JP3625947B2 - 計量装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被計量物品を搬送中にその重量を自動的に計量する計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の上記計量装置の一例を、図14に示す計量コンベアを参照して説明する。この計量コンベア1は、コンベアベルト2の帰り側(リターンベルト)に、コンベアベルト2の片寄りを修正する為の調芯ローラ装置3、この調芯ローラ装置3に設けられているテーパローラ(片方のみを図示する)4にコンベアベルト2を押しつけるためのスナブプーリ5、及びコンベアベルト2に張力を付与する為のテンションプーリ6を設け、更に、計量キャリア7を設けてある。計量キャリア7は、回動自在であり、リンク8、9、及びロードセル10を介してフレーム等の固定部11に支持されている。この構成によって、被計量物品12の投入されているカップ13がコンベアベルト2により搬送されてこの計量キャリア7上を通過すると、ロードセル10及びこれと接続する制御部(図示せず)によりこの被計量物品12を収容するカップ13の重量を計量することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図14に示す計量コンベア1では、コンベアベルト2の片寄りを修正する為の調芯ローラ装置3、スナブプーリ5、及びコンベアベルト2に張力を付与する為のテンションプーリ6を設ける必要があるので、装置が大がかりとなり、費用が嵩むという問題がある。そして、コンベアベルト2の張力が変動するので、これによって計量精度が低下するという問題がある。
【0004】
そして、上記計量コンベア1では、この計量コンベア1にカップ13を1個ずつ所定の間隔をおいて送り込むようにする為に、この計量コンベア1以外に送り込み装置を設ける必要があるという問題もある。
【0005】
本発明は、装置の構造を簡単でコンパクトとすることにより費用の低廉化を図ると共に、計量精度の向上を図ることができる計量装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、被計量物品を受け入れる受入れ手段と、この受入れ手段により受け入れた被計量物品を第1の昇降台上に送り出す送り出し手段と、載台を有しこの載台に載置された上記被計量物品の重量を計量する第1の計量手段と、上記第1の昇降台を有しこの第1の昇降台が上昇位置と下降位置との間で昇降駆動され第1の昇降台が上記上昇位置の状態で上記送り出し手段により送り出されてくる上記被計量物品を受入れ可能であり、第1の昇降台が上記下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上の被計量物品を上記受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の被計量物品を下記ステージ上の被計量物品及び上記受入れ手段上の被計量物品と非接触の状態にして第1の計量手段の上記載台上に乗せ換える第1の昇降手段と、第1の昇降手段の後段に設けてあり上記送り出し手段によって順次送り出されてくる第1の昇降台上の被計量物品を受け入れてこれら受け入れた各被計量物品が互いに前後方向に接触した状態で搬送されるステージと、を具備することを特徴とするものである。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の計量装置において、第1の昇降台が上記上昇位置にある状態で第1の計量手段の零点を移動させて零点補正する零点補正手段を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
第3の発明は、被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に搬送する供給手段と、この供給手段の後段に設けられている載台を有しこの載台に載置された各被計量物品の重量を計量する第2の計量手段と、第2の昇降台を有しこの第2の昇降台が上昇位置と下降位置との間で昇降駆動され第2の昇降台が上記上昇位置の状態で上記供給手段により搬送されてくる上記被計量物品を受入れ可能であり、第2の昇降台が上記下降位置に向かって下降する際に第2の昇降台上の被計量物品を上記供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動してこの第2の昇降台上の被計量物品を上記載台上に乗せ換える第2の昇降手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0009】
第4の発明は、被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に搬送する供給手段と、この供給手段の後段に設けられている載台を有しこの載台に載置された各被計量物品の重量を計量する第2の計量手段と、この第2の計量手段により計量された計量済み物品を排出する排出手段と、第2の昇降台と第3の昇降台を有しこの第2及び第3の昇降台が上昇位置と下降位置との間で同期して昇降駆動され第2の昇降台が上昇位置の状態で上記供給手段により搬送されてくる上記被計量物品を受入れ可能であり、第2の昇降台が下降位置に向かって下降する際にこの第2の昇降台上の被計量物品を上記供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動してこの第2の昇降台上の被計量物品を上記載台上に乗せ換えることができ、第3の昇降台が上昇位置の状態で上記供給手段により押し進められてくる第2の昇降台上の上記計量済み物品を受入れ可能であり、第3の昇降台が下降位置に向かって下降する際にこの第3の昇降台上の計量済み物品を第2の計量手段の載台上の被計量物品と引き離す方向に移動すると共に当該計量済み物品を上記排出手段上に乗せ換えることができる第2の昇降手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0010】
第5の発明は、第3又は第4の発明の計量装置において、第2の昇降台が上記上昇位置にある状態で上記第2の計量手段の零点を移動させて零点補正する零点補正手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
第6の発明は、空の物品保持手段を受け入れる受入れ手段と、この受入れ手段により受け入れた物品保持手段を第1の昇降台上に送り出す送り出し手段と、載台を有しこの載台に載置された空の上記物品保持手段の重量を計量する第1の計量手段と、上記第1の昇降台を有しこの第1の昇降台が上昇位置と下降位置との間で昇降駆動され第1の昇降台が上記上昇位置の状態で上記送り出し手段により送り出されてくる上記物品保持手段を受入れ可能であり、第1の昇降台が上記下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上の物品保持手段を上記受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の物品保持手段を下記投入ステージ上の物品保持手段及び上記受入れ手段上の物品保持手段と非接触の状態にして第1の計量手段の上記載台上に乗せ換える第1の昇降手段と、第1の昇降手段の後段に設けてあり上記送り出し手段によって順次送り出されてくる第1の昇降台上の物品保持手段を受け入れてこれら受け入れた各物品保持手段が互いに前後方向に接触した状態で搬送されこの搬送の途中で当該各物品保持手段に被計量物品を投入するための投入ステージと、この投入ステージの後段に設けてあり上記送り出し手段によって順次送り出されてくる被計量物品の投入された上記物品保持手段を受け入れて当該物品保持手段と当該物品保持手段に投入されている被計量物品の合計重量を計量する第2の計量手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0012】
第1の発明によると、送り出し手段が、受入れ手段上の被計量物品を上昇位置にある第1の昇降台上に順次送り出すことにより、被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に送り出すことができる。このようにして送り出される被計量物品は、第1の昇降台を通してステージ上に移動させることができる。ここで、被計量物品が上昇位置にある第1の昇降台上に送り出されると、第1の昇降台が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第1の昇降台上の被計量物品を受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の被計量物品をステージ上の被計量物品及び受入れ手段上の被計量物品と非接触の状態にして第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。載台上に被計量物品が乗ると、第1の計量手段がその空の被計量物品の重量を計量する。しかる後に、第1の昇降台が上昇位置に上昇して載台上の計量済み被計量物品をこの第1の昇降台上に乗せ換えることができる。次に、送り出し手段が受入れ手段上の次の被計量物品を上昇位置にある第1の昇降台上に送り出すことにより第1の昇降台上の計量済みの被計量物品をステージ上に送り出すことができる。つまり、送り出し手段が受入れ手段上の被計量物品を第1の昇降台上に送り出した際に、第1の昇降台がこの上に乗っている被計量物品をその前方のステージ上の被計量物品と引き離す方向に移動させて、ステージ上の被計量物品と間隔を隔てた状態で第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。これによって、第1の計量手段の載台上の空の被計量物品の重量を正確に計量することができる。
【0013】
第2の発明によると、第1の発明において、第1の昇降台を上昇位置で停止させておき、この間に零点補正手段が第1の計量手段の零点を移動させて零点補正することができる。
【0014】
第3及び第4の各発明によると、供給手段が、被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に搬送することができ、この供給手段が被計量物品を上昇位置にある第2の昇降台上に移動させることができる。被計量物品が第2の昇降台上に移動すると、第2の昇降台が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第2の昇降台上の被計量物品を供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に、当該被計量物品を載台上に乗せ換えることができる。載台上に被計量物品が乗ると、第2の計量手段がその重量を計量する。しかる後に、第2の昇降台が上昇位置に上昇して載台上の計量済み物品をこの第2の昇降台上に乗せ換えることができる。次に、供給手段が計量済み物品及び被計量物品を前方に搬送し、第2の計量手段が後続の被計量物品の重量を上記と同様にして順次計量することができる。つまり、供給手段が先頭の被計量物品を第2の昇降台上に搬送した際に、第2の昇降台がこの上に乗せられた先頭の被計量物品をその後続の被計量物品と引き離す方向に移動させて、この先頭の被計量物品を後続の被計量物品と間隔を隔てた状態で第2の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。これによって、先頭の被計量物品と後続の被計量物品とを非接触の状態とすることができるので、先頭の被計量物品の重量を第2の計量手段によって正確に計量することができる。
【0015】
第4の発明によると、供給手段が、第2の昇降台上の計量済み物品を上昇位置にある第3の昇降台上に移動させることができる。計量済み物品が第3の昇降台上に移動すると、第3の昇降台が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第3の昇降台上の計量済み物品を第2の計量手段の載台上の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に当該計量済み物品を排出手段上に乗せ換えることができる。排出手段上の計量済み物品はこの排出手段によって排出される。しかる後に、第3の昇降台が上昇位置に上昇する。次に、供給手段が計量済み物品及び被計量物品を前方に搬送し、第3の昇降台が後続の計量済み物品を上記と同様にして順次排出手段上に乗せ換えて排出手段がこの計量済み物品を順次排出することができる。つまり、供給手段が計量済み物品を第3の昇降台上に搬送した際に、第3の昇降台がこの上に乗っている計量済み物品をその後続の載台上の被計量物品と引き離す方向に移動させて、この計量済み物品を後続の被計量物品と間隔を隔てた状態で排出手段上に乗せ換えることができる。これによって、計量済み物品と後続の被計量物品とを非接触とすることができるので、第2の計量手段は載台上の被計量物品の重量を正確に計量することができる。
【0016】
第5の発明によると、第3及び第4の各発明において、第2の昇降台を上昇位置で停止させておき、この間に零点補正手段が第2の計量手段の零点を移動させて零点補正することができる。
【0017】
第6の発明によると、送り出し手段が、受入れ手段上の物品保持手段を上昇位置にある第1の昇降台上に順次送り出すことにより、物品保持手段をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に送り出すことができる。このようにして送り出される物品保持手段は、第1の昇降台及び投入ステージを通して第2の計量手段の載台上に移動させることができる。ここで、物品保持手段が上昇位置にある第1の昇降台上に送り出されると、第1の昇降台が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第1の昇降台上の物品保持手段を受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の物品保持手段を投入ステージ上の物品保持手段及び受入れ手段上の物品保持手段と非接触の状態にして第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。載台上に物品保持手段が乗ると、第1の計量手段がその空の物品保持手段の重量を計量する。しかる後に、第1の昇降台が上昇位置に上昇して載台上の計量済み物品保持手段をこの第1の昇降台上に乗せ換えることができる。次に、送り出し手段が受入れ手段上の次の物品保持手段を第1の昇降台上に送り出すことにより第1の昇降台上の計量済みの物品保持手段を投入ステージ上に送り出すことができる。この計量済みの物品保持手段は、投入ステージ上で被計量物品が投入され、そして送り出し手段によって後段の第2の計量手段に送り出されてこの第2の計量手段によって物品保持手段とこの物品保持手段に投入されている被計量物品の合計重量が計量される。そして、この合計重量から物品保持手段の重量を減算すればその物品保持手段に投入された被計量物品の重量を計量することができる。つまり、送り出し手段が受入れ手段上の物品保持手段を第1の昇降台上に送り出した際に、第1の昇降台がこの上に乗っている物品保持手段をその前方の投入ステージ上の物品保持手段と引き離す方向に移動させて、投入ステージ上の物品保持手段と間隔を隔てた状態で第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。これによって、第1の計量手段の載台上の空の物品保持手段の重量を正確に計量することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係る計量装置の第1実施形態を各図を参照して説明する。図5は、計量装置の平面図、図6は計量装置の正面図、図7は計量装置をカップ20の進行方向に向かって見た断面図である。この計量装置は、図5の平面図に示すように、空のカップ(物品保持手段)20を移送コンベア(受入れ手段)66によって受け入れて、この移送コンベア66により受け入れたカップ20を上昇位置にある第1の昇降台(第1の昇降手段)48上に空カップ用プッシャー(送り出し手段)70によって送り出し、この送り出された空のカップ20の重量を第1の計量器49(49−1、49−2、49−3、49−4)により計量し、この計量済みのカップ20が投入ステージ61上を進行方向97に向かって移動している間に作業者又は投入装置により各カップ20に被計量物品21が投入される。そして、この被計量物品21の投入されたカップ20を上昇位置にある第2の昇降台50上に送り出し、この送り出された被計量物品21を収容するカップ20の重量を4台の各第2の計量器62(62−1、62−2、62−3、62−4)により計量し、しかる後に、この計量済みの被計量物品21を収容するカップ20を滞留コンベア(排出手段)63に送り出すことができるものである。そして、4台の各第2の計量器62により計量して得られた計量値WG1、WG2、WG3、WG4(カップ20と被計量物品21の合計重量値)から第1の計量器49により計量して得られた計量値WH1、WH2、WH3、WH4(カップ20の重量値)を減算器(図示せず)が減算することによりカップ20に投入された被計量物品21の重量WB1、WB2、WB3、WB4を演算することができる。このように、空のカップ20の重量を予め第1の計量器49によって計量する構成であるので、カップ20の重量ばらつきがある場合や、又はカップ20に前回に計量した被計量物品21の一部が付着して残っている場合でも、当該カップ20に今回投入された被計量物品21の重量を正確に計量することができる。しかる後に、カップ20から計量済み物品21を取り出して包装することができる。上記移送コンベア66、空カップ用プッシャー70、及び第1の昇降台48が請求項3に記載の供給手段を構成している。
【0019】
移送コンベア66は、請求項1に記載の受入れ手段である。この移送コンベア66は、図5及び図6に示すように、終端部69が4台の第1の計量器49の側方に配置されている直線コンベアであり、被計量物品(以下、単に「物品」ということもある。)21の排出された空のカップ20を受け取って終端部69に搬送することができる。そして、終端部69にはストッパ41を設けてあり、このストッパ41によりカップ20を係止することができる。この移送コンベア66は、図6の部分断面側面図に示すように、環状の2つのプラスチックチェーン(トップチェーン)42、42を備えており、各プラスチックチェーン42、42の夫々の両端がスプロケット(図示せず)に掛けられている。このスプロケットは、モータ43の回転軸の設けたスプロケット44と連結しており、モータ43が回転することにより2つのプラスチックチェーン42、42が所定方向に駆動される。図には示さないが、プラスチックチェーン42、42のカップ20と接触する搬送面は、摩擦抵抗の小さいプラスチック板によって形成してある。そして、この移送コンベア66の終端部69にカップ20が搬送されると先頭のカップ20がストッパ41によって係止されて各カップ20がこの終端部69上で停止する。
【0020】
なお、図4及び図5に示すように、移送コンベア66の終端部69には空カップ用プッシャー70を設けてあり、この空カップ用プッシャー70のピストンロッドの先端に設けたパッド71によって、移送コンベア66上のカップ20がプッシャー70側にはみ出ないように規制することができる。つまり、移送コンベア66は、モータ43により常時回転駆動しており、移送コンベア66上の各カップ20はストッパ41側に搬送されて先頭のカップ20がストッパ41に当接すると後続のカップ20は順次互いに接触した押せ押せの状態で1列に並び、各カップ20はその位置で停止することとなる。ただし、移送コンベア66は、常時搬送駆動されているので、この移送コンベア66上に1列に並んでいるカップ20は進行方向に向かって左側又は右側にはみ出ようとするが、上記パッド71及び図4に示す案内板46によってカップ20が移送コンベア66の外側にはみ出ないように規制することができる。この案内板46は、図4に示すように、プラスチックチェーン42を保持する保持枠47の先端部を屈曲して形成したものであり、その上面がプラスチックチェーン42の搬送面(上面)よりもH9 (約3mm)高く形成してある。そして、この案内板46は、図5に示すように、4台の第1の計量器49の側方に亘って設けてある。
【0021】
この移送コンベア66の終端部69に、図5に示すように、空のカップ20が4個溜まり、かつ、この計量装置に設けられている中央演算処理装置(CPU)(図示せず)から所定の供給信号が出力されると、この終端部69の入口に設けてあるエアーシリンダで構成したストッパ72が伸長動作し、このストッパ72の先端に設けたパッド45が終端部69に後続のカップ20が進入しないようにせき止めることができる。そして、空カップ用プッシャー70が伸長動作して、この終端部69の4個のカップ20を前方に設けた第1の昇降台48上に押し進めて、しかる後に短縮動作(図5に示す短縮状態)すると、ストッパ72が開動作(図5に示す短縮状態)して4個のカップ20を終端部69に通す役目を果たす。
【0022】
空カップ用プッシャー70は、請求項1に記載の送り出し手段である。この空カップ用プッシャー70は、図5及び図6に示すように、そのピストンロッドの先端にパッド71を設けてあり、この空カップ用プッシャー70が図5に示す短縮状態から伸長動作すると、移送コンベア66の終端部69上に停止する4個のカップ20を、案内板46を乗り越えさせて上昇位置にある第1の昇降台48上に送り出すことができる。
【0023】
第1の昇降台48は、第1の昇降装置57に設けられている。この第1の昇降装置57は、図5及び図6に示すように、第1の昇降台48と2台の駆動シリンダ51とを備えている。第1の昇降台48は、図8に示すように、互いに所定の間隔を隔てて水平に配置した5つの昇降板52を有し、これら5枚の昇降板52を連結板53により連結してある。そして、この第1の昇降台48を、図6に示すように、連結枠54を介して2台の駆動シリンダ51のピストンロッドの先端に設けてある。これら5枚の昇降板の4つの各間隙には、図8(a)に示すように、4台の各第1の計量器49に設けてある載台55が位置している。そして、この2本の駆動シリンダ51は、図5及び図6に示すように、互いに平行し、図6に示すように、ピストンロッドの先端が移送コンベア66の終端部69の下方部から第1の計量器49の載台55に向かう方向に傾斜させて計量装置の本体76に設けてある。この第1の昇降装置57は、駆動シリンダ51が伸縮駆動することにより、第1の昇降台48を図6に示す上昇位置と図4に示す下降位置に昇降駆動することができる。第1の昇降台48が図6に示す上昇位置に駆動された状態では、5枚の各昇降板52が水平であり、この昇降板52の上面が第1の計量器49の載台55の上面よりもH1 (約3mm)だけ高い位置(上側の位置)となり、しかも案内板46の上面よりも少し下側の位置となる。これによって、第1の昇降台48は、カップ20の重量が第1の計量器49の載台55に掛からないように保持することができる。そして、第1の昇降台48が図4に示す下降位置に駆動された状態では、5枚の各昇降板52の上面が第1の計量器49の載台55の上面よりもH2 (約4mm)低い位置(下側の位置)となる。これによって、第1の昇降台48上に乗っていた4個のカップ20を第1の計量器49の載台55上に乗せ換えることができる。また、駆動シリンダ51を、図4に示すように傾斜して設けてあるので、第1の昇降台48が矢印56の方向に下降し、この際に第1の昇降台48上のカップ20を前方の投入ステージ61上のカップ20と引き離す方向に移動してこの第1の昇降台48上のカップ20を載台55上に乗せ換えることができる。
【0024】
第1の計量器49(49−1、49−2、49−3、49−4)は、図5に示すように、4台設けてある。これら4台の各第1の計量器49は、ロードセル等の重量検出器を有しており、各ロードセルに設けられている載台55上に、第1の昇降台48上の4個の空のカップ20が乗り移ると、4個の各空のカップ20の重量を計量することができる。そして、この計量装置に設けられている演算制御部(図示せず)がこれらカップ20の重量値WH1−1、WH2−1、WH3−1、及びWH4−1を記憶部に記憶する。この計量の際、4つの各載台55上の4個のカップ20は、図4に示すように、投入ステージ61上の各々の前方の4個のカップ20と間隔K1 (約3mm)を隔てた状態であり、かつ、左右のカップ20どうしが投入ステージ61に設けたガイド24によって互いに間隔を隔てて載置されている。従って、4台の第1の計量器49の各載台55には、これら各載台55上に乗っている夫々のカップ20の前後及び左右に位置する各カップ20の重量の一部が掛かることがないし、各載台55上のカップ20の重量の一部が上記前後及び左右に位置する各カップ20に掛かることがないので、各載台55上の4個の各空のカップ20の重量を第1の計量器49により正確に計量することができる。
【0025】
投入ステージ61は、図5に示すように、第1の計量器49の後段に設けてあり。、カップ20を進行方向97に3個並べて1列としたものを4列保持することができる固定台(簀の子状の受け台)67を備えている。この固定台67は、図9(a)に示すように、平面形状が略矩形であり、断面が円形の10本の棒状体22を有している。これら10本の棒状体22は、カップ20の進行方向97に対して直角をなす方向に向けて互いに所定の間隔を隔てて設けてある。そして、各棒状体22は、図9に示すように、5本のガイド24と4本の桟23によって連結してある。ガイド24は、カップ20が隣の列、又は投入ステージ61の外側にはみ出ないようにするものであり、進行方向97に平行し、互いにカップ20の直径よりも少し広い間隔を隔てて設けてある。そして、固定台67を計量装置の本体76に取り付けた状態で、5本の各ガイド24の一方の端部が4台の各第1の計量器49に設けられている載台55の上方に突出している。この各ガイド24の突出している部分、即ち、突出部26は、上述したように、各カップ20が載台55上で隣合うカップ20と接触しないようにする為のものであり、これによって、カップ20どうしの接触による計量誤差を防止することができる。同様に、各ガイド24の他方の端部にも4台の各第2の計量器62に設けられている物品載台33の上方に突出する突出部26を備えており、この突出部26により載台33上で隣合うカップ20どうしの接触による計量誤差を防止することができる。各桟23は、図7に示すように、上縁が各棒状体22の上縁よりも下方に位置するように配置してあり、各桟23がカップ20の移動の障害とならないようにしている。このように、固定台67が投入ステージ61を形成し、この固定台67を形成する10本の棒状体22、5本のガイド24、及び4本の桟23によって区画形成された多数の貫通孔27を備えている。この多数の貫通孔27は、カップ20に投入されずにこぼれ落ちた物品21を通過させてこの固定台67の下方に設けた受け皿28上に落下させる機能を果たす。そして、図7に示すように、固定台67は、計量装置の本体76にボルト29によって締結して固定してある。
【0026】
第2の昇降台50が設けられている第2の昇降装置58は、図5及び図6に示すように、投入ステージ61の後段に配置されている。この第2の昇降装置58は、第2の昇降台50と、第3の昇降台59と、この第2及び第3の昇降台50、59を昇降駆動する2本の駆動シリンダ60と、駆動シリンダ60の駆動を第2及び第3の昇降台50、59に伝達するための昇降用リンク機構30と、を備えている。図10(a)は、第2及び第3の昇降台50、59の拡大平面図、図10(b)は、その拡大正面図、図10(c)は、その拡大側面図である。
第2の昇降台50は、図10に示すように、互いに所定の間隔を隔てて水平に配置した5つの昇降板31を有し、これら5枚の昇降板31を連結板32により連結してある。これら5枚の昇降板31の4つの各間隙には、図10(a)に示すように、4台の各第2の計量器62に設けてある載台33が位置している。そして、この第2の昇降台50を、水平枠体34を介して2本の垂直リンク35に固着してある。
【0027】
第3の昇降台59は、図10に示すように、上面を水平に配置した細長い平板状体からなり、その両端部を下方に向けて屈曲形成したものであり、連結棒36を介して水平枠体34に固着してある。この第3の昇降台59の上面と第2の昇降台50の上面は、図10(c)に示すように、互いに同一の高さとなるように水平枠体34に設けてある。そして、この水平枠体34が設けられている垂直リンク35の上端部には、断面形状がL字状のストッパ37を設けてある。
【0028】
昇降用リンク機構30は、図1に示すように、2本の平行リンク38と1本の垂直リンク35からなる右側リンク機構とこの右側リンク機構と左右対称に形成した左側リンク機構とからなっている。この右側リンク機構と左側リンク機構は、同等のものであるので右側リンク機構を説明し、左側リンク機構の説明を省略する。
右側リンク機構は、図1に示すように、2本の平行リンク38の各右側端部が連結軸39、39を介して垂直リンク35と回動自在に連結しており、各左側端部が連結軸40を介して計量装置の本体76と回動自在に連結している。従って、2本の平行リンク38が本体76と連結する連結軸40、40を中心に矢印14の方向に揺動すると、水平枠体34が矢印15の方向、即ち、円弧に沿う方向に揺動する。そして、水平枠体34が矢印15の方向に揺動することによって、第2及び第3の昇降台50、59がその上面の水平状態を維持したままで同矢印15の方向に揺動する。
【0029】
駆動シリンダ60は、図1に示すように、右側リンク機構に設けた右側駆動シリンダと、図には示さないが、左側リンク機構に設けた左側駆動シリンダと、からなっている。この右側駆動シリンダと左側駆動シリンダは、同等のものであるので右側駆動シリンダを説明し、左側駆動シリンダの説明を省略する。
右側駆動シリンダ60は、図1に示すように、例えばエアーシリンダであり、ピストンロッドの先端部が連結軸16を介して垂直リンク35の上端部と回動自在に連結しており、シリンダの基端部が連結軸17を介して計量装置の本体76と回動自在に連結している。従って、右側及び左側駆動シリンダ60、60が同期して伸長動作することによって第2及び第3の昇降台50、59を図1に示す上昇位置に駆動することができる。
【0030】
そして、図1に示す上昇位置の状態では、第2の昇降台50は、その上面が投入ステージ61の固定台67の上縁(カップ20の搬送面)よりも約1mm下側の高さとなっており、投入ステージ61側から押し出されてくるカップ20を受入れ可能であり、かつ、その上面が第2の計量器62の載台33の上面よりもH3 (≒3mm)高い位置にあって、カップ20の重量が載台33に掛からないようにカップ20を保持することができる。そして、第3の昇降台59は、その上面が第2の昇降台50の上面と同一の高さとなっており、第2の昇降台50側から押し出されてくるカップ20を受入れ可能であり、かつ、その上面が滞留コンベア63の搬送面よりもH4 (≒6mm)高い位置にあって、カップ20の底面が搬送面と接触しないようにカップ20を保持することができる。
【0031】
また、図3に示す下降位置の状態では、第2の昇降台50は、その上面が第2の計量器62の載台33の上面よりもH5 (≒4mm)低い位置にあって、カップ20を第2の計量器62の載台33上に乗せ換えることができる位置に下降している。そして、第3の昇降台59は、その上面が滞留コンベア63の搬送面よりもH6 (≒1mm)低い位置にあって、カップ20を滞留コンベア63の搬送面上に乗せ換えることができる位置に下降している。
【0032】
そして、図3に示すように、投入ステージ61の上縁(カップ20の搬送面)よりもH7 (≒3mm)低い高さに第2の計量器62の載台33の上面を配置して、第2の昇降台50を投入ステージ61から遠ざかる方向に下降させているので(図3に示す矢印15の方向)、第2の昇降台50上のカップ20を後続の投入ステージ61上のカップ20と引き離す方向に移動してこの第2の昇降台50上のカップ20を第2の計量器62の載台33上に乗せ換えることができる。図2は、第2の昇降台50が、その上面と載台33の上面の高さが一致したときの状態を示す正面図である。
【0033】
また、図3に示すように、第2の計量器62の載台33の上面よりもH8 (≒3mm)低い高さに滞留コンベア63の搬送面を配置していて、第3の昇降台59を投入ステージ61から遠ざかる方向に下降させているので(図3に示す矢印15の方向)、第3の昇降台59上のカップ20を後続の第2の昇降台50上のカップ20と引き離す方向に移動してこの第3の昇降台59上のカップ20を滞留コンベア63の搬送面上に乗せ換えることができる。
【0034】
第2の計量器62は、図5及び図6に示すように、4台設けてある。これら4台の各第2の計量器62は、ロードセル等の重量検出器を有しており、各ロードセルに設けられている載台33上に、第2の昇降台50から被計量物品21が投入されている4個のカップ20が乗り移ると(図3参照)、これら被計量物品21を収容する4個の各カップ20の重量を計量することができる。そして、この計量装置に設けられている演算制御部(図示せず)がこれらカップ20の重量値WG1−1、WG2−1、WG3−1、及びWG4−1を記憶部に記憶する。この計量の際、第2の計量器62の各載台33上の4個のカップ20は、図3に示すように、投入ステージ61上の各々の後続の4個のカップ20と間隔K2 (≒3mm)を隔てた状態であり、滞留コンベア63上の各々の前方の4個のカップ20と間隔K3 (≒3mm)を隔てた状態である。そして、左右のカップ20どうしが投入ステージ61に設けたガイド24によって仕切られて互いに間隔を隔てて載置されている。従って、4台の第2の計量器62の各載台33には、前後及び左右に位置する各カップ20の重量の一部が掛かることがないし、各載台33上のカップ20の重量の一部が上記前後及び左右に位置する各カップ20に掛かることがないので、各載台33上の被計量物品21を収容する4個の各カップ20の重量WG1−1、WG2−1、WG3−1、及びWG4−1を第2の計量器62により正確に計量することができる。
【0035】
滞留コンベア63は、図5及び図6に示すように、基端部が4台の第2の計量器62の側方に配置されている直線コンベアであり、各第2の計量器62から排出されたカップ20を4個ずつ受け取って図5の矢印の方向に搬送することができる。この滞留コンベア63は、図1の断面図に示すように、環状の2つのプラスチックチェーン(トップチェーン)74、74を備えており、各プラスチックチェーン74、74の夫々の両端がスプロケット(図示せず)に掛けられている。このスプロケットは、モータ(図示せず)の回転軸と連結しており、モータが回転することにより2つのプラスチックチェーン74、74が所定方向に駆動される。図には示さないが、プラスチックチェーン74、74のカップ20と接触する搬送面82は、摩擦抵抗の小さいプラスチック板によって形成してある。
【0036】
次に、上記のように構成した計量装置の作用を説明する。
この計量装置によると、図5及び図6に示すように、空カップ用プッシャー70が、移送コンベア66の終端部69上の空の4個のカップ20を上昇位置にある第1の昇降台48上に順次送り出すことにより、カップ20をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方(進行方向97の方向)に搬送することができる。このようにして搬送されるカップ20は、第1の昇降台48、及び投入ステージ61、そして、第1の昇降台48と同期して昇降移動する第2の昇降台50を通して滞留コンベア63上に移動させることができる。
【0037】
ここで、進行方向97に対して直角方向の横1列の4個のカップ20が上昇位置にある第1の昇降台48上に送り出されると、第1の昇降台48が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第1の昇降台48上の4個の空のカップ20を移送コンベア66に接近させる方向(後退方向)に移動して第1の昇降台48上のカップ20を投入ステージ61上の前方の4個のカップ20及び後続の移送コンベア66上の4個のカップ20と非接触の状態にして第1の計量器49−1〜49−4の各載台55上に乗せ換えることができる。4つの各載台55上にカップ20が乗ると、4台の第1の計量器49が各空のカップ20の重量を計量する。この計量の際、4台の第1の計量器49の載台55上の各空のカップ20は、前後左右のカップ20と接触していないので、4個の各空のカップ20の重量WH1〜W H4 を正確に計量することができる。しかる後に、第1の昇降台48が上昇位置に上昇して4つの各載台55上の計量済みカップ20をこの第1の昇降台48上に乗せ換えることができる。次に、空カップ用プッシャー70が移送コンベア66上の次のカップ20を第1の昇降台48上に送り出すことにより第1の昇降台48上の計量済みのカップ20を投入ステージ61上に送り出すことができる。このようにして順次重量の計量されたカップ20は、投入ステージ61上を押し進められ、この投入ステージ61上で被計量物品21が投入される。そして、これら被計量物品21の投入されたカップ20は、空カップ用プッシャー70によって後段の上昇位置にある第2の昇降台50上にその前後方向に互いに接触させた状態で順次送り出される(図1参照)。被計量物品21を収容する4個のカップ20が上昇位置にある第2の昇降台50上に送り出されると、第2の昇降台50が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第2の昇降台50上の4個のカップ20を滞留コンベア63に接近させる方向(前進方向)に移動して第2の昇降台50上のカップ20を投入ステージ61上の後続の4個のカップ20と非接触の状態にして第2の計量器62の載台33上に乗せ換えることができる(図3参照)。そして、第3の昇降台59も第2の昇降台50と同期して下降位置に向かって更に下降するので、この下降の際に第3の昇降台59上の4個のカップ20(このカップ20は、カップ20及び投入されている被計量物品21の合計重量WG1〜W G4 が第2の計量器62によって計量されている。)を滞留コンベア63に接近させる方向(前進方向)に移動して第3の昇降台59上のカップ20を第2の計量器62の載台33上の後続の4個のカップ20と非接触の状態にして滞留コンベア63上に乗せ換えることができる。従って、第2の計量器62の載台33上の被計量物品21を収容する4個のカップ20を、前方の滞留コンベア63上の4個のカップ20及び後続の投入ステージ61上の4個のカップ20と非接触の状態で計量することができる。これによって、被計量物品21が投入されている4個の各カップ20の重量WG1−1、WG2−1、WG3−1、及びWG4−1を4台の各第2の計量器62によって正確に計量することができる。なお、これら重量WG1−1、WG2−1、WG3−1、及びWG4−1は、順次この計量装置に設けられている記憶部に記憶される。そして、このWG1−1は、第1の計量器49 −1によって計量されたカップ20の重量WH1−1とこのカップ20に投入された被計量物品21の重量WB1−1の合計重量である。同様に、各WG2−1、WG3−1、WG4−1は、第1の計量器49−2、49−3、49−4によって計量された各カップ20の重量WH2−1、WH3−1、WH4−1とこのカップ20に投入された被計量物品21の各重量WB2−1、WB3−1、WB4−1の夫々の合計重量である。
【0038】
次に、この計量装置に設けてある演算制御部(図示せず)の減算器が(WG1−1−WH1−1)、(WG2−1−WH2−1)、(WG3−1−WH3−1)、及び(WG4−1−WH4−1)の減算を順次行うことにより4個の各カップ20に投入された被計量物品21の各重量WB1−1、WB2−1、WB3−1、WB4−1を算出することができる。このようにして、図5に示す投入ステージ61上で各カップ20に投入された被計量物品21の重量(WB1−1、WB2−1、WB3−1、WB4−1)、(WB1−2、WB2−2、WB3−2、WB4−2)、・・・・を順次演算することができる。
【0039】
そして、上記のように、カップ20の各重量(WH1−1、WH2−1、WH3−1、WH4−1)、・・・を第1の計量器49−1〜49−4により予め計量して、カップ20と被計量物品21の各合計重量(WG1−1、WG2−1、WG3−1、WG4−1)、・・・からこのカップ20の各重量(WH1−1〜WH4−1)、・・・を減算して被計量物品21の各重量(WH1−1、WH2−1、WH3−1、WH4−1)、・・・を演算しているので、カップ20の重量のばらつきが大きい場合や、カップ20に前回に計量された被計量物品21が完全に排出されずにその一部が付着して残っている場合でも、カップ20に投入された被計量物品21の重量を正確に計量することができる。しかる後に、各カップ20から正確に計量された物品21を取り出して包装することができる。
【0040】
次に、第2実施形態の計量装置を説明する。第2実施形態の計量装置は、第1実施形態の計量装置に、4台の各第1の計量器49−1〜49−4と4台の各第2の計量器62−1〜62−4の各々の零点を補正する零点補正装置を設けたものである。この零点補正装置は、第1の零点補正手段と、第2の零点補正手段と、停止手段と、を具備するものである。
停止手段は、予め設定されている所定のタイミング(例えば所定の時間間隔、又は設定時間経過後)で、第1及び第2の昇降台50を上昇位置で零点補正に要する所定時間だけ同時に停止させると共に、空カップ用プッシャー70を短縮状態で零点補正に要する所定時間だけ停止させる機能を有するものである。図6は、この停止状態を示している。
第1の零点補正手段は、第1の昇降台48が上昇位置に移動した時であって、上記所定のタイミングで4台の各第1の計量器49−1〜49−4の零点を移動させて零点補正する機能を有するものである。つまり、第1の昇降台48が上昇位置の状態では、4台の第1の計量器49−1〜49−4の各載台55にはカップ20の重量が掛かっておらず、無荷重の状態を維持することができるから各第1の計量器49−1〜49−4の零点を補正することができる。
第2の零点補正手段は、第2の昇降台50が上昇位置に移動した時であって、上記所定のタイミングで4台の各第2の計量器62−1〜62−4の零点を移動させて零点補正する機能を有するものである。つまり、第2の昇降台50が上昇位置の状態では、4台の第2の計量器62−1〜62−4の各載台33にはカップ20の重量が掛かっておらず、無荷重の状態を維持することができるから各第2の計量器62−1〜62−4の零点を補正することができる。
【0041】
この計量装置に設けた零点補正装置の作用を説明する。まず、作業者が入力部(図示せず)を操作して、第1及び第2の計量器49−1〜49−4、62−1〜62−4の各零点を補正する時間間隔を設定する。次に、第1及び第2の計量器49、62により各カップ20の重量WH 、WG が順次計量されて、上記設定された所定時間が経過すると、停止手段が、図5及び図6に示すように、第1及び第2の昇降台48、50を上昇位置で所定時間停止させると共に、空カップ用プッシャー70を短縮状態で所定時間停止させる。そして、この時に、第1及び第2の零点補正手段が合計8台の第1及び第2の計量器49−1〜49−4、62−1〜62−4の各零点を移動させて零点補正を行う。
【0042】
このように、上記計量装置によると、第1及び第2の昇降台48、50を利用して第1及び第2の計量器49、62へのカップ20の乗せ換えを停止させて第1及び第2の計量器49、62の各零点を補正することができる構成であるので、第1及び第2の計量器49、62へのカップ20の乗せ換えを停止させる為の機構を別個に設ける必要がなく、従って、計量装置の構造を簡単で、コンパクトにすることができ、これによって計量装置の費用を安価にすることができる。
【0043】
ただし、第2実施形態の計量装置の零点補正装置以外の部分は、第1実施形態の計量装置と同等の構成であり同様に作用するので、詳細な説明を省略する。そして、停止手段は、上記零点補正のタイミングにおいて、空カップ用プッシャー70を短縮状態で所定時間だけ停止させる構成としたが、空カップ用プッシャー70を伸長状態で所定時間だけ停止させる構成としてもよい。
【0044】
次に、第3実施形態を図11及び図12を参照して説明する。この実施形態は、第1実施形態の計量装置を組合せ秤に適用したものである。この組合せ秤は、図11の平面図に示すように、第1実施形態の計量装置に、搬送コンベア64と排出装置65と移送コンベア66と組合せ演算を行う演算制御部を設けたものである。そして、これら計量装置、搬送コンベア64、排出装置65、移送コンベア66は、多数個のカップ20を図11に各矢印で示すようにこの組合せ秤上を時計方向に搬送することができる構成である。この組合せ秤によると、これらカップ20が投入ステージ61上を通過する際に、例えばカット野菜、漬物、筋子等のように付着性、又は粘着性を有する被計量物品21を各カップ20に作業者が手で投入(充填)して、これら各物品21の重量WB を第1実施形態と同様にして計量装置が演算し、これら計量済み物品21の内から合計重量が所定重量範囲内の物品21の組合せを選択し、組合せに選択された各物品21を収容するカップ20を排出装置65に搬送する。そして、この排出装置65が組合せに選択された各物品21を収容するカップ20を所定の排出位置88に搬送し、この排出位置88で各カップ20を反転させて各カップ20から物品21を排出することにより合計重量が所定重量範囲内の物品21の組合せ計量を行う。そして、空になったカップ20は、送り出しコンベア92により送り出されてカップ反転装置96を通り、このカップ反転装置96により反転して開口部を上側に向けた状態となって移送コンベア66上に移動する。次に、空のカップ20は、この移送コンベア66に搬送されて投入ステージ61上に移動し、作業者は、上記と同様にして各空のカップ20に新たに物品21を投入して上記計量が繰り返して行われる。なお、各カップ20は、同一重量となるように形成してある。
【0045】
また、図11及び図5に示す101は、投入テーブルである。投入テーブル101は、12個の同じ大きさの円形の物品投入口102を有しており、作業者がこれら各物品投入口102に物品21を投入することにより固定台67上で停止する12個の各カップ20に物品21を投入することができる。この投入テーブル101は、透明のプラスチック板であり、図5に示すように、組合せ秤の本体76上に取り外し自在に載置してある。この投入テーブル101は、本体76上に載置された状態で、空カップ用プッシャー70により固定台67上を移動と停止を繰り返して搬送される合計12個のカップ20の停止する各位置の上方に12個の物品投入口102が位置するようにこの投入テーブル101の位置を決めてある。
【0046】
図11に示す118は、被計量物品21を溜めておくための溜容器である。この溜容器118は、例えばステンレス製であり、空カップ用プッシャー70及び移送コンベア66の終端部69の上方位置にこの組合せ秤の本体76に着脱可能に設けてある。そして、この溜容器118は、平面形状が矩形の底板119の3つの各辺に側板120を設けてあるが、投入ステージ61に向かう側の辺、即ち、取り出し口118aには側板を設けておらず、これによって、作業者が溜容器118上の物品21を手で持って投入ステージ61上の各カップ20内に物品21を投入し易くしている。
【0047】
次に、上記組合せ秤に設けてある滞留コンベア63、はみ出し防止手段、プッシャー84、組合せ演算手段、搬送コンベア64、排出装置65等について詳細に説明する。
【0048】
図11に示す計量装置により各カップ20に投入された物品21の重量を演算して記憶することができると、計量済み物品の投入されている4個のカップ20は、後段の滞留コンベア63上のカップ20の数が8個以下になった時に滞留コンベア63に搬送される。これは、滞留コンベア63は、12個のカップ20を滞留させることができる長さであり、計量済みの4個のカップ20を受け入れるためには、滞留コンベア63上のカップ20の数が8個(=12−4)以下であることが必要だからである。
【0049】
滞留コンベア63は、第1実施形態のものと同等であり、図11に示すように、各第2の計量器62から排出されたカップ20を受け取って同図の左方向に搬送することができる。そして、左側先端部にはストッパ73を設けてあり、このストッパ73によりカップ20を係止することができる。そして、この滞留コンベア63の搬送方向に向かって左側縁にはプラスチックチェーン74の搬送面82よりも上側に約3mm突出する上側屈曲部98を設けてある。この上側屈曲部98により、滞留コンベア63上のカップ20が搬送コンベア64側にはみ出ないように規制することができる。
【0050】
そして、図11に示す滞留コンベア63の搬送方向の右側には第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10を設けてあり、各プッシャーのピストンロッドの先端に設けたパッド85−1〜85−10によって、滞留コンベア63上のカップ20がプッシャー84側にはみ出ないように規制することができる。つまり、滞留コンベア63は、モータにより常時回転駆動しており、滞留コンベア63上の各カップ20はストッパ73側に搬送されて先頭のカップ20がストッパ73に当接すると後続のカップ20は順次互いに接触した押せ押せの状態で1列に並び、各カップ20はその位置で停止することとなる。ただし、滞留コンベア63は、常時搬送駆動されているので、この滞留コンベア63上に1列に並んでいるカップ20は進行方向に向かって左側又は右側にはみ出ようとするが、上側屈曲部98及びパッド85−1〜85−10によってカップ20が滞留コンベア63の外側にはみ出ないように規制することができる。なお、図11に示すように、第10のプッシャー84−10の後方にもガイド112を設けてあり、カップ20のはみ出しを防止している。
【0051】
第1〜第10の各プッシャー84−1〜84−10は、滞留コンベア63上の所望のカップ20を搬送コンベア64側に取り出すための手段である。これら第1〜第10の各プッシャー84−1〜84−10は、図11に示すように、エアーシリンダから成っており、各プッシャーは、カップ20の直径と同一の長さの間隔をおいて夫々配置してある。即ち、図11に示すように、12個のカップ20が滞留コンベア63上で1列に並んだ状態で先頭から10個までの各カップ20と対応して第1〜第10の各プッシャー84−1〜84−10を設けてある。各プッシャー84−1〜84−10に設けてあるパッド85−1〜85−10は、平面形状がL字状である。パッド85の形状をL字状としたのは、図12に示すように、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が伸長動作した状態で、各プッシャー84−2、84−5、84−8、84−10により取り出した各カップ20の後続のカップ20を対応するパッドの係止板86により係止するためである。これにより、伸長状態の各プッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が短縮状態になるとき、各パッド85−2、85−5、85−8、85−10が後続のカップ20をそれら各係止位置で停止させた状態でスムースに後退して図11に示す短縮状態に戻ることができる。プッシャー84が伸長状態にあるときが取り出し状態であり、短縮状態にあるときが非取り出し状態である。
【0052】
次に、組合せ演算手段が、これら計量済み物品21の各重量を種々に組合わせて組合せ演算する手順、及び組合せに選択された物品21を滞留コンベア63から取り出して搬送コンベア64上に移動させて排出装置65内に搬送する手順を説明する。
組合せ演算手段は、図には示さないが、中央演算処理装置(CPU)により構成されている演算制御部(図示せず)と、この演算制御部と接続する記憶部(図示せず)に記憶されている所定のプログラムと、により構成されており、所定の組合せ演算を行う手段である。即ち、計量装置により計量して得られた被計量物品21の各重量値WB を種々に組合わせてそれら組合せのうち合計重量値が予め定めた所定重量範囲内であって、予め定めた条件を満足する組、例えば目標重量値に等しいか若しくは最も近い組を構成する物品を選択する手段である。
【0053】
なお、組合せ演算手段による組合せ演算は、作業者が設定表示部87を操作して予め設定してある組合せ演算開始メモリ数がKとなったときに開始する。この組合せ演算開始メモリ数とは、組合せ演算手段が組合せ演算を開始するための条件であり、この条件は、滞留コンベア63上に停止しているカップ20の数(記憶部に記憶されている計量済み物品の重量値WB の数)が例えばK=9個以上となることとしている。つまり、記憶部に記憶されている重量値の数が9個未満では組合せ演算を行っても合計重量が所定重量範囲内となる組合せを選択する可能性が低いので組合せ演算を行わず、従って重量値の数が9個以上となり、組合せの選択の可能性の高くなったときに組合せ演算を行うこととしている。そして、滞留コンベア63上に停止しているカップ20の個数が9個未満となったときには、滞留コンベア63上のカップ20の個数が9個以上となるまで第2の計量器62から計量済み物品を収容するカップ20が4個ずつ搬送されてくる。そして、滞留コンベア63上のカップ20の個数が9個以上となったときは、計量装置からの搬送が自動的に停止する。
【0054】
また、組合せに選択されたカップ20を滞留コンベア63から取り出して搬送コンベア64に移動させる取り出し手段は、第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10である。従って、これら第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10により取り出すことができるのは、図11に示す滞留コンベア63上に滞留する12個のカップ20のうち、先頭から10個のカップ20のうちのいずれかのカップ20であるので、組合せに参加させる重量値もこれら10個のカップ20に投入されている物品21の重量値としている。よって、先頭から11番目と12番目のカップ20及びこれよりも後続のカップ20に収容されている物品21の重量値は組合せに参加させていない。
【0055】
そして、図11に示す第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10により取り出されたカップ20を所定の排出位置88に搬送する搬送手段は、同図に示す搬送コンベア64と、排出装置65と、からなっている。
【0056】
今、組合せ演算手段により物品(重量値)の所定の組合せとして例えば図12に示すように第2番目の物品21と第5番目の物品21と第8番目の物品21と第10番目の物品21が選択されたとすると、同図に示すように、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が伸長駆動してこれら第2、第5、第8、及び第10番目の各物品21を収容する各カップ20を滞留コンベア63上から押し出して、上側屈曲部98を乗り越えさせ、この滞留コンベア63と隣接して設けてある搬送コンベア64上に移動させる。そして、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が伸長駆動した状態では、図12に示すように、各プッシャーに設けてあるパッド85−2、85−5、85−8、85−10の夫々の各係止板86が、取り出した2、5、8、10番目の各カップ20の夫々の後続のカップ20を係止することができる。これにより、伸長状態の第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が短縮駆動したときに、各パッド85−2、85−5、85−8、85−10が後続の各カップ20を引っ掛けることなく、スムースに図11に示す元の位置に戻ることができる。
【0057】
そして、搬送コンベア64上に移動した第2、第5、第8、及び第10番目の4個のカップ20は、この搬送コンベア64により搬送されて排出装置65に搬送される。この排出装置65に搬送された第2、第5、第8、及び第10番目の各カップ20は、物品21が取り出され、これら取り出された物品21を包装機89が包装する。一方、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が短縮状態となると、選択されなかった第1、第3、第4、第6、第7、及び第9番目の各物品21を収容する6個の各カップ20、及び後続の2個のカップ20が滞留コンベア63により搬送されて前進する。また、4台の第2の計量器62から計量済み物品を収容する4個のカップ20が順次滞留コンベア63に供給される。これら4個のカップ20及び滞留コンベア63上の8個のカップ20、即ち、計量済み物品を収容する合計12個のカップ20は、搬送されて上述のようにして先頭のカップ20がストッパ73により係止され、この先頭のカップ20及び後続のカップ20が1列に互いに接触した押せ押せの状態で滞留コンベア63上で停止する。しかる後に、次の組合せ演算が行われる。
【0058】
ただし、組合せ演算で選択された物品(重量値)21の個数が4個の場合は、滞留コンベア63上には8個のカップ20しか残らないので、組合せ演算開始メモリ数K=9個よりも少なく、従って、4台の第2の計量器62から次の計量済み物品が投入されているカップ20が滞留コンベア63に排出されるまでは次の組合せ演算を行わないようにしている。
【0059】
搬送コンベア64は、滞留コンベア63と同等のプラスチックチェーンコンベアである。この搬送コンベア64の左側面にはガイド90を設けてあり、このガイド90は、滞留コンベア63から搬送コンベア64に押し出されたカップ20が搬送コンベア64から落下しないようにするためのものである。そして、搬送コンベア64の搬送面は滞留コンベア63の搬送面82と略同一の高さに配置してあり、従って、搬送コンベア64の搬送面は、上側屈曲部98の上面よりも約3mm(=H)低くなっている。搬送コンベア64の後端部は、排出装置65と接続している。また、図11に示すように、搬送コンベア64の排出装置65の入口部には、ストッパ72と同等のストッパシリンダ113を設けてある。このストッパシリンダ113は、伸長状態と短縮状態とに所定のタイミングで切り替わることにより、組合せに選択されたカップ20を各組ごとに順次排出装置65に送り込むことができる。そして、ストッパシリンダ113が伸長状態となって選択されたカップ20を搬送コンベア64上で停止させた状態では、これらカップ20が上側屈曲部98とガイド90とによって搬送コンベア64上からはみ出ないように両側から規制されており、従って、これらカップ20は搬送コンベア64上で整列して停止することができる。
【0060】
次に、排出装置65の説明をする。排出装置65は、図11に示す傾斜コンベア91と送り出しコンベア92とを備えている。送り出しコンベア92は、滞留コンベア63と同等のプラスチックチェーンコンベアである。傾斜コンベア91は、搬送コンベア64と接続しており、組合せに選択された物品を収容するカップ20を4個ずつ受け入れることができる。これら受け入れたカップ20は、横1列に4個並んだ状態で順次斜め上方に向かって搬送され、上昇端で反転して落下して所定の排出位置88で停止する。この排出位置88では、カップ20が反転していることとカップ20の落下による衝撃とにより内側に収容されている物品21がカップ20から排出され、カップ受板93の下部に設けた包装機89に投入される。そして、空になった4個のカップ20は、エアーシリンダよって送り出しコンベア92側(図11の矢印95の方向)に搬送される。4個の空のカップ20は、この送り出しコンベア92によって搬送され、そして、カップ反転装置96により180°反転されて、カップ20の口を上側に向けた状態で移送コンベア66に送り出される。そして、移送コンベア66は、空のカップ20をこの移送コンベア66の終端部69に移送し、この終端部69に空のカップ20が4個溜まり、上述したように、中央演算処理装置から所定の供給信号が出力されると、空カップ用プッシャー70が伸長動作し、この空カップ用プッシャー70の先端に設けたパッド71が終端部69上の4個の空カップ20を上昇位置にある第1の昇降台48上に送り出すことができる。このようにして、カップ20は循環して物品の組合せ計量を順次連続して行うことができる。
【0061】
なお、組合せに選択された各々の組を構成する物品21を収容するカップ20は、順に図11に示す排出位置88に搬送されて、カップ20内の物品21は包装機89に順に投入されるが、包装機89は、一つの組を構成する物品の数が幾つであるかを記憶手段から読み込んで1つの組を構成する物品を1つのパックに包装することができる。つまり、包装機89は、組合せに選択された物品の数が1、2、3、4、5、・・である各場合に応じて組合せに選択されたその数の当該物品を1つのパックに包装するように構成されている。
【0062】
次に、図13を参照して、計量された物品の重量を記憶する手順を説明する。まず、物品の投入されたカップ20が第2の計量器62によって計量が完了し(S100)、この計量済み物品の重量値WB を記憶部に記憶する(S102、104)。例えば第1、2、・・・・、N番目に計量して得られた重量値WB を第1、2、・・・・、N番目のメモリに記憶する。そして、記憶した重量値WB の数がK、例えば9個以上であるか否かを判定して(S106)、9個未満であると判定したときは、組合せ演算を行わなず、9個以上であると判定したときは、組合せ演算を行う(S108)。そして、組合せ演算により組合せに選択されたs個の重量値(Ml 、Mm 、・・・・、Mn )の物品を収容するカップ20を搬送コンベア64に押し出す(S110)。
【0063】
ただし、選択されずに滞留コンベア63上に残った物品は、順次前進して物品の順番が変わるので、メモリに記憶されている重量値の順番も変更する必要がある。その為に、Mn+1 、Mn+2 、・・・・、Mn+(i−n) 番目のメモリに記憶されている重量値をMn 、Mn+1 、・・・・、Mn+(i−n)−1 番目のメモリに夫々移し替える(S112)。そして、Mm+1 、Mm+2 、・・・・、Mm+(i−m) 番目のメモリに記憶されている重量値をMm 、Mm+1 、・・・・、Mm+(i−m)−1 番目のメモリに夫々移し替える(S114)。また、Ml+1 、Ml+2 、・・・・、Ml+(i−l) 番目のメモリに記憶されている重量値をMl 、Ml+1 、・・・・、Ml+(i−l)−1 番目のメモリに夫々移し替える(S116)。なお、1≦l <m<・・・・<n≦iとし、iは、記憶済みのメモリの番号のうち最大番号の数値である。
【0064】
そして、メモリに記憶されている元の重量値の個数iからsを減算して現在記憶されている重量値の個数iを演算する(S118)。このようにして、順次物品を新たに計量して得られた重量値を記憶することができ、そして、選択されずに滞留コンベア63上に残っている物品の順番の変更に応じて各メモリに記憶されている重量値の順番を順次変更することができる。これによって、滞留コンベア63上に停止する物品の各重量値を各物品と対応して記憶することができる。
【0065】
上記第1実施形態の計量装置を適用した組合せ秤によると、図11に示すように、投入ステージ61上で被計量物品21がカップ20内に投入されてから組合せ演算によって選択されて、包装機89に投入されるまでの間、物品21を同一のカップ20によって保持する構成である。従って、付着性、又は粘着性を有する物品が、従来の組合せ秤のように、分割シュートや集合シュートの内側に付着することがなく、その結果、付着性、又は粘着性を有するカット野菜、漬物、又は筋子等の物品の組合せ計量の計量精度及び計量速度を従来よりも向上させることができる。
【0066】
そして、計量済み物品が投入されているカップ20を滞留コンベア63上に多数溜めておくことができ、そして、これら滞留する多数のカップ20に投入されている多数の物品を組合せに参加させることができる構成であるので、これによっても組合せ計量の計量精度を向上させることができる。また、組合せに参加することができる物品の数を増加させる場合は、滞留コンベア63及び搬送コンベア64の長さを長くして、プッシャー84の数を増加することにより可能であり、従来の組合せ秤のように、組合せに参加させる重量値を増加させるために、直進フィーダ、計量ホッパ、メモリホッパ等を増加させる必要がなく、経済的である。
【0067】
ただし、上記第1、第2、第3の各実施形態において、空カップ20の重量ばらつきが物品の計量精度に対して許容できる範囲内である場合、又は被計量物品21の付着性が小さくてカップ20に付着する重量が軽い場合は、第1の計量器49を省略することができる。この場合、空カップ20の平均重量を予め計量装置の記憶部に記憶させておき、第2の計量器62により計量して得られたカップ20と物品21の合計重量からカップ20の平均重量を減算して物品21の重量を自動的に求める構成とする。また、夫々の空カップ20の重量が均一である場合は、カップ20と物品の合計重量を種々に組合わせて組合せ演算を行ってもよい。この場合、目標重量値は、物品の重量にカップ20の重量を加えた重量値とする。
【0068】
そして、上記各実施形態において、カップ20の形状を底を有する短円筒形としたが、これ以外の形状、例えば底を有する多角筒としてもよい。
【0069】
また、第1及び第2の計量器49、62を4台ずつ設けたが、4台以外の台数Aとしてもよい。その際、第1及び第2の昇降台48、50、投入ステージ61のカップ20を整列させる列数は、第1及び第2の計量器49、62の各台数Aに合わせる。そして、この場合は、計量済み物品の投入されているカップ20は、後段の滞留コンベア63上のカップ20の数が(12−A)個以下になった時に滞留コンベア63に搬送する。
【0070】
【発明の効果】
第1の発明によると、第1の昇降台が下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上に送り出されている被計量物品をステージ上の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に当該被計量物品を第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる構成である。従って、第1の計量手段が載台上の被計量物品を計量する際に、この載台に例えば先に計量した計量済み被計量物品の重量が掛かったり、載台上の被計量物品の重量の一部が前方の被計量物品に掛かることを確実に防止することができ、これによって、第1の計量手段の載台上の被計量物品の重量を正確に計量することができるという効果がある。従って、空の被計量物品の重量を正確に計量することができるので、その被計量物品に投入された被計量物品の重量を正確に計量することができるという効果がある。そして、図14に示すコンベアベルト2を不要とすることができるので、調芯ローラ装置3、スナブプーリ5、及びコンベアベルト2に張力を付与する為のテンションプーリ6を省略することができ、これによって、装置の構造を簡単でコンパクトとすることができ、その結果、費用の低廉化を図ることができるという効果がある。更に、コンベアベルト2を使用していないので、コンベアベルト2の張力が変動するという問題がなく、これによって従来よりも計量精度の向上を図ることができるという効果もある。
【0071】
第2の発明によると、第1の昇降手段の第1の昇降台を利用して第1の計量手段への被計量物品の供給を停止させて第1の計量手段の零点を補正することができる構成であるので、第1の計量手段への被計量物品の供給を停止させる為の機構を別個に設ける必要がなく、従って、計量装置の構造を簡単で、コンパクトにすることができ、これによって計量装置の費用を安価にすることができるという効果がある。
【0072】
第3及び第4の各発明によると、第2の昇降台が下降位置に向かって下降する際に第2の昇降台上に搬送されている被計量物品を供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に当該被計量物品を第2の計量手段の載台上に乗せ換えることができる構成である。従って、この発明によると、第2の計量手段が載台上の被計量物品を計量する際に、この載台に後続の被計量物品の重量が掛かったり、載台上の被計量物品の重量の一部が後続の被計量物品に掛かることを確実に防止することができ、これによって、載台上の被計量物品の重量を第2の計量手段によって正確に計量することができるという効果がある。そして、第1の発明と同様に、図14に示すコンベアベルト2、調芯ローラ装置3、スナブプーリ5等を不要とすることができるので、装置の構造を簡単でコンパクトとすることができ、その結果、費用の低廉化を図ることができるという効果がある。更に、コンベアベルト2の張力が変動するという問題がないので、従来よりも計量精度の向上を図ることができるという効果もある。
【0073】
第4の発明によると、第3の昇降台が下降位置に向かって下降する際に第3の昇降台上に搬送されている計量済み物品を第2の計量手段の載台上の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に当該計量済み物品を排出手段上に乗せ換えることができる構成である。従って、第2の計量手段が載台上の被計量物品を計量する際に、この載台に例えば先に計量した計量済み物品の重量が掛かったり、被計量物品の重量の一部がその計量済み物品に掛かることを確実に防止することができ、これによって、第2の計量手段の載台上の被計量物品の重量を正確に計量することができるという効果がある。従って、第4の発明によると、第2の計量手段の載台上の被計量物品から、後続の被計量物品及び前方の計量済み物品の両方を引き離すことができるので、載台上の被計量物品の重量を正確に計量することができる。
【0074】
第5の発明によると、第2の昇降手段の第2の昇降台を利用して第2の計量手段への被計量物品の供給を停止させて第2の計量手段の零点を補正することができる構成であるので、第2の計量手段への被計量物品の供給を停止させる為の機構を別個に設ける必要がなく、従って、計量装置の構造を簡単で、コンパクトにすることができ、これによって費用を安価にすることができるという効果がある。
【0075】
第6の発明によると、第1の昇降台が下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上に送り出されている物品保持手段を投入ステージ上の物品保持手段と引き離す方向に移動させると共に当該物品保持手段を第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる構成である。従って、第1の計量手段が載台上の物品保持手段を計量する際に、この載台に例えば先に計量した計量済み物品保持手段の重量が掛かったり、載台上の物品保持手段の重量の一部が前方の物品保持手段に掛かることを確実に防止することができ、これによって、第1の計量手段の載台上の物品保持手段の重量を正確に計量することができるという効果がある。従って、空の物品保持手段の重量と、第2の計量手段により計量して得られた物品保持手段と物品の合計重量と、に基づいて被計量物品の重量を正確に計量することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る計量装置の第2及び第3の昇降台が上昇位置に移動した状態を示す拡大正面図である。
【図2】同第1実施形態に係る計量装置の第2及び第3の昇降台が上昇位置と下降位置の中間位置に移動した状態を示す拡大正面図である。
【図3】同第1実施形態に係る計量装置の第2及び第3の昇降台が下降位置に移動した状態を示す拡大正面図である。
【図4】同第1実施形態に係る計量装置の第1の昇降台が下降位置に移動した状態を示す拡大正面図である。
【図5】同第1実施形態に係る計量装置の平面図である。
【図6】同第1実施形態に係る計量装置の部分断面正面図である。
【図7】同第1実施形態の計量装置を図6のA−A方向から見た断面図である。
【図8】(a)は同第1実施形態に係る計量装置の第1の昇降台の拡大平面図、(b)は同第1の昇降台の拡大正面図、(c)は同第1の昇降台の拡大左側面図、(d)は同第1の昇降台の拡大右側面図である。
【図9】(a)は同第1実施形態の固定台を示す拡大平面図、(b)は同固定台の正面図である。
【図10】(a)は同第1実施形態の第2及び第3の昇降台の拡大平面図、(b)は同第2及び第3の昇降台の拡大正面図、(c)は同第2及び第3の昇降台の拡大右側面図である。
【図11】この発明の第3実施形態に係る組合せ秤を示す平面図である。
【図12】同第3実施形態の組合せ秤のプッシャーが選択された物品を収容するカップを押し出す状態を示す平面図である。
【図13】同第3実施形態に係る組合せ秤の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】従来の計量コンベアを示す正面図である。
【符号の説明】
20 カップ
21 被計量物品
33 載台
48 第1の昇降台
49−1〜49−4 第1の計量器
50 第2の昇降台
55 載台
59 第3の昇降台
61 投入ステージ
62−1〜62−4 第2の計量器
63 滞留コンベア
66 移送コンベア
67 固定台
70 空カップ用プッシャー
82 搬送面
【発明の属する技術分野】
この発明は、被計量物品を搬送中にその重量を自動的に計量する計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の上記計量装置の一例を、図14に示す計量コンベアを参照して説明する。この計量コンベア1は、コンベアベルト2の帰り側(リターンベルト)に、コンベアベルト2の片寄りを修正する為の調芯ローラ装置3、この調芯ローラ装置3に設けられているテーパローラ(片方のみを図示する)4にコンベアベルト2を押しつけるためのスナブプーリ5、及びコンベアベルト2に張力を付与する為のテンションプーリ6を設け、更に、計量キャリア7を設けてある。計量キャリア7は、回動自在であり、リンク8、9、及びロードセル10を介してフレーム等の固定部11に支持されている。この構成によって、被計量物品12の投入されているカップ13がコンベアベルト2により搬送されてこの計量キャリア7上を通過すると、ロードセル10及びこれと接続する制御部(図示せず)によりこの被計量物品12を収容するカップ13の重量を計量することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図14に示す計量コンベア1では、コンベアベルト2の片寄りを修正する為の調芯ローラ装置3、スナブプーリ5、及びコンベアベルト2に張力を付与する為のテンションプーリ6を設ける必要があるので、装置が大がかりとなり、費用が嵩むという問題がある。そして、コンベアベルト2の張力が変動するので、これによって計量精度が低下するという問題がある。
【0004】
そして、上記計量コンベア1では、この計量コンベア1にカップ13を1個ずつ所定の間隔をおいて送り込むようにする為に、この計量コンベア1以外に送り込み装置を設ける必要があるという問題もある。
【0005】
本発明は、装置の構造を簡単でコンパクトとすることにより費用の低廉化を図ると共に、計量精度の向上を図ることができる計量装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、被計量物品を受け入れる受入れ手段と、この受入れ手段により受け入れた被計量物品を第1の昇降台上に送り出す送り出し手段と、載台を有しこの載台に載置された上記被計量物品の重量を計量する第1の計量手段と、上記第1の昇降台を有しこの第1の昇降台が上昇位置と下降位置との間で昇降駆動され第1の昇降台が上記上昇位置の状態で上記送り出し手段により送り出されてくる上記被計量物品を受入れ可能であり、第1の昇降台が上記下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上の被計量物品を上記受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の被計量物品を下記ステージ上の被計量物品及び上記受入れ手段上の被計量物品と非接触の状態にして第1の計量手段の上記載台上に乗せ換える第1の昇降手段と、第1の昇降手段の後段に設けてあり上記送り出し手段によって順次送り出されてくる第1の昇降台上の被計量物品を受け入れてこれら受け入れた各被計量物品が互いに前後方向に接触した状態で搬送されるステージと、を具備することを特徴とするものである。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の計量装置において、第1の昇降台が上記上昇位置にある状態で第1の計量手段の零点を移動させて零点補正する零点補正手段を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
第3の発明は、被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に搬送する供給手段と、この供給手段の後段に設けられている載台を有しこの載台に載置された各被計量物品の重量を計量する第2の計量手段と、第2の昇降台を有しこの第2の昇降台が上昇位置と下降位置との間で昇降駆動され第2の昇降台が上記上昇位置の状態で上記供給手段により搬送されてくる上記被計量物品を受入れ可能であり、第2の昇降台が上記下降位置に向かって下降する際に第2の昇降台上の被計量物品を上記供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動してこの第2の昇降台上の被計量物品を上記載台上に乗せ換える第2の昇降手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0009】
第4の発明は、被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に搬送する供給手段と、この供給手段の後段に設けられている載台を有しこの載台に載置された各被計量物品の重量を計量する第2の計量手段と、この第2の計量手段により計量された計量済み物品を排出する排出手段と、第2の昇降台と第3の昇降台を有しこの第2及び第3の昇降台が上昇位置と下降位置との間で同期して昇降駆動され第2の昇降台が上昇位置の状態で上記供給手段により搬送されてくる上記被計量物品を受入れ可能であり、第2の昇降台が下降位置に向かって下降する際にこの第2の昇降台上の被計量物品を上記供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動してこの第2の昇降台上の被計量物品を上記載台上に乗せ換えることができ、第3の昇降台が上昇位置の状態で上記供給手段により押し進められてくる第2の昇降台上の上記計量済み物品を受入れ可能であり、第3の昇降台が下降位置に向かって下降する際にこの第3の昇降台上の計量済み物品を第2の計量手段の載台上の被計量物品と引き離す方向に移動すると共に当該計量済み物品を上記排出手段上に乗せ換えることができる第2の昇降手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0010】
第5の発明は、第3又は第4の発明の計量装置において、第2の昇降台が上記上昇位置にある状態で上記第2の計量手段の零点を移動させて零点補正する零点補正手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
第6の発明は、空の物品保持手段を受け入れる受入れ手段と、この受入れ手段により受け入れた物品保持手段を第1の昇降台上に送り出す送り出し手段と、載台を有しこの載台に載置された空の上記物品保持手段の重量を計量する第1の計量手段と、上記第1の昇降台を有しこの第1の昇降台が上昇位置と下降位置との間で昇降駆動され第1の昇降台が上記上昇位置の状態で上記送り出し手段により送り出されてくる上記物品保持手段を受入れ可能であり、第1の昇降台が上記下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上の物品保持手段を上記受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の物品保持手段を下記投入ステージ上の物品保持手段及び上記受入れ手段上の物品保持手段と非接触の状態にして第1の計量手段の上記載台上に乗せ換える第1の昇降手段と、第1の昇降手段の後段に設けてあり上記送り出し手段によって順次送り出されてくる第1の昇降台上の物品保持手段を受け入れてこれら受け入れた各物品保持手段が互いに前後方向に接触した状態で搬送されこの搬送の途中で当該各物品保持手段に被計量物品を投入するための投入ステージと、この投入ステージの後段に設けてあり上記送り出し手段によって順次送り出されてくる被計量物品の投入された上記物品保持手段を受け入れて当該物品保持手段と当該物品保持手段に投入されている被計量物品の合計重量を計量する第2の計量手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0012】
第1の発明によると、送り出し手段が、受入れ手段上の被計量物品を上昇位置にある第1の昇降台上に順次送り出すことにより、被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に送り出すことができる。このようにして送り出される被計量物品は、第1の昇降台を通してステージ上に移動させることができる。ここで、被計量物品が上昇位置にある第1の昇降台上に送り出されると、第1の昇降台が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第1の昇降台上の被計量物品を受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の被計量物品をステージ上の被計量物品及び受入れ手段上の被計量物品と非接触の状態にして第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。載台上に被計量物品が乗ると、第1の計量手段がその空の被計量物品の重量を計量する。しかる後に、第1の昇降台が上昇位置に上昇して載台上の計量済み被計量物品をこの第1の昇降台上に乗せ換えることができる。次に、送り出し手段が受入れ手段上の次の被計量物品を上昇位置にある第1の昇降台上に送り出すことにより第1の昇降台上の計量済みの被計量物品をステージ上に送り出すことができる。つまり、送り出し手段が受入れ手段上の被計量物品を第1の昇降台上に送り出した際に、第1の昇降台がこの上に乗っている被計量物品をその前方のステージ上の被計量物品と引き離す方向に移動させて、ステージ上の被計量物品と間隔を隔てた状態で第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。これによって、第1の計量手段の載台上の空の被計量物品の重量を正確に計量することができる。
【0013】
第2の発明によると、第1の発明において、第1の昇降台を上昇位置で停止させておき、この間に零点補正手段が第1の計量手段の零点を移動させて零点補正することができる。
【0014】
第3及び第4の各発明によると、供給手段が、被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に搬送することができ、この供給手段が被計量物品を上昇位置にある第2の昇降台上に移動させることができる。被計量物品が第2の昇降台上に移動すると、第2の昇降台が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第2の昇降台上の被計量物品を供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に、当該被計量物品を載台上に乗せ換えることができる。載台上に被計量物品が乗ると、第2の計量手段がその重量を計量する。しかる後に、第2の昇降台が上昇位置に上昇して載台上の計量済み物品をこの第2の昇降台上に乗せ換えることができる。次に、供給手段が計量済み物品及び被計量物品を前方に搬送し、第2の計量手段が後続の被計量物品の重量を上記と同様にして順次計量することができる。つまり、供給手段が先頭の被計量物品を第2の昇降台上に搬送した際に、第2の昇降台がこの上に乗せられた先頭の被計量物品をその後続の被計量物品と引き離す方向に移動させて、この先頭の被計量物品を後続の被計量物品と間隔を隔てた状態で第2の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。これによって、先頭の被計量物品と後続の被計量物品とを非接触の状態とすることができるので、先頭の被計量物品の重量を第2の計量手段によって正確に計量することができる。
【0015】
第4の発明によると、供給手段が、第2の昇降台上の計量済み物品を上昇位置にある第3の昇降台上に移動させることができる。計量済み物品が第3の昇降台上に移動すると、第3の昇降台が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第3の昇降台上の計量済み物品を第2の計量手段の載台上の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に当該計量済み物品を排出手段上に乗せ換えることができる。排出手段上の計量済み物品はこの排出手段によって排出される。しかる後に、第3の昇降台が上昇位置に上昇する。次に、供給手段が計量済み物品及び被計量物品を前方に搬送し、第3の昇降台が後続の計量済み物品を上記と同様にして順次排出手段上に乗せ換えて排出手段がこの計量済み物品を順次排出することができる。つまり、供給手段が計量済み物品を第3の昇降台上に搬送した際に、第3の昇降台がこの上に乗っている計量済み物品をその後続の載台上の被計量物品と引き離す方向に移動させて、この計量済み物品を後続の被計量物品と間隔を隔てた状態で排出手段上に乗せ換えることができる。これによって、計量済み物品と後続の被計量物品とを非接触とすることができるので、第2の計量手段は載台上の被計量物品の重量を正確に計量することができる。
【0016】
第5の発明によると、第3及び第4の各発明において、第2の昇降台を上昇位置で停止させておき、この間に零点補正手段が第2の計量手段の零点を移動させて零点補正することができる。
【0017】
第6の発明によると、送り出し手段が、受入れ手段上の物品保持手段を上昇位置にある第1の昇降台上に順次送り出すことにより、物品保持手段をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に送り出すことができる。このようにして送り出される物品保持手段は、第1の昇降台及び投入ステージを通して第2の計量手段の載台上に移動させることができる。ここで、物品保持手段が上昇位置にある第1の昇降台上に送り出されると、第1の昇降台が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第1の昇降台上の物品保持手段を受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の物品保持手段を投入ステージ上の物品保持手段及び受入れ手段上の物品保持手段と非接触の状態にして第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。載台上に物品保持手段が乗ると、第1の計量手段がその空の物品保持手段の重量を計量する。しかる後に、第1の昇降台が上昇位置に上昇して載台上の計量済み物品保持手段をこの第1の昇降台上に乗せ換えることができる。次に、送り出し手段が受入れ手段上の次の物品保持手段を第1の昇降台上に送り出すことにより第1の昇降台上の計量済みの物品保持手段を投入ステージ上に送り出すことができる。この計量済みの物品保持手段は、投入ステージ上で被計量物品が投入され、そして送り出し手段によって後段の第2の計量手段に送り出されてこの第2の計量手段によって物品保持手段とこの物品保持手段に投入されている被計量物品の合計重量が計量される。そして、この合計重量から物品保持手段の重量を減算すればその物品保持手段に投入された被計量物品の重量を計量することができる。つまり、送り出し手段が受入れ手段上の物品保持手段を第1の昇降台上に送り出した際に、第1の昇降台がこの上に乗っている物品保持手段をその前方の投入ステージ上の物品保持手段と引き離す方向に移動させて、投入ステージ上の物品保持手段と間隔を隔てた状態で第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる。これによって、第1の計量手段の載台上の空の物品保持手段の重量を正確に計量することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係る計量装置の第1実施形態を各図を参照して説明する。図5は、計量装置の平面図、図6は計量装置の正面図、図7は計量装置をカップ20の進行方向に向かって見た断面図である。この計量装置は、図5の平面図に示すように、空のカップ(物品保持手段)20を移送コンベア(受入れ手段)66によって受け入れて、この移送コンベア66により受け入れたカップ20を上昇位置にある第1の昇降台(第1の昇降手段)48上に空カップ用プッシャー(送り出し手段)70によって送り出し、この送り出された空のカップ20の重量を第1の計量器49(49−1、49−2、49−3、49−4)により計量し、この計量済みのカップ20が投入ステージ61上を進行方向97に向かって移動している間に作業者又は投入装置により各カップ20に被計量物品21が投入される。そして、この被計量物品21の投入されたカップ20を上昇位置にある第2の昇降台50上に送り出し、この送り出された被計量物品21を収容するカップ20の重量を4台の各第2の計量器62(62−1、62−2、62−3、62−4)により計量し、しかる後に、この計量済みの被計量物品21を収容するカップ20を滞留コンベア(排出手段)63に送り出すことができるものである。そして、4台の各第2の計量器62により計量して得られた計量値WG1、WG2、WG3、WG4(カップ20と被計量物品21の合計重量値)から第1の計量器49により計量して得られた計量値WH1、WH2、WH3、WH4(カップ20の重量値)を減算器(図示せず)が減算することによりカップ20に投入された被計量物品21の重量WB1、WB2、WB3、WB4を演算することができる。このように、空のカップ20の重量を予め第1の計量器49によって計量する構成であるので、カップ20の重量ばらつきがある場合や、又はカップ20に前回に計量した被計量物品21の一部が付着して残っている場合でも、当該カップ20に今回投入された被計量物品21の重量を正確に計量することができる。しかる後に、カップ20から計量済み物品21を取り出して包装することができる。上記移送コンベア66、空カップ用プッシャー70、及び第1の昇降台48が請求項3に記載の供給手段を構成している。
【0019】
移送コンベア66は、請求項1に記載の受入れ手段である。この移送コンベア66は、図5及び図6に示すように、終端部69が4台の第1の計量器49の側方に配置されている直線コンベアであり、被計量物品(以下、単に「物品」ということもある。)21の排出された空のカップ20を受け取って終端部69に搬送することができる。そして、終端部69にはストッパ41を設けてあり、このストッパ41によりカップ20を係止することができる。この移送コンベア66は、図6の部分断面側面図に示すように、環状の2つのプラスチックチェーン(トップチェーン)42、42を備えており、各プラスチックチェーン42、42の夫々の両端がスプロケット(図示せず)に掛けられている。このスプロケットは、モータ43の回転軸の設けたスプロケット44と連結しており、モータ43が回転することにより2つのプラスチックチェーン42、42が所定方向に駆動される。図には示さないが、プラスチックチェーン42、42のカップ20と接触する搬送面は、摩擦抵抗の小さいプラスチック板によって形成してある。そして、この移送コンベア66の終端部69にカップ20が搬送されると先頭のカップ20がストッパ41によって係止されて各カップ20がこの終端部69上で停止する。
【0020】
なお、図4及び図5に示すように、移送コンベア66の終端部69には空カップ用プッシャー70を設けてあり、この空カップ用プッシャー70のピストンロッドの先端に設けたパッド71によって、移送コンベア66上のカップ20がプッシャー70側にはみ出ないように規制することができる。つまり、移送コンベア66は、モータ43により常時回転駆動しており、移送コンベア66上の各カップ20はストッパ41側に搬送されて先頭のカップ20がストッパ41に当接すると後続のカップ20は順次互いに接触した押せ押せの状態で1列に並び、各カップ20はその位置で停止することとなる。ただし、移送コンベア66は、常時搬送駆動されているので、この移送コンベア66上に1列に並んでいるカップ20は進行方向に向かって左側又は右側にはみ出ようとするが、上記パッド71及び図4に示す案内板46によってカップ20が移送コンベア66の外側にはみ出ないように規制することができる。この案内板46は、図4に示すように、プラスチックチェーン42を保持する保持枠47の先端部を屈曲して形成したものであり、その上面がプラスチックチェーン42の搬送面(上面)よりもH9 (約3mm)高く形成してある。そして、この案内板46は、図5に示すように、4台の第1の計量器49の側方に亘って設けてある。
【0021】
この移送コンベア66の終端部69に、図5に示すように、空のカップ20が4個溜まり、かつ、この計量装置に設けられている中央演算処理装置(CPU)(図示せず)から所定の供給信号が出力されると、この終端部69の入口に設けてあるエアーシリンダで構成したストッパ72が伸長動作し、このストッパ72の先端に設けたパッド45が終端部69に後続のカップ20が進入しないようにせき止めることができる。そして、空カップ用プッシャー70が伸長動作して、この終端部69の4個のカップ20を前方に設けた第1の昇降台48上に押し進めて、しかる後に短縮動作(図5に示す短縮状態)すると、ストッパ72が開動作(図5に示す短縮状態)して4個のカップ20を終端部69に通す役目を果たす。
【0022】
空カップ用プッシャー70は、請求項1に記載の送り出し手段である。この空カップ用プッシャー70は、図5及び図6に示すように、そのピストンロッドの先端にパッド71を設けてあり、この空カップ用プッシャー70が図5に示す短縮状態から伸長動作すると、移送コンベア66の終端部69上に停止する4個のカップ20を、案内板46を乗り越えさせて上昇位置にある第1の昇降台48上に送り出すことができる。
【0023】
第1の昇降台48は、第1の昇降装置57に設けられている。この第1の昇降装置57は、図5及び図6に示すように、第1の昇降台48と2台の駆動シリンダ51とを備えている。第1の昇降台48は、図8に示すように、互いに所定の間隔を隔てて水平に配置した5つの昇降板52を有し、これら5枚の昇降板52を連結板53により連結してある。そして、この第1の昇降台48を、図6に示すように、連結枠54を介して2台の駆動シリンダ51のピストンロッドの先端に設けてある。これら5枚の昇降板の4つの各間隙には、図8(a)に示すように、4台の各第1の計量器49に設けてある載台55が位置している。そして、この2本の駆動シリンダ51は、図5及び図6に示すように、互いに平行し、図6に示すように、ピストンロッドの先端が移送コンベア66の終端部69の下方部から第1の計量器49の載台55に向かう方向に傾斜させて計量装置の本体76に設けてある。この第1の昇降装置57は、駆動シリンダ51が伸縮駆動することにより、第1の昇降台48を図6に示す上昇位置と図4に示す下降位置に昇降駆動することができる。第1の昇降台48が図6に示す上昇位置に駆動された状態では、5枚の各昇降板52が水平であり、この昇降板52の上面が第1の計量器49の載台55の上面よりもH1 (約3mm)だけ高い位置(上側の位置)となり、しかも案内板46の上面よりも少し下側の位置となる。これによって、第1の昇降台48は、カップ20の重量が第1の計量器49の載台55に掛からないように保持することができる。そして、第1の昇降台48が図4に示す下降位置に駆動された状態では、5枚の各昇降板52の上面が第1の計量器49の載台55の上面よりもH2 (約4mm)低い位置(下側の位置)となる。これによって、第1の昇降台48上に乗っていた4個のカップ20を第1の計量器49の載台55上に乗せ換えることができる。また、駆動シリンダ51を、図4に示すように傾斜して設けてあるので、第1の昇降台48が矢印56の方向に下降し、この際に第1の昇降台48上のカップ20を前方の投入ステージ61上のカップ20と引き離す方向に移動してこの第1の昇降台48上のカップ20を載台55上に乗せ換えることができる。
【0024】
第1の計量器49(49−1、49−2、49−3、49−4)は、図5に示すように、4台設けてある。これら4台の各第1の計量器49は、ロードセル等の重量検出器を有しており、各ロードセルに設けられている載台55上に、第1の昇降台48上の4個の空のカップ20が乗り移ると、4個の各空のカップ20の重量を計量することができる。そして、この計量装置に設けられている演算制御部(図示せず)がこれらカップ20の重量値WH1−1、WH2−1、WH3−1、及びWH4−1を記憶部に記憶する。この計量の際、4つの各載台55上の4個のカップ20は、図4に示すように、投入ステージ61上の各々の前方の4個のカップ20と間隔K1 (約3mm)を隔てた状態であり、かつ、左右のカップ20どうしが投入ステージ61に設けたガイド24によって互いに間隔を隔てて載置されている。従って、4台の第1の計量器49の各載台55には、これら各載台55上に乗っている夫々のカップ20の前後及び左右に位置する各カップ20の重量の一部が掛かることがないし、各載台55上のカップ20の重量の一部が上記前後及び左右に位置する各カップ20に掛かることがないので、各載台55上の4個の各空のカップ20の重量を第1の計量器49により正確に計量することができる。
【0025】
投入ステージ61は、図5に示すように、第1の計量器49の後段に設けてあり。、カップ20を進行方向97に3個並べて1列としたものを4列保持することができる固定台(簀の子状の受け台)67を備えている。この固定台67は、図9(a)に示すように、平面形状が略矩形であり、断面が円形の10本の棒状体22を有している。これら10本の棒状体22は、カップ20の進行方向97に対して直角をなす方向に向けて互いに所定の間隔を隔てて設けてある。そして、各棒状体22は、図9に示すように、5本のガイド24と4本の桟23によって連結してある。ガイド24は、カップ20が隣の列、又は投入ステージ61の外側にはみ出ないようにするものであり、進行方向97に平行し、互いにカップ20の直径よりも少し広い間隔を隔てて設けてある。そして、固定台67を計量装置の本体76に取り付けた状態で、5本の各ガイド24の一方の端部が4台の各第1の計量器49に設けられている載台55の上方に突出している。この各ガイド24の突出している部分、即ち、突出部26は、上述したように、各カップ20が載台55上で隣合うカップ20と接触しないようにする為のものであり、これによって、カップ20どうしの接触による計量誤差を防止することができる。同様に、各ガイド24の他方の端部にも4台の各第2の計量器62に設けられている物品載台33の上方に突出する突出部26を備えており、この突出部26により載台33上で隣合うカップ20どうしの接触による計量誤差を防止することができる。各桟23は、図7に示すように、上縁が各棒状体22の上縁よりも下方に位置するように配置してあり、各桟23がカップ20の移動の障害とならないようにしている。このように、固定台67が投入ステージ61を形成し、この固定台67を形成する10本の棒状体22、5本のガイド24、及び4本の桟23によって区画形成された多数の貫通孔27を備えている。この多数の貫通孔27は、カップ20に投入されずにこぼれ落ちた物品21を通過させてこの固定台67の下方に設けた受け皿28上に落下させる機能を果たす。そして、図7に示すように、固定台67は、計量装置の本体76にボルト29によって締結して固定してある。
【0026】
第2の昇降台50が設けられている第2の昇降装置58は、図5及び図6に示すように、投入ステージ61の後段に配置されている。この第2の昇降装置58は、第2の昇降台50と、第3の昇降台59と、この第2及び第3の昇降台50、59を昇降駆動する2本の駆動シリンダ60と、駆動シリンダ60の駆動を第2及び第3の昇降台50、59に伝達するための昇降用リンク機構30と、を備えている。図10(a)は、第2及び第3の昇降台50、59の拡大平面図、図10(b)は、その拡大正面図、図10(c)は、その拡大側面図である。
第2の昇降台50は、図10に示すように、互いに所定の間隔を隔てて水平に配置した5つの昇降板31を有し、これら5枚の昇降板31を連結板32により連結してある。これら5枚の昇降板31の4つの各間隙には、図10(a)に示すように、4台の各第2の計量器62に設けてある載台33が位置している。そして、この第2の昇降台50を、水平枠体34を介して2本の垂直リンク35に固着してある。
【0027】
第3の昇降台59は、図10に示すように、上面を水平に配置した細長い平板状体からなり、その両端部を下方に向けて屈曲形成したものであり、連結棒36を介して水平枠体34に固着してある。この第3の昇降台59の上面と第2の昇降台50の上面は、図10(c)に示すように、互いに同一の高さとなるように水平枠体34に設けてある。そして、この水平枠体34が設けられている垂直リンク35の上端部には、断面形状がL字状のストッパ37を設けてある。
【0028】
昇降用リンク機構30は、図1に示すように、2本の平行リンク38と1本の垂直リンク35からなる右側リンク機構とこの右側リンク機構と左右対称に形成した左側リンク機構とからなっている。この右側リンク機構と左側リンク機構は、同等のものであるので右側リンク機構を説明し、左側リンク機構の説明を省略する。
右側リンク機構は、図1に示すように、2本の平行リンク38の各右側端部が連結軸39、39を介して垂直リンク35と回動自在に連結しており、各左側端部が連結軸40を介して計量装置の本体76と回動自在に連結している。従って、2本の平行リンク38が本体76と連結する連結軸40、40を中心に矢印14の方向に揺動すると、水平枠体34が矢印15の方向、即ち、円弧に沿う方向に揺動する。そして、水平枠体34が矢印15の方向に揺動することによって、第2及び第3の昇降台50、59がその上面の水平状態を維持したままで同矢印15の方向に揺動する。
【0029】
駆動シリンダ60は、図1に示すように、右側リンク機構に設けた右側駆動シリンダと、図には示さないが、左側リンク機構に設けた左側駆動シリンダと、からなっている。この右側駆動シリンダと左側駆動シリンダは、同等のものであるので右側駆動シリンダを説明し、左側駆動シリンダの説明を省略する。
右側駆動シリンダ60は、図1に示すように、例えばエアーシリンダであり、ピストンロッドの先端部が連結軸16を介して垂直リンク35の上端部と回動自在に連結しており、シリンダの基端部が連結軸17を介して計量装置の本体76と回動自在に連結している。従って、右側及び左側駆動シリンダ60、60が同期して伸長動作することによって第2及び第3の昇降台50、59を図1に示す上昇位置に駆動することができる。
【0030】
そして、図1に示す上昇位置の状態では、第2の昇降台50は、その上面が投入ステージ61の固定台67の上縁(カップ20の搬送面)よりも約1mm下側の高さとなっており、投入ステージ61側から押し出されてくるカップ20を受入れ可能であり、かつ、その上面が第2の計量器62の載台33の上面よりもH3 (≒3mm)高い位置にあって、カップ20の重量が載台33に掛からないようにカップ20を保持することができる。そして、第3の昇降台59は、その上面が第2の昇降台50の上面と同一の高さとなっており、第2の昇降台50側から押し出されてくるカップ20を受入れ可能であり、かつ、その上面が滞留コンベア63の搬送面よりもH4 (≒6mm)高い位置にあって、カップ20の底面が搬送面と接触しないようにカップ20を保持することができる。
【0031】
また、図3に示す下降位置の状態では、第2の昇降台50は、その上面が第2の計量器62の載台33の上面よりもH5 (≒4mm)低い位置にあって、カップ20を第2の計量器62の載台33上に乗せ換えることができる位置に下降している。そして、第3の昇降台59は、その上面が滞留コンベア63の搬送面よりもH6 (≒1mm)低い位置にあって、カップ20を滞留コンベア63の搬送面上に乗せ換えることができる位置に下降している。
【0032】
そして、図3に示すように、投入ステージ61の上縁(カップ20の搬送面)よりもH7 (≒3mm)低い高さに第2の計量器62の載台33の上面を配置して、第2の昇降台50を投入ステージ61から遠ざかる方向に下降させているので(図3に示す矢印15の方向)、第2の昇降台50上のカップ20を後続の投入ステージ61上のカップ20と引き離す方向に移動してこの第2の昇降台50上のカップ20を第2の計量器62の載台33上に乗せ換えることができる。図2は、第2の昇降台50が、その上面と載台33の上面の高さが一致したときの状態を示す正面図である。
【0033】
また、図3に示すように、第2の計量器62の載台33の上面よりもH8 (≒3mm)低い高さに滞留コンベア63の搬送面を配置していて、第3の昇降台59を投入ステージ61から遠ざかる方向に下降させているので(図3に示す矢印15の方向)、第3の昇降台59上のカップ20を後続の第2の昇降台50上のカップ20と引き離す方向に移動してこの第3の昇降台59上のカップ20を滞留コンベア63の搬送面上に乗せ換えることができる。
【0034】
第2の計量器62は、図5及び図6に示すように、4台設けてある。これら4台の各第2の計量器62は、ロードセル等の重量検出器を有しており、各ロードセルに設けられている載台33上に、第2の昇降台50から被計量物品21が投入されている4個のカップ20が乗り移ると(図3参照)、これら被計量物品21を収容する4個の各カップ20の重量を計量することができる。そして、この計量装置に設けられている演算制御部(図示せず)がこれらカップ20の重量値WG1−1、WG2−1、WG3−1、及びWG4−1を記憶部に記憶する。この計量の際、第2の計量器62の各載台33上の4個のカップ20は、図3に示すように、投入ステージ61上の各々の後続の4個のカップ20と間隔K2 (≒3mm)を隔てた状態であり、滞留コンベア63上の各々の前方の4個のカップ20と間隔K3 (≒3mm)を隔てた状態である。そして、左右のカップ20どうしが投入ステージ61に設けたガイド24によって仕切られて互いに間隔を隔てて載置されている。従って、4台の第2の計量器62の各載台33には、前後及び左右に位置する各カップ20の重量の一部が掛かることがないし、各載台33上のカップ20の重量の一部が上記前後及び左右に位置する各カップ20に掛かることがないので、各載台33上の被計量物品21を収容する4個の各カップ20の重量WG1−1、WG2−1、WG3−1、及びWG4−1を第2の計量器62により正確に計量することができる。
【0035】
滞留コンベア63は、図5及び図6に示すように、基端部が4台の第2の計量器62の側方に配置されている直線コンベアであり、各第2の計量器62から排出されたカップ20を4個ずつ受け取って図5の矢印の方向に搬送することができる。この滞留コンベア63は、図1の断面図に示すように、環状の2つのプラスチックチェーン(トップチェーン)74、74を備えており、各プラスチックチェーン74、74の夫々の両端がスプロケット(図示せず)に掛けられている。このスプロケットは、モータ(図示せず)の回転軸と連結しており、モータが回転することにより2つのプラスチックチェーン74、74が所定方向に駆動される。図には示さないが、プラスチックチェーン74、74のカップ20と接触する搬送面82は、摩擦抵抗の小さいプラスチック板によって形成してある。
【0036】
次に、上記のように構成した計量装置の作用を説明する。
この計量装置によると、図5及び図6に示すように、空カップ用プッシャー70が、移送コンベア66の終端部69上の空の4個のカップ20を上昇位置にある第1の昇降台48上に順次送り出すことにより、カップ20をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方(進行方向97の方向)に搬送することができる。このようにして搬送されるカップ20は、第1の昇降台48、及び投入ステージ61、そして、第1の昇降台48と同期して昇降移動する第2の昇降台50を通して滞留コンベア63上に移動させることができる。
【0037】
ここで、進行方向97に対して直角方向の横1列の4個のカップ20が上昇位置にある第1の昇降台48上に送り出されると、第1の昇降台48が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第1の昇降台48上の4個の空のカップ20を移送コンベア66に接近させる方向(後退方向)に移動して第1の昇降台48上のカップ20を投入ステージ61上の前方の4個のカップ20及び後続の移送コンベア66上の4個のカップ20と非接触の状態にして第1の計量器49−1〜49−4の各載台55上に乗せ換えることができる。4つの各載台55上にカップ20が乗ると、4台の第1の計量器49が各空のカップ20の重量を計量する。この計量の際、4台の第1の計量器49の載台55上の各空のカップ20は、前後左右のカップ20と接触していないので、4個の各空のカップ20の重量WH1〜W H4 を正確に計量することができる。しかる後に、第1の昇降台48が上昇位置に上昇して4つの各載台55上の計量済みカップ20をこの第1の昇降台48上に乗せ換えることができる。次に、空カップ用プッシャー70が移送コンベア66上の次のカップ20を第1の昇降台48上に送り出すことにより第1の昇降台48上の計量済みのカップ20を投入ステージ61上に送り出すことができる。このようにして順次重量の計量されたカップ20は、投入ステージ61上を押し進められ、この投入ステージ61上で被計量物品21が投入される。そして、これら被計量物品21の投入されたカップ20は、空カップ用プッシャー70によって後段の上昇位置にある第2の昇降台50上にその前後方向に互いに接触させた状態で順次送り出される(図1参照)。被計量物品21を収容する4個のカップ20が上昇位置にある第2の昇降台50上に送り出されると、第2の昇降台50が下降位置に向かって下降し、この下降の際に第2の昇降台50上の4個のカップ20を滞留コンベア63に接近させる方向(前進方向)に移動して第2の昇降台50上のカップ20を投入ステージ61上の後続の4個のカップ20と非接触の状態にして第2の計量器62の載台33上に乗せ換えることができる(図3参照)。そして、第3の昇降台59も第2の昇降台50と同期して下降位置に向かって更に下降するので、この下降の際に第3の昇降台59上の4個のカップ20(このカップ20は、カップ20及び投入されている被計量物品21の合計重量WG1〜W G4 が第2の計量器62によって計量されている。)を滞留コンベア63に接近させる方向(前進方向)に移動して第3の昇降台59上のカップ20を第2の計量器62の載台33上の後続の4個のカップ20と非接触の状態にして滞留コンベア63上に乗せ換えることができる。従って、第2の計量器62の載台33上の被計量物品21を収容する4個のカップ20を、前方の滞留コンベア63上の4個のカップ20及び後続の投入ステージ61上の4個のカップ20と非接触の状態で計量することができる。これによって、被計量物品21が投入されている4個の各カップ20の重量WG1−1、WG2−1、WG3−1、及びWG4−1を4台の各第2の計量器62によって正確に計量することができる。なお、これら重量WG1−1、WG2−1、WG3−1、及びWG4−1は、順次この計量装置に設けられている記憶部に記憶される。そして、このWG1−1は、第1の計量器49 −1によって計量されたカップ20の重量WH1−1とこのカップ20に投入された被計量物品21の重量WB1−1の合計重量である。同様に、各WG2−1、WG3−1、WG4−1は、第1の計量器49−2、49−3、49−4によって計量された各カップ20の重量WH2−1、WH3−1、WH4−1とこのカップ20に投入された被計量物品21の各重量WB2−1、WB3−1、WB4−1の夫々の合計重量である。
【0038】
次に、この計量装置に設けてある演算制御部(図示せず)の減算器が(WG1−1−WH1−1)、(WG2−1−WH2−1)、(WG3−1−WH3−1)、及び(WG4−1−WH4−1)の減算を順次行うことにより4個の各カップ20に投入された被計量物品21の各重量WB1−1、WB2−1、WB3−1、WB4−1を算出することができる。このようにして、図5に示す投入ステージ61上で各カップ20に投入された被計量物品21の重量(WB1−1、WB2−1、WB3−1、WB4−1)、(WB1−2、WB2−2、WB3−2、WB4−2)、・・・・を順次演算することができる。
【0039】
そして、上記のように、カップ20の各重量(WH1−1、WH2−1、WH3−1、WH4−1)、・・・を第1の計量器49−1〜49−4により予め計量して、カップ20と被計量物品21の各合計重量(WG1−1、WG2−1、WG3−1、WG4−1)、・・・からこのカップ20の各重量(WH1−1〜WH4−1)、・・・を減算して被計量物品21の各重量(WH1−1、WH2−1、WH3−1、WH4−1)、・・・を演算しているので、カップ20の重量のばらつきが大きい場合や、カップ20に前回に計量された被計量物品21が完全に排出されずにその一部が付着して残っている場合でも、カップ20に投入された被計量物品21の重量を正確に計量することができる。しかる後に、各カップ20から正確に計量された物品21を取り出して包装することができる。
【0040】
次に、第2実施形態の計量装置を説明する。第2実施形態の計量装置は、第1実施形態の計量装置に、4台の各第1の計量器49−1〜49−4と4台の各第2の計量器62−1〜62−4の各々の零点を補正する零点補正装置を設けたものである。この零点補正装置は、第1の零点補正手段と、第2の零点補正手段と、停止手段と、を具備するものである。
停止手段は、予め設定されている所定のタイミング(例えば所定の時間間隔、又は設定時間経過後)で、第1及び第2の昇降台50を上昇位置で零点補正に要する所定時間だけ同時に停止させると共に、空カップ用プッシャー70を短縮状態で零点補正に要する所定時間だけ停止させる機能を有するものである。図6は、この停止状態を示している。
第1の零点補正手段は、第1の昇降台48が上昇位置に移動した時であって、上記所定のタイミングで4台の各第1の計量器49−1〜49−4の零点を移動させて零点補正する機能を有するものである。つまり、第1の昇降台48が上昇位置の状態では、4台の第1の計量器49−1〜49−4の各載台55にはカップ20の重量が掛かっておらず、無荷重の状態を維持することができるから各第1の計量器49−1〜49−4の零点を補正することができる。
第2の零点補正手段は、第2の昇降台50が上昇位置に移動した時であって、上記所定のタイミングで4台の各第2の計量器62−1〜62−4の零点を移動させて零点補正する機能を有するものである。つまり、第2の昇降台50が上昇位置の状態では、4台の第2の計量器62−1〜62−4の各載台33にはカップ20の重量が掛かっておらず、無荷重の状態を維持することができるから各第2の計量器62−1〜62−4の零点を補正することができる。
【0041】
この計量装置に設けた零点補正装置の作用を説明する。まず、作業者が入力部(図示せず)を操作して、第1及び第2の計量器49−1〜49−4、62−1〜62−4の各零点を補正する時間間隔を設定する。次に、第1及び第2の計量器49、62により各カップ20の重量WH 、WG が順次計量されて、上記設定された所定時間が経過すると、停止手段が、図5及び図6に示すように、第1及び第2の昇降台48、50を上昇位置で所定時間停止させると共に、空カップ用プッシャー70を短縮状態で所定時間停止させる。そして、この時に、第1及び第2の零点補正手段が合計8台の第1及び第2の計量器49−1〜49−4、62−1〜62−4の各零点を移動させて零点補正を行う。
【0042】
このように、上記計量装置によると、第1及び第2の昇降台48、50を利用して第1及び第2の計量器49、62へのカップ20の乗せ換えを停止させて第1及び第2の計量器49、62の各零点を補正することができる構成であるので、第1及び第2の計量器49、62へのカップ20の乗せ換えを停止させる為の機構を別個に設ける必要がなく、従って、計量装置の構造を簡単で、コンパクトにすることができ、これによって計量装置の費用を安価にすることができる。
【0043】
ただし、第2実施形態の計量装置の零点補正装置以外の部分は、第1実施形態の計量装置と同等の構成であり同様に作用するので、詳細な説明を省略する。そして、停止手段は、上記零点補正のタイミングにおいて、空カップ用プッシャー70を短縮状態で所定時間だけ停止させる構成としたが、空カップ用プッシャー70を伸長状態で所定時間だけ停止させる構成としてもよい。
【0044】
次に、第3実施形態を図11及び図12を参照して説明する。この実施形態は、第1実施形態の計量装置を組合せ秤に適用したものである。この組合せ秤は、図11の平面図に示すように、第1実施形態の計量装置に、搬送コンベア64と排出装置65と移送コンベア66と組合せ演算を行う演算制御部を設けたものである。そして、これら計量装置、搬送コンベア64、排出装置65、移送コンベア66は、多数個のカップ20を図11に各矢印で示すようにこの組合せ秤上を時計方向に搬送することができる構成である。この組合せ秤によると、これらカップ20が投入ステージ61上を通過する際に、例えばカット野菜、漬物、筋子等のように付着性、又は粘着性を有する被計量物品21を各カップ20に作業者が手で投入(充填)して、これら各物品21の重量WB を第1実施形態と同様にして計量装置が演算し、これら計量済み物品21の内から合計重量が所定重量範囲内の物品21の組合せを選択し、組合せに選択された各物品21を収容するカップ20を排出装置65に搬送する。そして、この排出装置65が組合せに選択された各物品21を収容するカップ20を所定の排出位置88に搬送し、この排出位置88で各カップ20を反転させて各カップ20から物品21を排出することにより合計重量が所定重量範囲内の物品21の組合せ計量を行う。そして、空になったカップ20は、送り出しコンベア92により送り出されてカップ反転装置96を通り、このカップ反転装置96により反転して開口部を上側に向けた状態となって移送コンベア66上に移動する。次に、空のカップ20は、この移送コンベア66に搬送されて投入ステージ61上に移動し、作業者は、上記と同様にして各空のカップ20に新たに物品21を投入して上記計量が繰り返して行われる。なお、各カップ20は、同一重量となるように形成してある。
【0045】
また、図11及び図5に示す101は、投入テーブルである。投入テーブル101は、12個の同じ大きさの円形の物品投入口102を有しており、作業者がこれら各物品投入口102に物品21を投入することにより固定台67上で停止する12個の各カップ20に物品21を投入することができる。この投入テーブル101は、透明のプラスチック板であり、図5に示すように、組合せ秤の本体76上に取り外し自在に載置してある。この投入テーブル101は、本体76上に載置された状態で、空カップ用プッシャー70により固定台67上を移動と停止を繰り返して搬送される合計12個のカップ20の停止する各位置の上方に12個の物品投入口102が位置するようにこの投入テーブル101の位置を決めてある。
【0046】
図11に示す118は、被計量物品21を溜めておくための溜容器である。この溜容器118は、例えばステンレス製であり、空カップ用プッシャー70及び移送コンベア66の終端部69の上方位置にこの組合せ秤の本体76に着脱可能に設けてある。そして、この溜容器118は、平面形状が矩形の底板119の3つの各辺に側板120を設けてあるが、投入ステージ61に向かう側の辺、即ち、取り出し口118aには側板を設けておらず、これによって、作業者が溜容器118上の物品21を手で持って投入ステージ61上の各カップ20内に物品21を投入し易くしている。
【0047】
次に、上記組合せ秤に設けてある滞留コンベア63、はみ出し防止手段、プッシャー84、組合せ演算手段、搬送コンベア64、排出装置65等について詳細に説明する。
【0048】
図11に示す計量装置により各カップ20に投入された物品21の重量を演算して記憶することができると、計量済み物品の投入されている4個のカップ20は、後段の滞留コンベア63上のカップ20の数が8個以下になった時に滞留コンベア63に搬送される。これは、滞留コンベア63は、12個のカップ20を滞留させることができる長さであり、計量済みの4個のカップ20を受け入れるためには、滞留コンベア63上のカップ20の数が8個(=12−4)以下であることが必要だからである。
【0049】
滞留コンベア63は、第1実施形態のものと同等であり、図11に示すように、各第2の計量器62から排出されたカップ20を受け取って同図の左方向に搬送することができる。そして、左側先端部にはストッパ73を設けてあり、このストッパ73によりカップ20を係止することができる。そして、この滞留コンベア63の搬送方向に向かって左側縁にはプラスチックチェーン74の搬送面82よりも上側に約3mm突出する上側屈曲部98を設けてある。この上側屈曲部98により、滞留コンベア63上のカップ20が搬送コンベア64側にはみ出ないように規制することができる。
【0050】
そして、図11に示す滞留コンベア63の搬送方向の右側には第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10を設けてあり、各プッシャーのピストンロッドの先端に設けたパッド85−1〜85−10によって、滞留コンベア63上のカップ20がプッシャー84側にはみ出ないように規制することができる。つまり、滞留コンベア63は、モータにより常時回転駆動しており、滞留コンベア63上の各カップ20はストッパ73側に搬送されて先頭のカップ20がストッパ73に当接すると後続のカップ20は順次互いに接触した押せ押せの状態で1列に並び、各カップ20はその位置で停止することとなる。ただし、滞留コンベア63は、常時搬送駆動されているので、この滞留コンベア63上に1列に並んでいるカップ20は進行方向に向かって左側又は右側にはみ出ようとするが、上側屈曲部98及びパッド85−1〜85−10によってカップ20が滞留コンベア63の外側にはみ出ないように規制することができる。なお、図11に示すように、第10のプッシャー84−10の後方にもガイド112を設けてあり、カップ20のはみ出しを防止している。
【0051】
第1〜第10の各プッシャー84−1〜84−10は、滞留コンベア63上の所望のカップ20を搬送コンベア64側に取り出すための手段である。これら第1〜第10の各プッシャー84−1〜84−10は、図11に示すように、エアーシリンダから成っており、各プッシャーは、カップ20の直径と同一の長さの間隔をおいて夫々配置してある。即ち、図11に示すように、12個のカップ20が滞留コンベア63上で1列に並んだ状態で先頭から10個までの各カップ20と対応して第1〜第10の各プッシャー84−1〜84−10を設けてある。各プッシャー84−1〜84−10に設けてあるパッド85−1〜85−10は、平面形状がL字状である。パッド85の形状をL字状としたのは、図12に示すように、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が伸長動作した状態で、各プッシャー84−2、84−5、84−8、84−10により取り出した各カップ20の後続のカップ20を対応するパッドの係止板86により係止するためである。これにより、伸長状態の各プッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が短縮状態になるとき、各パッド85−2、85−5、85−8、85−10が後続のカップ20をそれら各係止位置で停止させた状態でスムースに後退して図11に示す短縮状態に戻ることができる。プッシャー84が伸長状態にあるときが取り出し状態であり、短縮状態にあるときが非取り出し状態である。
【0052】
次に、組合せ演算手段が、これら計量済み物品21の各重量を種々に組合わせて組合せ演算する手順、及び組合せに選択された物品21を滞留コンベア63から取り出して搬送コンベア64上に移動させて排出装置65内に搬送する手順を説明する。
組合せ演算手段は、図には示さないが、中央演算処理装置(CPU)により構成されている演算制御部(図示せず)と、この演算制御部と接続する記憶部(図示せず)に記憶されている所定のプログラムと、により構成されており、所定の組合せ演算を行う手段である。即ち、計量装置により計量して得られた被計量物品21の各重量値WB を種々に組合わせてそれら組合せのうち合計重量値が予め定めた所定重量範囲内であって、予め定めた条件を満足する組、例えば目標重量値に等しいか若しくは最も近い組を構成する物品を選択する手段である。
【0053】
なお、組合せ演算手段による組合せ演算は、作業者が設定表示部87を操作して予め設定してある組合せ演算開始メモリ数がKとなったときに開始する。この組合せ演算開始メモリ数とは、組合せ演算手段が組合せ演算を開始するための条件であり、この条件は、滞留コンベア63上に停止しているカップ20の数(記憶部に記憶されている計量済み物品の重量値WB の数)が例えばK=9個以上となることとしている。つまり、記憶部に記憶されている重量値の数が9個未満では組合せ演算を行っても合計重量が所定重量範囲内となる組合せを選択する可能性が低いので組合せ演算を行わず、従って重量値の数が9個以上となり、組合せの選択の可能性の高くなったときに組合せ演算を行うこととしている。そして、滞留コンベア63上に停止しているカップ20の個数が9個未満となったときには、滞留コンベア63上のカップ20の個数が9個以上となるまで第2の計量器62から計量済み物品を収容するカップ20が4個ずつ搬送されてくる。そして、滞留コンベア63上のカップ20の個数が9個以上となったときは、計量装置からの搬送が自動的に停止する。
【0054】
また、組合せに選択されたカップ20を滞留コンベア63から取り出して搬送コンベア64に移動させる取り出し手段は、第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10である。従って、これら第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10により取り出すことができるのは、図11に示す滞留コンベア63上に滞留する12個のカップ20のうち、先頭から10個のカップ20のうちのいずれかのカップ20であるので、組合せに参加させる重量値もこれら10個のカップ20に投入されている物品21の重量値としている。よって、先頭から11番目と12番目のカップ20及びこれよりも後続のカップ20に収容されている物品21の重量値は組合せに参加させていない。
【0055】
そして、図11に示す第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10により取り出されたカップ20を所定の排出位置88に搬送する搬送手段は、同図に示す搬送コンベア64と、排出装置65と、からなっている。
【0056】
今、組合せ演算手段により物品(重量値)の所定の組合せとして例えば図12に示すように第2番目の物品21と第5番目の物品21と第8番目の物品21と第10番目の物品21が選択されたとすると、同図に示すように、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が伸長駆動してこれら第2、第5、第8、及び第10番目の各物品21を収容する各カップ20を滞留コンベア63上から押し出して、上側屈曲部98を乗り越えさせ、この滞留コンベア63と隣接して設けてある搬送コンベア64上に移動させる。そして、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が伸長駆動した状態では、図12に示すように、各プッシャーに設けてあるパッド85−2、85−5、85−8、85−10の夫々の各係止板86が、取り出した2、5、8、10番目の各カップ20の夫々の後続のカップ20を係止することができる。これにより、伸長状態の第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が短縮駆動したときに、各パッド85−2、85−5、85−8、85−10が後続の各カップ20を引っ掛けることなく、スムースに図11に示す元の位置に戻ることができる。
【0057】
そして、搬送コンベア64上に移動した第2、第5、第8、及び第10番目の4個のカップ20は、この搬送コンベア64により搬送されて排出装置65に搬送される。この排出装置65に搬送された第2、第5、第8、及び第10番目の各カップ20は、物品21が取り出され、これら取り出された物品21を包装機89が包装する。一方、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が短縮状態となると、選択されなかった第1、第3、第4、第6、第7、及び第9番目の各物品21を収容する6個の各カップ20、及び後続の2個のカップ20が滞留コンベア63により搬送されて前進する。また、4台の第2の計量器62から計量済み物品を収容する4個のカップ20が順次滞留コンベア63に供給される。これら4個のカップ20及び滞留コンベア63上の8個のカップ20、即ち、計量済み物品を収容する合計12個のカップ20は、搬送されて上述のようにして先頭のカップ20がストッパ73により係止され、この先頭のカップ20及び後続のカップ20が1列に互いに接触した押せ押せの状態で滞留コンベア63上で停止する。しかる後に、次の組合せ演算が行われる。
【0058】
ただし、組合せ演算で選択された物品(重量値)21の個数が4個の場合は、滞留コンベア63上には8個のカップ20しか残らないので、組合せ演算開始メモリ数K=9個よりも少なく、従って、4台の第2の計量器62から次の計量済み物品が投入されているカップ20が滞留コンベア63に排出されるまでは次の組合せ演算を行わないようにしている。
【0059】
搬送コンベア64は、滞留コンベア63と同等のプラスチックチェーンコンベアである。この搬送コンベア64の左側面にはガイド90を設けてあり、このガイド90は、滞留コンベア63から搬送コンベア64に押し出されたカップ20が搬送コンベア64から落下しないようにするためのものである。そして、搬送コンベア64の搬送面は滞留コンベア63の搬送面82と略同一の高さに配置してあり、従って、搬送コンベア64の搬送面は、上側屈曲部98の上面よりも約3mm(=H)低くなっている。搬送コンベア64の後端部は、排出装置65と接続している。また、図11に示すように、搬送コンベア64の排出装置65の入口部には、ストッパ72と同等のストッパシリンダ113を設けてある。このストッパシリンダ113は、伸長状態と短縮状態とに所定のタイミングで切り替わることにより、組合せに選択されたカップ20を各組ごとに順次排出装置65に送り込むことができる。そして、ストッパシリンダ113が伸長状態となって選択されたカップ20を搬送コンベア64上で停止させた状態では、これらカップ20が上側屈曲部98とガイド90とによって搬送コンベア64上からはみ出ないように両側から規制されており、従って、これらカップ20は搬送コンベア64上で整列して停止することができる。
【0060】
次に、排出装置65の説明をする。排出装置65は、図11に示す傾斜コンベア91と送り出しコンベア92とを備えている。送り出しコンベア92は、滞留コンベア63と同等のプラスチックチェーンコンベアである。傾斜コンベア91は、搬送コンベア64と接続しており、組合せに選択された物品を収容するカップ20を4個ずつ受け入れることができる。これら受け入れたカップ20は、横1列に4個並んだ状態で順次斜め上方に向かって搬送され、上昇端で反転して落下して所定の排出位置88で停止する。この排出位置88では、カップ20が反転していることとカップ20の落下による衝撃とにより内側に収容されている物品21がカップ20から排出され、カップ受板93の下部に設けた包装機89に投入される。そして、空になった4個のカップ20は、エアーシリンダよって送り出しコンベア92側(図11の矢印95の方向)に搬送される。4個の空のカップ20は、この送り出しコンベア92によって搬送され、そして、カップ反転装置96により180°反転されて、カップ20の口を上側に向けた状態で移送コンベア66に送り出される。そして、移送コンベア66は、空のカップ20をこの移送コンベア66の終端部69に移送し、この終端部69に空のカップ20が4個溜まり、上述したように、中央演算処理装置から所定の供給信号が出力されると、空カップ用プッシャー70が伸長動作し、この空カップ用プッシャー70の先端に設けたパッド71が終端部69上の4個の空カップ20を上昇位置にある第1の昇降台48上に送り出すことができる。このようにして、カップ20は循環して物品の組合せ計量を順次連続して行うことができる。
【0061】
なお、組合せに選択された各々の組を構成する物品21を収容するカップ20は、順に図11に示す排出位置88に搬送されて、カップ20内の物品21は包装機89に順に投入されるが、包装機89は、一つの組を構成する物品の数が幾つであるかを記憶手段から読み込んで1つの組を構成する物品を1つのパックに包装することができる。つまり、包装機89は、組合せに選択された物品の数が1、2、3、4、5、・・である各場合に応じて組合せに選択されたその数の当該物品を1つのパックに包装するように構成されている。
【0062】
次に、図13を参照して、計量された物品の重量を記憶する手順を説明する。まず、物品の投入されたカップ20が第2の計量器62によって計量が完了し(S100)、この計量済み物品の重量値WB を記憶部に記憶する(S102、104)。例えば第1、2、・・・・、N番目に計量して得られた重量値WB を第1、2、・・・・、N番目のメモリに記憶する。そして、記憶した重量値WB の数がK、例えば9個以上であるか否かを判定して(S106)、9個未満であると判定したときは、組合せ演算を行わなず、9個以上であると判定したときは、組合せ演算を行う(S108)。そして、組合せ演算により組合せに選択されたs個の重量値(Ml 、Mm 、・・・・、Mn )の物品を収容するカップ20を搬送コンベア64に押し出す(S110)。
【0063】
ただし、選択されずに滞留コンベア63上に残った物品は、順次前進して物品の順番が変わるので、メモリに記憶されている重量値の順番も変更する必要がある。その為に、Mn+1 、Mn+2 、・・・・、Mn+(i−n) 番目のメモリに記憶されている重量値をMn 、Mn+1 、・・・・、Mn+(i−n)−1 番目のメモリに夫々移し替える(S112)。そして、Mm+1 、Mm+2 、・・・・、Mm+(i−m) 番目のメモリに記憶されている重量値をMm 、Mm+1 、・・・・、Mm+(i−m)−1 番目のメモリに夫々移し替える(S114)。また、Ml+1 、Ml+2 、・・・・、Ml+(i−l) 番目のメモリに記憶されている重量値をMl 、Ml+1 、・・・・、Ml+(i−l)−1 番目のメモリに夫々移し替える(S116)。なお、1≦l <m<・・・・<n≦iとし、iは、記憶済みのメモリの番号のうち最大番号の数値である。
【0064】
そして、メモリに記憶されている元の重量値の個数iからsを減算して現在記憶されている重量値の個数iを演算する(S118)。このようにして、順次物品を新たに計量して得られた重量値を記憶することができ、そして、選択されずに滞留コンベア63上に残っている物品の順番の変更に応じて各メモリに記憶されている重量値の順番を順次変更することができる。これによって、滞留コンベア63上に停止する物品の各重量値を各物品と対応して記憶することができる。
【0065】
上記第1実施形態の計量装置を適用した組合せ秤によると、図11に示すように、投入ステージ61上で被計量物品21がカップ20内に投入されてから組合せ演算によって選択されて、包装機89に投入されるまでの間、物品21を同一のカップ20によって保持する構成である。従って、付着性、又は粘着性を有する物品が、従来の組合せ秤のように、分割シュートや集合シュートの内側に付着することがなく、その結果、付着性、又は粘着性を有するカット野菜、漬物、又は筋子等の物品の組合せ計量の計量精度及び計量速度を従来よりも向上させることができる。
【0066】
そして、計量済み物品が投入されているカップ20を滞留コンベア63上に多数溜めておくことができ、そして、これら滞留する多数のカップ20に投入されている多数の物品を組合せに参加させることができる構成であるので、これによっても組合せ計量の計量精度を向上させることができる。また、組合せに参加することができる物品の数を増加させる場合は、滞留コンベア63及び搬送コンベア64の長さを長くして、プッシャー84の数を増加することにより可能であり、従来の組合せ秤のように、組合せに参加させる重量値を増加させるために、直進フィーダ、計量ホッパ、メモリホッパ等を増加させる必要がなく、経済的である。
【0067】
ただし、上記第1、第2、第3の各実施形態において、空カップ20の重量ばらつきが物品の計量精度に対して許容できる範囲内である場合、又は被計量物品21の付着性が小さくてカップ20に付着する重量が軽い場合は、第1の計量器49を省略することができる。この場合、空カップ20の平均重量を予め計量装置の記憶部に記憶させておき、第2の計量器62により計量して得られたカップ20と物品21の合計重量からカップ20の平均重量を減算して物品21の重量を自動的に求める構成とする。また、夫々の空カップ20の重量が均一である場合は、カップ20と物品の合計重量を種々に組合わせて組合せ演算を行ってもよい。この場合、目標重量値は、物品の重量にカップ20の重量を加えた重量値とする。
【0068】
そして、上記各実施形態において、カップ20の形状を底を有する短円筒形としたが、これ以外の形状、例えば底を有する多角筒としてもよい。
【0069】
また、第1及び第2の計量器49、62を4台ずつ設けたが、4台以外の台数Aとしてもよい。その際、第1及び第2の昇降台48、50、投入ステージ61のカップ20を整列させる列数は、第1及び第2の計量器49、62の各台数Aに合わせる。そして、この場合は、計量済み物品の投入されているカップ20は、後段の滞留コンベア63上のカップ20の数が(12−A)個以下になった時に滞留コンベア63に搬送する。
【0070】
【発明の効果】
第1の発明によると、第1の昇降台が下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上に送り出されている被計量物品をステージ上の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に当該被計量物品を第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる構成である。従って、第1の計量手段が載台上の被計量物品を計量する際に、この載台に例えば先に計量した計量済み被計量物品の重量が掛かったり、載台上の被計量物品の重量の一部が前方の被計量物品に掛かることを確実に防止することができ、これによって、第1の計量手段の載台上の被計量物品の重量を正確に計量することができるという効果がある。従って、空の被計量物品の重量を正確に計量することができるので、その被計量物品に投入された被計量物品の重量を正確に計量することができるという効果がある。そして、図14に示すコンベアベルト2を不要とすることができるので、調芯ローラ装置3、スナブプーリ5、及びコンベアベルト2に張力を付与する為のテンションプーリ6を省略することができ、これによって、装置の構造を簡単でコンパクトとすることができ、その結果、費用の低廉化を図ることができるという効果がある。更に、コンベアベルト2を使用していないので、コンベアベルト2の張力が変動するという問題がなく、これによって従来よりも計量精度の向上を図ることができるという効果もある。
【0071】
第2の発明によると、第1の昇降手段の第1の昇降台を利用して第1の計量手段への被計量物品の供給を停止させて第1の計量手段の零点を補正することができる構成であるので、第1の計量手段への被計量物品の供給を停止させる為の機構を別個に設ける必要がなく、従って、計量装置の構造を簡単で、コンパクトにすることができ、これによって計量装置の費用を安価にすることができるという効果がある。
【0072】
第3及び第4の各発明によると、第2の昇降台が下降位置に向かって下降する際に第2の昇降台上に搬送されている被計量物品を供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に当該被計量物品を第2の計量手段の載台上に乗せ換えることができる構成である。従って、この発明によると、第2の計量手段が載台上の被計量物品を計量する際に、この載台に後続の被計量物品の重量が掛かったり、載台上の被計量物品の重量の一部が後続の被計量物品に掛かることを確実に防止することができ、これによって、載台上の被計量物品の重量を第2の計量手段によって正確に計量することができるという効果がある。そして、第1の発明と同様に、図14に示すコンベアベルト2、調芯ローラ装置3、スナブプーリ5等を不要とすることができるので、装置の構造を簡単でコンパクトとすることができ、その結果、費用の低廉化を図ることができるという効果がある。更に、コンベアベルト2の張力が変動するという問題がないので、従来よりも計量精度の向上を図ることができるという効果もある。
【0073】
第4の発明によると、第3の昇降台が下降位置に向かって下降する際に第3の昇降台上に搬送されている計量済み物品を第2の計量手段の載台上の被計量物品と引き離す方向に移動させると共に当該計量済み物品を排出手段上に乗せ換えることができる構成である。従って、第2の計量手段が載台上の被計量物品を計量する際に、この載台に例えば先に計量した計量済み物品の重量が掛かったり、被計量物品の重量の一部がその計量済み物品に掛かることを確実に防止することができ、これによって、第2の計量手段の載台上の被計量物品の重量を正確に計量することができるという効果がある。従って、第4の発明によると、第2の計量手段の載台上の被計量物品から、後続の被計量物品及び前方の計量済み物品の両方を引き離すことができるので、載台上の被計量物品の重量を正確に計量することができる。
【0074】
第5の発明によると、第2の昇降手段の第2の昇降台を利用して第2の計量手段への被計量物品の供給を停止させて第2の計量手段の零点を補正することができる構成であるので、第2の計量手段への被計量物品の供給を停止させる為の機構を別個に設ける必要がなく、従って、計量装置の構造を簡単で、コンパクトにすることができ、これによって費用を安価にすることができるという効果がある。
【0075】
第6の発明によると、第1の昇降台が下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上に送り出されている物品保持手段を投入ステージ上の物品保持手段と引き離す方向に移動させると共に当該物品保持手段を第1の計量手段の載台上に乗せ換えることができる構成である。従って、第1の計量手段が載台上の物品保持手段を計量する際に、この載台に例えば先に計量した計量済み物品保持手段の重量が掛かったり、載台上の物品保持手段の重量の一部が前方の物品保持手段に掛かることを確実に防止することができ、これによって、第1の計量手段の載台上の物品保持手段の重量を正確に計量することができるという効果がある。従って、空の物品保持手段の重量と、第2の計量手段により計量して得られた物品保持手段と物品の合計重量と、に基づいて被計量物品の重量を正確に計量することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る計量装置の第2及び第3の昇降台が上昇位置に移動した状態を示す拡大正面図である。
【図2】同第1実施形態に係る計量装置の第2及び第3の昇降台が上昇位置と下降位置の中間位置に移動した状態を示す拡大正面図である。
【図3】同第1実施形態に係る計量装置の第2及び第3の昇降台が下降位置に移動した状態を示す拡大正面図である。
【図4】同第1実施形態に係る計量装置の第1の昇降台が下降位置に移動した状態を示す拡大正面図である。
【図5】同第1実施形態に係る計量装置の平面図である。
【図6】同第1実施形態に係る計量装置の部分断面正面図である。
【図7】同第1実施形態の計量装置を図6のA−A方向から見た断面図である。
【図8】(a)は同第1実施形態に係る計量装置の第1の昇降台の拡大平面図、(b)は同第1の昇降台の拡大正面図、(c)は同第1の昇降台の拡大左側面図、(d)は同第1の昇降台の拡大右側面図である。
【図9】(a)は同第1実施形態の固定台を示す拡大平面図、(b)は同固定台の正面図である。
【図10】(a)は同第1実施形態の第2及び第3の昇降台の拡大平面図、(b)は同第2及び第3の昇降台の拡大正面図、(c)は同第2及び第3の昇降台の拡大右側面図である。
【図11】この発明の第3実施形態に係る組合せ秤を示す平面図である。
【図12】同第3実施形態の組合せ秤のプッシャーが選択された物品を収容するカップを押し出す状態を示す平面図である。
【図13】同第3実施形態に係る組合せ秤の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】従来の計量コンベアを示す正面図である。
【符号の説明】
20 カップ
21 被計量物品
33 載台
48 第1の昇降台
49−1〜49−4 第1の計量器
50 第2の昇降台
55 載台
59 第3の昇降台
61 投入ステージ
62−1〜62−4 第2の計量器
63 滞留コンベア
66 移送コンベア
67 固定台
70 空カップ用プッシャー
82 搬送面
Claims (6)
- 被計量物品を受け入れる受入れ手段と、この受入れ手段により受け入れた被計量物品を第1の昇降台上に送り出す送り出し手段と、載台を有しこの載台に載置された上記被計量物品の重量を計量する第1の計量手段と、上記第1の昇降台を有しこの第1の昇降台が上昇位置と下降位置との間で昇降駆動され第1の昇降台が上記上昇位置の状態で上記送り出し手段により送り出されてくる上記被計量物品を受入れ可能であり、第1の昇降台が上記下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上の被計量物品を上記受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の被計量物品を下記ステージ上の被計量物品及び上記受入れ手段上の被計量物品と非接触の状態にして第1の計量手段の上記載台上に乗せ換える第1の昇降手段と、第1の昇降手段の後段に設けてあり上記送り出し手段によって順次送り出されてくる第1の昇降台上の被計量物品を受け入れてこれら受け入れた各被計量物品が互いに前後方向に接触した状態で搬送されるステージと、を具備することを特徴とする計量装置。
- 請求項1に記載の計量装置において、第1の昇降台が上記上昇位置にある状態で第1の計量手段の零点を移動させて零点補正する零点補正手段を設けたことを特徴とする計量装置。
- 被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に搬送する供給手段と、この供給手段の後段に設けられている載台を有しこの載台に載置された各被計量物品の重量を計量する第2の計量手段と、第2の昇降台を有しこの第2の昇降台が上昇位置と下降位置との間で昇降駆動され第2の昇降台が上記上昇位置の状態で上記供給手段により搬送されてくる上記被計量物品を受入れ可能であり、第2の昇降台が上記下降位置に向かって下降する際に第2の昇降台上の被計量物品を上記供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動してこの第2の昇降台上の被計量物品を上記載台上に乗せ換える第2の昇降手段と、を具備することを特徴とする計量装置。
- 被計量物品をその前後方向に互いに接触させた状態で移動と停止を繰り返して前方に搬送する供給手段と、この供給手段の後段に設けられている載台を有しこの載台に載置された各被計量物品の重量を計量する第2の計量手段と、この第2の計量手段により計量された計量済み物品を排出する排出手段と、第2の昇降台と第3の昇降台を有しこの第2及び第3の昇降台が上昇位置と下降位置との間で同期して昇降駆動され第2の昇降台が上昇位置の状態で上記供給手段により搬送されてくる上記被計量物品を受入れ可能であり、第2の昇降台が下降位置に向かって下降する際にこの第2の昇降台上の被計量物品を上記供給手段上の後続の被計量物品と引き離す方向に移動してこの第2の昇降台上の被計量物品を上記載台上に乗せ換えることができ、第3の昇降台が上昇位置の状態で上記供給手段により押し進められてくる第2の昇降台上の上記計量済み物品を受入れ可能であり、第3の昇降台が下降位置に向かって下降する際にこの第3の昇降台上の計量済み物品を第2の計量手段の載台上の被計量物品と引き離す方向に移動すると共に当該計量済み物品を上記排出手段上に乗せ換えることができる第2の昇降手段と、を具備することを特徴とする計量装置。
- 請求項3又は4に記載の計量装置において、第2の昇降台が上記上昇位置にある状態で上記第2の計量手段の零点を移動させて零点補正する零点補正手段を設けたことを特徴とする計量装置。
- 空の物品保持手段を受け入れる受入れ手段と、この受入れ手段により受け入れた物品保持手段を第1の昇降台上に送り出す送り出し手段と、載台を有しこの載台に載置された空の上記物品保持手段の重量を計量する第1の計量手段と、上記第1の昇降台を有しこの第1の昇降台が上昇位置と下降位置との間で昇降駆動され第1の昇降台が上記上昇位置の状態で上記送り出し手段により送り出されてくる上記物品保持手段を受入れ可能であり、第1の昇降台が上記下降位置に向かって下降する際に第1の昇降台上の物品保持手段を上記受入れ手段に接近させる方向に移動して第1の昇降台上の物品保持手段を下記投入ステージ上の物品保持手段及び上記受入れ手段上の物品保持手段と非接触の状態にして第1の計量手段の上記載台上に乗せ換える第1の昇降手段と、第1の昇降手段の後段に設けてあり上記送り出し手段によって順次送り出されてくる第1の昇降台上の物品保持手段を受け入れてこれら受け入れた各物品保持手段が互いに前後方向に接触した状態で搬送されこの搬送の途中で当該各物品保持手段に被計量物品を投入するための投入ステージと、この投入ステージの後段に設けてあり上記送り出し手段によって順次送り出されてくる被計量物品の投入された上記物品保持手段を受け入れて当該物品保持手段と当該物品保持手段に投入されている被計量物品の合計重量を計量する第2の計量手段と、を具備することを特徴とする計量装置。
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