JP3617902B2 - 伸縮性不織布の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、衣料用芯地、医療用貼付薬基材など、種々の用途に用いられる新規な伸縮性不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、伸縮性不織布は多目的に用いられている。例えば、衣料用芯地に用いられる伸縮性不織布は、衣服に保型性を与え、しかも表地に追従する部材として広く利用され、医療用貼付薬基材としては、使用者の関節等の動きに追従する素材として利用されている。
【0003】
当初の伸縮性不織布は、予め短繊維に付与した捲縮を利用したものであり、カード機によって形成された繊維ウエブをそのまま利用するのが主流であった。しかし、予め付与された捲縮(以下、初期捲縮と称する)は、カーディングによって伸ばされるため、繊維ウエブを構成した後の捲縮率は初期捲縮率に対して実質的に減少し、初期捲縮率を伸度に効果的に反映させることは難しかった。加えて、カード機でウエブ形成する際に発生するネップ(毛玉)を回避するためには、初期捲縮率を大きく採るには限界があり、この種の技術によって実現し得る伸度は極く僅かなものであった。
【0004】
上述の技術に較べて、格段の伸縮性を実現し得るものとして、潜在捲縮性繊維を用いた伸縮性不織布が知られている。この技術では、短繊維に予め付与する初期捲縮率はカーディング性を良好とする範囲に抑えながらも、繊維ウエブとした後の熱処理でコイル(又はスパイラル)状の捲縮を多数発現させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の潜在捲縮性繊維を用いた伸縮性不織布では、発現した捲縮の大部分がコイル状(若しくはスパイラル状)である。従って、表地や伸縮性不織布自体に、繊維の端部のようなフック状の構成成分が含まれる場合、上記コイル状部との間に係合力を生じ、使用する際の作業性に支障を来すという問題が有った。この様な現象をファスナー現象と称するが、これによる弊害の一例を詳述すれば、ロール状に巻き取られた伸縮性不織布では、後加工、検査等でロールを巻き戻す操作を伴うことが多い。この際、ロールの巻き出し部分で断続的に不織布の表裏が係合するため、巻き出しのテンション管理が難しかった。
【0006】
また、上述した後加工の一例として、衣料用芯地では表地と接着するため、繊維ウエブに熱的な影響を及ぼさない程度の比較的低融点を有する樹脂を点状に形成して接着樹脂部とする技術は良く知られている。近年では、繊維ウエブの表面に比較的高融点な樹脂を土台として点状に形成し、さらに、この樹脂表面に表地と接着する低融点樹脂を重ねて形成することによって、表地との接着作業時に生じる、これら樹脂の繊維ウエブへの沈み込みによる接着不良等を回避し得る、加工度の高い技術も周知である。ところが、潜在捲縮性繊維の使用の有無を問わず従来の伸縮性不織布では、後加工時に伸縮性を有するため、生産(加工)方向に対して加わる張力によって、当該方向に亙る伸縮性を損なったり、生産工程での幅引きを生じ易いといった問題点が有った。
【0007】
さらに、現在広く用いられている潜在捲縮性繊維は、ポリエステル系やポリオレフィン系などに限られており、その他の樹脂から構成される繊維を利用して、しかも前述したウエブ形成に制約を生じる様な予め高捲縮が付与された繊維を用いる以外に、伸縮性を有する不織布を得ることは難しかった。
【0008】
本発明は、上述した種々の問題点に鑑みなされたものであり、従って、本発明の目的は、ファスナー現象の原因となる潜在捲縮性繊維を用いることなく伸縮性を有する新規な伸縮性不織布を提供すると共に、繊維ウエブを形成した後の後加工時の張力による種々の弊害を低減し得る新規な伸縮性不織布の製造技術を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的の達成を図るため、この出願に係る伸縮性不織布の製造方法によれば、第一繊維成分と、この第一繊維成分の熱融着温度での乾熱収縮率よりも、大きな最大乾熱収縮率を有し、かつこの第一繊維成分との間で選択的に溶解除去される第二繊維成分とが交絡一体化した繊維ウエブを形成する第一の工程と、この繊維ウエブを、前述した第二繊維成分の熱融着温度で熱処理することによって、前述した第一繊維成分に対するポイントシールを行う第二の工程と、前述した第二繊維成分を溶解除去する第三の工程とを含むことを特徴としている。
【0011】
尚、この明細書で言う「選択的に溶解除去される」とは、第一繊維成分に対して実質的に溶解作用を及ぼさず、しかも、繊維ウエブ中にあって第一繊維成分を拘束している第二繊維成分が第三の工程を実施する際に溶解除去し得ることを表している。
【0012】
【発明の実施の形態】
この出願に係る技術は、第一繊維成分の熱融着温度までの温度範囲における最大乾熱収縮率が、第一繊維成分の熱融着温度における乾熱収縮率よりも大きな第二繊維成分との収縮率の差を利用すると共に、これら繊維成分のうち、第二繊維成分が溶解除去可能であることを利用している。詳述すれば、上記乾熱収縮率の差によって第二繊維成分が寸法変化(第一繊維成分に対して相対的に収縮)を生じ、第一繊維成分が第二繊維成分の収縮応力によって圧縮(若しくは緻密化)された状態の繊維ウエブが得られる。特に、この出願の方法発明では、前述した第二の工程直後に、当該繊維ウエブが拘束・固定化されており、その後、第二繊維成分を溶解除去するまでの間は、比較的高強度の繊維ウエブが保たれることを利用し、伸縮性を損なうことなく種々の加工を実施することが可能である。
【0013】
以下、この出願の方法発明に従って実施の形態を説明すれば、第一の工程として繊維ウエブを形成するに当たり、上述した第一繊維成分と第二繊維成分との重量組成範囲は50/50〜90/10とすれば良く、特に、60/40〜85/15が好ましい。これら好適範囲を超えて、第一繊維成分の組成比を大きく採ると伸縮性を得ることが難しくなり、また、第一繊維成分の組成比を小さく設計した場合には、第二繊維成分の溶解除去による面密度損失が大きくなるため、生産コスト上、不利となる。さらに、当該繊維ウエブの面密度は、得られる伸縮性不織布の用途に応じて設計すれば良く、比較的低面密度が志向される衣料用接着芯地では第二繊維成分の抽出除去後で15g/m〜60g/m程度、比較的高面密度が志向される貼付薬基布でも最終の面密度が200g/m程度までの好適範囲とすれば良い。この様な繊維ウエブを形成するに当っては、第二繊維成分の収縮を繊維ウエブの面内で均一に生じさせるため、2つの繊維成分を短繊維として混綿し、カーディングにより交絡一体化させて行うのが好適である。この際、ニードルパンチ法、高圧水流絡合などによる交絡手段を用いても良い。
【0014】
ここで、この発明に適用し得る第一繊維成分は、得られる伸縮性不織布を構成する主体となるものである。従って、第一繊維成分には、用途上好適であって、しかも第二繊維成分を除去するに当たって、除去溶媒に化学的な耐性を有するものを選択すれば良い。例えば貼付薬基布に用いる場合は、膏体に対して化学的に安定で従来用いられてきたポリエステル系繊維が好ましく、衣料用途の場合には風合いを重視してナイロン系繊維若しくはポリエステル系繊維を用いればよい。また、この出願に係る技術は第二繊維成分の収縮で第一繊維成分を圧縮することにより伸縮性を得るため、第二繊維成分による収縮応力が同一の場合、第一繊維成分の繊度は小さいほど伸縮性に富むものが得られる。さらに、特に強度を所望とする場合には、ポリエステル系樹脂を芯とし、ポリエチレン樹脂または変成ポリエステルを鞘とした熱接着繊維を用いるなど、種々の複合繊維を選択して用いることもできる。
【0015】
次に、この発明に適用し得る第二繊維成分としては、設計された第一繊維成分の熱融着温度において熱収縮を生じ、しかも第一繊維成分に対して実質的に溶解作用を示さない溶解除去用溶媒を持つものが好ましい。既に述べたように、係る第二繊維成分としては、最大乾熱収縮率が大きいほど、伸縮性に富む不織布を実現し得る。このような種々の要件を備えた第一繊維成分、第二繊維成分及び溶解除去用溶媒の組合せの例として、以下のものが考えられる。
【0016】
【表1】
Figure 0003617902
【0017】
次に、第二の工程として、第二繊維成分の収縮による第一繊維成分の圧縮(緻密化)と、既に述べたような繊維ウエブの拘束・固定化とを同時に行う。この工程での熱処理は、ドライヤーやヒートロールなど、加圧、無加圧を問わず、従来知られている種々の加熱手段を用いることができる。しかしながら、最終的に得られる伸縮性不織布に強度付与とソフトな風合いとを必要とする場合には、この熱処理にエンボスロールを用いて点状の熱融着領域を形成するのが好適である。周知の通り、ポイントシールは、凸部が所定のパターンに配置されたエンボスロールと、フラットロールとを対向配置させて行われる。これら一対のロールの対向面では、上記凸部とフラットロールの円周面とが当接するが、当該円周面とエンボスロール側の円周面とは凸部の高さに相当する距離で離間している。従って、これらロール間で繊維ウエブが加熱される際には、上述の当接部分によって加圧されながら繊維ウエブに点状の熱圧着領域が形成されることとなる。この工程で生じる現象について、その詳細は明らかではないが、対向するロールに近づくにつれて第二繊維成分は収縮を始め、熱圧着領域が形成される段階では、第一繊維成分が圧縮された状態でポイントシールされると考えられる。
【0018】
ここで、第一繊維成分の乾熱収縮率と、第二繊維成分の最大乾熱収縮率との関係について一例を挙げて説明する。この出願に係る発明者は、本発明に適用可能な第一及び第二繊維成分を検討するに当たり、「化学繊維ステープル試験方法」(JIS L1015)に準じて乾熱収縮率を測定した。第一繊維成分として用いて好適なナイロン繊維の場合、熱融着領域を形成するための熱融着温度は、通常、180℃以上で行われる。このため、ナイロン繊維の熱融着温度180℃での乾熱収縮率を求めると共に、第二繊維成分として使用し得る種々の繊維の180℃における乾熱収縮率を検討した。その結果については後段でも詳述するが、この発明の方法は、第一繊維成分の熱融着温度で熱溶融してしまう第二繊維成分(例えばポリビニルアルコール繊維)との組合せでも、伸縮性不織布を得ることが可能であった。この点については、既に述べたように、繊維ウエブに熱融着領域を形成する過程では、第二繊維成分が熱収縮を経て第一繊維成分の圧縮・緻密化をもたらし、然る後、この状態が維持されたまま熱溶融に至ると考えられる。従って、この明細書では、第一繊維成分の熱融着温度よりも低い温度で融解する第二繊維成分の場合には当該熱融着温度よりも低い温度で測定可能な、最も大きな乾熱収縮率を当該繊維の熱融着温度での実質的な乾熱収縮率と見なし、第一繊維成分の熱融着温度でも測定可能な場合の第二繊維成分の乾熱収縮率と併せて、最大乾熱収縮率として包括的な表現とした。このため、本発明の伸縮性不織布を設計するに当っては、第一繊維成分の熱融着温度での乾熱収縮率よりも、第二繊維成分の最大乾熱収縮率が大きいものを組み合わせれば良い。
【0019】
次いで、この出願の方法発明における好適態様として、上述した第二の工程の後に、当該工程で得られる繊維ウエブの、少なくとも一方の表面側に、点状の樹脂接着部を形成することが出来る。これは、衣料用の接着芯地に好適な工程であるが、接着樹脂部を構成する樹脂は伸縮性不織布を構成する第一繊維成分及び第二繊維成分を溶解除去する際の化学的安定性に応じて設計すると共に、接着樹脂部の形状、寸法、樹脂組成、面積当たりの個数などは、従来技術をそのまま適用すれば良い。このような後加工工程の付加は、張力を被ることによって伸縮性及び幅方向の寸法安定性が損なわれるような後加工を所望とする場合に有効であり、例示の接着樹脂部の形成工程に限定されるものではない。
【0020】
続いて、前述の第二の工程または上述の付加的な後加工工程を実施した後、第二繊維成分の溶解除去を目的とした第三の工程を行う。この溶解除去条件は、用いた溶解除去用溶媒に対する第二繊維成分の溶解特性に応じて温度及び時間を設計すれば良く、当該工程の前工程で予めロール状に巻き取って溶解処理を行う方式、或いは前工程から連続的にインラインで処理する方式など、種々選択することが出来る。
【0021】
以下、この出願に係る発明の実施例につき説明する。尚、以下の実施例では、説明を理解し得る程度の特定条件を例示して説明するが、この発明は、これら特定条件にのみ限定されるものではなく、発明の目的の範囲内で任意好適に設計の変更及び変形を行い得る。
【0022】
【実施例】
この実施例では、第一繊維成分として繊度1.5デニール、繊維長47mmの「東レナイロンT−201」(東レ(株)製、商品名)、第二繊維成分として、超高収縮ポリエステル綿と称される繊度1.5デニール、繊維長51mmの「ユニチカ443」(ユニチカ(株)製、商品名)を用いた。
【0023】
次いで、上記第一繊維成分及び第二繊維成分の乾熱収縮率について、「化学繊維ステープル試験方法」(JIS L1015)に準じて測定した結果を説明する。乾熱収縮率は、試料となる単繊維を測定温度に設定した熱風ドライヤー中で20分間熱処理した後、標準状態(20℃、相対湿度65%)に設定した恒温恒湿器中に2時間静置する。然る後、標準状態に静置したのみの単繊維長を初期値として、上記熱処理した単繊維長の収縮率を百分率で算出して乾熱収縮率(n=5)を求めた。その結果、前述の第一繊維成分であるナイロン繊維の乾熱収縮率が3.9%であったのに対し、前述の第二繊維成分である超高収縮ポリエステル繊維の(最大)乾熱収縮率は51.4%であった。この測定結果から、180℃における両繊維成分の乾熱収縮率の差は47.5%となることが理解できる。
【0024】
以下、実施例に係る製造方法につき、工程に従って説明する。まず、第一の工程として、第一繊維成分である前記ナイロン繊維を30mass%に対して、第二繊維成分である前記ポリエステル繊維を70mass%の割合で混綿した後、カード機により繊維ウエブを形成する。
【0025】
続く第二の工程として、線圧350N/cm、温度180℃としたエンボスロールにより、略円形のパターン(パターン密度64ヶ/cm、パターン面積0.12mm/ヶ)を熱融着領域として形成し、かつ第二繊維成分の収縮を行うための熱処理を実施し、面密度32.5g/mの不織布を得た。
【0026】
次いで、この状態の不織布に対し、第三の工程として、第二繊維成分であるポリエステル繊維の減量促進剤「ネオレートNCB」(日華化学(株)製、商品名)2mass%を含む20mass%水酸化ナトリウム水溶液を溶解除去溶媒として使用し、当該溶媒中、90℃の温度で約20分間にわたって第二繊維成分の溶解除去を行った。この後、洗浄、乾燥工程を経て、実施例に係る面密度24.1g/mの伸縮性不織布を得た。
【0027】
このようにして得られた伸縮性不織布の評価は、「不織布芯地試験法」(JISL1085)に準じ、当該不織布の生産方向(縦)又は生産幅方向(横)が長手方向となる20cm×5cmの試料を各々調製し、引張試験機(オリエンテック(株)製)によって引張速度200mm/分で最大伸度を測定した。また、同様の寸法で調製した試料を引張・せん断試験機(カトーテック(株)製、KES−FB1)にかけ、50g/cmの一定荷重における引張伸度EMTを求めた。これらの測定結果につき、表2に示す。
【0028】
【表2】
Figure 0003617902
【0029】
また、これとは別に、市販のポリエステル系潜在捲縮性繊維のみを用いてカード機により繊維ウエブを調製し、熱風ドライヤー処理によって捲縮発現させ、面密度及び最大伸度がほぼ同等になるように比較例に係る伸縮性不織布を作製した。このような比較例に係る不織布と、上述した実施例の第二の工程を経た後、即ち第二繊維成分の溶解除去前の不織布とを夫々所定長のロールとし、ロールの巻き出し状況を観察した。その結果、実施例の不織布ではロールを駆動する速度と不織布が巻き出される速度とがほぼ一致し、円滑な巻き出しが行えたのに対して、比較例に係る不織布では上記駆動速度と実際の巻き出し速度との間に不整合が見られ、所謂、連れまわりが認められた。このことから、実施例に係る不織布はコイル状の捲縮を持たないため、前述したファスナー現象を来すことがなく、しかも、その後の第三の工程で第二繊維成分を溶解除去することによって良好な伸縮性を実現し得ることが理解できる。
【0030】
【発明の効果】
上述した説明からも明らかなように、この出願に係る発明の伸縮性不織布の製造方法によれば、第一繊維成分と、この第一繊維成分の熱融着温度での乾熱収縮率よりも、大きな最大乾熱収縮率を有し、かつ、この第一繊維成分との間で選択的に溶解除去される第二繊維成分とが交絡一体化した繊維ウエブを形成する第一の工程と、この状態の繊維ウエブを、前述した第二繊維成分の熱融着温度で熱処理することによって、前述の第一繊維成分に対するポイントシールを行う第二の工程と、上述の第二繊維成分を溶解除去する第三の工程とを含む構成としている。
【0031】
このように、第三の工程で除去可能であり、しかも第一繊維成分に応じた所定の熱融着温度で、第一繊維成分よりも熱収縮し易い第二繊維成分とを組み合わせて用いることにより、潜在捲縮性繊維及び予め高捲縮が付与された高捲縮性繊維を用いることなく、伸縮性不織布を得ることができる。特に、上述した第二の工程と第三の工程との間では、張力に対して耐性を持つ繊維ウエブ状態が保持される。従って、この発明の方法を適用することにより、前述したファスナー現象を回避しつつ、生産時の張力による伸縮性の低下及び幅引き低減を図ると共に、優れた伸縮性不織布を提供することができる。

Claims (1)

  1. 第一繊維成分と、該第一繊維成分の熱融着温度での乾熱収縮率よりも、大きな最大乾熱収縮率を有し、かつ該第一繊維成分との間で選択的に溶解除去される第二繊維成分とが交絡一体化した繊維ウエブを形成する第一の工程と、該繊維ウエブを、前記第二繊維成分の熱融着温度で熱処理することによって、前記第一繊維成分に対するポイントシールを行う第二の工程と、前記第二繊維成分を溶解除去する第三の工程とを含むことを特徴とする伸縮性不織布の製造方法。
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