JP3625731B2 - 角型電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は角型電池にかかり、特にニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池などの正極板と負極板とをセパレータを介して積層した極板群を備えた角型電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、正極板と負極板をセパレータを介して渦巻状に巻回した渦巻状電極群を備えた円筒型アルカリ蓄電池に代わり、電池使用機器内での体積効率を高めるために角型アルカリ蓄電池が開発されるようになった。この種の角型アルカリ蓄電池においては、正極板と負極板をセパレータを介して交互に積層した極板群を角型の外装缶内に挿入し、正極板より延出する正極リードを正極端子に接続し、負極板より延出する負極リードを負極端子に接続した後、電解液を注入し、開口部を封口体で封止して作製するようにしている。
【0003】
この種の角型アルカリ蓄電池は携帯電話、ノートブック型パーソナルコンピュータ等の携帯機器用電源としての需要が急速に拡大し、これに伴って、角型アルカリ蓄電池のさらなる高容量化、長寿命化が要求されるようになった。このため、この種の角型アルカリ蓄電池は、例えば、帯状の芯体を共通にしてその左右に2つの負極板を形成した後、その中央部(連結部)をU字状に折曲し、U字状に折曲された2つの負極板間にセパレータを介して正極板を挟持させた極板組の間にセパレータを介して正極板を積層して極板群とし、この極板群を電解液とともに角型外装缶内に挿入して製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した角型のアルカリ蓄電池のエネルギー密度をさらに増大させようとした場合、電池の充放電反応に関与しないセパレータを薄型にすれば、セパレータが薄くなった分だけ活物質の充填量を増加させることが可能となって高エネルギー密度で高容量の電池が得られるようになる。
しかしながら、高エネルギー密度で高容量な電池とするために、セパレータを薄型にすればするほどセパレータの機械的強度が減少し、内部短絡が発生するようになるので、セパレータの薄型化には限界があった。
【0005】
ここで、例えば、図5に示すように、中央の折曲部(連結部)23でU字状に折曲された2つの負極板24,25間にセパレータ30,30を介して正極板10Dを挟持させて極板組とし、これらの2つ極板組の間にセパレータ30,30を介して正極板10Dを積層して極板群とし、この極板群を電解液とともに角型外装缶内に挿入して角型アルカリ蓄電池を形成すると、セパレータ30は6枚が必要となる。
【0006】
ところが、セパレータを薄型化する代わりに電池内に配置するセパレータの枚数を減少させ、セパレータが減少した分だけ極板の厚みを増大させて活物質の充填量を増加させると、図6に示すように、中央の折曲部(連結部)23でU字状に折曲された2つの負極板26,27間にセパレータ30,30を介して厚みの厚い正極板10Eを挟持させて極板組とし、これらの2つ極板組を積層して極板群として、この極板群を電解液とともに角型外装缶内に挿入して角型アルカリ蓄電池を形成すると、セパレータは4枚だけで済むようになる。
【0007】
このように、セパレータを薄型化する代わりに電池内に配置するセパレータの枚数を減少させれば、セパレータの挿入枚数が減少した分だけ極板の厚みを増加させて活物質の充填量を増加させることが可能となるので、高エネルギー密度で高容量の電池が得られるようになる。
【0008】
しかしながら、活物質を高密度に充填して、厚みが厚い極板を作製することは困難であるという問題を生じた。また、三次元網目構造の多孔性基板(発泡ニッケルなど)を極板芯体として用いて極板を製造する場合、極板芯体自体の厚みを厚くすることが困難であるという問題も生じた。
そこで、本発明は前記実情にかんがみてなされたもので、極板の製造が容易であるとともに活物質の充填密度および体積エネルギー密度が大きい角型アルカリ蓄電池を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の角型アルカリ蓄電池の極板群は、極板芯体からなる連結部の両側に一対の一方極の極板が形成されているとともに、該連結部がU字状に折曲されており、前記連結部にてU字状に折曲された一方極の一対の極板間にセパレータを介して他方極の複数の極板よりなる複合極板が挟持されて極板組が形成されているとともに、該極板組の複数組がセパレータを介することなく直接積層されて電極群が形成されており、前記複数の極板よりなる複合極板の各極板は金属多孔体からなる極板芯体に活物質が充填されて形成されていて、該各極板の少なくとも1つは該複合極板より延出して集電リード板が固着されており、前記電極群の最外側に配置された前記一方極の極板は前記金属外装缶の内側面に緊密に接触するとともに前記連結部が前記金属外装缶の内底面に緊密に接触するように前記電極群が前記金属外装缶に収容されている。このような極板群構成であると、極板組間にはセパレータを配置する必要が無くなるため、極板群内のセパレータの枚数を減少させることが可能となる。
【0010】
そして、極板群内のセパレータの枚数を減少させると、セパレータの枚数を減少させた分だけ他方極および一方極の極板の厚みを増すことが可能になるが、極板の厚みを増加させる代わりに極板の枚数を増加させることにより、1枚当たりの極板の厚みを薄くすることが可能となる。この結果、活物質を高密度に充填することが可能になるとともに、三次元網目構造の多孔性基板(発泡ニッケルなど)を極板芯体として用いることも可能となり、極板の体積エネルギー密度が向上して、高容量の角型アルカリ蓄電池が得られるようになる。
【0011】
また、複合極板の各極板の少なくとも1つは該複合極板より延出して集電リード板が固着されており、この集電リード板の固着面がセパレータに接しないように配置されていると、集電リード板の形成時に生じたバリ等に起因して発生するセパレータ貫通による短絡を防止できるようになる。そして、複合極板の各極板にそれぞれ集電リード板を設ける場合、これらの溶接面同士を対向させて、その反対側をセパレータに接するようにすれば、セパレータ貫通による短絡を防止できるようになる。
【0012】
また、複合極板の各極板間に1つの集電リード板が固着されており、この集電リード板により複合極板の各極板からの集電がなされるようにすると、集電リード板の固着面がセパレータと接しないように配置されることとなるので、セパレータ貫通による短絡を防止できるようになるとともに、集電リード板の個数を減らすことが可能となる。
【0013】
さらに、一方極の各極板間にはこれらの各極板の極板芯体からなる連結部が一体的に形成されているとともに、この連結部が略U字状に折曲されていると、略U字状に折曲された一方極の各極板間にセパレータを介して複合極板を配置するだけで極板組が容易に構成できるようになるため、この種の極板群の構成が容易となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をニッケル−水素蓄電池に適用した場合の一実施形態を図に基づいて説明する。
なお、図1は第1実施例の複合正極板を示す図であり、図1(a)は2枚の正極板をずらして重ね合わせた状態を示す図であり、図1(b)はその側面を示す図である。図2は第2実施例の複合正極板を示す図であり、図2(a)は2枚の正極板をずらして重ね合わせた状態を示す図であり、図2(b)はその側面を示す図である。図3は第3実施例の複合正極板を示す図であり、図3(a)は3枚の正極板をずらして重ね合わせた状態を示す図であり、図3(b)はその側面を示す図である。また、図4は本発明の各実施例の極板群を示す断面図であり、図5は第1比較例の極板群を示す図であり、図6は第2比較例の極板群を示す図である。
【0029】
1.複合正極板の作製
(1)実施例1
発泡ニッケル等よりなる三次元的に連続する空間を有する金属多孔体(例えば、厚みが1.2mmのもの)よりなる芯体に水酸化ニッケルを主成分とする活物質スラリーを充填し、乾燥した後、所定の厚み(例えば、0.63mm)になるように圧延して第1のニッケル正極板11および第2のニッケル正極板12を作製した。
【0030】
ついで、第1のニッケル正極板11および第2のニッケル正極板12の上端部に充填された活物質の一部を除去して活物質の剥離部をそれぞれ形成した後、これらの剥離部に第1の集電リード板11aあるいは第2の集電リード板12aをそれぞれ溶接して固着した。この後、図1(なお、図1(a)は両極板をずらして配置(極板完成時には完全に重なった状態となっている)した状態を示す正面図であり、図1(b)はその側面図である)に示すように、第1の集電リード板11aと第2の集電リード板12aとがそれぞれ対向するようにして、第1のニッケル正極板11の上に第2のニッケル正極板12を重ね合わせて実施例1の複合正極板10Aを作製した。
【0031】
なお、水酸化ニッケルを主成分とする活物質スラリーとしては、例えば、共沈成分として亜鉛2.5重量%とコバルト1重量%を含有する水酸化ニッケル粉末10重量部と、酸化亜鉛粉末3重量部との混合粉末に、ヒドロキシプロピルセルロースの0.2重量%水溶液を加えて撹拌、混合したものを使用した。以下、同様に、水酸化ニッケルを主成分とする活物質スラリーはこの方法で作成したものを使用した。
【0032】
(2)実施例2
発泡ニッケル等よりなる三次元的に連続する空間を有する金属多孔体(例えば、厚みが1.2mmのもの)よりなる芯体に水酸化ニッケルを主成分とする活物質スラリーを充填し、乾燥した後、所定の厚み(例えば、0.63mm)になるように圧延して第1のニッケル正極板13および第2のニッケル正極板14を作製した。
【0033】
ついで、第2のニッケル正極板14の上端部に充填された活物質の一部を除去して活物質の剥離部を形成した後、この剥離部に集電リード板14aを溶接して固着した。この後、図2(なお、図2(a)は両極板をずらして配置(極板完成時には完全に重なった状態となっている)した状態を示す正面図であり、図2(b)はその側面図である)に示すように、第2のニッケル正極板14の集電リード板14aが第1のニッケル正極板13に対向するようにして、第1のニッケル正極板13の上に第2のニッケル正極板14を重ね合わせた後、固着して実施例2の複合正極板10Bを作製した。
【0034】
(3)比較例1
発泡ニッケル等よりなる三次元的に連続する空間を有する金属多孔体(例えば、厚みが1.5mmのもの)よりなる芯体に水酸化ニッケルを主成分とする活物質スラリーを充填し、乾燥した後、所定の厚み(例えば、0.83mm)になるように圧延してニッケル正極板を作製した。ついで、ニッケル正極板の上端部に充填された活物質の一部を除去して活物質の剥離部を形成した後、この剥離部に集電リード板を溶接して比較例1の正極板10Dを作製した。
【0035】
(4)比較例2
発泡ニッケル等よりなる三次元的に連続する空間を有する金属多孔体(例えば、厚みが2.2mmのもの)よりなる芯体に水酸化ニッケルを主成分とする活物質スラリーを充填し、乾燥した後、所定の厚み(例えば、1.29mm)になるように圧延してニッケル正極板を作製した。ついで、ニッケル正極板の上端部に充填された活物質の一部を除去して活物質の剥離部を形成した後、この剥離部に集電リード板を溶接して比較例2の正極板10Eを作製した。
【0036】
2.連結負極板の作製
Ti−Ni系あるいはLa(もしくはMm)−Ni系の多元合金、例えば、MmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6合金よりなる水素吸蔵合金粉末に結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末を水素吸蔵合金粉末に対して5重量%加えて混練して、負極活物質ペーストを作製した。この負極活物質ペーストを、パンチングメタル等からなる金属芯体にその中央部(連結部)23が露出するように左右両側に塗着した後、両面から加圧して中央部(連結部)23で接続された2個の水素吸蔵合金負極板21,22(24,25あるいは26,27)からなる連結負極板20A(20B,20C)を作製した。
なお、上述した各実施例および比較例で作製した正極板と負極板の容量比が同一となるように、負極活物質ペーストの各々調整した。
【0037】
3.電極群の作製
(1)実施例1〜2
上述のように作製した2個の水素吸蔵合金負極板21,22からなる連結負極板20Aの中央部(連結部)23をそれぞれU字状に折曲した後、厚み0.15mmのポリプロピレン製不織布からなるセパレータ30を介して上述のように作製した各複合正極板10Aおよび10Bをそれぞれ挟持させて、極板組を作製した(図4参照)。このように作製した極板組をそれぞれ2組づつ用意し、これらの2組の極板組をそれぞれ積層して、実施例1〜2の極板群を作製した。なお、実施例1の複合正極板10Aを用いた極板群を実施例1の極板群Aとし、実施例2の複合正極板10Bを用いた極板群を実施例2の極板群Bとした。
【0038】
(2)比較例1
上述のように作製した2個の水素吸蔵合金負極板24,25からなる連結負極板20Bの中央部(連結部)23をそれぞれU字状に折曲した後、厚み0.15mmのポリプロピレン製不織布からなるセパレータ30を介して上述のように作製した正極板10Dを挟持させて極板組を作製した。このように作製した極板組をそれぞれ2組づつ用意し、これらの2組の極板組を積層して、比較例1の極板群Dを作製した。
【0039】
(3)比較例2
上述のように作製した2個の水素吸蔵合金負極板26,27からなる連結負極板20Cの中央部(連結部)23をそれぞれU字状に折曲した後、厚み0.15mmのポリプロピレン製不織布からなるセパレータ30を介して上述のように作製した正極板10Eを挟持させて極板組を作製した。このように作製した極板組をそれぞれ2組づつ用意し、これらの2組の極板組を積層して、比較例2の極板群Eを作製した。
【0040】
なお、上述のようにして作製された極板群の各実施例1〜2の複合正極板10A,10Bおよび各比較例1,2の正極板10D,10Eの極板厚み、正極活物質密度、正極活物質量および各負極活物質量を測定すると、下記の表1に示すような結果となった。
【0041】
【表1】
【0042】
なお、上記表1において、比較例1の極板群Dの正極板10Dの極板厚み、正極活物質密度、正極活物質量および連結負極板20Bの各水素吸蔵合金負極板24,25の負極活物質量をそれぞれ100として算出した。また、各複合正極板10A,10Bの極板厚みにおいては各ニッケル正極板11(12),13(14)のそれぞれの厚みを求めた値である。
上記表1より明らかなように、各実施例1〜2の複合正極板10A,10Bは厚みを低減できたことから、高密度化が可能となることが分かる。
【0043】
4.角型ニッケル−水素蓄電池の作製
上述のように作製した各極板群A,B,D,Eをそれぞれ有底角型の金属外装缶内に挿入し、各極板群A,B,D,Eの両端部の水素吸蔵合金負極板22(25あるいは27)と金属外装缶の内側面とを緊密に接触させるとともに、金属芯体が露出した中央部(連結部)23が金属外装缶の内底面に緊密に接触させる。ついで、これらの各金属外装缶内にそれぞれ30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる電解液を注液することにより、B1サイズ(幅17.0mm、高さ48.0mm、厚み6.1mm)の角型ニッケル−水素蓄電池A,B,D,Eをそれぞれ作製した。
【0044】
なお、実施例1の極板群Aを用いた角型ニッケル−水素蓄電池を実施例1の電池Aとし、実施例2の極板群Bを用いた角型ニッケル−水素蓄電池を実施例2の電池Bとし、比較例1の極板群Dを用いた角型ニッケル−水素蓄電池を比較例1の電池Dとし、比較例2の極板群Eを用いた角型ニッケル−水素蓄電池を比較例2の電池Eとした。
【0045】
5.放電容量試験
上述のように作製した各電池A,B,D,Eを0.1C(60mA)の充電々流で16時間充電した後、1時間休止させる。その後、0.2C(120mA)の放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させた後、1時間休止させる。この充放電を室温で5サイクル繰り返して、各角型ニッケル−水素蓄電池A,B,D,Eを活性化した。
【0046】
ついで、上述のように活性化した各角型ニッケル−水素蓄電池A,B,D,Eを、0.1C(60mA)の充電々流で16時間充電した後、1時間休止させる。その後、0.2C(120mA)の放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させたときの放電時間より放電容量を求め、比較例1の電池Dの放電容量を100とした場合の容量比を求めると、下記の表2に示すような結果が得られた。
【0047】
【表2】
【0048】
なお、上記表2より明らかなように、比較例1の電池Dと比較例2の電池Eとを比較すると、比較例2の電池の方が放電容量が大きいことが分かる。これは、連結負極板20Aの各水素吸蔵合金負極板21,22の間に正極板10Eを挟持させた2つの極板組を積層して極板群を形成した方が、2つの極板組間にセパレータ30を介して正極板10Dを積層するより、セパレータ30の使用枚数を減少させることが可能となるため、その分、正極板10Eおよび負極板26,27の厚みを増加させることができ、放電容量が増加したためである。
【0049】
また、実施例1〜2の各電池A,Bと比較例2の電池Eとを比較すると、実施例1〜2の各電池A,Bの方が放電容量が大きいことが分かる。これは、セパレータ30の使用枚数が同じであっても、実施例1〜2の各電池A,Bは、複合正極板10A,10Bを用いたことにより、各正極板11,12(13,14)の活物質の充填密度が増加し、各正極板11,12(13,14)に充填される活物質量が増大したためである。
【0050】
6.変形例
上述した各実施例においては、2枚の正極板を用いて複合極板とする例について説明したが、本発明の複合極板は2枚に限られることはなく、3枚でも、4枚でも複合させることが可能である。ついで、図3(なお、図3(a)は3枚の極板をずらして配置(極板完成時には完全に重なった状態となっている)した状態を示す正面図であり、図3(b)はその側面図である)に基づいて本変形例の複合極板を説明する。
【0051】
まず、発泡ニッケル等よりなる三次元的に連続する空間を有する金属多孔体(例えば、厚みが0.8mmのもの)よりなる芯体に水酸化ニッケルを主成分とする活物質スラリーを充填し、乾燥した後、所定の厚み(例えば、0.42mm)になるように圧延して第1のニッケル正極板15、第2のニッケル正極板16および第3のニッケル正極板17をそれぞれ作製した。
【0052】
ついで、第1のニッケル正極板15および第3のニッケル正極板17の上端部に充填された活物質の一部をそれぞれ除去して活物質の剥離部を形成した後、これらの剥離部に第1の集電リード板15aあるいは第2の集電リード板17aをそれぞれ溶接して固着した。この後、図3に示すように、第1のニッケル正極板15の第1の集電リード板15aと第2のニッケル正極板16とが対向するとともに、第2のニッケル正極板16と第3のニッケル正極板17の第2の集電リード板17aとが対向するようにして、第1のニッケル正極板15の上に第2のニッケル正極板16および第3のニッケル正極板17を重ね合わせた後、固着して変形例の複合正極板10Cを作製した。
【0053】
一方、上述のように作製した2個の水素吸蔵合金負極板21,22からなる連結負極板20Aの中央部(連結部)23をそれぞれU字状に折曲した後、厚み0.15mmのポリプロピレン製不織布からなるセパレータ30を介して上述のように作製した複合正極板10Cを挟持させて、極板組を作製した。このように作製した極板組をそれぞれ2組づつ用意し、これらの2組の極板組をそれぞれ積層して、変形例の極板群Cを作製した。
【0054】
この極板群Cを有底角型の金属外装缶内に挿入し、極板群Cの両端部の水素吸蔵合金負極板22と金属外装缶の内側面とを緊密に接触させるとともに、金属芯体が露出した中央部(連結部)23が金属外装缶の内底面に緊密に接触させる。ついで、金属外装缶内に30重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる電解液を注液することにより、B1サイズ(幅17.0mm、高さ48.0mm、厚み6.1mm)の角型ニッケル−水素蓄電池Cを作製した。
【0055】
7.集電リード板の取付位置の検討
ついで、複合正極板より延出して固着された集電リード板の取付位置と短絡の発生具合との関係を検討した。上述した実施例1〜2の各電池A,Bおよび変形例の電池Cの他に、新たに、実施例1と同様なニッケル正極板11,12に溶接された集電リード板11a,12aが互いに対向しないように重ね合わせて作製した比較例3の複合正極板10F(図示せず)を用いた比較例3の電池Fと、実施例2と同様なニッケル正極板14に溶接された集電リード板14aがニッケル正極板13に対向しないように重ね合わせて作製した比較例4の複合正極板10G(図示せず)を用いた比較例4の電池Fとを作製した。これらの実施例1〜2の各電池A,Bと、変形例の電池Cと、比較例3の電池Fと、比較例4の電池Gとをそれぞれ1000個ずつ用意し、これらの各電池A,B,C,D,E,F,Gの内部抵抗を測定して短絡率を求めると下記の表3に示すような結果となった。
【0056】
【表3】
【0057】
上記表3から明らかなように、実施例1〜2の各電池A,Bおよび変形例の電池Cにおいては短絡は発生しなかったが、比較例3の電池Fにあっては7個(0.7%)の電池に短絡が発生し、比較例4の電池Gにあっては3個(0.3%)の電池に短絡が発生した。これは、比較例4の電池Gの複合正極板10Gは集電リード板14aのみが片面のセパレータに接触しているため、この集電リード板14aの製造時に生じたバリによりセパレータ貫通が生じて短絡したためである。一方、比較例3の電池Fの複合正極板10Fは集電リード板11a,12aのそれぞれがセパレータに接触しているため、これらの集電リード板11a,12aの製造時に生じたバリにより複合正極板10Fの片面または両面のセパレータにセパレータ貫通が生じて短絡したためである。
【0058】
なお、極板芯体として金属多孔体を用いた場合、この極板芯体の厚さは、0.5−3mm程度が望ましく、さらに望ましくは1−2.5mm程度である。例えば極板芯体として発泡ニッケルを用いた場合について考える。まず、厚くなりすぎると、活物質を充填して圧延する際、均一な圧延が不可能であるという問題がある。さらに単位面積当たり重量一定で、厚くした場合は、厚くなりすぎると、芯体骨格部が細くなり、強度が低下してしまう。あるいは活物質から集電体としての芯体までの距離が長くなり、反応性が低下するという問題がある。さらにまた、単位面積当たり重量一定という条件なしに、厚くした場合、芯体重量が増加するため軽量極板が作製できない。あるいはポア数が多くなりすぎるために、各ポアに均一に活物質を充填できないという問題がある。
【0059】
さらにまた極板芯体については厚さのみならず、開口率の観点から、単位面積当たりの重量を200g/m2〜1000g/m2とするのが望ましい。さらに望ましくは300g/m2〜600g/m2とするのが望ましい。つまり、極板芯体は、活物質を十分に含有でき、かつ集電体として十分に機能できるようにするように形成する必要がある。
【0060】
また、セパレータの厚さは0.05−0.3mmさらに望ましくは0.07−0.2mmである。
さらに、前記複合極板は隣接する2枚の極板間の一端縁に挟持された集電リードを介して固着されており、固着面は活物質が除去され極板芯体が露呈しており、前記極板芯体と前記集電リードとの固着によって接続されているため、厚さを大幅に増大することなく、電極面積を最大限に大きく利用する事が可能となる。
【0061】
このように、本発明によれば、最適の条件で極板芯体の厚さを決定し、これを積層構造体として使用することにより、必要な厚さの極板を得ることができる。したがって、製造が容易で体積エネルギー密度の大きい角型電池を提供することが可能となる。
【0063】
【発明の効果】
上述したように、本発明の極板群においては、極板群内に配置されるセパレータの枚数を低減することが可能となるため、その分、極板の厚みを増加させることが可能になり、高容量の電池が得られるようになる。また、極板の厚みを増加させる手段として、厚みが薄い複数の極板からなる複合極板を使用するようにしているので、各極板に充填される活物質の充填密度を高くすることが可能となるため、高エネルギー密度で、高容量の角型アルカリ蓄電池を得ることが可能となる。
【0064】
なお、上述した実施形態においては、本発明をニッケル−水素蓄電池に適用する例について説明したが、ニッケル−水素蓄電池に限らず、ニッケル−カドミウム蓄電池など他の角型電池に本発明を適用しても同様な効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の複合正極板を示す図であり、図1(a)は2枚の正極板をずらして重ね合わせた状態を示す図であり、図1(b)はその側面を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例の複合正極板を示す図であり、図2(a)は2枚の正極板をずらして重ね合わせた状態を示す図であり、図2(b)はその側面を示す図である。
【図3】本発明の変形例の複合正極板を示す図であり、図3(a)は3枚の正極板をずらして重ね合わせた状態を示す図であり、図3(b)はその側面を示す図である。
【図4】本発明の極板群を示す図である。
【図5】 従来例(第1比較例)の極板群を示す図である。
【図6】 他の従来例(第2比較例)の極板群を示す図である。
【符号の説明】
10A,10B,10C…複合正極板、11…第1のニッケル正極板、11a…第1の集電リード板、12…第2のニッケル正極板、12a…第2の集電リード板、13…第1のニッケル正極板、14…第2のニッケル正極板、14a…集電リード板、15…第1のニッケル正極板、15a…第1の集電リード板、16…第2のニッケル正極板、17…第3のニッケル正極板、17a…第2の集電リード板、20A…連結負極板、21,22…水素吸蔵合金負極板、23…連結部
Claims (5)
- 一方極の極板と他方極の極板がセパレータを介して積層された極板群が角型の金属外装缶内に収容された角型電池であって、
極板芯体からなる連結部の両側に一対の一方極の極板が形成されているとともに、該連結部がU字状に折曲されており、
前記連結部にてU字状に折曲された前記一方極の一対の極板間にセパレータを介して他方極の複数の極板よりなる複合極板が挟持されて極板組が形成されているとともに、該極板組の複数組がセパレータを介することなく直接積層されて電極群が形成されており、
前記複数の極板よりなる複合極板の各極板は金属多孔体からなる極板芯体に活物質が充填されて形成されていて、該各極板の少なくとも1つは該複合極板より延出して集電リード板が固着されており、
前記電極群の最外側に配置された前記一方極の極板は前記金属外装缶の内側面に緊密に接触するとともに前記連結部が前記金属外装缶の内底面に緊密に接触するように前記電極群が前記金属外装缶に収容されていることを特徴とする角型電池。 - 前記集電リード板は活物質が除去されて前記金属多孔体からなる極板芯体が露呈した剥離部に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の角型電池。
- 前記金属多孔体は発泡ニッケルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の角型電池。
- 前記複合極板は正極を構成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の角型電池。
- 前記一方極の極板はパンチメタルからなる金属芯体の前記連結部を除く両面に活物質ペーストを塗布してなるものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の角型電池。
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