JP3629185B2 - 半導体センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上に形成されたダイアフラムに印加される物理量を検出する半導体センサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体圧力センサとしては、例えば、図12に示すようなものがある(例えば、特開2000−2610号公報)。
図12において、Si基板1の裏面に絶縁膜18を形成し、この絶縁膜18上に設けられた小開口部24からエッチング液を注入し、Si基板1をエッチングして、空洞部6を形成する。
【0003】
そして、小開口部24を封止部23によって封止することにより空洞部6を密閉して、基準圧力室及びダイアフラム部10を形成する方式がある。
【0004】
なお、11はピエゾ抵抗、12は表面絶縁層、13は金属配線である。
【0005】
また、半導体圧力センサの他の例としては、図13に示すようなものがある(例えば、特開平11−284204号公報)。
図13において、Si基板1上に犠牲層を形成し、この犠牲層上に多結晶シリコン層を堆積し、可動電極22を形成する。その後、開口部24から犠牲層をエッチング除去し、開口部24を封止部23によって封止することにより、圧力基準室とダイアフラム部とを形成する方式がある。
なお、19は固定電極、20は多結晶の絶縁膜、21は足場である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図12に示すような従来の半導体圧力センサにおいては、ダイアフラム部及び基準圧力室を形成する工程が複雑で、多くのコストがかかるという問題点があった。
【0007】
また、図13に示すような従来の半導体圧力センサにおいては、絶縁膜20は多結晶シリコンであるので、ダイアフラム部に多結晶シリコンという構造的に不安定な物質を使わざるを得ず、残留応力による膜反りの制御が困難であり、圧力測定精度の向上も困難であるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、低コスト化が可能で、機械的強度が強く、高精度の測定が可能な半導体センサ及びその製造方法を実現することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
(1)機械的な変位量を電気信号に変換する半導体センサにおいて、半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成し、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成する。
【0010】
(2)半導体圧力センサにおいて、半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成し、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、この空洞領域を圧力室とするとともに、この圧力室の壁部の一部をダイアフラム部とし、このダイアフラム部の変位により、圧力を測定する。
【0011】
(3)半導体加速度センサにおいて、半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成し、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、空洞領域の壁部の一部をダイアフラム部とし、このダイアフラム部のをエッチングすることによりダイアフラム部に可動電極を形成し、この可動電極の変位により加速度を検出する。
【0012】
(4)半導体エアーフローセンサにおいて、半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成し、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、空洞領域の壁部の一部をダイアフラム部とし、このダイアフラム部上に発熱抵抗体を形成する。
【0013】
(5)好ましくは、上記(1)、(2)、(3)において、上記空洞領域の角部は、半径0.3μm以上の丸みを帯びている。
【0014】
(6)また、好ましくは、上記(1)、(2)、(3)において、上記空洞領域を形成する周辺部分は、同一単結晶材料で構成される。
【0015】
(7)また、好ましくは、上記(1)において、上記空洞領域を形成する壁部の一部を第1のダイアフラムとし、この第1のダイアフラム上に、固定する足場部分を有し、圧力の変化に応じて変位する第2のダイアフラムを形成した。
【0016】
(8)機械的な変位量を電気信号に変換する半導体センサの製造方法において、半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成する工程と、上記複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成する工程とを備える。
【0017】
(9)半導体圧力センサの製造方法において、半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成する工程と、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、この空洞領域を圧力室とするとともに、この圧力室の壁部の一部をダイアフラム部とする工程とを備える。
【0018】
(10)半導体加速度センサの製造方法において、半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成する工程と、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、空洞領域の壁部の一部をダイアフラム部とする工程と、上記ダイアフラム部のをエッチングしてダイアフラム部に可動電極を形成する工程とを備える。
【0019】
(11)半導体エアーフローセンサの製造方法において、半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成する工程と、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、空洞領域の壁部の一部をダイアフラム部とする工程と、上記ダイアフラム部上に発熱抵抗体を形成する工程とを備える。
【0020】
半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成し、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理することにより、半導体基板内の複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域が形成されるとともに、空洞部上の薄膜部がダイアフラム部となるように構成している。
【0021】
上記の構成により、通常のSiウェハの処理工程を用いて基準圧力室となる空洞領域とダイアフラム部を同時に形成することができ、製造工程を簡略化することができる。
【0022】
また、本発明の製造方法においては、ダイアフラム部は基板と同一材質の単結晶シリコンにより構成することができ、かつ、ダイアフラム部を形成するための空洞部の角部は丸みを帯びた形状となる。このため、応力がダイアフラム支持部に集中せず、機械的強度の強いダイアフラムを形成することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態である半導体圧力センサ及びその製造方法の説明図である。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態である半導体センサの製造方法で製造した半導体圧力センサの概略断面構成図である。
図1において、Si基板1の表面に不純物拡散領域2が形成され、この不純物拡散領域2が下部電極となっている。
【0025】
また、空洞部6上のダイアフラム部10に高濃度不純物拡散領域7が形成され、この高濃度不純物拡散領域7が上部電極となっている。不純物拡散領域2と高濃度不純物拡散領域7は、それぞれ、N型、P型の不純物が注入され、PN接合を形成しており、逆バイアス状態で使用することにより、上部電極7と下部電極2との絶縁を確保する構成となっている。
【0026】
また、電極部7及び2と外部とを電気的に接続するため、絶縁層8を形成し、この絶縁層8にコンタクト用の孔を形成し、金属配線9と、電極7、2のそれぞれとを接続している。
【0027】
次に、本発明の第1の実施形態である半導体圧力センサの動作を説明する。
図1に示した例において、空洞部6が基準圧力室となり、ダイアフラム部10が印加される外部圧力に応じて変位する。例えば、外部圧力が大きくなればダイアフラム部10はSi基板1側に撓むことになる。
【0028】
一方、下部電極2と上部電極7と間の静電容量は、空洞部6の高さ、つまり、図1の上下方向の大きさに反比例する。したがって、ダイアフラム10が外部圧力に応じて変位すると、空洞部6の高さが変化し、その結果静電容量が変化することになる。第1の実施形態における半導体圧力センサの構造では、外部圧力の変化を静電容量の変化として検出するものである。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施形態である半導体圧力センサの製造方法の工程図である。
図2において、まず、図2の(a)ではSi基板1の表面にイオン注入等により選択的に不純物を注入し、熱処理を行うことにより不純物拡散領域2を形成する。この不純物拡散領域2が下部電極となる。
【0030】
その後、不純物拡散領域2に、複数のトレンチ(溝)もしくは複数のホール(穴)が形成された構造体3をドライエッチング法により、トレンチ幅0.3μm、トレンチ間隔(トレンチとトレンチとの間の領域幅)0.3μm、深さ2μmで形成する。
【0031】
図3は、上記構造体3の概略平面図である。
図3において、図3の(a)は不純物拡散領域2に複数のトレンチ4を形成した場合を示し、図3の(b)は不純物拡散領域2に複数のホール5を形成した場合である。
【0032】
この構造体3を不純物拡散領域2に形成する面積としては、構造体3の上部部分が上部電極7となるため、静電容量の変化を大きくする面積として、250μm角の面積(250μm×250μm)とする。
【0033】
次に、図2の(b)において、構造体3を形成したSi基板1を高温状態で表面が酸化しない状態、例えば水素雰囲気中もしくは高真空下でアニール(例えば、1100℃の熱処理)を行う。
【0034】
このようなアニールを施すと、Siが流動を起こして表面積を極小にするように動くため、Si基板1内部に形成した構造体3のパターンに依存した空洞部6が形成される。そして、この空洞部6を圧力基準室とし、この圧力基準室を形成する壁部の一部をダイアフラム部10とする。
【0035】
上記寸法で構造体3を形成することにより、空洞部6の横寸法は200μm程度、高さ寸法は0.8m、ダイアフラム10の厚みは1μm程度となる。
【0036】
なお、複数のトレンチ若しくはホールが形成された構造体3を有するSi基板1を高温状態で表面が酸化しない状態でアニールを行うと、不純物拡散領域2に空洞が形成されることは、目的は異なるが、トランジスタの製法の係わる分野では知られていることである。
【0037】
次に、図2の(c)において、ダイアフラム部10上に選択的にイオン注入等により不純物を導入し、熱処理により拡散させ、高濃度不純物拡散領域7を形成する。この不純物拡散領域7が上部電極となる。
【0038】
次に、図2の(d)において、Si基板1の表面にCVD法等により酸化膜、窒化膜といった絶縁層8を形成し、コンタクト用の孔開けをフォトエッチングより行い、Al等の金属膜を形成し、金属配線9を形成する。
【0039】
上記のようにして、本発明の第1の実施形態である半導体圧力センサが製造される。
【0040】
以上のように、本発明の第1の実施形態においては、不純物拡散領域2に複数のトレンチ又はホールを形成し(1工程)、アニールを行う(2工程)ことにより、圧力基準室とダイアフラム部とを同時に形成することができる。
【0041】
これに対して、従来の技術においては、不純物拡散領域に絶縁膜を形成し(1工程)、この絶縁膜に開口部を形成し(2工程)、この開口部からエッチングによって、空洞部(圧力基準室)を形成し(3工程)、上記形成した開口部を封止(4工程)しなければならなかった。
【0042】
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、製造工程を簡略化でき、低コスト化が可能で、機械的強度が強く、高精度の測定が可能な半導体圧力センサ及びその製造方法を実現することができる。
【0043】
また、半導体基板表面にダイアフラム等の圧力検出部を形成するのと同時に基準圧力室を形成するので、Siウェハのバッジ処理で同時に大量に半導体圧力センサを製造することができ、低コスト化が可能となる。
【0044】
また、通常のSiのウェハプロセスとマッチするため、センサ出力を処理する回路を同一チップ上に容易に集積化することができる。
【0045】
また、ダイアフラム部は基板と同材質の単結晶シリコンで形成するとともに、ダイアフラムを形成するための空洞部がSi原子のリフローにより形成されるため、空洞部角部分は丸みを帯びた形状になり、ダイアフラム支持部に応力が集中しにくい構造になっているため、機械的強度の強い半導体圧力センサを製造できる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
図4は本発明の第2の実施形態である半導体圧力センサの概略断面図であり、この第2の実施形態は、圧力の変化をダイアフラム上に形成したピエゾ抵抗の抵抗変化として検出するものである。
【0047】
図4において、図2に示した製造工程と同様に、Si基板1上に複数のトレンチ等を形成し、アニールすることにより空洞部6を形成する。
【0048】
この空洞部6上のダイアフラム部10に拡散抵抗を用いたピエゾ抵抗11が形成されている。このピエゾ抵抗11の表面には、表面保護用の表面絶縁層12が形成される。そして、表面絶縁層12の一部にはコンタクト用の孔が開けられ、ピエゾ抵抗11は金属配線13に接続されている。
【0049】
図4に示した第2の実施形態も図1に示した第1の実施形態と同様に、空洞部6が基準圧力室となり、ダイアフラム部10が印加される外部圧力に応じて変位する。例えば、外部圧力が大きくなれば、ダイアフラム10はSi基板1側に撓むことになる。
【0050】
このように、ダイアフラム10が撓めば、ダイアフラム10に応力が発生し、その結果、ダイアフラム10の表面に形成されたピエゾ抵抗11の抵抗値が変化し、それによって圧力を検出することができる。
【0051】
図5は、図4に示した本発明の第2の実施形態である半導体圧力センサの製造方法の工程を示す図である。
【0052】
図5において、まず、図5の(a)ではSi基板1の表面に複数のトレンチもしくはホールといった構造体3をドライエッチング法により形成する。
【0053】
次に、図5の(b)において、構造体3を形成したSi基板1を高温状態で表面が酸化しない状態、例えば水素雰囲気中もしくは高真空下でアニールを行う。
【0054】
このようなアニールを施すと、上述したように、Siが流動を起こして表面積を極小にするように動くため、Si基板1内部に形成した構造体3のパターンに依存した空洞部6が形成される。
【0055】
次に、図5の(c)において、Si基板1上にイオン注入等により不純物拡散層を形成し、ピエゾ抵抗11を形成する。
【0056】
次に、図5の(d)において、Si基板1の表面にCVD法等を用いて表面絶縁層12を形成し、その後、形成した表面絶縁層12の一部にフォトエッチングによってコンタクト用の孔の形成を行い、その後、金属配線13を形成する。
【0057】
上記のようにして、本発明の第2の実施形態である半導体圧力センサが製造される。
【0058】
以上のように、本発明の第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0059】
次に、センサ部と周辺回路素子との絶縁分離法について説明する。
図6は、半導体圧力センサと他の素子との絶縁分離法の説明図である。この絶縁分離法においては、半導体集積回路の製造工程で使用されるSTI技術を利用する。つまり、Si基板1の表面にトレンチを形成し、そのトレンチ部に絶縁膜14を埋め込む技術である。
【0060】
このSTI技術では、深さ方向の絶縁性が確保できるため、圧力センサ部の絶縁性に適している。また、従来のLOCOS分離技術と比較して、横方向の面線を縮小できる利点があるため高集積化に適している。
【0061】
図7は、半導体圧力センサと他の素子との絶縁分離法の説明図である図1もしくは図3に示した半導体圧力センサをSi基板1上に配置した例の上面図である。各センサ部16の絶縁分離にSTI絶縁部15を利用している。図7の例においては、各センサ部16が圧力を検知することができるため、基板1表面上の圧力分布を検出することが可能となる。
【0062】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
図8は本発明の第3の実施形態である相対圧検出型の圧力センサの概略断面図である。この第3の実施形態は、図1に示した例において、Si基板1の裏面側よりアルカリエッチング液によりSiをエッチングして開口部24を形成し、Si基板1表面上のダイアフラム10と対向した面にダイアフラム17を形成したものである。
【0063】
その他の構成、及び製造方法は、図1及び図2に示した例と同様となる。なお、図1の示した例と同等の部材には同一の符号が付してある。
【0064】
次に、本発明の第3の実施形態である半導体圧力センサの動作を説明する。
図8において、空洞部6が基準圧力室となり、Si基板1の表面側より印加される圧力によりダイアフラム部10が変位する。また、Si基板1の裏面側より印加される圧力によりダイアフラム部17が変位する。
【0065】
よって、空洞部6の高さ、つまり、ダイアフラム部10とダイアフラム部17との互いの距離は、Si基板1の表面側の圧力と裏面側の圧力との相対的な差によって決定されることになる。
【0066】
この相対的な圧力差を、空洞部6の高さに反比例する静電容量の変化として検出することにより、図8に示す装置は、相対圧検出用の圧力センサとして利用できる。
【0067】
以上のように、本発明の第3の実施形態においては、第1の実施形態と同様な効果を得るできる他、静電容量の変化として相対圧力を検出するため、温度に対する出力変動の小さい相対圧検出用センサを実現可能である。
【0068】
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
図9は本発明の第4の実施形態である半導体圧力センサの概略断面図であり、この第4の実施形態は、ダイアフラム上に別の圧力センサを形成した例である。
【0069】
図9において、図5の(a)及び(b)に示した製造方法と同様にして、Si基板1に空洞部6及びダイアフラム部10を形成する。次に、形成したダイアフラム部10(第1のダイアフラム)上に酸化膜等の絶縁膜18を形成した後、固定電極19を形成する。そして、固定電極19の絶縁のためにさらに絶縁層20を形成する。その後、ダイアフラム10上に足場部分を有する可動電極22(第2のダイアフラム)を形成する。
【0070】
この圧力センサにおいては、可動電極22と固定電極19との間の静電容量の変化を可動電極22に印加される外部圧力の変化として検出するものである。
【0071】
図9に示す実装構造の圧力センサの場合、センシング部分となる可動電極22及び固定電極19は、ダイアフラム10上に形成されるため、例えば外部から熱が加えられ、Si基板1がその熱応力により歪みを発生した場合にも、空洞部6によりその歪みを低減可能となり、センシング部分はSi基板1の影響を受けにくい、外部環境変化に対して強い圧力センサである。
【0072】
したがって、本発明の第4の実施形態によれば、外部環境変化に対して強い圧力センサを、簡単な製造工程(図5の(a)、(b)に示す工程)を追加するのみで製造することができる。
【0073】
また、本発明のダイアフラム自体を基板として、ダイアフラム上に半導体圧力センサを形成することにより、基板からの熱応力による歪み等の影響を低減した半導体圧力センサを実現することができる。
【0074】
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
図10は本発明の第5の実施形態である半導体センサの概略断面及び平面図である。この第5の実施形態は、加速度を検出する半導体センサの例である。
【0075】
そして、この第5の実施形態は、図2の(a)及び(b)に示した製造工程と同様にして空洞6を形成した後に、ダイアフラム10上の上部電極部をフォトエッチングにより加工し、片持ち梁構造の可動電極25を形成したものである。
【0076】
次に、本発明の第5の実施形態である半導体加速度センサの動作を説明する。
図10において、半導体加速度センサに加速度が加わると、可動電極部25は片持ち梁構造であるため、Si基板1側もしくはその反対側へ変位する。ここで、下部電極2と可動電極25との間の静電容量は、空洞部6の高さ、つまり、下部電極2と可動電極25との距離に反比例する。
【0077】
したがって、可動電極部25が加速度に応じて変位すると、空洞部6の高さが変化し、その結果、静電容量が変化することになる。本発明の第5に実施形態の構造では、加速度の変化を静電容量の変化として検出するものである。
【0078】
この第5の実施形態においても、空洞6の形成を簡単な製造工程で行うことができ、その後のSi基板1表面の加工のみにより、加速度検出用のセンサを製造することができる。つまり、本発明の第5の実施形態によれば、製造工程を簡略化でき、低コスト化が可能で、機械的強度が強く、高精度の測定が可能な半導体加速度センサ及びその製造方法を実現することができる。
【0079】
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。
図11は本発明の第6の実施形態である半導体センサの概略断面及び平面図であり、この第6の実施形態は、空気流量を検出するエアーフローセンサの例である。
【0080】
図11において、図5の(a)及び(b)に示した製造工程と同様にして、Si基板1に複数のトレンチ又はホールを形成し、真空下でアニールすることにより、空洞部6を形成する。そして、Si基板1上に酸化膜等の絶縁膜12を熱酸化等により形成した後、ポリSi膜を形成し、フォトエッチング加工して発熱抵抗体26を形成したもである。
【0081】
次に、本発明の第6の実施形態である半導体エアーフローセンサの動作を説明する。
図11において、発熱抵抗体26に電流を流して加熱する。この発熱抵抗体26に空気の流れが触れることにより温度が下がるが、発熱抵抗体26の温度が一定になるように外部回路により発熱抵抗体26に流す電流を制御する。この流す電流の変化により、空気流量を換算し、エアーフローセンサとして動作する。
【0082】
以上のように、この第6の実施形態においても、空洞6の形成を簡単な製造工程で行うことができ、その後のSi基板1表面の加工のみにより、断熱効果が高いエアーフロー検出用のセンサを低コストで製造することができる。
【0083】
つまり、本発明の第6の実施形態によれば、空洞部6が真空となるため、発熱抵抗体26には、測定すべき空気以外の外部等からの熱をこの空洞部6で抑制できるため、断熱効果の高い実装構造となっている。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体基板表面にダイアフラム等の圧力検出部を形成するのと同時に基準圧力室を形成することができるので、製造工程を簡略化でき、低コスト化が可能で、機械的強度が強く、高精度の測定が可能な半導体センサ及びその製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である半導体センサの製造方法で製造した半導体圧力センサの概略断面構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態である半導体圧力センサの製造方法の工程図である。
【図3】第1の実施形態における構造体3の概略平面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態である半導体圧力センサの概略断面図である。
【図5】図4に示した本発明の第2の実施形態である半導体圧力センサの製造方法の工程を示す図である。
【図6】半導体圧力センサと他の素子との絶縁分離法の説明図である。
【図7】半導体圧力センサと他の素子との絶縁分離法の説明図である。
【図8】本発明の第3の実施形態である相対圧検出型の圧力センサの概略断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態である半導体圧力センサの概略断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態である半導体センサの概略断面及び平面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態である半導体センサの概略断面及び平面図である。
【図12】従来技術における半導体圧力センサの一例の概略断面図である。
【図13】従来技術における半導体圧力センサの他の例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 Si基板
2 不純物拡散領域(下部電極)
3 構造体
4 トレンチ
5 ホール
6 空洞部
7 高濃度不純物拡散領域(上部電極)
8 絶縁膜
9 金属配線
10 ダイアフラム
11 ピエゾ抵抗
12 表面絶縁層
13 金属配線
14 絶縁膜
15 STI絶縁部
16 センサ部
17 ダイアフラム部
18 絶縁膜
19 固定電極
20 絶縁膜
21 足場
22 可動電極
23 封止部
24 開口部
25 可動電極(片持ち梁)
26 発熱抵抗体

Claims (11)

  1. 機械的な変位量を電気信号に変換する半導体センサにおいて、
    半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成し、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成することを特徴とする半導体センサ。
  2. 半導体圧力センサにおいて、
    半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成し、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、この空洞領域を圧力室とするとともに、この圧力室の壁部の一部をダイアフラム部とし、このダイアフラム部の変位により、圧力を測定することを特徴とする半導体圧力センサ。
  3. 半導体加速度センサにおいて、
    半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成し、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、空洞領域の壁部の一部をダイアフラム部とし、このダイアフラム部のをエッチングすることによりダイアフラム部に可動電極を形成し、この可動電極の変位により加速度を検出することを特徴とする半導体加速度センサ。
  4. 半導体エアーフローセンサにおいて、
    半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成し、これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、空洞領域の壁部の一部をダイアフラム部とし、このダイアフラム部上に発熱抵抗体を形成することを特徴とする半導体エアーフローセンサ。
  5. 請求項1、2、3のうちのいずれか一項記載の半導体センサにおいて、上記空洞領域の角部は、半径0.3μm以上の丸みを帯びていることを特徴とする半導体センサ。
  6. 請求項1、2、3のうちのいずれか一項記載の半導体センサにおいて、上記空洞領域を形成する周辺部分は、同一単結晶材料で構成されることを特徴とする半導体センサ。
  7. 請求項1記載の半導体センサにおいて、上記空洞領域を形成する壁部の一部を第1のダイアフラムとし、この第1のダイアフラム上に、固定する足場部分を有し、圧力の変化に応じて変位する第2のダイアフラムを形成したことを特徴とする半導体圧力センサ。
  8. 機械的な変位量を電気信号に変換する半導体センサの製造方法において、
    半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成する工程と、
    上記複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする半導体センサの製造方法。
  9. 半導体圧力センサの製造方法において、
    半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成する工程と、
    これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、この空洞領域を圧力室とするとともに、この圧力室の壁部の一部をダイアフラム部とする工程と、
    を備えることを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
  10. 半導体加速度センサの製造方法において、
    半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成する工程と、
    これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、空洞領域の壁部の一部をダイアフラム部とする工程と、
    上記ダイアフラム部のをエッチングしてダイアフラム部に可動電極を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。
  11. 半導体エアーフローセンサの製造方法において、
    半導体基板の所定領域に複数の溝又は穴を形成する工程と、
    これら複数の溝又は穴が形成された半導体基板を熱処理して、この半導体基板内の上記複数の溝又は穴が形成された領域に空洞領域を形成し、空洞領域の壁部の一部をダイアフラム部とする工程と、
    上記ダイアフラム部上に発熱抵抗体を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする半導体エアーフローセンサの製造方法。
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