JP3634643B2 - 情報記録媒体及びその記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、映像情報をデジタルデータの形で記録するとともに、この記録されたデジタルデータを再生して元の映像情報を取り出すことが可能な情報記録媒体の改良に関する。また、この発明は、情報記録媒体に映像情報をデジタルデータの形で記録するとともに、この記録されたデジタルデータを読み取り元の映像情報を再生する記録再生装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、近年では、映像や音声等のデータを光ディスクを再生する動画対応の光ディスク再生装置が開発され、例えばLD(レーザディスク)やビデオCD(コンパクトディスク)等のように、映画ソフトやカラオケ等を再生する目的で、一般に普及している。
【0003】
その中で、現在、国際規格化したMPEG(ムービングピクチャイメージコーディングエキスパートグループ)2方式を使用し、AC(デジタルオーディオコンプレッション)−3その他のオーディオ圧縮方式を採用したDVD(デジタルバーサタイルディスク)規格が提案されている。
【0004】
このDVD規格には、再生専用のDVDビデオまたはDVD−ROM(リードオンリーメモリ)、ライトワンスのDVD−R(レコーダブル)、反復読み書き可能なDVD−RW(リライタブル)またはDVD−RAM(ランダムアクセスメモリ)等が含まれている。
【0005】
DVDビデオ(DVD−ROM)の規格は、MPEG2システムレイヤにしたがって、動画圧縮方式としてはMPEG2、音声記録方式としてはリニアPCM(パルスコードモジュレーション)の他にAC−3オーディオ及びMPEGオーディオをサポートしている。
【0006】
さらに、このDVD規格は、字幕用としてビットマップデータをランレングス圧縮した副映像データや、早送り再生及び早戻し再生によるデータサーチ等の特殊再生を含む再生制御用コントロールデータ(ナビゲーションデータ)等を追加して構成されている。
【0007】
また、このDVD規格では、例えばパーソナルコンピュータ等でデータを読むことができるように、ISO(インターナショナルオーガニゼイションフォースタンダーディゼイション)9660及びマイクロUDF(ユニバーサルディスクフォーマット)もサポートしている。
【0008】
ところで、DVDビデオ(DVD−ROM)に用いられる光ディスクは、現在のところ、直径12cmの片面1層ディスクで、凡そ4.7GB(ギガバイト)の記憶容量を持っている。また、同径の片面2層ディスクでは、凡そ9.5GBの記憶容量があり、両面2層ディスクでは、凡そ18GBもの大容量記録が可能となっている(波長650nmのレーザ光を読み取りに使用した場合)。
【0009】
一方、DVD−RW(DVD−RAM)に用いられる光ディスクは、現在のところ、直径12cmのもので、片面凡そ2.6GBの記憶容量を持っており、両面では、5.2GBの容量となっている。つまり、現在実用化されているDVD−RAMの光ディスクは、同サイズのDVD−ROMディスクに比べて、記憶容量が小さくなっている。
【0010】
しかしながら、DVD−RAMディスクの記憶容量を増大させるための技術開発は絶えずなされていることから、近い将来、片面で4.7GB以上の記憶容量を持つDVD−RAMディスクが実用化されることは、疑う余地のないこととなっている。
【0011】
とはいえ、高画質が得られるMPEG2のビデオファイルは、データサイズが大きいため、上記した現状のDVD−RAMディスク(片面2.6GBディスクまたは両面5.2GBディスク)では、記録可能な時間が実用上十分であるとは言えないものである(2.6GBディスクで約1時間、5.2GBディスクで約2時間)。
【0012】
つまり、現状における個々のDVD−RAMディスクの記憶容量は、長時間動画記録を行なう目的からは余裕がないため、データを効率良く記録するための管理が必要となってくる。また、将来、DVD−RAMディスクの記憶容量が増えたとしても、その分長時間記録の要求も高まるので、やはり、記録効率を良くするためのデータ管理は必要になる。
【0013】
このように、限られた記憶容量の中でデータを効率良く記録するために、現在では、例えば特願平9−343041号等に示されるように、光ディスクの残り記録容量(残量)が少なくなった場合、データ記録レートを下げて記録することで対処する手法が提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、MPEGビデオ圧縮では、データ記録レートを単純に下げてしまうと、画面の変化が激しい場合にブロックノイズが増大し、モザイク状の画像が表示されてしまうという問題が生じている。特に、このモザイク状の画像は、一般ユーザが通常見慣れないノイズであるため目立ち易く、より見づらい感じを与えてしまうことになる。
【0015】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、記録されている映像情報の画質を示す情報を、映像情報の管理領域に記録することを可能として、記録効率の向上を図るために利用し得るようにした極めて良好な情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
また、この発明は、情報記録媒体に対して映像情報とともにその画質を示す情報を記録再生可能として、記録効率の向上を図り得るようにした極めて良好な記録再生装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る情報記録媒体は、それぞれがプログラムチェーン情報で再生管理可能な複数のセルで構成される複数のビデオオブジェクト単位に分割された映像データが記録されるデータ領域と、このデータ領域に記録された映像データをビデオオブジェクト単位で管理するためのビデオオブジェクト情報を含む管理データが記録される管理領域とを有する、記録再生可能な情報記録媒体において、管理領域に記録されるビデオオブジェクト情報内に画質情報が含まれるようにしたものである。
【0018】
また、この発明に係る記録再生装置は、それぞれがプログラムチェーン情報で再生管理可能な複数のセルで構成される複数のビデオオブジェクト単位に分割された映像データが記録されるデータ領域と、このデータ領域に記録された映像データをビデオオブジェクト単位で管理するためのビデオオブジェクト情報を含む管理データが記録される管理領域とを有し、管理領域に記録されるビデオオブジェクト情報内に画質情報が含まれるようにした記録再生可能な情報記録媒体に対して記録再生を行なうもので;データ領域に記録された映像データを再生する再生手段を備えるようにしたものである。
【0022】
上記のような構成によれば、映像データを管理するための管理データが記録される管理領域に、映像データの画質を示す情報を記録し、また再生することを可能としたので、この画質情報を有効に利用することにより記録効率の向上を図ることができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。すなわち、図1は、記録再生可能な光ディスク11の構造を示す斜視図である。この光ディスク11は、それぞれ記録層12が設けられた一対の透明基板13を接着層14を介して貼り合わせた構造となっている。
【0024】
各透明基板13は、それぞれ、0.6mm厚のポリカーボネートで構成することができる。接着層14は、極薄(例えば40μm厚)の紫外線硬化性樹脂で構成することができる。これら一対の0.6mm厚透明基板13を、それらの記録層12が接着層14を挟んで対向するように貼り合わせることにより、1.2mm厚の大容量光ディスク11が構成される。
【0025】
光ディスク11には、中心孔15が設けられており、ディスク両面の中心孔15の周囲には、この光ディスク11をクランプするためのクランプエリア16が設けられている。また、中心孔15には、図示しないディスクドライブに光ディスク11が装填された際に、ディスクモータのスピンドルが挿入される。
【0026】
そして、光ディスク11は、そのクランプエリア16において、図示しないディスククランパにより回転可能にクランプされ、ディスクモータによって回転駆動されるようになっている。
【0027】
光ディスク11は、そのクランプエリア16の周囲に、ビデオデータ、オーディオデータ及びその他の情報を記録することができる情報エリア17を有している。
【0028】
情報エリア17のうち、その外周側にはリードアウトエリア18が設けられている。また、クランプエリア16に接する内周側には、リードインエリア19が設けられている。そして、リードアウトエリア18とリードインエリア19との間に、データ記録エリア20が定められている。
【0029】
情報エリア17の記録層(光反射層)12には、記録トラックが、例えばスパイラル状に連続して形成されている。この連続トラックは、複数の物理セクタに分割され、これらのセクタには連続番号が付されている。このセクタを記録単位として、光ディスク11に種々なデータが記録される。
【0030】
また、データ記録エリア20は、実際のデータ記録領域であって、記録・再生情報として、映画等のビデオデータ(主映像データ)、字幕・メニュー等の副映像データ及び台詞・効果音等のオーディオデータが、同様なピット列(レーザ反射光に光学的な変化をもたらす物理的な形状あるいは相状態)として記録されている。
【0031】
光ディスク11が片面1層で両面記録のRAMディスクの場合には、各記録層12は、それぞれ、2つの硫化亜鉛・酸化シリコン混合物(ZnS・SiO2)で、相変化記録材料層(例えばGe2Sb2Te5)を挟み込んだ3重層により構成できる。
【0032】
光ディスク11が片面1層で片面記録のRAMディスクの場合には、読み出し面21側の記録層12は、上記した相変化記録材料層を含む3重層により構成できる。この場合、読み出し面21から見て反対側に配置される記録層12は、情報記録層である必要はなく、単なるダミー層でよい。
【0033】
光ディスク11が片面読み取り型の2層RAM/ROMディスクの場合には、2つの記録層17は、それぞれ、1つの相変化記録層(読み出し面21からみて奥側;読み書き用)と、1つの半透明金属反射層(読み出し面21からみて手前側;再生専用)とで構成できる。
【0034】
光ディスク11がライトワンスのDVD−Rである場合には、透明基板13としてポリカーボネートが用いられ、図示しない反射膜としては金、図示しない保護膜としては紫外線硬化樹脂を用いることができる。この場合、記録層12には有機色素が用いられる。
【0035】
この有機色素としては、シアニン、スクアリリウム、クロコニック、トリフェニルメンタン系色素、キサンテン、キノン系色素(ナフトキン、アントラキノン等)、金属錯体系色素(フタロシアン、ボルフィリン、ジチオール錯体等)、その他が利用可能である。
【0036】
このようなDVD−Rディスクへのデータ書き込みは、例えば波長650nmで出力6〜12mW程度の半導体レーザを用いて行なうことができる。
【0037】
光ディスク11が片面読み取り型の2層ROMディスクの場合には、2つの記録層12は、1つの金属反射層(読み出し面21からみて奥側)と、1つの半透明金属反射層(読み出し面21からみて手前側)とで構成できる。
【0038】
読み出し専用のDVD−ROMディスクでは、透明基板13にピット列が予めスタンパーで形成され、このピット列が形成された透明基板13の面に金属等の反射層が形成され、この反射層が記録層12として使用されることになる。このようなDVD−ROMディスクでは、通常、記録トラックとしてのグルーブは特に設けられず、透明基板13の面に形成されたピット列がトラックとして機能するようになっている。
【0039】
上記した各種の光ディスク11において、再生専用のROM情報は、エンボス信号として記録層12に記録されている。これに対し、読み書き用(またはライトワンス用)の記録層12を持つ透明基板13には、このようなエンボス信号は刻まれておらず、その代わりに連続のグルーブ溝が刻まれている。このグルーブ溝に、相変化記録層が設けられるようになっている。読み書き用DVD−RAMディスクの場合は、さらに、グルーブの他にランド部分の相変化記録層も情報記録に利用される。
【0040】
なお光ディスク11が片面読み取りタイプ(記録層12が1層でも2層でも)の場合には、読み出し面21から見て裏側の透明基板13は読み書き用レーザ光に対して透明である必要はなく、裏側の透明基板13全面にラベル印刷がされていてもよいものである。
【0041】
後述するDVDデジタルビデオレコーダは、DVD−RAMディスク(またはDVD−RWディスク)に対する反復記録・反復再生(読み書き)と、DVD−Rディスクに対する1回の記録・反復再生と、DVD−ROMディスクに対する反復再生が可能なように構成されている。
【0042】
図2は、図1に示した光ディスク(DVD−RAM)11のデータ記録エリア20と、そこに記録されるデータの記録トラックとの対応関係を示している。光ディスク11がDVD−RAM(またはDVD−RW)の場合には、そのデリケートなディスク面を保護するために、光ディスク11の本体がカートリッジ22に収納されるようになっている。
【0043】
DVD−RAMディスク11がカートリッジ22ごと、後述するDVDデジタルビデオレコーダのディスクドライブに挿入されると、光ディスク11は、カートリッジ22から引き出されて、図示しないスピンドルモータに連結されたターンテーブルにクランプされ、図示しない光ヘッドに向き合うようにして回転駆動される。
【0044】
一方、光ディスク11がDVD−RまたはDVD−ROMの場合には、光ディスク11の本体はカートリッジ22に収納されておらず、裸の光ディスク11がディスクドライブのディスクトレイに直接セットされるようになる。
【0045】
図1に示した情報エリア17の記録層12には、データ記録トラックがスパイラル状に連続して形成されている。この連続する記録トラックは、図2に示すように、それぞれ一定の記憶容量を有する複数論理セクタ(最小記録単位)に分割され、この論理セクタを基準にデータが記録されている。1つの論理セクタの記録容量は、後述する1パックデータ長と同じ2048バイト(2kバイト)に決められている。
【0046】
データ記録エリア20は、実際のデータ記録領域であって、管理データ、主映像(ビデオ)データ、副映像データ及び音声(オーディオ)データが同様に記録されている。
【0047】
なお、図示はしないが、図2に示した光ディスク11のデータ記録エリア20は、リング状(年輪状)に複数の記録エリア(複数の記録ゾーン)に分割することができる。各記録ゾーン毎にディスク回転の角速度は異なるが、各ゾーン内では線速度または角速度を一定にすることができる。
【0048】
この場合、各ゾーン毎に予備の記録エリア(フリースペース)を設けることができる。このゾーン毎のフリースペースを集めて、その光ディスク11のリザーブエリアとすることができる。このリザーブエリアの記憶容量(リザーブ容量)は、後述する自動画質設定処理等で利用することができる。
【0049】
図3は、図2に示した光ディスク11に記録される情報の階層構造を示している。この階層構造の論理フォーマットは、例えば標準規格の1つであるISO9660及びUDFブリッジに準拠して定められている。
【0050】
リードインエリア19からリードアウトエリア18までの間のデータ記録エリア20は、ボリュームスペース23として割り当てられる。このボリュームスペース23は、ボリュームおよびファイル構造の情報のための空間(ボリューム/ファイル構造領域24)と、DVD規格のアプリケーションのための空間(DVDビデオ領域25)と、この規格のアプリケーション以外のための空間(他記録エリア26)とを含むことができる。
【0051】
ボリュームスペース23は、多数のセクタに物理的に分割され、それらの物理的セクタには連続番号が付されている。このボリュームスペース(データ記録エリア20)23に記録されるデータの論理アドレスは、ISO9660及びUDFブリッジで定められるように、論理セクタ番号を意味している。ここでの論理セクタサイズは、物理セクタの有効データサイズと同様に、2048バイト(2kバイト)となっている。論理セクタ番号は、物理セクタ番号の昇順に対応して連続番号が付加されている。
【0052】
なお、論理セクタと異なり、物理セクタにはエラー訂正情報等の冗長な情報が付加されている。このため、物理セクタサイズは、厳密には論理セクタサイズと一致しない。
【0053】
すなわち、ボリュームスペース23は階層構造を有しており、ボリューム/ファイル構造領域24、1以上のビデオタイトルセットVTS27からなるDVDビデオ領域25、及び他記録エリア26を含んでいる。これらの領域は、論理セクタの境界上で区分されている。ここで、1論理セクタは2048バイトと定義され、1論理ブロックも2048バイトと定義される。したがって、1論理セクタは1論理ブロックと対等に定義される。
【0054】
ボリューム/ファイル構造領域24は、ISO9660及びUDFブリッジに定められる管理領域に相当する。このボリューム/ファイル構造領域24の記述に基づいて、ビデオマネージャVMGの内容が、後述するDVDデジタルビデオレコーダ内部のシステムメモリ(図示せず)に格納される。
【0055】
図3において、ビデオマネージャVMGは、複数のファイル28で構成されている。このファイル28には、ビデオタイトルセットVTS#1〜#n27を管理する情報(ビデオマネージャ情報VMGI、ビデオマネージャメニュー用ビデオオブジェクトセットVMGM_VOBS、ビデオマネージャ情報バックアップファイルVMGI_BUP)が記述されている。
【0056】
各ビデオタイトルセットVTS27には、MPEG規格により圧縮されたビデオデータ(後述するビデオパック)、所定規格により圧縮されあるいは非圧縮のオーディオデータ(後述するオーディオパック)、及びランレングス圧縮された副映像データ(後述する副映像パック;1画素が複数ビットで定義されたビットマップデータを含む)とともに、これらのデータを再生するための情報(後述するナビゲーションパック;プレゼンテーション制御情報PCI及びデータサーチ情報DSIを含む)が格納されている。
【0057】
ビデオタイトルセットVTS27も、ビデオマネージャVMGと同様に、複数のファイル29で構成されている。このファイル29は、ビデオタイトルセット情報VTSI、ビデオタイトルセットメニュー用オブジェクトセットVTSM_VOBS、ビデオタイトルセットタイトル用ビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBS、ビデオタイトルセット情報バックアップファイルVTSI_BUPを含んでいる。
【0058】
ここでは、ビデオタイトルセットVTS#1〜#n27の数は、最大99個に制限され、また、各ビデオタイトルセットVTS27を構成するファイル29の数は、最大12個に定められている。これらの28,29は、論理セクタの境界で、同様に区分されている。
【0059】
他記録エリア26には、上述したビデオタイトルセットVTS27で利用可能な情報、あるいはビデオタイトルセットVTSとは関係ない、他の情報を記録することができる。この他記録エリア26は必須ではなく、使用しないなら削除されてもよい。
【0060】
図5を参照して後述するが、ビデオタイトルセットタイトル用ビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBSは、1以上のビデオオブジェクトVOBの集まりを定義している。各ビデオオブジェクトVOBは、1以上のセルの集まりを定義している。そして、1以上のセルの集まりによって、プログラムチェーンPGCが構成される。
【0061】
1つのプログラムチェーンPGCを1本のドラマに例えれば、このプログラムチェーンPGCを構成する複数のセルは、ドラマ中の種々のシーンに相当すると解釈することが可能である。このプログラムチェーンPGCの中身(あるいはセルの中身)は、例えば光りディスク11に記録される内容を制作するソフトウェアプロバイダにより決定される。
【0062】
図4は、光ディスク11に記録される情報(データファイル)のディレクトリ構造を例示している。コンピュータの汎用オペレーティングシステムが採用している階層ファイル構造と同様に、ルートディレクトリの下にビデオタイトルセットVTSのサブディレクトリと、オーディオタイトルセットATSのサブディレクトリとが繋がっている。
【0063】
そして、ビデオタイトルセットVTSのサブディレクトリ中に、種々のビデオファイル(VMGI、VMGM、VTSI、VTSM、VTS等のファイル)が配置されて、各ファイルが整然と管理されるようになっている。特定のファイル(例えば特定のVTS)は、ルートディレクトリからそのファイルまでのパスを指定することで、アクセスすることができる。
【0064】
図1または図2に示したようなDVDーRAM(DVDーRW)ディスクまたはDVDーRディスクは、図4のディレクトリ構造を持つようにプリフォーマットしておき、このプリフォーマット済み光ディスク11をDVDビデオ録画用の未使用ディスク(生ディスク)として市販することができる。
【0065】
すなわち、プリフォーマットされた生ディスク11のルートディレクトリは、ビデオタイトルセットVTSというサブディレクトリを含む。このサブディレクトリは、種々の管理データファイル(VIDEO_TS.IFO、VTS_01_0.IFO)と、これら管理データファイルの情報をバックアップするバックアップファイル(VIDEO_TS.BUP、VTS_01_0.BUP)と、上記管理データファイルの記載内容に基づき管理されるものであって、デジタル動画情報を格納するためのビデオデータファイル(VTS_01_1.VOB)とを含むことができる。
【0066】
さらに、上記サブディレクトリは、所定のメニュー情報を格納するためのメニューデータファイル(VMGM、VTSM)を含むことができる。
【0067】
図5は、図3に示したビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBSに含まれる情報の階層構造を示している。各セルは、1以上のビデオオブジェクトユニットVOBU30により構成される。そして、各ビデオオブジェクトユニットVOBU30は、ナビゲーションパック(NVパック)31を先頭とする、ビデオパック(Vパック)32、副映像パック(SPパック)33、及びオーディオパック(Aパック)34の集合体(パック列)として構成されている。
【0068】
すなわち、ビデオオブジェクトユニットVOBU30は、あるナビゲーションパック31から次のナビゲーションパック31の直前までに記録されている全パックの集まりとして定義される。これらのパックは、データ転送処理を行なう際の最小単位となる。また、論理上の処理を行なう最小単位はセルであり、論理上の処理はこのセル単位で行なわれる。
【0069】
上記ナビゲーションパック31は、いずれのアングル変更(ノンシームレス再生及びシームレス再生)も実現できるように、ビデオオブジェクトユニットVOBU30中に組み込まれている。
【0070】
上記ビデオオブジェクトユニットVOBU30の再生時間は、ビデオオブジェクトユニットVOBU30中に含まれる1以上の映像グループ[GOP(グループオブピクチャ)]で構成されるビデオデータの再生時間に相当し、その再生時間は0.4秒〜1.2秒の範囲内に定められる。1GOPは、MPEG規格では通常約0.5秒であって、その間に15枚程度の画像を再生するように圧縮された画面データである。
【0071】
ビデオオブジェクトユニットVOBU30がビデオデータを含む場合には、ビデオパック32、副映像パック33及びオーディオパック34から構成されるGOP(MPEG規格準拠)が配列されてビデオデータストリームが構成される。しかし、このGOPの数とは無関係に、GOPの再生時間を基準にしてビデオオブジェクトユニットVOBU30が定められ、その先頭には、図5に示すように常にナビゲーションパック31が配列される。
【0072】
なお、オーディオ及び/または副映像データのみの再生データにあってもビデオオブジェクトユニットVOBU30を1単位として再生データが構成される。例えば、ナビゲーションパック31を先頭としてオーディオパック34のみでビデオオブジェクトユニットVOBU30が構成されている場合、ビデオデータのビデオオブジェクトVOBの場合と同様に、そのオーディオデータが属するビデオオブジェクトユニットVOBU30の再生時間内に再生されるべきオーディオパック34が、そのビデオオブジェクトユニットVOBU30に格納される。
【0073】
ところで、図5に示すような構造のビデオオブジェクトセットVOBS36を含むビデオタイトルセットVTSを光ディスク11に記録できるDVDデジタルビデオレコーダでは、このビデオタイトルセットVTSの記録後に記録内容を編集したい場合が生じる。この要求に答えるため、各ビデオオブジェクトユニットVOBU30内に、ダミーパック35を適宜挿入できるようになっている。このダミーパック35は、後に編集用データを記録する場合などに利用できる。
【0074】
図5に示すように、ビデオオブジェクトセットVOBS(VTSTT_VOBS)36は、1以上のビデオオブジェクトVOB37の集合として定義されている。ビデオオブジェクトセットVOBS36中のビデオオブジェクトVOB37は同一用途に用いられる。
【0075】
メニュー用のビデオオブジェクトセットVOBS36は、通常、1つのビデオオブジェクトVOB37で構成され、そこには複数のメニュー画面表示用データが格納される。これに対して、タイトルセット用のビデオオブジェクトセットVOBS36は、通常、複数のビデオオブジェクトVOB37で構成される。
【0076】
ここで、タイトルセット用ビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBS36を構成するビデオオフフブジェクトVOB37は、あるロックバンドのコンサートビデオを例にとれば、そのバンドの演奏の映像データに相当すると考えることができる。この場合、ビデオオブジェクトVOB37を指定することにより、そのバンドのコンサート演奏曲目の例えば3曲目を再生することができる。
【0077】
また、メニュー用ビデオオブジェクトセットVTSM_VOBSを構成するビデオオブジェクトVOB37には、そのバンドのコンサート演奏曲目全曲のメニューデータが格納され、そのメニューの表示にしたがって、特定の曲、例えばアンコール演奏曲目を再生することができる。
【0078】
なお、通常のビデオプログラムでは、1つのビデオオブジェクトVOB37で1つのビデオオブジェクトセットVOBS36を構成することができる。この場合、1本のビデオストリームが1つのビデオオブジェクトVOB37で完結することとなる。
【0079】
一方、例えば複数ストーリのアニメーション集あるいはオムニバス形式の映画では、1つのビデオオブジェクトセットVOBS36中に各ストーリに対応して複数のビデオストリーム(複数のプログラムチェーンPGC)を設けることができる。この場合は、各ビデオストリームが、対応するビデオオブジェクトVOB37に格納されることになる。その際、各ビデオストリームに関連したオーディオストリーム及び副映像ストリームも各ビデオオブジェクトVOB37中で完結する。
【0080】
ビデオオブジェクトVOB37には、識別番号(IDN#j;j=0〜j)が付され、この識別番号によってそのビデオオブジェクトVOB37を特定することができる。ビデオオブジェクトVOB37は、1または複数のセル38から構成される。通常のビデオストリームは複数のセルで構成されるが、メニュー用のビデオストリームは1つのセル38で構成される場合もある。各セル38には、ビデオオブジェクトVOB37の場合と同様に識別番号(C_IDN#i;i=0〜i)が付されている。
【0081】
図6は、図3に示したビデオタイトルセットVTS27の内容を示している。このビデオタイトルセットVTS27は、ビデオマネージャVMGと同様に、複数のファイル29で構成されている。各ファイル29は、ビデオタイトルセット情報VTSI、ビデオタイトルセットメニュー用オブジェクトセットVTSM_VOBS、ビデオタイトルセットタイトル用ビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBS(最大9ファイル)、ビデオタイトルセット情報バックアップファイルVTSI_BUPを含んでいる。
【0082】
図6に示すように、ビデオタイトルセットVTS27の先頭に配置されたビデオタイトルセット情報VTSIには、ビデオタイトルセット情報管理テーブルVTSI_MAT(必須)と、ビデオタイトルセットのパートオブタイトル(例えばプログラムのチャプタ)用のタイトルサーチポインタテーブルVTS_PTT_SRPT(必須)と、ビデオタイトルセットのプログラムチェーン情報テーブルVTS_PGCIT(必須)と、ビデオタイトルセットメニュー用のプログラムチェーン情報ユニットテーブルVTSM_PGCI_UT(上記VTSM_VOBSが存在するときは必須)と、ビデオタイトルセットタイムマップテーブルVTS_TMAPT(オプション)と、ビデオタイトルセットメニュー用のセルアドレステーブルVTSM_C_ADT(上記VTSM_VOBSが存在するときは必須)と、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクトユニットアドレスマップVTSM_VOBU_ADMAP(上記VTSM_VOBSが存在するときは必須)と、ビデオタイトルセットセルアドレステーブルVTS_C_ADT(必須)と、ビデオタイトルセット用のビデオオブジェクトユニットアドレスマップVTS_VOBU_ADMAP(必須)とが、この順番で記述されている。
【0083】
図7は、図6に示したビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブルVTS_PGCITの内容を示している。このビデオタイトルセットのプログラムチェーン情報テーブルVTS_PGCITには、ビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル情報VTS_PGCITIと、ビデオタイトルセットプログラムチェーン情報サーチポインタVTS_PGCI_SRP#1〜VTS_PGCI_SRP#nと、ビデオタイトルセットプログラムチェーン情報VTS_PGCIとが含まれている。
【0084】
なお、複数設けられたビデオタイトルセットプログラムチェーン情報VTS_PGCIの順序は、複数のビデオタイトルセットプログラムチェーン情報サーチポインタVTS_PGCI_SRP#1〜VTS_PGCI_SRP#nの順序と無関係に設定されている。このため、例えば同一のプログラムチェーン情報VTS_PGCIを1以上のプログラムチェーン情報サーチポインタVTS_PGCI_SRPで指し示すことが可能になっている。
【0085】
図8は、図7に示したビデオタイトルセットプログラムチェーン情報VTS_PGCIの内容を示している。すなわち、プログラムチェーン情報PGCIは、プログラムチェーン一般情報PGC_GI(必須)と、プログラムチェーンコマンドテーブルPGC_CMDT(オプション)と、プログラムチェーンプログラムマップPGC_PGMAP(次のC_PBITが存在するときは必須)と、セル再生情報テーブルC_PBIT(オプション)と、セル位置情報テーブルC_POSIT(上記C_PBITが存在するときは必須)とによって構成されている。
【0086】
図9は、上記セル再生情報テーブルC_PBITの内容を示している。このセル再生情報テーブルC_PBITは、図9に示すような構成を持ち、最大255個のセル再生情報C_PBI#n(n=1〜255)を含んでいる。
【0087】
図10は、上記セル再生情報C_PBI#nの内容を示している。この各セル再生情報C_PBI#nは、セルカテゴリーC_CAT(4バイト)と、セル再生時間C_PBTM(4バイト)と、セル内の最初のビデオオブジェクトユニットVOBUのスタートアドレスC_FVOBU_SA(4バイト)と、セル内の最初のインターリーブドユニットILVUのエンドアドレスC_FILVU_EA(4バイト)と、セル内の最終ビデオオブジェクトユニットVOBUのスタートアドレスC_LVOBU_SA(4バイト)と、セル内の最終ビデオオブジェクトユニットVOBUのエンドアドレスC_LVOBU_EA(4バイト)と、画質モードフラグ(1バイト)とを含んでいる。
【0088】
この画質モードフラグは、セル単位における画質を示すもので、下位4ビットが0のとき水平720画素×垂直525ラインの解像度を有することを示し、下位4ビットが1のとき水平640画素×垂直480ラインの解像度を有することを示し、下位4ビットが2のとき水平320画素×垂直240ラインの解像度を有することを示している。
【0089】
また、この画質モードフラグは、上位4ビットが0のとき60インターレースであることを示し、上位4ビットが1のとき30プログレッシブであることを示している。このため、この画質モードフラグを再生することにより、ユーザにセル毎の解像度を表示することが可能となる。
【0090】
図11は、上記したDVDデジタルビデオレコーダの構成を示している。このDVDデジタルビデオレコーダは、主として、光ディスク11を回転駆動して情報の読み書きを実行するディスクドライブ部39と、録画側を構成するエンコーダ40と、再生側を構成するデコーダ41と、これらの動作を制御するマイクロコンピュータブロック42とから構成されている。
【0091】
このエンコーダ40は、A/D(アナログ/デジタル)変換器43と、ビデオエンコーダ(Vエンコーダ)44と、オーディオエンコーダ(Aエンコーダ)45と、副映像エンコーダ(SPエンコーダ)46と、フォーマッタ47と、バッファメモリ48とを備えている。
【0092】
A/D変換器43には、A/V入力部49からの外部アナログビデオ信号+外部アナログオーディオ信号、あるいはTVチューナ50からのアナログTV信号+アナログ音声信号が入力される。このA/D変換器43は、入力されたアナログビデオ信号を、例えばサンプリング周波数13.5MHz、量子化ビット数8ビットでデジタル化する。つまり、輝度成分Y、色差成分Cr(またはY−R)及び色差成分Cb(またはY−B)のそれぞれが、8ビット(Y,Cr,Cbが4:2:2)で量子化される。
【0093】
同様に、このA/D変換器43は、入力されたアナログオーディオ信号を、例えばサンプリング周波数48kHz、量子化ビット数16ビットでデジタル化する。
【0094】
なお、A/D変換器43にアナログビデオ信号及びデジタルオーディオ信号が入力されるときは、A/D変換器43は、デジタルオーディオ信号をスルーパスさせる。デジタルオーディオ信号の内容は改変せず、デジタル信号に付随するジッタだけを低減させる処理、あるいはサンプリングレートや量子化ビット数を変更する処理等は行なっても良い。
【0095】
一方、A/D変換器43にデジタルビデオ信号及びデジタルオーディオ信号が入力されるときは、A/D変換器43は、デジタルビデオ信号及びデジタルオーディオ信号をスルーパスさせる。これらのデジタル信号に対しても、内容は改変することなく、ジッタ低減処理やサンプリングレート変更処理等は行なっても良い。
【0096】
A/D変換器43からのデジタルビデオ信号成分は、ビデオエンコーダ(Vエンコーダ)44を介してフォーマッタ47に送られる。また、A/D変換器43からのデジタルオーディオ信号成分は、オーディオエンコーダ(Aエンコーダ)45を介してフォーマッタ47に送られる。
【0097】
Vエンコーダ44は、入力されたデジタルビデオ信号を、MPEG2またはMPEG1規格に基づき、可変ビットレートで圧縮されたデジタル信号に変換する機能を持つ。
【0098】
また、Aエンコーダ45は、入力されたデジタルオーディオ信号を、MPEGまたはAC−3規格に基づき、固定ビットレートで圧縮されたデジタル信号(またはリニアPCMのデジタル信号)に変換する機能を持つ。
【0099】
図5に示したようなデータ構成のDVDビデオ信号がA/V入力部49から入力された場合(例えば副映像信号の独立出力端子付DVDビデオプレーヤ等からの信号)、あるいはこのようなデータ構成のDVDビデオ信号が放送され、それがTVチューナ50で受信された場合は、DVDビデオ信号中の副映像信号成分(副映像パック)が、副映像エンコーダ(SPエンコーダ)46に入力される。SPエンコーダ46に入力された副映像データは、所定の信号形態にアレンジされて、フォーマッタ47に送られる。
【0100】
このフォーマッタ47は、バッファメモリ48をワークエリアとして使用しながら、入力されたビデオ信号、オーディオ信号、副映像信号等に対して所定の信号処理を行ない、図5で説明したようなフォーマット(ファイル構造)に合致した記録データをデータプロセッサ51に出力する。
【0101】
ここで、上記記録データを作成するための標準的なエンコード処理内容を簡単に説明しておく。すなわち、図11のエンコーダ40においてエンコード処理が開始されると、ビデオ(主映像)データ及びオーディオデータのエンコードにあたって必要なパラメータが設定される。次に、設定されたパラメータを利用して主映像データがプリエンコードされ、設定された平均転送レート(記録レート)に最適な符号量の分配が計算される。こうしてプリエンコードで得られた符号量分配に基づき、主映像のエンコードが実行される。このとき、オーディオデータのエンコードも同時に実行される。
【0102】
プリエンコードの結果、データ圧縮量が不十分な場合(録画しようとする光ディスク11に希望のビデオプログラムが収まり切らない場合)、再度プリエンコードする機会を持てるなら(例えば録画のソースがビデオテープあるいはビデオディスクなどの反復再生可能なソースであれば)、主映像データの部分的な再エンコードが実行され、再エンコードした部分の主映像データがそれ以前にプリエンコードした主映像データ部分と置換される。このような一連の処理によって、主映像データ及びオーディオデータがエンコードされ、記録に必要な平均ビットレートの値が、大幅に低減される。
【0103】
同様に、副映像データをエンコードするために必要なパラメータが設定され、エンコードされた副映像データが作成される。
【0104】
以上のようにしてエンコードされた主映像データ、オーディオデータ及び副映像データが組み合わされて、上記したビデオタイトルセットVTSの構造に変換される。
【0105】
つまり、主映像データ(ビデオデータ)の最小単位としてのセルが設定され、図10に示したようなセル再生情報C_PBIが作成される。次に、図3に示したようなプログラムチェーンを構成するセルの構成、主映像、副映像及びオーディオの属性等が設定されて(これらの属性情報の一部は、各データをエンコードするときに得られた情報が利用される)、種々の情報を含めた情報管理テーブル(図3のVMGI等)が作成される。
【0106】
エンコードされた主映像データ、オーディオデータ及び副映像データは、図5に示すような一定サイズ(2048バイト)のパックに細分化される。これらのパックには、ダミーパックが適宜挿入される。なお、ダミーパック以外のパック内には、適宜、PTS(プレゼンテーションタイムスタンプ)、DTS(デコードタイムスタンプ)等のタイムスタンプが記述される。副映像のPTSについては、同じ再生時間帯の主映像データあるいはオーディオデータのPTSより任意に遅延させた時間を記述することができる。
【0107】
そして、各データのタイムコード順に再生が可能なように、VOBU30単位でその先頭にナビゲーションパック31を配置しながら各データセルが配置されて、図5に示すような複数のセルで構成されるVOB37が構成される。このVOB37を1以上まとめたVOBS36が、図3のVTS27の構造にフォーマットされる。
【0108】
なお、DVDデジタルビデオプレーヤからDVD再生信号をデジタルコピーする場合には、上記セル、プログラムチェーン、管理テーブル、タイムスタンプ等の内容は初めから決まっているので、これらを改めて作成する必要はない。ただし、DVD再生信号をデジタルコピーできるようにDVDデジタルビデオレコーダを構成するには、電子すかしその他の著作権保護手段が講じられている必要がある。
【0109】
光ディスク11に対して、情報の読み書き(録画及び/または再生)を実行するディスクドライブ部39は、上記データプロセッサ51と、ディスクチェンジャ部52と、ディスクドライブ53と、一時記憶部54と、STC(システムタイムカウンタまたはシステムタイムクロック)55とを備えている。
【0110】
一時記憶部54は、ディスクドライブ53を介して光ディスク11に書き込まれるデータ(エンコーダ40から出力されるデータ)のうちの一定量分をバッファリングしたり、ディスクドライブ53を介して光ディスク11から再生されたデータ(デコーダ41に入力されるデータ)のうちの一定量分をバッファリングするのに利用される。
【0111】
例えば一時記憶部54が4Mバイトの半導体メモリ(DRAM)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートでおよそ8秒分の記録または再生データのバッファリングが可能である。また、一時記憶部54が16MバイトのEEPROM(フラッシュメモリ)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートでおよそ30秒の記録または再生データのバッファリングが可能である。さらに、一時記憶部54が100Mバイトの超小型HDD(ハードディスク)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートで3分以上の記録または再生データのバッファリングが可能となる。
【0112】
一時記憶部54は、録画途中で光ディスク11を使い切ってしまった場合において、光ディスク11が新しいディスクに交換されるまでの録画情報を一時記憶しておくことに利用できる。
【0113】
また、一時記憶部54は、ディスクドライブ53として高速ドライブ(2倍速以上)を採用した場合において、一定時間内に通常ドライブより余分に読み出されたデータを一時記憶しておくことにも利用できる。再生時の読み取りデータを一時記憶部54にバッファリングしておけば、振動ショック等で図示しない光ヘッドが読み取りエラーを起こしたときでも、一時記憶部54にバッファリングされた再生データを切り替え使用することによって、再生映像が途切れないようにすることができる。
【0114】
図11では図示しないが、DVDデジタルビデオレコーダに外部カードスロットを設けておけば、上記EEPROMはオプションのICカードとして別売できる。また、DVDデジタルビデオレコーダに外部ドライブスロットあるいはSCSIインターフェースを設けておけば、上記HDDもオプションの拡張ドライブとして別売できる。
【0115】
図11のデータプロセッサ51は、マイクロコンピュータブロック42の制御にしたがって、エンコーダ40からのDVD記録データをディスクドライブ53に供給したり、光ディスク11から再生されたDVD再生信号をディスクドライブ53から取り出したり、光ディスク11に記録された管理情報(図3のVMGI等)を書き替えたり、光ディスク11に記録されたデータ(ファイルあるいはVTS)の削除をしたりする。
【0116】
マイクロコンピュータブロック42は、MPU(またはCPU)、制御プログラム等が書き込まれたROM、及びプログラム実行に必要なワークエリアを提供するRAMを含んでいる。
【0117】
このマイクロコンピュータブロック42のMPUは、そのROMに格納された制御プログラムに従い、そのRAMをワークエリアとして用いて、後述する空き容量検知、残り容量検出、ファイル整理、記録容量検知、残り時間検出、表示開始時間検知、録画モード変更(画質モード変更指示)及びその他の処理を実行する。
【0118】
MPUの実行結果のうち、DVDデジタルビデオレコーダのユーザに通知すべき内容は、DVDデジタルビデオレコーダの表示部56に表示されたり、または図示しないモニタディスプレイ上にOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示される。
【0119】
なお、マイクロコンピュータブロック42が、データプロセッサ51、ディスクチェンジャ部52、ディスクドライブ53、エンコーダ40及び/またはデコーダ41等を制御するタイミングは、STC55からの時間データに基づいて、実行することができる。録画・再生の動作は、通常はSTC55からのタイムクロックに同期して実行されるが、それ以外の処理は、STC55とは独立したタイミングで実行されてもよい。
【0120】
また、上記デコーダ41は、図5に示したようなパック構造を持つDVD再生データから各パックを分離して取り出すセパレータ57と、パック分離その他の信号処理実行時に使用するメモリ58と、セパレータ57で分離された主映像データ(図5のビデオパック32の内容)をデコードするビデオデコーダ(Vデコーダ)59と、セパレータ57で分離された副映像データ(図5の副映像パック33の内容)をデコードする副映像デコーダ(SPデコーダ)60と、セパレータ57で分離されたオーディオデータ(図5のオーディオパック34の内容)をデコードするオーディオデコーダ(Aデコーダ)61と、Vデコーダ59からのビデオデータにSPデコーダ60からの副映像データを適宜合成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕その他の副映像を重ねて出力するビデオプロセッサ62と、ビデオプロセッサ62からのデジタルビデオ出力をアナログビデオ信号に変換するビデオD/A(デジタル/アナログ)変換器63と、Aデコーダ61からのデジタルオーディオ出力をアナログオーディオ信号に変換するオーディオD/A変換器64とを備えている。
【0121】
ビデオD/A変換器63からのアナログビデオ信号及びオーディオD/A変換器64からのアナログオーディオ信号は、A/V出力部65を介して、図示しない外部コンポーネント(2チャネル〜6チャネルのマルチチャネルステレオ装置+モニタTVまたはプロジェクタ)に供給される。
【0122】
マイクロコンピュータブロック42から出力されるOSDデータは、デコーダ41のセパレータ57に入力され、Vデコーダ59を通過して(特にデコード処理はされない)ビデオプロセッサ62に入力される。すると、このOSDデータが主映像に重畳され、それがA/V出力部65に接続された外部モニタTVに供給される。これにより、警告文等が、主映像とともに表示されることになる。
【0123】
図12は、図11に示したDVDデジタルビデオレコーダの再生動作の一例を説明するフローチャートである。初めに、このDVDデジタルビデオレコーダにおける再生時のビデオ信号の流れを簡単に説明しておく。
【0124】
まず、マイクロコンピュータブロック30は、ユーザのリモートコントロール操作等により再生命令を受けると、ディスクドライブ53より、データプロセッサ51を介して、光ディスク11の管理領域を読み込み、再生するデータのアドレスを決定する。
【0125】
次に、マイクロコンピュータブロック30は、ディスクドライブ53に、先ほど決定した再生するデータのアドレス及びリード命令を送る。ディスクドライブ53は、送られてきた命令にしたがって、光ディスク11よりセクタデータを読み出す。読み出されたセクタデータは、データプロセッサ51でエラー訂正された後、パックデータの形になって、デコーダ41に送出される。
【0126】
デコーダ41の内部では、入力されたパックデータをセパレータ57が受け取る。このセパレータ57は、受け取ったパックデータをパケット化し、各パックデータの種類に応じて、ビデオパケットデータ(MPEGビデオデータ)はVデコーダ59に転送し、オーディオパケットデータはAデコーダ61に転送し、副映像パケットデータはSPデコーダ60に転送する。
【0127】
また、ナビゲーションパックデータは、マイクロコンピュータブロック42の内部メモリ(RAM)に保存される。これにより、マイクロコンピュータブロック42は、いつでも、この内部メモリ内のナビゲーションパックの内容にアクセスすることができるようになる。
【0128】
セパレータ57から送出される各パケットデータの転送開始時に、プレゼンテーションタイムスタンプPTSがSTC55にロードされる。具体的には、ナビゲーションパック内のプレゼンテーションタイムスタンプPTSを、マイクロコンピュータブロック42がSTC55にセットし、またはVデコーダ59が自動的にビデオデータのプレゼンテーションタイムスタンプPTSをSTC55にセットする。
【0129】
その後、各デコーダ59,60,61は、パケットデータ内のプレゼンテーションタイムスタンプPTSの値に同期して(つまりプレゼンテーションタイムスタンプPTSとSTC55のカウント値とを比較しながら)再生処理を行ない、A/V出力部65を介して、外部モニタTVに、例えば音声字幕付きの動画映像を供給するようになる。
【0130】
以上のような再生動作を行なうDVDデジタルビデオレコーダに、例えばDVD−RWディスクがセットされると、最初にそのリードインから記録データが読み込まれる。光ディスクがDVDディスクでない場合には(ステップS11のNG)、このDVDデジタルビデオレコーダは、エラー処理を行ない(ステップS12)、再生を停止する。このエラー処理としては、例えば「このディスクは再生できません。」のような表示出力がある。
【0131】
読み込んだデータにエラーがなく、あるいはエラーが発生したとしてもそのエラー訂正に成功し、かつ読み込んだリードインデータをDVDデジタルビデオレコーダが認識できた場合には(ステップS11のOK)、このDVDデジタルビデオレコーダは、その管理データVMGIを読み込む(ステップS13)。
【0132】
すると、セットされた光ディスク11に記録されている1以上のタイトルセットが、図示しないTVモニタにメニュー形式で表示される。このメニューを見たユーザは、リモートコントロール操作等により所望のタイトルセットを選択し、そのタイトルセットを決定する(ステップS14)。
【0133】
このようにして再生すべきタイトルセットが決定されると、マイクロコンピュータブロック42は、選択されたビデオタイトルセットVTSの情報VTSIをセットされた光ディスク11から読み取る。そして、マイクロコンピュータブロック42は、読み取ったビデオタイトルセット情報VTSI中のプログラムチェーン情報PGCIを、マイクロコンピュータブロック42内部のRAMのワークエリアに格納する(ステップS15)。
【0134】
上記のようにして決定されたタイトルセットが、複数のタイトル(あるいは複数のチャプタ)を含んでいるときは、ユーザは、これから再生しようとするタイトル(チャプタ)を、前記メニューからリモートコントロール操作で選択し、決定する(ステップS16)。こうして、これから再生すべきタイトルのプログラム番号及びセル番号(例えば図3のPGC#1とC_IDN#1)が決定される(ステップS17)。
【0135】
続いて、マイクロコンピュータブロック42は、自己のRAMに格納されたプログラムチェーン情報PGCIを参照し、録画時における後述する初期設定に対応して、Vデコーダ59,SPデコーダ60及びAデコーダ61を、それぞれ初期設定する(ステップS18)。
【0136】
上記した初期設定が終了された後、前処理コマンドを実行してから(ステップS19)、セル再生処理が実行される(ステップS20)。このセル再生処理により、例えば図3に示したプログラムチェーンPGC#1を構成するセルが順に再生される。
【0137】
上記セル再生処理において、最終セルに到達していなければ(ステップS21のNO)、1つのセルの再生が終了する毎に図示しないセル番号カウンタをカウントアップしながら(ステップS22)、セル再生が進行する(ステップS20〜S22のループ)。
【0138】
また、上記したセル再生処理において、最終セルに到達すると(ステップS21のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、いま再生したプログラムチェーンPGC#1のスチル処理(例えばそのプログラムチェーンPGCの最終セルの一画面を所定時間スチルする)を実行する(ステップS23)。
【0139】
上記したスチル時間が経過すると、マイクロコンピュータブロック42は、所定の後処理コマンド処理を実行し(ステップS24)、まだ再生終了でないなら(ステップS25のNO)、ステップS19にリターンする。
【0140】
また、上記したスチル時間が経過し、上記後処理コマンド処理が実行された後(ステップS24)、再生終了となれば(ステップS25のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、再生終了処理(ディスクドライブ53に停止命令を出し表示部56に「STOP」のような表示を出す等)を実行して(ステップS26)、再生処理を終了する。
【0141】
図13は、図12のセル再生時の処理(ステップS20)の内容を説明するフローチャートである。すなわち、セル再生が開始されると(ステップS27のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、プログラムチェーン情報PGCIの内容に基づいて再生開始アドレスを決定する(ステップS28)。その後、マイクロコンピュータブロック42は、ディスクドライブ53にデータ読み出し命令をセットする(ステップS29)。
【0142】
セル再生開始でなく(ステップS27のNO)、ビデオオブジェクトユニットVOBUも連続していないときは(ステップS30のNO)、ステップS28,S29の処理が実行される。セル再生開始でなく(ステップS27のNO)、ビデオオブジェクトユニットVOBUが連続しているときは(ステップS30のYES)、ステップS28,S29の処理はスキップされる。
【0143】
上記処理に引き続いて、マイクロコンピュータブロック42は、セル再生情報C_PBI(図10)の画質モードフラグを読み取り、そのセルの画質モードを後述するように表示させる(ステップS31)。
【0144】
次に、マイクロコンピュータブロック42は、各ビデオオブジェクトユニットVOBUの先頭のナビゲーションパック31(図5)を取り込むことにより(ステップS32)、同期情報の設定等を実行する(ステップS33)。
【0145】
さらに、マイクロコンピュータブロック42は、ナビゲーションパック31中のPCI(再生制御情報)パケットの処理を実行する(ステップS34)。このPCIパケットには、PCIが含まれ、このPCIには、PCIの一般情報PCI_GIが含まれている。マイクロコンピュータブロック42は、ステップS34において、PCI中のハイライト情報HLIを用いてハイライト処理を実行するとともに、PCI_GI中のユーザ制御情報VOBU_UOP_CTLを用いて特定のユーザ操作を禁止する操作を実行する。
【0146】
ここで、上記ハイライト処理としては、例えばメニューに表示された選択可能項目を取り囲む副映像フレームをグリーン等の色で目立たせ、ユーザがその項目の選択を決定するとその色を赤に変えるといった処理がある。
【0147】
また、上記ユーザ操作禁止操作としては、例えばユーザのリモートコントローラによるアングル切替操作を禁止するとともに、その操作ができないことを示すマークをモニタTVに表示させるといった処理がある。
【0148】
マイクロコンピュータブロック42は、ステップS34の処理が済むと、ビデオオブジェクトユニットVOBUスチルかどうかをチェックする(ステップS35)。
【0149】
ビデオオブジェクトユニットVOBUスチルを行なう場合、(これは例えばプログラムチェーン情報PGCIのセル再生情報C_PBIのセルカテゴリーC_CATに含まれるセル再生モードが”1”の場合に相当する)(ステップS35のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、そのビデオオブジェクトユニットVOBUの再生が終了するまで待機する(ステップS36)。1つのビデオオブジェクトユニットVOBUの再生時間は0.4秒〜1.2秒程度なので、この待機時間は大した長さではない。
【0150】
このビデオオブジェクトユニットVOBUの再生が終了すると、その再生の最後でビデオオブジェクトユニットVOBUスチル処理が実行される(ステップS37)。例えば、このビデオオブジェクトユニットVOBUの最後に現れるフレームが、スチル再生される。このスチル再生は、ユーザがリモートコントローラまたはDVDデジタルビデオレコーダの再生キー等を押すまで継続される。
【0151】
一方、ビデオオブジェクトユニットVOBUスチルが行なわれない場合(ステップS35のNO)、マイクロコンピュータブロック42は、上記ビデオオブジェクトユニットVOBUを含むセルの最後かどうかをチェックする(ステップS38)。
【0152】
セルの最後でなければ(ステップS38のNO)、ステップS32に戻り、次のビデオオブジェクトユニットVOBUのナビゲーションパック31を取り込んで、ステップS32〜S38の処理が反復される。セルの最後であれば(ステップS38のYES)、そのときのビデオオブジェクトユニットVOBUの再生が終了するまで待機する(ステップS39)。
【0153】
その後、セルスチル処理が実行され、プログラムチェーン情報PGCIのセル再生情報C_PBIのセルカテゴリーC_CATに含まれるセルスチル時間で設定される時間が経過するまで、そのセルの最後に現れるフレームがスチル再生される(ステップS40)。そして、このセルスチル再生終了後に、図12に処理が戻される。
【0154】
ここで、上記したステップS31における画質モードの表示方法としては、例えば、図14に示すように、TV画面上に「高解像度モード」のように表示させる手法や、図15に示すように、DVDデジタルビデオレコーダの正面パネル66に、画質の高,中,低を示す3つのLED(発光ダイオード)67を併設し、これら3つのLED67を選択的に表示させる手法等が考えられる。
【0155】
図16は、図11に示したDVDデジタルビデオレコーダの録画動作の一例を説明するフローチャートを示している。まず、リモートコントローラあるいはタイマ予約のプログラムから録画命令を受けると、マイクロコンピュータブロック42は、ディスクドライブ53から、そこにセットされている光ディスク11の管理データ(VMGI)を読み込む(ステップS41)。
【0156】
読み込んだ管理データ中の空き容量情報から、セットされた光ディスク11に空き容量があるかどうか判定される(ステップS42)。空き容量情報の中身がゼロまたは実質ゼロ(録画を開始しても数秒でディスクが満杯になってしまう状態)のときは(ステップS42のNO)、図示しないモニタTVスクリーンに、「録画スペースがありません」といった内容のOSD表示を出力する(ステップS43)。このとき、DVDデジタルビデオレコーダの表示部56に、「録画スペースがありません」と同じ意味の表示を出すようにしても良い。
【0157】
空き容量があるとき、例えば空き容量情報が、平均4MbpsのMPEG2記録で凡そ5分の録画時間に相当する150Mバイト以上を示しているときは、次の処理に移る。この場合は(ステップS42のYES)、セットされている光ディスク11への書き込みアドレス(空きスペースの先頭位置)を決定し、マイクロコンピュータブロック42のRAM内に設けられたレジスタ「FreeAr」に、光ディスク11の管理データから読み取った空き容量情報に相当する空き容量値を書き込む(ステップS44)。
【0158】
ここで、レジスタ「FreeAr」に書き込まれる「空き容量値」は、図2に示した論理セクタ1個分または図5に示したパック1個分のサイズである2048バイトを、録画の1単位として表わしたものである。
【0159】
なお、光ディスク11が通常のファイル形式のデータを記録するように構成され、記録内容の管理にファイルアロケーションテーブルFATを採用し、上述したような空き容量情報を持たない場合には、ファイルアロケーションテーブルFATから未使用クラスタ数(未使用ブロック数)を読み出し、これに1クラスタ(1ブロック)のバイト数を掛けて、そのディスクの空き容量を算出するようにしても良い。
【0160】
次に、セットされた光ディスク11の管理領域に書き込みを行なう(ステップS45)。例えば、ビデオマネージャ情報VMGIにこれから録画するプログラムに対応するビデオタイトルセットVTSを登録し、このビデオタイトルセットVTSに関するファイルを作成する。
【0161】
具体的に言えば、ステップS45において、その光ディスク11にとって初めての録画であれば、図3に示したビデオタイトルセットVTS#1が登録され、その関連ファイル(図4に示したビデオタイトルセットVTSディレクトリ中の各ファイル参照)が作成される。この光ディスク11にビデオタイトルセットVTS#1が既に記録されており、その光ディスク11に空き容量が残っているなら、ビデオタイトルセットVTS#2の登録及びその関連ファイルの作成が、ステップS45においてなされる。
【0162】
次に、前述した録画用初期設定がなされる(ステップS46)。この録画用初期設定において、各エンコーダ44,45,46の初期化(Vエンコーダ44の平均転送レートすなわち平均記録レートの設定等)、STC55のリセット、ディスクドライブ53への書き込み開始アドレスの設定、フォーマッタ47の初期化(ダミーパックの挿入設定、セル区切り時間設定等)、その他がなされる。
【0163】
この録画用初期設定(ステップS46)が済むと、録画開始の設定が行なわれる(ステップS47)。これにより、マイクロコンピュータブロック42からエンコーダ40内の各エンコーダ44,45,46に録画開始命令が送られ、ディスクドライブ53にセットされた光ディスク11の空き領域への録画が開始される。
【0164】
その後、録画終了入力があると(ユーザが録画終了を指示するかタイマ予約のプログラムが録画終了命令を出すと)(ステップS48のYES)、録画終了処理(ステップS49)を実行して、録画処理は終了する。
【0165】
ここで、ステップS49の録画終了処理には、各エンコーダ44,45,46の初期化(記録レートをデフォルト設定値に戻す等)、フォーマッタ47の初期化(各種設定をデフォルト状態に戻す等)、ビデオマネージャ情報に関する書き込み(空き容量情報の内容更新等)、ビデオタイトルセット情報に関する書き込み(プログラムチェーン情報PGCIの内容更新等)が含まれる。
【0166】
録画終了入力がなく(ステップS48のNO)、録画継続中であれば、録画中の光ディスク11の残り容量算出処理が、録画動作と並行して実行される(ステップS50)。このステップS50の処理で算出された光ディスク11の残り容量が所定値を切ったときは(ステップS51のYES;後述する最小容量フラグに“1”が立つ)、残り容量が少なくなった場合の処理が実行される(ステップS52)。
【0167】
ステップS52の処理の結果、録画中の光ディスク11にそれ以上の録画可能な容量がない(残り記録時間がゼロの)状態となったときは(ステップS53のYES)、前述したステップS49の録画終了処理が実行される。
【0168】
ステップS52の処理の結果、録画中の光ディスク11にまだ録画可能な容量が残っているときは(ステップS53のNO)、録画終了入力があるか(ステップS48のYES)、残り容量がなくなるまで(ステップS51のYES及びステップS53のYES)、ステップS48,S50〜S53のループが反復実行される。
【0169】
図17は、図16に示した録画動作中に実行される種々な割り込み処理の処理手順を説明するためのものである。最初の割り込みは、1パック転送が終了したというデータプロセッサ51への割り込みにより発生するようになっている。
【0170】
まず、割り込み要因がチェックされ、割り込み要因が1パック転送終了であれば、そのカウントアップ処理(RECpack++)が実行される。
【0171】
図18は、記録対象の光ディスク11に残された記録可能な残り容量を監視する処理を説明するフローチャートである。この処理は、図16のステップS51に対応する。
【0172】
まず、現在の録画が開始される前にレジスタ「FreeAr」に設定された空き容量から、録画パック数を差し引く(ステップS54)。この「空き容量−録画パック数」は、その時点で録画中の光ディスク11に残っている空き容量となる。この残り空き容量を、残り容量とする。録画の進行に伴ない単調減少する残り容量を示す情報となる。
【0173】
なお、上記録画パック数は、ハードウェアによる処理で行なう場合は、録画バイトの累積数を1パックサイズの2048バイトで割ることで得られる。すなわち、「録画パック数=録画バイト累積数÷2048バイト」である。また、ソフトウェアによる処理で行なう場合は、図17に示したように1パック毎の割り込み処理で得られたRECpackが、録画パック数となる。
【0174】
そして、前記残り容量が所定値以上あれば(ステップS55のNO)、最小容量フラグが“0”にセットされ(ステップS56)、この残り容量が所定値を切れば(ステップS55のYES)、最小容量フラグが“1”にセットされる(ステップS57)。
【0175】
上記ステップS55における「所定値」は、常に一定値に固定する必要はないが、図18の例では、平均ビットレート4MbpsでMPEG2録画する場合凡そ5分に相当する150Mバイトを、この所定値として採用している。
【0176】
つまり、平均ビットレート4MbpsでMPEG2録画を継続する場合において、最小容量フラグが“0”の場合はあと5分以上の録画が可能であろうと予想され、最小容量フラグが“1”になると5分以内に録画中の光ディスク11を使いきってしまうであろうことが予想される。
【0177】
なお、MPEG2の録画は可変ビットレート記録であるため、平均ビットレートから算出した残り録画可能時間には誤差が生じる。すなわち、図18のステップS54による残り容量は正確であっても、残り録画可能時間はその後の録画内容により変動するので、録画可能時間があと5分であるかどうかの予測は、それほど正確ではない。この5分はあくまで目安である。
【0178】
図19は、図18に示した残り容量監視処理の結果(最小容量フラグの内容)に応じて実行される、残り容量少の処理の一例を説明するフローチャートを示している。すなわち、最小容量フラグが“1”になると、録画中の光ディスク11がそろそろ満杯になると判定される。
【0179】
この場合、その時点で前記残り容量(2048バイトを録画の1単位としたもの)×2048バイトを、その時の平均ビットレート(4Mbpsをバイト換算した512kバイト/秒)で割ったものが、予想される「残り時間」となる(ステップS58)。
【0180】
マイクロコンピュータブロック42は、ステップS58で算出された「残り時間」と、図16のステップS46で設定された平均転送レート(記録ビットレート)とを用いて、「4Mbpsで残り時間は凡そ5分です」あるいは、4Mbpsが標準画質に相当するものとして、「標準画質モードで残り時間は凡そ5分です」といった内容を、モニタTVにOSD表示させる(ステップS59)。
【0181】
この場合、録画中のTVチャネル番号や録画日時を同時にOSD表示しても良い。さらに、ステップS58のOSD表示と同時に、録画を継続するにはどうすれば良いかをユーザに知らせる警告文を、OSD表示しても良い。この警告文やその他のOSD表示内容は、マイクロコンピュータブロック42内のROMに予め書き込んでおくことができる。
【0182】
なお、所定時間毎に書き込んだ記録パック数をAとし、このAの書き込み直前において所定時間毎に書き込んだ前回の記録パック数をBとすると、可変ビットレートのMPEG記録では時々刻々と変化し得る記録レートの瞬時値を、[A−B]の絶対値(単位はパック;1パックは2048バイト=16384ビット)から求めることができる。
【0183】
具体的には、上記所定時間をT(秒)とすると、[A−B]の絶対値×16384÷T(秒)により、瞬間の記録レート(bps)を算出できる。この瞬間記録レートを平均記録レートの代わりに利用して、前記「残り時間」を算出してもよい。この場合、録画中の絵柄の変化によって、残り時間は必ずしも録画の進行に伴ない単調減少とはならない。しかし、この瞬間記録レートを用いても残り時間を算出してユーザ等に通知することは可能である。
【0184】
図20は、録画中の光ディスク11の残り容量が少なくなってきたときの警告表示、平均記録レート及びそのレートでの残り録画可能時間、その他の、モニタTV画面における表示例を示している。
【0185】
ここで、上記のように、録画中に光ディスク11の残量がある一定の値をきったことがユーザに通知された後、前述したエンコーダ40のVエンコーダ44におけるMPEG2圧縮処理時の平均録画レートの設定を変更する、記録レート変更処理が行なわれる。
【0186】
このMPEG2圧縮処理時の平均録画レートの設定を変更するということは、録画するデータの符号量を下げて、単位時間当たりにおける記録データ量を下げるということである。これにより、画質は劣化するが、同じ残り容量で長い時間記録することが可能となる。
【0187】
この場合、単純に符号量を変えるのではなく、詳細は後述するが、元画像の解像度自体を変える手法や、60インターレースの画像を30プログレッシブの画像に変更する手法等を用いることにより、圧縮する前にデータ量を減らすことができ、記録レートを下げるようにしている。このような手法によれば、従来のように単純に記録レートを下げるのに比べて、デコード処理時に、動きの激しい画像のときに発生するモザイク状のノイズを軽減することができるようになる。
【0188】
また、記録レートを変更した場合には、変更後の平均記録レート及びそのレートでの残り録画可能時間等が計算されて、ユーザに通知される。この記録レート変更処理は、図16に示した「録画用初期設定」の処理ステップS46においてユーザがマニュアル設定することにより、ユーザが前もって指定することによって残量が少なくなった場合に自動的に実行するモードと、ユーザの指示を受けて実行するモードとが選択されるようになっている。
【0189】
図21は、元画像の解像度自体を変える手法による記録レート変更処理を説明するフローチャートを示している。まず、記録レートの変更が要求されると、マイクロコンピュータブロック42は、図22(a)に示すように、モニタTV画面上に「記録レートを変更します」といった内容をOSD表示させる(ステップS60)。
【0190】
次に、マイクロコンピュータブロック42は、エンコーダ40のVエンコーダ44に対して、録画解像度を水平(H)方向640画素×垂直(V)方向480ラインに変更する情報を設定する(ステップS61)。この場合、記録レート変更前の元画像の録画解像度が、図23(a)に示すように、水平720画素×垂直525ラインであるものとしている。
【0191】
すると、Vエンコーダ44は、この元画像に対して、その左右の指定された画素のサンプリングをせずに、その部分を黒色領域とする処理と、その上下の指定されたラインのサンプリングをせずに、その部分を黒色領域とする処理とを行なうことにより、元画像を、図23(b)に示すように、水平640画素×垂直480ラインの画像に変更する。
【0192】
その後、マイクロコンピュータブロック42は、解像度変更後の記録レートにおける残り記録時間を再計算し(ステップS62)、モニタTV画面に「低画質モードで残り時間は××分です」といった内容、または、図22(b)に示すように、変更後の平均記録レート及びそのレートでの残り録画可能時間をOSD表示させる(ステップS63)。
【0193】
図24は、上記のように元画像の解像度を変更するための手段を備えたVエンコーダ44の構成を示している。すなわち、前記TVチューナ50から出力されたビデオ信号は、A/D変換器43により画素単位のデジタルデータに変換されて、Vエンコーダ44の前処理フィルタ部44aに供給される。
【0194】
この前処理フィルタ部44aは、入力された画素データと、黒データ生成部44bで生成される黒データとを、画素有効信号生成部44cで生成されるセレクト信号によって切り替え制御されるセレクタ44dにより、選択的に出力する構成となっている。
【0195】
この画素有効信号生成部44cは、マイクロコンピュータブロック42のMPUから設定された解像度の変更を指示する情報に基づいて、V方向有効信号生成部44e及びH方向有効信号生成部44fがそれぞれ垂直方向及び水平方向の画素有効期間を示す信号を生成し、これらの信号をアンド回路44gで論理和演算処理することにより、セレクト信号を生成している。
【0196】
そして、この前処理フィルタ部44aによって解像度の変更された画素データが、MPEGビデオ圧縮部44hにより圧縮処理され、パケット化部44iでパケット化された後、必要な処理が施されてフォーマッタ47に出力される。
【0197】
図25は、元画像の解像度自体を変更する他の手段を示している。すなわち、これは、水平方向のサンプリング周波数を、元の13.5MHzからその1/2の6.75MHzに下げ、1ラインのドット数を減らすようにしたものである。なお、垂直方向については、図23(a),(b)で説明したように、上下の所定ラインを黒色領域とすることで対処している。
【0198】
この手段よれば、画面の左右に黒データを追加する必要がないので、画面を左右に大きく利用することができる。ただし、この手段を用いた場合、サンプリング周波数を変更したことを示すデータをビデオパック内に記録する必要がある。そして、再生時には、そのデータに基づいてサンプリング周波数を変えるようにする。
【0199】
図26は、上記のようにサンプリング周波数を変えて元画像の解像度を変更するための手段を備えたVエンコーダ44の構成を示している。図26において、図24と同一部分に同一符号を付して説明すると、前記画素有効信号生成部44cは、A/D変換器43に与えるサンプリング信号を生成するサンプリング信号生成部44jを備えている。
【0200】
そして、このサンプリング信号生成部44jが、マイクロコンピュータブロック42のMPUから設定された解像度の変更を指示する情報に基づいて、生成するサンプリング信号の周波数を制御するようになっている。
【0201】
また、この画素有効信号生成部44cは、V方向有効信号生成部44eから出力される垂直方向の画素有効期間を示す信号を、そのままセレクト信号として利用している。
【0202】
図27は、60インターレースの画像を30プログレッシブの画像に変更する手法による記録レート変更処理を説明するフローチャートを示している。まず、記録レートの変更が要求されると、マイクロコンピュータブロック42は、モニタTV画面上に「記録レートを変更します」といった内容を、OSD表示させる(ステップS64)。
【0203】
次に、マイクロコンピュータブロック42は、エンコーダ40のVエンコーダ44に対して、入力されている元画像を30プログレッシブに変更する情報を設定する(ステップS65)。これにより、Vエンコーダ44は、60インターレースで入力されている元画像を、後述するように、30プログレッシブに変更する。
【0204】
その後、マイクロコンピュータブロック42は、変更後の記録レートにおける残り記録時間を再計算し(ステップS66)、モニタTV画面上に「低画質モードで残り時間は××分です」といった内容を、OSD表示させる(ステップS67)。
【0205】
ここで、60インターレース(通常のNTSC画像)から30プログレッシブを生成するためには、図28,図29,図30に示す3つの手法が考えられる。まず、図28に示す手法は、第1及び第2フィールドのうち第2フィールドを無視して、つまり、1フィールドおきにフィールドを間引きして30プログレッシブとするようにしたものである。
【0206】
また、図29に示す手法は、第1及び第2フィールドを合成して平均化することにより、1つのフィールドを作成して30プログレッシブとするようにしたものである。さらに、図30に示す手法は、3つのフィールドを合成して1フィールドを作成し30プログレッシブとするようにしたものである。
【0207】
図28に示す手法から図30に示す手法に行く毎に、回路規模(必要なバッファメモリ等)が増えることになるが、その分、画像の各フレーム間の繋がり、つまり、時間軸方向の繋がりを円滑にすることができる。
【0208】
次に、図31及び図32は、図11に示したDVDデジタルビデオレコーダにおいて、図16に示した録画動作の他の例を説明するフローチャートを示している。なお、図31及び図32において、図16と同一ステップには同一符号を付して示しており、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0209】
すなわち、ステップS47により録画が開始されたとき、マイクロコンピュータブロック42は、ステップS46の録画用初期設定でVエンコーダ44に設定した記録レートを、デフォルトの画質モードとして表示させている(ステップS68)。その後、ステップS48の処理が行なわれる。
【0210】
図33は、このデフォルトの画質モードが表示されている状態で、図21で説明した記録レート変更処理が行なわれた場合に、その変更された画質モードを表示する動作を説明するためのフローチャートを示している。すなわち、図33において、図21と同一ステップには同一符号を付して説明すると、ステップS63によりモニタTV画面上に「低画質モードで残り時間は××分です」といった内容が表示された後、マイクロコンピュータブロック42は、変更した画質モードを表示させるとともに、その変更した画質情報(画質モードフラグ)を光ディスク11の管理領域(セル再生情報C_PBI)に記録している(ステップS69)。
【0211】
このとき、プログラムチェーン情報PGCI等の管理情報は、マイクロコンピュータ内部のメモリに展開される。録画中に内容が変更された場合は、このメモリ内に保存されたテーブルに変更を加えられ、録画終了時にそのメモリ内のテーブルデータを管理情報領域に保存する。
【0212】
また、図11に示したDVDデジタルビデオレコーダでは、メニュー表示を要求することにより、光ディスク11に記録されている複数の番組(プログラムチェーンPGC)それぞれの再生時間を表示させることができる。
【0213】
図34は、光ディスク11に記録されている4つの番組(プログラムチェーンPGC1〜4)の各再生時間を、それぞれタイムバーの形態でモニタTV画面上に表示させた例を示している。この場合、各プログラムチェーンPGC1〜4毎に、それぞれ、画質モード(高,中,低の3種類)を色分けして表示させるようにしている。
【0214】
図35は、このようなメニュー表示が要求された場合の動作を説明するフローチャートを示している。まず、ユーザのリモートコントロール操作等によりメニュー表示が要求されると、マイクロコンピュータブロック42は、光ディスク11からそこに記録されている全てのプログラムチェーン情報PGCIを読み込み(ステップS70)、各プログラムチェーンPGC1〜4の再生時間に対応したタイムバーをモニタTV画面上に表示させる(ステップS71)。
【0215】
次に、マイクロコンピュータブロック42は、光ディスク11の管理領域(セル再生情報C_PBI)に記録された画質モードフラグに基づいて、各タイムバーを画質モード毎に色を変えて表示させる(ステップS72)。その後、ユーザがリモートコントロール操作により、メニュー画面に表示された各プログラムチェーンPGC1〜4から1つを選択すると(ステップS73)、マイクロコンピュータブロック42がその選択されたプログラムチェーンPGCの再生を実行する(ステップS74)。
【0216】
図36は、図11に示したDVDデジタルビデオレコーダによる予約録画動作の一例(自動画質設定処理を含む)を説明するフローチャートを示している。すなわち、ディスクドライブ53にDVD−RAM(DVDーRW)等の光ディスク11がセットされると、マイクロコンピュータブロック42は、その光ディスク11の管理データ(VMGI)を読み込んで、セットされた光ディスク11の現時点での空き容量を検知する(ステップS75)。
【0217】
検知された空き容量がゼロ(または実質ゼロ)であれば(ステップS76のNO)、マイクロコンピュータブロック42は、モニタTV画面上に「録画スペースがありません。」といったOSD表示を出して(ステップS77)、処理を終了する。
【0218】
セットされた光ディスク11に空き容量があることが検知されれば(ステップS76のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、その光ディスク11への書き込みアドレスを決定し、検知した空き容量をレジスタ「FreeAr」に書き込む(ステップS78)。
【0219】
その後、マイクロコンピュータブロック42は、「予約画面」をモニタTV画面上に出力する(ステップS79)。そして、ユーザは、この「予約画面」を見ながら、これから録画しようとする予約番組(Nプログラム)の指定処理を行なう(ステップS80)。
【0220】
この予約番組指定において、ユーザは、所望の番組と、その録画時間と、画質モードとして高画質、中画質、低画質、または自動画質モードのいずれかのモードを指定する。
【0221】
ユーザが番組予約操作を終えると(ステップS81のNO)、マイクロコンピュータブロック42は、予約された全番組(Nプログラム)の予約時間合計に対応する録画容量[予約時間合計と指定された画質のデフォルト設定されている平均ビットレート(ただし、自動の場合は低画質モードと考える)との積に対応]が、そのときディスクドライブ53にセットされている光ディスク11の残り容量(最初はレジスタ「FreeAr」に書き込まれた空き容量に相当)以内かどうか、チェックする(ステップS82)。
【0222】
この場合、録画容量が光ディスク11の残り容量を超えていれば(ステップS82のNO)、マイクロコンピュータブロック42は、モニタTV画面上に「ディスクに入りません。」等のOSD表示を行なって(ステップS83)、再び予約番組指定処理(ステップS80)に戻る。
【0223】
この予約番組指定処理(ステップS80)でユーザが予約内容を変更した結果(例えば予約プログラム数Nを減らすか、予約されたプログラム中の1つ以上について予約時間を減らす等)、録画容量が光ディスク11の残り容量以内に収まると(ステップS82のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、(残り容量−予備容量−ステップS80で指定された番組の録画容量)を、新たな残り容量を示すレジスタ「Lftsp」に格納する(ステップS84)。
【0224】
レジスタ「Lftsp」に格納された残り容量が、その時点で予約された番組のうち自動画質と設定された番組全てを自動画質用の録画レートとして高画質レート(たとえば6Mbps)で録画しても完全収録可能な程大きければ(ステップS85のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、高画質モードに設定して(ステップS86)、処理を終了する。
【0225】
その後、ユーザが、例えばリモートコントロール操作によって録画を要求すると、DVDデジタルビデオレコーダは、高画質レート(6Mbps)でもって、ステップS80で予約された番組の録画を開始する。
【0226】
レジスタ「Lftsp」に格納された残り容量が、その時点で予約された番組のうち自動画質と設定された番組全てを高画質レート(例えば6Mbps)で録画することはできず(ステップS85のNO)、さらにその時点で予約された番組全てを低画質レート(例えば2Mbps)で録画することもできないときには(ステップS87のNO)、マイクロコンピュータブロック42は、モニタTV画面上に「ディスクに入りません。」等のOSD表示を行なって(ステップS83)、再び予約番組指定処理(ステップS80)に戻る。
【0227】
レジスタ「Lftsp」に格納された残り容量が、その時点で予約された番組のうち自動画質と設定された番組全てを高画質レート(例えば6Mbps)で録画することはできないが(ステップS85のNO)、低画質レート(例えば2Mbps)でなら予約された番組全てを録画することが可能なときには(ステップS87のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、自動画質設定処理に入る(ステップS88)。
【0228】
図37は、図36に示した自動画質設定処理(ステップS88)における、平均記録レート設定処理の一例を説明するフローチャートを示している。まず、図36のステップS80で予約された番組のうち自動画質と設定された番組全ての録画時間を記録時間としたときに、前述した残り容量をこの記録時間で割ったもの(残り容量÷記録時間)を平均記録レートRecrateとして登録する(ステップS89)。
【0229】
続いて、記録レートが自動設定される録画番組の平均記録レートを全て、ステップS89で登録したRecrateに設定し(ステップS90)、図36の処理へリターンする。
【0230】
図38は、図36で示した自動画質設定処理(ステップS88)における、平均記録レート設定処理の他の例を説明するフローチャートを示している。まず、前述した残り容量を所定の高画質の記録レート(例えば6Mbps)で割ったものを録画可能時間RecTMとして登録し、予約番組のプログラム番号インデックスNを“1”に初期化し、プログラム記録時間ProgrecTMを“0”に初期化し、番組数パラメータMに記録レートが自動設定される番組数を設定する(ステップS91)。
【0231】
次に、N番目(最初は1番目)の録画時間にプログラム記録時間ProgrecTM(最初はゼロ)を加えたものを、新たなプログラム記録時間ProgrecTMとして登録する(ステップS92)。これにより、ProgrecTMには、1番目の予約番組の録画時間が記録されることになる。
【0232】
こうして得られたProgrecTMがステップS91で登録された録画可能時間RecTMと比較される(ステップS93)。RecTMよりProgrecTMの方が大きくない(つまり録画可能時間が予約番組の録画時間に対して余裕がある)ときは(ステップS93のNO)、予約プログラム番号Nが1つインクリメントされ(ステップS94)、2番目の録画時間にそれまでのProgrecTM(1番目の録画時間)を加算したものが、新たなプログラム記録時間ProgrecTMとして登録される(ステップS92)。これにより、ProgrecTMには、1番目及び2番目の予約番組の録画時間合計が記録されることになる。
【0233】
以上のステップS92〜S94のループの反復の後に、RecTMよりProgrecTMの方が大きくなる(つまり録画可能時間が予約番組の録画時間に対して余裕がなくなる)と(ステップS93のYES)、N−1番目の予約番組までの平均記録レートが、ステップS91で示した高画質記録レート(ここでは6Mbps)に設定される(ステップS95)。
【0234】
以上の処理を行なうことにより、1番目からN−1番目(例えばN=3なら1番目と2番目)の予約番組までが、高画質記録レートを用いた高画質モードに自動設定される。
【0235】
N番目以降M番目(例えば3番目から6番目)までの予約番組は、上記高画質記録レートでは録画できないので、それらの録画に用いる平均記録レートRecrateを変更する(ステップS96)。この変更は、まず、それ以前のProgrecTM(1番目からN番目までの予約番組の合計録画時間)からN番目の録画時間を引いたものを、新たなプログラム記録時間ProgrecTMとして登録することから始める。
【0236】
すると、ProgrecTMは、(1番目からN−1番目までの高画質で録画可能な予約番組の合計録画時間となる。ここで、N番目の録画時間を差し引いたので、録画可能時間RecTMはProgrecTM以上となる。そこで、このRecTM内にN番目以降(M番目まで)の予約番組を全て入れるために必要な平均記録レートRecrateが算出される(ステップS96)。
【0237】
このステップS96におけるRecrate(仮にRecrate1とする)は、[残り容量−ProgrecTM×高画質記録レート]÷N番目以降M番目まで(例えばN=3番目からM=6番目)の予約番組の全録画時間から、求められる。
【0238】
こうして求めたRecrateが、最低限の画質保証しかできない低画質モードのレート(例えば1.8Mbps)を下回っていれば(ステップS97のYES)、予約番組のプログラム番号インデックスNを1つデクリメント(例えばN=3からN=2へ)する(ステップS98)。
【0239】
すると、ステップS96で計算されるProgrecTMが減少する(1番目から3番目までの予約番組の合計録画時間が、1番目から2番目までの予約番組の合計録画時間に減少する)。その結果、単位時間あたり大きくデータを消費する高画質レートの記録時間ProgrecTMが小さくなるので、[残り容量−ProgrecTM×高画質記録レート]は大きくなる。
【0240】
このようして拡大された容量[残り容量−ProgrecTM×高画質記録レート]を、N番目以降M番目まで(ここでは2番目から6番目)の予約番組の全録画時間で割ると、新たな平均録画レートRecrate(仮にRecrate2とする)が、ステップS96で再計算される。こうして再計算されたRecrate2は先のRecrate1より小さくなっている。
【0241】
算出されたRecrate2が最低限の画質保証をする低画質モードのレート(例えば1.8Mbps)以上であれば(ステップS97のNO)、N番目以降の予約番組(ここでは2番目から6番目までの予約番組)が、平均記録レートRecrate2で録画されるように自動設定され(ステップS99)、図36の処理へリターンする。
【0242】
なお、図36〜図38に示した予約処理は、タイマ録画のみに限定されるものではない。すなわち、図36〜図38の予約処理後、ユーザが録画開始操作を行なうと、(タイマ録画としての予約でなく)予約された番組が種々な平均記録レートで光ディスク11の空き領域に無駄なく録画されるようになる。
【0243】
上記した実施の形態では、図10に示したように、画質モードフラグをセル再生情報C_PBI内に含ませるようにしたが、この画質モードフラグは、他の管理領域に含ませるようにしても良いことはもちろんである。以下に、画質モードフラグが記録される種々の管理領域について説明する。
【0244】
図39は、先に図7に示したビデオタイトルセットプログラムチェーン情報VTS_PGCIの内容の他の例を示している。すなわち、このプログラムチェーン情報PGCIは、図8に示したプログラムチェーンプログラムマップPGC_PGMAPに代えて、プログラムチェーンプログラム情報PGC_PGIを含んでいる。
【0245】
そして、このプログラムチェーンプログラム情報PGC_PGIは、複数のプログラム#1〜#i情報PGIから構成され、そのプログラム情報PGIが、エントリーセル番号(1バイト)と、画質モードフラグ(1バイト)とを含むように構成されている。
【0246】
図40は、このように画質モードフラグがプログラム情報PGIに含まれている場合における、DVDデジタルビデオレコーダの再生動作の一例を説明するフローチャートを示している。
【0247】
まず、DVDデジタルビデオレコーダに光ディスク11がセットされると、最初にそのリードインから記録データが読み込まれる。読み込んだリードインデータが、DVDデジタルビデオレコーダの認識できないデータを含んでいたり、読み込んだデータのエラー訂正に失敗したりした場合には(ステップS100のNG)、このDVDデジタルビデオレコーダは、エラー処理を行ない(ステップS101)、再生を停止する。このエラー処理としては、例えば「このディスクは再生できません。」のような表示出力がある。
【0248】
読み込んだデータにエラーがなく、あるいはエラーが発生したとしてもそのエラー訂正に成功し、かつ読み込んだリードインデータをDVDデジタルビデオレコーダが認識できた場合には(ステップS100のOK)、このDVDデジタルビデオレコーダは、その管理データを読み込む(ステップS102)。
【0249】
すると、セットされた光ディスク11に記録されている1以上のプログラムチェーンPGCが、モニタTV画面上にメニュー表示される。このメニューを見たユーザは、リモートコントロール操作等により所望のプログラムチェーンを選択し決定する(ステップS103)。
【0250】
このようにして再生すべきプログラムチェーンPGCが決定されると、マイクロコンピュータブロック42は、選択されたプログラムチェーンPGCの情報PGCIをセットされた光ディスク11から読み取る。そして、マイクロコンピュータブロック42は、読み取ったプログラムチェーン情報PGCIを、マイクロコンピュータブロック42内部のRAMのワークエリアに格納し(ステップS104)、これから再生すべきプログラム番号及びセル番号を決定する(ステップS105)。
【0251】
その後、マイクロコンピュータブロック42は、プログラム情報PGIの画質モードフラグを読み取り、そのセルの画質モードを表示させる(ステップS106)。
【0252】
続いて、マイクロコンピュータブロック42は、自己のRAMに格納されたプログラムチェーン情報PGCIを参照し、録画時における初期設定に対応して、Vデコーダ59,SPデコーダ60及びAデコーダ61を、それぞれ初期設定する(ステップS107)。
【0253】
上記した初期設定が終了された後、前処理コマンドを実行してからセル再生処理が実行される(ステップS108)。このセル再生処理において、最終セルに到達していなければ(ステップS109のNO)、1つのセルの再生が終了する毎に、図示しないセル番号カウンタをカウントアップしながら(ステップS110)、セル再生が進行する(ステップS108〜S110のループ)。
【0254】
また、上記したセル再生処理において、最終セルに到達すると(ステップS109のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、まだ再生終了でないなら(ステップS111のNO)、ステップS105にリターンする。再生終了となれば(ステップS111のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、再生終了処理を実行して(ステップS112)、再生処理を終了する。
【0255】
ここで、記録再生可能なDVD規格においては、上述した現行フォーマットとは異なるフォーマットも提案されている(特願平10−40876号参照)。この場合、特に異なる点は、ナビゲーションパックがなくなり、その代わりに管理領域にビデオオブジェクトユニットVOBUに関する情報VOBUIが記録されていることである。
【0256】
図41は、この新フォーマットを説明している。すなわち、光ディスク11のDVDエリアは、前述したようにビデオマネージャVMG等の管理領域と、ビデオオブジェクトVOBの記録領域とから構成されている。そして、この管理領域に、ビデオオブジェクトユニットVOBUに関する情報VOBUIが記録されたテーブルが新設されている。このビデオオブジェクトユニットVOBU情報テーブルは、複数のビデオオブジェクトユニット情報VOBUI#1〜#Nを有している。
【0257】
図42は、上記ビデオオブジェクトユニット情報VOBUIの内容を示している。つまり、各ビデオオブジェクトユニット情報VOBUIは、ビデオオブジェクトユニットVOBUのスタートアドレス(4バイト)と、ビデオオブジェクトユニットVOBUのエンドアドレスまたは長さ(4バイト)と、ビデオオブジェクトユニットVOBUの再生開始時間VOBU_PBTM(4バイト)と、ビデオオブジェクトユニットVOBU内の最初のリファレンスピクチャのエンドアドレス(4バイト)と、ビデオオブジェクトユニットVOBU内のダミーパックの数(1バイト)と、ビデオオブジェクトユニットVOBU内のダミーパックスタートアドレス[ビデオオブジェクトユニットVOBU先頭からの相対アドレス](1バイト)と、画質モードフラグ((1バイト)とを含んでいる。
【0258】
この場合、画質モードフラグは、ビデオオブジェクトユニットVOBU単位における画質を示すもので、下位4ビットが0のとき水平720画素×垂直525ラインの解像度を有することを示し、下位4ビットが1のとき水平640画素×垂直480ラインの解像度を有することを示し、下位4ビットが2のとき水平320画素×垂直240ラインの解像度を有することを示している。
【0259】
また、この画質モードフラグは、上位4ビットが0のとき60インターレースであることを示し、上位4ビットが1のとき30プログレッシブであることを示している。このため、この画質モードフラグを再生することにより、ユーザにビデオオブジェクトユニットVOBU毎の解像度を表示することが可能となる。
【0260】
図43は、このように画質モードフラグがビデオオブジェクトユニット情報VOBUIに含まれている場合における、DVDデジタルビデオレコーダの再生動作の一例を説明するフローチャートを示している。図43において、図40と同一ステップに同一符号を付して説明すると、画質モードの表示をステップS105の後のステップS106として行なわず、ステップS108のセル再生処理によって行なうようにしている。
【0261】
図44は、図43のセル再生時の処理(ステップS108)の内容を説明するフローチャートである。すなわち、セル再生が開始されると(ステップS113のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、プログラムチェーン情報PGCIの内容に基づいて再生開始アドレスを決定する(ステップS114)。その後、マイクロコンピュータブロック42は、ディスクドライブ53にデータ読み出し命令をセットする(ステップS115)。
【0262】
セル再生開始でなく(ステップS113のNO)、ビデオオブジェクトユニットVOBUも連続していないときは(ステップS116のNO)、ステップS114,S115の処理が実行される。セル再生開始でなく(ステップS113のNO)、ビデオオブジェクトユニットVOBUが連続しているときは(ステップS116のYES)、ステップS114,S115の処理はスキップされる。
【0263】
上記処理に引き続いて、マイクロコンピュータブロック42は、ビデオオブジェクトユニット情報VOBUIに基づいて、ビデオオブジェクトユニットVOBUのスタートであれば(ステップS117のYES)、そのビデオオブジェクトユニットVOBUの画質モードを表示させる(ステップS118)。
【0264】
この画質モードの表示後、または、ビデオオブジェクトユニットVOBUのスタートでない場合(ステップS117のNO)、マイクロコンピュータブロック42は、ビデオオブジェクトユニット情報VOBUIに基づいて、ビデオオブジェクトユニットVOBUのエンドでなければ(ステップS119のNO)、ステップS117の処理に戻り、ビデオオブジェクトユニットVOBUのエンドになるまで、ステップS117〜S119の処理が反復される。
【0265】
ビデオオブジェクトユニットVOBUのエンドになると(ステップS119のYES)、マイクロコンピュータブロック42は、上記ビデオオブジェクトユニットVOBUを含むセルの最後かどうかをチェックする(ステップS120)。セルの最後でなければ(ステップS120のNO)、ステップS117に戻り、次のビデオオブジェクトユニット情報VOBUIを取り込んで、ステップS117〜S120の処理が反復される。
【0266】
セルの最後であれば(ステップS120のYES)、そのときのビデオオブジェクトユニットVOBUの再生が終了するまで待機する(ステップS121)。その後、図43に処理が戻される。
【0267】
また、画質モードフラグは、ビデオオブジェクトVOBに関する情報VOBIに含めることもできる。すなわち、図45に示すように、光ディスク11の管理領域には、ビデオオブジェクトVOBに関する情報VOBIが記録されたテーブルが設けられている。このビデオオブジェクトVOB情報テーブルは、ビデオオブジェクト情報VOBIと複数のビデオオブジェクトユニット情報VOBUI#1〜#Nを有している。
【0268】
図46は、上記ビデオオブジェクト情報VOBIの内容を示している。すなわち、ビデオオブジェクト情報VOBIは、ビデオオブジェクトVOB内のビデオオブジェクトユニットVOBUの数(4バイト)と、ビデオオブジェクト情報VOBIのエンドアドレスまたは長さ(4バイト)と、画質モードフラグ(1バイト)とを含んでいる。
【0269】
このように画質モードフラグがビデオオブジェクト情報VOBIに含まれている場合における、DVDデジタルビデオレコーダの再生動作としては、画質モードフラグがプログラム情報PGIに含まれている場合の再生動作、つまり、図40で説明した動作と同様になるので、その説明は省略する。
【0270】
なお、この発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0271】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、記録されている映像情報の画質を示す情報を、映像情報の管理領域に記録することを可能として、記録効率の向上を図るために利用し得るようにした極めて良好な情報記録媒体を提供することができる。
【0272】
また、この発明によれば、情報記録媒体に対して映像情報とともにその画質を示す情報を記録再生可能として、記録効率の向上を図り得るようにした極めて良好な記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録再生可能な光ディスクの構造を説明するために示す斜視図。
【図2】図1の光ディスクのデータ記録領域とそこに記録されるデータの記録トラックとの対応関係を説明するために示す図。
【図3】図2の光ディスクに記録される情報の階層構造を説明するために示す図。
【図4】図2の光ディスクに記録される情報のディレクトリ構造を説明するために示す図。
【図5】図3のビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBSに含まれる情報の階層構造を説明するために示す図。
【図6】図3のビデオタイトルセツト情報VTSIの内容を説明するために示す図。
【図7】図6のビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブルVTS_PGCITの内容を説明するために示す図。
【図8】図7のビデオタイトルセットプログラムチェーン情報VTS_PGCIの内容を説明するために示す図。
【図9】図8のセル再生情報テーブルC_PBITの内容を説明するために示す図。
【図10】図9のセル再生情報C_PBIの内容を説明するために示す図。
【図11】図1の光ディスクにデジタル動画情報を記録再生するDVDデジタルビデオレコーダを説明するために示すブロック構成図。
【図12】図11のDVDデジタルビデオレコーダの再生動作の一例を説明するために示すフローチャート。
【図13】図12のセル再生時の処理の内容を説明するために示すフローチャート。
【図14】画質モードをモニタTV画面上に表示させた一例を説明するために示す図。
【図15】画質モードをDVDデジタルビデオレコーダの正面パネルに表示させた一例を説明するために示す図。
【図16】図11のDVDデジタルビデオレコーダの録画動作の一例を説明するために示すフローチャート。
【図17】図16の録画動作中に実行される種々の割り込み処理の処理手順を説明するために示す図。
【図18】図17の割り込み処理のうち記録対象の光ディスクに残された記録可能な残り容量を監視する処理を説明するために示すフローチャート。
【図19】図18の残り容量監視処理の結果に応じて実行される残り容量少の処理の一例を説明するために示すフローチャート。
【図20】平均記録レートと残り記録時間とをモニタTV画面上に表示させた一例を説明するために示す図。
【図21】記録レート変更処理の一例を説明するために示すフローチャート。
【図22】記録レート変更処理時におけるモニタTV画面上の表示例を説明するために示す図。
【図23】画像の解像度変更手法の一例を説明するために示す図。
【図24】図23の解像度変更手法を実現するためのVエンコーダの構造を示すブロック構成図。
【図25】画像の解像度変更手法の他の例を説明するために示す図。
【図26】図25の解像度変更手法を実現するためのVエンコーダの構造を示すブロック構成図。
【図27】記録レート変更処理の他の例を説明するために示すフローチャート。
【図28】60インターレースの画像を30プログレッシブに変更する第1の手法を説明するために示す図。
【図29】60インターレースの画像を30プログレッシブに変更する第2の手法を説明するために示す図。
【図30】60インターレースの画像を30プログレッシブに変更する第3の手法を説明するために示す図。
【図31】図11のDVDデジタルビデオレコーダの録画動作において、デフォルトの画質モードを表示する動作を説明するために示すフローチャート。
【図32】図11のDVDデジタルビデオレコーダの録画動作において、デフォルトの画質モードを表示する動作を説明するために示すフローチャート。
【図33】図31及び図32の処理において、画質モードを変更した場合の動作を説明するために示すフローチャート。
【図34】メニュー表示された各プログラムチェーンのタイムバーを画質モードに応じて色分けすることを説明するために示す図。
【図35】図34に示す処理を実現する動作を説明するために示すフローチャート。
【図36】図11のDVDデジタルビデオレコーダのタイマ予約録画動作の一例を説明するために示すフローチャート。
【図37】図36のタイマ予約録画動作における自動画質設定処理の一例を説明するために示すフローチャート。
【図38】図36のタイマ予約録画動作における自動画質設定処理の他の例を説明するために示すフローチャート。
【図39】図1の光ディスクの管理領域の他の内容を説明するために示す図。
【図40】図39の内容におけるDVDデジタルビデオレコーダの再生動作を説明するために示すフローチャート。
【図41】図1の光ディスクの管理領域のさらに他の内容を説明するために示す図。
【図42】図41の内容を具体的に説明するために示す図。
【図43】図42の内容におけるDVDデジタルビデオレコーダの再生動作を説明するために示すフローチャート。
【図44】図43のセル再生時の処理の内容を説明するために示すフローチャート。
【図45】図1の光ディスクの管理領域のさらに他の内容を説明するために示す図。
【図46】図45の内容を具体的に説明するために示す図。
【符号の説明】
11…光ディスク、
12…記録層、
13…透明基板、
14…接着層、
15…中心孔、
16…クランプエリア、
17…情報エリア、
18…リードアウトエリア、
19…リードインエリア、
20…データ記録エリア、
21…読み出し面、
22…カートリッジ、
23…ボリュームスペース、
24…ボリューム/ファイル構造領域、
25…DVDビデオ領域、
26…他記録エリア、
27…ビデオタイトルセットVTS、
28,29…ファイル、
30…ビデオオブジェクトユニットVOBU、
31…ナビゲーションパック、
32…ビデオパック、
33…副映像パック、
34…オーディオパック、
35…ダミーパック、
36…ビデオオブジェクトセットVOBS、
37…ビデオオブジェクトVOB、
38…セル、
39…ディスクドライブ部、
40…エンコーダ、
41…デコーダ、
42…マイクロコンピュータブロック、
43…A/D変換器、
44…Vエンコーダ、
45…Aエンコーダ、
46…SPエンコーダ、
47…フォーマッタ、
48…バッファメモリ、
49…A/V入力部、
50…TVチューナ、
51…データプロセッサ、
52…ディスクチェンジャ部、
53…ディスクドライブ、
54…一時記憶部、
55…STC、
56…表示部、
57…セパレータ、
58…メモリ、
59…Vデコーダ、
60…SPデコーダ、
61…Aデコーダ、
62…ビデオプロセッサ、
63…ビデオD/A変換器、
64…オーディオD/A変換器、
65…A/V出力部、
66…正面パネル、
67…LED。

Claims (5)

  1. それぞれがプログラムチェーン情報で再生管理可能な複数のセルで構成される複数のビデオオブジェクト単位に分割された映像データが記録されるデータ領域と、このデータ領域に記録された前記映像データを前記ビデオオブジェクト単位で管理するためのビデオオブジェクト情報を含む管理データが記録される管理領域とを有する、記録再生可能な情報記録媒体において、
    前記管理領域に記録される前記ビデオオブジェクト情報内に画質情報が含まれるようにしたことを特徴とする情報記録媒体。
  2. それぞれがプログラムチェーン情報で再生管理可能な複数のセルで構成される複数のビデオオブジェクト単位に分割された映像データが記録されるデータ領域と、このデータ領域に記録された前記映像データを前記ビデオオブジェクト単位で管理するためのビデオオブジェクト情報を含む管理データが記録される管理領域とを有し、前記管理領域に記録される前記ビデオオブジェクト情報内に画質情報が含まれるようにした記録再生可能な情報記録媒体に対して記録再生を行なうもので、
    前記データ領域に記録された前記映像データを再生する再生手段を具備してなることを特徴とする記録再生装置。
  3. それぞれがプログラムチェーン情報で再生管理可能な複数のセルで構成される複数のビデオオブジェクト単位に分割された映像データが記録されるデータ領域と、このデータ領域に記録された前記映像データを前記ビデオオブジェクト単位で管理するためのビデオオブジェクト情報を含む管理データが記録される管理領域とを有し、前記管理領域に記録される前記ビデオオブジェクト情報内に画質情報が含まれるようにした記録再生可能な情報記録媒体に対して記録再生を行なうもので、
    前記データ領域に前記映像データを記録する記録手段を具備してなることを特徴とする記録再生装置。
  4. それぞれがプログラムチェーン情報で再生管理可能な複数のセルで構成される複数のビデオオブジェクト単位に分割された映像データが記録されるデータ領域と、このデータ領域に記録された前記映像データを前記ビデオオブジェクト単位で管理するためのビデオオブジェクト情報を含む管理データが記録される管理領域とを有し、前記管理領域に記録される前記ビデオオブジェクト情報内に画質情報が含まれるようにした記録再生可能な情報記録媒体に対して記録再生を行なう方法であって、
    前記データ領域に記録された前記映像データを再生することを特徴とする記録再生方法。
  5. それぞれがプログラムチェーン情報で再生管理可能な複数のセルで構成される複数のビデオオブジェクト単位に分割された映像データが記録されるデータ領域と、このデータ領域に記録された前記映像データを前記ビデオオブジェクト単位で管理するためのビデオオブジェクト情報を含む管理データが記録される管理領域とを有し、前記管理領域に記録される前記ビデオオブジェクト情報内に画質情報が含まれるようにした記録再生可能な情報記録媒体に対して記録再生を行なう方法であって、
    前記データ領域に前記映像データを記録することを特徴とする記録再生方法。
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