JP3621491B2 - 装身具の中留構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手首に巻回されて装着される装身具に使用される中留構造であって、特に、皮バンド、布バンド、合成樹脂バンド、金属製メッシュバンド等の柔軟な装身帯を使用した装身具に適した中留構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の装身具の中留構造として、特開平6−327508号公報に開示されたものがある。この開示技術は、図22及び図23に示すように係合ピン80Aを有する下板部材80とこの下板部材80の一端部に連結ピン81で折曲可能に連結された中板部材82とから構成された中折れ部材79を備えており、下板部材80の他端部には他方のバンド部材83が連結してある。そして、中板部材82の端部には上板部材84が設けてあり、この上板部材84のバンド短手方向の両端部には側壁部84Aが形成してあり、これらの側壁部84Aには開口部84Bが形成してある。そして、両側壁部84A間には、バンド短手方向に沿う両端部が開口したボックス状の収納部材85が取り付けてあり、この収納部材85の両端部の開口部85Aが開口部84Bに合致している。そして、上板部材84の裏面部と収納部材85との間には空間Hが設けてある。また、上板部材84には突棒93が、その基端側のピン93Aを支点にして回動可能に設けてある。
【0003】
そして、収納部材85には、一方及び他方のプッシュボタン86、87がそれぞれ挿入してあって、一方のプッシュボタン86の元側ばね受け部88と他方のプッシュボタン87の先側ばね受け部89との間及び一方のプッシュボタン86の先側ばね受け部89と他方のプッシュボタン87の元側ばね受け部88との間に、それぞれ前記スプリング90が介装してあり、これらのスプリング90の付勢力により一方及び他方のプッシュボタン86、87は互いに離間されていて、一方のプッシュボタン86のストッパ部91はプッシュボタン装入部85の一方の開口部85Aの縁部に、他方のプッシュボタン87のストッパ部91はプッシュボタン装入部85の他方の開口部85Aの縁部にそれぞれ当接している。そして、一方及び他方のプッシュボタン86、87の係合部94は互いに対向していて、これらでボタン側係合部を構成している。また、プッシュボタン86、87の押圧部95が開口部84B外方に突出している。
【0004】
そして、調整孔96を有する一方のバンド部材97を空間Hに挿入し、突棒93を調整孔96に挿入して長さ調整して係止し、腕時計を手首に沿わせた後に、中板部材82を、これの下板部材80との連結部を支点にして、この下板部材80に重ね合わせ、係合ピン80Aを、収納部材85の裏側に設けた孔部(図示せず)に挿入し、この係合ピン80Aを一方及び他方の前記プッシュボタン86、87の互いに対向する係合部95に係合して前記腕時計が手首に装着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の時計バンドの中留構造にあっては、上板部材84の下面と収納部材85の上面との空間Hは上下方向に狭く、この空間H内に一方のバンド部材97が挿通しにくかった。逆に、空間Hを上下方向に広くすると、一方のバンド部材97の調整孔96より突棒93が脱落し易くなっていた。
また、一方のバンド部材97の調整孔96に突棒93を挿入するのに、逐一突棒93を回動させなければならず、操作が面倒であるという問題点があった。
【0006】
さらに、突棒93が回動するので、調整孔96との位置合わせが極めて困難であった。特に、図中、Tで示される方向に一方のバンド部材97が引っ張られると、このバンド部材97の移動に連動して突棒93が回動してしまい、よって、調整孔96より突棒93が抜けてしまう。したがって、一方のバンド部材97は引っ張られると前記空間Hより容易に抜けて外れてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に着目して成されたものであって、その目的とするところは、一方の装身帯と上板部材とを確実に固定できるし、また、一方の装身帯と前記上板部材とを容易に分離することもできるばかりか、一方の装身帯を開口部に極めて容易に挿通することができる装身具の中留構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明に係わる装身具の中留構造は、調整孔を有する一方の装身帯と、他方の装身帯と、他方の装身帯に折り畳み可能に連結された下板部材と該下板部材の端部に折り畳み可能に連結された中板部材を有する中折れ部材と、この中折れ部材の前記中板部材の端部に回動可能に連結された上板部材とを有し、かつ前記下板部材と前記上板部材との間に、前記下板部材と前記上板部材を係脱可能に係合する共に、プッシュボタンの押圧操作により前記下板部材と前記上板部材との係合を解除できるプッシュ中留機構を具備する装身具の中留構造において、前記上板部材の基端部にその基端部で回転自在に連結されて、その先端部を前記上板部材より離間する方向に立ち上がらせた開放位置と、その先端部を前記上板部材に向けて倒した閉鎖位置とが設定可能な表板と、前記表板に設けられて一方の装身帯を挿通してこの一方の装身帯を前記上板部材上方に位置させるための開口部と、閉鎖位置にある前記表板の裏面と前記上板部材の面部との間に形成されて、一方の装身帯を挿通し且つ保持する空間と、閉鎖位置にある前記表板を前記上板部材に係脱可能に係合する係脱機構と、前記上板部材の面部に突設されて一方の装身帯の前記調整孔に係合する突棒とを備えたことを特徴とする。
【0009】
かかる構成により、前記開口部より挿通されて前記上板部材の上方に位置した一方の装身帯の前記調整孔に前記突棒が挿入されて一方の装身帯と前記突棒とが係合される。一方の装身帯は前記突棒との係合により平面方向に沿った移動を抑止される。
【0010】
次いで、前記表板を回転させて閉鎖位置に位置させ、前記係脱機構により前記表板と前記上板部材とを係合させる。すると、前記表板により、一方の装身帯は上方への移動を抑止される。このようにして、前記表板の裏面と前記上板部材の面部との間に形成される前記空間内に一方の装身帯が係止され、この一方の装身帯は前記上板部材に固定される。
【0011】
また、一方の装身帯と前記上板部材とを分離するには、前記係脱機構の係合を解除し、前記表板を回転させて開放位置に位置させる。一方の装身帯を上方へ移動させ、前記調整孔と前記突棒との係合を解除する。このようにして、一方の装身帯を、前記開口部より前記空間外へ抜き出すと、一方の装身帯は前記上板部材より分離する。
【0012】
したがって、前記表板を回転させて閉鎖位置に位置させ、前記係脱機構により前記表板と前記上板部材とを係合させることにより、一方の装身帯と前記上板部材とを確実に固定できる。また、前記係脱機構の係合を解除し、前記表板を回転させて開放位置に位置させると、一方の装身帯と前記上板部材とを容易に分離することもできる。さらに、開放位置では、前記開口部が前記上板部材より離間する方向に立ち上がり、広く口を開けているので、一方の装身帯を前記開口部に極めて容易に挿通することができる。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、請求項2の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記係脱機構を、前記上板部材と前記表板のいずれか一方に配され且つ弾性部材により外方に付勢され前記上板部材の外表面に対して出没可能なロック部材と、他方に配されて前記ロック部材が係脱可能に係合する係合孔とより構成した。
【0014】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得る。
【0015】
また、上記の目的を達成するために、請求項3の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記係脱機構を、前記上板部材と前記表板のいずれか一方に配された係脱突起と、他方に配されて係脱突起が係脱可能に係合する係合凹部とより構成した。
【0016】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得る。
【0017】
また、上記の目的を達成するために、請求項4の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記上板部材と前記表板との間に、常に前記表板を開放位置に向けて付勢するトーションばねが設けられていることを特徴とする。
【0018】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記係脱機構の係合を解除すると、前記トーションばねの弾発力によって、前記表板が自ら開放位置に移動するし、この開放位置に位置した前記表板は、前記トーションばねの弾発力によって、開放位置を維持し続け、その自重により、前記閉鎖位置に向けて移動することがない。
【0019】
したがって、一方の装身帯を上方へ移動させ、前記調整孔と前記突棒との係合を解除する操作、及び一方の装身帯を前記開口部より前記空間外へ抜き出す操作を容易にする。このために、前記係脱機構の係合を解除さえすれば、一方の装身帯をより容易に前記上板部材から分離することができる。
【0020】
また、上記の目的を達成するために、請求項5の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記上板部材と前記表板との間に、常に前記表板を閉鎖位置に向けて付勢するトーションばねが設けられていることを特徴とする。
【0021】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記係脱機構の係合を解除しても、前記トーションばねの弾発力によって、前記表板は、前記閉鎖位置を維持し続ける。
【0022】
したがって、予期せぬ外力の負荷により、前記係脱機構の係合が解除されても、前記トーションばねの弾発力によって、前記表板は閉鎖位置を維持し続けるので、一方の装身帯の前記調整孔と前記突棒との係合が解除されない。このために、一方の装身帯と前記上板部材とがより確実に固定される。
【0023】
また、上記の目的を達成するために、請求項6の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記上板部材の前記中板部材との連結部に、前記中板部材に向けて且つ前記中板部材の表方に位置する押え突起が設けられていることを特徴とする。
【0024】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記押え突起の下面が前記中板部材の上面と当接することにより、前記上板部材が前記中板部材の上面に向かって回転することを抑制する。このために、前記表板の開口部に、一方の装身帯を挿通する時、前記上板部材が前記中板部材の上面に向かって回転し、前記開口部を塞ぐことがない。よって、前記表板の開口部に、一方の装身帯をより容易に挿通することができる。
【0025】
また、上記の目的を達成するために、請求項7の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記表板に設けられた装身帯の短手方向の側壁部に、前記プッシュボタンにおける装身帯の短手方向に沿って突出した押圧部が挿入されるボタン挿入用切欠け部を設けた。
【0026】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記表板の側壁と、前記プッシュボタンの押圧部とを装身帯の短手方向に向く同一平面上に重なる位置にすることができて、装身具の中留本体の上下の厚みを薄くすることができる。
【0027】
また、上記の目的を達成するために、請求項8の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が、前記下板部材の他端部に、他方の装身帯が回転自在に連結され且つ前記中板部材が少なくとも1枚から成る複数折れ中留構成である。
【0028】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、従来の中留構造とほぼ同じ製品化が可能になる。
【0029】
また、上記の目的を達成するために、請求項9の発明に係わる装身具の中留構造は、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が、前記下板部材の一端部に一方の中板部材の一端部を、前記下板部材の他端部に他方の中板部材の一端部をそれぞれ折り畳み可能に連結し、一方の中板部材の他端部に前記上板部材を回転自在に連結し、他方の中板部材の他端部に他方の装身帯を回転自在に連結した観音開き中留構成である。
【0030】
かかる構成により、上記した請求項1の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、従来の中留構造とほぼ同じ製品化が可能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0032】
(第1実施例)
図1は本発明に係わる装身具の中留構造(第1実施例)の分解状態の斜視図、図2は同中留構造の斜視図、図3は同中留構造の一部省略及び破断した平面図、図4は同中留構造の側面図である。
【0033】
本発明に係わる中留構造を組み付けた装身具である時計バンド構造は、観音開きタイプの中折れ部材1と、この中折れ部材1の後述する係合ピン7とプッシュ中留機構Aを構成する上板部材10と、表板40と、時計ケース(図示せず)の一方のバンド取付部(図示せず)に連結された一方の装飾帯であるバンド部材50と、時計ケースの他方のバンド取付部(図示せず)に連結された他方の装飾帯であるバンド部材51とから大略構成してある。そして、一方のバンド部材50にはバンド長手方向に所定の間隔をおいて複数の調整孔50Aが設けてある
【0034】
前記中折れ部材1は、下板部材2と一方の中板部材3と他方の中板部材4とから構成してある。すなわち、下板部材2は、図4乃至図6に示すように手首の曲面に沿うて湾曲した短冊状の部材本体2Aを有しており、この部材本体2Aには、その中央部位2Bを挾んだ左右に中板挿入用孔部5A、5Bが形成してあり、中央部位2Bの左縁部3aには外方に立ち上がるフック部6が設けてあり、また、中央部位2Bには右寄りに係合ピン7が設けてある。この係合ピン7は軸部7aの先端に傘部7bを形成したものである。下板部材2の右端部には一方の中板部材3の左端部が連結ピン8により折曲可能に連結してあり、下板部材2の左端部には他方の中板部材4の右端部が、連結ピン9により折曲可能に連結してある。
【0035】
そして、他方の中板部材4の左端部には一対の連結部材11Cの一端部が連結ピン47で折曲可能に連結してあり、これらの連結部材11C間には連結ピン47に取り付けられた状態でフック係合部材49が設けてある。また、一対の連結部材11Cの他端部には他方のバンド部材51の先端部が連結ピン48により折曲可能に連結してある。
【0036】
前記上板部材10は中留本体13を有しており、この中留本体13はボックス14と裏蓋15とより構成されている。このボックス14には、図8に示すようにその裏面側にバンド短手方向に沿う凹部16と、その裏面より一段低くして裏蓋装着部17とが形成してあり、凹部16の中央部には孔部18が設けてある。また、ボックス14の基端部(右端部)にはバンド短手方向に沿うピン孔19が形成してあり、また、ボックス14の基端部の中央部には連結用切欠き部20が形成してある。ボックス14の一方の側端面14aの先端(左端)側にはロックピン挿入孔部21が設けてある。
【0037】
そして、ボックス14の裏蓋装着部17には、中央部に孔部15Aを有する裏蓋15が装着してあって、この裏蓋15と凹部16とでバンド短手方向に沿うプッシュボタン装入部22が形成してあり、このプッシュボタン装入部22の両端は開口している。プッシュボタン装入部22内には、対角に位置させて2本の抜け止めピン23A、23Bが取り付けてあり、プッシュボタン装入部22にプッシュボタン機構部24が設けてある。そして、このプッシュボタン機構部24と下板部材2が有する係合ピン7とでプッシュ中留機構Aを構成している。
【0038】
プッシュボタン機構部24は一方及び他方のプッシュボタン25、26と、2個のスプリング27とを備えており、一方及び他方のプッシュボタン25、26は、端部に押圧部28Aを形成したボタン本体28を有しており、このボタン本体28の先部の一側には切欠き部29が形成してあって、この切欠き部29の先側に円弧形状の係合部30が、ボタン本体28の元側にはストッパ部31がそれぞれ形成してあり、また、ボタン本体28には、一側に位置する元側ばね受け部32と他側に位置する先側ばね受け部33とが形成してある。
【0039】
そして、プッシュボタン装入部22には、一端側から一方のプッシュボタン25が、他端側から他方のプッシュボタン26がそれぞれ挿入してあって、一方のプッシュボタン25の元側ばね受け部32と他方のプッシュボタン26の先側ばね受け部33との間及び一方のプッシュボタン25の先側ばね受け部33と他方のプッシュボタン26の元側ばね受け部32との間に、それぞれ前記スプリング27が介装してあり、これらのスプリング27の付勢力により一方及び他方のプッシュボタン25、26は互いに離間されていて、一方のプッシュボタン25のストッパ部31は一方の抜け止めピン23Aに、他方のプッシュボタン26のストッパ部31は他方の抜け止めピン23Bにそれぞれ当接している。
【0040】
そして、一方及び他方のプッシュボタン25、26の係合部30は互いに対向していて、これらでボタン側係合部を構成している。また、プッシュボタン25、26の押圧部28Aが、プッシュボタン装入部22外方に突出している。
【0041】
また、ボックス14の一方の側端面14aのロックピン挿入孔部21には弾性部材であるコイルスプリング34とロック部材であるロックピン35とが挿入してあり、このロックピン35はコイルスプリング34により押されていて、ロックピン35の先端部がスリーブ35aを介してロックピン挿入孔部21より外方に突出している。また、ボックス14の表面部1aの先側には突棒36が突設してある。
【0042】
連結部材11は上板部材10と一方の中板部材3との連結部として存在しており、この連結部材11は、図10に示すように駒本体11Aに互いに離間する2個のピン孔37、38をバンド短手方向に有し且つ駒本体11Aの外面側に押え突起39を形成したものである。
【0043】
そして、連結部材11は、その一方のピン孔37を使用して一方の中板部材3の右端部に連結ピン12により回動可能に取り付けてあり、また、連結部材11は、上板部材10のボックス14の連結用切欠き部20に挿入してあって、この連結部材11は、その他方のピン孔38とボックス14のピン孔19とに挿入した連結ピン39Aによりボックス14に回動可能に連結してある。
【0044】
また、前記表板40は、図9に示すように上板部材10の先側を覆う面部41のバンド短手方向の両端部に側壁部42を設けてこの側壁部42の端部をバンド長手方向に延長して取付部43を形成して面部41に平面視で略コ字形状の切欠き部47を並設したものであり、両側壁部42には長方形状のボタン挿入用切欠き部44が形成してあり、一方の側壁部42の先側には係合孔であるロック用孔45が設けてあり、また、取付部43にはピン孔46が設けてある。そして、このピン孔46に前記連結ピン39Aの両端部を挿入して表板40の基端部が上板部材10の基端部に回動可能に取り付けてあり、表板40の切欠き部47と上板部材10とで開口部Sが形成してある。
【0045】
そして、前記表板40を、解放位置(その先端部を上板部材10より離間する方向に立ち上がらせた位置)イから上板部材10側に回動して、この表板40のロック用孔45に上板部材10の側端面に配したロックピン35を係合した状態、すなわち表板40を閉鎖位置(その先端部を上板部材10に向けて倒した位置)ロに設定すると、表板40の下面(裏面部)と上板部材10の上面(面部)との間に空間Hが形成される。このとき、プッシュボタン25、26の押圧部28Aが表板40の側壁部42のボタン挿入用切欠き部44に挿入する。
【0046】
次に、上記のように構成された中留構造を組み付けた装身具である時計バンド構造の操作方法を説明する。
【0047】
図11の(1)、(2)に示すように、まず、前記表板40を回転して開放位置イに位置し、この表板40と上板部材10との間の開口部Sに、一方のバンド部材50を挿通し、このバンド部材50を上板部材10の上方に位置する。
【0048】
次に、図11の(3)に示すように携帯者の手首の太さに合わせて選択された、一方のバンド部材50の調整孔50Aに突棒36を挿入し、このバンド部材50と突棒36とを係合して、一方のバンド部材50の長さを調整する。ここで、一方のバンド部材50は、その長手方向及び短手方向に沿った移動が抑止される。しかしながら、この段階では、一方のバンド部材50は上方へ移動可能であり、一方のバンド部材50が上方へ移動すると、調整孔50Aより突棒36が抜け出て、両者の係合が解除してしまう。
【0049】
次に、図11の(3)に示すように上板部材10の側端面14aに配されたロックピン35をピンセット等の治具Gにより、コイルスプリング34の弾発力の抗しつつ押圧し、よって上板部材10の側端面14aよりロックピン35を没入する。このロックピン35への押圧を維持させつつ、表板40を回転して閉鎖位置ロに位置させる。同時にロックピン35よりピンセット等の治具Gを離間する。
【0050】
すると、コイルスプリング34の弾発力により、ロックピン35が上板部材10の側端面14aより突出して、表板40の側壁部42に設けられたロック孔45に挿入し、ロックピン35がロック孔45に係脱可能に係合する。よって、閉鎖位置ロにおいて、表板40は上板部材10に係合する。また、このとき、プッシュボタン25、26の押圧部28Aが表板40の側壁部42のボタン挿入用切欠き部44に挿入する。
【0051】
閉鎖位置ロに係止した表板40により、一方のバンド部材50は上方への移動が抑止される。よって、調整孔50Aより突棒36が抜け出ることはなくなり、調整孔50Aと突棒36との係合を確実に保持する。したがって、表板40の下面と上板部材10の上面との間に形成される空間H内に、一方のバンド部材50が係止され、一方のバンド部材50は上板部材10と確実に固定される。
【0052】
次に、上記のように構成されたプッシュ中留構造を備えた時計バンド構造を有する腕時計の装着及びこの装着の解除を説明する。
【0053】
まず、装身具である腕時計を手首に沿わせた後に、他方の中板部材4を、これの下板部材2との連結部を支点にして、この下板部材2に重ね合わせることにより、この中板部材4を中板挿入用孔部5Aに嵌合して、前記フック部6にフック係合部49を係脱可能に係合する。
【0054】
そして、一方の中板部材3を、これの下板部材2との連結部を支点にして、この下板部材2に重ね合わせることにより、この中板部材3を下板部材2の中板挿入用孔部5Bに嵌合して、下板部材2に設けた係合ピン7を、下板部材10の裏蓋15の孔部15Aに挿入し、この係合ピン7を前記ボタン側係合部、すなわち一方及び他方の前記プッシュボタン25、26の互いに対向する係合部30に係合して、前記腕時計を手首に装着する。
【0055】
前記係合ピン7の係合部30への係合は、この係合ピン7の端部の傘部7bで、一方及び他方の前記プッシュボタン25、26の係合部30間をバンド短手方向に互いに離間するように押し開き、係合ピン7の軸部7aが挿入されると一方及び他方の前記プッシュボタン25、26の係合部30が前記スプリング27の付勢力により閉じて係合ピン7の軸部7aに係合することで行われる。
【0056】
また、前記腕時計を手首から外す場合には、一方及び他方のプッシュボタン25、26の押圧部28Aを親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン25、26を前記スプリング27に抗して移動させることにより前記係合部30間を開いて係合を解除し、上板部材10と一方の中板部材3を外に開いて前記係合ピン7を孔部15Aより抜き出し、他方の中板部材4を外に開いて、携帯者の手首から外す。
【0057】
以上のように、本発明の中留構造は、図12のようにプッシュ中留機構Aによって、携帯者の手首に着脱するので、一度、一方のバンド部材50を長さ調整して、上板部材10と固定してしまえば、携帯者の手首の装着する都度、一方のバンド部材50を上板部材10より分離する必要はない。
【0058】
しかしながら、一方のバンド部材50が、鋭利な外力によって傷ついて、新品のバンド部材に交換したい場合などは、一方のバンド部材50を上板部材10と分離しなければならない。この場合は、前記表板40のロック孔45に係合しているロックピン35をピンセット等の治具Gにより押圧して、このロックピン35を没入して、ロックピン35とロック孔45との係合を解除する。
【0059】
次いで、表板40を回転させて開放位置イに位置させる。このことにより、一方のバンド部材50の上方への移動が可能となり、このバンド部材50を上方に移動して調整孔50Aより突棒36を抜き出して、調整孔50Aと突棒36との係合を解除する。そして、一方のバンド部材50を開口部Sより空間H外へ抜き出すと、一方のバンド部材50は上板部材10と分離する。
【0060】
また、表板40の下面と上板部材10の上面との間の上下方向の距離Lは、一方のバンド部材50の上下方向の厚みMの2倍未満であれば、一方のバンド部材50が、空間H内でわずかに上方に向けて移動しようとも、突棒36は調整孔50Aに留まり、抜け出ることはない。しかしながら、一方のバンド部材50が、上下方向に柔軟に撓むことを考えれば、距離Lは、厚みMの2倍未満であっても、大きければ大きいほど、突棒36が調整孔50Aより抜け出る危険性を高める。また、一方のバンド部材50の上下方向のガタつきは、甚だしく装身具の外観を損ねる。よって、距離Lは、図4に示すように厚みMよりわずかに大きい程度にとどめることが好ましい。第1実施例では、距離Lは、厚みMより0.4mm大きく設定した。
【0061】
あるいは、距離Lは、厚みMより小さくすることも可能である。すると、表板40の下面と上板部材10の上面との間で、一方のバンド部材50が上下に圧縮されて固定されて、一方のバンド部材50と上板部材10との固定力を高めることも可能となる。
【0062】
上記した第1実施例にあっては、一方及び他方のプッシュボタン25、26のプッシュ操作により前記プッシュボタン25、26の前記係合部30と前記係合ピン7との係合を解除して、前記プッシュ中留機構Aを前記下板部材2から外した場合に、この動作に連動して一方及び他方の中板部材3、4を前記下板部材2に対して拡開することができて、1回の操作で一方及び他方の中板部材3、4を観音開きすることができて、操作性が良好になる。
【0063】
上記した第1実施例にあっては、前記表板40を回転させて閉鎖位置ロに位置させ、ロックピン35とロック孔45との係合により表板40と上板部材10とを係合させることにより、一方のバンド部材50と上板部材10とを確実に固定できる。また、ロックピン35とロック孔45との係合を解除し、前記表板40を回転させて開放位置イに位置させると、一方のバンド部材50と上板部材10とを容易に分離することもできる。さらに、開放位置イでは、前記開口部Sが上板部材10より離間する方向に立ち上がり、広く口を開けているので、一方のバンド部材50を前記開口部Sに極めて容易に挿通することができる。
【0064】
また、上記した第1実施例では、前記上板部材10に連結部材11を回転可能に連結したが、回転不能に固定することもある。すると、一方の中板部材3に向けて且つ中板部材3の上方に位置する押え突起39が設けられているために、この押え突起39の下面が中板部材3の上面と当接することにより、上板部材2が中板部材3の上面に向かって回転することを抑制する。このために、前記表板40の開口部Sに、一方のバンド部材50を挿通する時、上板部材2が中板部材3の上面に向かって回転し、前記開口部Sを塞ぐことがない。よって、前記表板40の開口部Sに、一方のバンド部材50をより容易に挿通することができる。
【0065】
また、前記表板40の側壁部42に、前記プッシュボタン25、26における押圧部28Aが挿入されるボタン挿入用切欠け部44を設けたので、前記表板40の側壁部42と、前記プッシュボタン25、26の押圧部28Aとをバンド短手方向に向く同一平面上に重なる位置にすることができて、装身具の中留本体13の上下の厚みを薄くすることができる。
【0066】
なお、上記した第1実施例における係脱機構を、上板部材10の側端面14aに設けたロックピン挿入孔部21にコイルスプリング34とロックピン35とを収容して、このロックピン35の先端部をロックピン挿入孔部21より外方に突出し、表板40の側壁部42にロックピン35が係脱可能に係合する係合孔であるロック用孔45を設けて構成したが、表板40の側壁部42にロックピン35を設け、上板部材10の側端面14aにロックピン35が係脱可能に係合するロック用孔45を設けてもよい。
【0067】
さて、上記した第1実施例における係脱機構は、ロックピン35とロック孔45との係合によるものであり、ピンセット等の治具Gを用いなければ解除できない強固な係合とした。これは、一方のバンド部材50を上板部材10より分離する必要は限られているため、一方のバンド部材50と上板部材10とを強固に固定する方が望ましいからである。
【0068】
しかしながら、服装に合わせて、頻繁に一方及び他方のバンド部材50、51を、他の色調を有するバンド部材に交換したいというような要求を有する携帯者にとっては、係脱機構の係合はより弱いことが望まれる。これは、次の第2実施例で明らかとなろう。
【0069】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図13及び図14に示す。この本発明の第2実施例にあっては、上記した本発明の第1実施例と異なるところは表板40の係脱機構であり、他の構成及び作用は本発明の第1実施例と同じである。
【0070】
表板40の係脱機構は、上板部材10の側端面14aに外方に突出する係合突起52を設け、表板40の側壁部42の内側に係合突起52が係脱可能に係合する係合凹部であるロック用凹部53を設けて構成してある。前記係合突起52はロックピン挿入孔部21に圧入固定してあり、その突出量は、ロックピン35の突出量より少なくしてある。したがって、係脱機構の係合はより弱いものになり、服装に合わせて、頻繁に一方及び他方のバンド部材50、51を、他の色調を有するバンド部材に交換するに際して、表板40を回転させて開放位置イに位置させることが容易になる。
【0071】
なお、上記した第2実施例における係脱機構を、上板部材10の側端面14aに外方に突出する係合突起52を設け、表板40の側壁部42の内側に係合突起52が係脱可能に係合する係合凹部であるロック用凹部53を設けて構成したが、表板40の側壁部42に係合突起52を設け、上板部材10の側端面14aに係合突起52が係脱可能に係合するロック用部53を設けてもよい。
【0072】
(第3実施例)
本発明の第3実施例を図15乃至図18に示す。この本発明の第3実施例では、前記上板部材10と前記表板40との間に、常に表板40を開放位置イに向けて付勢するトーションばね54を設けたものであり、他の構成及び作用は本発明の第1実施例と同じである。
【0073】
すなわち、前記上板部材10のボックス14の基端部のピン孔19に挿入した連結ピン39Aの両端部に、表板40の取付部43のピン孔46を取り付けて、この表板40が上板部材10に設けてあるが、前記上板部材10のボックス14の基端部の一方の角部に切欠き部55を形成し、また、表板40の取付部43のピン孔46の位置する部位の内面部に凹部56を形成して、前記連結ピン39Aにトーションばね54を装着して、このトーションばね54の内端部54Aを切欠き部55の壁部に引っ掛けると共に、トーションばね54の外端部54Bを凹部56の壁部に引っ掛けて、このトーションばね54の弾発力によって、表板40を、常に開放位置イ側に付勢する。
【0074】
前記係脱機構の係合を解除すると、すなわち、ロックピン35をロック用孔45より外すと、前記トーションばね54の弾発力によって、前記表板40が自ら開放位置イに移動し、この開放位置イに位置した前記表板40は、前記トーションばね54の弾発力によって、開放位置イを維持し続け、その自重により、前記閉鎖位置ロに向けて移動することがない。
【0075】
したがって、一方のバンド部材50を上方へ移動させ、前記調整孔50Aと前記突棒36との係合を解除する操作、及び一方のバンド部材50を前記開口部Sより前記空間H外へ抜き出す操作を容易にする。このために、前記係脱機構の係合を解除さえすれば、一方のバンド部材50をより容易に前記上板部材10から分離することができる。
【0076】
(第4実施例)
本発明の第4実施例を図19及び図20に示す。この本発明の第4実施例では、前記上板部材10と前記表板40との間に、常に表板40を閉鎖位置ロに向けて付勢するトーションばね57を設けたものであり、他の構成及び作用は本発明の第1実施例と同じである。
【0077】
すなわち、前記上板部材10のボックス14の基端部のピン孔19に挿入した連結ピン39Aの両端部に、表板40の取付部43のピン孔46を取り付けて、この表板40が上板部材10に設けてあるが、前記上板部材10のボックス14の基端部の一方の角部に切欠き部55を形成し、また、表板40の取付部43のピン孔46の位置する部位にこのピン孔46より外して凹部58を形成して、前記連結ピン39Aにトーションばね57を装着して、このトーションばね57の内端部57Aを切欠き部55の壁部に引っ掛けると共に、トーションばね57の外端部57Bを凹部58の壁部に引っ掛けて、このトーションばね57の弾発力によって、表板40を、常に閉鎖位置ロ側に付勢する。
【0078】
前記係脱機構の係合を解除すると、すなわち、ロックピン35をロック用孔45より外すと、前記トーションばね57の弾発力によって、前記表板40は前記閉鎖位置ロを維持し続ける。
【0079】
したがって、予期せぬ外力の負荷により、前記係脱機構の係合が解除されても、前記トーションばね57の弾発力によって、前記表板40は閉鎖位置ロを維持し続けるので、一方のバンド部材50の調整孔50Aと前記突棒36との係合が解除されない。このために、一方のバンド部材50と上板部材10とがより確実に固定される。
【0080】
(第5実施例)
本発明の第5実施例を図21に示す。上記した第1〜第4実施例においては、本発明の中留構造を観音開き構造の中折れ部材1を備えた時計バンド構造に取り付けた場合を説明したが、第5実施例では、本発明の中留構造を三つ折り構成の中折れ部材59を備えた時計バンド構造に取り付けるものである。この三つ折り構成の中折れ部材59は、係合ピン60を有する下板部材61とこの下板部材61の一端部に連結ピン62で折曲可能に連結された中板部材63とから構成されており、下板部材61の他端部には他方のバンド部材51が連結してある。そして、中板部材63の端部には上記した第1〜第4実施例と同様な構成の上板部材10及び表板40とが設けてある。
【0081】
したがって、調整孔50Aを有する一方のバンド部材50を空間Hに挿入し、突棒36を調整孔50Aに挿入して長さ調整して係止し、腕時計を手首に沿わせた後に、中板部材63を、これの下板部材61との連結部を支点にして、この下板部材61に重ね合わせ、係合ピン60を、中板部材63の孔部15Aに挿入し、この係合ピン60を一方及び他方の前記プッシュボタン25、26の互いに対向する係合部30に係合して前記腕時計が手首に装着される。
【0082】
また、前記腕時計を手首から外す場合には、一方及び他方のプッシュボタン25、26の押し部28Aを親指と人差し指で挟んで内側に押すことにより、一方及び他方のプッシュボタン25、26を前記スプリング27に抗して移動させて前記係合部30間を開いて係合を解除し、上板部材10を下板部材61から外して前記係合ピン60を孔部15Aより抜き出し、中板部材63を外に開いて携帯者の手首から外す。
【0083】
なお、以上の実施例においては、プッシュ中留機構Aのプッシュボタン25、26を上板部材10に、プッシュ中留機構Aの係合ピン7、60を下板部材2、61に設けたが、互いに逆であってもかまわない。すなわち、プッシュ中留機構Aは、上板部材10と下板部材2、61との間に備えられれば良く、プッシュボタン25、26を下板部材2、61に、係合ピン7、60を上板部材10に設けることも可能である。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係わる装身具の中留構造によれば、調整孔を有する一方の装身帯と、他方の装身帯と、他方の装身帯に折り畳み可能に連結された下板部材と該下板部材の端部に折り畳み可能に連結された中板部材を有する中折れ部材と、この中折れ部材の前記中板部材の端部に回動可能に連結された上板部材とを有し、かつ前記下板部材と前記上板部材との間に、前記下板部材と前記上板部材を係脱可能に係合する共に、プッシュボタンの押圧操作により前記下板部材と前記上板部材との係合を解除できるプッシュ中留機構を具備する装身具の中留構造において、前記上板部材の基端部にその基端部で回転自在に連結されて、その先端部を前記上板部材より離間する方向に立ち上がらせた開放位置と、その先端部を前記上板部材に向けて倒した閉鎖位置とが設定可能な表板と、前記表板に設けられて一方の装身帯を挿通してこの一方の装身帯を前記上板部材上方に位置させるための開口部と、閉鎖位置にある前記表板の裏面と前記上板部材の面部との間に形成されて、一方の装身帯を挿通し且つ保持する空間と、閉鎖位置にある前記表板を前記上板部材に係脱可能に係合する係脱機構と、前記上板部材の面部に突設されて一方の装身帯の前記調整孔に係合する突棒とを備えたことにより、前記表板を回転させて閉鎖位置に位置させ、前記係脱機構により前記表板と前記上板部材とを係合させることにより、一方の装身帯と前記上板部材とを確実に固定できる。また、前記係脱機構の係合を解除し、前記表板を回転させて開放位置に位置させると、一方の装身帯と前記上板部材とを容易に分離することもできる。さらに、開放位置では、前記開口部が前記上板部材より離間する方向に立ち上がり、広く口を開けているので、一方の装身帯を前記開口部に極めて容易に挿通することができる。
【0085】
また、請求項2の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記係脱機構を、前記上板部材と前記表板のいずれか一方に配され且つ弾性部材により外方に付勢され前記上板部材の外表面に対して出没可能なロック部材と、他方に配されて前記ロック部材が係脱可能に係合する係合孔とより構成したことにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得る。
【0086】
また、請求項3の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記係脱機構を、前記上板部材と前記表板のいずれか一方に配された係脱突起と、他方に配されて係脱突起が係脱可能に係合する係合凹部とより構成したことにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得る。
【0087】
また、請求項4の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記上板部材と前記表板との間に、常に前記表板を開放位置に向けて付勢するトーションばねを設けたことにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、前記係脱機構の係合を解除すると、前記トーションばねの弾発力によって、前記表板が自ら開放位置に移動するし、この開放位置に位置した前記表板は、前記トーションばねの弾発力によって、開放位置を維持し続け、その自重により、前記閉鎖位置に向けて移動することがない。
【0088】
したがって、一方の装身帯を上方へ移動させ、前記調整孔と前記突棒との係合を解除する操作、及び一方の装身帯を前記開口部より前記空間外へ抜き出す操作を容易にする。このために、前記係脱機構の係合を解除さえすれば、一方の装身帯をより容易に前記上板部材から分離することができる。
【0089】
また、請求項5の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記上板部材と前記表板との間に、常に前記表板を閉鎖位置に向けて付勢するトーションばねを設けたことにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、前記係脱機構の係合を解除しても、前記トーションばねの弾発力によって、前記表板は、前記閉鎖位置を維持し続ける。
【0090】
したがって、予期せぬ外力の負荷により、前記係脱機構の係合が解除されても、前記トーションばねの弾発力によって、前記表板は閉鎖位置を維持し続けるので、一方の装身帯の前記調整孔と前記突棒との係合が解除されない。このために、一方の装身帯と前記上板部材とがより確実に固定される。
【0091】
また、請求項6の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記上板部材の前記中板部材との連結部に、前記中板部材に向けて且つ前記中板部材の表方に位置する押え突起を設けたことにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、前記押え突起の下面が前記中板部材の上面と当接することにより、前記上板部材が前記中板部材の上面に向かって回転することを抑制する。このために、前記表板の開口部に、一方の装身帯を挿通する時、前記上板部材が前記中板部材の上面に向かって回転し、前記開口部を塞ぐことがない。よって、前記表板の開口部に、一方の装身帯をより容易に挿通することができる。
【0092】
また、請求項7の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記表板に設けられた装身帯の短手方向の側壁部に、前記プッシュボタンにおける装身帯の短手方向に沿って突出した押圧部が挿入されるボタン挿入用切欠け部を設けたことにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、前記表板の側壁と、前記プッシュボタンの押圧部とを装身帯の短手方向に向く同一平面上に重なる位置にすることができて、装身具の中留本体の上下の厚みを薄くすることができる。
【0093】
また、請求項8の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が、前記下板部材の他端部に、他方の装身帯が回転自在に連結され且つ前記中板部材が少なくとも1枚から成る複数折れ中留構成であることにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、従来の中留構造とほぼ同じ製品化が可能をになる。
【0094】
また、請求項9の発明に係わる装身具の中留構造によれば、請求項1記載の装身具の中留構造において、前記中折れ部材が、前記下板部材の一端部に一方の中板部材の一端部を、前記下板部材の他端部に他方の中板部材の一端部をそれぞれ折り畳み可能に連結し、一方の中板部材の他端部に前記上板部材を回転自在に連結し、他方の中板部材の他端部に他方の装身帯を回転自在に連結した観音開き中留構成であることにより、上記した請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、従来の中留構造とほぼ同じ製品化が可能をになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる装身具の中留構造の第1実施例の分解状態の斜視図である。
【図2】同中留構造の斜視図である。
【図3】同中留構造の一部省略及び破断した平面図である。
【図4】同中留構造の側面図である。
【図5】同中留構造における押え突起の作用の説明図である。
【図6】同中留構造における下板部材の斜視図である。
【図7】図6のX−X線に沿う断面図である。
【図8】同中留構造の上板部材のボックスの斜視図である。
【図9】同中留構造における表板の斜視図である。
【図10】同中留構造における連結部材の斜視図である。
【図11】(1)、(2)、(3)、(4)は同中留構造の作用説明図である。
【図12】同中留構造におけるバンド部材より上板部材を分離した状態の斜視図である。
【図13】本発明に係わる装身具の中留構造の第2実施例の一部省略した斜視図である。
【図14】同中留構造の一部省略及び破断した平面図である。
【図15】本発明に係わる装身具の中留構造の第3実施例における表板取付部の一部省略した斜視図である。
【図16】図15のY方向からの矢視図である。
【図17】図16のZ−Z線に沿う断面図である。
【図18】表板の取付部の内面部の斜視図である。
【図19】本発明に係わる装身具の中留構造の第4実施例における表板取付部の一部省略した分解状態の斜視図である。
【図20】同表板取付部の断面図である。
【図21】本発明に係わる装身具の中留構造の第5実施例の一部省略した斜視図である。
【図22】従来の装身具の中留構造の一部省略した正面図である。
【図23】同中留構造の一部省略及び破断した平面図である。
【符号の説明】
1 中折れ部材
2 下板部材
3 一方の中板部材
4 他方の中板部材
10 上板部材
25、26 プッシュボタン
35 ロックピン(ロック部材)
40 表板
50 一方のバンド部材(一方の装身帯)
50A 調整孔
51 他方のバンド部材(他方の装身帯)
H 空間
S 開口部
イ 解放位置
ロ 閉鎖位置

Claims (9)

  1. 調整孔を有する一方の装身帯と、他方の装身帯と、他方の装身帯に折り畳み可能に連結された下板部材と該下板部材の端部に折り畳み可能に連結された中板部材を有する中折れ部材と、この中折れ部材の前記中板部材の端部に回動可能に連結された上板部材とを有し、
    かつ前記下板部材と前記上板部材との間に、前記下板部材と前記上板部材を係脱可能に係合する共に、プッシュボタンの押圧操作により前記下板部材と前記上板部材との係合を解除できるプッシュ中留機構を具備する装身具の中留構造において、
    前記上板部材の基端部にその基端部で回転自在に連結されて、その先端部を前記上板部材より離間する方向に立ち上がらせた開放位置と、その先端部を前記上板部材に向けて倒した閉鎖位置とが設定可能な表板と、
    前記表板に設けられて一方の装身帯を挿通してこの一方の装身帯を前記上板部材上方に位置させるための開口部と、
    閉鎖位置にある前記表板の裏面と前記上板部材の面部との間に形成されて、一方の装身帯を挿通し且つ保持する空間と、
    閉鎖位置にある前記表板を前記上板部材に係脱可能に係合する係脱機構と、
    前記上板部材の面部に突設されて一方の装身帯の前記調整孔に係合する突棒とを備えたことを特徴とする装身具の中留構造。
  2. 前記係脱機構を、前記上板部材と前記表板のいずれか一方に配され且つ弾性部材により外方に付勢され前記上板部材の外表面に対して出没可能なロック部材と、他方に配されて前記ロック部材が係脱可能に係合する係合孔とより構成した請求項1記載の装身具の中留構造。
  3. 前記係脱機構を、前記上板部材と前記表板のいずれか一方に配された係脱突起と、他方に配されて係脱突起が係脱可能に係合する係合凹部とより構成した請求項1記載の装身具の中留構造。
  4. 前記上板部材と前記表板との間に、常に前記表板を開放位置に向けて付勢するトーションばねを設けた請求項1記載の装身具の中留構造。
  5. 前記上板部材と前記表板との間に、常に前記表板を閉鎖位置に向けて付勢するトーションばねを設けた請求項1記載の装身具の中留構造。
  6. 前記上板部材の前記中板部材との連結部に、前記中板部材に向けて且つ前記中板部材の表方に位置する押え突起を設けた請求項1記載の装身具の中留構造。
  7. 前記表板に設けられた装身帯の短手方向の側壁部に、前記プッシュボタンにおける装身帯の短手方向に沿って突出した押圧部が挿入されるボタン挿入用切欠け部を設けた請求項1記載の装身具の中留構造。
  8. 前記中折れ部材が、前記下板部材の他端部に、他方の装身帯が回転自在に連結され且つ前記中板部材が少なくとも1枚から成る複数折れ中留構成である請求項1記載の装身具の中留構造。
  9. 前記中折れ部材が、前記下板部材の一端部に一方の中板部材の一端部を、前記下板部材の他端部に他方の中板部材の一端部をそれぞれ折り畳み可能に連結し、一方の中板部材の他端部に前記上板部材を回転自在に連結し、他方の中板部材の他端部に他方の装身帯を回転自在に連結した観音開き中留構成である請求項1記載の装身具の中留構造。
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