JP3629640B2 - 鋳造用崩壊性砂中子の製造方法及びその砂中子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカスト法等の圧力鋳造に用いられる鋳造用崩壊性砂中子の製造方法及びその砂中子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばアルミニウム合金等の鋳造において、ダイカスト法等の溶湯を高速高圧で金型に充填する圧力鋳造法が広く用いられている。このダイカスト法を利用して、例えばシリンダヘッドやヘッドパイプ等の中空部分を有する製品を製造するには、高速高圧に耐える強度を有しかつ崩壊性の良い中子を用いなければならない。そこで、上記課題に着目した圧力鋳造用の砂中子の製造方法が種々発明されており、例えば、特開昭58−128245号公報や特開平8−300102号公報等に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭58−128245号公報には、有機バインダーを用いて砂中子を造型し、この砂中子表面に耐火物を混合したスラリーを塗布し乾燥させて第1のコーティング層を形成し、さらに第1のコーティング層表面に雲母水溶液を塗布し乾燥して第2のコーティング層を形成させる砂中子の製造方法が開示されている。この方法では、砂中子の保護のために耐火物とコロイダルシリカ等の無機物溶液で第1のコーティング層を塗膜し、第1のコーティング層に生じる微小なクラックに溶湯が差し込むのを防止し、同時に鋳物表面から砂中子を取り除きやすくするために第2のコーティング層が形成されている。しかしながら、2層形成しなければならず各層ごとに乾燥炉で10〜15分程度の時間をかけて乾燥するので乾燥の合計時間だけでも20分以上かかり、作業時間が長くなって量産効率が劣るものであった。また、乾燥炉が必要であるため設備コストや電力コストがかかり、さらに乾燥工程での工程管理が必要となって、結局、製品コストを高価なものとしていた。
【0004】
一方、図3は、特開平8−300102号公報における圧力鋳造用砂中子の製造工程のフローチャートを示している。図3に示すように、この方法では、砂中子を焼成し、フェノール樹脂エタノール溶液を、溶液が熱硬化するに十分な熱を砂中子がもっているうちに砂中子表面に塗布し、その後、砂中子が60〜100℃になったところで耐火物スラリーを塗布し、乾燥炉で乾燥させるようになっている。この方法では、耐火物と砂中子とが結合して鋳造後の砂中子の崩壊性が悪くなるのを防止するために砂中子の表面にフェノール樹脂を塗布しなければならなかった。しかしながら、耐火物スラリーからなるコーティング層を形成する前に砂中子にフェノール樹脂エタノール溶液を塗布するので気化熱により砂中子の温度が急激に下がり、後工程で塗布する耐火物スラリーを乾燥させるために乾燥炉を介して別途に強制乾燥工程を行なう必要があった。また、粘度が500〜2000cPと高いので砂中子の温度が高いとコーティング層の膜厚が厚く形成され砂中子の寸法精度が維持できないとともに、コーティング層表面を平滑に形成するためや、さらに中子の熱によりコーティング層に気泡が発生して鋳物製品に欠陥が生じるのを防ぐため等の理由で砂中子の温度を60〜100℃にして砂中子に耐火物スラリーを塗布しなければならなかった。したがって、耐火物スラリーを乾燥させるために乾燥炉を介して別途に強制乾燥工程を行なう必要があった。よって、乾燥炉の設備コストや電力コストがかかり、乾燥工程での管理が必要であった。さらに、乾燥時間が10〜20分かかるので作業時間が長く作業効率を低下させる要因となっていた。また、図3に示すように、この方法では、砂中子を焼成する工程、砂中子に樹脂を塗布する工程、耐火物スラリーを塗布する工程、120℃の乾燥炉内で乾燥する工程、と4つの工程が必要であり工程数が多いものであった。これにより、製造コストも高いものとなっていた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶湯流入時の高速高圧に十分耐える強度を有し、砂中子表面への溶湯の差し込みを防止でき、鋳造後の崩壊性も良く、さらに乾燥炉等の乾燥のための特殊な設備を必要とせず、作業工程数及び作業時間を大幅に短縮でき、量産効率を良好に保持でき、さらに、製造コストを低減させ得る鋳造用崩壊性砂中子の製造方法及びその砂中子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、溶湯を高速高圧で金型に対して充填させるダイカスト鋳造に用いられる砂中子の製造方法であり、粘結剤でおおわれた鋳物砂を焼成して砂中子を成形する第1の工程と、表面温度が120〜160℃の余熱を有する砂中子の表面に、微粉末耐火物と熱硬化性樹脂からなるコーティング溶液を塗布する第2の工程と、コーティング溶液塗布後に、さらに該砂中子の余熱でコーティング溶液を自然乾燥させてコーティング層を形成する第三の工程と、のみから構成されることを特徴とする鋳造用崩壊性砂中子の製造方法から構成される。
【0007】
その際、鋳物砂の粒度がAFS70以上であることとするとよい。
【0008】
また、微粉末耐火物の平均粒径が1μm以下であるとよい。
【0009】
また、コーティング溶液は、粘度が20〜55cPであり、余熱を有する砂中子をコーティング溶液中に2〜5秒間浸漬することにより砂中子表面に塗布するとよい。
【0010】
また、本発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法によって製造された鋳造用崩壊性砂中子から構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法の第1の実施の形態に係る概略製造工程を示しており、本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法は、高速高圧に耐える強度を有しかつ崩壊性の良い砂中子の製造方法であって、砂中子を焼成し、砂中子が余熱を持っているうちにコーティング溶液を塗布し、その砂中子の余熱でコーティング溶液を乾燥させてコーティング層を形成させる乾燥炉を必要としない鋳造用崩壊性砂中子の製造方法である。
【0012】
この実施形態において、鋳造用崩壊性砂中子の製造方法は、図1に示すように、砂中子焼成工程10と、コーティング溶液の塗布工程12と、コーティング溶液の乾燥工程14とからなる。
【0013】
砂中子焼成工程10では、粘結剤でおおわれた鋳物砂を焼成して所定形状の砂中子を造型する。鋳物砂は、例えば、ケイ砂、ジルコンサンド又はアルミナ等の鋳物砂が用いられる。この実施形態において、好適には、鋳物砂は粒度がAFS70以上のけい砂等、さらに好適には粒径が小さくて材料コストが安いアルバニー(商品名)を用いると良い。AFS70以下の鋳物砂を用いるとコーティング層を設定した膜厚で形成することが困難である。AFS70以上の鋳物砂を用いることにより、砂中子の表面に後述するコーティング溶液を塗布した際に、砂中子内部にコーティング溶液が不必要に浸透しすぎることがなく、コーティング層によって砂中子の崩壊性が悪くなるのを防止できるとともにコーティング層を設定した膜厚に形成できる。また、鋳造時の高速高圧の溶湯による中子の収縮を防止でき寸法精度のばらつきをおさえることができる。また、少量の粘結剤でも中子の強度を確保できるので製造コストを低減し得る。
【0014】
粘結剤は、例えば、フェノール樹脂、アクリル樹脂その他の熱硬化性樹脂が用いられる。鋳物砂に熱硬化性樹脂を混合してレジンコーテッドサンドとし、レジンコーテッドサンドを焼成して砂中子が造形される。熱硬化性樹脂は、熱により硬化して鋳物砂を結合して砂中子を成形させる。鋳造後には、例えばチッピングマシン等で容易に崩壊させることができる崩壊性の良い砂中子を形成できる。なお、鋳造後の砂中子の崩壊性を良くするためにレジンコーテッドサンドを形成するときに崩壊剤を添加しても良い。この実施形態において、砂中子の焼成方法は、例えば、ブローイング造型法等が用いられ、中子金型にレジンコーテッドサンドを空気とともに送り込んで300℃で約60秒焼成して砂中子を造型する。
【0015】
そして、砂中子表面へのコーティング溶液の塗布工程12では、焼成後の砂中子の表面温度が120〜160℃の余熱を有している間に砂中子表面にコーティング溶液を塗布する。コーティング溶液は、微粉末耐火物と熱硬化性樹脂とを混合させた溶液であり、乾燥して砂中子表面を覆って中子に溶湯が差し込むのを防止するとともに鋳造後に砂中子を崩壊させる際に剥離性が良いコーティング層を形成する。
【0016】
微粉末耐火物は、例えば、耐火度の高いジルコンフラワーやアルミナフラワー等が用いられる。なお、微粉末耐火物は、ジルコンフラワーやアルミナフラワーに限らずそれ以外の耐火度の高いものでも良い。好適には、微粉末耐火物の平均粒径が1μm以下のものを用いるとよい。これにより、コーティング工程において、槽内の耐火物スラリーに砂中子をディッピングする際、経時的にスラリー中の耐火物が沈殿して頻繁に攪拌作業を行うことなく、連続してコーティング作業を継続することができ、中子の量産性を確保することができる。また、コーティング層全体にわたり均等に耐火物が分布するから、クラッキングが生じにくいとともに溶湯がコーティング層表面に浸透するのを防止し、鋳造の最終工程で崩壊性及び剥離性を良好に維持できる。さらに、コーティング層形成時に表面が平滑化しやすくなるので平滑な表面の優れた鋳物製品を製造できる。
【0017】
この実施形態において、コーティング溶液の熱硬化性樹脂は、例えば、水溶性アルカリフェノール樹脂であり、耐火物と水とを混合した溶液に添加されてコーティング溶液とする。なお、コーティング溶液の熱硬化性樹脂は水溶性アルカリフェノール樹脂に限らず任意のものでもよい。水溶性アルカリフェノール樹脂は、熱により硬化してジルコンフラワー等の耐火物を砂中子表面に結着させるバインダーとして機能する。これにより、注湯されるときの高速高圧に耐える表面強度の高い砂中子が形成される。また、水溶性アルカリフェノール樹脂は、コーティング溶液の粘度調整剤としても作用する。耐圧性や製品の寸法精度の維持のために、コーティング層は層の厚さが約0.1〜0.4mmであるのが好ましく、その厚さの層を形成するためにはコーティング溶液の粘度が20〜55cP(0.02〜0.055Pa・s)に設定するのが好適である。コーティング溶液はpH9〜12の範囲でこの粘度になるので、耐火物と水とを混合した溶液中に0.5〜4.0重量%の水溶性アルカリフェノール樹脂を添加して粘度調整される。コーティング溶液の粘度が55cPより高いと、余熱を有した砂中子に塗布する際にその余熱で気泡が発生し、また液切れが悪く、塗りムラが大きくなるので、鋳造時に溶湯の差し込みや鋳肌表面が粗くなる原因となり鋳物製品の不良が生じる。なお、コーティング溶液中には、溶液が混ざりやすくするために界面活性剤を添加しても良い。また、コーティング溶液の攪拌による気泡発生を防止するために消泡剤を添加しても良い。
【0018】
砂中子の余熱は、前記したように砂中子の表面温度が120〜160℃の範囲が好適である。砂中子の表面温度が120℃より低い場合には、砂中子の余熱だけではコーティング溶液が完全に乾燥せずフェノール樹脂も硬化しないので、鋳造時に高速高圧で注入される溶湯に水分や圧力によって剥がれたコーティング層が巻き込み混入して鋳造製品の不良欠陥になる。それを防ぐためには結局、乾燥炉等の設備が必要となる。一方、砂中子の表面温度が160℃より高い場合には、コーティング溶液塗布時に砂中子の熱によりコーティング溶液内に気泡が発生し、砂中子表面の平滑さを損なうので、砂中子に溶湯が差し込んで剥離性が悪くなり鋳物表面に砂が張り付いて鋳物製品の欠陥が生じる。砂中子の表面温度が120〜160℃の範囲の場合では、砂中子の温度でコーティング層に気泡が発生することもなく、コーティング溶液塗布後は常温中に配置するだけでよく砂中子の余熱を利用して乾燥しコーティング層を硬化させる。
【0019】
この実施形態において、120〜160℃の表面温度の余熱を有した砂中子を上記の粘度20〜55cPに調整されたコーティング溶液中に2〜5秒間浸漬して塗布される。上記の粘度条件では、浸漬が2秒より短いとコーティング溶液が砂中子表面に十分に塗布されず、また、浸漬が5秒よりも長いとコーティング層が厚すぎて寸法精度がとれなかったりコーティング溶液が砂中子内部に不必要に浸透しすぎて鋳造後の崩壊性が悪くなるので2〜5秒間が好適である。なお、砂中子表面へのコーティング溶液の塗布は、浸漬に限らずスプレーや刷毛塗り等により塗布することとしてもよい。
【0020】
コーティング溶液の乾燥工程14では、乾燥手段は自然乾燥であり砂中子の余熱のみを利用してコーティング溶液を乾燥させてコーティング層を形成する。この実施形態において、コーティング塗布後、常温中に約5分程度で配置させておくだけで完全に乾燥する。したがって、乾燥炉などの設備を必要としないと同時に作業時間が短縮される。さらに、砂中子の表面のコーティング層は1層だけであるので、作業効率が良好である。
【0021】
図2は上記製造方法により製造された鋳造用崩壊性砂中子の一部の表面部分の断面拡大図を示している。砂中子は、フェノール樹脂等15を粘結剤とした鋳物砂16を焼成して造型した砂中子18の表面に、ジルコンフラワー等の微粉末耐火物20と水溶性アルカリフェノール樹脂とからなるコーティング層22が形成されている。なお、図2では、鋳物砂16がフェノール樹脂等15で結着された状態を一部分のみ示したが、実際には、フェノール樹脂等で砂粒間が結着される。
【0022】
【実施例】
次に、本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法の第1の実施例について説明する。鋳物砂として粒度AFS70以上のアルバニー(商品名)を用い、粘結剤として水溶性アルカリフェノール樹脂を用いたレジンコーテッドサンドを、300℃の金型で60秒間焼成して砂中子を造型した。そして、焼成後の砂中子の表面温度が120〜160℃の状態でその砂中子を、表1に示した材料を配合して十分に攪拌した粘度20〜55cP、pH9〜12のコーティング溶液中に2〜5秒間浸漬した後、砂中子を取り出した。その後、常温で自然乾燥させた。そして、コーティング溶液塗布後から約300秒後に砂中子の表面にコーティング層を形成させた。この砂中子を金型にセットし、ダイカストによって温度が690℃のアルミニウム合金溶湯を、鋳造圧力800kg/cm2、射出速度2.1m/sで鋳造した。鋳造後チッピングマシンにて砂出しを行った結果、約60秒で完全に砂は除去され、鋳肌への砂やコーティング層の張り付き残りはほとんどなく鋳物表面は平滑で優れたアルミ金属肌の製品が得られた。
【0023】
【表1】
Figure 0003629640
【0024】
次に、本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法の第2の実施例について説明する。第1の実施例と同様に、砂中子を造形し、表面温度が120〜160℃の砂中子を、表2に示した材料を配合して十分に攪拌した粘度20〜55cP、pH9〜12のコーティング溶液中に2〜5秒間浸漬した後、砂中子を取り出した。その後、常温で自然乾燥させ、コーティング溶液塗布後から約300秒後に砂中子の表面にコーティング層を形成させた。この砂中子を金型にセットし、ダイカストによって温度が690℃のアルミニウム合金溶湯を、鋳造圧力800kg/cm2、射出速度2.1m/sで鋳造した。鋳造後チッピングマシンにて砂出しを行った結果、約60秒で完全に砂は除去され、鋳肌への砂やコーティング層の張り付き残りはほとんどなく鋳物表面は平滑で優れたアルミ金属肌の製品が得られた。
【0025】
【表2】
Figure 0003629640
【0026】
本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法及びその砂中子は上記した実施例に限定されるものではなく特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において任意の改変を加えてもよい。
【0027】
【発明の効果】
上記したように本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法によれば、粘結剤でおおわれた鋳物砂を焼成して砂中子を成形し、表面温度が120〜160℃の余熱を有する砂中子の表面に、微粉末耐火物と熱硬化性樹脂からなるコーティング溶液を塗布し、コーティング溶液塗布後に、さらに該砂中子の余熱でコーティング溶液を乾燥させてコーティング層を形成する構成であるから、ダイカスト法等の圧力鋳造で注湯時に高速高圧に耐える強度を有しかつ中子表面に溶湯が差し込むことなく、鋳造後の崩壊性が良い砂中子を製造できるとともに中子の製造工程は、砂中子を焼成する工程、コーティング溶液を塗布する工程、乾燥する工程だけであり、工程数が少なくしかもコーティング層の形成は1層のみであるので作業労力が軽減され低コストで砂中子を製造できる。さらに、焼成後の砂中子の表面温度が120〜160℃の余熱を利用してコーティング溶液を乾燥させるので、乾燥炉等の乾燥のための設備を必要としないとともに非常に短時間で完全に乾燥させることができ、作業時間を短縮して製造効率を良好にし、砂中子を低コストで製造することができる。
【0028】
また、乾燥における乾燥手段は、自然乾燥であることから、乾燥炉等の乾燥のための設備を設ける必要がなく、設備コスト、電力コストまたは設備管理における人員コスト等を含む運転コストを削減できる。
【0029】
また、鋳物砂の粒度がAFS70以上であることから、コーティング溶液が砂中子内部に不必要に浸透しすぎるのを防ぎ、鋳造後の崩壊性が悪くなるのを防止できる。また、コーティング層を適度の膜厚に形成することができる。また、圧力鋳造時による中子の収縮を防止でき寸法精度を維持できる。また、粘結剤を少量にしても砂中子の強度を確保できる。
【0030】
また、微粉末耐火物の平均粒径が1μm以下であることから、コーティング工程において、槽内の耐火物スラリーに砂中子をディッピングする際、経時的にスラリー中の耐火物が沈殿して頻繁に攪拌作業を行うことなく、連続してコーティング作業を継続することができ、中子の量産性を確保することができる。さらに、コーティング層形成時に表面にクラックが生じにくいので、溶湯の差し込みを防止でき、砂中子崩壊後には、砂やコーティング層の張り付きがほとんどない平滑な鋳肌の鋳物製品を鋳造することができる砂中子を製造することができる。
【0031】
また、コーティング溶液は、粘度が20〜55cPであり、余熱を有する砂中子をコーティング溶液中に2〜5秒間浸漬することにより砂中子表面に塗布することから、余熱を有する砂中子をコーティング溶液中に浸漬してもコーティング溶液に気泡が発生することなく、所定の厚さのコーティング層を形成することができる。また、コーティング溶液が砂中子内部に浸透しすぎることもなく鋳造後の砂中子の良好な崩壊性を維持できる。
【0032】
さらに、本発明の砂中子によれば、上記した鋳造用崩壊性砂中子の製造方法によって製造された鋳造用崩壊性砂中子であるから、ダイカスト法等の圧力鋳造で溶湯を注湯するときの高速高圧に耐える強度を有し、中子表面に溶湯が差し込むのを防止でき、鋳造後の崩壊性の良い砂中子であるとともに低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法の実施形態に係る製造工程を示すフローチャート図である。
【図2】図1の製造工程により製造された鋳造用崩壊性砂中子の表面部分の一部断面拡大図である。
【図3】従来の圧力鋳造用砂中子の製造工程を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
10 砂中子焼成工程
12 コーティング溶液の塗布工程
14 コーティング溶液の乾燥工程
16 鋳物砂
18 砂中子
20 微粉末耐火物
22 コーティング層

Claims (5)

  1. 溶湯を高速高圧で金型に対して充填させるダイカスト鋳造に用いられる砂中子の製造方法であり、
    粘結剤でおおわれた鋳物砂を焼成して砂中子を成形する第1の工程と
    表面温度が120〜160℃の余熱を有する砂中子の表面に、微粉末耐火物と熱硬化性樹脂からなるコーティング溶液を塗布する第2の工程と
    コーティング溶液塗布後に、さらに該砂中子の余熱でコーティング溶液を自然乾燥させてコーティング層を形成する第三の工程と、のみから構成されることを特徴とする鋳造用崩壊性砂中子の製造方法。
  2. 鋳物砂の粒度がAFS70以上であることを特徴とする請求項1記載の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法。
  3. 微粉末耐火物の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法。
  4. コーティング溶液は、粘度が20〜55cPであり、余熱を有する砂中子をコーティング溶液中に2〜5秒間浸漬することにより砂中子表面に塗布することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法によって製造された鋳造用崩壊性砂中子
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