JP3629043B2 - ライブラリ装置 - Google Patents

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JP3629043B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光ディスクカートリッジ又は磁気テープカートリッジ等の記憶媒体を多数収容し、必要な記憶媒体を取り出して記憶再生するライブラリ装置に関し、特に、回転するセルドラムに記憶媒体を収納してアクセッサによりドライブ又は投入排出装置との間で運搬するライブラリ装置に関する。
【0002】
情報記憶装置において、大量のデータを取扱うようになると、ファイル量も増大し、それを記憶する記憶媒体も多数必要になる。このため、多数の記憶媒体を保管して処理するための自動倉庫として機能するライブラリ装置が市場に提供されている。
また、近年マルチメディア、画像データやグラフィクスデータのような大容量を必要とするデータの検索にライブラリ装置の需要が増えており、設置スペースが小さく、より多くの媒体を収容できる大容量のものが望まれている。
【0003】
【従来の技術】
図62は従来のライブラリ装置の内部構造であり、図63はその平面図である。装置筐体600の内部には、セルドラム602が回転自在に配置されている。セルドラム602の円筒面には、縦方向に媒体カートリッジを収納するセルが並んでいる。セルドラム602はモータ604と減速ギア機構606を介して連結され、水平回りに回転駆動される。
【0004】
セルドラム602の横には、アクセッサ608が配置され、モータ612の駆動で上下に移動できる。セルドラム602の下部には、媒体カートリッジの記録再生を行うドライブ610が配置される。外部との間で媒体カートリッジの出し入れを行う投入排出部614がアクセッサ608の手前に配置されている。
オペレータが投入排出装置614に媒体カートリッジを外部からセットして操作パネルの投入キーを押すと、媒体カートリッジはアクセッサ608側の取出し位置に送られる。アクセッサ608は投入排出部614から媒体カートリッジを取り出し、旋回してセルドラム602に対する投入位置に移動する。一方、セルドラム602は、投入先のセルアドレスをもつセル列がアクセッサ608の投入位置に向くように回転される。最終的にアクセッサ608が指定セルに媒体カートリッジを入れる。
【0005】
媒体カートリッジのセルドラム602からの排出は、投入動作の場合と逆の動きとなる。また投入排出部614とドライブ610の間でも投入または排出動作ができる。通常動作にあっては、ホストコンピュータからのムーブコマンドに伴ってコマンドパラメータとして発行された移動元アドレス(From Address)と移動先アドレス(To Address)に従った媒体カートリッジの移動が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のライブラリ装置にあっては、セルドラム602から離れた位置に投入排出部614を設け、その間をアクセッサ608の回転動作で媒体カートリッジの移動を行っていたため、アクセッサ608が昇降駆動機構に加えて旋回駆動機構をもたなければならず、機構構造が複雑になる。また投入排出部614を独立に配置するスペースを必要とし、装置筐体が大型化する問題がある。
【0007】
更に、投入排出部614は、基本的に媒体カートリッジを1枚ずつ出し入れする機構であり、例えばアクセッサ608が媒体カートリッジを取り出して投入排出部614の受け皿が空にならないと、次の媒体カートリッジを投入できない問題があった。
従って、本発明の目的は、セルドラムと投入排出部を共通化することで、装置の小形化と機構構造の簡略化を図ったライブラリ装置を提供する。
【0008】
また本発明の他の目的は、セルドラムと投入排出部との共通化で複数の媒体カートリッジを次々と投入又は排出できるライブラリ装置を提供する。
またセルドラム602はイナーシャが大きく、モータ604の回転を1/40〜1/100程度に減速して駆動する必要がある。このため従来は、バックラッシュの無い高性能なギヤ、例えばハーモニックドライブギアを最終段に使用した減速ギア機構604を使用しているが、高価である。また、一般的なギヤやタイミングベルトの通常の使い方では、1/6程度の減速が限界であり、3段以上で減速する必要がある。しかし、ギヤで3段減速すると各々のバックラッシュが加算され大きなバックラッシュが問題となる。またタイミングベルトで3段減速するとベルトの伸びやバックラッシュが問題となる。
【0009】
従って、本発明の他の目的は、ベルト伸びとバックラッシュの問題を起こすことなくタイミングベルトを使用してセルドラムの駆動を可能とするライブラリ装置を提供する。
更に、従来のライブラリ装置の制御では、セルドラム602からドライブ610への媒体カートリッジの移動が指示された場合、セルドラム602を媒体カートリッジの取出し位置に回転して停止した後に、指定セルアクセッサ608が媒体カートリッジをセルドラム608から取り出してドライブ606に運搬して投入する。
【0010】
このようにアクセッサ608が媒体カートリッジの運搬動作を行っている間、セルドラム602は停止したままである。このため、セルドラム602からの媒体カートリッジの取り出しのため、セルドラム602とアクセッサ608の両方が動作し、セルドラム602の移動時間がアクセッサ608の移動時間よりも長かった場合、移動が完了したアクセッサ608は、セルドラム602の移動が完了するまで待たされ、運搬動作の所要時間が長くなってしまう問題がある。
【0011】
従って本発明の他の目的は、セルドラムが停止している空き時間を利用して予めセルドラムを移動させることにより、媒体カートリッジの運搬動作の所要時間を短縮するライブラリ装置を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。尚、実施例図面中の符号は、括弧書きで示す。
本発明のライブラリ装置は、回転格納手段(以下「セルドラム」という)18と同軸に、投入排出手段22を配置したことを特徴とする。セルドラム18は、回転ドラムの円筒面に、記憶媒体16を格納する複数のセルを縦方向に並べて複数のセル列として配置している。媒体投入排出手段22は、水平回転により外部の媒体投入排出口14とアクセッサ30の投入排出位置との間で記憶媒体16を運搬する。
【0013】
更に、セルドラム18を回転駆動する駆動手段、記憶媒体16の情報を少なくとも再生する再生手段(ドライブ)36、セルドラム18と再生手段36との間で記憶媒体16を運搬する媒体運搬手段(以下「アクセッサ」という)30が設けられる。
投入排出手段22は、セルドラム18の上部に同軸に配置され、周端に媒体受け皿26を設けている。具体的には、セルドラム18の回転中心を挟んだ180°異なる位置に一対の媒体受け皿26を設ける。またセルドラム18の周囲の90°ずつ異なる位置に媒体受け皿26を4つ設けてもよい。
【0014】
投入排出手段22は、セルドラム18に同軸に固定され、駆動手段20によってセルドラム18と一体に回転するようにしてもよい。
また投入排出手段22は、セルドラム18の回転軸にクラッチ手段24を介して設けてもよい。クラッチ手段24を設けた場合、記憶媒体16の投入又は排出時に、セルドラム18にクラッチ手段24で接続して一体に回転させ、それ以外の時はセルドラム18から投入排出手段22を切離して停止状態とする。
【0015】
クラッチ手段24は、ギアクラッチ機構で構成される。例えば、セルドラム18の回転軸に固定された第1ギア(62)、投入排出手段(22)の回転軸に固定され第1ギア(62)と同軸に近接配置された第2ギア(64)、第1ギア (62)と第2ギア(64)の両方に噛合って回転を伝達するクラッチギア(66)、クラッチギア(66)を噛合位置と非噛合位置との間で切替駆動するクラッチ切替機構で構成される。
【0016】
クラッチ切替機構は、一端を回転中心として他端にクラッチギア(66)を支持したアーム部材(68)、アーム部材(68)を前記クラッチギア(66)の切り離し方向に付勢するバネ部材(76)、通電によりアーム部材(68)を前記クラッチギア(66)の噛合い位置に付勢する電磁ソレノイド(44)を備える。
【0017】
クラッチギア機構は、通常、第1ギア(62)と第2ギア(64)のギア数を同一にして変速比を1とする。またクラッチギア(66)に第1ギア(62)に噛合う第1アイドラギア(80)と、第2ギア(64)に噛合う第2アイドラギア(82)を一体に設け、変速ギア比を1以外の値としてもよい。
更に、投入排出手段(22)と同軸で一体に回転され、記憶媒体のセル列に対応したリング内周面の位置に溝(92)を備えたリング部材(90)を設けると共に、クラッチギア(66)の切替部材(68)にリング部材(90)のリング内周面を転動するコロ(94)を設ける。
【0018】
この機構は、コロ(94)がリング溝(92)に落ち込むリング部材(90)の回転位置で、クラッチギア(66)を第1及び第2ギア(62,64)の噛合位置から切離し、コロ(94)がリング溝(92)から離脱するリング部材(90)の回転位置で、クラッチギア(66)を第1及び第2ギア(62,64)の噛合位置に移動させ、コロ(94)がリング溝(92)から離脱する間だけ、切替駆動機構のアーム部材(68)をアクチュエータ(電磁ソレノイド)でクラッチ接続位置に動作させればよいことになる。
【0019】
また必要に応じ、投入排出手段22は、セルドラム18の回転軸に対しクラッチ手段24を介してオフセットした位置に配置してもよい。
セルドラム10の駆動手段は、モータ20の減速回転を伝える駆動プーリ(104)とセルドラム18の間にタイミングベルト46を掛け回して駆動する。タイミングベルト46は、1ケ所でセルドラム10に固定され、360°以下の限られた所定回転角θ、例えば0〜270°又は0〜180°の範囲で往復回転させる。
【0020】
またタイミングベルト46の伸びに対しテンションを一定に保つテンション機構を設ける。このテンション機構は、タイミングベルト46に対し設けられた複数のアイドラプーリの内の1個を、揺動自在なアーム部材(110)に支持すると共に、テンションをタイミングベルト46に加える方向にバネ部材(114)で付勢する。
【0021】
セルドラム18には位置検出に使用するリング状のセンサ部材116が設けられる。センサ部材116には、セルドラム18のセル列の位置を示す矩形スリット(126)と、絶対基準位置を示すホームポジション・エッジ(124)が形成される。本発明では、ホームポジション・エッジ(124)を、タイミングベルト46の往復駆動方向におけるベルト伸び量が等しい位置に形成する。
【0022】
センサ部材(116)の矩形スリット(126)及びホームポジション・エッジ(124)は、センサ(118)で検出される。また絶対基準位置を示すホームポジション・エッジ(124)を、タイミングベルト46の伸びの一番少ないベルト固定位置に設けてもよい。
センサ118に加え、セルドラム18の回転に比例したパルスを発生するパルス発生部(508)、パルス発生部(508)の出力パルスを計数するカウンタ部(510)、及び、センサ(118)によるホームポジション・エッジ(124)の検出でカウンタ部(510)を零にリセットして絶対基準位置を設定するリセット手段が設けられる。
【0023】
装置立上げ時の自己診断処理の1つとして設定されたセンサの計測調整モードにおいて、計測調整手段(560)によって、センサ(118)から矩形スリット(126)による2つのエッジ検出出力が得られた時のカウンタ部(510)の計数値を求め、この2つの計数値の平均計算により矩形スリットの中心位置をセル列位置として求めて記憶する。
【0024】
通常回転においては、位置決め制御手段(550)が、前記カウンタ部(510)の計数値と、調整計測手段(560)で求めた記憶セル列位置とを比較して、セルドラム18の特定セル列をアクセッサ30に位置決め制御する。
セルドラム18と同軸に投入排出手段22を固定した場合の投入排出制御は、次のようになる。まず投入制御手段(196)は、投入排出手段22に外部から投入された記憶媒体のセルドラム18の指定セル位置への移動が指示された際に、セルドラム18を180°回転させた後に、アクセッサ30に記憶媒体を前記媒体排出手段22から抜き取って指定セル位置に運搬させ、運搬終了後にセルドラム18を、指定セル位置を含むセル列をアクセッサ30の抜き差し位置に回転させて、記憶媒体を投入させる。
【0025】
また排出制御手段(198)は、セルドラム18の指定セル位置からの媒体排出が指示された際に、アクセッサ30を指定セル位置に移動させると共に、セルドラム18の指定セルを含むセル列をアクセッサ30の抜き差し位置に回転させて指定セルから記憶媒体を取出し、取出した記憶媒体をアクセッサ30で投入排出手段22まで運搬して投入し、投入後にセルドラム18を180°回転させ投入排出手段22の媒体を外部から取出し可能とする。
【0026】
投入排出手段22と再生手段36との間の媒体投入制御または媒体排出制御も同様である。
セルドラム18にクラッチ手段24を介して投入排出手段22を設けた場合には、投入時及び排出時に、クラッチ手段24を接続した状態でセルドラム18を180°回転させることになる。
【0027】
また投入制御手段(196)による投入制御中に、アクセッサ30が投入排出手段22からの記憶媒体の取出しに失敗して異常終了した場合、エラー回復手段(204)が、クラッチ手段24を接続した状態でセルドラム18をさらに180°回転させ、投入排出手段22から媒体を外部から取出し可能とする。
また投入排出のために、媒体投入口を開閉する扉、扉の開放動作を指示するオープンスイッチ、投入排出手段22に対する媒体投入と該媒体投入に連動した前記扉の閉鎖を検知するセンサ、センサの検出出力に基づいて媒体移動指示を前記投入制御手段に発行する手段と、排出制御手段(198)により記憶媒体の排出が行われた際に扉を開放駆動する手段を備える。
【0028】
更に、投入制御手段(196)又は前記排出制御手段(198)により、クラッチ手段24の接続状態でセルドラム18に連動して回転される投入排出部22のカートリッジ位置を認識する媒***置識別部(570)を設ける。この媒***置識別部(570)は、投入又は排出時の投入排出部22の回転方向(CW又はCCW)を示す回転情報を格納した第1レジスタ(572)と、投入又は排出指示に基づく媒体の移動元と移動先の関係を示す移動方向情報を格納した第2レジスタ(574)を備え、第1及び第2のレジスタ(572,574)の格納情報を参照して記憶媒体の現在位置を認識する。
【0029】
また投入排出部22の回転位置を示すセンサパターン(578,580)を、センサ(582)で検出してカートリッジの現在位置を認識するようにしてもよい。本発明のライブラリ装置は、投入排出部22による媒体の移動中にセルドラム18の異常発生に伴ってエラー停止した際に、エラー停止後にセルドラム18を予め定めた初期化位置に位置決め回転させる位置初期化手段(566)を設けている。この位置初期化部(566)によってエラー停止後に初期化回転した場合、投入排出手段(22)の記憶媒体が移動元にあるか移動先にあるか判らなくなる。そこで、媒***置識別手段(570)を参照して認識し、エラーによる初期化後の記憶媒体の管理を容易にする。
【0030】
また本発明のライブラリ装置は、媒体移動制御手段(194)による最適制御として、セルドラム18と再生手段36との間での記憶媒体の移動を指示された際に、セルドラム18の回転駆動とアクセッサ30の運搬駆動による記憶媒体を移動元アドレスから移動先アドレスに運搬し、更に、アクセッサ30が動作していない時に、セルドラム18を次の媒体移動に最適となる位置に回転駆動させる。
例えば、アクセッサ30による媒体運搬中の空き時間に、セルドラム18を各セル列の媒体取出し位置への平均移動時間が最短となる位置に回転駆動させる。
【0031】
具体的には、セルドラム18の各セル列を媒体取出し位置に移動させたアクセス回数(C0 ,C1 ,・・・Cn−1 )と各セル列の位置に設定した位置番号(0,1,・・n−1)との積の総和(C0 ・0+C1 ・1+・・・+Cn−1 ・n−1)を求めると共に、この積の総和をアクセス回数の総数(C0 +C1 +・・・+Cn−1 )で割って平均移動時間の最短位置を示す位置番号(M)を求める。算出された値は小数点以下の値をもつことから、四捨五入して平均移動時間の最短位置を示す位置番号(M)を求める。
【0032】
更に、次の媒体移動におけるセルドラム18の平均移動時間の最短位置(M)からの回転移動時間T1と、アクセッサ30による運搬移動時間T2を予測計算し、回転移動時間T1が運搬移動時間T2を越えていた場合は、次に媒体移動の指定セルが属するセル列を1セル列分、アクセッサ30による抜き差し位置に近付けるようにセルドラム18を回転させる。
【0033】
また媒体移動制御手段(194)は、アクセッサ30の媒体運搬中に行ったセルドラム18の制御でエラーが発生した場合、アクセッサ30による媒体運搬が終了するまで上位装置のエラー報告を保留し、アクセッサ30の媒体運搬が終了した段階でエラー報告する。
本発明のライブラリ装置で、セルドラム10にクラッチ手段24を介して投入排出手段22を設けた場合、クラッチ手段24の断接で駆動手段の慣性負荷が変化する。そこで、予め設定した慣性負荷(Je)のサーボ制御における最適サーボゲイン(K1,K2,K3)を設定したサーボ手段を準備し、実際の慣性負荷(J)に基づき、サーボゲイン(K1,K2,K3)を(Je/J)倍に補正して設定する。
【0034】
具体的には、クラッチ手段(24)の開放状態での慣性負荷(J1)に基づいて、サーボゲイン(K1,K2,K3)を(Je/J1)倍したサーボゲイン (K11,K12,K13)に変更して設定する。またクラッチ手段(24)の接続状態での慣性負荷(J2)に基づいて、サーボゲイン(K1,K2,K3)を(Je/J2)倍したサーボゲイン(K21,K22,K23)に変更して設定する。
【0035】
サーボ手段は、サーボゲインとして、積分ゲイン(K1)による積分制御、比例ゲイン(K2)による比例制御、及び微分ゲイン(K3)による微分制御を備えたPIDサーボ手段である。
具体的に装置構成は、位置Pを検出する位置センサ、検出位置Pに係数N2を乗じて補正する係数設定器、比例ゲインK2を設定する比例器、該比例器の比例ゲインK2に応じた電流信号Iを出力する電流変換器、該電流変換器の出力電流で駆動される慣性負荷(J)に応じた加速度(Kt/J)に従った位置変化を生ずる負荷によって位置サーボを構成していることから、係数設定器の係数値N2を(Je/J)倍に設定変更する。
【0036】
また速度Qを検出する速度センサ、検出速度Qに係数N3を乗じて補正する係数設定器、微分ゲインK3を設定する微分器、微分器の微分ゲインK3に応じた電流信号Iを出力する電流変換器、電流変換器の出力電流で駆動される慣性負荷(J)に応じた加速度(Kt/J)に従った速度を生ずる負荷によって速度サーボを構成していることから、係数設定器の係数値N3を(Je/J)倍に設定変更する。
【0037】
【作用】
このような本発明のライブラリ装置によれば、次の作用が得られる。
本発明は、セルドラムと同軸に水平回転する投入排出部を設け、セルドラムの回転を利用して投入排出部を回転させることによって、投入排出用の駆動部および制御部を必要とすることなく、正確な位置決め動作を実現し、大幅なコストダウン、信頼性と操作性の向上を図り、ライブラリ装置の性能を引き上げることができる。
【0038】
またセルドラムに1カ所を固定したタイミングベルトで駆動することで、駆動機構部を簡素化してコストダウンができる。またテンション機構を設けたことで、タイミングベルトの伸びの問題を解消し、位置決め精度の信頼性が向上する。
更に、ベルトの左右の伸びが一定となる位置、又はベルト伸びが一番少ない固定位置のセンサ部材に、絶対基準位置を示すホームポジション・エッジを形成したことで、絶対基準位置を精度よく検出する事ができ、停止精度が向上できる。
【0039】
また初期化時の調整計測で、ホームポジション・エッジと各セル列の位置を示す矩形スリットに基づき、絶対基準位置に対する各セル列位置が正確に決定され、ベルト伸びがあっても、セルドラムの停止精度を容易に上げることができる。
またセルドラムを回転させる必要のない空き時間を利用し、本来の媒体運搬動作を遅延させない範囲で、次のセルドラムの動作間が短縮される位置まで予め移動させることにより、ライブラリ装置としてのカートリッジ運搬時間特性を改善し、また、エラーが発生した場合においても、そのエラーによるカートリッジ運搬動作への影響を少なくできる。
【0040】
更に、セルドラムの投入排出部との連動と非連動で慣性負荷が変動した場合でも、サーボループのパラメータを変えることにより、初期化時に最適なサーボゲイン設定をしておけば、常にその状態を保つことができる。
【0041】
【実施例】
<目次>
1.全体構成
2.カートリッジ投入排出機構
3.セルドラム駆動機構
4.投入排出制御
5.投入排出エラー停止時の初期化制御
6.入出力時のカートリッジ移動制御
7.ドラム回転の最適サーボ制御
1.全体構成
図2は本発明のライブラリ装置の外観である。装置本体10は箱型形状を有し、例えば袖なしのディスクの下部に据置きできる程度のサイズを有する。装置本体10の前面上部には操作パネル12が設けられる。操作パネル12には、メッセージ表示部162、各種の表示灯および操作スイッチが設けられている。操作パネル12の下部には投入排出ドア14が設けられている。
【0042】
投入排出ドア14は操作パネル12のドアオープンスイッチを操作したときに開かれ、ドアを開いた状態でカートリッジ16を挿入する。カートリッジ16には、この実施例にあっては、光学的に読み書き可能な光ディスクが収納されている。
投入排出ドア14の下部には、扉を備えたカートリッジ収納部18が設けられている。オペレータは、ライブラリ装置に投入するカートリッジまたはライブラリ装置から排出したカートリッジをカートリッジ収納部18に入れておくことができる。
【0043】
図3はライブラリ装置の内部構造を装置本体10のケース部分を破断して示している。装置本体10の内部には、回転収納手段として機能するセルドラム18が配置されている。セルドラム18は、モータ20によるベルト駆動で水平回りに回転する。セルドラム18には、カートリッジ16を収納するセルが縦方向に並んで配置されている。この実施例にあっては、セルドラム18の90°異なる位置ごとにセル列が形成され、合計4列となる。
【0044】
セルドラム18の上部には同軸に投入排出部22が設けられる。投入排出部22は矩形の部材であり、その両端にカートリッジ16を収納する受け皿26−1,26−2を備えている。この実施例で、投入排出部22は中央のクラッチ部24を介してセルドラム18の上部の回転軸に連結されている。クラッチ部24の接続動作を行うと、セルドラム18と同軸に分離配置されている。クラッチ部24を切離し動作すると、セルドラム18が回転しても投入排出部22は停止している。
【0045】
セルドラム18の横には媒体運搬手段として機能するアクセッサ30が配置されている。アクセッサ30はレール38に沿って上下方向に昇降自在に設けられている。レール18の下部にはモータ32が設置され、モータ32の回転をタイミングベルト36に伝達している。タイミングベルト32は上部を破断しているが、ループ状に形成されたベルトであり、アクセッサ30の側面に固定され、反対側にバランスウェイト34を装着している。したがって、モータ32によりタイミングベルト36を回転することで、レール38に沿ってアクセッサ30を上下方向に移動することができる。
【0046】
セルドラム18の下部には、少なくとも再生手段として機能する光ディスクドライブユニット36−1〜36−4が設置されている。なお、一番上の光ディスクドライブユニット36−1は見えない位置にある。
オペレータが投入排出部14を開いた状態でカートリッジ16を投入すると、投入されたカートリッジ16は投入排出部22のオペレータ側に位置している受け皿26−1に収納される。カートリッジ投入が済むと、クラッチ部24によるセルドラム18と投入排出部22の接続状態が得られ、モータ20の回転駆動で、セルドラム18と一体に投入排出部22が180°回転したアクセッサ30に向かい合う位置に回転する。
【0047】
投入排出部22の回転が終了すると、クラッチ部24は切り離される。続いてアクセッサ30が投入排出部22の取出し位置に上昇し、投入されたカートリッジを取り出す。このときクラッチ部24の接続切離し後にセルドラム18が、投入先となるセルを含むセル列の位置にセルドラム18を回転する。セルドラム18の回転が終了すると、該当するセル列の特定のセル位置にアクセッサ30が移動し、保持しているカートリッジを目的とするセルに投入する。これによって一連のカートリッジ投入処理が終了する。
【0048】
カートリッジの投入は、光ディスクドライブユニット36−1〜36−4のいずれかに対し直接行うこともある。セルドラム18または光ディスクドライブユニット36−1〜36−4のいずれかからのカートリッジの排出は、投入時の動作の逆の動作となる。
図4は図3のアクセッサ30の部分を取り出している。アクセッサ30は、2本のレール38,40および支持フレーム42に沿って上下方向に移動自在に設けられている。支持フレーム42の下部にはモータ32が設置され、モータの回転は減速ギア機構を介して下部のドライブギアプーリ35に伝達されている。下部のドライブギアプーリ35と上部のギアプーリ37の間にタイミングベルト36が掛け回されている。
【0049】
タイミングベルト36は平行する2本のベルトの一方をアクセッサ30に固定し、他方をウェイト34に接続している。アクセッサ30には、水平方向に移動して媒体の取出しおよび投入を行うロボットハンド機構が内蔵されている。
図5は本発明のライブラリ装置のハードウェア構成を上位のホストコンピュータと共に示している。ライブラリ装置150にはディレクタ156−1,156−2が設けられ、上位のホストコンピュータ152−1,152−2との間をチャネルバス154−1,154−2で接続している。チャネルバス154−1,154−2としては、例えばブロックマルチプレクサ・チャネルインタフェースが用いられる。
【0050】
ホストコンピュータ152−1,152−2に対し、ディレクタ156−1,156−2は二重化されている。即ち、ホストコンピュータ152−1は、チャネルインタフェース154−1を使用してディレクタ156−1のチャネルAとディレクタ156−2のチャネルCにアクセスできる2つのパスをもっている。同様にホストコンピュータ152−2も、チャネルパス152−2を使用してディレクタ156−1のチャネルBとディレクタ156−2のチャネルDにアクセスできる2つのパスをもっている。
【0051】
ディレクタ156−1,156−2の配下にはコントローラ160が設けられる。また、この実施例にあっては4台の光ディスクドライブユニット36−1〜36−4を設けている。ディレクタ156−1,156−2、コントローラ160および光ディスクドライブユニット36−1〜36−4との間は、SCSI (Small computer system interface)バス158で接続されている。
【0052】
光ディスクドライブユニット36−1〜36−4はカートリッジのロードおよびアンロード機能をもってディスク媒体の記録再生を行う。コントローラ160に対しては、アクセッサ30、操作パネル12、ドア駆動部166、投入排出部22およびドラム駆動部174が接続されている。操作パネル12には、メッセージ表示部162、ドアオープンスイッチ162が設けられている。
【0053】
ドア駆動部166にはドアセンサ168が設けられている。投入排出部22は図3に示したように、2つの受け皿26−1,26−2を有することから、各受け更にカートリッジセンサ170,172を設けている。ドラム駆動部174にはモータ20およびクラッチ部24が設けられる。
図6は図5のコントローラ160のハードウェア構成である。コントローラ160には、制御手段としてCPU176が設けられる。CPU176には、内部バス180を介してメモリ178が構成される。メモリ178は、制御プログラムを固定的に格納したROMとデータメモリとして使用されるDRAMを含む。また、CPU176にはSCSIコントローラ180が接続される。SCSIコントローラ180は2つの接続ポート182−1,182−2をもち、図5のようにSCSIインタフェースバス158を接続している。
【0054】
CPU176の下位のデバイスインタフェースとして、アクセッサインタフェース184、ドラム駆動インタフェース186、ドア駆動インタフェース188および操作パネルインタフェース190が設けられている。
図7は図6のCPU176による本発明のライブラリ装置で必要な各種の制御機能を示している。CPU176のプログラム制御により実現される機能は、アクセッサ制御部192、媒体移動制御部194、投入制御部196、排出制御部198、ドア制御部200およびパネル制御部202である。更に、投入制御部196にはエラー回復部204が設けられている。これらCPU176で実現される各種の制御機能は、以下の説明で明らかにされる。
2.カートリッジ投入排出機構
図8は本発明のライブラリ装置の内部構造であり、図9は側面から見た内部構造である。
【0055】
セルドラム18は、下部支持プレート58に設けたベアリング50と上部支持プレート59に設けたベアリング50により、水平回りに回転自在に装着されている。下部支持プレート58のコーナ部にはモータ20が下側に装着され、モータ20は減速ギア機構を内蔵しており、減速した回転をタイミングベルト46に伝えている。
【0056】
ここでモータ20からセルドラム18への減速比を1/100とすると、モータ20の減速ギア機構で1/10減速し、タイミングベルト46で1/10減速する。タイミングベルト46はセルドラム18の下部に掛け回されているが、後の説明で明らかにするように、タイミングベルト46はセルドラム18に1箇所で固定されている。
【0057】
セルドラム18の上部にはベアリング54の支持で投入排出部22が回転自在に設けられている。投入排出部22とセルドラム18の回転軸の上部との間にはクラッチ部24が設けられる。クラッチ部24はクラッチ駆動部44により排出される。投入排出部22は180°異なった2箇所にカートリッジの受け皿26−1,26−2を備えている。
【0058】
投入排出部22の表側には投入排出ドア14が設けられる。投入排出ドア14はドア開閉部48に連結されている。ドア開閉部48は電磁ソレノイドなどのアクチュエータにより右方向に駆動されてドア14を開く。ドア14を開いた状態で、図示のように斜線部で示すカートリッジを投入すると、この投入によりドア開閉部48が押されて、図示のように投入排出ドア14を閉じる。
【0059】
セルドラム18の下部には光ディスクドライブユニット36−1〜36−4が設置されている。また、セルドラム18の横にはアクセッサ30がレール38に沿って上下方向に昇降自在に設けられる。アクセッサ30はモータ32によるタイミングベルト36の駆動で上下に移動される。
図8,図9にあっては、セルドラム18、投入排出部22、アクセッサ30および光ディスクドライブユニット36−1〜36−4のそれぞれについて、斜線部で示す矩形形状でなるカートリッジ16が収納されている様子を示している。
【0060】
図10は投入排出機構を取り出して示している。セルドラム18の上部の支持プレート59の中央には矩形の開口78が設けられる。開口78からはセルドラム18のシャフト60が取り出され、この部分に、クラッチ機構を介して投入排出部22を設けている。図10の投入排出部22を外したクラッチ機構の詳細を、図11に示す。
【0061】
セルドラム18の上部のシャフト60の軸端には、ギア62が固着されている。ギア62の上部には、所定のギャップを介して上部の投入排出部22に固定されるギア64が配置される。ギア62と64は、同じ歯数をもって同軸に配置される。ギア62,64に対しては、両者のギア幅を含む大きさのクラッチギア66が配置される。クラッチギア66は、軸穴70により支持プレート58の固定側に対し回動自在に装着したアーム68上に回転自在に支持される。
【0062】
アーム68の先端には、電磁ソレノイド44のロッド72が連結される。また、ロッド72の連結位置にピン74が起立され、ピン74と固定側との間に引張りバネ76を設けている。図11のロッド72は電磁ソレノイド44のオフ状態であり、引張りバネ76の力でアーム68は軸穴70を中心に反時計回りに回動し、クラッチギア66をギア62,64の噛合い位置から外したクラッチ切離し状態としている。
【0063】
図12はクラッチ接続状態である。即ち、電磁ソレノイド44に通電するとロッド72が引き込まれ、引張りバネ76に抗してアーム68を軸穴70を中心に時計回りに回動し、クラッチギア66をギア62,64に押し付けて噛み合わせる。これによってセルドラム18によるギア62の回転がクラッチギア66を介してギア64に伝達され、ギア64側に装着している投入排出部22をセルドラム18と一体に回転させることができる。
【0064】
図13は本発明のクラッチ機構の他の実施例である。図11の実施例にあっては、クラッチ接続による減速比が1の場合であるが、この実施例にあっては1:nとしたことを特徴とする。この実施例のクラッチ機構は、セルドラム18のシャフト60の軸端に固定したギア62に対し所定ギャップを介して設けた投入排出部側のギア84を歯数の異なったギアとしており、クラッチギアとしてはアイドラギア80,82を一体に備えたものを使用している。
【0065】
図14は図13のクラッチギア機構を示す。アーム68上のクラッチギアとして、一対のアイドラギア80,82が設けられている。セルドラム側のシャフト60のギア62は、アイドラギア80に噛み合う。また投入排出部22のギア84は、アイドラギア82に噛み合う。
ここで、ギア62の歯数をZ1、アイドラギア80の歯数をZ2、アイドラギア82の歯数をZ3、ギア84の歯数をZ4とすると、セルドラム18の回転は(Z2×Z4)/(Z1×Z3)倍に変速される。例えばギア62に対しアイドラギア80の歯数が半分であり、またアイドラギア82とギア84の歯数が同じであったとすると、セルドラム18の回転は2倍となって投入排出部22に伝達される。
【0066】
図15は本発明のクラッチ機構の他の実施例である。この実施例はセルドラム18の回転中心に対しオフセットした位置に投入排出部22を設けたことを特徴とする。この場合のクラッチ機構は、図16のように、セルドラム18のギア62に対しオフセットされた投入排出部22側のギア64の間に、電磁ソレノイド44の駆動でクラッチギア66が入るように配置すればよい。
【0067】
図17は本発明の投入排出部22の他の実施例である。この実施例にあっては、投入排出部22を回転中心に対し90°異なった位置に受け皿26−1〜26−4を設けた十字形状とし、受け皿を4個に増やしたことを特徴とする。この実施例にあっては、90°異なる位置に受け皿26−1〜26−4を設けていることから、クラッチ機構を接続した状態でセルドラム18を90°ずつ回転しながらカートリッジの投入排出を行うことになる。
【0068】
図18は本発明のクラッチ機構の他の実施例である。今まで説明した実施例のクラッチ機構にあっては、クラッチ接続時にあっては電磁ソレノイド44を常時通電しなければならない。これに対し図18の実施例にあっては、クラッチ接続の開始時にのみ電磁ソレノイド44に通電し、ある程度回転が始まった後は電磁ソレノイド44の通電を切ってもクラッチ接続を維持することができる。
【0069】
このため図18の実施例にあっては、上部に位置する投入排出部22側と一体に回転するディテントリング90を新たに設けている。ディテントリング90には、図20(A)(B)に示すように、投入排出部22の180°異なった受け皿26−1,26−2の位置に対応して円筒溝92−1,92−2が形成されている。一方、クラッチギア66を支持したアーム68側には、円筒溝92−1,92−2に対し着脱されるコロ94を装着している。
【0070】
図18はギア62,64に対するクラッチギア66の切離し状態を示している。このとき電磁ソレノイド44はオフであり、アーム68に支持したコロ94はディテントリング90の一方の円筒溝92−1に落ち込んでいる。この状態は図20(B)の平面図から明らかである。
図19は、図18の状態で電磁ソレノイド44に通電した状態を示す。電磁ソレノイド44の通電でロッド72が引き込まれ、回転穴70を中心としたアーム68の時計回りの回動でクラッチギア66がギア62,64に噛み合い、クラッチ接続状態となる。このときコロ94は円筒溝92−1から離脱し、ディテントリング90の内周面を転動する位置に移動する。
【0071】
このため、クラッチ接続状態でセルドラム18を回転すると、クラッチ接続により上部の投入排出部22も回転し、同時にディテントリング90も回転を始める。ディテントリング90の円筒溝92−2がコロ94から十分外れた位置に移動したならば、その時点で電磁ソレノイド44をオフしてもコロ94はディテントリング90の内周面に接触しているため、引張りバネ76の力でクラッチギア66がギア62,60から切り離されることはない。
【0072】
このような電磁ソレノイド44をオフした後のクラッチ接続状態におけるディテントリング90の様子は、図20(B)の平面図に示すようになる。そしてディテントリング90が180°回転すると、反対側にあった円筒溝92−2がコロ94の位置に向かい、コロ94が円筒溝92−2に落ち込む180°回転した位置でクラッチギア66のギア62,64に対する噛合いが引張りバネ76の力で自動的に行われ、クラッチ切離し状態となる。
【0073】
図21は本発明の媒体投入排出機構の他の実施例である。今までの実施例にあっては、セルドラム18の上部にクラッチ部24を介して投入排出部22を設けていたが、この実施例にあっては、セルドラム18の上部に同軸に、投入排出部22を一体に固定したことを特徴とする。即ち、セルドラム18の上部に回転軸55によって投入排出部22が固定され、一体に回転することができる。
【0074】
このような構造によれば、クラッチ機構を設けない分だけ内部構造を簡単にできる。勿論、クラッチ機構を設けていないために、通常のセルドラム18から光ディスクドライブユニット36−1〜36−4のいずれかとの間でのカートリッジ搬送についても投入排出部22が回転し、投入排出時のセルドラム18の回転と通常の記録再生時のセルドラム18の回転とを別けて別々に行う必要がない。その他の機構構造はクラッチ部を設けた場合と同じになる。
3.セルドラム駆動機構
図22はタイミングベルト46を用いた本発明によるセルドラム18の駆動機構である。セルドラム18の下部に形成したプーリ部105に対し、タイミングベルト46を歯形の形成側を表にして巻き回している。タイミングベルト46はセルドラム18に対し左側の1箇所の固定部100で固定されている。セルドラム18の左上隅のコーナ部には、モータ20の減速回転が伝達されるモータギアプーリ104が配置され、モータギアプーリ104にタイミングベルト46の歯形形成面が噛み合っている。
【0075】
モータギアプーリ104の両側にはプーリ102,106が配置される。更に、プーリ106に続いてはギアプーリ108が反対側に配置される。プーリ106およびギアプーリ108は、回転軸が固定配置されている。これに対しプーリ102は、アーム110に回転軸が支持されている。アーム110は下側の回転支点112で回動自在に装着され、上部と固定側との間に圧縮バネ114を装着している。
【0076】
したがって、アーム110は圧縮バネ114により固定支点112を中心に反時計回りに付勢されている。プーリ102、アーム110および圧縮バネ114は、タイミングベルト46に対するテンション機構を構成している。圧縮バネ114によりアーム110が時計回りに回動されることで、プーリ102はタイミングベルト46を固定側となるセルドラム18のプーリ部105およびモータギアプーリ104に対しベルトを引張っている。
【0077】
この結果、タイミングベルト46には常に圧縮バネ114のバネ力で決まる一定のテンションが加わった状態となる。また、タイミングベルト46は経年変化により伸びを生ずるが、ベルトの伸びはアーム110の時計回りの回動で吸収され、圧縮バネ114の自由長に伸び切るまでは常に一定のテンションをタイミングベルト46に加えることができる。
【0078】
図23はタイミングベルト46が伸びた場合のテンション機構の様子を示す。タイミングベルト46の伸びに対し、圧縮バネ114の力でアーム110がプーリ102を固定支点112を中心に時計回りに回動して外側に引張り、これによりベルトの伸びを吸収すると同時に、ベルトに圧縮バネ114のバネ力で決まる一定のテンションを加えることになる。
【0079】
再び図22を参照するに、セルドラム18のプーリ部105に続く下端部には鍔状に張り出したリング状のセンサプレート116が一体に設けられている。このセンサプレート116に対しては、位置センサ118が固定側に設置されている。位置センサ118としては、発光素子と受光素子を備えた透過型の光学センサ、または反射型の光学センサなど、適宜のセンサが使用できる。
【0080】
位置センサ118は、セルドラム18に対するタイミングベルト46の固定部100の270°の回転範囲の中間となる135°方向の位置に設置している。このセンサ118を設置した位置は、モータギアプーリ104によるタイミングベルト46のセルドラムの270°の範囲の掛け回しによるテンションに対しタイミングベルト46の伸びが右回りと左回りでほぼ等しくなる位置である。
【0081】
図24は、セルドラム18に設けたセンサプレート116と位置センサ118の関係を示している。セルドラム18には縦方向に4列にセル列120−1〜120−4が設けられており、右側のアクセッサ30の相対位置にセルドラム18の回転で位置決めする必要がある。アクセッサ30の配置位置に対し、位置センサ118の設置位置は時計回りに45°オフセットしている。位置センサ118にタイミングベルト46の固定部100が相対した位置を、セルドラム18の回転における絶対基準位置とする。
【0082】
この絶対基準位置に対し、アクセッサ30の設置位置125にセル列120−1〜120−4を位置付けるために必要な回転角度は、セル列120−1は反時計回りに45°、セル列120−2は時計回りに45°、セル列120−3は時計回りに135°、セル列120−4は反時計回りに135°となる。セル列120−1〜120−4をアクセッサ30の設置位置125に位置付けるため、センサプレート116には矩形の矩形スリット126−1〜126−4が形成されている。
【0083】
図25(A)は、図24のセンサプレート116を、説明を簡単にするため直線に延ばして示している。まずセンサプレート116には絶対基準位置0°を示すホームポジション・エッジ124が形成されている。このホームポジション・エッジ124に対し、セルドラムの反時計回り方向の回転角をプラス、時計回り方向の回転角をマイナスとすると、+45°離れた位置にセル列120−1の位置を示す矩形スリット126−1が設けられ、+135°離れた位置にセル列120−4を示す矩形スリット126−4が設けられる。
【0084】
また、ホームポジション・エッジ124に対し時計回り方向となる−45°離れた位置にセル列120−2を示す矩形スリット126−2が設けられ、同じく−135°離れた位置にセル列120−3を示す矩形スリット126−3が設けられる。センサプレート116に設けられたホームポジション・エッジ124および矩形スリット126−1〜126−4は別々に検出されることから、位置センサ118にはホームポジション・エッジ124を検出するためのセンサ部と矩形スリット126−1〜126−4を検出するためのセンサ部の2つが設けられている。
【0085】
図25(B)は、位置センサ118によるホームポジション・エッジ124の検出信号128である。このホームポジション・エッジ124の検出信号128は、透過型の光センサの受光出力を例にとっており、例えばセルドラム18を時計回りに回転したとすると、位置センサ118をホームポジション・エッジ124が通過するまではLレベルにあるが、ホームポジション・エッジ124が通過するとHレベルに立ち上がる。
【0086】
図25(C)は、セルドラム18を同じく時計回りに回転して位置センサ118で矩形スリット126−4,126−1,126−2,126−3が順番に通過したときの矩形スリット検出信号130−4,130−1,130−2,130−3である。この場合についても、矩形スリット126−1〜126−4の部分で、始端エッジで立ち上がり終端エッジで立ち上がるホームポジション・エッジ検出信号130−1〜130−4が得られる。
【0087】
図25(D)は、ホームポジション・エッジ信号128および矩形スリット検出信号130−1〜130−4を用いたセルドラム18の回転位置の検出を示している。このセルドラム18の回転位置を検出するため、図5に示したコントローラ160には図26の機能が設けられる。
図26において、コントローラ160のCPU176には位置決め制御部550が設けられ、アクセッサ30に対しセルドラム18のセル列を位置決め制御する。位置決め制御部550からの制御信号はドライブ回路502を介してモータ20に供給され、タイミングベルトを備えた駆動機構504を介してセルドラム18を駆動する。
【0088】
モータ20にはタコジェネレータ508が設けられており、モータ20の回転数に比例したパルス信号を出力する。タコジェネレータ508からのパルス信号は、CPU176に設けたカウンタ部510で計数される。一方、位置センサ118によるセンサプレート116からのホームポジション・エッジ124および矩形スリット126−1〜126−4の検出信号は、エンコーダ506を介して位置決め制御部550に供給されている。
【0089】
エンコーダ506からホームポジション・エッジ信号128が得られると、位置決め制御部550に設けているリセット部がカウンタ部510をリセットしてカウンタ値を絶対基準位置=値0とする。このためカウンタ部510は、セルドラム18の絶対基準位置を0として時計回りまたは反時計回りの回転で得られたパルスを計数することとなり、カウンタ部510の計数値がホームポジション・エッジで与えられる絶対基準位置に対するセルドラム18の回転位置を示す値となる。
【0090】
図25(D)は、図26に設けたカウンタ部510の計数値の変化を示している。即ち、ホームポジション・エッジ124の検出信号128により0にリセットされ、セルドラム18の反時計回りの回転でカウンタ値が直線132−1に示すように増加し、また時計回りの回転で直線132−2に示すようにカウンタ値が増加する。
【0091】
矩形スリット126−1〜126−4による絶対基準位置0に対するカウンタ値を用いたセル列位置は、図26の位置決め制御部550に設けた調整計測部560により決定される。調整計測部560は、ライブラリ装置の電源投入による立上げ時の初期化処理の処理項目の1つとして、矩形スリット126−1〜126−4に基づく各セル列の位置を計測して記憶する処理を実行する。
【0092】
この調整計測部560による計測処理は、図25(D)に示すように、例えば矩形スリット126−2を例にとると、調整計測のためのセルドラム18の回転で得られた図25(C)の矩形スリット検出信号130−2の立上がりエッジのカウンタ値C1と立下がりエッジのカウンタ値C2を求める。次にカウンタ値C1,C2の平均値として中心値C0を求め、この算出値C0を矩形スリット126−2に基づくセル列120−2の位置情報として記憶する。この点は他の矩形スリット126−1,126−3,126−4についても同様である。
【0093】
図27は、図26の調整計測部560によるセル列120−1〜120−4の位置を決定する調整計測処理を示す。まずステップS1で、セルドラム18を任意の方向に回転駆動し、ステップS2で、ホームポジション・エッジ124の検出をチェックしている。ホームポジション・エッジ124を検出するとステップS3に進み、カウンタ部510をリセットして絶対基準位置0をセットする。
【0094】
続いてステップS4に進み、ホームポジション・エッジ124を中心にセルドラム18を左右135°の範囲で回転駆動する。この回転駆動中において、ステップS5で矩形スリットの始端エッジの検出を監視しており、始端エッジを検出するとステップS6に進み、そのときのカウンタ値Nn1をラッチする。ここでnは、矩形スリットの数を示すn=1,2,3,・・・の整数である。
【0095】
続いてステップS7で、同じ矩形スリットの終端エッジの検出を監視し、終端エッジを検出すると、ステップS8で、そのときのカウンタ値Nn2をラッチする。続いてステップS9で、全ての矩形スリットの検出が終了したか否かチェックし、終了するまでステップS5〜S8の処理を繰り返す。全ての矩形スリットの検出が済むとステップS10に進み、各矩形スリットについて検出している始端と終端エッジの各カウンタ値の平均値として矩形スリット中心位置を示す値Nn0を算出して、これを各セル列の位置を示す値として記憶する。
【0096】
このように調整計測部560による初期化処理の際のセル列120−1〜120−4の位置を示す値が計測記憶されたならば、通常の動作状態において、カートリッジの移動指示に基づいてセルドラム18を特定のセル列に回転する制御指令が位置決め制御部550に与えられると、目標セル列の値と現在のセルドラム18の位置を示すカウンタ部510の計数値とを比較し、カウンタ部510の計数値の目標セル列の値に対する偏差、即ち位置誤差を0とするように、ドライブ回路502を介してモータ20を駆動することで、セルドラム18の指定されたセル列をアクセッサ30側に位置付ける位置決め制御が行われる。
【0097】
図28は、セル列を4列有するセルドラム18をタイミングベルト46で270°回転する場合について、位置センサ118をセルドラム18の時計回りの回転が停止する限界位置での固定部100に相対して設け、この位置を絶対基準位置とした場合の実施例を示す。
図示のタイミングベルト46の時計回りの回転ができなくなる固定部100の位置は、剛性の弱いタイミングベルト46の駆動において一番伸びの少ない場所であり、この位置に位置センサ118を設けて絶対基準位置とすることで、タイミングベルト46の伸びによる絶対基準位置の変動を最小限に抑えている。
【0098】
この場合、アクセッサ30の位置125にセル列120−1〜120−4を位置付けるための回転方向と回転角は、次のようになる。
セル列120−1=反時計回りに180°
セル列120−2=反時計回りに90°
セル列120−3=絶対基準位置の0°
セル列120−4=反時計回りに270°
このようなアクセッサ30の位置125にセル列120−1〜120−4を位置付けるため、センサプレート116には矩形の矩形スリット126−1〜126−4が形成される。
【0099】
図29(A)は、図28のセンサプレート116を説明の都合上、直線に伸ばして示している。まず、絶対基準位置となる0°を示すホームポジション・エッジ134が設けられる。このホームポジション・エッジ134の位置には、セル列120−3を示す矩形スリット126−3が形成される。ホームポジション・エッジ134から反時計回りの+90°離れた位置には、セル列120−2を示す矩形スリット126−2が形成される。
【0100】
また、反時計回りの+180°離れた位置には、セル列120−1を示す矩形スリット126−1が形成される。更に、反時計回りの+270°離れた位置には、セル列120−4を示す矩形スリット126−4が形成される。図29(B)は、セルドラム18を反時計回りに回転したときのホームポジション・エッジ134の検出信号136であり、図29(C)は、そのときの矩形スリット126−1〜126−4の検出信号130−1〜130−4である。
【0101】
図29(D)は、図28の位置に設置した位置センサ118の出力に基づく図26のカウンタ部510のカウンタ値の変化を直線138で示している。この場合にも、初期化処理の中で調整計測部560による矩形スリット検出信号130−1〜130−4に基づいたセル列120−1〜120−4の位置の計測記憶が行われる。例えば矩形スリット126−2を例にとると、その検出信号130−2の立上がりエッジのカウンタ値C1と立下がりエッジのカウンタ値C2の平均偏差による中央値C0を求め、これをセル列120−3の位置を示す値として記憶する。
【0102】
図30は本発明のドラム駆動機構の他の実施例である。この実施例にあってはセルドラム18のセル列を2列とし、セルドラムをタイミングベルト46により180°の範囲で回転駆動するようにしたことを特徴とする。
セルドラム18には、90°離れた位置にセル列120−1,120−2が設けられている。タイミングベルト46は、固定部100でセルドラム18に固定されている。タイミングベルト46は、固定部100を基準とした180°の回転範囲に対し、90°のベルト掛け回し側と反対方向の位置にモータ20の減速回転で駆動されるモータギアプーリ104を配置している。
モータギアプーリ104に対しては左右にプーリ102,106が設けられる。プーリ106の回転軸は固定されているが、プーリ102はアーム110および圧縮バネ114と共にテンション機構を構成し、固定支点112を中心に圧縮バネ114のバネ力でアーム110を介してプーリ102によりタイミングベルト46を引張ることで一定のテンションを与えている。
【0103】
セルドラム18にはセンサプレート140が設けられ、センサプレート140に対しては位置センサ118が設けられる。位置センサ118は図24の実施例と同様、セルドラム18の180°の回転範囲の中央に設けられ、ここを絶対基準位置としている。アクセッサ30の位置125にセル列120−1,120−2を絶対基準位置から位置決めするための回転方向と回転角は、次のようになる。
【0104】
セル列120−1=反時計回りに180°
セル列120−2=絶対基準位置の0°
図31(A)は、図30に設けたセンサプレート140を直線上に展開している。センサプレート140には絶対基準位置を示すホームポジション・エッジ142が設けられ、ホームポジション・エッジ142と同一位置にセル列120−2を示す矩形スリット144−2を設けている。また、ホームポジション・エッジ142から時計回りの180°離れた位置にセル列120−1を示す矩形スリット144−1を設けている。
【0105】
図31(B)はセンサプレート140のホームポジション・エッジ142の検出信号146を示し、また図31(C)は矩形スリット144−1,144−2の検出信号146−1,146−2を示す。この実施例にあっても、位置センサ118によるホームポジション・エッジ検出信号146と矩形スリット検出信号146−1,146−2に基づき、図26のCPU176において、初期化処理の際には調整計測560によって、例えば矩形スリット検出信号146−1の立上がりおよび立下がりエッジのカウンタ値C1,C2の平均値として中央値C0を求めて、これをセル列120−1の位置を示す値として記憶する調整計測処理が行われる。
【0106】
なお、図30の実施例にあっては、位置センサ118をタイミングベルト46の左右の回転方向の伸びが均一となる位置に設けてこの位置を絶対基準位置としているが、図28の実施例と同様、タイミングベルト46の動きが止まる限界位置に位置センサ118を設けて、ベルトの伸びの一番少ない位置を絶対基準位置としてもよい。
4.投入排出制御
図32は図7のCPU176に設けた投入制御部196によるカートリッジ投入動作のタイムチャートである。まずオペレータは、操作パネル12に設けているドアオープンスイッチ162のオープン操作230を行う。このスイッチ操作信号232はコントローラ160に与えられ、コントローラ160はドア駆動部166に対しドアオープン指示234を行い、投入排出ドア14(図2参照)が開放される。
ドアが開放すると、コントローラ160にドアオープン終了ステータス236が返される。続いてオペレータは、カートリッジ投入238を行うと、このカートリッジ投入238に伴って開放状態にあった投入排出ドア14が閉じ、同時に投入排出部22に設けているカートリッジセンサがカートリッジ投入を検出し、ドアクローズおよびカートリッジ投入信号242をコントローラ160に出力する。
【0107】
このカートリッジ投入およびドアクローズの検出信号242を受けたコントローラ160は、カートリッジの移動指示244をドラム駆動部174およびアクセッサ30に行う。この移動指示はコマンド形式で行われ、移動元アドレスと移動先アドレスをコマンドパラメータとして含んでいる。
ここで本発明のライブラリ装置にあっては、例えば図3に示したセルドラム18の各セル列のセル、アクセッサ30、光ディスクドライブユニット36−1〜36−4、および投入排出部22の受け皿26−1,26−2のそれぞれについて、予めアドレスが定義されている。これらのアドレスは総称してセルアドレスと呼ばれる。
【0108】
このため移動指示にあっては、移動元のユニットと移動先のユニットを意識することなく、予め割り当てられた移動元アドレスと移動先アドレスを指定するだけでカートリッジの移動指示を行うことができる。このようなセルアドレスを用いた移動指示は、上位のホストコンピュータから供給されるムーブコマンドに伴うコマンドパラメータとしての移動元アドレスと移動先アドレスについても同じである。
【0109】
コントローラ160より移動指示244を受けたドラム駆動部174は、クラッチ接続246を行って、セルドラム18に投入排出部22を連結し、続いてセルドラム18の180°回転248を行い、クラッチ切断250を行う。このようなクラッチ246、ドラム180°回転248およびクラッチ切断250の動作によって、投入排出口側の受け更に乗せられていたカートリッジはアクセッサ30側に移動する。クラッチ切断250が終了すると、アクセッサ30に対し投入終了通知252を発行する。
【0110】
一方、コントローラ160より移動指示244を受けたアクセッサ30は、現在位置から投入排出部22の設置位置となる投入排出位置への移動254を開始する。投入排出位置への移動が終了してドラム駆動部174より投入終了通知252を受けると、カートリッジ取出し動作256を行う。カートリッジ取出し動作256が済むと、アクセッサ30はドラム駆動部174に対し取出し終了通知258を発行する。
【0111】
これを受けてドラム駆動部174は、移動指示244で受けた移動先アドレスとなるセルを含むセル列をアクセッサ30に位置付けるためのドラム回転262を行う。ドラム駆動部174のドラム回転262が終了すると、回転終了通知264がアクセッサ30に与えられる。アクセッサ30は回転終了通知264を受けて、目的セル位置即ち移動指示244で通知された移動先アドレスにカートリッジを挿入する。挿入が済むと、コントローラ160に対し移動終了通知268が行われ、これがデバイスエンドとなって一連の投入動作が終了する。
【0112】
図33は、投入排出部22に設けている2つの受け皿が共に空き状態になって連続的に2枚のカートリッジを投入した場合の動作を示している。まず、1枚目のカートリッジの投入動作となる操作パネル12のドアオープンスイッチ操作230から最終的にアクセッサ30がセルドラムの目的セルにカートリッジを投入して移動終了通知268が得られるまでは、図32と同じである。
【0113】
一方、2枚目のカートリッジを連続投入するため、アクセッサ30は1枚目のカートリッジを投入排出部22から取出し動作256を行った際に、取出し終了通知258をドラム駆動部174に通知すると同時に、コントローラ160にも終了通知270として通知する。このアクセッサ30による1枚目のカートリッジ取出し終了通知270を受けて、コントローラ160はドア駆動部166にドアオープン指示272を行い、これを受けてドア駆動部166が2枚目のカートリッジの投入を可能とするために、投入排出ドアのドアオープンを行う。
【0114】
ドアオープンの終了通知276をコントローラ160が受けると、操作パネル12のカートリッジ投入許可を示す表示灯などを点灯する。これを受けてオペレータは、操作パネル12側で2枚目のカートリッジ投入278を行う。2枚目のカートリッジが投入されると、投入に伴ってドアクローズ動作280が行われ、受け皿のセンサでカートリッジ投入が検出され、ドアクローズおよびカートリッジ検出信号282がコントローラ160に通知される。
【0115】
これ以前にアクセッサ30からは1枚目のカートリッジの移動終了通知268が得られていることから、コントローラ160は2枚目のカートリッジに関する移動指示284をドラム駆動部174およびアクセッサ30に通知する。これを受けてドラム駆動部174およびアクセッサ30は1枚目のカートリッジと同様な投入動作を行い、最終的にアクセッサ30より移動終了通知308がデバイスエンドとして得られると、コントローラ160は一連のカートリッジ投入処理を終了する。
【0116】
図34のフローチャートは、図32および図34の動作を行う投入制御部によるカートリッジ投入処理を示している。まずステップS1で、ドアオープン操作を判別すると、ステップS2で、ドアオープン指示を行う。続いてステップS3で、カートリッジ投入およびドアクローズを監視しており、両者を検出するとステップS4に進み、ドラム駆動部166に移動先アドレスを通知して移動を指示する。
【0117】
またステップS5で、アクセッサ30に移動元および移動先アドレスを通知して移動を指示する。続いてステップS6で、アクセッサ30による投入排出部22からの投入カートリッジの取出しの正常終了の有無をチェックしており、正常終了するとステップS8に進み、アクセッサ30によるセルドラム18の目的セルへの移動終了を待って、再びステップS1の処理に戻る。
【0118】
一方、アクセッサ30が投入排出部22の受け皿からカートリッジを抜き出すことができなかった場合には、コントローラ160に対し異常終了が通知され、この場合にはステップS7に進んで、残留カートリッジの取出し処理を行う。この残留カートリッジ取出し処理は、図7の投入制御部196に設けたエラー回復部204の機能として実行される。
【0119】
図35はエラー回復部204による残留カートリッジ取出し処理を示す。まずステップS101で、ドラム駆動部174に投入排出部22の戻し回転を指示する。これを受けてドラム駆動部174は、クラッチを接続した後にセルドラムを180°回転して、抜き出しに失敗したカートリッジを投入排出側に元す。ステップS102で投入排出部の戻し回転終了が判別されると、ステップS103でドアオープンを指示し、オペレータに投入に失敗したカートリッジの取出しを行わせる。
【0120】
この場合、アクセッサによる異常終了で操作パネルには投入エラー発生の警報表示が行われ、且つメッセージ表示部に、投入に失敗したカートリッジが戻されたことを表示するため、オペレータは適確に状況を判断して、戻されたカートリッジを抜き取る。
ステップS104でカートリッジの抜き取りおよびドアクローズが検出されると、一連の残留カートリッジ取出しのエラー回復処理を終了し、ステップS105に進んで、投入排出部22のアクセッサ30側に新たに投入したカートリッジがあるか否かチェックする。もし新たに投入したカートリッジがあれば図34のステップS4に戻って、次のカートリッジの目的セル位置への移動を指示する。カートリッジがなければ図34のメインルーチンにそのままリターンする。
【0121】
尚、上記の投入制御は、移動先をセルドラム18の指定セル位置とした場合を例にとるものであったが、移動先をドライブユニット36−1〜36−4のいずれかとすることもでき、この場合にはクラッチ接続で投入排出部22をアクセッサ側に回転した後、アクセッサの移動処理を行うだけでよく、セルへの投入の際のセルドラムのクラッチ切離し状態での回転処理は不要となる。
【0122】
図36は、図7のCPU176に設けた排出制御部198によるカートリッジ排出動作のタイムチャートである。排出動作は、コントローラ160からの排出指示310をドラム駆動部174およびアクセッサ30に対し発行することで行う。コントローラ160による排出指示は、上位のホストコンピュータあるいは操作パネル12のスイッチ操作で起動することができる。
【0123】
移動指示310には移動元アドレスと移動先アドレスがコマンドパラメータとして含まれている。移動元アドレスとしては、セルドラム18のセルアドレスまたは光ディスクドライブユニット36−1〜36−4のセルアドレスが指定できる。移動先アドレスは投入排出部22の空いている受け皿のセルアドレスとなる。
【0124】
コントローラ160から排出指示310を受けたドラム駆動部174は、移動元アドレスで指定された目的セル位置が含まれるセル列をアクセッサ30に位置付けるようにドラム回転312を行う。ドラム回転を終了すると、回転終了通知320がアクセッサ30に通知される。
排出指示310を受けたアクセッサ30は、目的セルが属する高さ方向の位置に対する移動314を開始する。移動終了後にドラム駆動部174からのドラム回転終了通知320を確認すると、セルドラム18からのカートリッジ取出し動作316を行い、投入排出位置に向けての移動318を行う。投入排出位置への移動が終了すると、アクセッサ30側に位置している投入排出部22の空き状態にある受け皿にカートリッジ投入322を行う。
【0125】
カートリッジ投入が済むと、投入終了通知324がドラム駆動部174に対し行われる。これを受けてドラム駆動部174はクラッチ接続326を行い、セルドラム18を180°回転する動作328を行って、アクセッサ30側の受け皿のカートリッジを投入排出口側に回転し、回転が済むとクラッチ切断330を行う。ドラム駆動部174による投入排出部の戻し回転が終了すると、ドア駆動部166に対しドアオープン指示332が行われ、ドア駆動部166がドアオープン動作334を行う。
【0126】
ドアオープン動作334が済むと、コントローラ160に移動終了通知336が行われ、オペレータ側で排出されたカートリッジの取出し可能状態となる。オペレータがカートリッジ取出し338を行うと、センサに基づくカートリッジ抜取り通知340がコントローラ160に対し行われ、続いてドアクローズ動作342の検出通知344をコントローラ160が受けると、カートリッジなしの確認動作を行って、一連の排出処理を終了する。
【0127】
図37は、1枚目のカートリッジの排出動作に続いて2枚目のカートリッジの排出動作を連続して行ったときのタイムチャートである。コントローラ160による排出指示310からカートリッジなしの確認動作345までは、図36の排出動作と同じである。
一方、1枚目のカートリッジの排出動作において、ドラム駆動部174で排出したカートリッジの投入排出口への回転が終了してドアオープン指示332がドア駆動部166に与えられると、この通知は同時にコントローラ160にも通知される。このドアオープン指示の通知332を受けて、コントローラ160はセルドラムおよびアクセッサ側が空き状態にあることを認識し、次のカートリッジを排出するための排出移動指示346をドラム駆動部174およびアクセッサ30に発行する。
【0128】
この2つめのカートリッジの排出指示346を受けて、1枚目のカートリッジの排出処理と同様、ドラム駆動部174およびアクセッサ30は排出動作を開始し、348から382の符号で示す同様な排出処理を繰り返す。
図38のフローチャートは、図36および図37の排出動作を行う排出処理部のカートリッジ排出処理動作である。まずステップS1で、ドラム駆動部174およびアクセッサ30が空き状態にあるか否かチェックし、空き状態にあれば、ステップS2で、ドラム駆動部174に移動元アドレスを通知してセルドラム18をアクセッサ30の位置まで回転させる移動指示を行う。
【0129】
またステップS3で、アクセッサ30に移動元および移動先アドレスを通知し、アクセッサ30をセルドラムの目的セル列の移動元アドレス位置に移動し、移動後にカートリッジを取り出して、移動先アドレスで指定される投入排出部22の位置に移動させる。
ステップS4で、一連の排出カートリッジの移動処理が正常終了か否かチェックしており、正常終了すると、ステップS5でドアオープンの指示を出し、ステップS6でカートリッジ抜取りおよびドアクローズの検出を待って、一連の排出処理を終了する。
【0130】
一方、ステップS4で排出カートリッジの移動処理が異常終了となった場合には、ステップS7で、規定リトライ回数に達するまでステップS2,S3の排出移動指示に基づく処理動作を繰り返し、規定回数リトライを行ってもエラーが回復しない場合には異常終了とする。
尚、上記の排出動作については、セルドラム18からカートリッジを取り出して排出する場合を例にとっているが、光ディスクドライブユニット36−1〜26−4のいずれかから、記録再生が済んでアンロードされたカートリッジを取り出して排出することもできる。
5.投入排出エラー停止時の初期化処理
図3に示したように、本発明のライブラリ装置は、クラッチ部24を接続することによりセルドラム18に連動して投入排出部22を回転させ、投入排出ドア14から投入したカートリッジのアクセッサ30への移動、およびアクセッサ30から投入したカートリッジの投入排出ドア14側への移動を行っている。この投入動作または排出動作の際には、投入排出部22はセルドラム18によって180°回転される。
【0131】
しかしながら、セルドラム18に連動した投入排出部22の180°回転の途中で、セルドラム18側に何らかの異常が発生してエラー停止した場合、投入排出部22も停止してしまい、目的位置であるアクセッサ30側または投入排出ドア14側に送ることができない状態となる。このときの復旧機能として、本発明のライブラリ装置にあっては、セルドラム18を予め定めた初期化位置に戻すための初期化機能を備えている。
【0132】
図39は、図7に示したコントローラのCPU176について、投入制御部196および排出制御部198に対しセルドラム18を所定の初期化位置に強制的に戻すための媒***置初期化部566を設けた実施例を示す。
媒***置初期化部566は、投入制御部196または排出制御部198より目的位置に向けて回転中にセルドラム18が停止するエラー通知を受けると、セルドラム18を所定の初期化位置即ち原点位置に移動させる初期化駆動を行う。このセルドラム18の原点位置への移動による初期化処理により、エラー停止したセルドラムの停止位置を確定して、エラー発生後のセルドラムの管理を容易にする。
【0133】
媒***置初期化部566による初期化動作の際の回転方向は予め設定されており、この実施例にあっては時計回り方向(CW方向)とする。媒***置初期化部566でセルドラム18の初期化動作が行われた場合、クラッチ部24は接続したままであるので、投入排出部22の2つの受け皿のうちの一方に収納しているカートリッジは、異常発生前に移動しようとしていた目的位置または元の位置に停止する。
【0134】
この初期化動作後のカートリッジの停止位置は、そのままでは判らないことから、図39の実施例にあっては、媒***置認識部570を設けている。このため、投入制御部196および排出制御部198は、媒***置認識部570を参照することによって、投入排出部22のカートリッジが移動しようとしていた目標位置に停止したのか、元の位置に戻ったのかを認識することができる。
【0135】
媒***置認識部570として、この実施例にあっては、セルドラム18の回転方向を示す回転方向フラグAを格納する第1フラグレジスタ572と、カートリッジの移動方向がアクセッサ30からオペレータ側となる投入排出ドア14側かあるいはオペレータ側の投入排出ドア14からアクセッサ30側かを識別する移動先フラグBを格納する第2フラグレジスタ574を設けている。
【0136】
図40は、カートリッジの投入動作を示している。図40(A)において、セルドラム18は、投入排出部22の受け皿26−1のカートリッジ16を、反対側のアクセッサ30の位置まで180°回転可能な駆動ベルト46の停止位置にある。この停止位置で、白抜きの三角形で示すセルドラム18上のドラム原点562は、投入排出ドア14側に位置している。一方、アクセッサ30側には初期化原点564が予め設定されている。ここでタイミングベルト46によるセルドラム18の駆動機構は簡略化して示している。その詳細は図22に示した通りである。セルドラム18上のドラム原点562をアクセッサ30まで180°回転可能とするため、タイミングベルト46の固定部100は図示の右斜め上45°方向にある。
【0137】
図40(B)は、図40(A)のクラッチ部24を接続した状態でセルドラム18に連動して投入排出部22を180°回転してアクセッサ30に移動した状態である。この180°回転後にはセルドラム18のドラム原点562は、アクセッサ30側に設定した初期化原点564に位置決めされている。また、図40(A)のタイミングベルト46の固定部100と比較して180°回転した位置に固定部100が移動している。
【0138】
図41は、受け皿26−1のカートリッジをアクセッサ30側にセルドラム18の回転に連動して移動する途中でエラーが発生して停止し、このエラー停止後に初期化動作を行った場合である。
図41(A)は、図40(A)と同じであり、セルドラム18のドラム原点562は、オペレータ側の投入排出ドア14に位置決めされており、受け皿26−1に対しオペレータがカートリッジ16を投入している。この状態で図39の媒***置認識部570に設けた第1フラグレジスタ572には、回転方向フラグAがセットされる。このときセルドラム18を時計回り(CW方向)に回転してアクセッサ30の位置に移動することから、回転方向フラグはA=1にセットされている。逆に、アクセッサ30から投入排出ドア14側にカートリッジを戻すときセルドラム18の回転方向は反時計方向(CCW方向)となり、回転方向フラグAはA=0にセットされる。
【0139】
また、第2フラグレジスタ574にはカートリッジの移動方向を示す移動先フラグBがセットされる。この場合、オペレータ側からアクセッサ30へのカートリッジ移動であることから、移動先フラグBはB=0にセットされる。逆に、アクセッサ30からオペレータ側にカートリッジを移動する場合には、移動先フラグBはB=1にセットされる。
【0140】
図41(B)は、クラッチ24の接続でセルドラム18に連動して投入排出部22を時計回りに回転し、その途中でセルドラム18に何らかの異常が発生してエラー停止した状態を示す。このセルドラム18の異常停止に対し、図39の媒***置初期化部566が起動し、エラー停止しているセルドラム18を、アクセッサ30側の初期化原点564に強制的に移動させる初期化動作を行う。
【0141】
このセルドラム18の初期化動作に際し、媒***置認識部570の第1フラグレジスタ572の回転方向フラグAは同じ時計回りの回転方向(CW方向)であることから、A=1の状態に再セットされる。一方、カートリッジ16の移動先はアクセッサ30と変わっていないことから、移動先フラグBはB=0のままである。
【0142】
図41(C)は、エラー停止後の初期化動作によってセルドラム18を初期化原点564に位置決めした状態である。この状態で、媒***置認識部570に設けている第1フラグレジスタ572および第2フラグレジスタ574を参照すると、回転方向フラグA=1、移動先フラグB=0であることから、初期化動作によってカートリッジ16がエラー発生前に移動しようとしていた目的位置に停止していることを認識できる。したがって、初期化動作終了後にカートリッジ16の目的位置への移動が完了していることが判り、例えばアクセッサ30による取出動作に入ることができる。
【0143】
図42は、アクセッサ30からオペレータ側への排出の途中でセルドラム18がエラー停止した場合である。
図42(A)は、排出動作の初期化位置である。セルドラム18上のドラム原点562は、アクセッサ30側の初期化原点564に位置決めされている。この状態で、アクセッサ30によりセルドラム18あるいは光ディスクドライブユニット36−1〜36−4側から取り出され、運搬されてきたカートリッジが投入排出部22の受け皿26−1に投入される。
【0144】
このときの第1フラグレジスタ572の回転方向フラグAは、排出動作でセルドラム18を反時計方向(CCW方向)に回転することから、A=0にセットされる。また、第2フラグレジスタ574の移動先フラグBは、アクセッサ30からオペレータ側への移動であることから、B=1にセットされる。
図42(B)は、アクセッサ30からオペレータ側にカートリッジ16を移動している途中でセルドラム18がエラー停止した状態である。このセルドラム18のエラー停止に対し、媒***置初期化部566の初期化動作が行われる。この初期化動作は、エラー停止したセルドラム18のドラム原点562を、アクセッサ30側の初期化原点564に戻すため時計回り回転(CW回転)を行う。このため、初期化動作の際に第1フラグレジスタ572の回転方向フラグAは、時計回り方向(CW方向)を示すA=1にセットされる。第2フラグレジスタ574の移動方向フラグBは、B=1のままである。
【0145】
図42(C)は、初期化原点への復帰状態である。即ち、初期化動作によってセルドラム18は時計回り(CW方向)に回転される。このときクラッチ部24は接続状態にあることから、同時に投入排出部22も時計回り方向(CW方向)に回転し、初期化原点564に戻る。このため、初期化動作終了後の第1フラグレジスタ572および第2フラグレジスタ574のフラグA,Bを参照すると、A=1,B=1であり、カートリッジ16が元のアクセッサ30の位置に戻ったことを認識できる。このため、再度、カートリッジ16の排出動作を行わせるリトライ動作に入ることができる。
【0146】
図43のフローチャートは、カートリッジ投入排出時の位置認識と、異常発生時の初期化動作を示している。まずステップS1で、投入または排出指示を受けると、ステップS2で、投入または排出におけるセルドラム18の回転方向が時計回り方向(CW方向)か否かチェックする。この実施例にあっては、投入動作は時計回り方向(CW方向)であり、排出動作は反時計回り方向(CCW方向)となっている。
【0147】
ステップS1で判別された指示が投入指示であり、したがってドラム回転方向が時計回り方向(CW方向)であることをステップS2で判別すると、ステップS3に進み、回転方向フラグAをA=1にセットする。一方、排出動作で回転方向が反時計回り方向(CCW方向)であった場合には、ステップS4に進み、回転方向フラグAをA=0にリセットする。
【0148】
続いてステップS5で、カートリッジのオペレータ側からアクセッサ30側への移動か否かチェックする。オペレータからアクセッサ30側への移動であれば、ステップS6に進み、移動先フラグBをB=0にセットする。逆に、アクセッサ30からオペレータ側への移動であった場合には、ステップS7に進み、移動先フラグBをB=1にセットする。
【0149】
続いてステップS8で、投入または排出状態を行う。この投入または排出制御は、図34および図38のフローチャートに示した通りである。続いてステップS9に進み、投入制御中または排出制御中にセルドラム18が停止するエラー発生の有無をチェックしている。エラー停止が発生すると、ステップS11以降の処理に入る。もしエラーを発生せずにステップS10で正常終了が判別されると、再びステップS1に戻る。
【0150】
エラー停止の場合には、ステップS11で、予め定めた規定方向となるCW回転でセルドラム原点562を原点564に戻す初期化動作を行い、回転方向フラグAを初期化回転方向に従ってA=1にセットする。ステップS12で初期化動作の終了を判別すると、ステップS13に進み、回転方向フラグA=1で且つ移動先フラグB=0か否かチェックする。
【0151】
A=1,B=0であれば、ステップS14に進み、カートリッジはアクセッサ30側の目標位置に停止しているものと判断する。一方、ステップS13の条件が成立せず、A=1,B=1であった場合には、ステップS15に進み、アクセッサ30側の元の位置にカートリッジが停止していることを認識する。
続いてステップS16に進み、初期化動作後のカートリッジ停止位置に応じたリカバリ処理を行う。ステップS13でカートリッジが目標位置に停止していた場合には、アクセッサ30によるカートリッジの取出しと運搬制御を起動する。ステップS15で、エラー前のアクセッサ30側の位置に停止していた場合には、オペレータ側に移動するための排出制御のリトライ動作を行い、所定回数のリトライ動作でエラーが回復しなければ異常終了とする。
【0152】
図44は、受け皿26−1にカートリッジを投入した場合について、ドラム回転方向、カートリッジ移動方向、初期化動作時のドラム回転方向および初期化動作で終了停止したときの位置を示している。
図40乃至図43は、投入排出部22の受け皿26−1側にカートリッジ16を投入した場合の処理動作を例にとるものであったが、反対側の受け皿26−2にカートリッジ16を投入した場合にも基本的には同じ処理になる。図44は、受け皿26−2にカートリッジを投入した場合について、ドラム回転方向、カートリッジ移動方向、初期化動作時のドラム回転方向および初期化動作で終了停止したときの位置を示している。
【0153】
即ち、受け皿26−2にカートリッジを投入した場合には、オペレータ側からアクセッサへの移動時には、受け皿26−1の場合と逆に、反時計回り方向(CCW方向)となる。また、アクセッサ30からオペレータ側へのカートリッジ移動については、受け皿26−1の場合と逆に、時計回り方向(CW方向)となる。また、初期化動作時のドラム回転方向は受け皿26−1と逆に、受け皿26−2の場合は反時計回り方向(CCW方向)となる。
【0154】
そして初期化動作後のフラグA,Bは、オペレータ側からアクセッサ30への移動時の初期化動作については、A=0,B=0で目標位置を示し、逆にアクセッサ30からオペレータ側への移動については、初期化動作後のA=0,B=1でエラー前の位置を示すことになる。
図45は、投入排出部22のカートリッジの位置を認識する他の実施例である。この実施例はセルドラム18側に設けたセンサプレートと固定設置した位置センサを用いて初期化動作によるカートリッジの位置を認識できるようにしたことを特徴とする。
【0155】
図45において、セルドラム18のドラム原点562は、投入排出ドア14となるオペレータ側に停止しており、アクセッサ30側に初期化原点564を設定している。カートリッジ投入時のアクセッサ30への移動は、クラッチ24部の接続状態でセルドラム18に連動して投入排出部22を180°連動回転させる。この場合の回転方向を、時計回り方向(CW方向)とする。逆に、アクセッサ30からカートリッジを投入してオペレータ側に排出する場合には、クラッチ24を接続した状態でセルドラム18を反時計回り(CCW方向)に180°回転する。
【0156】
セルドラム18には、分離して示すセンサプレート576が設けられている。センサプレート576には、一対のスリットパターン578,580が形成されている。スリットパターン578は、セルドラム18のドラム原点562を越える位置から始まって反時計回りにアクセッサ30側の初期化原点564の少し手前の位置で終っている。またスリットパターン580は、セルドラム18のドラム原点562を越えた位置から始まって時計回り方向(CW方向)に形成され、アクセッサ30側の原点564に至る手前で終わっている。
【0157】
センサプレート576に対しては、初期化原点564となる位置に位置センサ582が設けている。位置センサ582としては、センサプレート576を挟んで設置された発光部と受光部を備えたフォトセンサが用いられ、2つのスリットパターン578,580を検出することから、一対のフォトセンサが設けられている。
【0158】
図46(A)は、図45のセンサプレート576を説明を簡単にするため直線に伸ばしている。また図46(B)は、位置センサ582で検出したスリットパターン578の検出信号584であり、更に図46(C)は、スリットパターン580の検出信号586である。
スリットパターン578の検出信号は、原点564の位置で論理レベル0にあり、スリットが始まる位置から論理レベル1に立ち上がり、セルドラム原点562を過ぎる位置まで論理レベル1が維持されて、その後に論理レベル0となっている。逆に、スリットパターン580の検出信号586は、原点564からドラム原点562の少し手前まで論理レベル0であり、その後に論理レベル1に立ち上がり、その後、原点564の少し手前まで論理レベル1を保ってから、論理レベル0に立ち下がっている。
【0159】
このため、スリットパターン578,580の検出信号584,586の2ビット情報からカートリッジ位置を認識することができる。即ち、セルドラム原点562が位置センサ582の設置位置で決まるアクセッサ30側の原点564にあれば検出信号は「11」となり、またドラム原点562がオペレータ側にあれば「00」となる。更に、カートリッジが両者の間にあるときには「10」または「01」となる。
【0160】
図47のフローチャートは、図45のセンサプレート576と位置センサ582を用いた場合の投入または排出動作におけるエラー停止時の初期化動作である。ステップS1で、投入または排出指示を判別すると、ステップS2に進み、投入または排出制御を行う。続いてステップS3で、投入または排出中のセルドラム18のエラー停止をチェックしており、ステップS4で正常終了が判別されると、再びステップS1に戻る。
【0161】
投入または排出中にセルドラム18のエラー停止が起きた場合には、ステップS5に進み、予め定めた規定方向であるCW回転で初期化原点に戻す初期化動作を行う。ステップS6で初期化動作の終了を判別すると、ステップS7に進み、そのときの検出パターンが「00」か否かチェックする。
続いてステップS7で、初期化動作終了時点での位置センサ582の検出パターンが「11」か否かチェックする。続いてステップS8に進み、投入か否かチェックする。投入動作であり且つ検出パターンが「11」であった場合には、ステップS9に進み、初期化動作後にカートリッジは目的位置となるアクセッサ30側に移動していることを確認できる。
【0162】
一方、ステップS7で検出パターンが「11」で、ステップS8で排出動作が判別された場合には、ステップS10に進み、エラー前のアクセッサ側の位置に停止していることを認識できる。したがって、ステップS9またはS10の認識結果に基づき、ステップS11で、必要なリカバリ処理を行う。一方、ステップS7で「11」以外の検出パターンであった場合には、初期化動作の異常終了であり、ステップS11で、初期化動作の異常終了に伴う必要なリカバリ処理を行う。
6.入出力時のカートリッジ移動制御
図48は、図7のCPU176に設けた媒体移動制御部194による通常の入力処理動作におけるカートリッジ移動制御の基本的なタイムチャートである。
【0163】
図5に示したように、ライブラリ装置150に設けたディレクタ156−1,156−2には、ホストコンピュータ152−1,152−2からのムーブコマンドに伴って発行されたコマンドパラメータとしての移動元アドレスと移動先アドレスがキューイングテーブルを使用して1または複数格納されている。
このためディレクタ156−1,156−2は、アクセッサ30側の空き状態を待って、コントローラ160に対しキューイングテーブルに保持しているアドレス情報に基づいたカートリッジ移動指示を次々と発行する。また別の形態として、コントローラ160にキューイングテーブルを設け、ディレクタ側より移動元アドレスと移動先アドレスを受領し、コントローラ160自体で次々と移動指示を出すようにしてもよい。
【0164】
図48にあっては、コントローラ160がドライブ駆動部174およびアクセッサ30側の空き状態を認識して、まず移動元/移動先アドレス指示400を発行する。この指示は例えばカートリッジをセルドラムから光ディスクドライブユニットに移動する命令である。コントローラ160からの移動指示を受けたドラム駆動部174は、セルドラム18を移動元アドレスのセルを含むセル列をアクセッサ30に位置決めするように、セレクト位置への回転動作402を行う。
【0165】
回転が終了すると、ステータス応答406がコントローラ160に返される。同時に、アクセッサ30はセルドラムのセル列の中の移動元アドレスに対応したセル位置に向けて、即ちセレクト位置に向ける移動動作404を行う。セル列のセレクト位置にアクセッサ30が移動すると、ステータス応答408がコントローラ160に返される。
【0166】
ドラム駆動部174のステータス応答406およびアクセッサ30のステータス応答408の両方をコントローラ160が判別すると、アクセッサ30に対しカートリッジ取出指示410を発行する。この取出指示410を受けてアクセッサ30は、セルドラムの移動元アドレスで指定されるセルからカートリッジ取出動作412を行う。
【0167】
カートリッジ取出しが終了すると、ステータス応答414をコントローラ160に返す。続いてアクセッサ30は、移動先アドレスで指定される光ディスクドライブユニットへの移動動作416を行い、移動終了でステータス応答416を返す。ステータス応答416を受けたコントローラ160は、アクセッサ30に対し光ディスクドライブユニットへの投入指示を418を発行し、ドライブユニットに対する投入動作420を行い、最終的なデバイスエンドとなるステータス応答422を返す。
【0168】
ここで図48のカートリッジ移動動作は、ドラム駆動部174のセレクト位置への回転動作402が終了した後にアクセッサ30のセレクト位置への移動動作404が終了しており、このためアクセッサ30はセレクト位置への移動終了で、待ち時間を必要とすることなく、直ちに媒体取出動作412および移動先アドレスへの移動動作416を行うことができる。
【0169】
これに対し図49の動作は、ドラム駆動部174のセレクト位置への回転動作402に時間がかかり、アクセッサ30がセレクト位置への移動動作404を終了した時点でステータス応答406が得られておらず、このためセレクト位置へ移動したアクセッサ30がセルドラムから媒体を取り出すためにはドラム駆動部174による回転終了までの待ち時間424が必要となる。このため、アクセッサ30がセルドラムからの媒体取出しに待ち時間424を必要とする分だけカートリッジの移動に必要な所要時間が長くなり、ライブラリ装置の性能が低下する。
【0170】
そこで本発明のカートリッジ移動制御にあっては、アクセッサ30のみが動作している媒体取出動作412および移動先アドレスへの移動動作416の間のドラム駆動部174の空き時間を利用して、次の移動動作でのセルドラム回転時間を短縮できるように予めドラム駆動部174によるドラム回転を行う。
図50はドラム駆動部174の空き時間を利用してセルドラムを次の移動動作のために予め回転する場合のタイムチャートである。コントローラ160から移動元/移動先アドレス指示400を発行してから、ドラム駆動部174およびアクセッサ30が移動元アドレスから移動先アドレスにカートリッジを搬送する動作は、図47の場合と同じである。
【0171】
これに加えて、アクセッサ30がセルドラムがカートリッジを取り出して移動先アドレスとなる光ディスクドライブユニットへの移動動作416を行っている際に、媒体取出動作412のステータス応答414を受けたタイミングでコントローラ160が次の移動動作のためのセルドラムの回転位置を算出する算出処理426を行う。
【0172】
この算出結果に基づきドラム回転指示428をドラム駆動部174に発行し、ドラム回転430により予め次の移動動作でカートリッジ取出しが行われるセル列をアクセッサ30に近付ける。ここで、次の移動動作のためのセルドラムの位置の算出は、次の移動動作の移動元アドレスのセル列をアクセッサ30に位置付けてもよいし、後の説明で明らかにするように、セルドラムのアクセッサ30に対する平均移動時間が最短となる位置を算出してその位置に回転させておいてもよい。
【0173】
したがって、次のカートリッジ移動動作にあっては、前回のドラム駆動部174の空き時間を利用して、既に移動元セルアドレスとなるセルドラムのセル列がアクセッサ30の取出位置に回転しているか、回転に要する時間が最短となる位置に移動している。この結果、コントローラ160から移動元/移動先アドレス指示が行われても、図49に示したようなドラム回転に時間がかかってアクセッサ30に時間待ちが起きることを回避し、カートリッジ移動動作の所要時間を短縮してライブラリ装置の性能を大きく向上できる。
【0174】
図48〜図50は、セルドラム18から光ディスクドライブユニットにカートリッジを移動する制御を例にとっているが、図51は逆に、光ディスクドライブユニットからカートリッジを取り出してセルドラムに戻す場合の移動制御のタイムチャートである。
コントローラ160は、光ディスクドライブユニットでのリード動作またはライト動作が完了してアンロードが行われると、ドラム駆動部174およびアクセッサ30に対し移動元/移動先アドレス指示434を発行する。この場合、移動元アドレスはカートリッジをアンロードした光ディスクドライブユニットのセルアドレスであり、移動先アドレスはセルドラム18の所定のセルアドレスである。
【0175】
移動元/移動先アドレス指示434を受けたアクセッサ30は、移動元アドレスとなる光ディスクドライブユニットへの移動動作436を行い、移動を完了するとステータス応答438を返す。これに対し、コントローラ160はカートリッジの取出指示440を発行し、アクセッサ30の媒体取出動作442が行われ、取出し終了でステータス応答444を返す。
【0176】
続いてアクセッサ30は、移動先アドレスとなるセル位置への移動動作444を開始する。一方、媒体取出動作442の終了を示すステータス応答444を受けたコントローラ160は、ドラム駆動部174に対しドラム回転指示446を発行する。このためドラム駆動部174は、移動先アドレスで指定されたセルを含むセル列をアクセッサ30の位置に位置決めするためのドラム回転448を行い、回転終了でステータス応答450を返す。
【0177】
ドラム回転448が終了した後にアクセッサ30の移動終了によりステータス応答452が得られると、コントローラ160はアクセッサ30に対しセルドラムへの投入指示454を発行し、媒体投入動作456が行われ、投入終了でデバイスエンドとしてのステータス応答458が返される。このような光ディスクドライブユニットからセルドラムへのカートリッジ移動にあっては、アクセッサのドライブからのカートリッジ取出しが終了してからドラム回転動作448を行っているが、最初の移動元/移動先アドレス指示434の際にドラム駆動部174が空き状態にあった場合には、ほぼ同時にドラム回転指示460を発行してドラム回転462を行っておいてもよい。
【0178】
このように早めにドラム駆動部174の回転指示を行うことで、アクセッサ30の光ディスクドライブユニットへの移動時間とカートリッジをピックアップした後のセル位置への移動時間の両方を使用して、セルドラムを目的セルを含むセル列のアクセッサ30に対する位置決め回転ができ、セルドラムの回転に時間的な余裕を得ることができる。
【0179】
図52は、図50および図51のカートリッジ移動制御のフローチャートである。
まずステップS1で、キューイングテーブルからムーブコマンドのコマンドパラメータである移動元アドレスと移動先アドレスを取り出して解析し、ステップS2で、セルドラムから光ディスクドライブユニットへの移動か否かチェックする。セルドラムから光ディスクドライブユニットへの移動であった場合には、ステップS3〜S11の処理を行う。一方、光ディスクドライブユニットからセルドラムへの移動であった場合には、ステップS12〜S18の処理を行う。
【0180】
セルドラムから光ディスクドライブユニットへの移動については、ステップS3で、移動元アドレスの取出位置へのセルドラムの回転を指示し、同時に移動元アドレスへのアクセッサ30の移動を指示する。ステップS4でセルドラムの回転およびアクセッサの移動終了を判別すると、ステップS5に進み、アクセッサに媒体取出しを指示する。
【0181】
これを受けてアクセッサ30は、セルドラムの目的セルからカートリッジを取り出してドライブユニットに向けて運搬を開始する。続いてステップS6で、最短移動時間のセル位置を算出してセルドラム18を予め回転させる回転指示を行う。続いてステップS7でアクセッサ30の光ディスクドライブユニットへの移動終了を判別すると、ステップS8で、アクセッサ30に光ディスクドライブユニットへのカートリッジ投入を指示する。
【0182】
ステップS9でカートリッジ投入終了を確認すると、ステップS10で、ステップS6で行った次のムーブ動作のためのセルドラムの回転でエラー発生があったか否かチェックし、エラー発生がなければ再びステップS1に戻って、次のムーブコマンドを取り出して解析する。ステップS6の予め行うセルドラムの回転処理でエラーが発生した場合には、ステップS11で上位装置にそのエラー報告を行う。
【0183】
ステップS11で行うエラー報告は、本来、ステップS6の予め行うセルドラムの回転動作の際に異常終了となって発生しているが、この段階で上位装置にエラー報告すると、並行して行っているアクセッサ30によるカートリッジの移動制御を中断させることになる。そこで、ステップS9においてアクセッサ30によるカートリッジの移動終了を待って、ステップS11で上位装置にエラー報告を行うようにしている。このため、ステップS6の予め行うセルドラムの回転動作でエラーが起きても、並行して行っているカートリッジの移動動作は妨げられることなく、正常終了とすることができる。
【0184】
ステップS2で光ディスクドライブユニットからセルドラム18への移動が判別された場合には、ステップS12に進み、移動元アドレスの光ディスクドライブユニットの取出位置にアクセッサ30の移動を指示する。ステップS13でアクセッサの移動終了を判別すると、ステップS14でアクセッサ30に媒体取出しを指示する。
【0185】
続いてステップS15で、アクセッサに移動先アドレスのセルドラム投入位置への移動を指示し、同時にドラム駆動部に対し移動先アドレスで指定される戻しセル位置をアクセッサに位置決めするようにセルドラム18の回転を指示する。ステップS16でセルドラムの回転およびアクセッサの移動終了を判別すると、ステップS17でアクセッサ30にセルに対する媒体投入を指示し、ステップS18で媒体投入の終了を確認すると、一連の処理を終了してステップS1に戻り、次の移動動作を行う。
【0186】
図53は、図52のステップS6における空き時間を利用したセルドラムの最短移動時間のセル位置の算出原理を示している。セルドラム18には例えば90°ずつ異なった位置に4つのセル列120−1〜120−4を設けており、これらのセル位置120−1〜120−4がムーブコマンドに基づいた移動指示に従ってアクセッサ30のカートリッジ抜き差し位置125に位置決め回転される。
【0187】
ここで、セル列120−1〜120−4に位置番号P0,P1,P2,P3を付ける。この位置番号P0〜P3はセル列の数をn列とすると、0,1,2,・・・n−1の番号が使用される。この場合、セル列はn=4列であることから、位置番号P0〜P3はP0=0、P1=1、P2=2、P3=3に定義される。更に、セル列120−1〜120−4をアクセッサ30に位置付けるアクセス回数を、C0,C1,C2,C3と定義する。
【0188】
ここで、次のセルドラム18からのカートリッジ移動におけるアクセッサ30の位置125にセル列を位置付ける際の平均移動時間が最短となる位置をMとすると、平均移動時間の最短位置Mは次式で算出することができる。
M={Σ(Pk ×Ck )}/ΣCk
但し、k=0,1,2,・・・n−1
例えば図52に示すように、各セル列120−1〜120−4のアクセス回数を例えばC0=5回、C1=10回、C2=20回、C3=5回とすると、平均移動時間の最短位置は、M=65/35=1.86となる。この場合、セル列の位置は位置番号P0〜P3に示すように0〜3の整数であることから、算出した位置Mを四捨五入して、M=2とする。
【0189】
したがって、平均移動時間の最短位置Mはセル列120−3の位置番号P2=2となり、セル列120−3をアクセッサ30の位置125に予め位置決め回転して次の移動動作に備える。
図54は図52のステップS6の平均移動時間の最短位置Mの算出処理の詳細をサブルーチンとして示す。
【0190】
まずステップS1で、現在アクセッサ30に位置決めしたセル列の位置番号kに対応するアクセス回数Ck を1つインクリメントする。続いてステップS2で、作業変数として準備したX,Y,Zをそれぞれ0に初期化する。ここで作業変数Xは、停止位置番号kとアクセス回数Ck との積の総和を示す。また作業変数Yは、アクセス回数の総和を示す。更に作業変数Zは、ポインタであり、セル列の数をnとすると、0〜n−1と変化し、各セル列の位置ごとの計算位置を示す。
【0191】
作業変数の初期化が済むと、ステップS3に進み、計算パラメータの算出を行う。即ち、停止位置番号とアクセス回数の積の総和である作業変数Xについて、前回までの作業変数XにそのときのポインタZに停止位置番号k=Zのアクセス回数Cz を掛け合わせて積を求め、これを加え合わせて総和を求める。最初、右辺の作業変数Xは0である。
【0192】
次に、アクセス回数の総和を示す作業変数Yに現在のアクセス回数Cz を加える。右辺の作業変数Yも最初は0である。続いてポインタZを1つインクリメントする。最初、Z=0であることから、次はZ=1となる。続いてステップS4で、全てのセル列位置の処理が済んだか否かチェックする。具体的には、作業ポインタZがセル列の数nより1つ少ない数値を越えたときに全ての処理が終了したものと判別する。
【0193】
このステップS3,S4の処理の繰返しにより、全ての停止位置番号kにおける作業変数XとYの値が求められる。続いてステップS5で、平均移動時間の最短位置Mを、作業変数Xを作業変数Yで割ることにより求める。算出位置Mは小数点以下の値をもつことから、ステップS6に進み、四捨五入により整数化する。
【0194】
即ち、算出位置Mの小数部が0.5より小さければ、ステップS7に進んで、小数点以下を切り捨て、算出した整数部を平均移動時間の最短位置Mとする。一方、小数部が0.5以上であればステップS8に進み、算出した位置Mの整数部に1を加えた値即ち四捨五入した値を、平均移動時間の最短位置Mとする。
図55は、図54の平均移動時間の最短位置Mの算出結果に基づき、最短位置Mをアクセッサ30に位置付けた後に、更に行われる補正処理を示している。図54のステップS1〜S8の処理が終了すると、ステップS9に進み、次のムーブコマンドで与えられる移動元アドレスと移動先アドレスに基づくセルドラムのアクセッサ30に対する位置付けの移動時間T1と、アクセッサ30をセルのカートリッジ取出位置に移動させるための移動時間T2を算出する。
【0195】
このセル回転時間T1とアクセッサ移動時間T2は、それぞれの現在位置から移動位置までの位置情報に基づいて算出される。より簡単にするためには、全ての回転角および移動距離のそれぞれについて移動時間をテーブル情報として準備しておけばよい。次にステップS10で、セルドラム回転時間T1とアクセッサ移動時間T2を比較する。
【0196】
セルドラム回転時間T1がアクセッサ移動時間T2より長ければ、アクセッサに待ち状態が起きることから、この場合はステップS11に進み、現在アクセッサ30に位置付けている算出位置Mを次のカートリッジ移動動作でアクセッサに位置付けるセルのセル列を、1セル分(90°分)だけアクセッサ30側に近付けるように補正回転する。
【0197】
ステップS11で補正回転を行った後、再びステップS9に戻り、補正後のセル回転時間T1とアクセッサ移動時間T2を算出し、セル回転時間T1がアクセッサ移動時間T2より短くなればアクセッサの待ち時間が生じないことから、補正処理を終了して、図51のステップS3〜S11側のメインルーチンにリターンする。
【0198】
このように、平均移動時間の最短位置Mを算出してセルドラムを予め回転した後に、更に次のカートリッジ移動におけるセルドラム回転時間とアクセッサ移動時間を比較して、アクセッサがセルドラムの回転待ちとならないようにセルドラムを補正回転することで、現在行っているアクセッサによるカートリッジの移動動作が完了した時点で速やかに次のカートリッジ移動におけるアクセッサによる運搬動作に移行でき、カートリッジの運搬所要時間を大幅に短縮できる。
7.ドラム回転の最適サーボ制御
図3に示した本発明のライブラリ装置にあっては、カートリッジの投入排出の際にクラッチ部24を接続してセルドラム18と一体に回転している。このため、モータ20を駆動源としたセルドラム18の位置決めサーボ制御にあっては、クラッチ部24を切り離したセルドラム18の単独駆動と、クラッチ部24を接続した投入排出部22と一体化したセルドラム18の回転駆動とでは、慣性負荷が異なる。
【0199】
通常、負荷を回転駆動するためのサーボ系は、予め予定された慣性負荷に対し例えばPID制御の最適特性が得られるようにサーボゲインの最適値を設定している。しかしながら、クラッチ接続により慣性負荷が変わった場合には、最適サーボゲインに対応した慣性負荷と異なることで、サーボ制御の性能が低下する。
そこで本発明にあっては、セルドラム18に対し投入排出部22のクラッチ断接による連動時と非連動時で慣性負荷が変動した場合には、サーボループの内部パラメータを変更することにより、初期設定した最適サーボゲインによる制御状態を維持できようにする。
【0200】
図56は、図6に示したコントローラ160のCPU176を用いたセルドラム18の駆動回路であり、CPU176内にサーボ制御部500が設けられている以外は、図26に示したタイミングベルトを用いた位置決め制御の実施例と同じになる。
図56は、セルドラム18のサーボ制御に適用されるサーボループの伝達関数の系統図である。入力512には目標位置が与えられ、目標位置は回転角(rad)で与えられる。加算点514は入力512からの目標位置と負荷の現在位置との偏差を取り出す。加算点514に続いては、比例ゲインK1を設定する積分器516と、比例ゲインK2を設定する比例器518が設けられる。続いて加算点520で積分器516の出力と比例器518の出力を加算し、これに負荷の回転速度(rad/s)を微分器526に設定した微分ゲインK3の乗算で得たフィードバック信号を加えて偏差を求める。
【0201】
この加算点520からの偏差信号が最終的な制御信号となり、これがブロック522における駆動源としてのモータ20の速度(rad/s)となり、同時にブロック524で駆動源としてのモータ20の回転位置(rad)となり、出力528より機械的に負荷側に伝達される。このようなPIDサーボループにおいて、サーボゲインK1,K2,K3が最適値に調整されていたとする。
図58は、図56のサーボ制御系統において、クラッチ切離しにより投入排出部22の連動なしのときのセルドラム18のみの慣性負荷Jとモータのトルク係数Ktを含めた伝達関数を示す。この場合に、サーボ系のゲインが最適値に調整されているならば、図57との間に次の関係式が成立する。
【0202】
K1=(Kt×J)×Ks
K2=(Kt×J)×Kx (1)
K3=(Kt×J)×Kv
図59は、図56においてクラッチ接続により投入排出部22をセルドラム18に連動させたときの伝達関数を示し、この場合には、連動により増加した慣性負荷J´とブロック係数Ktを含めた伝達関数となる。この場合のサーボゲインをK1´,K2´,K3´とおくと、次の関係式が成立する。
【0203】
K1´=(Kt×J´)×Ks
K2´=(Kt×J´)×Kx (2)
K3´=(Kt×J´)×Kv
よって、投入排出部22の連動ありと連動なしで慣性負荷が変化したことによるサーボ系のゲインは、次のような変化率で変化したことになる。
【0204】
Figure 0003629043
そこで、連動ありの図59のサーボ系の各ゲインK1´,K2´,K3´を、連動なしの慣性負荷Jで連動ありの慣性負荷J´を割った(J´/J)倍に補正すれば、連動なしの慣性負荷について当初設定された最適状態に戻すことができる。
【0205】
以上のことから、本発明にあっては、セルドラム18が投入排出部の連動と非連動により慣性負荷が変動した場合にも、最適化されたサーボゲインの設定は維持することができる。したがって、初期状態で所定の慣性負荷に基づき最適なサーボゲインを設定しておけば、慣性負荷が変化しても常に初期的な最適サーボゲインの設定と同等な制御状態を保つことができる。
【0206】
図60は、初期設定した最適サーボゲインの制御状態を保つため、慣性負荷の変動に対し補正を行う本発明の伝達関数のサーボ系の実施例である。サーボ系の伝達関数は、図56の回路ブロックに対応している。CPU212で実現されるサーボ制御部は、図57のPIDループと基本的に同じであり、位置検出器538を帰還した位置ループに設定器540が設けられ、また速度検出器534の出力を帰還した速度ループに係数設定器536を追加している。
【0207】
最終的な検査信号が出力される加算点520に続いては、制御信号を電流信号Iに変換する電流変換器532が設けられ、これは図55のドライブ回路502に相当する。続いて慣性負荷Jとモータのトルク係数Ktで定義される駆動源530が設けられ、これは図55のモータ20に相当する。モータ20の回転はブロック522で速度成分(rad/s)となり、またブロック524で位置成分(rad)となり、出力528より負荷側に機械的に伝達される。
【0208】
速度ループに速度信号を供給する速度検出器534は、具体的には図55に設けたタコジュネレータ508からのパルス信号FTPであり、パルス信号の周波数として速度信号が得られる。一方、位置検出器538からの位置信号Pは、図55のカウンタ部510のカウンタ値として得られる。
具体的には、セルドラム18に設けたセンサプレート116のホームポジション・エッジを位置センサ118で検出したとき、エンコーダ506を介してカウンタ部510をリセットして絶対基準位置とし、この絶対基準位置に対し、モータ20の回転で得られるタコジェネレータ508のパルスを計数することで、絶対位置を基準としたカウンタ値として位置情報を得ることができる。
【0209】
位置ループに設けた設定器540と速度ループに設けた設定器536は、最適制御部542によりその値を変更することができる。最適制御部542は、カートリッジの投入排出指示に応じたクラッチ断接に伴う慣性負荷の変動に基づいて、係数設定器536の設定値N2を変更する。
具体的に説明すると次のようになる。まず、係数設定器540,536の設定値N2,N3は、初期設定の際の慣性負荷Jeに基づき、図57との関係が等しくなるように計算されている。例えば位置ループの係数N2を例にとると、N2は次式で計算されている。
【0210】
Figure 0003629043
ここで、実際の負荷駆動における慣性負荷をJとすると、そのときのサーボゲインK2´は、
K2´=P×N2×K2×I×(Kt/J) (5)
となる。この(5)式に(4)式のN2を代入すると、次の関係式が得られる。
【0211】
K2´=P×Je/(P×I×Kt)×K2×I×(Kt/J)
K2´=(Je/J)×K2 (6)
この(6)式から明らかなように、初期設定した最適ゲインK2を初期設定した慣性負荷Jeを実際の慣性負荷Jで割った値で、当初設定した最適ゲインK2を補正し、これを実際のサーボゲインK2´とすれば、初期設定された最適値の制御状態に戻すことができる。
【0212】
図60にあっては、位置ループに設けた係数N2を次式のように(Je/J)倍してN2´に変更することで、(6)式と同じサーボゲインK2´の補正状態を作り出すことができる。
N2´=(Je/J)×N2 (7)
速度ループに設けた係数N3についても同様にして、次の関係が得られる。
【0213】
Figure 0003629043
実際の慣性負荷Jにおける速度ループの速度ゲインK3´は、
K3´=Q×N3×K3×I×(Kt/J) (9)
である。そこで(8)式のN3を代入して
K3´=P×Je/(Q×I×Kt)×K3×I×(Kt/J)
K3´=(Je/J)×N3 (10)
となる。よって
N3´=(Je/J)×N3 (11)
の関係が得られる。
【0214】
したがって、最適制御部542で初期設定の際の慣性負荷Jeに対し、投入排出部22の非連動時の慣性負荷J1と連動時の慣性負荷J2を予めセットしておけば、非連動時には初期設定した係数N2,N3を(Je/J1)倍して設定すればよく、一方、連動時には(Je/J2)倍して設定すればよい。
図61は図60の伝達関数の実施例を対象とした最適制御部542による最適制御処理である。まずステップS1で、初期設定した慣性負荷Jeに対応した係数N2,N3を読み込む。続いてステップS2に進み、セルドラムの回転駆動指示の有無をチェックし、起動指示があると、ステップS3で、投入排出部22の連動か否かチェックする。
【0215】
連動でなかった場合にはステップS4に進み、非連動時の実慣性負荷J1の係数N21,N31を、初期設定の係数N2,N3と(Je/J1)を掛け合せてて求めて、係数設定器540,536にセットする。一方、連動であった場合にはステップS5に進み、連動の実慣性負荷J2の係数N22,N32を、初期設定した係数N2,N3に(Je/J2)を掛け合わせて求め、係数設定器540,536にセットする。
【0216】
ステップS4またはステップS5の慣性負荷の変動に応じた係数の設定が済んだならば、ステップS6に進み、入力512に対しアクセッサ30に位置付ける目標位置に入力すると、位置検出器538による現在位置との偏差を加算点514で求め、比例積分制御、更に速度ループによる微分制御が加わったPID制御により、セルドラムを目標位置に向けて回転駆動する最適サーボ制御が行われる。続いて、ステップS7で目標位置への回転停止が判別されると、再びステップS2に戻り、次の起動指示を待つ。
【0217】
尚、図60の制御処理は、投入排出部22の連動,非連動による慣性負荷の変動に対する係数N2,N3の変更による最適制御を例にとっているが、更にセルドラム18に対するカートリッジの投入排出によっても慣性負荷は異なることから、カートリッジの投入と排出による慣性負荷の変化についても、予めそのときの慣性負荷が判っていることで、同様な係数N2,N3の設定変更による初期設定した最適サーボゲインによる制御状態と同等の制御状態を得ることができる。
【0218】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、セルドラムと同軸に投入排出部を設けて回転することで、セルドラムの回転を利用して投入排出部の回転ができ、投入排出専用の駆動部および制御部を必要としないことから、機構構造および制御の簡略化と同時に、信頼性と操作性を向上し、コストダウンできる。
【0219】
また、セルドラムに1カ所を固定したタイミングベルトによる駆動機構により、剛性の弱いタイミングベルトであっても高精度の位置決め制御ができ、機構構造を簡略化してコスト低減と信頼性の向上を図ることができる。
また、ベルト駆動による伸びを考慮した位置に絶対基準位置を示すホームポジション・エッジを設けてセンサで検出することで、検出精度を向上して、停止制御の精度を高めることができる。
【0220】
また、媒体移動中におけるセルドラムの空き時間を利用して次の媒体移動でのドラム回転時間が短縮される位置に予め回転させることで、カートリッジの運搬時間特性を改善し、ライブラリ装置の性能を決める運搬所要時間を大幅に短縮できる。
更に、セルドラムと媒体投入排出部との連動,非連動による慣性負荷の変化に対し、サーボループのパラメータを変えることで、初期設定した最適なサーボゲインによる最適制御状態を常に維持することができ、位置決め精度と移動時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明のライブラリ装置の外観を示した説明図
【図3】図2のライブラリ装置の内部構造を示した説明図
【図4】アクセッサの駆動機構の説明図
【図5】本発明のライブラリ装置のハードウェア構成を示したブロック図
【図6】図5のコントローラのハードウェア構成を示したブロック図
【図7】図5のコントローラの機能を示したブロック図
【図8】ライブラリ装置の内部構造の説明図
【図9】図8の側面図
【図10】クラッチ機構を備えた投入排出部の説明図
【図11】図10のクラッチ機構の切離し状態の説明図
【図12】図10のクラッチ機構の接続状態の説明図
【図13】変速比が1以外となるクラッチ機構の他の実施例の説明図
【図14】図13のギアクラッチ部分の説明図
【図15】セルドラムに対し投入排出機構をオフセットさせた実施例の説明図
【図16】図15のクラッチ機構の説明図
【図17】受け皿を4つ設けた投入排出機構の説明図
【図18】ディテントリングを用いたクラッチ機構の説明図
【図19】図18のクラッチ接続状態の説明図
【図20】図18のディテントリングの動作を示した平面図
【図21】セルドラムに投入排出機構を固定する他の実施例を示した説明図
【図22】4列のセル列を備えセルドラムを270°回転させるベルト駆動機構の説明図
【図23】図22のテンション機構の動作説明図
【図24】センサプレートを用いたセルドラムの位置検出機構の説明図
【図25】図24のセンサプレート、検出信号、及び位置決定を示した説明図
【図26】セルドラム位置決め制御の装置構成を示したブロック図
【図27】初期化時の調整計測処理のフローチャート
【図28】センサプレートを用いたセルドラム検出機構の他の実施例説明図
【図29】図28のセンサプレート、検出信号、及び位置決定を示した説明図
【図30】2列のセル列を備えセルドラムを180°回転させるベルト駆動機構の説明図
【図31】図30のセンサプレート、検出信号、及び位置決定を示した説明図
【図32】カートリッジ単独投入時の制御動作のタイムチャート
【図33】カートリッジ連続投入時の制御動作のタイムチャート
【図34】カートリッジ投入処理のフローチャート
【図35】エラー発生時の残留カートリッジの取出し処理のフローチャート
【図36】カートリッジ排出の制御動作を示したタイムチャート
【図37】カートリッジ連続排出時の制御動作を示したタイムチャート
【図38】カートリッジ排出処理を示したフローチャート
【図39】カートリッジ投入/排出時のエラー停止に対する初期化機能のブロック図
【図40】セルドラムに連動したカートリッジ投入時の回転移動の説明図
【図41】カートリッジ投入の途中でエラー停止した場合の初期化の説明図
【図42】カートリッジ排出の途中でエラー停止した場合の初期化の説明図
【図43】カートリッジ投入/排出時のエラー停止に対する初期化処理のフローチャート
【図44】回転方向フラグAと移動方向フラグBの状態を示した説明図
【図45】センサによるカートリッジの投入又は排出時の位置検出の説明図
【図46】図45のセンサパターンと検出信号の説明図
【図47】図45のセンサを用いたカートリッジ投入/排出時のエラー停止に対する初期化処理のフローチャート
【図48】ドラムからドライブへの基本的なカートリッジ移動制御のタイムチャート
【図49】アクセッサがドラム回転待ちとなる移動制御のタイムチャート
【図50】アクセッサ運搬中の空き時間を利用した次のカートリッジ移動のためのセルドラム回転制御のタイムチャート
【図51】ドライブからセルへのカートリッジ移動制御のタイムチャート
【図52】カートリッジ移動処理を示したフローチャート
【図53】空き時間にセルドラムをアクセッサに位置付ける平均移動時間の最短位置の算出原理図
【図54】図53の平均移動時間の最短位置を求めるフローチャート
【図55】平均移動時間の最短位置に回転した後の補正回転を示したフローチャート
【図56】セルドラム駆動用のサーボ系の説明図
【図57】初期設定で最適ゲインに調整されたサーボ系の伝達関数図
【図58】図57について実慣性負荷とトルク係数を用いた場合の伝達関数図
【図59】慣性負荷が変化したときのサーボ系の伝達関数図
【図60】初期設定した慣性負荷の実慣性負荷の比に基づいて最適ゲインを変更する実施例の伝達関数図
【図61】図60におけるドラム回転最適制御処理のフローチャート
【図62】従来のライブラリ装置内部構造の説明図
【図63】図62の内部構造の平面図
【符号の説明】
10:装置本体
12:操作パネル
14:投入排出ドア
16:カートリッジ
18:カートリッジ収納部
20:モータ(ドラムセル用)
22:投入排出部
24:クラッチ部
26−1〜26−4:受け皿
30:アクセッサ
32:モータ(アクセッサ用)
34:バランスウェイト
36−1〜36−4:光ディスクドライブユニット
38,40:レール
42:支持フレーム
44:電磁ソレノイド
46:タイミングベルト
48:ドア開閉部
50,52,54:ベアリング
58,59:支持プレート
60:シャフト
62:ギア(第1ギア)
64,84:ギア(第2ギア)
66:クラッチギア
68:アーム
70:回転軸穴
72:ロッド(プランジャ)
74:ピン
76:引張バネ
78:開口
80,82:アイドラクラッチギア
90:ディテントリング
92−1,92−2:円筒溝
94:コロ
100:固定部
102,106:プーリ
104:モータギアプーリ
105:プーリ部
108:ギアプーリ
110:アーム
112:固定支点
114:圧縮バネ
116,140:センサプレート
118:位置センサ
120−1〜120−4:セル列
124:ホームポジション・エッジ
125:アクセッサ位置
126−1〜126−4,144−1,144−2:センサマーク
128,142:ホームポジション・エッジ検出信号
130−1〜130−4,146−1,146−2:センサマーク検出信号
150:ライブラリ装置
152−1,152−2:ホストコンピュータ
154−1,154−2:チャネルバス
156−1,156−2:ディレクタ
158:SCSIバス
160:コントローラ
162:オープンドア・スイッチ
164:警報ランプ
165:メッセージ表示部
166:ドア駆動部
168:ドアセンサ
170,172:カートリッジセンサ
174:ドラム駆動部
176:CPU
178:メモリ
180:SCSIコントローラ
182−1,182−2:SCSIポート
184:アクセッサインタフェース
186:ドラム駆動インタフェース
188:ドア駆動インタフェース
190:操作パネルインタフェース
192:アクセッサ制御部
194:媒体移動制御部
196:投入制御部
198:排出制御部
200:ドア制御部
202:パネル制御
204:エラー回復部
500:サーボ制御部
502:ドライブ回路
504:駆動機構
506:エンコーダ
508:タコジェネレータ
510:カウンタ部
512:入力
514,520:加算点
516:積分器
518:比例器
522:ブロック(負荷の速度要素)
524:ブロック(負荷の位置要素)
526:微分器
528:出力
530:ブロック(モータ駆動源)
534:速度検出器
436,540:係数設定器
534:位置検出器
542:最適制御部
550:位置決め制御部
560:調整計測部
562:ドラム原点位置
564:ドラム初期化位置
566:回転位置初期化手段
570:媒***置認識部
572:第1フラグレジスタ
574:第2フラグレジスタ
578:第1パターン
580:第2パターン
582:位置センサ

Claims (3)

  1. 回転ドラムの円筒面に、記憶媒体(16)を格納する複数のセルを縦方向に並べて複数のセル列として配置した回転格納手段(18)と、
    前記回転格納手段(18)を回転駆動する駆動手段(20,46)と、
    前記記憶媒体(16)の情報を少なくとも再生する再生手段(36)と、
    前記回転格納手段(18)と前記再生手段(36)との間で前記記憶媒体(16)を運搬する媒体運搬手段(30)と、
    前記回転格納手段(18)と同軸に配置され、前記駆動手段(20,46)により前記回転格納手段(18)と一体に回転することで水平回転により外部の媒体投入排出口(14)と前記媒体運搬手段(30)の設置位置との間で前記記憶媒体を運搬する投入排出手段(22)と、
    を備えたことを特徴とするライブラリ装置。
  2. 請求項1記載のライブラリ装置に於いて、前記投入排出手段(22)は、前記回転格納手段(18)の上部に同軸に配置され、周端側に少なくとも一対の媒体受け皿(26)を設けたことを特徴とするライブラリ装置。
  3. 請求項1記載のライブラリ装置に於いて、前記投入排出手段(22)は、前記回転格納手段(18)の回転軸に、クラッチ手段(24)を介して同軸に分離配置されたことを特徴とするライブラリ装置。
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