JP3627643B2 - 振動ジャイロ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は振動ジャイロに関し、たとえばカメラの手振れ補正やナビゲーションシステムなどに利用されるバイモルフ振動子の出力から角速度を検出する振動ジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は振動ジャイロに用いられるバイモルフ振動子の一例を示す外観斜視図である。図12において、バイモルフ振動子1は、圧電素子を分極方向を逆向きにして2枚貼り付けて断面が四角形となるようにしたものである。この振動子1を駆動して面垂直方向(X軸方向)に縦振動モードで振動させておき、長手方向(Z軸方向)にある角速度(Ω)で回転させると、コリオリ力によって駆動方向と垂直な方向(Y軸方向)に同期した横振動モードで振動が生ずる。
【0003】
この横振動の振幅は角速度に比例するので、これを利用して角速度の値が検出される。振動子1には図示しないが一方主面には左右の電極が、他方主面には全面電極が設けられていて、左右の電極からL(左)信号とR(右)信号が出力される。このような振動子1では、バランスやヌル電圧(オフセット電圧,中性点電圧とも称する)や感度をそれぞれ個別に調整する必要がある。
【0004】
図13は図12に示した振動子1の出力を得るための角速度検出回路のブロック図である。図13において、振動子1の2つの出力の差が差動増幅回路21で増幅され、同期検波回路22によって振幅波形が検波され、平滑回路23で平滑されて直流電圧となり、DCアンプ24で直流増幅される。この信号にはヌル電圧が含まれている。DCアンプ24で信号を増幅すると、ヌル電圧も増幅されてしまうため、たとえばフィルタで構成されたDCカット回路25によってDC成分がカットされ、残った角速度の変化に対応する低周波の交流信号が増幅回路26でさらに増幅されてアナログ信号として出力される。ここでアナログ信号はA/Dコンバータ27でデジタル信号に変換され、角速度検出信号としてマイクロプロセッサ28に与えられてカメラの振動振れを抑制したり、ナビゲーションのための制御が行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図13に示した角速度検出回路において、振動子1からはL成分とR成分の信号が出力され、差動増幅回路21によって差動信号が出力され、理想的にはヌル電圧が0Vになるはずであるが、左右のバランスがずれていると、ずれの成分の電圧がヌル電圧として出力されてしまう。信号成分を増幅するためにDCアンプ24のゲインを大きくすると、含まれているヌル電圧によってDCアンプが飽和してしまうため、DCアンプの絶対的な増幅度の上限が定まってしまう。
【0006】
また、DCカット回路25でDC成分をカットするためには、たとえば0.1Hz以上の信号のみを通過させるようなハイパスフィルタを構成しようとすると、20μFの大容量のコンデンサと、1MΩの抵抗の組合せのハイパスフィルタを必要とし、装置が大型化してしまう。
【0007】
さらに、図13に示した回路では、差動増幅回路21の出力は左右の信号成分の位相がずれて出力される場合と、左右の信号成分の振幅がずれて出力される場合とがある。左右の信号成分はsin波であるため振幅がずれている場合には差動出力の振幅が変わるだけで済むが、左右の信号成分の位相がずれていると、基準信号に対して位相のずれた信号が出力されてしまうという問題点もある。
【0008】
他の従来例として、特公平6−13970号公報には、振動子の回転時の角速度による出力電圧のベクトルと静止時のヌル電圧のベクトルのなす位相差角度が90度になるように振動子の検出側面に駆動信号を与え、出力電圧とヌル電圧の合成ベクトルの位相差から角速度を検知することが記載されている。
【0009】
しかし、この例では、振動子出力の振幅は線形性を有しているが、位相差−感度の関係は基本的にリニアではなく、ヌル位相の影響を受けて非線形性が変動しやすいという欠点がある。このため、コリオリ力の振幅値をデジタル化するのが望ましい。
【0010】
そのような例として、特開昭62−150116号公報には、発振の駆動による角速度信号が極大,極小になる時刻でサンプルホールドすることが記載されている。
【0011】
また、特開平7−260493号公報には、圧電素子の通過電流の差を検出し、この検出する振動子の変位速度が0となるタイミングでサンプルホールドすることについて記載されている。ただし、サンプルホールドした信号をどのようにデジタル処理するかについては記載されていない。
【0012】
それゆえに、この発明の主たる目的は、コリオリ力をコリオリ力位相の位置によらずサンプルホールドして増幅し、デジタル化する振動ジャイロにおける角速度検出回路を提供することである。
【0013】
この発明の他の目的は、ヌル電圧を検出して補正できる振動ジャイロにおける角速度検出回路を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、振動子をX軸方向に励振させ、Z軸周りに回転したときに、Y軸方向に発生したコリオリ力による振動を検出する振動ジャイロであって、振動子から出力される第1および第2の信号に基づいて基準信号を発生し、振動子を励振させる駆動手段と、振動子から出力される第1および第2の信号に基づいてコリオリ力を含む差動信号を抽出する信号抽出手段と、駆動手段から出力される基準信号に基づいてコリオリ力をサンプルホールドするためのタイミング信号を発生するタイミング信号発生手段と、抽出された差動信号をタイミング信号に基づいてサンプルホールドし、差動信号の微小な電圧変化を時間軸に拡大して角速度検出信号として出力する電圧−時間軸変換手段とを備えて構成される。なお、サンプル点はピーク値近傍が効率の点で好ましいが、どの位相に特定されるまでなく成立することはいうまでもない。
【0015】
請求項2に係る発明では、請求項1の振動子は、それぞれがわずかな振幅と位相の差を有して第1および第2の信号を出力する第1および第2の電極と全面電極とを有していて、駆動手段は第1および第2の信号を加算して基準信号として出力する加算手段と、加算手段から出力される基準信号のレベルを一定にするレベル制御手段と、レベル制御手段から出力される基準信号の位相を調整して全面電極に出力する位相調整手段とを含む。
【0016】
請求項3に係る発明では、請求項1または2の電圧−時間軸変換手段は、コリオリ力を含む差動信号をタイミング信号に基づいてサンプルホールドするサンプルホールド手段と、サンプルホールド手段の出力信号を積分する積分手段と、積分された信号を所定のレベルで比較して時間軸に拡大して出力する比較手段とを含む。
【0017】
請求項4に係る発明では、請求項1または2の電圧−時間軸変換手段は、コリオリ力を含む差動信号をタイミング信号に基づいてサンプリングし、ドループ特性によりピーク値をリニアに減少させるサンプルホールド手段と、リニアに減少する信号を所定のレベルで比較して時間軸を拡大して出力する比較手段とを含む。
【0018】
請求項5に係る発明では、サンプルホールド手段によるサンプリング点をコリオリ力の特定位相と別の波長における別の位相で異ならせるためのタイミング信号を発生する手段と、サンプルホールド手段によるサンプルホールド値を比較してヌルの差動電圧を類推し、類推したヌルの差動電圧に基づいて比較手段の所定のレベルを制御する。
【0019】
請求項6に係る発明では、請求項1ないし5のいずれかのタイミング信号発生手段は、基準信号の前縁と後縁を検出してクロック信号を計数し、所定の計数値のときにタイミング信号を出力する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態の振動ジャイロのブロック図である。図1において、振動子1には左電極1Lと右電極1Rと全面電極1Cとが設けられていて、左電極1Lと右電極1Rには抵抗R1,R2を介して電圧+Vが与えられている。+Vは通常中正電位もしくは基準電位である。左電極1L,右電極1Rからは第1の信号であるL信号と第2の信号であるR信号とがそれぞれコリオリ力を含んで出力されて加算手段である加算回路2と、信号抽出手段である差動増幅回路3とに与えられる。加算回路2はL信号とR信号とを加算してL+R信号を出力する。このように、加算回路2でL信号とR信号とを加算することにより、コリオリ力が消されて安定な帰還信号となる。
【0021】
上述の帰還信号が基準信号としてレベル制御手段であるAGC回路4に与えられてレベルが一定な駆動電圧となり、この駆動電圧が位相調整手段である移相回路5を介して振動子1の全面電極1Cに与えられる。移相回路5は加算回路2の出力の位相を調整するものであり、加算回路2の出力と全面電極1Cに与えられる駆動電圧の位相差が所望する周波数で安定に発振するように調整する。この実施形態では位相差はほぼ0である。これらの振動子1と加算回路2とAGC回路4と移相回路5は発振回路を構成している。また、加算回路2とAGC回路4と移相回路5とで振動子1を励振させる駆動手段を構成している。
【0022】
加算回路2の出力の基準信号は、たとえばコンパレータから構成された矩形波形成回路6に与えられ、矩形波が形成されてタイミング抽出信号としてマイクロプロセッサ7に与えられる。なお、矩形波形成回路6には、加算回路2の出力ではなく、図1の点線に示すように、移相回路5の出力の駆動電圧を基準信号として与えるようにしてもよい。
【0023】
マイクロプロセッサ7は、タイミング抽出信号の前縁と後縁とを判別するとともに、タイミング抽出信号の前縁から後縁までの時間を基準パルスで計数し、その計数値で周波数を識別する。したがって、マイクロプロセッサ7は加算回路2の出力の基準信号の周波数と位相とがどのような関係になっているかを容易に判別できる。さらに、マイクロプロセッサ7はタイミング抽出信号に基づいてサンプルホールドのためのタイミング信号を電圧−時間軸変換手段であるをV−T変換回路8に出力する。すなわち、矩形波形成回路6とマイクロプロセッサ7とでタイミング信号発生手段を構成している。
【0024】
振動子1から出力されたL信号とR信号とが与えられた差動増幅回路3は、その出力である差動信号をV−T変換回路8に出力する。V−T変換回路8は、微小な電圧の変化ΔEを大きな時間の領域ΔTに拡散するものである。これは、差動増幅回路3の出力はレベルが低いため増幅する必要があり、従来の直流増幅回路では、従来例で説明したようにヌル電圧によって飽和してしまうために増幅率の上限が決まってしまっていたという問題点を解決するものである。
【0025】
これに対して、この発明の実施形態では、小さなレベルの差動増幅回路3の出力電圧を大きな時間の領域ΔTに拡散し、それをコンパレータで所定のレベルと比較してデジタル信号を出力する。このため、V−T変換回路8にはサンプルホールド手段であるサンプルホールド回路81と、積分手段である積分回路82と、比較手段であるコンパレータ83とが設けられている。サンプルホールド回路81は、マイクロプロセッサ7からのタイミング信号に基づいて、差動増幅回路3の出力をサンプルホールドして積分回路82に与える。積分回路82はサンプルホールドされた信号を積分し、コンパレータ83に出力する。コンパレータ83は積分出力を所定のレベルと比較してコリオリに応じたデューティ比を有するデジタル信号としてマイクロプロセッサ7に出力する。
【0026】
図2および図3は図1に示した角速度検出回路の各部の波形図である。
次に、図2を参照して、振動子1から出力される信号について説明する。振動子1から出力されるL信号(a)とR信号(b)はわずかながら振幅と位相に差を有している。L信号(a)とR信号(b)の差をとるとL−R(c)となり、和ととるとL+R(d)となる。
【0027】
L−R(c)は、L信号とR信号との位相のずれが大きければ大きいほどゼロクロス点が移動する。このL−R信号はヌル差動電圧とも称する。L−R信号にはコリオリ力が重なって出力されており、差動+コリオリとして出力される。コリオリ力は差動電圧と分離したくとも分離することができない性質を持っている。その理由は、コリオリ力は図2(e)に示すように、実際の信号として出力されるものではないからである。以下の説明では、L−R信号は差動+コリオリ力を意味しているものとする。コリオリ力(e)はL+R(d)と同相になり、L+Rの極大点と極小点近傍でコリオリ力も極大,極小となる。振動子1を左右に回転させると、コリオリ力(e)の振幅が変化し、L信号(a),R信号(b)はL+R(d)に対して位相が変化する。
【0028】
このように、振動子1の左電極1Lと右電極1Rから出力される図2で示したL信号(a)とR信号(b)は加算回路2で加算され、図2に示すL+R信号(d)が基準信号としてAGC回路4に与えられてレベルが一定にされる。さらに、基準信号は移相回路5で位相が調整された後、振動子1の全面電極1Cに与えることによって発振回路が発振動作を持続する。加算回路2から出力されたL+R信号は矩形波形成回路6によって矩形波に形成されてタイミング抽出信号としてマイクロプロセッサ7に与えられる。
【0029】
ここで、図2に示すように、基準信号としてのL+R信号(d)の極大点および極小点近傍でコリオリ力(e)が最大,最小となる。この位相は発振回路の位相や検出抵抗による位相ずれに依存する。基準信号は移相回路5で任意に調整が可能である。なお、基準信号としては要するに位相や周波数が安定なものであれば、図2に示すL信号(a)やR信号(b)をそれぞれ単独で使用してもよい。しかし、L信号やR信号にはコリオリ力が重畳されているため、矩形波にしたとき、差動との位相ずれが生じたり、デューティが変動したりするので好ましくはない。
【0030】
一方、差動増幅回路3はL信号とR信号との差のL−R信号を出力する。L−R信号はV−T変換回路8に与えられてサンプルホールド回路81によりサンプルホールドされる。ここで、マイクロプロセッサ7は図2(f)に示すように、矩形波に形成された基準信号の前縁である立上がりと後縁である立下がりを検出し、マイクロプロセッサ7内で発生される図2(g)に示すような基準クロック信号またはそれに類するクロック信号によって基準信号の1周期の計数値を演算する。図2(h)は基準信号のたとえば1/4の周期のタイミングでサンプルホールドするためのタイミング信号を出力するタイミングを示している。
【0031】
図3(a)は基準信号を示し、図3(b)はサンプルホールドのタイミング信号を示し、サンプルホールド回路81はこのタイミング信号に基づいて、L−R信号を図3(c)に示すようにサンプルホールドする。最も好ましいのはコリオリ力のピーク点でサンプルホールドすることが最も効率的であるが、必ずしもピーク点でサンプルホールドする必要はなく、ピーク点の近傍でサンプルホールドしてもよい。このサンプルホールド電圧は、角速度に依存し、積分回路82によって積分され、積分回路82のリーク電流によって図3(d)に示すように信号波形が時間の経過に伴って右下がりでリニアに傾斜し、次のタイミング信号に基づいて、L−R信号が再びサンプルホールドされる。
【0032】
積分回路82の出力の積分信号はコンパレータ83に与えられ、所定のレベルと比較されて図3(e)に示すコリオリ力に応じたデューティ比を有するデジタル信号に変換され、角速度検出信号としてマイクロプロセッサ7に出力される。マイクロプロセッサ7は、このデジタル信号を基準クロックで計数し、角速度を演算する。
【0033】
V−T変換回路8は、図4に示すように、積分回路83のリーク電流を小さくすることによって時定数を大きくしてホールド時間を長くすれば、同じ角速度電圧の変化ΔEに対して、時間領域ΔT1がΔT2のように大きくなり、分解能もしくは感度が上昇する。したがって、サンプルホールドのあるタイミングから次のサンプルホールドのタイミングまでの時間を任意に設定すれば時間領域を任意に拡張できる。
【0034】
この場合、ホールド時間は基準信号の1周期を超えることがあり得る。このことは、従来の同期検波−積分−直流増幅が電圧レベルの増幅であるのに対して、この実施形態では、時間軸レベルでの拡張にあることを意味する。従来例では、DC増幅器に電源電圧による絶対的な増幅度の上限があるのに対して、本発明では基本的には無限大の増幅度が得られることを意味している。
【0035】
このように時間領域を拡大することによって、その間のL−R信号を捨て去ることができる。バイモルフ振動子の駆動周波数は、数kHzから100kHzであり、カメラの手振れ補正やカーナビゲーションシステムにおいては、角速度信号の上限はせいぜい50Hz以下の信号があればよいためにL−R信号を部分的に捨て去っても構わないので、この実施形態では1000倍以上の拡張が可能であることを意味している。
【0036】
図5は、この発明の他の実施形態のブロック図である。前述の図1に示した例では、基準信号を矩形波に変換してマイクロプロセッサ7のソフト処理によってサンプルホールドのタイミング信号を生成したが、この図5に示した例は、加算回路2の出力の基準信号をタイミング信号発生回路9に与え、ハード構成によりサンプルホールドのためのタイミング信号を生成してサンプルホールド回路81に与えるようにしたものである。すなわち、タイミング信号発生回路9は、図1に示したマイクロプロセッサ7のソフト処理をハード構成で実現するものであり、基準信号の前縁と後縁を検出する検出回路と、前縁から後縁までの期間基準クロックパルスで計数するカウンタと、カウンタの計数値に基づいて、タイミング信号を出力する論理回路などによって構成される。その結果、タイミング信号発生回路9は単独でタイミング信号発生手段を構成していることになる。
【0037】
なお、コンパレータ83から出力されるデジタル出力は、図1と同様のマイクロプロセッサ7に入力してソフト処理してもよく、あるいはハード回路でデジタル信号を基準クロックで計数し、角速度信号を出力するようにしてもよい。
【0038】
図6はこの発明のさらに他の実施形態に用いられるサンプルホールド回路を示す回路図である。図1および図5に示した実施形態では、V−T変換回路8はサンプルホールド回路81でサンプルホールドし、そのサンプル電圧を積分回路82で積分するようにしたが、この実施形態では、サンプルホールド回路のドループ特性を利用して積分回路を不要にする。
【0039】
このため、図6に示したサンプルホールド回路81は、従来から知られたものであり、入力バッファBA1と、出力バッファBA2と、トランジスタTR1,TR2と、FETと、抵抗R1とコンデンサCとによって構成されており、マイクロプロセッサ7からトランジスタTR1のエミッタにタイミング信号が与えられると、トランジスタTR1,TR2およびFETが順次導通し、入力バッファBA1を介して入力された信号がコンデンサCに貯えられる。そして、FETが遮断すると、FETのソースとゲートとの間に接続されている抵抗R1を介してコンデンサCの充電電圧がリークする。
【0040】
図7および図8は図6に示したサンプルホールド回路によるサンプルホールド信号とドループ特性を示す図である。図6に示した抵抗R1がなければ極めて一般的なサンプルホールド回路であり、次式のリーク電流iによって決まる傾斜で信号のレベルを変換する。
【0041】
ΔV/ΔT=i(leak)/C
しかし、図6に示す抵抗R1を設けて感度増幅度を調整すれば、図7(c)に示すようなドループ特性により、積分回路で積分したのと同様なリニアなスロープの特性を持たせることができる。抵抗R1を大きくすればするほどスロープの傾斜が緩やかになる。その場合、サンプルホールドのタイミングパルスの間隔を広くする必要がある。
【0042】
図7(c)に示すサンプルホールド出力を図1に示したコンパレータ83で所定のレベルと比較することにより、図7(d)に示すようにコンパレータ83の出力であるデジタル信号を出力できる。
【0043】
図8は振動子1が振られてコリオリ力が動いているときの波形図であり、コリオリ力のピークが動くことによって、サンプルホールド出力も図8(c)に示すように、それに追従して動き、図8(d)に示すコンパレータ83のデジタル出力のデューティ比が変化する。このデューティ比が角速度信号となる。
【0044】
図9および図10はこの発明のさらに他の実施形態の振動ジャイロを示すブロック図である。この図9および図10に示した実施形態は、コリオリ力の1波長目と2波長目のサンプルホールドさせる点をそれぞれ異ならせ、それぞれのサンプルホールド値を比較してヌルの差動電圧を類推し、類推したヌルの差動電圧の大きさをマイクロプロセッサ7内でD/A変換し、図9に示すようにオフセット調整回路10によってヌル電圧を取り除くか、または図10に示すようにコンパレータ83のレベルを制御するものである。
【0045】
図11はサンプルホールド点を示す波形図である。図11に示すように、サンプルホールド信号の立上がり位置を基準信号の90度位相(F1)の後、同じ90度位相(F1’)ではなく、それからさらに90度ずれたポイント(F2)で検出する。温度などにより差動の形が変化することが十分考えられるが、その値を求めれば、以下の式より常時ヌル電圧を監視して制御をかけることができる。
【0046】
図11のF1,F2は次式で表わすことができる。
F1=A{(sinωt+α)+(Bsinωt)}
F2=A(cosωt+α)
AはL−R信号の振幅であり、コリオリ力Bが0のときは次式で示される。
【0047】
F1+F2=A
上記式を演算することによって、差動の振幅の大きさを知ることができ、Aの値からヌル電圧を知ることができる。
【0048】
以下、図11を参照して図10の動作について説明する。
図11において、F1点はコリオリ力極大点であり、F2点はコリオリ力ゼロ点である。F2点でのサンプリングに対応するコンパレータ出力時間であるT2はコリオリ力の存在に関わらず一定である。
【0049】
まず、振動ジャイロの起動直後はコリオリ力はゼロなので、起動直後のT1およびT2であるT1(0)およびT2(0)から差動入力のAおよびαの初期値であるA(0)およびα(0)を計算する(ステップ1)。
【0050】
次に、T2(0)の大きさを基に、マイクロプロセッサ7はD/Aコンバータ(マイクロプロセッサ7に含まれている)を介してT2(0)のデューティ比が1:1になるようにコンパレータ83のレベルを調整して、再度T2(t1)を測定する(ステップ2)。
【0051】
この状態でT1(t2)を測定する。T1(t2)はコリオリ力とともに変動する。この変動がなくなるように、再びD/Aコンバータがコンパレータ83のレベルを調整する。つまり、コリオリ力を0にするように調整する。すると、T2(t3)はコンパレータ83のレベルの変動に応じてデューティ比1:1を中心に変動し、ヌル電圧がキャンセルされてコリオリ力のみを反映した出力が得られる。このときのT1(t2)とT2(t1)から再びA(t2)およびα(t2)を計算する(ステップ3)。
【0052】
上記の(ステップ2)、(ステップ3)を間欠的に行い、T2の大きさをある一定の間隔でモニターする。温度変化などによりヌル電圧が変動すると、その都度(ステップ2)のアクションでコンパレータオフセットレベルを調整する。この際、A、αを求めることは必ずしも必要ではないが、外部からの衝撃などの異常入力でT2が大きく変動し、A、αが特異な値を取ったときは、過去のA、αの値からのずれの大きさを判断することにより、オフセットレベル調整をスキップすることができる。
【0053】
なお、図9の場合でも、図10との違いはD/Aコンバータがコンパレータ83の代わりにオフセット調整回路10を制御するという点だけで、コンパレータ83を制御する場合とほぼ同様に機能する。
【0054】
従来例では、ヌル電圧は同期検波の積分信号として出力されるため、それらのヌル電圧を補正する手段は設けられていなかった。このため、一定の角速度の回転では、角速度出力とヌル電圧との区別がつかないということが起こり得る。
【0055】
これに対して、この実施形態では、連続して検出する2つの信号のコリオリ力の差が微小であることが条件となるものの、それらの中点電位によりヌル電圧を常に0となるように制御することができ、ヌル電圧の温度変化の影響をキャンセルすることができる。
【0056】
なお、この図9および図10の実施形態は、図5に示した実施形態に適用してもよい。
【0057】
また、上述の実施形態は、この発明をバイモルフ振動子に適用した場合について説明したが、これに限ることはなく、金属の四角柱や三角柱に圧電素子を貼付けた振動子や、円柱状の圧電素子を使用した音片型の振動子または音叉構造の振動子などのようにL/R信号が出力され、基準信号と励振電圧や和電圧がとれる圧電振動ジャイロにはすべてこの発明を適用できる。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、振動子から出力される第1および第2の信号に基づいて基準信号を発生して振動子を励振させ、振動子から抽出したコリオリ力を含む差動信号をタイミング信号によりサンプルホールドし、サンプルホールド値の微小な電圧変化を時間軸に拡大し、その出力を所定のレベルと比較することにより角速度検出信号を出力できる。したがって、従来のように同期検波などのデジタル化するうえで重複する回路を不要にでき、コストを下げることができる。
【0060】
さらに、より好ましくは、V−T変換手段としてサンプルホールド手段のスルーレートを可変にして増幅機能を持たせることにより、V−T変換手段の回路構成を簡単にできる。
【0061】
さらに、より好ましくは、コリオリ力の1波長目の特定位相点とそれとは異なる位相点でサンプルホールド値を比較してヌルの差動電圧を類推し、類推したヌルの差動電圧に基づいて差動信号にオフセットをかけたり、比較手段のレベルを制御することにより、ヌル電位が常に0となるような制御を行なうことができ、ヌル電圧の温度変化の影響をキャンセルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の角度検出回路を示すブロック図である。
【図2】図1に示した角速度検出回路の各部の波形図である。
【図3】図1に示した角速度検出回路の各部の波形図である。
【図4】図1に示したV−T変換回路の積分回路の時定数と分解能もしくは感度との関係を示す図である。
【図5】この発明の他の実施形態の角速度検出回路を示すブロック図である。
【図6】この発明のさらに他の実施形態で用いられるサンプルホールド回路の回路図である。
【図7】図6に示したサンプルホールド回路の動作を説明するための波形図である。
【図8】図6に示したサンプルホールド回路の動作を説明するための波形図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態の角速度検出回路を示すブロック図であり、ヌル電圧を取り除く例を示す。
【図10】この発明のさらに他の実施形態の角速度検出回路を示すブロック図であり、コンパレータのレベルを制御する例を示す。
【図11】図9および図10に示した実施形態の動作を説明するための波形図である。
【図12】この発明の背景となりかつこの発明が適用されるバイモルフ振動子の外観斜視図である。
【図13】従来の角速度検出回路のブロック図である。
【符号の説明】
1 振動子、2 加算回路、3 差動増幅回路、4 AGC回路、5 移相回路、6 矩形波形成回路、7 マイクロプロセッサ、8 V−T変換回路、9 タイミング信号発生回路、10 ヌル電圧調整回路、81 サンプルホールド回路、82 積分回路、83 コンパレータ。

Claims (6)

  1. 振動子をX軸方向に励振させ、Z軸周りに回転したときに、Y軸方向に発生したコリオリ力による振動を検出する振動ジャイロであって、
    前記振動子から出力される第1および第2の信号に基づいて基準信号を発生し、前記振動子を励振させる駆動手段、
    前記振動子から出力される前記第1および第2の信号に基づいて、コリオリ力を含む差動信号を抽出する信号抽出手段、
    前記駆動手段から出力される基準信号に基づいて、前記コリオリ力をサンプルホールドするためのタイミング信号を発生するタイミング信号発生手段、および前記信号抽出手段によって抽出された前記差動信号を前記タイミング信号発生手段から発生されたタイミング信号に基づいてサンプルホールドし、前記差動信号の微小な電圧変化を時間軸に拡大して角速度検出信号として出力する電圧−時間軸変換手段を備えた、振動ジャイロ。
  2. 前記振動子は、それぞれがわずかな振幅と位相の差を有する前記第1および第2の信号を出力する第1および第2の電極と、全面電極とを有していて、
    前記駆動手段は、
    前記第1および第2の信号を加算して前記基準信号として出力する加算手段と、
    前記加算手段から出力される前記基準信号のレベルを一定にするレベル制御手段と、
    前記レベル制御手段から出力される前記基準信号の位相を調整して前記全面電極に出力する位相調整手段とを含む、請求項1に記載の振動ジャイロ。
  3. 前記電圧−時間軸変換手段は、
    コリオリ力を含む前記差動信号を前記タイミング信号に基づいて、サンプルホールドするサンプルホールド手段と、
    前記サンプルホールド手段の出力信号を積分する積分手段と、
    前記積分手段によって積分された信号を所定のレベルで比較して時間軸に拡大して出力する比較手段とを含む、請求項1または2に記載の振動ジャイロ。
  4. 前記電圧−時間軸変換手段は、
    コリオリ力を含む前記差動信号を前記タイミング信号に基づいてサンプリングし、ドループ特性によりピーク値をリニアに減少させるサンプルホールド手段と、
    前記サンプルホールド手段によってリニアに減少する信号を所定のレベルで比較して時間軸に拡大して出力する比較手段とを含む、請求項1または2に記載の振動ジャイロ。
  5. 前記サンプルホールド手段によるサンプリング点をコリオリ力の特定位相と別の波長における別の位相で異ならせるためのタイミング信号を発生する手段と、
    前記サンプルホールド手段によるサンプルホールド値を比較してヌルの差動電圧を類推し、類推したヌルの差動電圧に基づいて前記比較手段の所定のレベルを制御する手段とを含む、請求項3または4に記載の振動ジャイロ。
  6. 前記タイミング信号発生手段は、前記基準信号の前縁と後縁を検出してクロック信号を計数し、所定の計数値のときに前記タイミング信号を出力することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の振動ジャイロ。
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