンなどが例示され、これらは、2種類以上併用して用いてもよい。
【0020】
これらの中でも特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1- フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、α, ω- ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、またはα, ω- ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンから選ばれることが好ましい。
【0021】
一方、炭酸エステル形成性化合物としては、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネートなどのビスアリルカーボネートが挙げられる。これらの化合物は2種類以上併用して使用することも可能である。
【0022】
前記一般式(A)で表される構造単位を誘導するインダン含有二価フェノールは、具体的には、下記に示される化合物が例示される。
【0023】
【化7】
Figure 0003636226
【0024】
上記二価フェノールを2種類以上併用して使用することも可能である。また特に、1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール、または1,1,3、4,6−ペンタメチル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オールが反応性の面から好ましい。
【0025】
ホスゲン法においては、通常酸結合剤および溶媒の存在下において、前記二価フェノールとホスゲンを反応させる。酸結合剤としては、例えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、キシレンなどが用いられる。
【0026】
さらに、縮重合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩などの触媒が使用される。また重合度を調節には、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p-クミルフェノール、長鎖アルキル置換フェノール等の一官能性化合物が分子量調節剤として使用し得る。また、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビスフェノールなど分岐化剤を小量添加してもよい。反応は通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲とするのが適当である。反応時間は反応温度によって左右されるが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間である。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持することが望ましい。
【0027】
一方、エステル交換法においては、前記二価フェノールとビスアリールカーボネートとを混合し、減圧下で高温において反応させる。反応は通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧度は最終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応により生成した該ビスアリールカーボネートから由来するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく。また、所望に応じ、酸化防止剤や分岐化剤を添加して反応を行ってもよい。
【0028】
これらの反応で合成されたポリカーボネートは、湿式成形で容易に膜成形可能である。湿式成形で成形された電子写真感光体が十分な膜強度を得るためには極限粘度が0.30〜2.0dl/g であることが好ましく、さらに成膜性を重視した場合、0.3 〜1.5dl/g であることが好ましい。
【0029】
電荷発生層及び電荷輸送層は、上記の電荷発生物質、又は、電荷輸送物質を、それぞれバインダー樹脂と、適当な溶媒に溶解させ、その溶液を浸漬塗布法やスプレー法等により塗布し、乾燥させる事により形成できる。この溶媒としては、ハロゲン系有機溶媒と非ハロゲン系溶媒の2種類に大別できるが、一般的には可燃性が低いハロゲン系溶媒が多用されるが、近年は特に安全性や環境保全の観点から、非ハロゲン系溶媒が使用される割合が大きくなってきている。本発明で用いられるポリカーボネートは多くの非ハロゲン系溶媒に対する溶解性も良好である。
【0030】
非ハロゲン系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド等が挙げられる。またハロゲン系溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられ、これらの溶媒は非ハロゲン、ハロゲンを問わず単独で使用しても良く、又は、2種以上を併用し混合用溶媒として使用しても良い。
【0031】
電荷発生物質とバインダー樹脂の混合比は、10:1〜1:20の範囲内が好ましい。この電荷発生層の厚さは、0.01〜20μm、好ましくは0.1〜2μmが好適である。
【0032】
電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合比は、10:1〜1:10の範囲内が好ましい。この電荷輸送層の厚さは、2〜100μm、好ましくは5〜30μmが好適である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって具体的に説明する。
【0034】
合成例1
水酸化ナトリウム500gを水6lに溶解し、15℃に保ちながら、、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下「BPZ」と記す)536g、 1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール(以下「ID1」と記す)536g、ハイドロサルファイト1g、を溶解した。
これにメチレンクロライド5lを加えて攪拌しつつ、p−t−ブチルフェノール(以下「PTBP」と記す)17gを加え、ついでホスゲン480gを60分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、乳化後、1gのトリエチルアミンを加え約1時間攪拌を続け重合させた。
重合液を水相と有機相に分離し、有機相を硫酸で中和した後、洗液のPHが中性となるまで水洗を繰り返した後、イソプロパノールを35l加えて、重合物を沈澱させた。沈澱物を濾過し、その後乾燥する事により粉末状のポリカーボネートを得た(以下「P−1」と記す)。このポリカーボネートの極限粘度は0.49dl/g(20℃,ジクロロメタン溶液)である。
【0035】
合成例2
BPZのかわりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下「BPC」と記す)512gに変更した以外は、合成例1と同様に行った。得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−2」と記す)の極限粘度は0.47dl/gである。
【0036】
合成例3
BPZのかわりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「BPA」と記す)456gに変更した以外は、合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−3」と記す)の極限粘度は0.50dl/gである。
【0037】
合成例4
BPZを857g、ID1の代わりに1,1,3,4,6−ペンタメチル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール(以下「ID2」)を259gに変更した以外は合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−4」と記す)の極限粘度は0.43dl/gである。
【0038】
合成例5
BPZを用いず、ID1のみ1072g用いた以外は合成例1と同様に行った。 得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−5」と記す)の極限粘度は0.53dl/gである。
【0039】
合成例6
PTBPを5gに変更した以外は合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−6」と記す)の極限粘度は1.15dl/gである。
【0040】
合成例7
PTBPを30gに変更した以外は合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−7」と記す)の極限粘度は0.31dl/gである。
【0041】
合成例8
BPZの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル(以下「DHPE」と記す)404gを用いた以外は合成例1と同様に行った。
得られた粉末状のポリカーボネート樹脂(以下「P−8」と記す)の極限粘度は0.44dl/gである。
【0042】
実施例1
アルミニウムを厚さ約50nm蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、τ型銅フタロシアニン10部とフェノキシ樹脂5部、ポリビニルブチラール樹脂5部、ジメトキシエタン100部とを混合し、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った塗布液を用いて塗布し、乾燥し、厚さ約0.5μmの電荷発生層を設けた。次に、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンを50部、合成例−1により得られたポリカーボネート樹脂P−1を50部、テトラヒドロフランを350部、使用した塗布液を作製し、上記電荷発生層上に塗布し、風乾後100℃、8時間乾燥し、厚さ約20μmの電荷輸送層を設けて、積層型電子写真感光体を作製した。
この電子写真感光体の評価を、株式会社川口電気製作所製EPA−8100静電気帯電試験装置にて、帯電特性を調べた。また耐摩耗性については、スガ試験機株式会社製テーバ摩耗試験機を用いて削れ量を測定した。
【0043】
実施例2〜8
P−1のポリカーボネートの代わりにP−2〜P−8のポリカーボネートを用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0044】
比較例1〜2
P−1のポリカーボネートの代わりに市販のBPA型ポリカーボネート(三菱ガス化学(株) 製ユーピロンS-2000)、BPZ型ポリカーボネート(三菱ガス化学 (株) 製ユーピロンPCZ)を用いた以外は実施例1と同様に行った。
【0045】
実施例および比較例の結果を表1に示した。
(以下空白)
【0046】
【表1】
Figure 0003636226
【0047】
なお、表1の記載は下記によった。
ID1 :1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール
ID2 :1,1,3,4,6−ペンタメチル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール
BPZ :1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
BPC :2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン
BPA :2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
DHPE:ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル
【0048】
極限粘度:20℃、0.5%ジクロロメタン溶液にて測定。
【0049】
初期電位:DC帯電器にて50μA電流が流入するよう調整したときの初期帯電量(-V)
【0050】
残留電位:露光(除電10Lux )後、4秒後の残留電位(-V)。
【0051】
摩耗量 :荷重300g、CS-17 輪、トルエン雰囲気、1000回往復運動後のテーバ摩耗試験を行った際の摩耗量(mg)
【0052】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、インダン構造を有するポリカーボネートをバインダー樹脂として使用することにより、電子写真感光体の残留電位上昇を抑え、耐摩耗性も向上する。そのため電子写真画像の安定化や感光体寿命延長効果が期待される。

Claims (4)

  1. 導電性基体上に、感光層を有する電子写真感光体において、該感光層のバインダー樹脂として、下記一般式(A)または、一般式(A)および下記一般式(B)で表される構造単位を有し、一般式(A)の構造単位が全構成単位中5〜100mol%であり、かつ極限粘度が0.30〜2.0dl/g であるポリカーボネートからなる樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0003636226
    (式中、R1 〜R4 は水素原子、フッ素、塩素、臭素原子、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素から選ばれるハロゲン原子、またはジメチルポリシロキシ基である。)
    Figure 0003636226
    (式中、R5 〜R8 はそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、またはそれぞれ置換基を有してもよい、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数7〜17のアラルキル基であり、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲンまたはジメチルポリシロキシ基を示す。Yは下記に示される基を示す。
    Figure 0003636226
    ここにR9 、R10はそれぞれ、水素、各々置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基または炭素数6〜12アリール基を表すか、R9 及びR10が結合して、炭素環または複素環を形成する基を表し、これらの基の炭素に有してもよい置換基が、炭素数1〜5のアルキル基あるいはアルケニル基、炭素数1〜5のアルコキシ基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲンである。a は0〜20の整数、b およびc は1〜100の整数を表す。)
  2. 一般式(A)の構造単位が全構成単位中20〜100mol%である請求項1の電子写真感光体。
  3. 一般式(A)の構造単位が、1,1,3−トリメチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オール、または1,1,3、4,6−ペンタメチル−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−インダン−5−オールから誘導された請求項1の電子写真感光体。
  4. 一般式(B)の構造単位が2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3-メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、α, ω- ビス[2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル]ポリジメチルシロキサン、またはα, ω- ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンよりなる群より誘導された請求項1の電子写真感光体。
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