JP3621622B2 - 移植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行しながらキャベツ、レタス、ブロッコリー等の野菜苗を植付ける移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前輪と後輪とで支えられて走行可能な走行機体と、前記前輪と後輪との間で走行機体に装備され苗を植え付ける植付手段と、この植付手段によって植付けた苗の左右両側を覆土、鎮圧する鎮圧手段と、を備えている移植機は、例えば、特許第2509362号公報(従来例の1)、実公昭62−35295号公報(従来例の2)、実公昭62−36685号公報(従来例の3)で公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
植付手段と鎮圧手段とは凹凸がある畝に追従させるため、揺動自在に備えられている移植フレーム(植付フレーム、揺動フレームともいう)に備えられている。
従来例の1では、植付フレームは機枠に弾性部材を介して吊り持ちされていることから、植付手段および鎮圧手段を凹凸がある畝に追従させることが可能である。
【0004】
しかしながら、吊り持ちした植付フレームに植付手段および鎮圧手段を装着(装備)させたのでは、植付深さ(植付力)および鎮圧力は植付フレームおよび植付手段、鎮圧手段等の自重(重さ)に支配され、植付力および鎮圧力が不足することがあり、浮苗の要因となったり、活着性不良の要因となる等々の課題があった。
従来例の2においても、揺動フレームは主フレームにスプリングを介して弾発吊下されているので、従来例の1と同様な課題があった。
【0005】
従来例の3は、移植フレーム後部と機体との間に弾持体を設けて移植フレームを接地方向(対地方向)に付勢していることから、前述した従来例の1および2の課題はない。
しかしながら、畝の高さ、硬さ等は苗の種類によって異なることから、弾持体で付勢しただけでは畝の高さ、硬さ等の変化によって植付力および鎮圧力が過大になったり過少になったりするという課題があった。
本発明は、従来例1〜3が有する前述した課題を解消して、畝の凹凸に追従できながら、しかも植付力および鎮圧力を畝の高さ等によって調整可能とした移植機を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前輪と後輪とで支えられて走行可能な走行機体と、前記前輪と後輪との間で走行機体に装備され苗を植え付ける植付手段と、この植付手段によって植付けた苗の左右両側を覆土、鎮圧する鎮圧する手段と、を備えている移植機において、前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講じている。
すなわち、請求項1に係る移植機は、前記走行機体に左右方向の枢軸を介して移植フレームを揺動自在に備え、この移植フレームに前記植付手段と鎮圧手段とを支持しているとともに、前記移植フレームと走行機体との間に、移植フレームを対地方向に付勢する付勢手段を設けてこの付勢手段により前記植付手段と鎮圧手段とを対地方向に押付けるように構成し、この押付け力(付勢力)を調整可能としていることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成を採用したことにより、前輪と後輪とで走行機体を支えながら、畝の長手方向に走行して植付手段により植付作業を行い、鎮圧手段によって苗の左右両側に覆土・鎮圧して行く。
畝に凹凸があっても移植フレームの揺動によって植付手段および鎮圧手段は追従でき、移植フレームは付勢手段により対地方向(接地方向)に付勢されているので、自重だけで鎮圧等することはなく、植付力および鎮圧力を確かなものとして移植作業(植付、覆土等をいう)ができる。
【0008】
また、畝の高さに大小、畝の硬さに大小等があってもこれに応じて押付け力(付勢力)を調整しての確かな移植作業がなされる。
前述した請求項1において、前記付勢手段は、移植フレームに左右方向の支軸を介して揺動自在に取り付けられた筒状の雄ネジ体と、この雄ネジ体に軸方向摺動自在に挿入されたロッドと、前記雄ネジ体に螺合する調整ねじと、この調整ねじに備えているバネ受けとロッド側に備えているバネ受けとの間でロッドに巻回されているコイルバネよりなる弾性部材と、を備えて構成されていることが推奨される(請求項2)。
【0009】
また、前述した請求項2において、上下に多数の係合溝を有する位置決め体が走行機体側に取付けられ、この位置決め体の係合溝に前記ロッドの上端部を係脱させて付勢手段の取付位置が上下多段調整可能に構成されていることが推奨される(請求項3)。
更に、前述した請求項1〜3において、前記付勢手段とは別に左右の鎮圧手段を個別に対地方向に付勢する付勢手段を備えていることが推奨される(請求項4)。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2には、本発明の実施形態に係る移植機1を示しており、この移植機1は、左右一対の前輪2及び後輪3を有し、この前輪2と後輪3とで支えられて走行可能な走行機体4と、該走行機体4上の運転席5からオペレータにより苗Nが供給され、且つ供給された苗Nを下方に移送する苗移送手段6と、該苗移送手段6により移送された苗Nを受け取って畝Rに植え付ける植付手段7と、畝Rに植付溝を形成する作溝手段8と、畝Rの上面を転動するとともに植付けた苗Nの左右両側を覆土、鎮圧する鎮圧手段9とを備えて主構成され、植付手段7と鎮圧手段8は前輪2と後輪3との間で走行機体4の腹部に装備され、ここに、半自動形の乗用移植機とされている。
【0011】
走行機体4は、長手方向を前後に向けた平面視長方形枠形の走行フレーム10を有し、この走行フレーム10の後端部にハンドル11を後斜め上方に延伸して備えている。
走行フレーム10の後部上側には、エンジン(駆動体)Eが備えられ、後部下側にはミッションケースM及び油圧タンクTが前後に並べて備えられ、前後中途部上側に前記運転席5が備えられている。また、運転席5とエンジンEとの前後間には、左右方向の傾斜地等で走行機体4を水平に保つための油圧式の水平制御機構35が設けられている。
【0012】
走行フレーム10は、運転席5の後部下側に左右方向に延伸する取付部材12を有し、該取付部材12の端部には、苗箱やコンテナ等を載置可能な載置台13が取り付けられている。
ミッションケースMの左右両側には車輪伝動軸14が突設され、該車輪伝動軸14には伝動ケース15の上部が接続され、伝動ケース15の下部に前記後輪3が回転自在に取り付けられている。そして、エンジンEからの動力は、巻掛伝動機構等を介してミッションケースM内に入力されるとともに、車輪伝動軸14から伝動ケース15内の動力伝達機構を経て左右一対の後輪3に伝達され、ここに後輪3が移植機1の走行駆動輪として構成されている。
【0013】
走行フレーム10の前側左右側部には上下方向の保持筒16が設けられ、該保持筒16に、上下位置調整自在で回動自在に支持杆17が挿入され、この支持杆17の下端部に前記前輪2が回転自在に設けられており、この前輪2は、左右操向ペダル49によって操向操作されるようになっている。
前記走行フレーム10の枠内の前部側には、枢軸19を介して移植フレーム18の前端部が揺動自在に支持されている。
この移植フレーム18は、上下方向に延伸する第1支持部20と、第1支持部20の下端部に固定されるとともに後方に延伸する第2支持部21とを有して側面視L字状を呈し、第1支持部20に前記苗移送手段6が支持され、第2支持部に前記植付手段7及び鎮圧手段9がそれぞれ支持されるようになっている。
【0014】
第2支持部21の後端部は、左右方向中央部分に単一として備えているバネ等の付勢手段22によって下方(対地方向)に付勢され、植付手段7及び鎮圧手段9を畝R上面に押しつけるように構成している。
このように移植フレーム18を揺動自在に備えることで、植付手段7及び鎮圧手段9を畝Rの凹凸に追従可能であり、更に、苗移送手段6及び植付手段7を同一の移植フレーム18に支持することによって、移植フレーム18が揺動したとしても両者6,7の相対位置が変わらず、苗受け渡しが円滑に行えるようになっている。
【0015】
また、図3にも示すように、移植フレーム18の前部側には上下複数(図例では3個)の取付孔20Aが形成され、この取付孔20Aのいずれかを選択して枢軸19を挿通することで、移植フレーム18の前部側の高さを多段調整可能であり、更に、付勢手段22の上端部は、走行フレーム10に対して上下多段階に取付け変更可能(この詳細については後述する)とされており、これによって移植フレーム18の後部側の高さも多段調整可能である。
このような構成を採用することによって、畝Rの高さ等に応じて植付手段7及び鎮圧手段9の高さを全体的に調整できる。
【0016】
特に、付勢手段22上端部の走行機体4に対する取付位置を上下に調整自在とすることで、例えば、高い畝Rに対応するために移植フレーム18を高くしても、付勢手段22のバネ圧(押付け力)が必要以上に増大することもなく、鎮圧手段9の畝Rへの沈み込みも防止できるのである。
また、図1及び図3に示すように、移植フレーム18はやや後方に傾斜して配置されており、これによって苗移送手段6も後方へ傾斜し、その上端部(苗の供給部)を運転席5に可及的に近づけるように配置されている。これによってオペレータは楽な姿勢で苗Nの供給を行えるようになり、作業負担が軽減されるようになっている。
【0017】
第1支持部20及び苗移送手段6の下方には、作溝手段8を構成する左右一対の回転円板よりなる作溝器46が配設されており、移植フレーム18をやや後方傾斜状とすることによりその下方スペースを広くすることができるため、作溝器46を可及的に植付手段7側に近づけることが可能となり、これによって、植付溝を形成したのち即座に苗を植え付けることができるようになっている。なお、作溝器46は、回転円板状に形成するに限らず、矩形板状等に形成することができる。
【0018】
前記付勢手段22は、図4及び図5に示すように、移植フレーム18の後端に左右方向の支軸23を介して揺動自在に取り付けられた筒状の雄ネジ体24と、該雄ネジ体24に軸方向摺動自在に挿入されたロッド25と、該雄ネジ体24の外周ネジ部に螺合する調整ねじ26と、ロッド25上部に固定されたバネ受け27と、調整ネジ26の上面側に設けられたバネ受け28と、両バネ受け27,28間に介装された圧縮コイルバネよりなる弾性部材29と、雄ネジ体24に対するロッド26の抜止をなす抜止ピン及び座30と、を有する。
【0019】
そして、前記取付部材12には、上下に多数(図例では6個)の係合溝32を有する位置決め体31が設けられており、この位置決め体31のいずれかの係合溝32を選択して前記ロッド25の上端部を係脱させることにより、付勢手段22の走行フレーム10に対する取付位置が上下多段調整可能とされている。また、ロッド25は、移植フレーム18との間に架設した戻しバネ34によって、係合溝32に係合する方向へ付勢されており、ロッド25上端のレバー33を介してロッド25を前方揺動することにより係合溝32から離脱可能である。
【0020】
また、前記調整ネジ26を上側又は下側に螺進することにより弾性部材29の圧縮量を変えることができ、これによって移植フレーム18の下方付勢力(対地方向の押付け力)を大小に調整可能であり、ここに畝の高さの大小、硬さの強弱に応じて押付け力が調整可能となる。
上述のように、移植フレーム18の前部側及び後部側をそれぞれ個別に上下位置調整自在としていることから、移植フレーム18の傾斜角度を調整することが可能であり、また、前記位置決め体31の係合溝32の数は、移植フレーム18前部側の取付孔20Aの数よりも多く形成され、その調整量を細かに設定できるようになっている。これにより、移植フレーム18の傾斜角度を微妙に変化させることができ、苗移送手段6の後方傾斜もオペレータの好みや体格に応じて細かく変化させることができるため、苗Nの供給をより容易に行い得るものとなっている。
【0021】
図2及び図5に示すように、前記鎮圧手段9は、植付手段7の植付体56の左右外側に配置された一対の鎮圧輪36と、第2支持部21の左右外面に軸38を介して上下揺動自在に取り付けられた左右一対のアーム37とを有し、各アーム37の後端に各鎮圧輪36がそれぞれ軸36Aを介して回転自在に取り付けられており、苗Nの左右各側の畝高さが相互に異なる場合であっても各鎮圧輪36が個別に上下に揺動して対応可能である。
また、アーム37と第2支持部21との間には、前記付勢手段22とは別のバネ等の付勢部材39が介装されており、前記付勢手段22よりも小さい付勢力又は大きな付勢力で左右鎮圧輪36をそれぞれ下方に付勢するようになっている。
【0022】
前記苗移送手段6は、図6及び図7に示すように、第1支持部20の後方に配設された左右一対の移送ベルト(移送体)40を有し、各移送ベルト40は、それぞれ第1支持部20に回転自在に支持された上下のプーリ41,42に巻掛けられており、左右の下プーリ42の支軸42Aにはスプロケット42Bが取り付けられ、第1支持部20の下部側にはエンジンEからの動力が伝達される第1入力軸43が回転自在に支持されるとともに、該入力軸43にスプロケット43Bが取り付けられ、これら3つのスプロケット42B,42B,43Bに1本の伝動チェーン44を巻掛けることによって、第1入力軸43の回転動力を左右下プーリ42に伝達し、左右移送ベルト40を同期して矢示A方向に回走駆動可能である。
【0023】
そして、オペレータが左右移送ベルト40の上端(移送始端)間に苗Nを供給することによって、該苗Nを左右移送ベルト40で挟持しながら下方へ移送し、その下端(移送終端)において植付手段7に受け渡す構成となっている。
左右移送ベルト40において、右移送ベルト40Rの上端は、左移送ベルト40Lの上端よりも低位置に配置され、且つ左移送ベルト40Lに対して寸法Lだけ左右方向にオーバーラップするように(食い込むように)配置されており、これによって、移送始端において苗Nを略上下から挟み込んで滑りや浮き上がりを防止し、確実に苗Nを挟持して移送可能である。
【0024】
また、右移送ベルト40Rの上プーリ41は、第1支持部20に回転自在に取り付けられた支軸41Aに固定され、該支軸41Aは後方に延伸されるとともに、該延伸部分に支持ローラ(支持部材)45が固定されており、この支持ローラ45は、上プーリ41とともに一体的に回転するとともに、苗供給時に苗Nの葉部を下側から支持することによって苗Nの上下の傾き防止を図り、適正な姿勢で苗Nを挟持して植付手段7に受け渡すことによって、該植付手段7による植付姿勢を崩すことがないように配慮されている。
【0025】
なお、支持ローラ45は、支軸41Aに対して遊転自在に取り付けても良く、また、ローラ状に形成するに限らず板状等に形成してもよい。但し、上プーリ41と一体的に回転することにより、苗Nの移動を円滑にして確実に移送ベルト40間に挟持することができるようになっている。
前記苗移送手段6の上部側には、該苗移送手段6に対する苗Nの供給タイミングを設定するタイミング設定手段50が備えられており、このタイミング設定手段50にしたがって苗移送手段6に一定のタイミングで苗Nを供給することで、一定の株間での苗植付を可能としている。
【0026】
このタイミング設定手段50は、左苗移送ベルト40Lの上プーリ41の支軸41Aに対して相対回転自在に外嵌された筒軸51と、該筒軸51に取り付けられたプーリ52と、第1支持部20から外方突出するブラケット20Aに回転自在に取り付けられたプーリ53と、両プーリ52,53に巻掛けられたタイミング設定ベルト54とを有して構成されている。
前記タイミング設定ベルト54は、苗移送ベルト40Lの前側に配置され、且つ苗移送ベルト40Lよりも細幅に形成されており、その外周部に等間隔をおいて多数の突起(目印)54Aを突設している。
【0027】
そして、後述する駆動手段を介してタイミング設定ベルト54を循環回走することで、突起54Aの位置に合わせて一定のタイミングで苗移送手段6に苗Nを供給することが可能となっている。
図1〜図4及び図8に示すように、植付手段7は、ゴム材、樹脂材等により形成された左右一対の可撓性円板(植付ディスク)によって苗を挟持する植付体56を備え、該植付体56は、第2支持部21に回転自在に支持された左右方向の回動軸57に取り付けられている。58は、植付体56の前下部の略1/4円の範囲において該植付体56を左右から押圧する遊転自在な押圧輪であり、その押圧作用により苗Nを左右から挟持可能としている。
【0028】
そして、苗移送手段6により移送された苗Nの葉部を植付体56の前部側で挟持し、約1/4回転することにより苗Nを縦向きに姿勢変更し、挟持力を解放することで植付溝に苗Nを放出するようになっている。
上記苗移送手段6及び植付手段7は、エンジンEからの動力がミッションケースM及び第1伝達部材61(図3、図4参照)を介して伝達されることによって駆動し、他方、タイミング設定手段50は、接地することにより走行機体4の進行に伴って自転する転動輪62の回転動力が第2伝達部材84(図4参照)を介して伝達されることにより駆動するようになっている。
【0029】
これによって、従来の移植機のように、タイミング設定手段50だけでなく苗移送手段6及び植付手段7を転動輪62の回転動力にて駆動する場合に比べて転動輪62に対する負荷が小さくなり、該転動輪62のスリップが防止されてタイミング設定手段50を確実に駆動でき、他方、苗移送手段6及び植付手段7はエンジンEからの動力にて走行機体4の進行に伴い確実に駆動できるようになっている。
図3及び図4に示すように、前記第1伝達部材61は、走行フレーム10に回転自在に支持された左右方向のカウンタ軸63と、このカウンタ軸63の端部に相対回転自在に外嵌された筒状の伝達軸64と、ミッションケースMから左右外方に突出するPTO軸65と前記伝達軸64とを連動連結するチェーン及びスプロケットよりなる第1巻掛伝動機構66と、伝達軸64とカウンタ軸63との間の動力伝達を断接する植付クラッチ67と、カウンタ軸63の後方において走行フレーム10に回転自在に支持された左右方向の第1中継軸68と、この第1中継軸68とカウンタ軸63とを連動連結するチェーン及びスプロケットよりなる第2巻掛伝動機構69と、第1中継軸68にベベルギヤ伝動機構70を介して接続された前後方向の第2中継軸71と、該第2中継軸71にユニバーサルジョイントよりなる第1継手72を介して接続された前後方向の伝動軸73とを有している。
【0030】
そして、エンジンEからの動力はミッションケースMのPTO軸65から第1巻掛伝動機構66により減速されて筒軸64に伝達され、該筒軸64から植付クラッチ67を介してカウンタ軸63に伝達され、該カウンタ軸63から第2巻掛伝動機構69により減速されて第1中継軸68に伝達され、該第1中継軸68からベベルギヤ伝動機構70、第2中継軸71、第1継手72を介して伝動軸73に伝達される。
前記伝動軸73は、後部側の第1伝動軸74と、前部側の第2伝動軸75とを有し、両者はユニバーサルジョイントよりなる第2継手76を介して接続されている。
【0031】
第1伝動軸74は、第1継手72に後端が接続された筒状の第1軸部74Aと、該第1軸部74Aにスプライン構造等を介して前後摺動自在で且つ一体回転自在に内嵌され、前端が第2継手76に接続された第2軸部74Bとを有し、この第1、第2軸部74A,74Bの相対摺動により前後に伸縮自在とされたテレスコピック構造の摺動軸に構成されている。
第2伝動軸75は、その後部側が移植フレーム18の第2支持部21に対してベアリングを介して回転自在に支持され、その前端部が第1支持部20にまで延伸されるとともに、前記第1入力軸43(図7参照)に接続されており、これによって苗移送手段6に動力が伝達される。
【0032】
また、移植フレーム18上には、左右方向の第3中継軸77が回転自在に支持されており、この第3中継軸77と第2伝動軸75の前後中途部とが、ベベルギヤ伝動機構78にて接続されている。
第3中継軸77と植付体56の回動軸57とは、チェーン及びスプロケットよりなる第3巻掛伝動機構79により連動連結され、第3中継軸77に伝達された動力がさらに第3巻掛伝動機構79により減速されて回動軸57に伝達される。したがって、植付体56は、伝動軸73の分岐動力にて回転駆動するものとなっている。
【0033】
上記のような構成によって、植付手段7及び苗移送手段6にエンジン(駆動体)Eからの動力を確実に伝達し、走行機体4の進行に伴った移植が確実に行えるようになっている。
また、走行フレーム10側と移植フレーム18側との間に配設される第1伝動軸74は、移植フレーム18(植付手段7及び鎮圧手段9)の揺動及び高さ調整に追従して伸縮自在であり、これにより、両フレーム10,18間の動力伝達が簡単な構成で確実に行えるようになっている。
【0034】
そして、第1伝達部材61(特に伝動軸73)は、走行機体4の左右一側寄りに偏って前後方向に配置されているため、左右略中央の植付手段7、苗移送手段6等の配置スペースを損なうこともなく、また、前後方向の伝動軸73を用いることにより第1伝達部材61自体の配置スペースを幅狭く収めることができる。なお、前記植付クラッチ67は、運転席5の側方に備えた植付クラッチレバー80により入切操作されるようになっている。
この植付クラッチレバー80は、図4、図9及び図10に示すように、その下端部の筒部80Aが、前記取付部材12にブラケットを介して設けられた枢軸81に回動自在に外嵌され、筒部80Aの下面には下方突出状の突片80Bが設けられ、この突片80Bと植付クラッチ67とが、ロッド82A,82B及び中継リンク82Cよりなる連動具82にて接続されている。そして、植付クラッチレバー80を前側に倒したとき(図10の実線の状態)にクラッチ67が接続され、後側に揺動して立設したとき(同図の2点鎖線の状態)にクラッチ67が切断されるようになっている。
【0035】
前記タイミング設定ベルト54を回走駆動する駆動手段は、図4、図9及び図10に示すように、畝R間の溝に接地して回転、走行する前記転動輪62と、該転動輪62の回転動力を前記タイミング設定ベルト54に伝達する前記第2伝達部材84とを有する。
前記転動輪62としては、鉄車輪、ソリッドゴムタイヤ、空気入りゴムタイヤ等が採用され、外周部に羽根やラグ等のスリップ防止部材62Aが設けられており、移植機1の走行に伴ってスリップすることなく確実に回転(自転)するようになっている。
【0036】
また、走行フレーム10の取付部材12には、ブラケットを介して枢支軸85が回転自在に支持されており、この枢支軸85にアーム86の上端が上下揺動自在に枢支されるとともに、アーム86の下端部に転動輪62が回転自在に支持されている。
なお、転動輪62は、その自重によって、又はバネ等の付勢手段によって地面に押しつけられ、アーム86の揺動を介して地面の凹凸に追従して上下動可能である。また、転動輪62は、畝上面を転動するものであってもよく、この場合、前記鎮圧輪36を転動輪として構成することもできる。
【0037】
前記第2伝達部材84は、転動輪62の回転軸62Bとアーム86上端の枢支軸85を連動連結するスプロケット及びチェーンよりなる第4巻掛伝動機構87と、この枢支軸85に一端が接続された可撓性を有するフレキシブルワイヤ(フレキシブルシャフト)よりなる伝動軸88とを有し、この伝動軸88の他端は、移植フレーム18の第1支持部20に回転自在に支持された第2入力軸89(図6及び図7参照)に接続されている。
第2入力軸89とタイミング設定ベルト54の回転軸(筒軸)51とは、スプロケット及びチェーンよりなる第5、第6、第7巻掛伝動機構90A,90B,90Cを介して連動連結され、このうち、第1支持部20の前側に配設される第6巻掛伝動機構90Bの上側スプロケット90Dは着脱自在に備えられると共に、このスプロケット90Dを異なる径のものに組み換えることによりタイミング設定ベルト54の回転速度を変更して苗の供給タイミングを変更可能としている。
【0038】
この際、タイミング設定ベルト54の回転速度を変更したとしても、苗移送手段6及び植付手段7の駆動経路には何ら影響を与えず、単独で容易にタイミング調整可能である。
また、第1支持部20の前側に配設されるスプロケットを着脱自在とすることで、移植機1の前側から容易に交換が行える。
第2伝達部材84は、移植フレーム18と走行フレーム10との間の動力伝達をフレキシブルシャフト88にて行っていることから、移植フレーム18(植付手段7、鎮圧手段9、及び苗移送手段6)を揺動又は高さ調整したとしても、移植フレーム18と走行フレーム10との相対位置変化に追従して伸縮(弯曲、伸長)し、動力伝達を損なうこともない。
【0039】
そして、第1伝達部材61(特に伝動軸73)を走行機体4の左右一方側に偏って配置し、第2伝達部材84(特に伝動軸88)を走行機体4の左右他方側に偏って配置しているために、左右略中央の植付手段7及び苗移送手段6の配置スペースを損なうことがなく、左右の重量バランスも好適に図ることができるのである。
図9及び図10に示すように、上記転動輪62のアーム86の長手方向中途部には連結杆91の下端部が枢結され、この連結杆91の上部には長手方向の長孔91Aが形成されるとともに、該長孔91Aに植付クラッチレバー80から突設した係合ピン80Cが挿入されている。
【0040】
そして、植付クラッチ入り状態(レバー80を倒した状態)では、転動輪62が下方に下がって接地可能であり、クラッチ切り状態(レバー80を立てた状態)とすると、係合ピン80Cにより連結杆91及びアーム86が引き上げられ、転動輪62が地面から浮き上がるようになっている。
したがって、植付手段7及び苗移送手段6への動力が切断されるとほぼ同時に転動輪62が浮き上がり、枕地等で旋回や移動走行等を行う際に転動輪62が障害となることはほとんどない。
【0041】
また、転動輪62が接地しているときには、長孔91Aの範囲内でアーム86が上下揺動可能である。
本発明は、上記実施形態に限ることなく適宜設計変更可能であり、例えば、上記の第1〜第7巻掛伝動機構66,69,79,87,90A〜Cは、プーリ及びベルトよりなるベルト伝動機構等の他の伝動機構に置換でき、移植フレーム18は、高さ調整だけでなく前後又は左右に位置調整(変更)自在に構成してもよい。
【0042】
また、第1伝達部材61の第1伝動軸74を可撓性を有するフレキシブルシャフトにて構成したり、第2伝達部材84の伝動軸88をテレスコピック構造等の摺動軸に構成することができる。
上記植付体56は、ディスク形に限らずカップ形や爪形等に置換でき、タイミング設定ベルト54の突起54Aに代えて、外周面に色づけ等を行うことにより苗供給のタイミングを計る目印とすることができる。また、タイミング設定ベルト54は、苗Nを載置して横方向に移送するとともに、前述の苗移送手段6に苗を受け渡す横移送手段として構成することもできる。
【0043】
更に、付勢手段22の押付け力(付勢力)を調整する手段として調整ねじ26と雄ネジ体24との螺合量調整で無段階に調整しても良いし、この螺合とは別に、ロッド25の上部を係合溝32に係脱させても良く、両者の一方だけを備えて構成しても良い。また係合溝32はこれを突起としたものであっても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、畝の凹凸に追従できながら、畝の高さ等が異なっても植付力および鎮圧力を調整できて浮苗、活着不良等を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる移植機を示す全体側面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】植付手段及び苗移送手段に対する動力伝達系を示す側面図である。
【図4】同平面図である。
【図5】移植フレーム後部の取付構造を示す側面図である。
【図6】苗移送手段の背面図である。
【図7】同側面図である。
【図8】植付手段の背面図である。
【図9】転動輪の正面図である。
【図10】同側面図である。
【符号の説明】
1 移植機
2 前輪
3 後輪
4 走行機体
7 植付手段
9 鎮圧手段
18 移植フレーム
22 付勢手段
Claims (3)
- 前輪と後輪とで支えられて走行可能な走行機体と、前記前輪と後輪との間で走行機体に装備され苗を植え付ける植付手段と、この植付手段によって植付けた苗の左右両側を覆土、鎮圧する鎮圧手段と、を備えている移植機において、
前記走行機体に左右方向の枢軸を介して移植フレームを揺動自在に備え、この移植フレームに前記植付手段と鎮圧手段とを支持しているとともに、前記移植フレームと走行機体との間に、移植フレームを対地方向に付勢する付勢手段を設けてこの付勢手段により前記植付手段と鎮圧手段とを対地方向に押付けるように構成し、この押付け力(付勢力)を調整可能とし、前記付勢手段とは別に左右の鎮圧手段を個別に対地方向に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする移植機。 - 前記付勢手段は、移植フレームに左右方向の支軸を介して揺動自在に取り付けられた筒状の雄ネジ体と、この雄ネジ体に軸方向摺動自在に挿入されたロッドと、前記雄ネジ体に螺合する調整ねじと、この調整ねじに備えているバネ受けとロッド側に備えているバネ受けとの間でロッドに巻回されているコイルバネよりなる弾性部材と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移植機。
- 上下に多数の係合溝を有する位置決め体が走行機体側に取付けられ、この位置決め体の係合溝に前記ロッドの上端部を係脱させて付勢手段の取付位置が上下多段調整可能に構成されていることを特徴とする請求項2記載の移植機。
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