JP3630775B2 - 吸収冷凍機の入熱制御方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は吸収冷凍機に関するものであり、特に詳しくは冷媒を蒸発分離する再生器に高温・高圧の水蒸気などの熱源流体を供給する吸収冷凍機における入熱制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
再生器の熱源として、例えば高温・高圧の水蒸気などを利用する吸収冷凍機の起動時においては、冷えた缶体に蒸気が入り過ぎることがないように、例えば図6に示したように10分程度の長い時間を掛けて蒸気制御弁を徐々に開く、いわゆるスローオープン制御が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の起動方法では、制御弁の特性によるレンジアビリティおよび締め込代に基づく初期の動作遅れがあり、立ち上げ時間のロスとなっていた。また、制御弁が全開となった後も冷凍機本体および溶液の温度が低いため、蒸気が過剰に流入して設備側ボイラに悪影響を及ぼすことがあると云った問題点があり、この点の解決が課題となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来技術の課題を解決するため、再生器に配管した熱源流体供給管の制御弁を所定の低速度で開くスローオープン制御を行い、起動時の入熱を制限する吸収冷凍機において、
【0005】
前記吸収冷凍機を起動する際の制御弁の開度と起動後の経過時間との関係データを備え、前記制御弁を所定の開度までは一気に開き、前記所定の開度より開放された所定の開度まで、前記制御弁を所定の速度で速やかに開き、その後は前記所定の速度より遅い所定の低速度で制御弁を開くようにした第1の構成と、
【0007】
通常の運転状態では定格の100%を越えて前記熱源流体が流れることのない適宜の開度に前記制御弁を固定して前記再生器への熱源流体の供給を開始し、前記再生器の温度上昇に伴って前記熱源流体の前記再生器における放熱量の減少により前記熱源流体供給管の下流側圧力低下幅が減少し、これにより前記再生器に供給される前記熱源流体の流量が減少し始めると、前記制御弁の開度を前記再生器の温度に基づいて前記熱源流体の流量が減少せず、また、前記定格を超えないように徐々に開くようにした第2の構成と、
【0008】
前記吸収冷凍機を起動する際の制御弁の開度と起動後の経過時間との関係データを備え、前記制御弁を所定の開度までは一気に開き、前記所定の開度より開放された所定の開度まで、前記制御弁を所定の速度で速やかに開き、前記再生器の温度が所定の温度に達するまではその開度を維持し、前記再生器の温度が前記所定の温度を超えると前記制御弁を前記所定の速度より遅い所定の低速度で開くようにした第3の構成と、
【0009】
前記吸収冷凍機を起動する際の制御弁の開度と起動後の経過時間との関係データを備え、前記制御弁を所定の開度までは一気に開き、前記所定の開度より開放された所定の開度まで、前記制御弁を所定の速度で速やかに開き、前記再生器の温度が所定の温度に達するまではその開度を維持し、前記再生器の温度が前記所定の温度を超えると前記制御弁を前記再生器の温度に基づいて前記所定の速度より遅い所定の低速度で開くようにした第4の構成と、を提供するものである。
【0010】
また、前記第1〜第4の何れかの構成において、吸収器と凝縮器に流入する冷却水の温度に基づく補正係数を設定して備え、この補正係数に基づく四則演算などして前記冷却水の温度が低い程制御弁の開口速度が小さくなるようにした第5の構成を提供するものである。
【0012】
【作用】
第1の構成の場合;熱源流体供給管に設けた制御弁を所定の開度までは一気に開き、その後は所定の低速度で開くので、立ち上げ時のロスがなくなり、熱源流体を速やかに供給しながら、オーバーシュートを防止し、熱源流体が流入し過ぎることが回避される。
【0013】
第2の構成の場合;熱源流体供給管に設けた制御弁を所定の開度までは速やかに開き、その後は所定の低速度で開くので、この構成の場合も立ち上げ時のロスがなくなり、熱源流体を速やかに供給しながら、オーバーシュートを防止し、熱源流体が流入し過ぎることが回避される。
【0014】
第3の構成の場合;定格の100%を越えて熱源流体が流れることのない適宜の開度に制御弁を固定して再生器への熱源流体の供給を開始し、再生器の温度上昇に伴って熱源流体の再生器への流入量が減少し始めると、制御弁の開度を再生器の温度に基づいて熱源流体の流量が減少しないように徐々に開くので、再生器の温度が低いときにも熱源流体が再生器に流入し過ぎることがないし、再生器温度が上昇しても再生器に供給される熱源流体の流入量が減少することがない。
【0015】
第4の構成の場合;制御弁を所定の開度までは速やかに開き、再生器の温度が所定の温度に達するまではその開度を維持し、再生器の温度が所定の温度を越えると制御弁を所定の低速度で開くので、この構成の場合も立ち上げ時のロスがなくなり、熱源流体を速やかに供給しながら、オーバーシュートを防止し、熱源流体が流入し過ぎることが回避される。
【0016】
第5の構成の場合;制御弁を所定の開度までは速やかに開き、再生器の温度が所定の温度に達するまではその開度を維持し、再生器の温度が所定の温度を越えると制御弁を前記再生器の温度に基づいて低速度で開くので、この構成の場合も立ち上げ時のロスがなくなり、熱源流体を速やかに供給しながら、オーバーシュートを防止し、熱源流体が流入し過ぎることが回避される。
【0017】
第6の構成の場合;吸収器と凝縮器に供給する冷却水の温度が低下すると、凝縮器における冷媒の凝縮が促進されて再生器における冷媒の蒸発分離作用が進み、冷媒が蒸発し易くなるが、冷却水の温度に基づいて補正係数を算定し、この補正係数に基づく四則演算などして冷却水の温度が低い程制御弁の開口速度を抑えるので、制御弁の開度が一層精度良く制御できるようになる。
【0018】
第7の構成の場合;再生器に配管した熱源流体供給管の制御弁を、蒸発器から冷却して取り出す熱操作流体の温度に基づいて求めた開度および再生器の温度に基づいて求めた開度の内の、小さい方の開度で制御するので、熱源流体の消費を削減しながら、所定の温度の冷水を蒸発器から取り出すことが可能になる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいてさらに詳細に説明する。
図5は、例えば冷媒に水、吸収液(溶液)に臭化リチウム(LiBr)溶液を用いた吸収冷凍機の概略構成図であって、1は熱源流体、例えば高温・高圧の水蒸気を供給する熱源供給管2が内部を経由して配管され、稀液を加熱することによって冷媒蒸気を発生させて中間液に濃縮する高温再生器、3は前記冷媒蒸気により前記中間液を加熱して濃液にする低温再生器、4は前記低温再生器3から供給される冷媒蒸気を冷却して凝縮する凝縮器、5は冷媒分配器6から冷媒液を散布・滴下などして蒸発させる蒸発器、7はこの蒸発器から流入する冷媒蒸気を前記低温再生器3から供給される濃液に吸収させて器内を低圧に維持する吸収器、8は低温熱交換器、9は高温熱交換器であり、これらは中間液管10、濃液管11、吸収液ポンプ12を有する稀液管13、冷媒導管14、冷媒液管15、および冷媒ポンプ16を有する冷媒循環管17により接続されて、冷媒と吸収液のメインの循環サイクルを形成し、さらに、熱回収器18が図のように配管接続されていて、前記蒸発器5の内部に配管した伝熱管20の管壁を介して冷媒の蒸発潜熱によって冷却された熱操作流体、例えば冷水が冷水管21によって冷房負荷となる所要の室内熱交換器(図示せず)に循環供給可能となっている。また、22は吸収器7と凝縮器4の内部を経由して配管した冷却水管であり、これらの装置構成自体は従来周知である。
【0020】
30は、上記構成になる吸収冷凍機の制御装置であり、この制御装置は高温再生器1の温度が充分に上昇していない装置起動時には高温再生器1に設置した温度センサ31が計測する溶液温度T1などに基づいて制御弁36をゆっくりと開くスローオープン制御を行なう機能と、冷水管21の蒸発器5出口側に設置した温度センサ32が計測する蒸発器出口側における冷水の温度T2が所定の温度、例えば7℃に保たれるように熱源供給管2に設置した制御弁36の開度を制御して、高温再生器1に供給する高温・高圧の水蒸気の流量を制御する容量制御機能とを備えており、この容量制御を前記スローオープン制御に優先して行うようになっている。
【0021】
具体的には、制御装置30は図示しない記憶部に、吸収冷凍機を起動する際の制御弁36の開度と起動後の経過時間との関係を、例えば図1における実線のように記憶しており、制御弁36の開度が時間の経過と共にこのようにスローオープンすべく、この制御装置30からステップモータ37に所要のステップ数が適宜出力されて制御弁36の開度を制御するように構成してある。
【0022】
したがって、制御弁36の開度は、図示しない起動スイッチが操作されると制御装置30が制御するステップモータ37によって先ず一気に20%に引き上げられ、その後制御弁36の開度が70%になるまでは50%/分の開口速度で速やかに開度を広げ、さらに開度が70%を越えると7%/分のゆっくりとしたペースで開いて100%に達するので、高温・高圧の水蒸気が図1に破線で示したように速やかに高温再生器1に供給されるが、オーバーシュートして入り過ぎると云った不都合を生じることなはい。
【0023】
そして、制御装置30は前記したように容量制御を上記のスローオープン制御に優先して行うので、このスローオープン制御中に温度センサ32が計測する冷水温度T2が所定の温度(この場合、7℃)にまで低下してくると、制御弁36の開度が100%に達していなくても、前記温度センサ32が計測する冷水温度T2が所定の温度を維持するように制御弁36の開度が制御される。
【0024】
また、制御弁36を通過する高温・高圧の水蒸気の状態に変化がなくても、温度センサ31が計測する高温再生器1の溶液温度T1が低い場合には、高温再生器1で溶液に放熱する熱量が多く制御弁36の下流側圧力低下幅が大きいので、高温再生器1に供給される高温・高圧の水蒸気の流量が増加し、逆に溶液温度T1が上昇すると高温再生器1で溶液に放熱する熱量が減少し、制御弁36の下流側での圧力低下幅が小さくなるので、高温再生器1に供給される高温・高圧の水蒸気の流量が減少する傾向がある。
【0025】
すなわち、弁の開度を例えば70%にセットしていても、高温再生器1の溶液温度T1が130℃未満のときには高温・高圧の水蒸気が立ち上げ時を除いて定格の凡そ100%流れ、溶液温度T1が130℃以上になると温度の上昇に伴って流量が次第に減少する制御弁36がある。
【0026】
このような流量特性を有する制御弁36においては、例えば図2に示したように、温度センサ31が計測する高温再生器1の溶液温度T1が130℃未満のときには制御弁36の開度を70%に固定し、溶液温度T1が130℃以上のときは溶液温度T1に基づいてステップモータ37に与えるステップ数を徐々に増やし、制御弁36をゆっくりと開けることによって高温・高圧の水蒸気を高温再生器1に速やかに流入させつつも、定格を越えて流入しないように制御できる。
【0027】
また、制御弁36を図3に示したように、すなわち起動スイッチが操作されると制御装置30が制御するステップモータ37によって先ず一気に20%に引き上げ、その後制御弁36の開度が70%になるまでは50%/分の開口速度で速やかに開口し、その後は温度センサ31が計測する高温再生器1の溶液温度T1が所定の温度、例えば130℃に到達するまでは70%の開度に固定し、溶液温度T1が前記所定の130℃を越えると、その後は7%/分のゆっくりとしたペースで100%に引き上げるように、制御装置30を構成することもできる。
【0028】
このように制御弁36の開度を制御することによっても、高温再生器1に流入する高温・高圧の水蒸気は破線で示したように増加し、速やかに増加するがオーバーシュートが防止され、流入し過ぎるとはない。
【0029】
また、図3に示した制御弁36の開度を70%から100%に引き上げる制御装置30の制御において、一定のペースではなく温度センサ31が計測する溶液温度T1に基づいて引き上げるように制御装置30を構成することもできる。
【0030】
制御弁36の開度をこのように制御しても、高温・高圧の水蒸気は速やかに増加するがオーバーシュートが防止され、流入し過ぎるとはない。
【0031】
また、冷却水管22を通って吸収器7・凝縮器4に流入する冷却水の温度が低下すると、凝縮器4における冷媒の凝縮が促進され、これにより高温再生器1における冷媒の蒸発分離作用が進むので、熱源供給管2に設置した制御弁36の開度を絞る必要があり、逆に、冷却水の温度が上昇すると高温再生器1における冷媒の蒸発分離が進まないので、制御弁36の開度を大きくする必要がある。
【0032】
したがって、冷却水管22の吸収器入口側に設置した温度センサ33が計測する冷却水温度T3に基づいて、補正係数kを例えば図4における実線のように設定しておき、温度センサ33が所定時間(例えば、1分間)毎に計測した冷却水温度T3から求めた補正係数kを用いて補正しつつ制御弁36の開度を制御するように、制御装置30を構成することも可能である。
【0033】
例えば、制御弁36の開度を図1の実線のように制御する制御装置30において、温度センサ33が計測する冷却水温度T3が28℃であったときには、補正係数kは先の図4から0.8と求められるので、この値を乗じて得られる開度、すなわち同図に一点鎖線で示した開度で制御弁36が制御されるように、制御装置30を構成すればより精度の高い制御が行える。
【0034】
このように、制御弁36の開度を冷却水温度T3を加味して制御することにより、一層精度の高い制御が可能になる。
【0035】
また、起動時のスローオープン制御を終了し、温度センサ32が計測する蒸発器出口側における冷水温度T2を所定の例えば7℃に保つように、熱源供給管2に設置した制御弁36の開度を制御する通常運転時の容量制御において、温度センサ32が計測する冷水温度T2に基づいて演算算出した制御弁36の開度と、温度センサ31が計測する溶液温度T1に基づいて演算算出した制御弁36の開度の内、小さい方の開度で制御弁36の開度を制御するように制御装置30を構成することも可能である。
【0036】
制御装置30をこのように構成することによって、高温・高圧の水蒸気の消費量を削減しながら、所定の温度の冷水を冷水管21を介して図示しない冷凍負荷に循環供給することが可能になる。
【0037】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0038】
例えば、補正係数kを図4における破線のように設定した場合には、この補正係数kで除して得られる開度(例えば、冷却水温度T3が28℃の場合は1.25で除した開度)に制御弁36を制御するように制御装置30を構成する。このように、補正係数kの設定の仕方によって補正時の演算の方法は変わってくる。したがって、補正係数kの設定の仕方によっては減算・加算法などによって補正するように構成することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の構成においては、前記吸収冷凍機を起動する際の制御弁の開度と起動後の経過時間との関係データを備え、熱源流体供給管に設けた制御弁を所定の開度までは一気に開き、前記所定の開度より開放された所定の開度まで、前記制御弁を所定の速度で速やかに開き、その後は前記所定の速度より遅い所定の低速度で制御弁を開くように構成したので、立ち上げ時のロスがなくなり、熱源流体を速やかに供給しながら、オーバーシュートを防止し、熱源流体が流入し過ぎると云ったことが回避される。
【0041】
また、第2の構成においては、通常の運転状態で定格の100%を越えて熱源流体が流れることのない適宜の開度に制御弁を固定して再生器への熱源流体の供給を開始し、再生器の温度上昇に伴って熱源流体の再生器への流入量が減少し始めると、制御弁の開度を再生器の温度に基づいて熱源流体の流量が減少しないように徐々に開くように構成したので、再生器の温度が低いときにも熱源流体が再生器に流入し過ぎることがないし、再生器温度が上昇しても再生器に供給される熱源流体の流入量が減少すると云った不都合は回避される。
【0042】
また、第3の構成においても前記吸収冷凍機を起動する際の制御弁の開度と起動後の経過時間との関係データを備え、前記制御弁を所定の開度までは一気に開き、前記所定の開度より開放された所定の開度まで、制御弁を所定の速度で速やかに開き、再生器の温度が所定の温度に達するまではその開度を維持し、再生器の温度が所定の温度を越えると制御弁を前記所定の速度より遅い所定の低速度で開くように構成したので、この場合も立ち上げ時のロスがなくなり、熱源流体を速やかに供給しながら、オーバーシュートを防止し、熱源流体が流入し過ぎることが回避される。
【0043】
また、第4の構成においても前記吸収冷凍機を起動する際の制御弁の開度と起動後の経過時間との関係データを備え、前記制御弁を所定の開度までは一気に開き、前記所定の開度より開放された所定の開度まで、前記制御弁を所定の速度で速やかに開き、前記再生器の温度が所定の温度に達するまではその開度を維持し、前記再生器の温度が前記所定の温度を超えると前記制御弁を前記再生器の温度に基づいて前記所定の速度より遅い所定の低速度で開くように構成したので、この場合も立ち上げ時のロスがなくなり、熱源流体を速やかに供給しながら、オーバーシュートを防止し、熱源流体が流入し過ぎることが回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱源流体制御弁の制御要領を示す説明図である。
【図2】熱源流体制御弁の他の制御要領を示す説明図である。
【図3】熱源流体制御弁の他の制御要領を示す説明図である。
【図4】補正係数kの設定要領を示す説明図である。
【図5】装置構成を示す説明図である。
【図6】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 高温再生器
2 熱源供給管
3 低温再生器
4 凝縮器
5 蒸発器
7 吸収器
20 伝熱管
21 冷水管
22 冷却水管
30 制御装置
31・32・33 温度センサ
36 制御弁
37 ステップモータ
Claims (5)
- 再生器に配管した熱源流体供給管の制御弁を所定の低速度で開くスローオープン制御を行い、起動時の入熱を制限する吸収冷凍機において、前記吸収冷凍機を起動する際の制御弁の開度と起動後の経過時間との関係データを備え、前記制御弁を所定の開度までは一気に開き、前記所定の開度より開放された所定の開度まで、前記制御弁を所定の速度で速やかに開き、その後は前記所定の速度より遅い所定の低速度で前記制御弁を開くことを特徴とする起動時における吸収冷凍機の入熱制御方法。
- 再生器に配管した熱源流体供給管の制御弁を所定の低速度で開くスローオープン制御を行い、起動時の入熱を制限する吸収冷凍機において、通常の運転状態では定格の100%を超えて前記熱源流体が流れることのない適宜の開度に前記制御弁を固定して前記再生器への熱源流体の供給を開始し、前記再生器の温度上昇に伴って前記熱源流体の前記再生器における放熱量の減少により前記熱源流体供給管の下流側圧力低下幅が減少し、これにより前記再生器に供給される前記熱源流体の流量が減少し始めると、前記制御弁の開度を前記再生器の温度に基づいて前記熱源流体の流量が減少せず、また、前記定格を超えないように徐々に開くことを特徴とする起動時における吸収冷凍機の入熱制御方法。
- 再生器に配管した熱源流体供給管の制御弁を所定の低速度で開くスローオープン制御を行い、起動時の入熱を制限する吸収冷凍機において、前記吸収冷凍機を起動する際の制御弁の開度と起動後の経過時間との関係データを備え、前記制御弁を所定の開度までは一気に開き、前記所定の開度より開放された所定の開度まで、前記制御弁を所定の速度で速やかに開き、前記再生器の温度が所定の温度に達するまではその開度を維持し、前記再生器の温度が前記所定の温度を超えると前記制御弁を前記所定の速度より遅い所定の低速度で開くことを特徴とする起動時における吸収冷凍機の入熱方法。
- 再生器に配管した熱源流体供給管の制御弁を所定の低速度で開くスローオープン制御を行い、起動時の入熱を制限する吸収冷凍機において、前記吸収冷凍機を起動する際の制御弁の開度と起動後の経過時間との関係データを備え、前記制御弁を所定の開度までは一気に開き、前記所定の開度より開放された所定の開度まで、前記制御弁を所定の速度で速やかに開き、前記再生器の温度が所定の温度に達するまではその開度を維持し、前記再生器の温度が前記所定の温度を超えると前記制御弁を前記再生器の温度に基づいて前記所定の速度より遅い所定の低速度で開くことを特徴とする起動時における吸収冷凍機の入熱制御方法。
- 吸収器と凝縮器に流入する冷却水の温度に基づく補正係数を設定して備え、この補正係数に基づく四則演算などして前記冷却水の温度が低い程制御弁の開口速度が小さくなるように補正制御する請求項1〜4何れかに記載の起動時における吸収冷凍機の入熱制御方法。
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