JP3617538B2 - 吸収器用伝熱管 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、吸収式冷凍器や吸収式ヒートポンプ等の吸収器内に配管される伝熱管であって、特に、略鉛直方向に配管されて管内面に沿って吸収液が流下せしめられる一方、管外面に複数の冷却フィンが装着されて冷却空気が接触せしめられる空冷式の吸収器に用いられる伝熱管に関するものである。
【0002】
【背景技術】
吸収式冷凍器や吸収式ヒートポンプ等の吸収器としては、従来から、一般に、管内に冷却水を流通せしめて、管外表面を流下せしめられる吸収液を冷却するようにした水冷式のものが採用されているが、近年、小型化を図るために空冷式の吸収器が研究されており、家庭用の小型冷房機等への適用も検討されている。
【0003】
ところで、空冷式の吸収器においては、冷却効率や吸収液の流通性の確保等の観点から、複数本の伝熱管を略鉛直方向に配管して、その管内面に沿って吸収液を流下させる一方、管外面に複数の冷却フィンを装着して冷却空気を接触せしめる構造が、好適に採用される。
【0004】
ところが、かくの如き空冷式の吸収器においては、従来の水冷式の吸収器に用いられている内外面が平滑な円形断面の平滑管を伝熱管として採用すると、吸収液が直線的に流下してしまい液膜が充分に広がらず、液膜の滞留時間も短くなるために充分な伝熱性能を得ることが難しい。そこで、特開平4−151473号公報に記載されているように平滑管の内表面を切削工具等で切り起こして局部的な突起を形成したり、管内表面に濡れ性向上のための表面処理を施したりすることが提案されているが、未だ、管周方向への広がりを充分に得ることができず、吸収液の滞留時間や管内表面の濡れ面積を確保することも難しいために、満足できる伝熱性能を得ることが困難であった。
【0005】
また、平滑管の内表面を切削工具で切り起こして管長手方向に連続して螺旋状に延びる突起を形成することによって、管内表面に螺旋状に延びる溝部を形成することも考えられるが、このような構造のものにあっては、吸収液が螺旋状の溝部に沿って管周方向に案内されて広げられるものの、切起しによって形成された突起が、鋭角的な頂角を有する略三角形の断面形状となるために、突起の表面に膜切れが生じ易く、液膜の厚さに偏りが生じて液膜の広がりが充分でなくなり、その結果、螺旋状の突起の形成によって管内表面積が増大されるにも拘わらず、全体としての伝熱性能の向上は余り望めなかったのである。
【0006】
或いはまた、管内にコイル部材を挿入して管内周面に密接配置することによって、管内表面に螺旋状に延びる溝部を形成することも考えられるが、このような構造のものにあっては、コイル部材の管内表面への密着性を安定して得難いために、性能の安定性や耐久性に問題があり、しかも、管内にコイル部材を配設するには、伝熱管とは別途コイル部材を準備し、それを伝熱管内に挿入した後、かかるコイル部材を管内表面に密接させる加工をしなければならないために、製造が極めて面倒であるという問題もあった。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、略鉛直方向に配管した場合でも、管内を流下せしめられる吸収液の滞留時間を充分に得ることができると共に、管内表面において液膜の著しい偏りを生ずることなく有効な濡れ面積を確保することができ、有効伝熱面積が増加されて伝熱性能の向上が達成され得る吸収器用伝熱管を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、かかる課題を解決するために、本発明は、略鉛直方向に配管されて吸収液が管内面に沿って流下せしめられる一方、管外面に複数の冷却フィンが装着されて冷却空気が接触せしめられる空冷式の吸収器用伝熱管において、5〜75°のリード角で管内面を管長手方向に向かって螺旋状に延びる凹部と凸部を、管周方向で交互に位置するように、それぞれ管周方向で1.0〜5.0mmのピッチで形成すると共に、該凸部の凹部に対する突出高さを0.2〜0.6mmとする一方、かかる凸部の表面を湾曲断面形状とし、且つ凹部の底部を実質的な不連続部を有する断面形状としたことを、特徴とするものである。
【0009】
そこにおいて、凸部の断面形状としては、半円形状や半楕円形状,放物線形状等が何れも採用され得る。また、そのような凸部を、管軸方向一方の側に傾斜して設けるようにしても良い。
【0010】
さらに、凹部および凸部のリード角よりも小さなリード角を有するコイル部材を管内に挿入し、該コイル部材を管内周面に密接させて配設することも可能である。
【0011】
【発明の具体的構成】
先ず、図1〜3には、本発明に従う構造とされた吸収器用伝熱管の一具体例が示されている。かかる伝熱管10は、全体として円形断面の直管形状を有しており、図4に示されているように、適当な長さに切断されて複数本が互いに所定距離を隔てて配管されると共に、それらの外周面にプレートフィン12が装着されて一体的に組み付けられることにより、空冷式の吸収器を構成するようになっている。そして、各伝熱管10の軸心が略鉛直方向に延びる状態で吸収器内に配設され、管内面に沿って吸収液14が流下されることにより、管内に導かれた冷媒が吸収液に吸収されるようにする一方、管外面およびプレートフィン12に冷却空気が接触せしめられて、冷媒の吸収液への溶解によって生ずる溶解熱乃至は希釈熱や潜熱による温度上昇が抑えられることにより、吸収器として機能せしめられるようになっている。
【0012】
ここにおいて、伝熱管10の材質は、従来と同様、使用する冷媒および吸収剤に対する耐蝕性や伝熱性,加工性等を考慮して選定されることとなり、例えば、水を冷媒とし、臭化リチウムを吸収剤とする場合には、銅管が好適に採用され得る。また、この伝熱管10は、図1中のA部の拡大図および横断面拡大図が図2および図3に示されているように、外周面16が平滑面とされている一方、内周面に対して、それぞれ管長手方向に螺旋状に延びる複数条の凹部18と凸部20が、管周方向で交互に位置して互いに略平行に形成されている。
【0013】
これら凹部18と凸部20は、図面上に明示されてはいないが、管周方向におけるピッチ:p(図3参照)、換言すれば管軸に直角な断面において周方向で隣接位置する凹部18と凹部18および凸部20と凸部20の間隔が、何れも1.0〜5.0mmとなるように設定される。具体的には、例えば、φ19.05mmの銅管であれば、凹部18および凸部20の数が、それぞれ、一周当たり12〜48条となるように設定されることとなる。
【0014】
けだし、かかるピッチ:pが、1.0mmより小さいと、凹部18の幅が小さくなり過ぎて、臭化リチウム水溶液等の粘性の高い溶液が凹部18内に充分に流れ込みにくくなり、凹部18に沿った管周方向への液膜の広がりが充分に期待できなくなるからであり、一方、ピッチ:pが、5.0mmより大きいと、管内面に形成される凹凸が少なくなって有効な伝熱面積の増加が実現され難くなるからである。即ち、凹部18および凸部20の管周方向におけるピッチ:pを、1.0〜5.0mmとすることにより、それら凹部18および凸部20の形成による管内面の伝熱面積の増加と、凹部18の案内作用による管周方向への液膜の広がりの促進とが、共に有利に達成されて、有効伝熱面積の拡大が効果的に図られ得るのである。
【0015】
また、これら凹部18と凸部20は、伝熱管10の全長に渡って一定のリード角で形成されていても、或いは部分的にリード角が変化させられていても良いが、かかるリード角:αが、何れの部位においても5〜75°の範囲内となるように、好ましくは5〜30°の範囲内となるように設定される。なお、リード角:αとは、図1に示されているように、凹部12または凸部14の接線と、管軸に直角な平面とがなす角度をいう。
【0016】
けだし、リード角:αが75°より大きいと、伝熱管10を吸収器に組み付けた際に、凹部1に沿う吸収液の流下速度が大きくなって、管内面における液膜の滞留時間を充分に確保することが難しくなるからであり、一方、リード角:αが5°より小さいと、伝熱管10の内周面における凹部1および凸部20の形成が困難となるからである。即ち、凹部18および凸部20のリード角:αを、5〜50°とすることにより、より好ましくは5〜30°とすることにより、製作性の著しい低下を伴うことなく、管内面を流下せしめられる液膜が凹部1に沿って管周方向に導かれて液膜の流下速度が効果的に抑えられると共に、流下距離が実質的に増大されて、吸収液の滞留時間を有利に確保することができるのである。
【0017】
さらに、凹部18には、その断面において、実質的な不連続部22が底部に形成されている。この不連続部22は、凹部18の横断面において、共通接線を持たない交点で連接された屈曲点状の連接部として形成され、或いは、曲率半径が3.5mm以下である湾曲面や、幅が2.5mm以下である平坦面の如く、実質的に屈曲点とみなし得る連接部として形成される。
【0018】
すなわち、このような実質的な不連続部22を凹部18の底部に形成すれば、かかる凹部18の底部において、伝熱管10の長手方向に向かって螺旋状に延びる筋状の細溝が構成されることとなり、その結果、管内面を流下せしめられる吸収液が、その表面張力等に基づく毛細管現象によって、かかる細溝に沿って凹部18内を管周方向に螺旋状に広がるのであり、その結果、吸収液の凹部18および凸部20に沿った管周方向への流れが促進されて、液膜の管周方向への広がりや滞留時間の延長が図られ、有効伝熱面積、延いては伝熱性能が有利に向上され得るのである。
【0019】
なお、かかる凹部18の底部は、その断面形状において、実質的な不連続部22を挟んだ両側内面の交角を20〜90°とすることが望ましい。それによって、毛細管現象による吸収液の管周方向への広がりの促進効果が一層有利に発揮され得るのである。
【0020】
また、凸部20は、湾曲断面形状をもって形成されている。即ち、かかる凸部20の表面は、その横断面の全体に渡って曲率半径が一定である必要はないが、連続しており、例えば、半円形状や半楕円形状,放物線形状などの断面形状が好適に採用され得る。
【0021】
すなわち、凸部20を、このような湾曲断面形状をもって形成すれば、吸収液が凸部20を乗り越えて鉛直下方に流下する際にも、その流れがスムーズで、表面張力の作用によって略均一の厚さの液膜が有利に形成されて、部分的な膜厚の偏りや渇き面(液切れ)の発生が効果的に防止され得るのであり、その結果、濡れ面積が有利に確保されると共に、液膜厚さの大きな偏りによる部分的な熱伝導の低下が回避されて、有効伝熱面積の増加による伝熱性能の向上がより有効に達成され得るのである。
【0022】
なお、凸部20の表面を、その全体に渡って、変曲点を有しない断面形状とすると共に、そのような断面形状をもって形成されて隣接位置せしめられた凸部20,20の表面を、実質的な不連続部22によって直接的に接続せしめてなる断面形状とすることも可能である。そして、凹部18および凸部20を、このような断面形状をもって形成すれば、凹部18の底部に沿った吸収液の管周方向への広がりと、凸部20の表面における略均一な液膜の形成とが、何れも、極めて有効に達成され得るのこととなる。
【0023】
さらに、凸部20は、凹部18の底面からの突出高さが0.2〜0.6mmとなるように形成される。
【0024】
けだし、凸部20の突出高さが0.2mmより低いと、臭化リチウム溶液等の比重が大きい吸収液を凹部18内に有効に保持することが難しく、結果的に、凹部18に沿った吸収液の管周方向への広がり効果が低下してしまうからであり、一方、凸部20の突出高さが0.6mmより高いと、伝熱管10の内周面における凹部1および凸部20の形成が困難となるからである。即ち、凸部20の突出高さを、0.2〜0.6mm、好ましくは0.3〜0.4mmとすることにより、良好なる製作性を確保しつつ、凹部18に沿った管周方向への液膜の広がりの促進による有効伝熱面積の拡大が効果的に図られ得るのである。
【0025】
なお、吸収液を凹部18内に有利に保持せしめて、吸収液の凹部18に沿った管周方向への広がりを促進するためには、図5に示されているように、凸部20を、管軸方向一方の側に傾斜して突出形成することも有効である。即ち、かくの如き傾斜した凸部20を形成し、かかる凸部20が鉛直上方に向かって傾斜するように伝熱管10を配管すれば、管内面に沿って流下せしめられる吸収液を凸部20が受ける形となるのであり、それ故、液膜が凹部18内に有利に保持されて、凹部18に沿った液膜の管周方向への広がりや滞留時間の延長が、一層効果的に達成され得るのである。
【0026】
また、図面上に明示はされていないが、上述の如き凹部18と凸部20が形成された伝熱管10に対して、凹部18および凸部20のリード角:αよりも小さなリード角を有する螺旋状のコイル部材を挿入し、凸部20に密接させて配設することも可能である。このようなコイル部材を配設することにより、伝熱面積の更なる増大が図られ得ると共に、吸収液がコイル部材に沿って管周方向に導かれることにより吸収液の滞留時間の更なる増大が図られ得るのである。
【0027】
なお、かかるコイル部材は、伝熱管10と同様、冷媒や吸収剤に対する耐蝕性等を考慮して材質が選定されることとなり、例えば、凹部18および凸部20が形成された伝熱管10内に挿入された後、拡管プラグ等を挿入して、コイル部材を伝熱管10の内周面に圧接固定すること等によって、伝熱管10に組み付けられる。
【0028】
ところで、このような伝熱管10は、内外周面が平滑な素管に対して、目的とする凹部18および凸部20に対応した螺旋状の凹凸が外周面に付されたプラグを用い、引抜加工を施すこと等によっても製造することが可能であるが、特に、転造加工によって有利に製造され得る。
【0029】
具体的には、例えば、図6〜8に示されているように、内外周面が平滑な素管24の内部に、目的とする凹部18および凸部20に対応した螺旋状の凹凸が外周面に付されたプラグ26を挿入配置すると共に、素管24の外部に3つのロール26を配設せしめて、それらロール26によって素管24の外周面に圧力を加え、素管24を回転させながら軸方向に移動させて管内周面に凹凸加工を施すことにより、目的とする伝熱管10が製造されることとなる。
【0030】
なお、ロール26としては、外周面が平滑な異径のディスク28の複数枚を軸方向に重ね合わせてロッド30に装着したものが好適に用いられ、一般的な転造加工と同様、ロッド30の軸が管軸に対して所定角度:βだけ傾斜した状態で配設される。このようなロール26を採用すれば、各種サイズの伝熱管の転造加工に、容易に対応することができるのである。
【0031】
すなわち、上述の如き構造の伝熱管10にあっては、転造加工等によって容易に製造することができるのであり、それ故、従来の切起し突起を設けた伝熱管に比べて、製造性およびコスト性が大幅に向上されるといった利点も有しているのである。
【0032】
そして、上述の如き伝熱管10は、図4に示されているように、アルミニウム合金等で形成された多数枚のプレートフィン12の装着孔に挿通固定されることにより、それらのプレートフィンが伝熱管10の外周面に装着されると共に、複数本が並列的に配置された状態でプレートフィン12によって一体的に組み付けられることとなる。なお、かかるプレートフィン12の装着は、例えば、伝熱管10に多数枚のプレートフィン12を挿通せしめた後、伝熱管10内に拡管プラグを挿入して拡径し、プレートフィン12の装着孔に嵌着せしめることによって行われることとなる。
【0033】
以上、本発明の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明したが、本発明は、図示された具体例や上述の具体的構成例、或いは以下の実施例の記載によって限定的に解釈されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべきである。
【0034】
【実施例】
JIS H3300の銅管(外径:φ19.05mm,肉厚:0.7mm)を素管として用い、図6〜8に示されている如き転造加工を施して、管内面に凹部および凸部を形成することにより、図1〜3に示されている如き構造の伝熱管を得た。なお、かかる伝熱管における凹部および凸部の数はそれぞれ一周当たり24条で、ピッチ:pを略2.5mmとし、リード角:αを15°,凹部の底面に対する凸部の高さを略0.3mmとした。また、凸部を、曲率半径が2.2mmの略半円形の断面形状とすると共に、凹部の底部に曲率半径が0.1mmである実質的な不連続部を形成し、かかる不連続部によって、隣接する両側凸部が直接に接続されてなる断面形状を採用した。なお、凸部は管軸方向に傾斜させず、管内へのコイル部材の配設も行わなかった。
【0035】
また、かくの如き本実施例の伝熱管と比較するために、同一の素管の内周面を切起し加工することにより、図9に示されているように、螺旋条に連続して延びる切起し突起32を管内周面に設けた比較例としての伝熱管34を得た。なお、かかる伝熱管34における切起し突起32の数(ピッチ)やリード角、突出高さは、何れも、上記本実施例の伝熱管における凸部と同一に設定した。
【0036】
そして、これら本実施例および比較例の伝熱管を各1本用い、それぞれ、管外周面にアルミニウムフィンを装着せしめて鉛直方向に配管し、濃度:64重量%,飽和圧力:8.9mmHgの臭化リチウム水溶液を、管内周面に沿わせて60cc/分の流量で流下させる一方、35℃(入口温度)の冷却空気をアルミニウムフィンに連続的に接触させて冷却せしめつつ、伝熱管内に水蒸気を導いて水蒸気の吸収能力を測定した。かかる測定結果を、冷房能力が2.2kW時の発生蒸気を完全に吸収した場合の吸収能力に対する比率で表した結果が、下記「表1」に示されている。
【0037】
Figure 0003617538
【0038】
かかる比較実験結果からも、本発明に従う構造とされた伝熱管が、優れた伝熱性能を有しており、空冷式吸収器に用いた場合に優れた水蒸気の吸収能力を発揮し得ることが明らかである。
【0039】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた吸収器用伝熱管においては、凹部の底部が管長手方向に螺旋状に延びる筋状の細溝形状をもって形成されていることから、鉛直方向に配管された際、管内面を流下せしめられる液膜が凹部に沿って導かれることにより、管周方向に広げられて流下距離が長くされると共に、流下速度が抑えられて滞留時間が有利に確保されるのであり、しかも、凸部の表面にも略均一な膜厚さで広げられることから、液膜が広い面積で形成されて有効伝熱面積が効果的に確保されるのであり、それによって、優れた伝熱性能が発揮され得るのである。
【0040】
また、凸部を管軸方向一方の側に傾斜させれば、配管時に、管内面に沿って流下せしめられる吸収液を、かかる凸部によって受ける形とすることができるのであり、それによって、液膜が凹部内に有利に保持されて、液膜の管周方向への広がりや滞留時間の延長が、より効果的に図られ得る。
【0041】
更にまた、伝熱管の内部にコイル部材を密接配置すれば、伝熱面積の更なる増大が図られると共に、吸収液の滞留時間の更なる延長が図られ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造とされた伝熱管の具体例を示す一部切欠正面図である。
【図2】図1におけるA部を拡大して示す断面説明図である。
【図3】図1に示された伝熱管の横断面を拡大して示す説明図である。
【図4】図1に示された伝熱管に対するプレートフィンの組付状態を示す説明図である。
【図5】本発明に従う構造とされた伝熱管の別の具体例を示す、図2に対応する断面説明図である。
【図6】図1に示された伝熱管の製造装置の一例を説明するための縦断面説明図である。
【図7】図6に示された伝熱管の製造装置の正面説明図であって、図6における VII−VII 断面に相当する図である。
【図8】図6に示された伝熱管の製造装置におけるロールの配設状態を示す説明図である。
【図9】伝熱性能の実験において比較例として用いた伝熱管を示す、図2に対応する断面説明図である。
【符号の説明】
10 伝熱管
12 プレートフィン
14 吸収液
16 外周面
18 凹部
20 凸部
22 不連続部

Claims (4)

  1. 略鉛直方向に配管されて吸収液が管内面に沿って流下せしめられる一方、管外面に複数の冷却フィンが装着されて冷却空気が接触せしめられる空冷式の吸収器用伝熱管であって、
    5〜75°のリード角で管内面を管長手方向に向かって螺旋状に延びる凹部と凸部を、管周方向で交互に位置するように、それぞれ管周方向で1.0〜5.0mmのピッチで形成すると共に、該凸部の該凹部に対する突出高さを0.2〜0.6mmとする一方、かかる凸部の表面を湾曲断面形状とし、且つ前記凹部の底部を実質的な不連続部を有する断面形状としたことを特徴とする吸収器用伝熱管。
  2. 前記凸部が、管軸方向一方の側に傾斜して設けられている請求項1に記載の吸収器用伝熱管。
  3. 前記凹部および凸部のリード角よりも小さなリード角を有するコイル部材が、管内に挿入されて管内周面に密接されている請求項1又は2に記載の吸収器用伝熱管。
  4. 前記凹部の底部は、その断面形状において、前記実質的な不連続部を挟んだ両側内面の交角が20〜90°となるように、構成されている請求項1乃至3の何れかに記載の吸収器用伝熱管。
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