JP3618300B2 - スピン・バルブ・センサ及びディスク・ドライブ装置 - Google Patents

スピン・バルブ・センサ及びディスク・ドライブ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気媒体から情報信号を読み取るためのスピン・バルブ磁気変換器、特にスピン・バルブ・センサのための新たな構造とそのようなセンサを備えた磁気記録装置とに関する。
【0002】
【関連する技術】
コンピュータ・システムは、データを後で使用するためにデータの書き込みや読み取りが可能な補助記憶装置を一般に利用する。回転磁気ディスクを組み込む直接アクセス記憶装置、例えばディスク・ドライブは、ディスク面上に磁気的形態によるデータの格納を行うために一般に使用される。データは、ディスク面上の同心的かつ放射状に間隔を置いたトランク上に記録される。次に、読み取りセンサを持つ磁気ヘッドがディスク面上のトラックからデータを読み取るために使われる。
【0003】
容量の大きいディスク・ドライブでは、一般にMRヘッドと呼ばれる磁気抵抗型読み取りセンサが現在最も一般的な読み取りセンサである。このことは、従来使用された薄膜誘導ヘッドが可能な線密度よりも大きい線密度のディスク上でデータを読み取る能力をMRヘッドが有するということが大きく関係している。MRセンサは、該MRセンサに備わったMRセンシング層(MR素子ともいう)によって検出されている磁束の強さ及び方向の関数としての抵抗の変化を介して磁場を検出する。
【0004】
従来のMRセンサは、MR素子の磁化と該MR素子を流れるセンス電流の方向との間の余弦角の平方としてMR素子抵抗が変化する異方性磁気抵抗(AMR)効果に基づいて動作する。記録データは磁気媒体から読み取ることができる。なぜなら、記録された磁気媒体からの外部磁場(信号場)は、MR素子における磁化の方向に変化を生じさせ、同様にMR素子の抵抗に変化を生じさせ、さらにそれに対応した変化がセンス電流又は電圧に生ずる。
【0005】
MRセンサの別の種類は、GMR効果を示す巨大磁気抵抗(GMR)センサである。GMRセンサでは、MRセンシング層の抵抗は非磁気層(スペーサ)によって分割された磁気層間の伝導電子とそれに付随すスピン依存散乱との関数として変化する。スピン依存散乱は磁気層と非磁気層との境界面で起こる。
【0006】
非磁気的導電材料からなる層によって分離された強磁性体からなる2つの層のみを用いるGMRセンサは、GMRを示すスピン・バルブ(SV)センサとして一般に言及される。SVセンサでは、それらの強磁性層のうち、一層はピン留め(pinned)層と呼ばれ、通常は反強磁性層(例えば、NiO又はFe−Mn)層と交換結合(exchange coupling)によってピン留めされた磁化を有する。
【0007】
しかし、自由層と呼ばれる他の強磁性層の磁化は、固定されず、記録された磁気媒体からの磁場(信号場)に応答した回転から解放される。SVセンサでは、SV効果はピン留め層の磁化と自由層の磁化との間の余弦角として変化する。記録されたデータは、磁気媒体から読み出すことができる。なぜなら、記録された磁気媒体からの外部磁場によって自由層における磁化の方向が変化し、それによってSVセンサの抵抗の変化及びセンス電流又は電圧のそれに対応した変化が生ずる。留意すべきことは、AMR効果もまたSVセンサの自由層で現れ、それによって全体的なGMR効果が減少する傾向にある。
【0008】
図1は、従来のSVセンサの典型的な構成を説明するための模式図である。図に示すように、SVセンサ100は中央領域102によって分かれる一対の端部領域104及び106を有する。中央領域102は、適当な方法、例えばスパッタリングによって形成され、該中央領域の縁と連続かつ隣接した端部領域を限定する。自由層(自由強磁性層)110は非磁気的導電スペーサ層115によってピン留め層(ピン留め強磁性層)120から分離されている。ピン留め層120の磁化は、反強磁性(AFM)層121による交換結合を介して固定されている。
【0009】
自由層110、スペーサ層115、ピン留め層120及びAFM層121は全て中央領域102に形成されている。ハード・バイアス層130及び135はそれぞれ端部領域104及び106に形成されており、自由層110の長手方向バイアスを与える。リード140及び145はそれぞれハード・バイアス層130及び135上に形成され、電源160からSVセンサ100へ流れるセンス電流Iのための電気的接続を提供する。リード140及び145に接続された検出装置170は、外部磁場(例えば、ディスクに格納されたデータ・ビットによって生成する場)によって自由層110に誘導された変化による抵抗の変化を検出する。IBMの米国特許第5,206,590号(Dieny他)はSV効果に基づいて動作するMRセンサを開示している。なお、本明細書についてはこの特許の開示内容を参照するとよい。
【0010】
最近開発されたスピン・バルブ・センサの別のタイプは、逆平行(AP)ピン留めスピン・バルブ・センサである。図2は、APピン留めスピン・バルブ・センサの一例を示す。APピン留めスピン・バルブ・センサ200は中央領域206によって互いに分離された一対の端部領域202及び204を有する。また、図に示すように、APピン留めスピン・バルブ・センサ200は、銅スペーサ層220によって、積層されたAPピン留め層210から分離したNi−Fe自由層225を有する。積層されたAPピン留め層210の磁化は、NiOからなるAFM層208によって固定されている。
【0011】
積層されたAPピン留め層210は、コバルトからなる第1の強磁性層212とコバルトからなる第2の強磁性層216とを有し、これらの層はルテニウム(Ru)逆平行結合層214によって互いに分離されている。AFM層208、APピン留め層210、銅スペーサ220、自由層225、及びキャップ層230は、すべて中央領域206に連続的に形成されている。一対のハード・バイアス層235及び240が端部領域202及び204に形成され、自由層225の長手方向バイアスを提供する。
【0012】
一対のリード245及び250もまた、それぞれ端部領域202及び204に形成されており、電源(不図示)からスピン・バルブ・センサ200へ電流を供給する。図示した例では、外部磁場が存在しない状態で平行自由層225の磁化方向と空気軸受(ベアリング)面(ABS)とが平行に定められている。ピン留め層212及び214の磁化方向もそれぞれABSに対して垂直に定められている。ピン留め層212及び214の磁化方向は、それぞれ図中では、符号260で示す部分から図面に対して垂直方向に飛び出る方向、及び符号255で示す部分に外から図面に対して垂直に入る方向である。自由層225の磁化は、ABSと平行となるように図示されている。
【0013】
ディスク・ドライブ産業は、スピン・バルブ・センサの全体的な感度又はGMR係数を高めることでドライブ・ヘッドが磁束におけるよりいっそう小さな変化を読み取ることが可能となるように努力してきた。GMP係数がよりいっそう高ければ、任意に与えられたディスク面上によりいっそう多くの情報ビットを格納することが可能となる。スピン・バルブ・センのGMR係数は、R’/R、又はセンサ材料の全体的な抵抗によって割った該材料の磁気抵抗における変化である。GMR係数は材料の「軟度(softness)」と全体的な抵抗との両方に依存する。
【0014】
スピン・バルブ・センサの軟度は、材料の磁気抵抗を、該材料の磁気モーメントを1つの配向から別の配向へ動かし、最初から90Eでオフセットするのに一般に要求される所定の量変化させるのに必要な磁場の閾値の目安である。材料の軟度は、材料が磁壁を示す時、さらに一般的には磁気結晶異方性特性(property magnetocrystal line anisotropy)Hによって、その飽和保持力Hとして言及される。磁気抵抗R’の変化は、材料の軟度で増大した磁束の変化に比例する。高度の軟度は、ディスク・ドライブ密度が増加し、かつ記録された材料の磁場強度がそれに対応したかたちで減少するので、重要性が高まっている。
【0015】
センサ材料の抵抗の変化は、材料の全体的な抵抗Rと比較して大きい場合のみ容易に測定することができる。したがって磁気抵抗R’の変化が大きいことと組合わさって、全体的な抵抗Rが低いと、高いGMR係数が生ずるであろう。
【0016】
GMRヘッドの特性に関連した他の特性として、例えば磁気歪み、AFMとピン留め層又は複数のピン留め層との間の交換結合、及びAFMの電気的固有抵抗が挙げられる。磁気歪みは、磁気の変化を被る時の材料のストレス又は変形の目安となる。スピン・バルブの構成として求められることは、磁気歪みを最小限にすることである。なぜなら、GMRヘッドの材料が変形することで層間の貧弱なインタフェースと磁束変化としての非線形性能とが生ずる。
【0017】
AFMと複数のピン留め層との間の交換結合は重要である。なぜなら、AFMからの磁束は、安定した配向でピン留め層の磁気モーメントを保つように最小限のリラクタンス又は漏れでピン留め層に到達しなければならない。不十分な交換結合が生ずるとピン留めが不十分になるので、GMRヘッドの感度が減少することがある。
【0018】
また、スピン・バルブ・センサを流れる電流が該スピン・バルブ・センサのピン留め及び感知部分に制限されることも重要である。もし電流がAFM層に分流することが可能となるならば、センサによって記録された磁気抵抗は人為的に低下し、その結果GMR係数及び非線形信号が低下する。したがって、AFM層のために選択された材料は、分流を防ぐために高い電気的固有抵抗を持たなければならない。
【0019】
ドライブ・ヘッドの製造は、基板の上又は近傍にシード層又はバッファ層を形成し、続いてシード層の上部に残りの層を形成することによって行われてきた。シード層の結晶構造及び配向は、残りの層の構成を決める。NiFe等の材料は、シード層の全体又は一部の形成に使われてきた。
【0020】
残念なことに、従来使用された下部層は不均一な結晶学的平面に沿って形成される傾向があり、しばしば複数の非平行平面の組み合わせと平坦ではない境界面までもが生ずる。その結果、シード層の境界を形成する複数の原子が遠ざかるように広がり、シード層の上に形成された層は不均一なテクスチャ及び弱い結合を示す。その結果、磁気軟度が低くなり、またAFMとピン留め層又は複数のピン留め層との間の交換結合が不良になる。
【0021】
本発明者が確信したことは、よりいっそう稠密で、かつよりいっそう均質な境界を持つシード層を設けることで、層の一様なテクスチャ形成が促進されるということである。したがって、スピン・バルブ・センサのGMR係数は、軟度を高くし、複数のセンシング層間の電流の動きに対する抵抗を低くすると思われる。また、AFMとピン留め層又は複数のピン留め層との間の交換結合を改善することで、磁気感度がさらに増大するだろう。
【0022】
ピン留め層又は複数のピン留め層を作るために使用する構造の選択もまた重要だと考えられる。NiFeも従来の多くのピン留め層に使用されている。現在使用されているピン留め層の多くは、電流に対して重大な障害を与えるものではない。したがって、NiFe等の材料の電気抵抗は、電流分路を防ぐには不十分である。その結果、センシング層及びピン留め層又は複数のピン留め層を通過するのでより高い抵抗に遭遇しなければならない電流は、AFMを通る「近道」をとることが可能である。したがって、R’が減少し、それに対応したGMR係数の減少が生ずる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、電気抵抗が大きいAFMの上に層を形成することも望まれる。そのような層によって、電流分路を防ぐことができ、R’を磁束の変化に対して高感度に保つことが確実になり、さらにGMR係数が改善されるだろう。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の装置は、当該技術分野の現在の状況に応じて、特に現在入手可能なスピン・バルブ・センサによっては完全に解決されていない当該技術分野における問題及び要求に応じて、開発されたものである。したがって、本発明の全体的な目的は、当該技術分野に存在する上記した問題のいくつか、又は全てを解決する改良されたスピン・バルブ・センサを提供することである。
【0025】
そのような目的を達成するために、また好ましい実施形態としてここに体現され、また幅広く記述された本発明にもとづいて、スピン・バルブ・センサは、結晶学的に位置合わせされた電気的抵抗層を1つ以上加えることによって強化された下部構造によって提供及び構成される。
【0026】
本発明のスピン・バルブ・センサは、NiFeNbからなる層と金属酸化物(例えば、NiO)からなる層とを含むシード層を有する。本発明の別の実施形態では、重金属(例えば、Ta)からなる層を、シード層の一部としてNiFeNbからなる層と金属酸化物からなる層との間に設けてもよい。
【0027】
選択された実施形態は、ピン留め層の中にNiFeNbからなる層を設ける。この構成では、NiFeNb層は下にある層の高固有抵抗バッファ層として作用する。この高固有抵抗バッファ層は、シード層のNiFeNbの使用の有無に関わりなく提供可能である。
【0028】
スピン・バルブ・センサは、キャップ層、自由層、スペーサ層、上記したような強磁性体のピン留め層、反強磁性層(AFM層)、及び基板を有するものであってもよい。しかし、本発明のシード層及び高固有抵抗バッファ層は、適当な構成を有するスピン・バルブ・センサの任意のタイプによる使用を意図したものである。
【0029】
本発明のスピン・バルブ・センサは、ディスク・ドライブ装置に組み込まれてもよい。このディスク・ドライブ装置は、磁気ディスクと、上記のように構成された逆平行(AP)ピン留めスピン・バルブ(SV)・センサと、磁気ディスク上の磁気的に記録されたデータの異なる領域をスピン・バルブ・センサがアクセスできるように、磁気記録ディスクの端から端までスピン・バルブ・センサを移動させるアクチュエータと、磁気的に記録されたデータからの磁場に応じてAPピン留め層の固定された磁化に関連した自由強磁性層の磁化軸の回転を生じさせるスピン・バルブ・センサの抵抗変化を検出するためにスピン・バルブ・センサに電気的に結合した検出器とを有する。
【0030】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明の一実施形態であるディスク・ドライブ300の一例を示す。図3に示すように、ディスク・ドライブ300は、少なくとも1つの回転可能な磁気ディスク312を有する。この磁気ディスク312はスピンドル314によって支持され、かつディスク・ドライブ・モータ318によって回転する。各磁気ディスク312上の磁気記録媒体は、同心的、かつ環状のデータ・トラック(不図示)の形状をなしている。
【0031】
少なくとも1つのスライダ313がディスク312上に位置している。各スライダ313は、本発明のGMRセンサを取り込む1つ以上の磁気読み取り/書き込みヘッド321を支持する。ディスクが回転することで、スライダ313はディスク面322上を放射状に往復移動する。それによってヘッド321は所望のデータが記録されている磁気ディスク322の異なる部位にアクセスすることができる。各スライダ313は、サスペンジョン315からなる手段によってアクチュエータ・アーム319に取り付けられている。サスペンジョン315は、ディスク面322に対してスライダ313をバイアスする僅かなバネ力を提供する。各アクチュエータ・アーム319はアクチュエータ手段327に取り付けられている。
【0032】
図3に示すようなアクチュエータ手段327は、ボイス・コイル・モータ(VCM)であってもよい。VCMは、固定された磁場内で移動可能なコイルを有し、コイル動作の方向及び速度はコントローラによって供給されたモータ電流信号によって制御される。
【0033】
ディスク記憶装置の作動中、磁気ディスク312の回転によってスライダ313(ヘッド321を含み、かつ磁気ディスク312の表面と向かい合うスライダ313の表面を空機軸受け面(ABS)と呼ぶ)と該スライダ313の上方向の力又は浮力を生じるディスク面322との間に空気軸受けを生成する。したがって、正常に作動している間、空気軸受けはサスペンジョン315の僅かなバネ力をカウンタ・バランスし、実質的に一定の僅かな空間によって、スライダ313を僅かにディスク面と離間させ、かつその上に支持する。
【0034】
ディスク記憶装置の種々の構成要素は、制御ユニット329によって生成される制御信号によって作動中に制御される。制御信号は、アクセス制御信号及び内部クロック信号を含む。一般に、制御ユニット329は論理回路、記憶手段、及びマイクロプロセッサを有する。制御ユニット329は、ライン323上の駆動モータ制御信号、ライン328上のヘッド位置及びシーク制御信号等の様々なシステム動作を制御するための制御信号を生成する。ライン328上の制御信号は、スライダ313をディスク312上の所望のデータ・トラックに向けて最適に移動かつ配置させる所望の電流プロフィールを提供する。読み取り及び書き込み信号は、記録チャンネル325からなる手段によって、読み取り/書き込みヘッド321へ伝達されたり、そこから受けたりする。図に示す実施形態では、読み取り/書き込みヘッド321は、本発明のスピン・バルブを有するGMRセンサが組み込まれている。
【0035】
図4は、FCC又は面心立方構造を有する読み取り/書き込みヘッド321で使用される多くの材料を示す。FCC構造の原子が最も密に、かつ均一に(111)結晶学的平面に沿って配置されるという知見が得られた。したがって、(111)結晶学的平面が基板に対して平行となるように、読み取り/書き込みヘッド321のFCC材料が配向される場合に読み取り/書き込みヘッド321が最適に機能する。図4では、基板372上に配置されたFCC材料の立方体試料370が図示されている。(111)面心立方材料は基板に対して平行に置かれている。立方体試料370の角にある3つの原子376及び面の中心にある3つの原子378は、(111)平面374の中にあり、隣接する原子間の距離を小さくして相対的に等しく離間している。
【0036】
後段の層の境界面を形成するために(111)平面374が露出される場合、新たな層の結晶構造はシード層のものと位置合わせして形成される。層と層との間の境界面は、いくつかの不連続(原子のずれたセット)又は隙間(原子が存在すべき空いた空間)を有する。その結果、(111)平面374は、密に結合した一様のテクスチャ層の成長のための効果的な礎である。
【0037】
図5は、本発明にもとづく改善された下部構造が設けられたスピン・バルブ400の一実施形態の空気軸受け面(ABS)を示す。APピン留めスピン・バルブ・センサ400が図示され、かつそれが本発明の改良された下部構造で使用するのに好ましい一方で、それにもかかわらず、本発明の改良された下部構造もまたスピン・バルブ・センサの他のタイプ、例えば図1に示す単純なスピン・バルブ・センサ100で使用することができる。
【0038】
図5のスピン・バルブ・センサ400は、中央領域404によって互いに分離された一対の端部領域402とともに図示されている。中央領域404は所定の縁端部を有し、
端部領域402は該縁端部と連続した接合部を形成し、かつ縁縁部に隣接する。スピン・バルブ・センサ400は基板406に形成されている。基板406は、適当な任意の基板であってもよく、例えばガラス、半導体材料、又はアルミナ(Al)等のセラミック材料が挙げられる。基板406は当業者に既知のシールド層及びギャップ層を含むものであってもよい。以下の記述では、「上」は基板406よりもさらに遠ざかることを意味し、「下」は基板406に近づくことを意味する。同様に、「下部」層は基板406にもっとも近いものを意味し、さらに「上部」層は基板406から最も遠ざかったものを意味する。
【0039】
第2の層407は基板406の上部に形成される。シード層407は本発明にもとづくいくつかの異なる方法で構成されてもよい。シード層407の主な働きは、その上部に複数の層が成長する礎を形成することである。したがって、本発明ではシード層407を形成するのに使用された材料が、図4に関連して説明したように、基板406に平行な(111)平面を持って形成されることが好ましい。もしシード層407の(111)平面が基板に平行であるならば、シード層407を覆うように形成された後段のFCC層は一貫した結晶構造及び配向を持って形成される。シード層407は、好ましくは約25オングストローム乃至約185オングストローム、より好ましくは約50オングストローム乃至約80オングストロームの厚さを有する。
【0040】
反強磁性(AFM)層408は、好ましくは中央領域404内のシート層407上に形成される。あるいは、AFM層408を端部領域402と同様に中央領域404を形成してもよい。AFM層408は、一つの実施形態ではIrMnから形成され、その厚さは約40オングストローム乃至約100オングストロームの範囲内である。約50オングストローム乃至約80オングストロームの範囲の厚さが好ましい。また、約60オングストロームの厚さがIrMrを用いた実施形態にとって最も好ましい。
【0041】
高温で良好なピニング(pinning)を保つために、PtMnを使用して反強磁性層408を形成してもよい。また、そのような層は、好ましくは100オングストローム乃至約300オングストロームで、より好ましくは約125オングストローム乃至約225オングストロームで、さらにPtMnにとっては最も好ましくは約150オングストロームに好ましくは形成する。IrMnを使用する場合と比較してPtMnを使用する際に犠牲にしなければならない点は、IrMnよりも反強磁性層408を厚くしなければならないことである。同様な点を犠牲にすることで、PtPdMn、NiO、NiMn、CrPtMn等、他の材料を使用して反強磁性層408を形成してもよい。
【0042】
次に、AFM層408上に積層された逆平行(AP)ピン留め層410について説明する。図に示す実施形態では、APピン留め層410は、第1のピン留め層412、第2のピン留め層414、及び第3のピン留め層416から構成される。あるいは、積層されたピン留め層414の代わりに、図1の層120と同様に、単一のピン留め層を使用することも可能である。図に示す実施形態では、第1及び第2のAPピン留め層414及び414は、好ましくは高固有抵抗を有する金属材料から形成された層418によって互いに分かれている。逆平行結合(APC)層420は、好ましくは非磁気材料から形成され、それによって第1及び第2のAPピン留め層412及び414が反強磁性的に第3のAPピン留め層416と結合することを可能とする。
【0043】
層418は、任意の抵抗材料から形成することができる。そのような材料として、例えばNFeNb、NiFeMo、及びNiFeCrが挙げられる。しかし、NiFeNbは、電気的な固有抵抗が高く、また均質なFCC構造を有することから特に効果的であると考えられる。任意の適当な非磁気材料を用いて逆平行結合層420を用いてもよいが、Ruが好ましい。第1、第2、及び第3のAPピン留め層412、414、及び416は適当な材料、例えばCoFe及びCoから形成することができる。図に示す実施形態では、APピン留め層412はCoFeからなる層であり、AFM層408上に堆積かつ接触している。第2及び第3のAPピン留め層414及び416もまたCoFeから形成してもよい。逆平行結合層420が第2のAPピン留め層414と第3のAPピン留め層416との間に形成されている。好ましくは、第1及び第2のAPピン留め層412及び414は、第3のAPピン留め層416の方向424とは反対の方向422にピン留めされている。
【0044】
ピン留め層全体は、好ましくは厚さが約34オングストローム乃至約105オングストローム、より好ましくは約56オングストロームである。第1のAPピン留め層412は、好ましくは厚さが約5オングストローム乃至約25オングストロームであり、より好ましくは約8オングストローム乃至約15オングストロームである。最も好ましい厚さは約10オングストロームである。ピン留め層410の中の高固有抵抗層418の厚さは、約5オングストローム乃至約15オングストロームの範囲内に収まることが好ましい。また、より好ましくは厚さが約6オングストローム乃至約10オングストロームである。高固有抵抗層418が約7オングストロームの厚さであることが最も好ましい。第2のAPピン留め層414は好ましくは約5オングストローム乃至約25オングストロームの厚さであり、より好ましくは約5オングストローム乃至約25オングストローム、さらに最も好ましくは約5オングストロームである。逆平行結合層420の厚さは、好ましくは約4オングストローム乃至約10オングストローム、より好ましくは約6オングストローム乃至約9オングストローム、さらに最も約8オングストロームである。
【0045】
第3のAPピン留め層416の厚さは、好ましくは約15オングストローム乃至約30オングストローム、より好ましくは22オングストローム乃至約28オングストローム、さらに最も好ましくは約26オングストロームである。第1及び第3のAPピン留め層412及び416の厚さは、同時に調整されなければならない。なぜなら、スピン・バルブ・センサ400の性能はそれらの間の差に依存するからである。この差、又は第3のAPピン留め層416の厚さを差し引いた第1のAPピン留め層412の厚さは、約3オングストローム乃至約20オングストロームである。
【0046】
図示したように、スピン・バルブ・センサ400は、第3のAPピン留め層416の上に接触するようにして形成されたスペーサ層426を同様に有する。スペーサ層426は、好ましくはGMR促進物質(例えば銅(Cu))から形成されるが、 金(Au)又は銀(Ag)等の他のGMR促進物質から形成されてもよい。本発明にとってスペーサ層426の厚さは重要であり、好ましくは約15オングストローム乃至約30オングストローム、より好ましくは約18オングストローム乃至約25オングストローム、さらに最も好ましくは約21オングストロームである。
【0047】
図に示すように、自由強磁性層428がスペーサ層426の上に隣接したかたちで形成されている。本発明の優れた点が得られるように、自由強磁性層428は好ましくは磁気抵抗の度合いが高い材料から形成される。そのような材料の一例として、Co−Fe合金が挙げられる。好ましくは、自由強磁性層428は、該自由強磁性層428の構造が第2の材料に張り合わせられている構造とともに磁気軟度Hを保つ。図示した実施形態では、自由層428はCoFeからなる抵抗層(ラミネート層)430とNiFeからなるラミネート層432とから形成され、それはその磁気抵抗が高いこと及びその磁気歪みが低いことから選択される。CoFeからなるラミネート層430及びNiFeからなるラミネート層432は、磁気軟度達成の助けとなる。
【0048】
好ましくは、自由磁強磁性層428は、全体の厚さが約25オングストローム乃至約75オングストロームである。より好ましくは約35オングストローム乃至約55オングストロームの厚さである。約45オングストロームが最も好ましい。したがって、抵抗層430は好ましくは厚さが約5オングストローム乃至約15オングストロームであり、より好ましくは約10オングストローム乃至約15オングストローム、さらに最も好ましくは約15オングストロームである。さらに、ラミネート層432は、好ましくは厚さが約20オングストローム乃至約60オングストロームの範囲内で形成される。より好ましい範囲は、約25オングストローム乃至約40オングストロームである。最も好ましい厚さは約30オングストロームである。
【0049】
ラミネート層432は、好ましいNi−Fe合金とともに複数の材料から構成されるものであってもよい。例えば、CoをNi−Fe合金に加えることで自由強磁性層428の全体的な磁気抵抗が実質的に増加し、一方で自由強磁性層428の磁気軟度Hが実質的に減少するという知見が得られている。クロム、タンタル、ロジウム、及びモリブデンもまたNi−Fe合金に加えることでラミネート層432の抵抗を高め、それによって抵抗層430を流れる電流の量を高めることができる。
【0050】
再び図5を参照する。図に示すように、スピン・バルブ・センサ400は、中央領域404に堆積された材料を酸化から保護するために自由強磁性層428上に形成されたキャップ層435が設けられている。キャップ層435は、好ましくはタンタル(Ta)から作られるが、任意の適当な材料を使用してもよいことは当然である。また、図に示すように、スピン・バルブ・センサ400は端部領域402に一対の長手方向にバイアスする層436が形成されている。バイアス層436は、好ましくはCo−Pt−Cr合金等の硬質材料から作られ、中央領域404を長手方向にバイアスするために使用される。
【0051】
図に示すように、一対のリード438もまたバイアス層436上に形成されており、スピン・バルブ・センサ400、電源442、及び検出装置440の間の回路経路を形成するのに用いられる。好ましい実施の形態では、検出装置440は2本のリード402間の電圧信号を検出する。ディスク上の磁気信号が変化することでこの電圧信号が変化する。
【0052】
センス電圧信号は、記録された媒体からの印加磁気信号に応答して自由強磁性層428の磁化方向MFが回転することで中央領域404の抵抗R’’が変化することで生ずる。検出装置は、当業者に知られている部分応答最尤(PRML)チャンネル等のデジタル記録チャンネルを有するものであってもよい。あるいは、検出装置は当業者に知られているピーク検出チャンネルを含むものであってもよい。一実施形態では、検出装置はPRML形のデジタル記録チャンネルを有する。
【0053】
図6(a)を参照すると、シード層407はそれ自体が複数の層から形成されていてもよい。図に示す例では、下部層510が基板406上に直接置かれており、またシード層407の上に形成された層のテクスチャを制御するために下部層510の上部にテクスチャ層530が置かれている。テクスチャ層530は、好ましくは面心立方(FCC)結晶構造を持つ材料から形成されており、該結晶構造の(111)平面を基板406に対して平行にする材料からテクスチャ層530を形成することが優れた点であると考えられる。そのような材料として、NiFebが最も好ましいが、適当な特性を持つ他の材料(例えばNiFeMo及びNiFeCr)を用いてもよい。
【0054】
下部層510は、好ましくは基板406及びテクスチャ層530の両方と適合性のある構造を有する。適合性のある構造は、一般に類似の結晶構造、結晶配向、及び格子定数を有する。結晶材料の格子定数は、結晶内の隣接する原子間の最も短い距離として定義される。類似の格子定数によって、隣接する層の結晶が互いに整列し、殆ど不規則なところがない均質なきめの細かい境界が得られる。したがって、下部層510は、好ましくは基板410に平行な(111)平面を持つFCC結晶構造も有するべきである。また、基板406及びテクスチャ層530と類似の格子定数を有することが下部層510に求められる。 NiOは下部層510を形成する上で好ましい材料ではあるが、他の材料、例えばNiMnOを用いてもよい。
【0055】
このように構成することで、下部層510は好ましくは厚さが約20オングストローム乃至約100オングストロームである。より好ましくは、下部層510の厚さは、約30オングストローム乃至約70オングストロームである。最も好ましくは、下部層510は厚さが40オングストロームとするべきである。テクスチャ層530の厚さは、好ましくは約5オングストローム乃至約30オングストロームである。より好ましくは、テクスチャ層530の厚さは約7オングストローム乃至約20オングストロームである。最も好ましくは、テクスチャ層530の厚さは約10オングストロームである。
【0056】
次に図6(b)を参照しながら説明する。この図では、図5のシード層407に取って代わる実施形態が示されている。図に示すように、下部層510とテクスチャ層530との間に移行層520が挿入されている。移行層520は、下部層510とテクスチャ層530との間の移行をたやすくすることができ、反強磁性層408のよりいっそう適当な礎を提供することができる。一つの例として、反強磁性層408はPtMnから形成され、かつ移行層520が好ましくは含まれることで薄い反強磁性層408の良好な形成が可能となる。Taは移行層520を形成する上で好ましい材料ではなるが、他の適当な材料(例えばZr)を用いてもよい。
【0057】
下部層510及びテクスチャ層530の厚さは、この実施形態で構成したように、好ましくは既に述べたように先行する実施形態と関連させることが好ましい。移行層520の厚さは、好ましくは約20オングストローム乃至約60オングストロームの範囲内となるようにする。より好ましくは、移行層520の厚さは約25オングストローム乃至約45オングストロームである。この実施形態の移行層520は最も好ましくは約30オングストロームの厚さを有する。
【0058】
図7は、本発明にもとづくGMRセンサの別の実施形態を示す。図7の実施形態では、シート層407が省かれている。高固有抵抗層418を残して、図5に関連して説明したような構成とすることができる。反強磁性層408は、この構成では、好ましくはNiOから形成されるが、反強磁性層408のピン留め機能を実施するために他の材料を使用してもよい。他の層及び構成要素は、図5に関連した説明通りに形成することができる。
【0059】
高固有抵抗層418及びシード層407を一緒に用いた場合、特定の相乗効果が得られる。高比抵抗バッファリング、均一なテクスチャ成長、及び高交換結合の組み合わせによって、一意的に高いGMR係数をもたらすことができる。図7の実施形態は、固有抵抗層418がシード層407の不在下で機能することができることを例証している。同様に、シード層407はピン留め層410が高固有抵抗層418を含まない実施形態でも機能することができる。
【0060】
本発明の好ましい合金及び濃度は以下の通りである。第1、第2、及び第3のピン留め層412、414、及び416で使用するCo−Fe合金の現在のところ好ましい例は、Co90Fe10である。ラミネート層で使用するNi−Fe合金の好ましい例は、Ni81Fe19である。高固有抵抗層418又はテクスチャ層530で使用するNi−Fe合金の好ましい例は、Ni42Fe50Nbであり、Ni及びFeの部分は変更することができるが、Nbの部分とほとんど等しいか大きいことが好ましい。
【0061】
反強磁性層408又は下部層510で使用する上でNi合金の好ましい一例は、Ni5050である。反強磁性層510で使用する上でIrMnの好ましい例は、Ir25Mn75であり、Irの部分は約20%から約25%の間で変動してもよく、またMnの部分は約75%から約80%の間で同様に変動してもよい。反強磁性層408で使用する上でPtMnの好ましい例は、Pt40Mn60である。Ptの部分は約40%から約50%の間で変動してもよく、またMnの部分は同様に約50%から約60%の間で変動してもよい。
【0062】
以上のことから、本発明の改善された下部スピン・バルブ構造は、GMR係数を改善するので、スピン・バルブの測定感度が改善される。改善されたシード層及び高固有抵抗層は、層のテクスチャが改善されることで自由層の測定可能な抵抗変化を高めるので、自由層の磁気軟度が増加し、層間の結合が強固となり、さらに電流分路が減少する。
【0063】
本発明は、その必須の特徴から離れることなく他の特定の形態で具体化することができる。記述した実施形態は、全ての点で例証することのみを考慮したものであり、何ら限定を加えるためのものではない。したがって、本発明の範囲は、上記の説明によってではなく特許請求の範囲によって示される。各請求項に開示された発明と等価なものが意味すること及びその範囲に入る全ての変更は、本発明の特許請求の範囲に包含される。
【0064】
まとめとして、本発明の構成に関して以下に事項を開示する。
(1)基板と、
前記基板上に設けられ、かつ前記基板に対して実質的に平行に配置された(111)結晶学的平面を形成するために選択された面心立方材料を含むシード層と、
磁束が通り、かつ該磁束の変化に応答して変化する電気抵抗を有するように構成され、前記シード層の上に位置した磁性材料からなる自由層と、
を有することを特徴とするスピン・バルブ・センサ。
(2)前記シード層は、一般式
NiFeX(式中、XはNb、Mo、及びCrからなる群から選択される)
で表される化合物からなる群から選択される化合物を含む第1の層を有することを特徴とする上記(1)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(3)前記シード層は、前記第1の層と前記基板との間に位置した第2の層をさらに有し、また前記第2の層はNi合金を含むことを特徴とする上記(2)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(4)第1の層はNiFeNbを含むことを特徴とする上記(3)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(5)前記第2の層はNiOを含むことを特徴とする上記(4)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(6)前記第1の層の厚さは5オングストローム乃至30オングストロームであり、また前記第2の層の厚さは20オングストローム乃至100オングストロームであることを特徴とする上記(5)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(7)前記第1の層と前記第2の層との間に第3の層をさらに有し、前記第3の層はTa及びZrからなる群から選択される金属を含有することを特徴とする上記(3)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(8)前記第3の層はTaを含むことを特徴とする上記(7)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(9)前記第3の層の厚さは、20オングストローム乃至60オングストロームであることを特徴とする上記(8)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(10)前記シード層と前記自由層との間に位置したピン留め層をさらに有し、前記ピン留め層から前記反強磁性層へ流れる電流の量を減少させるようにして選択された抵抗材料からなる層を前記ピン留め層が有することを特徴とする上記(3)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(11)前記ピン留め層は、一般式
NiFeX(式中、XはNb、Mo、及びCrからなる群から選択される)
で表される化合物からなる群から選択される化合物を含むことを特徴とする上記(10)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(12)前記ピン留め層はNiFeNbを含むことを特徴とする上記(11)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(13)基板と、
前記基板の上に位置した反強磁性(AFM)層と、
強磁性体から形成され、かつ前記反強磁性層の上に配置されたピン留め層と、
磁束が通り、かつ該磁束の変化に応答して変化する電気抵抗を有するように構成され、前記反強磁性(AFM)層の上に位置した磁性材料からなる自由層とを有し、さらに、
前記ピン留め層の磁気配向が実質的に前記反強磁性層によって固定され、さらに前記ピン留め層から反強磁性層に流れる電流の量を減少させるために選択された電気抵抗材料からなる層を前記ピン留め層が有することを特徴とするスピン・バルブ・センサ。
(14)前記ピン留め層は、前記反強磁性層に隣接した第1の逆平行ピン留め層をさらに有し、前記第1の逆平行ピン留め層はCoFeとCoとからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする上記(13)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(15)前記ピン留め層は、前記第1の逆平行ピン留め層の上に位置した第2の逆平行ピン留め層をさらに有し、前記第2の逆平行ピン留め層はCoFeとCoとからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする上記(14)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(16)電気的抵抗材料からなる層は第1及び第2の逆平行ピン留め層の間、及び隣接して位置することを特徴とする上記(15)のスピン・バルブ・センサ。
(17)前記電気抵抗材料からなる層は、一般式
NifeX(式中、Xは、Nb、Mo、及びCrからなる群から選択される元素)
で表される化合物からなる群から選択される化合物からなる材料を含むことを特徴とする上記(16)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(18)前記電気抵抗材料からなる層は、NiFeNbを含むことを特徴とする上記(17)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(19)前記電気抵抗材料からなる層は、厚さが5オングストローム乃至15オングストロームであることを特徴とする上記(18)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(20)前記第1の逆平行ピン留め層及び第2の逆平行ピン留め層は、それぞれ厚さが5オングストローム乃至20オングストロームであることを特徴とする上記(19)に記載のスピン・バルブ・センサ。
(21)(1)磁気記録ディスクと、
(2)基板、
一般式
NiFeX(式中、XはNb、Mo、及びCrからなる群から選択される)
で表される化合物からなる群から選択される化合物を含む第1の層と、
前記第1の層と前記基板との間に位置し、かつNi合金を含む第2の層とを有し、前記基板の上に配置されたシード層、
前記シード層の上に配置した反強磁性(AFM)層、
強磁性体から形成され、かつ前記反強磁性層の上に配置され、さらに磁気的配向が実質的に固定されたピン留め層、
前記ピン留め層の上に配置されたスペーサ層、
磁束が通り、かつ該磁束の変化に応答して変化する電気抵抗を有するように構成され、前記反強磁性(AFM)層の上に位置した磁性材料からなる自由層、及び
前記自由層の上に配置されたキャップ層を有し、前記磁気記録ディスク上に記録されたデータを読み取るための逆平行ピン留めスピン・バルブ・センサと、
(3)前記磁気記録ディスク上に磁気記録された異なるデータに前記スピン・バルブ・センサがアクセスするために前記磁気記録ディスク上で前記スピン・バルブ・センサを移動させるアクチュエータと、
(4)前記スピン・バルブ・センサに電気的に連結し、かつ前記磁気記録されたデータによって誘導される磁場の変化に応答して前記ピン留め層の一定の磁化を基準とした前記自由層の磁化軸の回転によって生ずる前記スピン・バルブ・センサの抵抗の変化を検出するように構成された検出器と、
を備えることを特徴とするディスク・ドライブ装置。
(22)前記第1の層はNiFeNbを含み、また前記第2の層はNiOを含むことを特徴とする上記(21)に記載のディスク・ドライブ装置。
(23)前記第1の層は厚さが5オングストローム乃至30オングストロームであり、また前記第2の層は厚さが20オングストローム乃至100オングストロームであることを特徴とする上記(22)に記載のディスク・ドライブ装置。
(24)前記シード層は、前記第1の層と前記第2の層との間に位置したTaからなる第3の層をさらに有することを特徴とする上記(23)に記載のディスク・ドライブ装置。
(25)前記ピン留め層は前記ピン留め層から前記反強磁性層へ流れる電流の量を減少させるように選択された電気抵抗材料からなる層を有することを特徴とする上記(24)に記載のディスク・ドライブ装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のスピン・バルブ・センサの構成要素を説明するための模式的断面図である。
【図2】従来のAPピン留めスピン・バルブ・センサの構成要素を説明するための模式的断面図である。
【図3】本発明の磁気記録ディスク・ドライブ装置の一実施形態の概略的構成を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明にもとづくSVヘッドの基板に対して平行な(111)平面を持つ面心立方体(FCC)の微視的部分の模式的斜視図である。
【図5】本発明にもとづく改善されたシード層を組み込んだスピン・バルブ・センサの一実施形態の構成要素を説明するための模式的断面図である。
【図6】図5に示す改善されたシード層を形成する複数の層を説明するための断面図で、(a)はテクスチャ層と下部層との間に移行層がない場合、(b)はテクスチャ層と下部層との間に移行層が設けられた場合を示す。
【図7】本発明にもとづく改善されたピン留め層を組み込んだスピン・バルブ・センサの一実施形態の構成要素を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
300 ディスク・ドライブ
312 磁気ディスク312
313 スライダ
314 スピンドル
315 サスペンジョン
318 ディスク・ドライブ・モータ
319 アクチュエータ・アーム
321 磁気読み取り/書き込みヘッド
322 ディスク面
327 アクチュエータ手段
329 制御ユニット
323、328 ライン
325 記録チャンネル
370 立方体試料
372 基板372
374 (111)平面
378 原子
400 スピン・バルブ・センサ
402 端部領域
404 中央領域
406 基板
407 第2の層(シード層)
408 反強磁性(AFM)層
410 APピン留め層
412 第1のピン留め層
414 第2のピン留め層
416 第3のピン留め層
418 高固有抵抗層
420 逆平行結合(APC)層
422、424 方向
426 スペーサ層
428 自由強磁性層
430 抵抗層(ラミネート層)
432 ラミネート層
435 キャップ層
436 バイアス層
438 リード
440 検出装置
442 電源
510 下部層
520 移行層
530 テクスチャ層

Claims (22)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられ、かつ前記基板に対して実質的に平行に配置された(111)結晶学的平面を形成するために選択された面心立方材料を含むシード層と、
    磁束が通り、かつ該磁束の変化に応答して変化する電気抵抗を有するように構成され、前記シード層の上に位置した磁性材料からなる自由層と、
    を有し、
    前記シード層は、一般式
    NiFeX(式中、XはNb、Mo、及びCrからなる群から選択される)
    で表される化合物からなる群から選択される化合物を含む第1の層を有し、
    前記第1の層と前記基板との間に位置した第2の層をさらに有し、また前記第2の層はNi合金を含むことを特徴とするスピン・バルブ・センサ。
  2. 第1の層はNiFeNbを含むことを特徴とする請求項1に記載のスピン・バルブ・センサ。
  3. 前記第2の層はNiOを含むことを特徴とする請求項2に記載のスピン・バルブ・センサ。
  4. 前記第1の層の厚さは5オングストローム乃至30オングストロームであり、また前記第2の層の厚さは20オングストローム乃至100オングストロームであることを特徴とする請求項3に記載のスピン・バルブ・センサ。
  5. 前記第1の層と前記第2の層との間に第3の層をさらに有し、前記第3の層はTa及びZrからなる群から選択される金属を含有することを特徴とする請求項1に記載のスピン・バルブ・センサ。
  6. 前記第3の層はTaを含むことを特徴とする請求項5に記載のスピン・バルブ・センサ。
  7. 前記第3の層の厚さは、20オングストローム乃至60オングストロームであることを特徴とする請求項6に記載のスピン・バルブ・センサ。
  8. 前記シード層と前記自由層との間に位置したピン留め層をさらに有し、前記ピン留め層から反強磁性層へ流れる電流の量を減少させるようにして選択された抵抗材料からなる層を前記ピン留め層が有することを特徴とする請求項1に記載のスピン・バルブ・センサ。
  9. 前記ピン留め層は、一般式
    NiFeX(式中、XはNb、Mo、及びCrからなる群から選択される)
    で表される化合物からなる群から選択される化合物を含むことを特徴とする請求項8に記載のスピン・バルブ・センサ。
  10. 前記ピン留め層はNiFeNbを含むことを特徴とする請求項9に記載のスピン・バルブ・センサ。
  11. 基板と、
    前記基板の上に位置した反強磁性(AFM)層と、
    強磁性体から形成され、かつ前記反強磁性層の上に配置されたピン留め層と、
    磁束が通り、かつ該磁束の変化に応答して変化する電気抵抗を有するように構成され、前記反強磁性(AFM)層の上に位置した磁性材料からなる自由層とを有し、さらに、
    前記ピン留め層の磁気配向が実質的に前記反強磁性層によって固定され、さらに前記ピン留め層から反強磁性層に流れる電流の量を減少させるために選択された電気抵抗材料からなる層を前記ピン留め層が有し、
    前記ピン留め層は、前記反強磁性層に隣接した第1の逆平行ピン留め層、前記第1の逆平行ピン留め層の上に位置した第2の逆平行ピン留め層をさらに有し、
    電気的抵抗材料からなる層は第1及び第2の逆平行ピン留め層の間に互いに隣接して位置し、
    一般式
    NiFeX(式中、XはNb、Mo、及びCrからなる群から選択される元素)
    で表される化合物からなる群から選択される化合物からなる材料を含むことを特徴とするスピン・バルブ・センサ。
  12. 前記ピン留め層は、前記第1の逆平行ピン留め層はCoFeとCoとからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする請求項11に記載のスピン・バルブ・センサ。
  13. 前記ピン留め層は、前記第2の逆平行ピン留め層はCoFeとCoとからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする請求項12に記載のスピン・バルブ・センサ。
  14. 前記電気抵抗材料からなる層は、NiFeNbを含むことを特徴とする請求項11に記載のスピン・バルブ・センサ。
  15. 前記電気抵抗材料からなる層は、厚さが5オングストローム乃至15オングストロームであることを特徴とする請求項14に記載のスピン・バルブ・センサ。
  16. 前記第1の逆平行ピン留め層及び第2の逆平行ピン留め層は、それぞれ厚さが5オングストローム乃至20オングストロームであることを特徴とする請求項15に記載のスピン・バルブ・センサ。
  17. (1)磁気記録ディスクと、
    (2)基板、
    一般式
    NiFeX(式中、XはNb、Mo、及びCrからなる群から選択される)
    で表される化合物からなる群から選択される化合物を含む第1の層と、
    前記第1の層と前記基板との間に位置し、かつNi合金を含む第2の層とを有し、前記基板の上に配置され、かつ前記基板に対して実質的に平行に配置された(111)結晶学的平面を形成するために選択された面心立方材料を含むシード層、
    前記シード層の上に配置した反強磁性(AFM)層、
    強磁性体から形成され、かつ前記反強磁性層の上に配置され、さらに磁気的配向が実質的に固定された逆平行ピン留め層を含むピン留め層、
    前記ピン留め層の上に配置されたスペーサ層、
    磁束が通り、かつ該磁束の変化に応答して変化する電気抵抗を有するように構成され、前記反強磁性(AFM)層の上に位置した磁性材料からなる自由層、及び
    前記自由層の上に配置されたキャップ層を有し、前記磁気記録ディスク上に記録されたデータを読み取るための逆平行ピン留めスピン・バルブ・センサと、
    (3)前記磁気記録ディスク上に磁気記録された異なるデータに前記スピン・バルブ・センサがアクセスするために前記磁気記録ディスク上で前記スピン・バルブ・センサを移動させるアクチュエータと、
    (4)前記スピン・バルブ・センサに電気的に連結し、かつ前記磁気記録されたデータによって誘導される磁場の変化に応答して前記ピン留め層の一定の磁化を基準とした前記自由層の磁化軸の回転によって生ずる前記スピン・バルブ・センサの抵抗の変化を検出するように構成された検出器と、
    を備えることを特徴とするディスク・ドライブ装置。
  18. 前記ピン留め層は前記ピン留め層から前記反強磁性層へ流れる電流の量を減少させるように選択された電気抵抗材料からなる層を有することを特徴とする請求項17に記載のディスク・ドライブ装置。
  19. (1)磁気記録ディスクと、
    (2)基板、
    一般式
    NiFeX(式中、XはNb、Mo、及びCrからなる群から選択される)
    で表される化合物からなる群から選択される化合物を含む第1の層と、
    前記第1の層と前記基板との間に位置し、かつNi合金を含む第2の層とを有し、前記基板の上に配置さたシード層、
    前記シード層の上に配置した反強磁性(AFM)層、
    強磁性体から形成され、かつ前記反強磁性層の上に配置され、さらに磁気的配向が実質的に固定されたピン留め層、
    前記ピン留め層の上に配置されたスペーサ層、
    磁束が通り、かつ該磁束の変化に応答して変化する電気抵抗を有するように構成され、前記反強磁性(AFM)層の上に位置した磁性材料からなる自由層、及び
    前記自由層の上に配置されたキャップ層を有し、前記磁気記録ディスク上に記録されたデータを読み取るための逆平行ピン留めスピン・バルブ・センサと、
    (3)前記磁気記録ディスク上に磁気記録された異なるデータに前記スピン・バルブ・センサがアクセスするために前記磁気記録ディスク上で前記スピン・バルブ・センサを移動させるアクチュエータと、
    (4)前記スピン・バルブ・センサに電気的に連結し、かつ前記磁気記録されたデータによって誘導される磁場の変化に応答して前記ピン留め層の一定の磁化を基準とした前記自由層の磁化軸の回転によって生ずる前記スピン・バルブ・センサの抵抗の変化を検出するように構成された検出器と、
    を備え、
    前記ピン留め層の磁気配向が実質的に前記反強磁性層によって固定され、さらに前記ピン留め層から反強磁性層に流れる電流の量を減少させるために選択された電気抵抗材料からなる層を前記ピン留め層が有し、
    前記ピン留め層は、前記反強磁性層に隣接した第1の逆平行ピン留め層、前記第1の逆平行ピン留め層の上に位置した第2の逆平行ピン留め層をさらに有し、
    電気的抵抗材料からなる層は第1及び第2の逆平行ピン留め層の間に互いに隣接して位置し、
    一般式
    NiFeX(式中、XはNb、Mo、及びCrからなる群から選択される元素)
    で表される化合物からなる群から選択される化合物からなる材料を含むことを特徴とするディスク・ドライブ装置。
  20. 前記第1の層はNiFeNbを含み、また前記第2の層はNiOを含むことを特徴とする請求項17または19に記載のディスク・ドライブ装置。
  21. 前記第1の層は厚さが5オングストローム乃至30オングストロームであり、また前記第2の層は厚さが20オングストローム乃至100オングストロームであることを特徴とする請求項19または20に記載のディスク・ドライブ装置。
  22. 前記シード層は、前記第1の層と前記第2の層との間に位置したTaからなる第3の層をさらに有することを特徴とする請求項19または21に記載のディスク・ドライブ装置。
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