JP3625447B2 - 結腸洗浄器 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は結腸洗浄器に係り、より詳しくは結腸癌や憩室炎のような左側結腸の閉鎖性疾患に対する手術を行う時に特に大腸に存在する内容物を容易に洗浄することができ、疾患部位を確認することができる内視鏡などの使用を可能にした結腸洗浄器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、結腸癌や憩室炎のような左側結腸の閉鎖性疾患の患者を治療する方法としては２段階、３段階及び１段階手術法が知られている。
【０００３】
前記１段階手術法としては全結腸切除術と手術中結腸洗浄法が行われているが、前者の場合は手術後に頻便、便失禁症または後で発生することがある腸閉塞症の合併症に関する問題があり、後者の場合は手術中創傷感染の可能性が前者より高く、検査されていない近位部結腸で腫瘍が発生する恐れがあり、縫合部位の安定性において回腸直腸より劣るという短所がある。
【０００４】
従って、上記のような施術は経験が多く熟練した者が行わなければならず施術時間が長くなるという問題点があるが、一度の開腹手術を避けることができるという大きな長所を有しているのでこの方法で手術を行う傾向にある。
【０００５】
他の陽性疾患よりＳ状結腸及び直腸癌によって左側大腸が閉鎖される疾患が増加しており、このような疾患を有している患者は直腸全体あるいは直腸の一部を切除するようになる。
【０００６】
しかし、大腸を切除する場合には合併症が発生する恐れがあるので、手術中に結腸洗浄を行うことが合併症の誘発を防止することができる良い方法である。
【０００７】
手術中に結腸を洗浄する方法は上記のような長所を有するが、手術に多くの人員及び時間が要求され、手術時までは近位腸管内に存在する同時性腫瘍の診断が不可能であるということが短所として指摘されている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような従来の技術の問題点を解決するために発明されたものであって、本発明の目的は、左側結腸の閉鎖を同伴した急性あるいは慢性疾患（癌、憩室炎など）患者の手術に適切に用いることができ、創傷感染の危険がなく迅速且つ簡便で手術中に大腸内視鏡検査も行うことができる結腸洗浄器を提供することにある。
【０００９】
また、洗浄管や内視鏡などを用いて施術する場合、洗浄管や内視鏡などが流動することを防止することができる結腸洗浄器を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
前記のような目的を達成するために、本発明は、内部に中空が形成され、腸管の切開部に挿入可能な本体と、前記本体の一側面に突出形成されて前記本体とその内部が連通することによって、洗浄管あるいは内視鏡が選択的に挿入される分枝管と、前記本体の先端部に装着され前記本体の延長部を前記腸管の切開部に１次的に固定する締めリングと、前記締めリングの後方に所定距離だけ離隔され、前記延長部にねじ結合されて回転時に前記腸管の切開部の縁を前記延長部に加圧して２次的に固定する締めナットとを含み、前記本体が前記腸管の切開部に挿入される場合に前記本体を腸管の切開部に固定させる締め手段と、前記分枝管の内部に装着され、洗浄管あるいは内視鏡が挿入される場合に前記腸管の内容物が前記分枝管を通じて逆流することを防止する逆流防止手段とを含む結腸洗浄器を提供する。
【００１２】
本発明の好ましい一実施例によると、前記締めナットは環状で、その内周面に雌ねじが形成されて前記本体の外周に形成された雄ねじ部にねじ結合されることによって回転時に前後方に移動可能であり、前記締めナットの先端部の内面には加圧部が形成されて、前方に移動する場合に前記延長部の外部面に突出した突起に接触した前記腸管の切開部の縁を加圧して固定する。
【００１３】
そして、前記逆流防止手段は内部に切開部が各々形成される二つの第１バルブと、前記第１バルブから所定の距離離隔されその中間部に前記洗浄管あるいは内視鏡が選択的に挿入可能な円形ホールが形成される第２バルブと、前記第１バルブの前方に装着されて外部感染を防止するビニルラップとを含む。
【００１４】
前記第１バルブはシリコン材質を有することによって所定の弾力性があり、前記洗浄管あるいは内視鏡が選択的に前記切開部を通過する場合にその外周面に密着することによって腸管内容物の逆流を防止する。
【００１５】
前記第１バルブを前記分枝管の内部に固定させるコネクタと、前記第２バルブを前記コネクタの内部に固定させ、前記洗浄管あるいは内視鏡を支持して揺動を防止するガイドとからなる固定手段をさらに含む。
【００１６】
前記分枝管の所定の位置には使用時に引き伸ばすことができる消毒用ビニルパックが装着されて前記分枝管を包んでいる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例による結腸洗浄器を詳細に説明する。
【００１８】
図１は本発明による結腸洗浄器の斜視図であり、図２は図１に示した洗浄器の縦断面図であって、前記洗浄器はほぼ円筒形状の本体２と、この本体２から後方に一定の角度を有して延長する分枝管（ｂｒａｎｃｈ ｔｕｂｅ）４と、そして前記本体２の先端部に腸管３（図７）を締めて腸管３の内部の内容物が流出しないようにする締め手段６とを含む。
【００１９】
前記本体２は前側に延長部１０が形成されて腸管３の切開部５を通じて腸管３の内部に挿入され、後側には前記腸管３の内部から排出される腸管３内容物及び洗浄液を外部に排出させるための排出管４６が連結される。
【００２０】
このような本体２の前側は腸管３がかぶせられる時に別途の締めリング８などを通じて腸管３の外側部分を密着させるための延長部１０が形成され、この延長部１０には締めリング８を引き締める時に流動しないようにする突起１２が形成される。
【００２１】
前記締めリング８は、腸管３の切開部５が延長部１０の外側にかぶせられる時、前記腸管３の外部を引き締めることによって前記結腸洗浄器が腸管３に確かに固定されるようにする。
【００２２】
そして、この締めリング８と隣接して後方側には前記締め手段６が提供され、この締め手段６は本体２の外周に形成された雄ねじ部１４とこの雄ねじ部１４にねじ結合される締めナット１６とを含む。
【００２３】
前記締めナット１６は環状でその内周面に雌ネジが形成されており、先端側は内径が拡張されて延長部１０と締め手段６との境界部分に形成された他の突起１８の外周を加圧するための加圧部１９が形成される。
【００２４】
従って、図７に示すように、前記締めナット１６の回転時、前方に移動することによって延長部１０にかぶせられた腸管３の切開部５を加圧する。
【００２５】
結果的に、腸管３の切開部５は１次的に締めリング８によって固定され、切開部５の縁は前記締めナット１６によって２次的に押される。
【００２６】
一方、前記分枝管４は本体２と内部が通じる状態で延長形成されることによって、この分枝管４を通じて洗浄管または内視鏡４０を挿入するとこの本体２に連結される腸管３まで洗浄管または内視鏡４０が進入することができる。
【００２７】
このように洗浄管または内視鏡４０が進入する時に進入が容易に行われるように前記分枝管４は本体２に対して後方側に傾いた状態で延長形成され、この分枝管４は本体２と一体に形成されたり別途に製作されて結合されることができる。
【００２８】
前記分枝管４の内側には洗浄管や内視鏡４０などが挿入される時または挿入された状態でこれらの流動を防止するための手段として内側に突出した内向フランジ２０が提供される。
【００２９】
この内向フランジ２０は内視鏡４０や洗浄管の揺動を防止することができる適当な直径を有し、この内向フランジ２０の外側にはビニルラップ２９が装着される。前記ビニルラップ２９は後述の逆流防止手段３２を装着する前に腸管３から内容物が分枝管４を通じて外部に流出されることを防止する。それと同時に、前記ビニルラップ２９は前記分枝管４が外部汚染源から感染することを防止する機能を果たす。このようなビニルラップ２９は洗浄管４０が前記分枝管４の内部に挿入される時に前記洗浄管４０の加圧によって破裂するので洗浄管４０が容易に挿入できる。
【００３０】
前記ビニルラップ２９の外側には本体２の内部にある内容物が外部に流出することを防止するための逆流防止手段３２が２ケ所に提供される。
【００３１】
これらそれぞれの逆流防止手段３２は図３及び図４に示した通りである。即ち、第１逆流防止手段２２は２つのバルブ体２２ａ、２２ｂを有し、これらバルブ体２２ａ、２２ｂはシリコン等で製作され、中央部分に切開部２２ｃが形成されてこの切開部２２ｃを通じて内視鏡や洗浄管４０などが進入することができるように構成される。
【００３２】
前記切開部２２ｃはバルブ体２２ａ、２２ｂの中央部分でほぼ“Ｙ”字形状に等分された位置に各々裂けることができ、これらは互いに重なった状態で設置され、前記切開部２２ｃが互いに反対に位置するように置かれる。従って、内視鏡や洗浄管４０などが進入する場合、前記バルブ体２２ａ、２２ｂの裂けた部分が前記内視鏡や洗浄管４０などの外周面に密着することによって内容物が外部に流出することを防止することができる。
【００３３】
また、第２逆流防止手段２８は円形の単一バルブ体からなり、中央部に洗浄管や内視鏡４０が進入することができる大きさの孔３０が形成されている。
【００３４】
このような第１及び第２逆流防止手段２２、２８はコネクタ３３及びガイド３４を含む固定手段によって前記分枝管４に固定される。
【００３５】
即ち、前記第１逆流防止手段２２は分枝管４の終端部でコネクタ３３を通じて結合される。前記コネクタ３３は前記分枝管４の終端部に掛止嵌合方式あるいはねじ結合によって一体に結合され、この時、前記コネクタ３３は前記第１逆流防止手段２２を加圧することによって前記分枝管４の内部に固定される。
【００３６】
また、前記第２逆流防止手段２８はガイド３４によって前記コネクタ３３に結合される。即ち、前記ガイド３４は前記コネクタ３３の終端部に掛止嵌合方式あるいはねじ結合によって一体に結合され、この時、前記ガイド３４は前記第２逆流防止手段２８を加圧することによって前記コネクタ３３の内部に固定される。
【００３７】
そして、前記ガイド３４の内径は適切に縮少されて、洗浄管や内視鏡４０などの挿入時に外力によって揺れることを防止する。
【００３８】
一方、前記分枝管４の外部の所定位置には消毒用ビニルパック４９が備えられる。前記消毒用ビニルパック４９は内視鏡４０を前記分枝管４を通じて本体２内に挿入する時に周囲の汚染源によって汚染されることを防止する。また、前記消毒用ビニルパック４９は前記内視鏡あるいは洗浄管４０を腸管から引き出す場合にも腸管３の内容物が外部に流出したり人体の内部に流入することを防止する。このような消毒用ビニルパック４９は使用時に引き伸ばして前記分岐管４を通じて本体２内に挿入することができる構造を有する。
【００３９】
図６には前記洗浄管の断面図が示されている。図示されているように、前記洗浄管４０の端部は蓋２４及び内管２６で構成され、蓋２４及び内管２６には多数の孔４１が形成されている。従って、前記多数の孔４１を通じて洗浄液の速やかな注入が行われると共に必要によって腸に残留する液体を吸入することができる。
【００４０】
以下、添付図面に基づいて本発明の好ましい実施例による結腸洗浄器の使用方法をより詳細に説明する。
【００４１】
図２乃至図８に示すように、結腸洗浄器を用いる場合、まず、施術しようとする患者の膨張した近位部腸管３に洗浄器を挿入するための地点を選択し、この部位を圧迫して内容物を残りの腸管３に送った後、両側に腸管鉗子を適用して切開時に内容物の漏れを最少化する。
【００４２】
結腸洗浄器を挿入する前に収縮した腸管３を巾着縫合して円形切開し、この時、少しの漏液が排出されることがあるが、吸入器で簡単に処理することができる。
【００４３】
前記腸管３に形成された切開部５に腸管３洗浄器の本体２の延長部１０を挿入すると、切開部５が延長部１０の外周面に接触する。この状態で締めリング８を引き締めることによって前記切開部５を本体２の延長部１０に固定する。この時、前記切開部５の縁が突起１８に位置するようになり、締めナット１６を回転させて前方に移動させることにより締めナット１６の加圧部１９が前記切開部５の縁を加圧して固定するようになる。
【００４４】
前記状態で近位部腸管３の腸管鉗子を外すと、腸の内容物が本体２及び排出管４６を通じて外部に排出され、排出された内容物は別途の収集具に収集される。内容物の排出時に近位部腸管３を圧迫することによって殆どの内容物は外部に排出される。
【００４５】
同時に、洗浄管４０を通じて洗浄液を注入する。即ち、前記洗浄管４０を分枝管４に装着された逆流防止手段３２を通過させて本体２の内部に挿入する。この時、前記洗浄管４０は前記ガイド３４によって案内されるので外力によって揺れることが防止される。そして、前記洗浄管４０は第２逆流防止バルブ２８の孔３０及び第１逆流防止バルブ２２の切開部２２ｃを通過し、ビニルラップ２９を破裂させる。この時、切開部２２ｃが前記洗浄管４０の外周面に密着することによって腸管３の内部の内容物が前記分枝管４を通じて外部に排出されることが防止される。
【００４６】
前記洗浄管４０が盲腸まで挿入する間洗浄液を注入し続け、洗浄液は洗浄管４０の端部に形成されている複数の孔４１を通じて速かに注入される。
【００４７】
これによって腸管３内を洗浄液できれいに洗浄し、およそ必要な洗浄液は約１０，０００乃至２０，０００ｃｃ程度であり、排出液が澄んで排出されると洗浄を終了し、洗浄管４０を外部に取り出す。
【００４８】
その後、同じ方法で分枝管４に腸管内視鏡４０を挿入して近位部腸管に他の病巣、即ち、同時性癌やポリープ検査を行う。この時、前記分枝管４の周囲に消毒用ビニルパック４９をかぶせることによって腸管内視鏡４０の挿入時に周囲の汚染源から汚染されることを防止する。
【００４９】
腸管内視鏡４０検査結果、異常がある場合には腸管内視鏡４０を除去した後、腸管３を切除して病巣に対する手術を施行し、この時には腸内に内容物がないため手術視野が比較的に広いので根治術を施行するのに難しさがない。
【００５０】
一方、図９に示すように、前記結腸洗浄器は腸管３の側面にだけでなく、腸管３の切断部７にも挿入して使用することができる。
【００５１】
即ち、結腸洗浄器を腸管３の下部切断部７に挿入し、洗浄管または内視鏡４０を分枝管４及び本体を通じて腸管３の内部に挿入する。そして、腸管の内容物を排出管４６を通じて排出する。
【００５２】
【発明の効果】
前述のように本発明による結腸洗浄器は左側結腸の閉鎖を同伴した急性あるいは慢性疾患（癌、憩室炎など）患者の手術に適用し、創傷感染の危険がなく、迅速且つ簡便で、手術中に腸管内視鏡検査も施行することができるようにすることによって施術を安全で容易に行うことができるという長所がある。
【００５３】
また、結腸洗浄器の分枝管を通じて洗浄管または内視鏡を挿入する場合、２つの逆流防止手段を装着することによって腸管の内容物の逆流を確実に防止することができるという長所がある。
【００５４】
そして、分枝管にガイドを装着することによって、洗浄管または内視鏡が挿入される間に外力により、揺れることを防止するので手術の正確性を向上させるという長所がある。
【００５５】
また、前記分枝管の内部及び外部にビニルラップ及び消毒用ビニルパックを装着することによって外部汚染源によって結腸洗浄器が感染されることを防止することができるという長所がある。
【００５６】
本発明は、当該発明が属する分野における通常の知識を有する者ならば誰でも特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を外れずに多様に変更実施することができるので、前述の特定の好ましい実施例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による洗浄器の斜視図である。
【図２】本発明による洗浄器の縦断面図である。
【図３】本発明による洗浄器の逆流防止バルブの一実施例を示す図面である。
【図４】本発明による洗浄器の他の逆流防止バルブの一実施例を示す図面である。
【図５】本発明による洗浄器に用いられる洗浄管の縦断面図である。
【図６】本発明による洗浄器の使用例を示す図面である。
【図７】本発明による洗浄器の使用時に腸管と連結された部位の拡大縦断面図である。
【図８】本発明による洗浄器の他の使用例を示す図面である。
【符号の説明】
２ 本体
３ 腸管
４ 分枝管
５ 切開部
６ 締め手段
８ 締めリング
１０ 延長部
１２ 突起
１４ 雄ねじ部
１６ 締めナット
１９ 加圧部
２０ フランジ
２２ 第１逆流防止手段
２２ａ、２２ｂ バルブ体
２２ｃ 切開部
２４ 内管
２６ 蓋
２８ 第２逆流防止手段
２９ ビニルラップ
３２ 逆流防止手段
３３ コネクタ
３４ ガイド
４０ 洗浄管または内視鏡
４６ 排出管
４９ 消毒用ビニルパック
【発明の属する技術分野】
本発明は結腸洗浄器に係り、より詳しくは結腸癌や憩室炎のような左側結腸の閉鎖性疾患に対する手術を行う時に特に大腸に存在する内容物を容易に洗浄することができ、疾患部位を確認することができる内視鏡などの使用を可能にした結腸洗浄器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、結腸癌や憩室炎のような左側結腸の閉鎖性疾患の患者を治療する方法としては２段階、３段階及び１段階手術法が知られている。
【０００３】
前記１段階手術法としては全結腸切除術と手術中結腸洗浄法が行われているが、前者の場合は手術後に頻便、便失禁症または後で発生することがある腸閉塞症の合併症に関する問題があり、後者の場合は手術中創傷感染の可能性が前者より高く、検査されていない近位部結腸で腫瘍が発生する恐れがあり、縫合部位の安定性において回腸直腸より劣るという短所がある。
【０００４】
従って、上記のような施術は経験が多く熟練した者が行わなければならず施術時間が長くなるという問題点があるが、一度の開腹手術を避けることができるという大きな長所を有しているのでこの方法で手術を行う傾向にある。
【０００５】
他の陽性疾患よりＳ状結腸及び直腸癌によって左側大腸が閉鎖される疾患が増加しており、このような疾患を有している患者は直腸全体あるいは直腸の一部を切除するようになる。
【０００６】
しかし、大腸を切除する場合には合併症が発生する恐れがあるので、手術中に結腸洗浄を行うことが合併症の誘発を防止することができる良い方法である。
【０００７】
手術中に結腸を洗浄する方法は上記のような長所を有するが、手術に多くの人員及び時間が要求され、手術時までは近位腸管内に存在する同時性腫瘍の診断が不可能であるということが短所として指摘されている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような従来の技術の問題点を解決するために発明されたものであって、本発明の目的は、左側結腸の閉鎖を同伴した急性あるいは慢性疾患（癌、憩室炎など）患者の手術に適切に用いることができ、創傷感染の危険がなく迅速且つ簡便で手術中に大腸内視鏡検査も行うことができる結腸洗浄器を提供することにある。
【０００９】
また、洗浄管や内視鏡などを用いて施術する場合、洗浄管や内視鏡などが流動することを防止することができる結腸洗浄器を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
前記のような目的を達成するために、本発明は、内部に中空が形成され、腸管の切開部に挿入可能な本体と、前記本体の一側面に突出形成されて前記本体とその内部が連通することによって、洗浄管あるいは内視鏡が選択的に挿入される分枝管と、前記本体の先端部に装着され前記本体の延長部を前記腸管の切開部に１次的に固定する締めリングと、前記締めリングの後方に所定距離だけ離隔され、前記延長部にねじ結合されて回転時に前記腸管の切開部の縁を前記延長部に加圧して２次的に固定する締めナットとを含み、前記本体が前記腸管の切開部に挿入される場合に前記本体を腸管の切開部に固定させる締め手段と、前記分枝管の内部に装着され、洗浄管あるいは内視鏡が挿入される場合に前記腸管の内容物が前記分枝管を通じて逆流することを防止する逆流防止手段とを含む結腸洗浄器を提供する。
【００１２】
本発明の好ましい一実施例によると、前記締めナットは環状で、その内周面に雌ねじが形成されて前記本体の外周に形成された雄ねじ部にねじ結合されることによって回転時に前後方に移動可能であり、前記締めナットの先端部の内面には加圧部が形成されて、前方に移動する場合に前記延長部の外部面に突出した突起に接触した前記腸管の切開部の縁を加圧して固定する。
【００１３】
そして、前記逆流防止手段は内部に切開部が各々形成される二つの第１バルブと、前記第１バルブから所定の距離離隔されその中間部に前記洗浄管あるいは内視鏡が選択的に挿入可能な円形ホールが形成される第２バルブと、前記第１バルブの前方に装着されて外部感染を防止するビニルラップとを含む。
【００１４】
前記第１バルブはシリコン材質を有することによって所定の弾力性があり、前記洗浄管あるいは内視鏡が選択的に前記切開部を通過する場合にその外周面に密着することによって腸管内容物の逆流を防止する。
【００１５】
前記第１バルブを前記分枝管の内部に固定させるコネクタと、前記第２バルブを前記コネクタの内部に固定させ、前記洗浄管あるいは内視鏡を支持して揺動を防止するガイドとからなる固定手段をさらに含む。
【００１６】
前記分枝管の所定の位置には使用時に引き伸ばすことができる消毒用ビニルパックが装着されて前記分枝管を包んでいる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例による結腸洗浄器を詳細に説明する。
【００１８】
図１は本発明による結腸洗浄器の斜視図であり、図２は図１に示した洗浄器の縦断面図であって、前記洗浄器はほぼ円筒形状の本体２と、この本体２から後方に一定の角度を有して延長する分枝管（ｂｒａｎｃｈ ｔｕｂｅ）４と、そして前記本体２の先端部に腸管３（図７）を締めて腸管３の内部の内容物が流出しないようにする締め手段６とを含む。
【００１９】
前記本体２は前側に延長部１０が形成されて腸管３の切開部５を通じて腸管３の内部に挿入され、後側には前記腸管３の内部から排出される腸管３内容物及び洗浄液を外部に排出させるための排出管４６が連結される。
【００２０】
このような本体２の前側は腸管３がかぶせられる時に別途の締めリング８などを通じて腸管３の外側部分を密着させるための延長部１０が形成され、この延長部１０には締めリング８を引き締める時に流動しないようにする突起１２が形成される。
【００２１】
前記締めリング８は、腸管３の切開部５が延長部１０の外側にかぶせられる時、前記腸管３の外部を引き締めることによって前記結腸洗浄器が腸管３に確かに固定されるようにする。
【００２２】
そして、この締めリング８と隣接して後方側には前記締め手段６が提供され、この締め手段６は本体２の外周に形成された雄ねじ部１４とこの雄ねじ部１４にねじ結合される締めナット１６とを含む。
【００２３】
前記締めナット１６は環状でその内周面に雌ネジが形成されており、先端側は内径が拡張されて延長部１０と締め手段６との境界部分に形成された他の突起１８の外周を加圧するための加圧部１９が形成される。
【００２４】
従って、図７に示すように、前記締めナット１６の回転時、前方に移動することによって延長部１０にかぶせられた腸管３の切開部５を加圧する。
【００２５】
結果的に、腸管３の切開部５は１次的に締めリング８によって固定され、切開部５の縁は前記締めナット１６によって２次的に押される。
【００２６】
一方、前記分枝管４は本体２と内部が通じる状態で延長形成されることによって、この分枝管４を通じて洗浄管または内視鏡４０を挿入するとこの本体２に連結される腸管３まで洗浄管または内視鏡４０が進入することができる。
【００２７】
このように洗浄管または内視鏡４０が進入する時に進入が容易に行われるように前記分枝管４は本体２に対して後方側に傾いた状態で延長形成され、この分枝管４は本体２と一体に形成されたり別途に製作されて結合されることができる。
【００２８】
前記分枝管４の内側には洗浄管や内視鏡４０などが挿入される時または挿入された状態でこれらの流動を防止するための手段として内側に突出した内向フランジ２０が提供される。
【００２９】
この内向フランジ２０は内視鏡４０や洗浄管の揺動を防止することができる適当な直径を有し、この内向フランジ２０の外側にはビニルラップ２９が装着される。前記ビニルラップ２９は後述の逆流防止手段３２を装着する前に腸管３から内容物が分枝管４を通じて外部に流出されることを防止する。それと同時に、前記ビニルラップ２９は前記分枝管４が外部汚染源から感染することを防止する機能を果たす。このようなビニルラップ２９は洗浄管４０が前記分枝管４の内部に挿入される時に前記洗浄管４０の加圧によって破裂するので洗浄管４０が容易に挿入できる。
【００３０】
前記ビニルラップ２９の外側には本体２の内部にある内容物が外部に流出することを防止するための逆流防止手段３２が２ケ所に提供される。
【００３１】
これらそれぞれの逆流防止手段３２は図３及び図４に示した通りである。即ち、第１逆流防止手段２２は２つのバルブ体２２ａ、２２ｂを有し、これらバルブ体２２ａ、２２ｂはシリコン等で製作され、中央部分に切開部２２ｃが形成されてこの切開部２２ｃを通じて内視鏡や洗浄管４０などが進入することができるように構成される。
【００３２】
前記切開部２２ｃはバルブ体２２ａ、２２ｂの中央部分でほぼ“Ｙ”字形状に等分された位置に各々裂けることができ、これらは互いに重なった状態で設置され、前記切開部２２ｃが互いに反対に位置するように置かれる。従って、内視鏡や洗浄管４０などが進入する場合、前記バルブ体２２ａ、２２ｂの裂けた部分が前記内視鏡や洗浄管４０などの外周面に密着することによって内容物が外部に流出することを防止することができる。
【００３３】
また、第２逆流防止手段２８は円形の単一バルブ体からなり、中央部に洗浄管や内視鏡４０が進入することができる大きさの孔３０が形成されている。
【００３４】
このような第１及び第２逆流防止手段２２、２８はコネクタ３３及びガイド３４を含む固定手段によって前記分枝管４に固定される。
【００３５】
即ち、前記第１逆流防止手段２２は分枝管４の終端部でコネクタ３３を通じて結合される。前記コネクタ３３は前記分枝管４の終端部に掛止嵌合方式あるいはねじ結合によって一体に結合され、この時、前記コネクタ３３は前記第１逆流防止手段２２を加圧することによって前記分枝管４の内部に固定される。
【００３６】
また、前記第２逆流防止手段２８はガイド３４によって前記コネクタ３３に結合される。即ち、前記ガイド３４は前記コネクタ３３の終端部に掛止嵌合方式あるいはねじ結合によって一体に結合され、この時、前記ガイド３４は前記第２逆流防止手段２８を加圧することによって前記コネクタ３３の内部に固定される。
【００３７】
そして、前記ガイド３４の内径は適切に縮少されて、洗浄管や内視鏡４０などの挿入時に外力によって揺れることを防止する。
【００３８】
一方、前記分枝管４の外部の所定位置には消毒用ビニルパック４９が備えられる。前記消毒用ビニルパック４９は内視鏡４０を前記分枝管４を通じて本体２内に挿入する時に周囲の汚染源によって汚染されることを防止する。また、前記消毒用ビニルパック４９は前記内視鏡あるいは洗浄管４０を腸管から引き出す場合にも腸管３の内容物が外部に流出したり人体の内部に流入することを防止する。このような消毒用ビニルパック４９は使用時に引き伸ばして前記分岐管４を通じて本体２内に挿入することができる構造を有する。
【００３９】
図６には前記洗浄管の断面図が示されている。図示されているように、前記洗浄管４０の端部は蓋２４及び内管２６で構成され、蓋２４及び内管２６には多数の孔４１が形成されている。従って、前記多数の孔４１を通じて洗浄液の速やかな注入が行われると共に必要によって腸に残留する液体を吸入することができる。
【００４０】
以下、添付図面に基づいて本発明の好ましい実施例による結腸洗浄器の使用方法をより詳細に説明する。
【００４１】
図２乃至図８に示すように、結腸洗浄器を用いる場合、まず、施術しようとする患者の膨張した近位部腸管３に洗浄器を挿入するための地点を選択し、この部位を圧迫して内容物を残りの腸管３に送った後、両側に腸管鉗子を適用して切開時に内容物の漏れを最少化する。
【００４２】
結腸洗浄器を挿入する前に収縮した腸管３を巾着縫合して円形切開し、この時、少しの漏液が排出されることがあるが、吸入器で簡単に処理することができる。
【００４３】
前記腸管３に形成された切開部５に腸管３洗浄器の本体２の延長部１０を挿入すると、切開部５が延長部１０の外周面に接触する。この状態で締めリング８を引き締めることによって前記切開部５を本体２の延長部１０に固定する。この時、前記切開部５の縁が突起１８に位置するようになり、締めナット１６を回転させて前方に移動させることにより締めナット１６の加圧部１９が前記切開部５の縁を加圧して固定するようになる。
【００４４】
前記状態で近位部腸管３の腸管鉗子を外すと、腸の内容物が本体２及び排出管４６を通じて外部に排出され、排出された内容物は別途の収集具に収集される。内容物の排出時に近位部腸管３を圧迫することによって殆どの内容物は外部に排出される。
【００４５】
同時に、洗浄管４０を通じて洗浄液を注入する。即ち、前記洗浄管４０を分枝管４に装着された逆流防止手段３２を通過させて本体２の内部に挿入する。この時、前記洗浄管４０は前記ガイド３４によって案内されるので外力によって揺れることが防止される。そして、前記洗浄管４０は第２逆流防止バルブ２８の孔３０及び第１逆流防止バルブ２２の切開部２２ｃを通過し、ビニルラップ２９を破裂させる。この時、切開部２２ｃが前記洗浄管４０の外周面に密着することによって腸管３の内部の内容物が前記分枝管４を通じて外部に排出されることが防止される。
【００４６】
前記洗浄管４０が盲腸まで挿入する間洗浄液を注入し続け、洗浄液は洗浄管４０の端部に形成されている複数の孔４１を通じて速かに注入される。
【００４７】
これによって腸管３内を洗浄液できれいに洗浄し、およそ必要な洗浄液は約１０，０００乃至２０，０００ｃｃ程度であり、排出液が澄んで排出されると洗浄を終了し、洗浄管４０を外部に取り出す。
【００４８】
その後、同じ方法で分枝管４に腸管内視鏡４０を挿入して近位部腸管に他の病巣、即ち、同時性癌やポリープ検査を行う。この時、前記分枝管４の周囲に消毒用ビニルパック４９をかぶせることによって腸管内視鏡４０の挿入時に周囲の汚染源から汚染されることを防止する。
【００４９】
腸管内視鏡４０検査結果、異常がある場合には腸管内視鏡４０を除去した後、腸管３を切除して病巣に対する手術を施行し、この時には腸内に内容物がないため手術視野が比較的に広いので根治術を施行するのに難しさがない。
【００５０】
一方、図９に示すように、前記結腸洗浄器は腸管３の側面にだけでなく、腸管３の切断部７にも挿入して使用することができる。
【００５１】
即ち、結腸洗浄器を腸管３の下部切断部７に挿入し、洗浄管または内視鏡４０を分枝管４及び本体を通じて腸管３の内部に挿入する。そして、腸管の内容物を排出管４６を通じて排出する。
【００５２】
【発明の効果】
前述のように本発明による結腸洗浄器は左側結腸の閉鎖を同伴した急性あるいは慢性疾患（癌、憩室炎など）患者の手術に適用し、創傷感染の危険がなく、迅速且つ簡便で、手術中に腸管内視鏡検査も施行することができるようにすることによって施術を安全で容易に行うことができるという長所がある。
【００５３】
また、結腸洗浄器の分枝管を通じて洗浄管または内視鏡を挿入する場合、２つの逆流防止手段を装着することによって腸管の内容物の逆流を確実に防止することができるという長所がある。
【００５４】
そして、分枝管にガイドを装着することによって、洗浄管または内視鏡が挿入される間に外力により、揺れることを防止するので手術の正確性を向上させるという長所がある。
【００５５】
また、前記分枝管の内部及び外部にビニルラップ及び消毒用ビニルパックを装着することによって外部汚染源によって結腸洗浄器が感染されることを防止することができるという長所がある。
【００５６】
本発明は、当該発明が属する分野における通常の知識を有する者ならば誰でも特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を外れずに多様に変更実施することができるので、前述の特定の好ましい実施例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による洗浄器の斜視図である。
【図２】本発明による洗浄器の縦断面図である。
【図３】本発明による洗浄器の逆流防止バルブの一実施例を示す図面である。
【図４】本発明による洗浄器の他の逆流防止バルブの一実施例を示す図面である。
【図５】本発明による洗浄器に用いられる洗浄管の縦断面図である。
【図６】本発明による洗浄器の使用例を示す図面である。
【図７】本発明による洗浄器の使用時に腸管と連結された部位の拡大縦断面図である。
【図８】本発明による洗浄器の他の使用例を示す図面である。
【符号の説明】
２ 本体
３ 腸管
４ 分枝管
５ 切開部
６ 締め手段
８ 締めリング
１０ 延長部
１２ 突起
１４ 雄ねじ部
１６ 締めナット
１９ 加圧部
２０ フランジ
２２ 第１逆流防止手段
２２ａ、２２ｂ バルブ体
２２ｃ 切開部
２４ 内管
２６ 蓋
２８ 第２逆流防止手段
２９ ビニルラップ
３２ 逆流防止手段
３３ コネクタ
３４ ガイド
４０ 洗浄管または内視鏡
４６ 排出管
４９ 消毒用ビニルパック
Claims (6)
- 内部に中空が形成され、腸管の切開部に挿入可能な本体と、
前記本体の一側面に突出形成されて前記本体とその内部が連通することによって、洗浄管あるいは内視鏡が選択的に挿入される分枝管と、
前記本体の先端部に装着され前記本体の延長部を前記腸管の切開部に１次的に固定する締めリングと、前記締めリングの後方に所定距離だけ離隔され、前記延長部にねじ結合されて回転時に前記腸管の切開部の縁を前記延長部に加圧して２次的に固定する締めナットとを含み、前記本体が前記腸管の切開部に挿入される場合に前記本体を腸管の切開部に固定させる締め手段と、
前記分枝管の内部に装着され、洗浄管あるいは内視鏡が挿入される場合に前記腸管の内容物が前記分枝管を通じて逆流することを防止する逆流防止手段と
を含む結腸洗浄器。 - 前記締めナットは環状で、その内周面に雌ねじが形成されて前記本体の外周に形成された雄ねじ部にねじ結合されることによって回転時に前後方に移動可能で、前記締めナットの先端部の内面には加圧部が形成されていて前方に移動する場合に前記延長部の外部面に突出した突起に接触した前記腸管の切開部の縁を加圧して固定する請求項１に記載の結腸洗浄器。
- 前記逆流防止手段は、内部に切開部が各々形成される二つの第１バルブと、前記第１バルブから所定の距離離隔され中間部に前記洗浄管あるいは内視鏡が選択的に挿入可能な円形ホールが形成される第２バルブと、前記第１バルブの前方に装着されて外部感染を防止するビニルラップとを含む請求項１に記載の結腸洗浄器。
- 前記第１バルブはシリコン材質を有することによって所定の弾力性があり、前記洗浄管あるいは内視鏡が選択的に前記切開部を通過する場合にその外周面に密着することによって腸管の内容物の逆流を防止する請求項３に記載の結腸洗浄器。
- 前記第１バルブを前記分枝管の内部に固定させるコネクタと、前記第２バルブを前記コネクタの内部に固定させ、前記洗浄管あるいは内視鏡を支持して揺動を防止するガイドとからなる固定手段をさらに含む請求項４に記載の結腸洗浄器。
- 前記分枝管の所定の位置には使用時に引き伸ばすことができる消毒用ビニルパックが装着されて前記分枝管を包んでいる請求項１に記載の結腸洗浄器。
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