JP3619006B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子源を用いた画像表示装置等の画像形成装置に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
電子線を利用して画像を表示する画像形成装置としては、CRTが従来から広く用いられてきた。
【0003】
近年になって液晶を用いた平板型表示装置が、CRTに替わって、普及してきたが、自発光型でないため、バックライトを持たなければならない等の問題点があり、自発光型の表示装置の開発が、望まれてきた。自発光型表示装置としては、最近ではプラズマディスプレイが商品化されているが、従来のCRTとは発光の原理が異なり、画像のコントラストや、発色の特性などでCRTと比べるとやや劣るのが現状である。一方、電子放出素子を複数配列し、これを平板型画像形成装置に用いれば、CRTと同じ品位の画像を得られることが期待され、多くの研究開発が行われてきた。例えば特開平4−163833号公報には、線状熱陰極と、複雑な電極構体を真空容器に内包した平板型電子線画像形成装置が開示されている。
【0004】
電子源を用いた画像形成装置においては、例えば画像形成部材に入射した電子線の一部が、散乱され、真空容器内壁に衝突し、2次電子を放出させてその部分の電位を上昇させるようにチャージアップさせる場合がある。これにより真空容器内部の電位分布がひずみ、電子線の軌道が不安定になるばかりでなく、内部で放電を生じ、これにより装置が劣化したり破壊される恐れがあるという問題点を有している。
【0005】
すなわち、チャージアップした部分は電位が高くなるため、電子を引きつけることになり、チャージアップが更に進み、真空容器内壁に沿って放電を発生させるのである。このような放電の原因となる、真空容器内壁のチャージアップを防止する方法としては、真空容器内壁に適当なインピーダンスを有する帯電防止膜を形成し、上述のようにして発生したチャージを除去する方法が適用できる。このような方法を適用した例とし、特開平4−163833号公報において、画像形成装置のガラス容器の内壁側面に、高インピーダンスの導電性材料よりなる導電層をもうけた構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−163833号公報に記載の上記の平面型電子線画像形成装置においては、内部に水平偏向電極、垂直偏向電極等の構体を含むため、ある程度の厚さを有する。一方、近年の携帯用情報端末機器などとして軽量薄型の例えば液晶ディスプレイと同程度の、さらに厚さの薄い電子線画像形成装置の開発が必要となっている。
【0007】
この薄型化を達成できる画像形成装置として、本出願人は、表面伝導型電子放出素子とそれを用いた画像形成装置に関して、すでに多くの提案を行っている。例えば特開平7−235255号公報に記載されたものである。この電子放出素子は構成が単純で、大面積に多数集積して形成することができるため、電極構体などの複雑な構成要素なしに画像表示装置を形成できるため、非常に薄い電子線画像形成装置に用いることができる。
【0008】
ところで、電子源と画像形成部材の間には、電子を加速するための電圧が印加されており、画像形成部材としてCRTと同様な発色を有する蛍光体を用いる場合、好ましい色の発光を得るためには、この電圧はできるだけ高くすることが好ましく、少なくとも数kV程度であることが望ましい。
【0009】
その場合、画像形成装置の厚さが薄くなると画像形成部材と、電子源との間の真空容器内壁に沿った距離が短くなるため、放電の発生する危険が大きくなる。
【0010】
すなわち、上記の画像形成部材と電子源との間には、上記の電子を加速するための電圧が印加されるが、この間の真空容器内壁に沿った距離が短くなると真空容器内壁に沿って強い電界が生ずる。前述したように電子が真空容器内壁に衝突して2次電子を発生させることによりチャージアップを引きおこすが、上記の強い電界により加速された2次電子が再度真空内壁に入射して、チャージアップと2次電子の発生をくり返すことにより、真空容器内壁に沿った放電を生じせしめるものと思われる。
【0011】
このように画像形成装置の厚さが薄くなるにつれ、放電が発生する可能性がより大きくなるため、画像形成装置の前述した従来の方法だけでは不十分な場合があった。
【0012】
また、真空容器内壁に沿って、上記の放電が発生すると、一時的に大きな電流が流れるが、この電流は主に前記の電子源に流入し、電子源に接続された配線を通じてグランドに流れる。
【0013】
この時、電流が電子源を構成する電子放出素子を通り、この電流が通常の駆動の際の範囲を超えると、性能が劣化したり、場合によっては破壊される場合がある。このようになると、画像の一部が表示されなくなるなど、画像の品位が著しく低下し、画像形成装置として使用することが出来なくなる。
【0014】
また、電子源駆動用の配線を通じて、放電により生じた電流が電子源駆動用回路に流入した場合には、この回路を破損する可能性もある。
【0015】
本発明は、上述の従来例に鑑みなされたものであって、本発明の主たる目的は、電子源を用いた画像形成装置内において、放電が発生しても、とりわけ、電子源や電子源駆動回路の劣化、破損の可能性を極力低減し得る画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、容器と、該容器互いに対向して配置された電子源及び画像形成部材と、前記電子源を駆動するための駆動回路とを備える画像形成装置において、前記電子源と前記画像形成部材との間の前記容器の内壁面上に導電性部材と、前記導電性部材と電気的に接続された帯電防止膜と、を備え、前記導電性部材からグランドの間に存在し、前記電子源及び前記駆動回路のいずれをも介さないで電流が流れる第1の電流流路を有し、該第1の電流流路の抵抗が、前記導電性部材から前記グランドの間に存在し、前記電子源又は前記駆動回路を介して電流が流れる第2の電流流路の抵抗よりも低く、前記導電性部材は、前記電子源が配置された基板に前記電子源の全周囲を囲んで配置されていることを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
以下に、好ましい態様例を挙げ、本発明について詳述する。
【0018】
本発明にかかる画像形成装置は、例えば、対向する一対の平面板と、該平面板の間に位置する側面部材により構成された真空容器内に、上記一対の平面板の一方の内面に配置された、複数の画像形成装置を配置してなる電子源と(以下電子源の形成された側の平面板を「リアプレート」と呼ぶ)、他方の内面に上記電子源と対向して配置された、上記電子源から放出された電子ビームの照射により画像を形成する、画像形成部材とを有し(以下画像形成部材の形成された側の平面板を「フェースプレート」と呼ぶ)、該電子源と該画像形成部材との間に電子を加速するための電圧が印加されている画像形成装置であって、上記リアプレート上の上記電子源の周囲に低抵抗導体が配置され、該低抵抗導体とグランドとの間は低インピーダンスの電流流路(以下「グランド接続ライン」と呼ぶ)で接続されている画像形成装置を包合する。上記例において、上記グランド接続ラインのインピーダンスは小さいほど好ましいのは当然であるが、放電が発生したとき、放電電流のほとんどが上記低抵抗導体とグランド接続ラインを通ってグランドへ流れ、電子源に流れ込む電流を十分小さくすることが必要である。
【0019】
放電電流のどの程度が、低抵抗導体とグランド接続ラインを流れるかは、この電流流路とそれ以外の電流流路のインピーダンス(以下、それぞれZ,Z′と表わす)の比によるが、インピーダンスは周波数に依存するので、放電現象がどのような周波数成分を持つかを考慮する必要がある。
【0020】
平板型電子線画像形成装置で、真空容器内壁に沿って起こる放電を観測したところ、おおむね、次のようなものであった。放電の持続時間はμsec.オーダーであるが、大きな電流値が観測される時間はその1/10の0.1μsec.程度の時間である。したがって、10MHz以下の周波数でZがZ′よりも十分小さいことが必要である。より高い周波数では含まれる成分は徐々に小さくなるが、放電現象の立ち上がりは極めて速く、1GHz近くの成分も含まれる。したがって、より確実に放電による損傷を避けるためには、1GHz以下の周波数でZがZ′よりも十分小さいことが必要である。
【0021】
この条件は、後述するように、グランド接続ラインの抵抗値が、それ以外の電流流路の抵抗値の1/10以下、好ましくは1/100以下であれば実質的に十分満たされる。
【0022】
図11(A)は、本発明の画像形成装置において、放電が発生した際の電流の流れ方を説明するために、放電に関連する部分の状況を簡易化して示した等価回路図である。図11(B)は、図11(A)中に記載された放電電流の流路を模式的に示した断面図である。図において、1はリアプレート、2は電子源、3は電子源駆動用配線、4は支持枠、5は低抵抗導体、11はフェースプレート、12は画像形成部材、13は絶縁部材である。絶縁部材13は印刷法などにより形成された絶縁層、あるいはガラスやセラミックスよりなる絶縁板等により構成されたものである。絶縁部材13は、すべてを印刷法によりガラスペーストを塗布、焼成して絶縁層を形成する方法によってもよく、またその一部を上記のガラスやセラミックスの板を用い、十分大きな絶縁耐圧を確保するようにしてもよい。
【0023】
この例では真空容器内壁に帯電防止膜を設けた場合を示しており、14は帯電防止膜である。図11(A)のポイント61は画像形成部材12に、62は低抵抗導体5に対応する。また、65は電子源2を構成する電子放出素子を、63,64は電子放出素子2の両端電極を示す。なお、電子放出素子65は通常複数存在するが、煩雑にしないため、図では一つのみ示した。66は画像形成部材12と電子源2の間の容量を示す。
【0024】
また、Zは、画像形成部材12と低抵抗導体5の間のインピーダンスで、通常(放電が発生していないとき)は、帯電防止膜14による比較的大きなインピーダンスを有するが、放電が発生した場合には実効的にインピーダンスが大きく低下し、電流Iが流れる。Zは低抵抗導体5自身とそれからグランドへ流れる電流流路Aに相当する電流iに対するインピーダンスである。Zは絶縁層や真空容器のガラス、接合に用いたフリットガラスなどを通じて、さらに画像形成装置の支持体などを介してグランドに流れる電流iに対するインピーダンスを示すが、絶縁層の抵抗値を十分大きくすれば実際には12は極めて小さくなり無視できる。Zは帯電防止膜14を通過して電子源2に流入した後、電子源駆動用配線3を通ってグランドに流れる電流iに対するインピーダンスを示す。Zは帯電防止膜14等を通って電子源に流入し、電子放出素子2に流れ込む電流iに対するインピーダンス、Zは電子放出素子2を通った後、反対側の配線を介してグランドに流れる電流(これもi)に対するインピーダンスである。
【0025】
なお、電子源駆動用配線3には駆動回路が接続されており、また各構成要素の間に容量結合があるなど厳密には複雑な要素を含むが、図11(A)は本発明の要点を理解しやすいように重要な要素のみを示したものである。
【0026】
放電電流が低抵抗導体に流入したとき、その大部分がグランド接続ラインを通してグランドに流れ(電流流路Aの電流i)、その他の電流流路Bに相当する電流i、i、iを十分小さく出来ればよい。ここでiで示した電流が電子放出素子の損傷を引き起こすものである。iで示した電流は先の説明では触れなかったが、やはり真空容器やフリットガラスを劣化させるものであるが、前述の通り、絶縁層の抵抗値を十分大きくすることにより、iは小さくできる。図でインピーダンスZと表したのが前述のZに相当し、Z〜Zにより合成されたインピーダンスが前述のZ′に相当する。(Z/Z′)の値が小さいほど効果は大きいが、十分な効果を得るには10MHz以下の周波数で(Z/Z′)≦1/10である事が必要であり、(Z/Z′)≦1/100であれば一層確実である。更に、1GHz以下の周波数においても(Z/Z′)以下1/10であれば好ましい。
【0027】
上記説明では、真空容器内壁に帯電防止膜14を形成する場合を示した。これはチャージアップが生ずる可能性を減少させるもので、本発明においてはより好ましい形態であるが、必ずしも必要ではない。帯電防止膜14のシート抵抗値は大きすぎるとその効果が無いので、ある程度の導電性が必要であるが、抵抗値が小さすぎると、画像形成部材12と低抵抗導体5の間に通常の状態で流れる電流が大きくなり、消費電力を増加させてしまうため、その効果を損なわない範囲で抵抗を大きくする必要がある。画像形成装置の形状などにもよるが、シート抵抗値が10〜1010Ω/□の範囲が好ましい。
【0028】
本発明の画像形成装置の上記低抵抗導体5は、上記電子源2を完全に取り囲んで配置するのがもっとも確実性の高い形態であるが、このような形態に限定されるわけではない。放電の生じ易い部分の側にだけ設置する形態も可能である。例えば、電子源2を構成する電子放出素子から放出される電子の運動量が、上記電子源2を配置したリアプレート1の面内方向の特定の方向の成分を持つ場合、画像形成部材12で散乱された電子の多くは真空容器内壁の上記特定の方向にある部分に衝突し、この部分で放電が生ずる可能性が高くなると思われる。この場合、電子源2のその方向の側に低抵抗導体5を配置すれば効果が期待できる。
【0029】
本発明の画像形成装置の上記グランド接続ラインの内、真空容器の内外をつなぐ部分(以下「グランド接続端子」と呼ぶ)の形態は、十分低いインピーダンスを確保できればよく、様々な形態が可能である。一例として、リアプレート1上に低抵抗導体5からリアプレート1の一端まで配線を形成し、フリットガラスにより接合したリアプレートと支持枠の間を通過させる方法が比較的容易である。この配線のインピーダンスを小さくするには配線の幅と厚さを出来るだけ大きくすることが望ましいが、厚さをあまり大きくすると、真空容器の組み立てが困難となる。配線の幅は例えば配線を延ばす側のリアプレートの幅よりも若干小さい程度まで大きくすることが出来るが、この場合、電子源駆動用の配線3が例えば絶縁層を介して積層されていると、両者の間に大きな容量が形成されて、電子源2の駆動に影響を与える恐れがあるため、それを避ける工夫が必要である。駆動用の配線3の形成されない部分に、グランド接続端子を形成するのが望ましい。
【0030】
上記のように、グランド接続端子のインピーダンスを小さくするように幅を広くすることは、放電による電流が流れた場合に電流の一部がフリットガラス中に漏れ出して、前述したようにフリットガラスを損傷することを防ぐことにも、当然効果があるが、より確実にするためには、フェースプレート11、あるいはリアプレート1に設けた貫通孔を使って、十分な太さの金属棒を、実質的にイオン電流を流さない絶縁体、例えばアルミナなどのセラミックスで被覆したグランド接続端子を用いるとよい。
【0031】
また、上記画像形成部材12を高圧電源に接続させるための高圧接続端子Vaと、上述のグランド接続端子をともに、リアプレート1に設けた貫通孔を通して形成すると、本発明の画像形成装置を応用してTV受像機などを設計する場合、高圧電源やグランドとの接続を画像形成装置の裏面に形成することが出来、設計上好ましい。ただし、この場合高圧接続端子の絶縁被覆とリアプレートとの間には高電圧がかかるので、絶縁層表面でも放電が起こる恐れがあるため、これへの対策が必要である。高圧接続端子の貫通孔の周囲にも低抵抗導体を配置し、これを電子源の周りに配置した低抵抗導体と接続する。あるいは一体に形成するデザインが適用できる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図面により具体的に説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置の構成の一例を模式的に示す平面図で、フェースプレートを取り除いて上方から見た場合の構成を示す。
【0033】
図1において、1は電子源を形成するための基板を兼ねるリアプレートで、青板ガラスや、表面にSiO被膜を形成した青板ガラス、Naの含有量を少なくしたガラス、石英ガラス、あるいはセラミックスなど、条件に応じて各種材料を用いる。なお、電子源形成用の基板を、リアプレートと別に設け、電子源を形成した後、両者を接合してもよい。2は電子源領域で、電界放出素子、表面伝導型電子放出素子などの電子放出素子を複数配置し、目的に応じて駆動できるように素子に接続された配線を形成したものである。
【0034】
また、3−1,3−2,3−3は電子源駆動用の配線であり、画像形成装置の外部に取り出され、電子源2の駆動回路(不図示)に接続される。4はリアプレート1とフェースプレート(不図示)に挟持される支持枠であり、フリットガラスにより、リアプレート1に接合される。電子源駆動用配線3−1,3−2,3−3は支持枠4とリアプレート1の接合部でフリットガラスに埋設されて外部に引き出される。5は本発明の特徴部分である低抵抗導体であり、電子源2の周りを取り囲んで形成されている。電子源駆動用配線3−1,3−2,3−3との間には絶縁層(不図示)が形成されている。また、低抵抗導体5の四隅にはグランド接続ラインの端子を当接するのに適するように幅を広くした当接部位6を形成してある。7はフェースプレートの画像形成部材12に高電圧を供給するための高圧導入端子を通過させるための通過孔である。真空容器内には、このほかゲッタ8、ゲッタ遮蔽板9などが必要に応じて配置される。
【0035】
図2(A),2(B),2(C)は、図1のA−A,B−B,C−Cの線に沿った断面の構成を示す模式図である。図2(A)において、11はフェースプレート、12は蛍光膜とメタルバックと呼ばれる金属膜(例えばAl)からなる画像形成部材、13は必要に応じて形成された絶縁層、14は真空容器内壁に形成された帯電防止膜である。この帯電防止膜14は、真空容器内壁のガラスなどの上に形成されるのはもちろんであるが、画像形成部材12や電子源2上にも形成されてもよい。電子源2上ではやはりチャージアップを防止する効果がある。帯電防止膜のシート抵抗値が、前述のように10〜1010Ω/□の範囲であれば、電子源2を構成する電子放出素子の電極や配線の間でのリーク電流が、問題となることはない。
【0036】
帯電防止膜14の材質は、所定のシート抵抗値が得られ、十分な安定性を有するものであれば特に限定されない。例えばグラファイト微粒子を適当な密度で分散させた膜が適用できる。この膜は十分薄いので画像形成部材12のメタルバック上に形成されても、蛍光体に到達して発光に寄与する電子の数を減らすほどの悪影響が実質的にないだけでなく、Alなどのメタルバックの材質と比べて電子の弾性散乱が生じにくいので、チャージアップの原因となる電子の散乱を減少させる効果も期待できる。例えば、この真空容器内壁に沿って、放電が生じた場合には、放電電流は高電圧のかかった画像形成部材12から真空容器内壁面をつたわり、低抵抗導体5に流れ込んでそのほとんどは低インピーダンスのグランド接続ラインを通じてグランドに流れるため、配線3−1を伝わり電子源2に流れ込んだり、真空容器を構成するガラス容器等の部材自体を通ってグランドに流れたりすることが防がれる。
【0037】
図2(B)においては、グランド接続端子15が低抵抗導体5の当接部位6に接続されている。グランド接続端子は例えば導体16と絶縁碍子17よりなり、導体16は、Ag,Cu等の金属よりなる十分な断面積を持つロッド(例えば直径2mmのAgのロッド、この場合ロッドの電気抵抗は、1cmあたり5mΩ程度となり極めて小さな値となる。あるいはCuやAlなど導電性の良い材料を用いれば、同じ程度の低い抵抗値が得られる。)であり、表面は接触抵抗を小さくするためAu被覆層を有するのが望ましい。なお、低抵抗導体5の当接部位6もAuで被覆されていたり、それ自体がAuで形成されていれば、接触抵抗を非常に小さくできるので、一層望ましい。
【0038】
このグランド接続端子15に接続された結線をグランドに接続することにより、低抵抗導体5の各部分からグランドまでの抵抗を例えば1Ω以下と極めて小さな値とすることができる。
【0039】
一方、グランド接続ラインの自己誘導係数は、上記グランド接続端子15とグランドの間の距離を短くすることにより10−6H以下とすることが出来る。従って、10MHzの周波数成分に対し、インピーダンスは10Ω程度以下とすることができる。1GHzの周波数成分に対してはインピーダンスは高々1kΩ程度である。
【0040】
ところで、前記グランド接続ラインが存在しないと仮定した場合、低抵抗導体5とグランドを結ぶ主要な電流流路は、低抵抗導体5からリアプレート1表面(帯電防止膜がある場合は、その帯電防止膜)を通って電子源2に流入した後、電子源駆動用配線3が通ってグランドに達するものである。すなわち、図11Aにおいて、電流i,iが流れる流路である。この流路のインピータンスを支配するのは、通常、上記のリアプレート表面あるいは帯電防止膜を流れる電流の流路の抵抗であると考えられる。電子源の周囲の長さ100cm、電子源と低抵抗導体との間隔を1cmの場合を想定し、帯電防止膜のシート抵抗を10Ω/□とすると、電流が一様に帯電防止膜を流れると仮定してもその抵抗値は1MΩである。この値は、上述のグランド接続ラインのインピーダンスと比較しても十分に大きな値である。
【0041】
上記帯電防止膜14がない場合にはこの部分の抵抗値は更に大きくなる。
【0042】
また、上記の電子源2と低抵抗導体5との間隔が1mm程度に狭くなったとすると、この部分の抵抗値は上記の値の1/10になる。更に何らかの要因により抵抗値がもう1桁低下したとしても、低抵抗導体5との電子源2の間の抵抗値は10kΩである。この値は極端な場合であり、実際にはこの値よりも大きな抵抗となる。また、この部分の抵抗値が、上記グランド接続ラインが存在しない場合の上記低抵抗導体5とグランドの間の電流流路のインピーダンスの支配的な部分となる。すなわち、この電流流路のインピーダンスZ′は、その抵抗値(以下、R′)にほぼ等しく、上記低抵抗導体と電子源との間の抵抗値はその主要な部分となる。
【0043】
上記低抵抗導体5に放電電流が流入した場合、その後に該低抵抗導体5から低インピーダンスラインを介してグランドに流れる電流と、帯電防止膜14を通って電子源2に流入し、電子放出素子や配線などを通ってグランドに流れる電流との大きさの比は、上記のインピーダンスZとZ′(≒R′)の逆数の比に等しい。仮にR′がZの10倍であれば、放電が生じたときに電子源を通ってグランドへ流れる電流は、低インピーダンスラインがない場合に比べて1桁程度小さくなることになる。
【0044】
低インピーダンスのインピーダンスの内、自己誘導成分は前述したように10MHzで10Ω程度、1GHzにおいても1kΩ程度であるから、抵抗成分(以下R)が1kΩより小さければ1GHz以下の周波数領域でインピーダンスZが1kΩ程度ないしそれ以下となり、Z′(≒R′)の1/10以下となる。さらにRが100Ωより小さければ100MHz以下の周波数領域においてZが100Ωないしそれ以下となる。
【0045】
放電の際に電子源2に流れ込む電流がどの程度低減されれば、電子放出素子や真空容器、駆動回路に受けるダメージを回避できるかは、個々の画像形成装置の条件により異なり、一概には言えないが、放電により流れる電流の大きさには統計的なバラツキがあると思われ、電子源に流入する電流量が1桁、あるいは2桁減少すれば、電子源などがダメージを受ける確立は相当に減少することが期待できる。
【0046】
なお、上記説明では、R′が最も小さいと思われる10kΩの場合について述べたが、R′がこれよりも大きい場合にもRがその1/10以下あるいは1/100以下である場合に、当然上記と同様ないしそれ以上の効果が期待できる。
【0047】
低抵抗導体5の材質としては、カーボンペーストなどにより導電性カーボンを用いてもよい。導体の厚さを十分に厚くすれば、低抵抗導体5とグランド接続ラインの抵抗値を100Ω程度とすることは容易であり、他の電流流路に比べ、十分小さなインピーダンスを実現することができる。
【0048】
なお、グランド接続端子15は、上述の例のような方法の他、リアプレート1の裏側に取り出す方法を用いてもよい。
【0049】
図2(C)において、18は画像形成部材12に高電圧(アノード電圧Va)を供給するための高電圧導入端子である。該導入端子18が導体16と絶縁碍子17よりなる構成は、グランド接続端子の場合と同様である。なお、このような構成の場合、絶縁碍子17の側面に沿って放電が発生する可能性があるので、図1に示すように通過孔7の周りを低抵抗導体5で囲み、放電電流が電子源2や真空容器に流れ込むことを防ぐことが好ましい。
【0050】
また、高電圧配線をフェースプレート側に取り出すような構成であってもよい。その場合には、碍子にかかる電圧はあまり大きくならず、放電が生じにくいので、放電防止の点からはより好ましい構成である。
【0051】
なお、帯電防止膜14はフェースプレート、支持枠リアプレートの内壁面のみでなく、ゲッタ8、ゲッタ遮蔽板9上にも形成されるのが好ましい。
【0052】
本実施形態に用いる電子源2を構成する電子放出素子の種類は、電子放出特性や素子のサイズ等の性質が目的とする画像形成装置に適したものであれば、特に限定されるものではない。熱電子放出素子、あるいは電界放出素子、半導体電子放出素子、MIM型電子放出素子、表面伝導型電子放出素子などの冷陰極素子等が使用できる。
【0053】
後述する実施例において示される表面伝導型電子放出素子は本実施形態に好ましく用いられるものであるが、上述の本出願人による出願、特開平7−235255号公報に記載されたものと同様のものであるが、以下に簡単に説明する。図8(A),(B)は、表面伝導型電子放出素子単体の構成の一例を示す模式図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【0054】
図8において、41は電子放出素子を形成するための基体、42,43は一対の素子電極、44は上記素子電極に接続された導電性膜で、その一部に電子放出部45が形成されている。電子放出部45は後述するフォーミング処理により、導電性膜44の一部が破壊、変形、変質されて形成されて高抵抗の部分で、導電性膜44の一部に亀裂が形成され、その近傍から電子が放出されるものである。
【0055】
上記のフォーミング工程は、上記一対の素子電極42,43間に電圧を印加することにより行う。印加する電圧は、パルス電圧が好ましく、図5(A)に示した同じ波高値のパルス電圧を印加する方法、図5(B)に示した、波高値を漸増させながらパルス電圧を印加する方法のいずれの方法を用いてもよい。なお、パルス波形は図示した三角波に限定されるものではなく矩形波等の他の形状であってもよい。
【0056】
フォーミング処理により電子放出部を形成した後、「活性化工程」と呼ぶ処理を行う。これは、有機物質の存在する雰囲気中で、上記素子にパルス電圧を繰り返し印加することにより、炭素又は炭素化合物を主成分とする物質を、上記電子放出部及び/又はその周辺に堆積させるもので、この処理により素子電極間を流れる電流(素子電流If)、電子放出に伴う電流(放出電流Ie)ともに、増大する。
【0057】
このようなフォーミング工程及び活性化工程を経て得られた電子放出素子は、つづいて安定化工程を行うことが好ましい。この安定化工程は、真空容器内の特に電子放出部近傍の有機物質を排気する工程である。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープションポンプとイオンポンプからなる真空排気装置等を挙げることが出来る。
【0058】
真空容器内の有機物質の分圧は、上記の炭素又は炭素化合物がほぼ新たに堆積しない分圧で1.3×10−6Pa(パスカル)以下が好ましく、さらには1.3×10−8Pa以下が特に好ましい。さらに真空容器内を排気するときには、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが好ましい。このときの加熱条件は、80〜250℃、好ましくは150℃以上で、できるだけ長時間処理するのが望ましいが、特にこの条件に限るものではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸条件により適宜選ばれる条件により行う。真空容器内の圧力は極力低くすることが必要で、1×10−5Pa以下が好ましく、さらに1.3×10−6Pa以下が特に好ましい。
【0059】
安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ましいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な特性を維持することが出来る。
【0060】
このような真空雰囲気を採用することにより、新たな炭素又は炭素化合物の堆積を抑制でき、また真空容器や基板などに吸着したHO,Oなども除去でき、結果として素子電流If,放出電流Ieが、安定する。
【0061】
このようにして得られた表面伝導型電子放出素子の、素子に印加する電圧Vfと素子電流If及び放出電流Ieの関係は、図9に模式的に示すようなものとなる。図9においては、放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいので、任意単位で示している。なお、縦・横軸ともリニアスケールである。
【0062】
図9に示すように、本表面伝導型電子放出素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図9中のVth)以上の素子電圧Vfを印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。つまり、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子である。これを利用すれば、2次元的に配置した電子放出素子にマトリクス配線を施し、単純マトリクス駆動により所望の素子から選択的に電子を放出させ、これを画像形成部材に照射して画像を形成させることが可能である。
【0063】
画像形成部材である蛍光膜の構成の例を説明する。図10は、蛍光膜を示す模式図である。蛍光膜51は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材52とRGB3色等の蛍光体53とから構成することができる。ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体53間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜51における外光反射によるコントラストの低下を抑制することにある。ブラックストライプの材料としては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料を用いることができる。
【0064】
フェースプレート11に蛍光体を塗布する方法は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等が採用できる。蛍光膜51の内面側には、不図示のメタルバックが設けられる。メタルバックを設ける目的は、蛍光体53の発光のうち内面側への光をフェースプレート11側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージから蛍光体53を保護すること等である。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製できる。
【0065】
フェースプレート11には、更に蛍光膜51の導電性を高めるため、蛍光膜51の外面側に透明電極を設けてもよい。
【0066】
カラー表示の場合は、各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わせが不可欠となる。
【0067】
上述のような構成を有する本実施形態により、薄型の平板型電子線画像形成装置の信頼性を向上させることが可能となる。このように形成された画像形成装置を用いて、行列配線座標上に形成した電子放出素子に走査信号と画像信号とを印加し、画像形成部材のメタルバックに高電圧を印加することにより、大型で薄型の画像を表示する画像表示装置を提供することができる。
【0068】
【実施例】
以下、各実施例に基づいて、図面を参照しつつ本発明をさらに説明する。
【0069】
[実施例1]
表面伝導型電子放出素子を、基板を兼ねるリアプレート上に複数形成し、マトリクス状に配線して電子源を形成し、これを用いて画像形成装置を作成した。以下に図3(A)〜(E)、図4を参照して、作成手順を説明する。
【0070】
(工程−a)
洗浄した青板ガラスの表面に、0.5μmのSiO層をスパッタリングにより形成し、リアプレート1とした。つづいて超音波加工機により高圧導入端子の導入のための直径4mmの円形の通過孔(図1の7)を形成した。
【0071】
該リアプレート上にスパッタ成膜法とフォトリソグラフィー法を用いて表面伝導型電子放出素子の素子電極21と22を形成する。材質は5nmのTi、100nmのNiを積層したものである。素子電極間隔は2μmとした(図3(A))。
【0072】
(工程−b)
つづいて、Agペーストを所定の形状に印刷し、焼成することによりY方向配線23を形成した。該配線は電子源形成領域の外部まで延長され、図1における電子源駆動用配線3−2となる。該配線23の幅は100μm、厚さは約10μmである(図3(B))。
【0073】
(工程−c)
次に、PbOを主成分とし、ガラスバインダーを混合したペーストを用い、同じく印刷法により絶縁層24を形成する。これは上記Y方向配線23と後述のX方向配線を絶縁するもので、厚さ約20μmとなるように形成した。なお、素子電極22の部分には切り欠きを設けて、X方向配線と素子電極の接続をとるようにしてある(図3(C))。
【0074】
(工程−d)
つづいて、X方向配線25を上記絶縁層24上に形成する(図3(D))。方法はY方向配線23の場合と同じで、X方向配線25の幅は300μm、厚さは約10μmである。つづいて、PbO微粒子よりなる導電性膜26を形成する。
【0075】
導電成膜26の形成方法は、配線23,25を形成した基板1上に、スパッタリング法によりCr膜を形成し、フォトリソグラフィー法により、導電性膜26の形状に対応する開口部をCr膜に形成する。
【0076】
つづいて、有機Pd化合物の溶液(ccp−4230:奥野製薬(株)製)を塗布して、大気中300℃、12分間の焼成を行って、PdO微粒子膜を形成した後、上記Cr膜をウェットエッチングにより除去して、リフトオフにより所定の形状の導電性膜26とする(図3(E))。
【0077】
(工程−e)
上記リアプレート上に更に、PbOを主成分とし、ガラスバインダーを混合したペーストを塗布する。尚、その塗布領域は、上記素子電極21,22,X方向25及びY方向配線23、導電性膜26が形成された領域(図1の電子源領域2)以外であって、図1の支持枠4の内側に相当する領域である。
【0078】
(工程−f)
次に、図4に示すように、形成すべき低抵抗導体よりやや幅が広くほぼ同じ形状に成形した厚さ0.5mmの石英ガラス27にAuペーストを印刷し、焼成してAuの低抵抗導体5を形成する。低抵抗導体5の幅は2mm、厚さは約100μmである。ただし、グランド接続端子の当接部6となる四隅は半径5mmの四分の一円、高圧導入端子通過孔7に当たる部分は、直径8mmの円で、中心に直径4mmの通過孔の形成されたものである。これを上記リアプレートに、上記通過孔7を合わせるように置き、ガラスペーストを熱処理して、絶縁層を形成、同時に上記低抵抗導体5を担持した石英ガラス27を所定の位置に固定する。
【0079】
ここで、石英ガラス27を用いたのは、低抵抗導体5と電子源駆動用配線3−1,3−2,3−3との間の絶縁耐圧を十分にとるためで、ガラスペーストなどにより十分な絶縁耐圧が得られる場合には、ガラスペーストにより絶縁層を形成した後、その上に低抵抗導体5を形成してもよい。
【0080】
(工程−g)
図1、図2に示すように、リアプレート1とフェースプレート11との間の隙間を形成する支持枠4と上記リアプレートとをフリットガラスを用いて接続する。ゲッタ8の固定もフリットガラスを用いて同時に行う。容器の内面となる部分に、カーボン微粒子分散液をスプレーコート、乾燥して帯電防止膜14を形成する。形成条件は、帯電防止膜14のシート抵抗値が10Ω/□程度となるように予め求めておいた条件とする。
【0081】
(工程−h)
つづいて、フェースプレートを作成する。リアプレートと同様に、SiO層を設けた青板ガラスを基体として用いる。超音波加工により、排気管接続用の開口部とグランド接続端子導入口を形成する。つづいて、印刷により高圧導入端子当接部と、これを後述のメタルバックを接続する配線をAuにて形成、さらに蛍光膜のブラックストライプ、つづいてストライプ状の蛍光体を形成、フィルミング処理を行った後、この上に厚さ約20μmのAl膜を真空蒸着法により堆積して、メタルバックとした。さらにフェースプレートの容器内部となる面に、前述と同様にカーボン微粒子分散液をスプレーして帯電防止膜14を形成する。こうして形成された膜のうち、上記メタルバック上に形成された部分は、入射した電子ビームが反射されるのを制御する効果がある。これにより反射された電子が真空容器の内壁などに衝突しチャージアップを起こすことを防ぐなど、好ましい効果がある。
【0082】
(工程−i)
前記リアプレートと接合した支持枠4を上記のフェースプレートとフリットガラスを用いて接合する。グランド接続端子、高電圧導入端子及び排気管の接合も同時に行う。グランド接続端子、高圧導入端子はAuを被覆したAgの棒を、アルミナを主成分とする碍子に貫入したものである。
【0083】
なお、電子源の各電子放出素子と、フェースプレートの蛍光膜の位置が正確に対応するように、注意深く位置合わせを行う。
【0084】
(工程−j)
上記画像形成装置を、不図示の排気管を介して真空排気装置に接続し、容器内を排気する。容器内の圧力が10−4Pa以下となったところで、フォーミング処理を行う。
【0085】
フォーミング工程は、X方向の各行毎に、X方向配線に図5(B)に模式的に示すような波高値の漸増するパルス電圧を印加して行った。パルス間隔Tは10sec.、パルス幅Tは1msec.とした。なお、図には示されていないが、フォーミング用のパルスの間に波高値0.1Vの矩形波パルスを挿入して電流値を測定して、電子放出素子の抵抗値を同時に測定し、1素子あたりの抵抗値が1MΩを越えたところで、その行のフォーミング処理を終了し、次の行の処理に移る。これを繰り返して、すべての行についてフォーミング処理を完了する。
【0086】
(工程−k)
次に活性化工程処理を行う。この処理に先立ち、上記画像形成装置を200℃に保持しながらイオンポンプにより排気し、圧力を10−5Pa以下まで下げる。つづいてアセトンを真空容器内に導入する。圧力は、1.3×10−2Paとなるよう導入量を調整した。つづいて、X方向配線にパルス電圧を印加する。パルス波形は、波高値16Vの矩形波パルスとし、パルス幅は100μsec.とし1パルス毎に125μsec間隔でパルスを加えるX方向配線を隣の行に切り替え、順次行方向の各配線にパルスを印加することを繰り返す。この結果各行には10msec.間隔でパルスが印加されることになる。この処理の結果、各電子放出素子の電子放出部近傍に炭素を主成分とする堆積膜が形成され、素子電流Ifが大きくなる。
【0087】
(工程−l)
つづいて、安定化工程として、真空容器内を再度排気する。排気は、画像形成装置を200℃に保持しながら、イオンポンプを用いて10時間継続した。この工程は真空容器内に残留した有機物質分子を除去し、上記炭素を主成分とする堆積膜のこれ以上の堆積を防いで、電子放出特性を安定させるためのものである。
【0088】
(工程−m)
画像形成装置を室温に戻した後、工程−kで行ったのと同様の方法で、X方向配線にパルス電圧を印加する。さらに上記の高電圧導入端子を通じて、画像形成部材に5kVの電圧を印加すると蛍光膜が発光する。なお、このときグランド接続端子をグランドに接続する。目視により、発光しない部分あるいは非常に暗い部分がないことを確認し、X方向配線及び画像形成部材への電圧の印加をやめ、排気管を加熱溶着して封止する。つづいて、高周波加熱によりゲッタ処理を行い、画像形成装置を完成する。
【0089】
なお、上記と同様にして形成したもう一つの画像形成装置について、フェースプレートの一部を切り取り、低抵抗導体とグランドの間のインピーダンスの測定を行ったところ、約10Ωであった。次いで、グランド接続端子とグランドの間の接続を切り離して測定したところ、約1MΩであった。この値は、グランド接続ランイを介さない低抵抗導体とグランドとの間の抵抗値である。
【0090】
上記実施例1の画像形成装置を上記の(工程−m)と同様に電子源と画像形成部材に電圧を印加して、画像形成部材を発光させた。このとき、画像形成部材に印加する電圧は、6kVとした。
【0091】
なお、図6(A)には示していないが、測定中は上記画像形成装置のフェースプレートの周辺部をグランドに接続された導電性ゴムで押さえて固定した。これにより、フェースプレートと支持枠、支持枠とリアプレートの間には電界電流はほとんど流れず、接合部のフリットガラスが、前述したように劣化することが避けられる。
【0092】
測定は、図6(A)に模式的に示すように、高圧電源31と、高電圧導入端子18の間に電流計32を置き、電流値を検出して放電の発生を検知した。ここで、2は電子源、12は画像形成部材、33はレコーダ、34は電子源駆動回路、35は画像形成装置である。電流計32に流れる電流は通常は小さなもので、これはほとんどが画像形成装置35の真空容器内面の帯電防止膜14を通して流れる電流であると思われるが、図6(B)に模式的に示すように、時折矢印で示した様なピークが現れる。これは真空容器内で放電が発生したことを示すものである。このように電流値を記録することにより、放電の発生回数を知ることができる。
【0093】
上記の画像形成装置について10時間観測を続けたところ、実施例1の画像形成装置では6回の放電が確認されたが、画面に線状などの顕著な欠陥は確認されなかった。
【0094】
[実施例2]
低抵抗導体5をグラファイトペーストを用いて形成したことを除いて、実施例1と同様の画像形成装置を作成した。上記と同様の評価を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。実施例1では低抵抗導体5をAuを焼成して形成したが、グランドまでの電気抵抗は100Ω程度となり、その効果には差異がないことがわかる。
【0095】
[実施例3]
実施例1では、グランド接続端子をフェースプレート側から、高電圧導入端子をリアプレート側から真空容器内に導入した構成であったが、グランド接続端子をリアプレート側から、高電圧導入端子をフェースプレート側から導入してもよい。図7(A),(B)は、グランド接続端子をリアプレート側から、高電圧導入端子をフェースプレート側から導入した場合の構造を模式的に示したものである。このような構成においても、観測の結果、実施例1と同様の効果が得られる。この場合、高圧端子の碍子17の側面には、放電を生ずるような高圧がかかることはなく、従ってそれに対応する低抵抗導体を必要としない。
【0096】
参考例
参考例は、工程−hにおける帯電防止膜の形成を省略したほかは、実施例1と同様に作成したものである。実施例1と同様に画像形成部材に電圧を印加し、本発明の効果を測定したところ、15回の放電が観測されたが、これによる電子放出素子の破損は確認されなかった。
【0097】
[実施例5]
図13(A)は本実施例の画像形成装置の構成を模式的に示した平面図で、フェースプレートを取り除いて上方から見た場合の構成を示す。図13(B)は図13(A)中のD−Dに沿った断面を模式的に示した図である。図13(A)、図13(B)において、19は導電性膜よりなる、グランドライン接続端子であり、電子源駆動用配線3−1、3−2や低抵抗導体5と同様の方法で形成される。このようにbの広い導電性膜を用いることで、この部分での電気抵抗を十分低くすることが出来る。他の部材は実施例1と同様であり、実施例1と同様の効果が得られる。ただし、X方向配線は1方向のみから真空容器外に引き出される構造で、図1(A)で参照記号3−3で示される配線と、グランドライン接続端子19とが積層される構造をとらない場合を示した。
【0098】
このような構造を採用すると、リアプレートの端部でグランド接続端子19にグランドへ接続する配線を取り付けるために、スペースを必要とするという問題があるが、フェースプレート乃至リアプレートに貫通孔を設けてグランド接続端子を取りつける方法よりも簡易な構造となり、製造も容易である。
【0099】
参考例
参考例は、図14模式的に示す様に、低抵抗導体を電子源の一方の側のみに形成した構成を有する。なお、高電圧導入端子は、実施例3と同様にフェースプレートに貫通孔を設けて形成した。他は実施例1と同様である。本参考例では、電子源の駆動において、X方向配線をマイナス、Y方向配線をプラスとし、電子放出素子と上記配線とは、図3(E)に示す様に接続されている場合であって、電子源から放出された電子は、図14において右から左へ向かう運動量の成分を有する。このため、画像表示部材で散乱された電子は、左側の真空容器側面に衝突しやすく、この部分で放電が生じ易いと考えられる。したがって、図14のように電子源の左側のみに低抵抗導体を配置しても、導電による電子源などの破損を十分に抑制する効果が得られる。
【0100】
なお、電子放出素子としては、本参考例の素子に限らず、横型電界放出型電子放出素子を用いた場合にも、本参考例と同様な構成が有効である。また、それ以外にも、何かの理由により、放電の生じ易い部分が限定される場合には、それに対応した位置に低抵抗導体を配置する事により、効果が期待される。
【0101】
[実施例7]
本実施例は、高電圧導入端子18、グランド接続端子15をともにリアプレートを貫通するように設けたものである。図12は本実施例の構成を説明する、フェースプレートを取り除いた状態での平面図である。図中のラインA−AおよびC−Cに沿った断面の構成は、図2(A)および図2(C)に示したものと同様である。ラインB−Bに沿った断面の構成は、図7(A)に示したものと同様であり、グランド接続端子15の導体棒16が低抵抗導体5に接続されている。このように構成すると、大電流の流れる可能性のあるグランド接続端子、高電圧を印加する必要のある高圧端子のいずれも、画像形成装置の裏側に取り出す構造となり、利用者がこれらの端子にふれないように安全対策を行う上で、好都合である。また、画像表示装置としても表示面に突出物がなくなるので、観測者への違和感もなく、視野角への遮蔽もなく、更にリアプレートの裏側に駆動回路等を搭載できるので、薄型化にも貢献できる等、設計の自由度を増すことが出来る。なお、高電圧導入端子およびグランド接続端子を設ける位置は、本実施例のものにかぎられるものではなく、適用する画像形成装置の構造に合わせて、適宜設計することが出来る。
【0102】
なお、上記実施例では、電子源を構成する電子放出素子として、表面伝導型電子放出素子を用いた場合を示したが、本発明の構成がこれに限られるものでないことは当然で、電界放出型電子放出素子、半導体電子放出素子その他各種の電子放出素子を用いた電子源を使用した場合でも同様に適用できる。
【0103】
また、実施例においては、画像形成装置のリアプレートが電子源の基板を兼ねているが、リアプレートと基板を別にして、電子源を作成した後に基板をリアプレートに固定してもよい。
【0104】
その他、本発明の技術的思想の範囲内で、上記実施形態及び実施例で示した各種部材を、適宜変更してもよい。また、図1に示した行配線3−1、3−2は片方向から取り出してもよい。
【0105】
【発明の効果】
以上述べた本発明の画像形成装置は、装置の容器内で放電が発生しても、とりわけ、電子源や電子源駆動回路の劣化、破損の可能性が極めて低く、よって、信頼性の高い画像形成装置である。
【0106】
また、前記装置の容器を構成する部材への前記放電によるクラックなどの発生をも防止することができる。
【0107】
また、本発明によれば、電子源を用いた薄型の画像形成装置の実現をも可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例の構成を模式的に示す平面図で、リアプレートと支持枠の構成を示す。
【図2】(A)〜(C)は、図1に示した本発明の一例の構成を模式的に示す断面図で、それぞれ図1中のA−A,B−B,C−Cに沿うの構成を示す。
【図3】(A)〜(E)は、本発明の画像形成装置の製造工程の一部を示す図である。
【図4】本発明の画像形成装置に用いられた石英板とその上に形成されたシールド導体の概略形状を示す図である。
【図5】(A),(B)は、本発明に使用された表面伝導型電子放出素子の、電子放出部形成の際に用いるパルスの電圧の波形を示す図である。
【図6】(A)は本発明の画像形成装置の効果を検証するために、用いられた装置の概略構成を示す図である。
(B)は、上記装置により測定される結果を模式的に示した図である。
【図7】(A),(B)は、本発明の構成の別の例を示す模式図である。
【図8】(A),(B)は、本発明に使用した表面伝導型電子放出素子の基本的な構成を模式的に示し説明する平面図及び断面図である。
【図9】上記表面伝導型電子放出素子の典型的な電気的特性を示す模式図である。
【図10】本発明の画像形成装置の画像形成部材の構成の典型的な例を示す図である。
【図11】(A)は、本発明の効果を説明するための、等価回路図である。
(B)は、上記等価回路図の実際の装置との対応を説明するための模式図である。
【図12】本発明の画像形成装置の更に別の例を示す模式的平面図である。
【図13】本発明の構成の更に別の例を示す模式図。Aは平面図、Bは断面図である。
【図14】本発明の構成の更に別の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 電子源基板を兼ねるリアプレート
2 電子源領域
3 電子源駆動用配線
4 支持枠
5 シールド導体
6 グランド端子当接領域
7 高電圧導入端子通過孔
8 ゲッタ
9 ゲッタ遮蔽板
11 フロントパネル
12 画像形成部材
13 絶縁層
14 帯電防止膜
15 グランド端子
16 導体棒
17 絶縁碍子
18 高圧導入端子
21,22 素子電極
23 Y方向配線
24 絶縁層
25 X方向配線
26 導電性膜
27 石英板
31 高圧電源
32 電流計
33 レコーダ
34 電子源駆動回路
35 画像形成装置
41 基体
42,43 素子電極
44 導電性膜
45 電子放出部
51 蛍光膜
52 黒色導電材
53 蛍光体
61 画像表示部材を示すポイント
62 シールド導体に対応するポイント
63,64 素子電極に対するポイント
65 電子放出素子
66 画像形成部材と電子源の間の容量
71 画像形成部材
72 真空容器部材の接合部
73 電子源駆動用配線
74 電解電流を捕捉するための電極
75 帯電防止膜の抵抗
76 フリットガラスの抵抗
77 71と72の間のガラスの抵抗
78 71と74の間のガラスの抵抗
79 電子源駆動用電源端子
80 電子源駆動用配線の抵抗
81 帯電防止膜などの抵抗
82 所定電位を有する部材。

Claims (20)

  1. 容器と、該容器互いに対向して配置された電子源及び画像形成部材と、前記電子源を駆動するための駆動回路とを備える画像形成装置において、
    前記電子源と前記画像形成部材との間の前記容器の内壁面上に導電性部材と、
    前記導電性部材と電気的に接続された帯電防止膜と、
    を備え、
    前記導電性部材からグランドの間存在し、前記電子源及び前記駆動回路のいずれをも介さないで電流が流れる第1の電流流路を有し、該第1の電流流路の抵抗が、前記導電性部材から前記グランドの間に存在し、前記電子源又は前記駆動回路を介して電流が流れる第2の電流流路の抵抗よりも低く、
    前記導電性部材は、前記電子源が配置された基板に前記電子源の全周囲を囲んで配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記帯電防止膜は、108Ω/□〜1010Ω/□のシート抵抗値を有する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1の電流流路の抵抗は、前記第2の電流流路の抵抗の1/10以下である請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の電流流路は、前記導電性部材に当接された導体端子を有する請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記導体端子は、前記画像形成部材が配置された基板側から前記容器に取り出されている取り出し部位を有する請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記導体端子は、前記電子源が配置された基板側から前記容器に取り出されている取り出し部位を有する請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記導体端子の前記取り出し部位は絶縁体で覆われている請求項5又は6に記載の画像形成装置。
  8. 前記画像形成部材は、前記電子源からの電子を加速する加速電極を有し、該加速電極に電圧を印加するための電圧印加端子が、前記電子源が配置された基板側から前記容器に取り出されている請求項に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1の電流流路は、前記導電性部材に当接された導体端子を有し、該導体端子は、前記電子源が配置された基板側から前記容器に取り出されている請求項に記載の画像形成装置。
  10. 前記画像形成部材は、前記電子源からの電子を加速する加速電極を有し、該加速電極に電圧を印加するための電圧印加端子が、前記画像形成部材が配置された基板側から前記容器に取り出されている請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記加速電極に電圧を印加するための前記電圧印加端子の取り出し部位は絶縁体で覆われている請求項8乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記加速電極に電圧を印加するための前記電圧印加端子の前記取り出し部位の周囲には、前記絶縁体を介して前記導電性部材が配置されている請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記電子源は、配線に接続された複数の電子放出素子を有する請求項1に記載の画像形成装置。
  14. 前記電子源は、複数の電子放出素子が、複数の行方向配線と複数の列方向配線とによりマトリクス状に結線されている請求項1に記載の画像形成装置。
  15. 前記電子放出素子は、冷陰極素子である請求項13又は14に記載の画像形成装置。
  16. 前記冷陰極素子は、表面伝導型電子放出素子である請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記容器は、前記電子源が配置された第1の基板と、前記画像形成部材が配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板とに接続する枠部材とを有し、前記帯電防止膜は、前記第1の基板に配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
  18. 前記容器は、前記電子源が配置された第1の基板と、前記画像形成部材が配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板とに接続する枠部材とを有し、前記帯電防止膜は、前記第2の基板に配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
  19. 前記容器は、前記電子源が配置された第1の基板と、前記画像形成部材が配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板とに接続する枠部材とを有し、前記帯電防止膜は、前記枠部材に配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
  20. 内壁表面を有する容器と、
    該容器内に互いに対向配置された電子源及び画像形成部材と、
    前記電子源の駆動回路と、
    を備える画像形成装置において、
    前記容器の前記電子源と前記画像形成部材との間の内壁面上であって、前記電子源と離間した部分に配置された導電性部材と、
    前記導電性部材を基準電位に接続する、第1の抵抗値を有する接続端子と、
    前記容器の前記内壁面上であって、前記電子源及び前記導電性部材との間の部分に配置され、前記電子源及び前記導電性部材に接続された、第2の抵抗値を有する帯電防止膜と、を備え、
    前記第1の抵抗値は、前記第2の抵抗値よりも小さく、
    前記容器は、前記電子源が配置された第1の基板と、前記画像形成部材が配置された第2の基板とを有し、前記導電性部材は、前記第1の基板上に、前記電子源の全周囲を囲むように配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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