JP3632895B2 - 光電圧センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学効果を利用して被測定対象の電圧の大きさを検出する光電圧センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学効果を利用する光電圧センサは、光学結晶に印加される電圧を電界強度の変化に変換し、電界強度の変化を更に光学結晶に入射される光の光強度の変化に変換して出射し、出射された光の光強度を計測して電圧の大きさを測定するものである。光電圧センサは、無誘導性、広帯域性、電気絶縁性等の利点を有することから、送配電系統の計測、保護、制御用センサとして徐々に利用されつつある。
【0003】
一般的に、光学結晶としてBi12GeO20、または、Bi12SiO20等が広く用いられている。これら光学結晶は、周囲温度の変化に応じてその旋光性(直線偏光が光学結晶を通過するときに偏光面を回転させる性質)が著しく変動するため、光学結晶の感度が温度依存性を有する事も知られている。
このような温度依存性を極力抑制して安定した性能を保持するため、従来から種々の手段が光学結晶に講じられている。
【0004】
例えば、本出願人により特許出願され、特開平5−164951号公報で出願公開された発明では、光学結晶をヤング率の小さい接着剤でガラス板などの基板に固着し、温度変化により生じる応力を緩和することで温度依存性を低減している。
同じく、本出願人により特許出願され、特開平7−83961号公報で出願公開された発明では、光学結晶の温度特性に対し、相反する温度特性を有するコンデンサを並列接続して、総和として温度変化による出力変化を相殺することで温度依存性を低減している。
【0005】
その他、旋光角または波長板位相差を調整したり、異なる光学結晶を組み合わせて温度係数が一定になるようにして、温度依存性を打ち消す方法も提案されている。
光学結晶に対し、上述のような温度依存性による変化抑制手段を講じたので、−20℃〜80℃の範囲で周囲温度が変化するような場合であっても出力電圧の比誤差特性が土0.1%以内に収まり、温度依存性がない光電圧センサとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような温度依存性を排した光電圧センサを周囲温度が一定の状態で保存或いは使用(実課電)していても、経時的に0.2〜0.4%程度の比誤差特性の変化を生じて、その光電圧センサ固有の比誤差特性を保持出来ないことがあった。
特に、光電圧センサの保存或いは使用(実課電)状態において、光学結晶は、梅雨時など相対湿度が高い程、比誤差特性の変化が著しい傾向があった。相対湿度と比誤差特性との関係について図を用いて説明をする。図6は、従来の光学センサの相対湿度依存性を説明する特性図である。
【0007】
光学結晶の旋光性特性が相対湿度に依存するか否かについての検証試験を行った。
周囲温度が20℃一定に保持された恒温槽内に光学結晶を配置しておく。そして、相対湿度を8%から42%まで急激に上昇するように変化させると、その出力電圧の比誤差特性が4日後に0.2%減少し、更に9日後で0.08%減少して、当初の比誤差特性から合計13日後で0.28%減少した状態で安定した。
【0008】
引続き、相対湿度を42%から8%まで急激に下降するように変化させると、再び比誤差特性が3日後で0.16%増加し、更に4日後で0.06%増加して、比誤差特性は、ほぼ0.0%に近づいて安定した。
このような検証試験の結果から、光センサ(光学結晶)がその周囲の相対湿度に対し依存性を有するとの知見を得た。
【0009】
そこで、本発明は、温度変化に加えて相対湿度変化が起こる周囲環境下にあってもその変化に影響されることなく、Bi12GeO20、Bi12SiO20などの光学結晶からなる光センサ部の性能変動を防止し、出力電圧の比誤差特性を安定して保持できる光電圧センサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の光電圧センサによれば、
入射される光の光強度を電界強度の変化に対応するように変化させて出射する光センサ部と、
光センサ部の電界強度を変化させるために印加される被測定対象電圧が入力される電圧入力部と、
外部から入力された光を光センサ部へ入射する入射用光ファイバと、
光センサ部から出射された光を外部へ出力する出射用光ファイバと、
相対湿度を計測するための湿度センサと、
電圧入力部、入射用光ファイバ、出射用光ファイバおよび湿度センサが内外部へ連絡するように備え付けられるとともに内部に配置された光センサ部を外部環境から遮断するケースと、
を備える光電圧センサであって、
ケースの内部に乾燥気体を封止することを特徴とする。
【0011】
まず、光電圧センサ内部の光センサ部は外部環境から遮断されているため、外部環境の相対湿度が変化した場合であっても、光電圧センサ内部は相対湿度変化に影響されることなく、光センサ部の性能変動は回避される。
さらに、相対湿度とは気体中に含まれる水蒸気の割合であって温度に依存するため、ケースの内部に封止した気体の相対湿度が高くて水蒸気を含むような場合は、外部環境の温度変化によりケースの内部の相対湿度が変化して光センサ部に性能変動が生じていたが、本発明ではケースの内部に封止した気体は乾燥気体であって水蒸気をほとんど含まないため、温度変化が起こっても相対湿度の変化は少なく光センサ部の性能変動は回避される。
さらに、湿度センサが検出する相対湿度に基づいてケース内の相対湿度を常に監視しているため、乾燥気体の状態を確実に把握することができる。
【0012】
また、請求項2記載の光電圧センサによれば、
請求項1に記載の光電圧センサにおいて、
乾燥気体は、0パーセント以上20パーセント未満の相対湿度を有する空気、SF6ガス又は窒素ガスの何れかであることを特徴とする。
なお、空気は乾燥気体として安価、かつ、容易に得ることができる。
【0013】
また、請求項3記載の光電圧センサによれば、
請求項1または請求項2に記載の光電圧センサにおいて、
ケースの内部に乾燥気体の相対湿度の上昇を防止する防湿部を設けることを特徴とする。
防湿部により長期間にわたり相対湿度依存性を低減した状態を維持することができる。
【0014】
また、請求項4記載の光電圧センサによれば、
請求項3に記載の光電圧センサにおいて、
防湿部は、乾燥剤であることを特徴とする。
シリカゲルなど一般に普及した乾燥剤を防湿部として用いるため、長期間にわたり、安価に、相対湿度依存性を低減した状態を維持することができる。
【0015】
また、請求項5記載の光電圧センサによれば、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光電圧センサにおいて、
前記ケースは、箱部容器、蓋、およびパッキンを備え、組立・分解が可能であることを特徴とする。
所定期間経過したときなどケース内の相対湿度が上昇するとき、光電圧センサのケースを分解し、乾燥気体の封入または乾燥剤の交換を行うことでケース内部は常に乾燥気体として維持され、相対湿度依存性を低減させた状態にすることができる。
【0016】
また、請求項6記載の光電圧センサによれば、
請求項5に記載の光電圧センサにおいて、
前記ケースは箱部容器と蓋との間にパッキンを挟んでボルトにより固定されて組立てられることを特徴とする。
【0017】
また、請求項7記載の光電圧センサによれば、
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の光電圧センサにおいて、
電圧入力部、入射用光ファイバ、出射用光ファイバおよび湿度センサがケース内外部へ連絡する孔部を接着剤またはゴムパッキンで塞いで外部環境から遮断することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の光電圧センサの一実施形態について説明する。図1は本実施形態の構成を示す構成図、図2は本実施形態のセンサ部の構成を示す構成図である。
本実施形態では、光電圧センサ10のケースとして水密箱1を用いる。水密箱1は、図1の如く、箱状容器1a、蓋1b、およびパッキンの一例として板ゴムパッキン1cを備え、箱状容器1aと蓋1bとの間に板ゴムパッキン1cを挟んでボルト1dで固定することで組み立て・分解ができるように構成されている。板ゴムパッキン1cが間隙を埋めて水密箱1内の気密性を高めるため、仮に水中下に配置しても水密箱1内に水が入ることなく、気密を維持する。
【0019】
水密箱1の側部には孔部1e,1f,1g,1h,1iが設けられており、電圧入力部である電圧印加線2a,2b、入射用光ファイバ3、出射用光ファイバ4および湿度センサ5が、これら孔部1e,1f,1g,1h,1iにそれぞれ挿通される。電圧印加線2a,2b、入射用光ファイバ3および出射用光ファイバ4は、それぞれ光センサ部6に接続され、水密箱1の内外部へ被測定対象電圧と検出光とを伝達している。また、湿度センサ5は、水密箱1の側部に固着され、水密箱1の外部へ相対湿度に関する検出信号を出力する。
【0020】
光センサ部6は、図2に示すように、入射用光ファイバ接続端子6a、偏光子6b、1/4波長板6c、光学結晶6d、検光子6e、出射用光ファイバ接続端子6f、電圧印加線接続端子6g,6hを備えている。水密箱1の箱状容器1aには防湿部として最も一般的なシリカゲルなどの乾燥剤7を配置してある。光電圧センサ10はこのように構成される。
【0021】
続いて、本実施形態の組み立てについて説明する。まず、水密箱1の箱状容器1a内に光センサ部6と乾燥剤7とを所定位置に固着する。水密箱1の孔部1e,1f,1g,1hには、電圧印加線2a,2b、入射用光ファイバ3、および出射用光ファイバ4を挿通し、光センサ部6にそれぞれ接続する。接続終了後、水密箱1の孔部1e,1f,1g,1hを封止する。続いて、水密箱1の孔部1iに、湿度センサ5を挿通し、挿通終了後、孔部1iを封止する。
【0022】
ここに封止とは、具体的には、孔部1e,1f,1g,1h,1iの隙間に接着剤を充填したり、孔部1e,1f,1g,1h,1iに図示しないゴムパッキンなどを取り付けて外部から内部を遮断密封したりすることである。このように、孔部1e,1f,1g,1h,1iの密封については各種考えられるが、本実施形態では、接着剤を用い、孔部1e,1f,1g,1h,1iに電圧印加線2a,2b、入射用光ファイバ3、出射用光ファイバ4および湿度センサ5を挿通した状態で接着と共に孔部1e〜1iを塞いで封止したものとする。
【0023】
孔部1e,1f,1g,1h,1iの封止が完了した後、乾燥気体が充満する雰囲気の中に水密箱1を配置する。ここに本実施形態における乾燥気体とはある温度(例えば0℃)において相対湿度が0%〜20%の空気とする。理由については後述する。そして、水密箱1の箱状容器1aと蓋1bとの間に板ゴムパッキン1cを挟み、ボルト1dで組み立てる。このようにして、水密箱1を密封し、水密箱1の内部を外部環境から遮断するとともに水密箱1の内部に乾燥気体を封止する。
【0024】
ここで、乾燥気体について概略説明する。相対湿度は、空気における現在の実際の水蒸気圧pと現在の温度に対する飽和水蒸気圧pSとの比であり次式(1)のようになる。
【0025】
【数1】
【0026】
現在の温度に対する飽和水蒸気圧pSは、温度が上昇すると増加し、温度が下降すると減少する。つまり、相対湿度自体も温度依存性を有しており、温度が上昇すると相対湿度は減少し、逆に温度が低下すると相対湿度は増加する。
【0027】
水密箱1内に封止した気体が、本実施形態のような乾燥気体でなく、水蒸気を含む気体である場合は、式(1)からもわかるように、水密箱1の外部環境の温度変化によりケース内の相対湿度が増加して性能変動が生じてしまう。
しかしながら、本発明ではケース内に封止した気体は乾燥気体としている。水蒸気が可能な限り除去された乾燥気体をケース内に封止すれば、実際の水蒸気圧pがほとんど0になり、式(1)からも相対湿度はほとんど0%となり、外部環境の温度が上昇しても相対湿度の変化を著しく低く維持することができ、温度依存性ひいては相対湿度依存性を低減できる。
【0028】
くわえて、温度が低く、かつ、乾燥した気体を水密箱1内に封止すればさらに相対湿度依存性を低減できる。ここに低い温度とは光電圧センサが用いられる環境により変化する。例えば、光電圧センサの使用環境が25℃なら、0℃の乾燥気体を封止すれば25℃の使用環境下ではケース内部の相対湿度がさらに低くなり、相対湿度依存性をさらに排することができる。
【0029】
先に図6を用いて説明したように、相対湿度が8%程度の場合、比誤差特性が0.0%にほぼ近づいて安定している。比誤差特性の変動許容範囲内に入るように標準温度(例えば0℃または20℃など)における相対湿度が0%〜20%の空気を採用し、この空気を乾燥気体として用いる。
【0030】
このように、乾燥気体は、相対湿度の変動要因である水蒸気をほとんど含まないため、温度変化が起こっても水蒸気にほとんど変化がなく、相対湿度が変化することはない。本実施形態のように構成することで比誤差特性の相対湿度依存性を著しく低減することができる。このように、外部環境の温度変化・相対湿度変化にほとんど影響されない光電圧センサとすることができる。
なお、乾燥気体として空気に代えて、ケース内にSF6ガスまたは窒素ガスなどを置換封止して乾燥状態を維持しても良い。
【0031】
つづいて、本実施形態を用い、外部環境の状態による比誤差の変動について説明する。図3は、本実施形態を用いる実験装置を説明する説明図である。光センサ部6には、標準交流電圧電流発生装置11が接続されている。この標準交流電圧電流発生装置11の出力は被測定対象電圧を想定しており、光電圧センサ10の光センサ部6へ出力される。
【0032】
標準交流電圧電流発生装置11が出力する被測定対象電圧は、印加電圧として光センサ部6の光学結晶6dに印加される。この印加電圧は、印加電圧用ディジタルメータ12(以下、印加電圧用D.M.12とする。)により常時計測され、印加電圧がディジタル表示される。
なお、実際の送配電系統で利用する場合には、図示しない分圧器を用いて分圧し、低電圧に降下させた上で計測する。分圧器の使用の有無については適宜選択が可能である。
【0033】
光ファイバ、例えば石英系プラスチッククラッドファイバなどである入射用光ファイバ3、出射用光ファイバ4の一端には光センサ部6が接続され、他端には計測部13が接続されている。入射用光ファイバ3を介して入力された検出光は、光センサ部6において光強度に変化が与えられ、出射用光ファイバ4を介して計測部13へ出力される。この計測部13は、入力された検出光を電圧に変換し、被測定対象電圧を計測する。
【0034】
この計測部13には出力電圧用D.M.14が接続され、出力電圧がディジタル表示される。印加電圧と出力電圧とは、位相計15に入力される。この位相計15により位相遅れ・位相進みという位相差を計測することができる。また、印加電圧と出力電圧とから比誤差特性を得ることができる。比誤差特性は次式(2)により得られる。
【0035】
【数2】
【0036】
ここで基準変圧比(若しくは定格変圧比)は、次式(3)により求めることができる。
【0037】
【数3】
【0038】
また、実際の変圧比は、次式(4)により求めることができる。
【0039】
【数4】
【0040】
例えば、基準変圧比は、300[V]/3[V]=100/1などと設定され、基準変圧比(定格変圧比)と光センサ部の変圧・信号変換に伴う実際の変圧比との差の割合を表している。
なお、比誤差を求めるとき位相計15により計測した位相遅れ・位相進みも考慮されている。
【0041】
水密箱1の内部の相対湿度を検出する湿度センサ5は、湿度センサ変換器ボックス16に接続されている。湿度センサ変換器ボックス16は、電圧・電流などの電気量として計測される検出信号を増幅して湿度用D.M.17へ出力する。湿度用D.M.17は、この増幅された検出信号から相対湿度を表示する。
なお、湿度センサ変換器ボックス16は、ヒューズ18に接続されているが、水蒸気により湿度センサ5が短絡したような場合に、湿度センサ変換器ボックス16の故障を防止する。
【0042】
続いて、本実験装置を用いる実験および実験結果について説明する。図4は、本実施形態の相対湿度依存性の特性図である。図3で示したように相対湿度90%の恒温槽19内に光電圧センサ10を長期間放置して、相対湿度依存性試験を行なった。図4で示すように水密箱1内は当初の相対湿度を約18%に維持している。恒温糟19内部の相対湿度は著しく高いにも関わらず、比誤差特性には殆ど変化が生じていないことを確認した。
【0043】
なお、光センサ部6を乾操剤7とともに水密箱1内で密閉状態としたため湿度依存性が抑制されているが、他の光センサ部6の構成部品である電圧印加線2a,2bや入射用光ファイバ3、出射用光ファイバ4は高湿度下でさらされているため、相対湿度の影響を受ける。
【0044】
しかしながら、電圧印加線2a,2bや入射用光ファイバ3、出射用光ファイバ4が相対湿度に影響されても出力電圧における比誤差特性変化が0.03%以内の変化であることが予めわかっており、光学結晶の特性変動に比べて殆ど無視し得る程度である。図4における若干の比誤差特性変化要因は光センサ部6の他の構成部品の変化と見なせる。
【0045】
このように、水密箱1の内部に光学結晶等の光センサ部6を収納し、相対湿度の変化に影響されないようにしたので、外部環境における相対湿度や温度の変化が起こっても、光学結晶の旋光性特性が一定に保持され、光電圧センサとして優れた出力電圧の比誤差特性を得ることができる。
【0046】
なお、水密箱1を分解・組立可能とし、また、湿度センサ5を備えて水密箱1の内部の相対湿度を監視するようにしたため、水密箱1の気密が破られて水密箱1の内部の相対湿度が高くなったとしても、水密箱1を分解して改めて乾燥気体に入れ替えたり、または、乾操剤のみ取り替えることで再び乾燥気体にすることができ、保守・点検等を行い易くしている。
【0047】
次に、本発明による光電圧センサの他の実施形態について説明する。図5は、他の実施形態の光電圧センサの平面図を示す。
本実施形態の光センサ部6は、図2に示すように、入射用光ファイバ接続端子6a、偏光子6b、1/4波長板6c、光学結晶6d、検光子6e、出射用光ファイバ接続端子6f、電圧印加線接続端子6g,6hが内外部へ連絡するように備え付けられている。さらに、光電圧センサは、図5に示すように、軟鋼製あるいはステンレス製の収納箱20を備え、この収納箱20の内部に光センサ部6は一体収納される。
【0048】
収納箱20に各素子や接続端子を組み付けたのち、光センサ部6の各接続端子が挿通される孔の周囲にはパテ止めなど処理が施されて一体収納される。この後、収納箱20の外表面にゴムまたは樹脂がコーティングされる。この樹脂コーティングとは、例えば、乳液アクリル樹脂で調合されたコーティング剤でディッピング法やスプレー法で塗布されるコーティングである。
【0049】
そして、各素子の許容温度以下で熱風乾燥されるが、収納箱20には挿通孔(図示せず。)が設けてあり、熱風乾燥後速やかに乾燥炉内でこの挿通孔を目止め処理する。このように、0パーセント以上20パーセント未満の相対湿度を有する空気(実際はかなり0パーセントに近い空気である。)を収納箱20内に封止するとともに樹脂コーティングを施すので、収納箱20内は乾燥気体が保持される。先に説明した水密箱1のような水密構造でない収納箱20を用いても、乾燥気体を封止でき、また、小型化も可能であるため、光センサ部を気中開閉器などスペース的に制約の多い配電機器内部に直接配置できる。
【0050】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、温度変化に加えて相対湿度変化が起こる周囲環境下にあってもその変化に影響されることなく、Bi12GeO20、Bi12SiO20などの光学結晶からなる光センサ部の性能変動を防止し、出力電圧の比誤差特性を安定して保持できる光電圧センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電圧センサの一実施形態の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の光電圧センサの一実施形態のセンサ部の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の光電圧センサの一実施形態を用いる実験装置を説明する説明図である。
【図4】本発明の光電圧センサの一実施形態の相対湿度依存性の特性図である。
【図5】本発明の光電圧センサの他の実施形態の平面図を示す。
【図6】従来の光電圧センサの相対湿度依存性を説明する特性図である。
【符号の説明】
10 光電圧センサ
1 水密箱
1a 箱状容器
1b 蓋
1c 板ゴムパッキン
1d ボルト
1e,1f,1g,1h,1i 孔部
2a,2b 電圧印加線
3 入射用光ファイバ
4 出射用光ファイバ
5 湿度センサ
6 光センサ部
7 乾燥剤
11 標準交流電圧電流発生装置
12 印加電圧用ディジタルメータ
13 計測部
14 出力電圧用ディジタルメータ
15 位相計
16 湿度センサ変換器ボックス
17 湿度用ディジタルメータ
18 ヒューズ
19 恒温糟
20 収納箱
Claims (7)
- 入射される光の光強度を電界強度の変化に対応するように変化させて出射する光センサ部と、
光センサ部の電界強度を変化させるために印加される被測定対象電圧が入力される電圧入力部と、
外部から入力された光を光センサ部へ入射する入射用光ファイバと、
光センサ部から出射された光を外部へ出力する出射用光ファイバと、
相対湿度を計測するための湿度センサと、
電圧入力部、入射用光ファイバ、出射用光ファイバおよび湿度センサが内外部へ連絡するように備え付けられるとともに内部に配置された光センサ部を外部環境から遮断するケースと、
を備える光電圧センサであって、
ケースの内部に乾燥気体を封止することを特徴とする光電圧センサ。 - 請求項1に記載の光電圧センサにおいて、
乾燥気体は、0パーセント以上20パーセント未満の相対湿度を有する空気、SF6ガス又は窒素ガスの何れかであることを特徴とする光電圧センサ。 - 請求項1または請求項2に記載の光電圧センサにおいて、
ケースの内部に乾燥気体の相対湿度の上昇を防止する防湿部を設けることを特徴とする光電圧センサ。 - 請求項3に記載の光電圧センサにおいて、
防湿部は、乾燥剤であることを特徴とする光電圧センサ。 - 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光電圧センサにおいて、
前記ケースは、箱部容器、蓋、およびパッキンを備え、組立・分解が可能であることを特徴とする光電圧センサ。 - 請求項5に記載の光電圧センサにおいて、
前記ケースは箱部容器と蓋との間にパッキンを挟んでボルトにより固定されて組立てられることを特徴とする光電圧センサ。 - 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の光電圧センサにおいて、
電圧入力部、入射用光ファイバ、出射用光ファイバおよび湿度センサがケース内外部へ連絡する孔部を接着剤またはゴムパッキンで塞いで外部環境から遮断することを特徴とする光電圧センサ。
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