JP3617577B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
硬化性組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3617577B2 JP3617577B2 JP16236096A JP16236096A JP3617577B2 JP 3617577 B2 JP3617577 B2 JP 3617577B2 JP 16236096 A JP16236096 A JP 16236096A JP 16236096 A JP16236096 A JP 16236096A JP 3617577 B2 JP3617577 B2 JP 3617577B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- formula
- component
- represented
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は室温で放置あるいは加熱するだけで容易に硬化し得、耐溶剤性、耐薬品性及び耐熱性に優れ、特に伸びの大きい硬化物を与える硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、含フッ素エラストマー組成物は、各種分野で使用されている。しかし、従来の上市されている含フッ素エラストマー組成物より得られる硬化物では、その耐溶剤性、耐薬品性が十分でない場合があり、より耐溶剤性、耐薬品性に優れた硬化物が望まれている。また、用途によっては、上記ゴム硬化物の伸びが大きいことが要望されている。
【0003】
本発明は上記要望に応えるためになされたもので、耐溶剤性、耐薬品性に優れると共に、伸びの大きい硬化物を与える、直鎖状パーフルオロ化合物と含フッ素オルガノ水素ポリシロキサンとを主成分とする硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価パーフルオロアルキレン又は2価パーフルオロポリエーテル構造を有し、25℃における粘度が25〜1,000,000cStである直鎖状パーフルオロ化合物に下記一般式(1)で示される含フッ素オルガノハイドロジェンシロキサンを特定量配合し、更に白金族化合物を添加することにより、耐溶剤性、耐薬品性及び耐熱性に優れている上、大きな伸びを有する硬化物を与える硬化性組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0005】
即ち、本発明は、(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価パーフルオロアルキレン又は2価パーフルオロポリエーテル構造を有し、25℃における粘度が25〜1,000,000cStである直鎖状パーフルオロ化合物、
(B)下記一般式(1)で表される25℃における粘度が10〜500,000cStである含フッ素有機ケイ素化合物、
(C)白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物から選択される触媒量の白金族化合物
を含有し、かつ上記(B)成分を(A)成分中のアルケニル基1モルに対しヒドロシリル基が0.5〜5モルとする量で配合してなることを特徴とする硬化性組成物を提供する。
【0006】
【化4】
【0007】
この場合、上記(A)成分の直鎖状パーフルオロ化合物としては、下記一般式(3)で示される化合物が好適に用いられる。
【0008】
【化5】
【0009】
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の硬化性組成物の第1成分〔(A)成分〕は、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価パーフルオロアルキレン又は2価パーフルオロポリエーテル構造を有し、25℃における粘度が25〜1,000,000cStである直鎖状パーフルオロ化合物であり、このパーフルオロ化合物としては、例えば下記一般式(3)で示されるものが挙げられる。
【0010】
【化6】
【0011】
ここで、Rfは、2価パーフルオロアルキレン基又は2価パーフルオロポリエーテル基であり、特に2価パーフルオロアルキレン基としては
−CmF2m−
(但し、m=1〜10、好ましくは2〜6である。)
で示されるものが好ましく、2価パーフルオロポリエーテル基としては下記式で示されるものが好ましい。
【0012】
【化7】
【0013】
次に、Qは下記一般式(4)、(5)又は(6)で示される基である。
【0014】
【化8】
【0015】
ここで、R1は水素原子又は置換又は非置換の1価炭化水素基であり、置換又は非置換の1価炭化水素基としては炭素数1〜12のものが好ましく、これらの基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等を挙げることができる。
【0016】
R3は置換又は非置換の2価炭化水素基であり、これは炭素数1〜10、特に2〜6のものが好適である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、へキサメチレン基等のアルキレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基、あるいはこれらの水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基等を挙げることができる。なお、式(6)において、2個のR3は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0017】
R4は結合途中に酸素原子、窒素原子、ケイ素原子及び硫黄原子の1種又は2種以上を介在させてもよい置換又は非置換の2価炭化水素基、あるいは、下記一般式(7)又は(8)で示される基である。
【0018】
【化9】
【0019】
ここで、R4の式(7)、(8)で示される基において、R5の1価炭化水素基としては、R1で説明した置換又は非置換の1価炭化水素基と同様のものが挙げられる。また、R6の例として、置換又は非置換の2価炭化水素基が挙げられるが、これは炭素数1〜20、特に1〜10の2価炭化水素基が好適であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、へキサメチレン基等のアルキレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子等で置換した基、あるいはこれらの置換又は非置換のアルキレン基、アリーレン基の組合せなどが例示される。
【0020】
また、R6の他の例として酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子の一種又は2種以上を主鎖構造中に含む2価の基が挙げられる。
【0021】
この場合、酸素原子は−O−、硫黄原子は−S−、窒素原子は−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜8、特に1〜6のアルキル基又はアリール基である)などとして介在させることができ、またケイ素原子はオルガノシロキサンを含有する基あるいはオルガノシリレン基として介在させることもでき、具体的には下記の基を例示することができる。
【0022】
【化10】
【0023】
一方、R4の結合途中に酸素原子、窒素原子、ケイ素原子及び硫黄原子の一種又は2種以上を介在させてもよい置換又は非置換の2価炭化水素基としては、上記R6で説明した置換又は非置換の2価炭化水素基及びこれに上記酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子介在基を介在させたものが示される。
【0024】
上記式(4)、(5)、(6)により示される式(3)中のQとしては具体的に下記の基が例示される。なお、以下の一般式において、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
なお、上記式(3)においてaは0以上の整数であり、従って、式(1)の含フッ素化合物は1分子中に2価パーフルオロアルキレン基又は2価パーフルオロポリエーテル基を1個以上含むものであるが、aは好ましくは0〜10、特に0〜6の整数である。
【0028】
次に、Xは、下記に挙げるものである。
【0029】
【化13】
【0030】
また、pは0又は1であり、式(3)のパーフルオロ化合物は両末端にビニル基、アリル基等を有するものである。
【0031】
上記(A)成分の直鎖状パーフルオロ化合物は25℃での粘度が25〜1,000,000cStの範囲にあることが必要で、特に100〜60,000cStであることが好ましい。粘度がこの範囲外であるときは満足する特性を有するゴム硬化物を形成することが困難となったり、作業性が低下する等の不都合を生じるおそれがある。
【0032】
次に、本発明の(B)成分の含フッ素有機ケイ素化合物は、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有し、かつ主鎖に2価パーフルオロ構造を有する含フッ素有機ケイ素化合物である。具体的には、下記一般式(1)で示されるものを挙げることができる。
【0033】
【化14】
ここで、Rf、X及びpについては上述した通りであるが、式(3)におけるRf、X及びpと式(1)におけるRf、X及びpとは互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0034】
また、Zは下記一般式(2)で示される基である。
【0035】
【化15】
ここで、R2は1価の有機基であり、bは1,2又は3である。このR2としては、特には置換又は非置換の1価炭化水素基又は下記一般式(9)で示される基である。
【0036】
【化16】
【0037】
上記R2及びR7の置換又は非置換の1価炭化水素基としては、炭素数1〜12のものが好ましく、これらの基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等を挙げることができる。
【0038】
なお、上記式(1)の含フッ素有機ケイ素化合物は、下記式(A)のアルケニル基含有化合物と式(B)のオルガノハイドロジェンシロキサンとを後者を前者より過剰に、好ましくは後者を前者の2.2倍モル以上、特に3〜10倍モルの過剰量使用して、白金化合物等の付加反応触媒の存在下に部分付加反応させることにより得ることができる。
【0039】
ここで付加反応触媒としては公知のものを用いることができる。即ち、周期律表第VIII族元素又はこれら元素を有する化合物を好適に使用することができ、具体的には、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3220972号)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3159601号、同第3159662号、同第3775452号)、白金黒、パラジウム等をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム−オレフィンコンプレックス、ウィルキンソン触媒と呼ばれるクロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム等を挙げることができる。これらの錯体は、アルコール系、ケトン系、エーテル系等の有機溶剤に溶解して用いることが好ましい。
【0040】
上記触媒の使用量は特に制限されるものではなく、触媒量でよく、通常白金族金属換算で式(B)のオルガノハイドロジェンシロキサン全量当たり1〜1000ppm、特に10〜500ppmになる量を添加することが好ましい。
【0041】
なお、上記反応に際し、反応に影響を与えない範囲内で、必要に応じて有機溶媒で希釈することもできる。この場合、有機溶媒が各成分、反応物を溶解し、均一に分散させ得ることが可能である場合には、反応の進行をスムーズに行うことができるので有用である。このような有機溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、石油エーテル、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジブチルケトン、酢酸エチル等のケトン系溶媒、メチレンクロライド、クロルベンゼン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、トリフルオロベンゼン、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン等のフッ素系溶媒などを挙げることができ、これらを必要に応じて1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0042】
上記反応の反応条件は特に制限されないが、反応温度は50〜150℃が好ましく、更に好ましくは60〜120℃である。
【0043】
【化17】
なお、この部分付加反応は、公知の方法に準じて行うことができる。
【0044】
上記(B)成分の配合量は組成物全系に含まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等のアルケニル基1モルに対して(B)成分中のヒドロシリル基、即ち、Si−H基を、好ましくは0.5〜5モル、より好ましくは1〜2モル供給する量である。0.5モル未満では架橋度合いが不十分になり、5モル以上では鎖長延長が優先し、硬化が不十分となったり、発泡したり、耐熱性、圧縮永久歪特性等を悪化させる場合がある。なお、この(B)成分の(A)成分に対する配合量は、通常(A)成分100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲とすることができる。
【0045】
本発明の第3成分〔(C)成分〕にかかる白金族化合物は、上記(A)成分と(B)成分との付加反応(ヒドロシリル化反応)用触媒であり、硬化促進剤として作用するものである。
【0046】
ここで、白金族化合物は一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手しやすい白金化合物がよく用いられる。
【0047】
白金化合物としては、例えば塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、白金/シリカ又はアルミナ又はカーボン等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。白金化合物以外の白金族化合物としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えばRhCl(PPh3)3、RhCl(CO)(PPh3)2、RhCl(C2H4)2、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh3)2、Pd(PPh3)4等を例示することができる。
【0048】
これらの触媒の使用量は、特に制限されるものではなく、触媒量で所望とする硬化速度を得ることができるが、経済的見地又は良好な硬化物を得るためには、硬化性組成物全量に対して0.1〜1,000ppm(白金族金属換算)、より好ましくは0.1〜500ppm(同上)程度の範囲とするのがよい。
【0049】
本発明の硬化性組成物には、その実用性を高めるために種々の添加剤を必要に応じて添加することができる。これら添加剤として具体的には、硬化性組成物の硬化速度を制御する目的で加えるCH2=CH(R)SiO単位(式中、Rは水素原子又は置換もしくは非置換の1価炭化水素基である。)を含むポリシロキサン(特公昭48−10947号公報参照)及びアセチレン化合物(米国特許第3445420号及び特公昭54−3774号公報参照)、更に、重金属のイオン性化合物(米国特許第3532649号参照)等を例示することができる。
【0050】
本発明の硬化性組成物には、硬化時における熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨脹率の低下、熱安定性、耐候性、耐薬品性、難燃性あるいは機械的強度を向上させたり、ガス透過率を下げる目的で充填剤を添加してもよい。この場合、添加剤としては例えばヒュームドシリカ、石英粉末、ガラス繊維、カーボン、酸化鉄、酸化チタン及び酸化セリウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩を挙げることができる。更に必要に応じて適当な顔料、染料あるいは酸化防止剤を添加することも可能である。
【0051】
本発明の硬化性組成物の製造方法は特に制限されず、上記成分を練り合わせることにより製造することができる。また、(A)成分と(B)成分及び(A)成分と(C)成分との2組成物とし、使用時に混合するようにしてもよい。
【0052】
また、得られた組成物を硬化させるには、(A)成分の官能基の種類、(C)成分の触媒の種類などにより室温硬化も可能であるが、通常は組成物を100〜200℃にて数分から数時間程度の時間で硬化させることが好ましい。
【0053】
本発明の硬化性組成物を使用するに当たり、その用途、目的に応じて該組成物を適当なフッ素系溶剤、例えば、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン、パーフルオロオクタン等を加えて所望の濃度に溶解してから使用することもできる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、室温にて放置あるいは加熱するだけで容易に硬化し得、特に耐溶剤性、耐薬品性及び耐熱性に優れ、伸びの大きい硬化物を与えることができる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0056】
〔比較例1〕
下記式(i)で示されるポリマー(粘度4400cSt、平均分子量16500、ビニル基量0.03モル/100g)100部に{Si(CH3)2}2NHで処理された比表面積300m2/gの煙霧質シリカ20部を加え混合熱処理した後、3本ロールミル上にて混合し、更に、エチニルシクロへキサノールの50%トルエン溶液を0.3部、塩化白金酸を下記式(ii)で示される化合物で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5重量%)0.2部、下記式(iii)で示される多官能の含フッ素水素シロキサン2.4部を加え、混合した。
【0057】
次いで、得られた混合物を150℃、1時間で硬化させ、その物理的性質を調べた。結果を表1に示す。
【0058】
【化18】
【0059】
〔比較例2〕
上記式(i)で示されるポリマーの代わりに下記式(iv)で示されるポリマー(ビニル基量0.013モル/100g)100部を用い、上記と同様の表面処理煙霧質シリカ10部を用い、上記式(iii)で示される多官能の含フッ素水素シロキサンの代わりに下記式(v)で示される多官能の含フッ素水素シロキサン2.5部を用いた以外は比較例1と同様の操作を行い、硬化物を得た。その物理的性質を調べた結果を表1に示す。
【0060】
【化19】
【0061】
〔比較例3〕
上記式(iv)で示されるポリマーの代わりに下記式(vi)で示されるポリマー(ビニル基量0.013モル/100g)100部を用い、上記式(v)で示される多官能の含フッ素水素シロキサン量を2.7部にした以外は比較例2と同様の操作を行い、硬化物を得た。その物理的性質を調べた結果を表1に示す。
【0062】
【化20】
【0063】
〔実施例1〕
比較例1の式(iii)の含フッ素水素シロキサンの代わりに下記式(vii)の含フッ素有機ケイ素化合物8.9部を添加した以外は比較例1と同様に組成物を調製し、同条件にて得た硬化物について物理的性質を調べた。結果を表1に示す。
【0064】
【化21】
【0065】
〔実施例2〕
比較例2の式(v)の含フッ素水素シロキサンの代わりに下記式(viii)の含フッ素有機ケイ素化合物5.4部を添加した以外は比較例2と同様に組成物を調製し、同条件にて得た硬化物について物理的性質を調べた。結果を表1に示す。
【0066】
【化22】
【0067】
〔実施例3〕
比較例3の式(v)の含フッ素水素シロキサンの代わりに下記式(ix)の含フッ素有機ケイ素化合物18.7部を添加した以外は比較例3と同様に組成物を調製し、同条件にて得た硬化物について物理特性を調べた。結果を表1に示す。
【0068】
【化23】
【0069】
〔実施例4〕
下記式(x)で示されるポリマー100部(ビニル基量0.008モル/100g)に下記式(a)の物質で処理された比表面積300m2/gの煙霧質シリカ12部を加え、混合、熱処理した後、3本ロールミル上にて混合し、更に、エチニルシクロへキサノールの50%トルエン溶液を0.3部、比較例1と同様の白金触媒を0.2部、下記式(xi)で示される含フッ素有機ケイ素化合物16.3部を加え混合した。更に150℃、1時間で硬化させた硬化物について、物理的性質を調べた。結果を表1に示す。
【0070】
【化24】
【0071】
【表1】
【0072】
表1において、比較例はヒドロシリル基がシロキサン結合を介して鎖状に連結された含フッ素ケイ素化合物(架橋剤)を使用している。一方、実施例は本発明の(B)成分にかかる含フッ素有機ケイ素化合物(架橋剤)を使用した。また、比較例1と実施例1、比較例2と実施例2、比較例3と実施例3はそれぞれ架橋剤のみが異なる組成である。従って、表1の結果から、本発明の組成物は、従来の組成物に比べ、伸びの大きい硬化物を与えることがわかる。
【0073】
〔参考例〕
撹拌機、温度計、ジムロート、滴下ロートを付した300mlの4つ口フラスコに下記式(A)で示される化合物32.8g、塩化白金酸と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの錯体トルエン溶液(白金換算で0.5重量%)0.05g及び1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン16.0gを仕込み、80℃で加熱した。次いで、このフラスコ内に下記式(B)で示される含フッ素化合物52.4gを1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン25.0gに溶解した溶液を10分かけて滴下した後、80℃で1時間撹拌した。その後、溶媒及び過剰の未反応物を150℃/5mmHgの条件にてストリップ留去したところ、屈折率1.378(25℃)の液体が66.0g(収率96%)得られた。
【0074】
【化25】
【0075】
この液体について、1H−NMR、及びIR分析を行い、下記の測定値を得た。その結果、反応生成物は下記式(C)の化合物(即ち、上記式(vii)の化合物)であることが確認された。
【0076】
【化26】
【0077】
また、上記参考例と同様にして、式(viii)の化合物は式(viii−1)の化合物と式(viii−2)の化合物とを白金化合物触媒の存在下で部分付加反応させることにより得ることができ、式(ix)の化合物は式(ix−1)の化合物と式(ix−2)の化合物とを白金化合物触媒の存在下で部分付加反応させることにより得ることができ、式(xi)の化合物は式(xi−1)の化合物と式(xi−2)の化合物とを白金化合物触媒の存在下で部分付加反応させることにより得ることができる。
【0078】
【化27】
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16236096A JP3617577B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 硬化性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16236096A JP3617577B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 硬化性組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316264A JPH09316264A (ja) | 1997-12-09 |
JP3617577B2 true JP3617577B2 (ja) | 2005-02-09 |
Family
ID=15753094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16236096A Expired - Fee Related JP3617577B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 硬化性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3617577B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11172108A (ja) * | 1997-12-12 | 1999-06-29 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 導電性フッ素樹脂組成物 |
JP7153323B2 (ja) * | 2018-10-19 | 2022-10-14 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 合成潤滑油 |
-
1996
- 1996-06-03 JP JP16236096A patent/JP3617577B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09316264A (ja) | 1997-12-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2990646B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP3239717B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP3666575B2 (ja) | 硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物 | |
JP3687738B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP4016239B2 (ja) | 硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物 | |
US20010018491A1 (en) | Curable composition | |
JP3858966B2 (ja) | 硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物 | |
JP5110280B2 (ja) | 硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物 | |
JP4269127B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JPH11116684A (ja) | 硬化性組成物 | |
JP3298413B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP2954444B2 (ja) | 室温硬化性組成物 | |
JP3413713B2 (ja) | 含フッ素硬化性組成物 | |
JP3617577B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP5447352B2 (ja) | 含フッ素硬化性組成物 | |
JP3858970B2 (ja) | 硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物 | |
JPH115902A (ja) | 硬化性シリコーンゴム組成物 | |
JP3454095B2 (ja) | 液状硬化性組成物 | |
JP3835536B2 (ja) | 含フッ素硬化性組成物 | |
JP3036385B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP3674680B2 (ja) | 硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物 | |
JP3962894B2 (ja) | 硬化性フルオロポリエーテルゴム組成物 | |
JP3077536B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP2619753B2 (ja) | 硬化性シリコーン組成物 | |
JP3233024B2 (ja) | 有機ケイ素化合物及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040804 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040917 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041020 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041102 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071119 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101119 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101119 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |