JP3629581B2 - バーコード読取装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は撮像素子（イメージセンサ）を用いたバーコード読取装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
撮像素子を用いたバーコード読取装置では、たとえばＬＥＤ（発光ダイオード）アレイにより測定対象となるバーコードの一端から他端に渡って光を同時に照射し、その反射光をたとえばＣＣＤ（電荷結合素子）イメージセンサにより同時に受光して電気信号に変換し、その電気信号を数値化して解析することによりバーコード情報を読み取る。このような読取動作を、所定の終了条件が満たされるまで繰り返し行う。以下、１回の読出動作を１走査と呼ぶ。
【０００３】
読取動作の周波数（単位時間当たりの走査回数）が高いほど処理速度は速くなる。その反面、バーコードが撮像素子に結像される時間は単位時間当たりの走査回数に反比例するので、単位時間当たりの走査回数が多くなるほど各走査ごとに得られる受光量が少なくなり、読取率（読取動作の回数に対する読み取りができた回数の割合）が低くなる。この単位時間当たりの走査回数は、各バーコード読取装置のハードウエア構成により固定的に定められている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、撮像素子を用いたバーコード読取装置においては、バーコードの全体に渡って光が同時に照射され、この反射光が所定時間の間受光されるので、測定中にバーコードが移動するとバーコード情報を正確に読み取ることができない。そのため、このようなバーコード読取装置を用いて正確にバーコード情報を読み取るためには、バーコードラベルが付された物体をできるだけ静止させる必要がある。
【０００５】
しかしながら、工場の生産ライン等において、移動する物体に付されたバーコードを撮像素子を用いた小型のバーコード読取装置で正確に測定することが要望されている。そこで、バーコードがイメージセンサに結像される時間よりも短い時間幅だけＬＥＤをパルス点灯させることにより移動するバーコードを測定する方法が提案されている。
【０００６】
この場合、ＬＥＤの点灯時間が短いほどバーコードの移動の影響が少なくなる。その反面、バーコード上に照射される光の量が少なくなるので読取率が低下する。そこで、ＬＥＤの点灯時間は、各バーコード読取装置の使用目的に応じてハードウエア構成により適当な値に固定的に定められている。
【０００７】
しかしながら、測定対象となるバーコードの移動の有無やバーコードの移動速度、測定距離等の使用状況により最良の走査回数およびＬＥＤの点灯時間が異なる。したがって、ユーザが使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報を読み取れることが望まれている。
【０００８】
本発明の目的は、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報を読み取ることができるバーコード読取装置を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るバーコード読取装置は、読取対象となるバーコードに光を照射する投光手段と、投光手段により光が照射されたバーコードからの反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子から出力される電気信号を二値化データに変換する二値化手段と、二値化手段により得られた二値化データを解析してバーコード情報を読み取る解析手段と、撮像素子の測定時の動作周波数を予め設定し使用状況に応じて調整することが可能な動作周波数設定手段と、動作周波数設定手段により調整された測定時の動作周波数で撮像素子を駆動する撮像制御手段とを備え、動作周波数設定手段が、外部装置から測定時の動作周波数を受信可能な通信回路と、通信回路を介して入力される前記測定時の動作周波数を記憶するための記憶手段とから構成される。
【００１１】
本発明に係るバーコード読取装置は、さらに、撮像素子を、測定前には測定時の動作周波数以上の所定の動作周波数で駆動し、測定開始後には前記撮像素子の動作周波数を動作周波数設定手段により調整された測定時の動作周波数に切り替えて駆動するように構成されることを特徴とする。
【００１２】
本発明に係るバーコード読取装置は、さらに、通信回路により受信したコマンドが測定時の動作周波数を設定するコマンドであるか否かを判定する判定手段と、判定手段により測定時の動作周波数を設定するコマンドであると判定された場合には、通信回路を介して入力される測定時の動作周波数を前記記憶手段に書き込む書込手段と、を備えたことを特徴とする。
【００１３】
本発明に係るバーコード読取装置は、読取対象となるバーコードに光を照射する投光手段と、投光手段により光が照射されたバーコードからの反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子から出力される電気信号を二値化データに変換する二値化手段と、二値化手段により得られた二値化データを解析してバーコード情報を読み取る解析手段と、投光手段による光照射の時間を予め設定し使用状況に応じて調整することが可能な照射時間設定手段と、撮像素子、二値化手段および解析手段による読取動作を繰り返し行うとともに、各読取動作ごとに、照射時間設定手段により設定された時間の間、投光手段による光照射を行う投光制御手段とを備え、照射時間設定手段が、外部装置から照射時間を受信可能な通信回路と、通信回路を介して入力される照射時間を記憶するための記憶手段とから構成されることを特徴とする。
【００１４】
本発明に係るバーコード読取装置は、さらに、通信回路により受信したコマンドが照射時間を設定するコマンドであるか否かを判定する判定手段と、判定手段により照射時間を設定するコマンドであると判定された場合には、通信回路を介して入力される照射時間を記憶手段に書き込む書込手段と、を備えたことを特徴とする。
【００１５】
【作用】
本発明に係るバーコード読取装置においては、読取対象となるバーコードに光が照射され、その反射光が受光されて電気信号に変換され、さらに電気信号が二値化データに変換される。そして、二値化データが解析されてバーコード情報が読み取られる。この読取動作は、所定の終了条件が満たされるまで繰り返し行われる。
【００１６】
特に、本発明に係るバーコード読取装置においては、撮像素子の動作周波数を動作周波数設定手段によって予め任意に設定することができる。それにより、測定中には、撮像素子が設定された動作周波数で駆動される。したがって、ユーザは、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りができるように撮像素子の動作周波数を調整することが可能となる。
【００１７】
また、本発明に係るバーコード読取装置においては、撮像素子の第１の動作周波数を動作周波数設定手段によって任意に設定することができるとともに、測定前には撮像素子が第１の動作周波数以上の第２の動作周波数で駆動され、測定開始後には撮像素子の動作周波数が設定された第１の動作周波数に切り替えられる。したがって、ユーザは、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りができるように撮像素子の動作周波数を調整することが可能になり、かつ測定開始前に撮像素子が高い動作周波数で駆動されているので、測定開始の指令から測定開始までの時間が短くなり、迅速に測定を開始することができる。
【００１８】
さらに、本発明に係るバーコード読取装置においては、投光手段による光照射の時間を照射時間設定手段によって予め任意に設定することができる。これにより、各読取動作ごとに、設定された時間の間バーコードに光が照射される。したがって、ユーザは、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りができるようにバーコードへの光照射の時間を調整することが可能となる。
【００１９】
【実施例】
図１は本発明の一実施例によるバーコード読取装置の構成を示すブロック図である。図１において、投光用ＬＥＤ駆動回路１、二値化信号処理回路２、ＬＥＤ点灯回路３、ブザー発生回路４、ＣＣＤ駆動用制御回路５、ＣＰＵ（中央演算処理装置）６、ＲＯＭ（リードオンリメモリ）７およびＲＡＭ（ランダムアクセスメモリ）８は、ワンチップマイクロコンピュータ９により構成される。
【００２０】
投光用ＬＥＤ駆動回路１は、ドライバ１０を介して投光用ＬＥＤアレイ１１を駆動する。投光用ＬＥＤアレイ１１から出射された光は投光用レンズ１２を通してバーコード３０に照射される。バーコード３０からの反射光は受光用レンズ１３を通して鏡１４により反射され、ＣＣＤイメージセンサ１５により受光される。このＣＣＤイメージセンサ１５はＣＣＤ駆動用制御回路５により駆動される。
【００２１】
ＣＣＤイメージセンサ１５は、受光した光を電気信号に変換する。ＣＣＤイメージセンサ１５から出力される電気信号は増幅器１６を介して二値化回路１７に与えられる。二値化回路１７は増幅された電気信号を二値化信号に変換する。二値化回路１７から出力される二値化信号はＤＭＡ（ダイレクトメモリアクセス）等の方法で二値化データとして順次ＲＡＭ８に取り込まれる。二値化信号処理回路２は、ＲＡＭ８に記憶された二値化データを解析（復号）し、バーコード情報を読み取る。
【００２２】
ＬＥＤ点灯回路３は、二値化信号処理回路２によるバーコード情報の読取状態を表示するためにＬＥＤ１８，１９を点灯をさせる。ＬＥＤ１８はバーコード情報の読取の有無を表示する。ＬＥＤ１９はバーコード情報の読取の安定性を表示する。ブザー発生回路４は、二値化信号処理回路２によりバーコード情報が読み取られたときにブザー２０を鳴らす。
【００２３】
ＣＰＵ６はＲＯＭ７に格納される制御プログラムに従ってワンチップマイクロコンピュータ９内の各部を制御をする。
ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ ； 電気的に消去・書込み可能リードオンリメモリ） ２１には、１秒当たりの走査回数（以下、走査回数と略記する）およびＬＥＤ点灯パルス幅の設定値が設定値テーブルとして保存される。通信回路２２は、外部装置から与えられる種々のコマンドを受信してＣＰＵ６に与えるとともに二値化信号処理回路２によるバーコード情報の読取結果を外部装置に送信する。
【００２４】
本実施例では、投光用ＬＥＤアレイ１１が投光手段を構成し、ＣＣＤイメージセンサ１５が撮像素子を構成し、二値化回路１７が二値化手段を構成する。また、二値化信号処理回路２が解析手段を構成し、ＥＥＰＲＯＭ２１および通信回路２２が動作周波数設定手段および照射時間設定手段を構成し、投光用ＬＥＤ駆動回路１、ＣＣＤ駆動用制御回路５およびＣＰＵ６が制御手段を構成する。
【００２５】
図２は図１のバーコード読取装置における各部の信号波形図である。
図２において、読出ゲートパルス信号ＲＧおよびＣＣＤクロック信号ＣＫは、ＣＣＤ駆動制御信号ＣＤとしてＣＣＤ駆動用制御回路５からＣＣＤイメージセンサ１５に与えられる。また、ＬＥＤ点灯パルス信号ＬＰは、投光用ＬＥＤ駆動回路１からドライバ１０を介して投光用ＬＥＤアレイ１１に与えられる。
【００２６】
読出ゲートパルス信号ＲＧのパルス間隔が１走査時間となり、ＬＥＤ点灯パルス信号ＬＰのパルス幅が光照射の時間となる。非測定時には、走査回数が最高値に設定され、走査時間Ｓ０が最短時間に固定される。それにより、ＣＣＤイメージセンサ１５が最大動作周波数で駆動される。また、非測定時には、ＬＥＤ点灯パルス信号ＬＰのパルス幅Ｗ０が予め定められた値に固定されている。
【００２７】
測定開始用トリガー信号ＴＲが与えられると、読出ゲートパルス信号ＲＧの次のパルスの発生時に測定が開始される。測定時には、読出ゲートパルス信号ＲＧおよびＣＣＤクロック信号ＣＫの走査時間Ｓ１およびＬＥＤ点灯パルス信号ＬＰのパルス幅（ＬＥＤ点灯パルス幅）Ｗ１がそれぞれ設定値に変更される。
【００２８】
このように、測定開始前にＣＣＤイメージセンサ１５が最大動作周波数で駆動されているので、トリガー信号ＴＲの入力から測定開始までの時間が最短となり、迅速に測定が開始される。
【００２９】
次に、図３のフローチャートを参照しながら本実施例のバーコード読取装置におけるユーザ設定処理を説明する。
まず、通信回路２２を介してコマンドが入力されると（ステップＳ１）、ＣＰＵ６は、そのコマンドが走査回数設定コマンドであるか否かを判定する（ステップＳ２）。走査回数設定コマンドの場合には、走査回数設定コマンドとともに通信回路２２を介して入力される走査回数の設定値をＲＡＭ８内の設定値テーブルに書き込む（ステップＳ３）。
【００３０】
入力されたコマンドが走査回数設定コマンドでない場合には、そのコマンドがＬＥＤ点灯パルス幅設定コマンドであるか否かを判定する（ステップＳ４）。ＬＥＤ点灯パルス幅設定コマンドの場合には、そのＬＥＤ点灯パルス幅設定コマンドとともに通信回路２２を介して入力されるＬＥＤ点灯パルス幅の設定値をＲＡＭ８内の設定値テーブルに書き込む（ステップＳ５）。
【００３１】
入力されたコマンドがＬＥＤ点灯パルス幅設定コマンドでない場合には、そのコマンドがセーブコマンドであるか否かを判定する（ステップＳ６）。セーブコマンドの場合には、ＲＡＭ８内の設定値テーブルの各値をＥＥＰＲＯＭ２１に書き込む（ステップＳ７）。
【００３２】
入力されたコマンドがその他のコマンドである場合には（ステップＳ８）、各コマンドに対応する処理を実行する（ステップＳ９）。
このようにして、ＥＥＰＲＯＭ２１に走査回数の設定値およびＬＥＤ点灯パルス幅の設定値が設定値テーブルとして保存される。
【００３３】
次に、図４のフローチャートを参照しながら本実施例のバーコード読取装置における通常運転の動作を説明する。
まず、ＣＰＵ６はＥＥＰＲＯＭ２１から設定値テーブルの値をＲＡＭ８に読み込む（ステップＳ１０）。ＣＣＤ駆動用制御回路５は、ＣＣＤイメージセンサ１５を最大動作周波数で駆動する（ステップＳ１１）。そして、所定の測定開始条件が満たされるまで待機する（ステップＳ１２）。ここで、所定の測定開始条件とはたとえば外部から測定開始用トリガー信号ＴＲが与えられるか通信回路２２を介して測定開始コマンドが与えられることである。
【００３４】
測定開始条件が満たされると、ＣＰＵ６はＬＥＤ点灯パルス幅および走査回数の設定値をＲＡＭ８内の設定値テーブルから読み込む（ステップＳ１３）。それにより、投光用ＬＥＤ駆動回路９が、ドライバ１０を介して投光用ＬＥＤアレイ１１をＬＥＤ点灯パルス幅の設定値に応じて点灯させる（ステップＳ１４）。また、ＣＣＤ駆動用制御回路５が、ＣＣＤ駆動制御信号ＣＤの出力間隔を走査回数の設定値に応じて変更する（ステップＳ１５）。
【００３５】
このようにして、所定の測定終了条件が満たされるまで（ステップＳ１６）、ステップＳ１４，Ｓ１５の読取動作を繰り返す。ここで、所定の測定終了条件とは、たとえば２回同じバーコード情報が読み取られたことまたは通信回路２２を介して測定終了コマンドが与えられたことである。
【００３６】
このように、本実施例のバーコード読取装置においては、走査回数およびＬＥＤ点灯パルス幅を任意に設定することができるので、ユーザが使用状況に応じて最良の処理速度および最良の読取率でバーコード情報の読み取りができるようにこれらの値を調整することが可能となる。
【００３７】
また、測定前にＣＣＤイメージセンサ１５が最大動作周波数で駆動されているので、測定開始用トリガー信号ＴＲが入力されたときに迅速に設定された走査回数およびＬＥＤ点灯パルス幅でバーコード情報の読取動作を開始することができる。
【００３８】
さらに、本実施例のバーコード読取装置においては、投光用ＬＥＤ駆動回路１、二値化信号処理回路２、ＬＥＤ点灯回路３、ブザー発生回路４およびＣＣＤ駆動用制御回路５がワンチップマイクロコンピュータ９内に内蔵されているので、小型化が図られる。
【００３９】
【発明の効果】
本発明によれば、撮像素子の動作周波数を動作周波数設定手段により任意に設定することができるので、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りを行うことができる。
【００４０】
本発明によれば、撮像素子の第１の動作周波数を動作周波数設定手段により任意に設定することができ、かつ測定前に撮像素子が第１の動作周波数以上の第２の動作周波数で駆動され、測定開始後に撮像素子の動作周波数が設定された第１の動作周波数に切り替えられるので、ユーザが使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りを行うことができるとともに測定開始の指令から測定開始までの時間が最短となり、迅速にバーコードの測定を開始することができる。
【００４１】
本発明によれば、バーコードへの光照射の時間を照射時間設定手段により任意に設定することができるので、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例によるバーコード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図２】図１のバーコード読取装置における各部の波形図である。
【図３】図１のバーコード読取装置におけるユーザ設定処理を示すフローチャートである。
【図４】図１のバーコード読取装置における通常運転時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１ 投光用ＬＥＤ駆動回路
２ 二値化信号処理回路
５ ＣＣＤ駆動用制御回路
６ ＣＰＵ
８ ＲＡＭ
９ ワンチップマイクロコンピュータ
１１ ＬＥＤアレイ
１５ ＣＣＤイメージセンサ
１７ 二値化回路
２１ ＥＥＰＲＯＭ
２２ 通信回路
３０ バーコード
【産業上の利用分野】
本発明は撮像素子（イメージセンサ）を用いたバーコード読取装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
撮像素子を用いたバーコード読取装置では、たとえばＬＥＤ（発光ダイオード）アレイにより測定対象となるバーコードの一端から他端に渡って光を同時に照射し、その反射光をたとえばＣＣＤ（電荷結合素子）イメージセンサにより同時に受光して電気信号に変換し、その電気信号を数値化して解析することによりバーコード情報を読み取る。このような読取動作を、所定の終了条件が満たされるまで繰り返し行う。以下、１回の読出動作を１走査と呼ぶ。
【０００３】
読取動作の周波数（単位時間当たりの走査回数）が高いほど処理速度は速くなる。その反面、バーコードが撮像素子に結像される時間は単位時間当たりの走査回数に反比例するので、単位時間当たりの走査回数が多くなるほど各走査ごとに得られる受光量が少なくなり、読取率（読取動作の回数に対する読み取りができた回数の割合）が低くなる。この単位時間当たりの走査回数は、各バーコード読取装置のハードウエア構成により固定的に定められている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、撮像素子を用いたバーコード読取装置においては、バーコードの全体に渡って光が同時に照射され、この反射光が所定時間の間受光されるので、測定中にバーコードが移動するとバーコード情報を正確に読み取ることができない。そのため、このようなバーコード読取装置を用いて正確にバーコード情報を読み取るためには、バーコードラベルが付された物体をできるだけ静止させる必要がある。
【０００５】
しかしながら、工場の生産ライン等において、移動する物体に付されたバーコードを撮像素子を用いた小型のバーコード読取装置で正確に測定することが要望されている。そこで、バーコードがイメージセンサに結像される時間よりも短い時間幅だけＬＥＤをパルス点灯させることにより移動するバーコードを測定する方法が提案されている。
【０００６】
この場合、ＬＥＤの点灯時間が短いほどバーコードの移動の影響が少なくなる。その反面、バーコード上に照射される光の量が少なくなるので読取率が低下する。そこで、ＬＥＤの点灯時間は、各バーコード読取装置の使用目的に応じてハードウエア構成により適当な値に固定的に定められている。
【０００７】
しかしながら、測定対象となるバーコードの移動の有無やバーコードの移動速度、測定距離等の使用状況により最良の走査回数およびＬＥＤの点灯時間が異なる。したがって、ユーザが使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報を読み取れることが望まれている。
【０００８】
本発明の目的は、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報を読み取ることができるバーコード読取装置を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るバーコード読取装置は、読取対象となるバーコードに光を照射する投光手段と、投光手段により光が照射されたバーコードからの反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子から出力される電気信号を二値化データに変換する二値化手段と、二値化手段により得られた二値化データを解析してバーコード情報を読み取る解析手段と、撮像素子の測定時の動作周波数を予め設定し使用状況に応じて調整することが可能な動作周波数設定手段と、動作周波数設定手段により調整された測定時の動作周波数で撮像素子を駆動する撮像制御手段とを備え、動作周波数設定手段が、外部装置から測定時の動作周波数を受信可能な通信回路と、通信回路を介して入力される前記測定時の動作周波数を記憶するための記憶手段とから構成される。
【００１１】
本発明に係るバーコード読取装置は、さらに、撮像素子を、測定前には測定時の動作周波数以上の所定の動作周波数で駆動し、測定開始後には前記撮像素子の動作周波数を動作周波数設定手段により調整された測定時の動作周波数に切り替えて駆動するように構成されることを特徴とする。
【００１２】
本発明に係るバーコード読取装置は、さらに、通信回路により受信したコマンドが測定時の動作周波数を設定するコマンドであるか否かを判定する判定手段と、判定手段により測定時の動作周波数を設定するコマンドであると判定された場合には、通信回路を介して入力される測定時の動作周波数を前記記憶手段に書き込む書込手段と、を備えたことを特徴とする。
【００１３】
本発明に係るバーコード読取装置は、読取対象となるバーコードに光を照射する投光手段と、投光手段により光が照射されたバーコードからの反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子と、撮像素子から出力される電気信号を二値化データに変換する二値化手段と、二値化手段により得られた二値化データを解析してバーコード情報を読み取る解析手段と、投光手段による光照射の時間を予め設定し使用状況に応じて調整することが可能な照射時間設定手段と、撮像素子、二値化手段および解析手段による読取動作を繰り返し行うとともに、各読取動作ごとに、照射時間設定手段により設定された時間の間、投光手段による光照射を行う投光制御手段とを備え、照射時間設定手段が、外部装置から照射時間を受信可能な通信回路と、通信回路を介して入力される照射時間を記憶するための記憶手段とから構成されることを特徴とする。
【００１４】
本発明に係るバーコード読取装置は、さらに、通信回路により受信したコマンドが照射時間を設定するコマンドであるか否かを判定する判定手段と、判定手段により照射時間を設定するコマンドであると判定された場合には、通信回路を介して入力される照射時間を記憶手段に書き込む書込手段と、を備えたことを特徴とする。
【００１５】
【作用】
本発明に係るバーコード読取装置においては、読取対象となるバーコードに光が照射され、その反射光が受光されて電気信号に変換され、さらに電気信号が二値化データに変換される。そして、二値化データが解析されてバーコード情報が読み取られる。この読取動作は、所定の終了条件が満たされるまで繰り返し行われる。
【００１６】
特に、本発明に係るバーコード読取装置においては、撮像素子の動作周波数を動作周波数設定手段によって予め任意に設定することができる。それにより、測定中には、撮像素子が設定された動作周波数で駆動される。したがって、ユーザは、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りができるように撮像素子の動作周波数を調整することが可能となる。
【００１７】
また、本発明に係るバーコード読取装置においては、撮像素子の第１の動作周波数を動作周波数設定手段によって任意に設定することができるとともに、測定前には撮像素子が第１の動作周波数以上の第２の動作周波数で駆動され、測定開始後には撮像素子の動作周波数が設定された第１の動作周波数に切り替えられる。したがって、ユーザは、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りができるように撮像素子の動作周波数を調整することが可能になり、かつ測定開始前に撮像素子が高い動作周波数で駆動されているので、測定開始の指令から測定開始までの時間が短くなり、迅速に測定を開始することができる。
【００１８】
さらに、本発明に係るバーコード読取装置においては、投光手段による光照射の時間を照射時間設定手段によって予め任意に設定することができる。これにより、各読取動作ごとに、設定された時間の間バーコードに光が照射される。したがって、ユーザは、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りができるようにバーコードへの光照射の時間を調整することが可能となる。
【００１９】
【実施例】
図１は本発明の一実施例によるバーコード読取装置の構成を示すブロック図である。図１において、投光用ＬＥＤ駆動回路１、二値化信号処理回路２、ＬＥＤ点灯回路３、ブザー発生回路４、ＣＣＤ駆動用制御回路５、ＣＰＵ（中央演算処理装置）６、ＲＯＭ（リードオンリメモリ）７およびＲＡＭ（ランダムアクセスメモリ）８は、ワンチップマイクロコンピュータ９により構成される。
【００２０】
投光用ＬＥＤ駆動回路１は、ドライバ１０を介して投光用ＬＥＤアレイ１１を駆動する。投光用ＬＥＤアレイ１１から出射された光は投光用レンズ１２を通してバーコード３０に照射される。バーコード３０からの反射光は受光用レンズ１３を通して鏡１４により反射され、ＣＣＤイメージセンサ１５により受光される。このＣＣＤイメージセンサ１５はＣＣＤ駆動用制御回路５により駆動される。
【００２１】
ＣＣＤイメージセンサ１５は、受光した光を電気信号に変換する。ＣＣＤイメージセンサ１５から出力される電気信号は増幅器１６を介して二値化回路１７に与えられる。二値化回路１７は増幅された電気信号を二値化信号に変換する。二値化回路１７から出力される二値化信号はＤＭＡ（ダイレクトメモリアクセス）等の方法で二値化データとして順次ＲＡＭ８に取り込まれる。二値化信号処理回路２は、ＲＡＭ８に記憶された二値化データを解析（復号）し、バーコード情報を読み取る。
【００２２】
ＬＥＤ点灯回路３は、二値化信号処理回路２によるバーコード情報の読取状態を表示するためにＬＥＤ１８，１９を点灯をさせる。ＬＥＤ１８はバーコード情報の読取の有無を表示する。ＬＥＤ１９はバーコード情報の読取の安定性を表示する。ブザー発生回路４は、二値化信号処理回路２によりバーコード情報が読み取られたときにブザー２０を鳴らす。
【００２３】
ＣＰＵ６はＲＯＭ７に格納される制御プログラムに従ってワンチップマイクロコンピュータ９内の各部を制御をする。
ＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ ； 電気的に消去・書込み可能リードオンリメモリ） ２１には、１秒当たりの走査回数（以下、走査回数と略記する）およびＬＥＤ点灯パルス幅の設定値が設定値テーブルとして保存される。通信回路２２は、外部装置から与えられる種々のコマンドを受信してＣＰＵ６に与えるとともに二値化信号処理回路２によるバーコード情報の読取結果を外部装置に送信する。
【００２４】
本実施例では、投光用ＬＥＤアレイ１１が投光手段を構成し、ＣＣＤイメージセンサ１５が撮像素子を構成し、二値化回路１７が二値化手段を構成する。また、二値化信号処理回路２が解析手段を構成し、ＥＥＰＲＯＭ２１および通信回路２２が動作周波数設定手段および照射時間設定手段を構成し、投光用ＬＥＤ駆動回路１、ＣＣＤ駆動用制御回路５およびＣＰＵ６が制御手段を構成する。
【００２５】
図２は図１のバーコード読取装置における各部の信号波形図である。
図２において、読出ゲートパルス信号ＲＧおよびＣＣＤクロック信号ＣＫは、ＣＣＤ駆動制御信号ＣＤとしてＣＣＤ駆動用制御回路５からＣＣＤイメージセンサ１５に与えられる。また、ＬＥＤ点灯パルス信号ＬＰは、投光用ＬＥＤ駆動回路１からドライバ１０を介して投光用ＬＥＤアレイ１１に与えられる。
【００２６】
読出ゲートパルス信号ＲＧのパルス間隔が１走査時間となり、ＬＥＤ点灯パルス信号ＬＰのパルス幅が光照射の時間となる。非測定時には、走査回数が最高値に設定され、走査時間Ｓ０が最短時間に固定される。それにより、ＣＣＤイメージセンサ１５が最大動作周波数で駆動される。また、非測定時には、ＬＥＤ点灯パルス信号ＬＰのパルス幅Ｗ０が予め定められた値に固定されている。
【００２７】
測定開始用トリガー信号ＴＲが与えられると、読出ゲートパルス信号ＲＧの次のパルスの発生時に測定が開始される。測定時には、読出ゲートパルス信号ＲＧおよびＣＣＤクロック信号ＣＫの走査時間Ｓ１およびＬＥＤ点灯パルス信号ＬＰのパルス幅（ＬＥＤ点灯パルス幅）Ｗ１がそれぞれ設定値に変更される。
【００２８】
このように、測定開始前にＣＣＤイメージセンサ１５が最大動作周波数で駆動されているので、トリガー信号ＴＲの入力から測定開始までの時間が最短となり、迅速に測定が開始される。
【００２９】
次に、図３のフローチャートを参照しながら本実施例のバーコード読取装置におけるユーザ設定処理を説明する。
まず、通信回路２２を介してコマンドが入力されると（ステップＳ１）、ＣＰＵ６は、そのコマンドが走査回数設定コマンドであるか否かを判定する（ステップＳ２）。走査回数設定コマンドの場合には、走査回数設定コマンドとともに通信回路２２を介して入力される走査回数の設定値をＲＡＭ８内の設定値テーブルに書き込む（ステップＳ３）。
【００３０】
入力されたコマンドが走査回数設定コマンドでない場合には、そのコマンドがＬＥＤ点灯パルス幅設定コマンドであるか否かを判定する（ステップＳ４）。ＬＥＤ点灯パルス幅設定コマンドの場合には、そのＬＥＤ点灯パルス幅設定コマンドとともに通信回路２２を介して入力されるＬＥＤ点灯パルス幅の設定値をＲＡＭ８内の設定値テーブルに書き込む（ステップＳ５）。
【００３１】
入力されたコマンドがＬＥＤ点灯パルス幅設定コマンドでない場合には、そのコマンドがセーブコマンドであるか否かを判定する（ステップＳ６）。セーブコマンドの場合には、ＲＡＭ８内の設定値テーブルの各値をＥＥＰＲＯＭ２１に書き込む（ステップＳ７）。
【００３２】
入力されたコマンドがその他のコマンドである場合には（ステップＳ８）、各コマンドに対応する処理を実行する（ステップＳ９）。
このようにして、ＥＥＰＲＯＭ２１に走査回数の設定値およびＬＥＤ点灯パルス幅の設定値が設定値テーブルとして保存される。
【００３３】
次に、図４のフローチャートを参照しながら本実施例のバーコード読取装置における通常運転の動作を説明する。
まず、ＣＰＵ６はＥＥＰＲＯＭ２１から設定値テーブルの値をＲＡＭ８に読み込む（ステップＳ１０）。ＣＣＤ駆動用制御回路５は、ＣＣＤイメージセンサ１５を最大動作周波数で駆動する（ステップＳ１１）。そして、所定の測定開始条件が満たされるまで待機する（ステップＳ１２）。ここで、所定の測定開始条件とはたとえば外部から測定開始用トリガー信号ＴＲが与えられるか通信回路２２を介して測定開始コマンドが与えられることである。
【００３４】
測定開始条件が満たされると、ＣＰＵ６はＬＥＤ点灯パルス幅および走査回数の設定値をＲＡＭ８内の設定値テーブルから読み込む（ステップＳ１３）。それにより、投光用ＬＥＤ駆動回路９が、ドライバ１０を介して投光用ＬＥＤアレイ１１をＬＥＤ点灯パルス幅の設定値に応じて点灯させる（ステップＳ１４）。また、ＣＣＤ駆動用制御回路５が、ＣＣＤ駆動制御信号ＣＤの出力間隔を走査回数の設定値に応じて変更する（ステップＳ１５）。
【００３５】
このようにして、所定の測定終了条件が満たされるまで（ステップＳ１６）、ステップＳ１４，Ｓ１５の読取動作を繰り返す。ここで、所定の測定終了条件とは、たとえば２回同じバーコード情報が読み取られたことまたは通信回路２２を介して測定終了コマンドが与えられたことである。
【００３６】
このように、本実施例のバーコード読取装置においては、走査回数およびＬＥＤ点灯パルス幅を任意に設定することができるので、ユーザが使用状況に応じて最良の処理速度および最良の読取率でバーコード情報の読み取りができるようにこれらの値を調整することが可能となる。
【００３７】
また、測定前にＣＣＤイメージセンサ１５が最大動作周波数で駆動されているので、測定開始用トリガー信号ＴＲが入力されたときに迅速に設定された走査回数およびＬＥＤ点灯パルス幅でバーコード情報の読取動作を開始することができる。
【００３８】
さらに、本実施例のバーコード読取装置においては、投光用ＬＥＤ駆動回路１、二値化信号処理回路２、ＬＥＤ点灯回路３、ブザー発生回路４およびＣＣＤ駆動用制御回路５がワンチップマイクロコンピュータ９内に内蔵されているので、小型化が図られる。
【００３９】
【発明の効果】
本発明によれば、撮像素子の動作周波数を動作周波数設定手段により任意に設定することができるので、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りを行うことができる。
【００４０】
本発明によれば、撮像素子の第１の動作周波数を動作周波数設定手段により任意に設定することができ、かつ測定前に撮像素子が第１の動作周波数以上の第２の動作周波数で駆動され、測定開始後に撮像素子の動作周波数が設定された第１の動作周波数に切り替えられるので、ユーザが使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りを行うことができるとともに測定開始の指令から測定開始までの時間が最短となり、迅速にバーコードの測定を開始することができる。
【００４１】
本発明によれば、バーコードへの光照射の時間を照射時間設定手段により任意に設定することができるので、使用状況に応じて最良の動作状態でバーコード情報の読み取りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例によるバーコード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図２】図１のバーコード読取装置における各部の波形図である。
【図３】図１のバーコード読取装置におけるユーザ設定処理を示すフローチャートである。
【図４】図１のバーコード読取装置における通常運転時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１ 投光用ＬＥＤ駆動回路
２ 二値化信号処理回路
５ ＣＣＤ駆動用制御回路
６ ＣＰＵ
８ ＲＡＭ
９ ワンチップマイクロコンピュータ
１１ ＬＥＤアレイ
１５ ＣＣＤイメージセンサ
１７ 二値化回路
２１ ＥＥＰＲＯＭ
２２ 通信回路
３０ バーコード
Claims (5)
- 読取対象となるバーコードに光を照射する投光手段と、
前記投光手段により光が照射されたバーコードからの反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子と、
前記撮像素子から出力される電気信号を二値化データに変換する二値化手段と、
前記二値化手段により得られた二値化データを解析してバーコード情報を読み取る解析手段と、
前記撮像素子の測定時の動作周波数を予め設定し使用状況に応じて調整することが可能な動作周波数設定手段と、
前記動作周波数設定手段により調整された前記測定時の動作周波数で前記撮像素子を駆動する撮像制御手段とを備え、
前記動作周波数設定手段が、
外部装置から前記測定時の動作周波数を受信可能な通信回路と、
前記通信回路を介して入力される前記測定時の動作周波数を記憶するための記憶手段とから構成されることを特徴とするバーコード読取装置。 - 前記撮像制御手段は、さらに、
前記撮像素子を、測定前には前記測定時の動作周波数以上の所定の動作周波数で駆動し、測定開始後には前記撮像素子の動作周波数を前記動作周波数設定手段により調整された前記測定時の動作周波数に切り替えて駆動するように構成されることを特徴とする請求項１に記載のバーコード読取装置。 - 前記バーコード読取装置は、さらに、
前記通信回路により受信したコマンドが前記測定時の動作周波数を設定するコマンドであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記測定時の動作周波数を設定するコマンドであると判定された場合には、前記通信回路を介して入力される前記測定時の動作周波数を前記記憶手段に書き込む書込手段と、
を備えたことを特徴とする請求項１または請求項２のいずれか１項記載のバーコード読取装置。 - 読取対象となるバーコードに光を照射する投光手段と、
前記投光手段により光が照射されたバーコードからの反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子と、
前記撮像素子から出力される電気信号を二値化データに変換する二値化手段と、
前記二値化手段により得られた二値化データを解析してバーコード情報を読み取る解析手段と、
前記投光手段による光照射の時間を予め設定し使用状況に応じて調整することが可能な照射時間設定手段と、
前記撮像素子、前記二値化手段および前記解析手段による読取動作を繰り返し行うとともに、各読取動作ごとに、前記照射時間設定手段により設定された時間の間、前記投光手段による光照射を行う投光制御手段とを備え、
前記照射時間設定手段が、外部装置から前記照射時間を受信可能な通信回路と、
前記通信回路を介して入力される前記照射時間を記憶するための記憶手段とから構成されることを特徴とする、バーコード読取装置。 - 前記バーコード読取装置は、さらに、
前記通信回路により受信したコマンドが前記照射時間を設定するコマンドであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記照射時間を設定するコマンドであると判定された場合には、前記通信回路を介して入力される前記照射時間を前記記憶手段に書き込む書込手段と、
を備えたことを特徴とする請求項４に記載のバーコード読取装置。
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