JP3617370B2 - ミーティングシステム、制御装置および情報記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミーティングシステム、制御装置およびミーティング用の情報記憶媒体に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】
ミーティングシステムにおいては、種々の機器が相互に接続されてミーティングが行われる。
【0003】
例えば、1台のプロジェクタに対して、複数台の異なるメーカーやOS(オペレーティングシステム)のPC(パーソナルコンピュータ)等が接続される場合がある。
【0004】
接続するPCの機種やOSを意識しないで接続することのように、機器間をなるべく自由に接続できること、すなわち、相互接続性の向上が望まれている。
【0005】
また、従来のミーティングシステムにおいては、プレゼンテーションを行う場合、ある一つの会場でプレゼンターが聴衆に対して、パソコンとプロジェクタを用いてプレゼンテーションを行っていた。
【0006】
しかし、実際には、このような一方向のプレゼンテーションだけでなく、複数人がプレゼンテーション画面に書き込みを行ったり、画面に書き込みを行った場合に再度プレーバックしたり、プレゼンテーションを行う者とプレゼンテーションを受ける者との双方向のコミュニケーションが必要とされる場合がある。
【0007】
このようなプレーバックの手法としては、ビデオで撮影して再生するという手法も考えられるが、会議中の1コマや、プレゼンテーション中の第何章といった一部分を再生するためには巻き戻しや早送りをしなければならず、迅速性に欠ける。
【0008】
また、プレゼンテーションデータだけ、すなわち、あらかじめアプリケーションソフトで作成したデータであれば、上記一部分の再生も比較的容易であるが、実際にプレゼンテーションを行った状況、例えば指示棒の動きなどを再生することは不可能である。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、機器間の相互接続性を向上させることのできるミーティングシステム、制御装置および情報記憶媒体を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、過去のミーティング状況を、再生指示に応じて
即座に再生することのできるミーティングシステム、制御装置および情報記憶媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るミーティングシステムは、伝送路を介してデータ配信装置から仮想機械で変換可能な配信データが配信され、この配信データを反映したミーティングデータを生成するミーティングデータ生成装置を含むミーティングシステムにおいて、
前記ミーティングデータ生成装置は、
前記配信データを受信するための通信用インタフェース部と、
前記ミーティングデータを生成するための生成手段と、
受信した配信データを、前記生成手段が前記ミーティングデータを生成可能なデータ形式に変換する仮想機械を実装した変換手段と、
を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、配信データの形式を共通化して当該配信データを自装置で解釈可能な形式に変換する仮想機械を用いることにより、各処理装置間でのデータのやりとりが容易となる。これにより、ミーティングで使用される種々の処理装置を柔軟に入れ替えることのできるミーティングシステムを実現できる。
【0013】
ここで、仮想機械とは、共通のファイルフォーマットを読み、そこで指定されている操作を行うことのできる手段を意味し、具体的には、例えばJAVA仮想機械等を適用できる。なお、JAVAは米国SunMicrosystems社の商標である。
【0014】
また、前記データ配信装置は、サーバ装置であり、前記配信データは、前記ミーティングデータ生成用のプログラムの一部を構成する部品オブジェクトを含み、
前記生成手段は、受信した前記部品オブジェクトに基づき、前記ミーティングデータを生成するためのプログラムを生成し、このプログラムを用いて前記ミーティングデータを生成することが好ましい。
【0015】
これによれば、ミーティングデータ生成装置は、部品オブジェクトを受信することによりプログラムの機能拡張を容易に行うことができる。例えば、現状ではミーティングデータ生成装置に画面の一部に線が引ける機能がある場合に、画面の一部を○で囲む機能を有する部品オブジェクトを受信し、ミーティングデータ生成用プログラムに組み込んで画面の一部を○で囲む機能を追加することができる。
【0016】
部品オブジェクトとしては、例えばJAVAアプレット等を適用できる。
【0017】
また、前記配信データは、前記ミーティングデータを表示するための画像データおよび前記ミーティングデータの表示を制御するための制御用データの少なくとも一方を含み、
前記ミーティングデータ生成装置は、
前記画像データに基づき前記ミーティングデータを表示するための手段と、
前記制御用データに基づき前記ミーティングデータの表示を制御するための手段と、
を含むことが好ましい。
【0018】
これによれば、各処理装置間で種々のデータをやりとりできるミーティングシステムを実現できる。例えば、制御用データを用いて、表示される文字の一部に下線を引く等の処理が可能となる。
【0019】
また、前記ミーティングデータ生成装置は、
所定のプレゼンテーション用データが記憶された記憶手段に、前記変換手段により変換された配信データを、前記データ配信装置ごとに管理しながら記憶し、前記データ配信装置ごとの再生指示に基づき、前記記憶手段から前記配信データおよび前記プレゼンテーション用データの少なくとも一部を含むミーティングデータを読み出すためのデータ制御手段と、
読み出したミーティングデータを再生するための再生手段と、
を含むことが好ましい。
【0020】
これによれば、ミーティング参加者等は、過去のミーティングデータを指示により即座にプレーバックすることができる。
【0021】
ここで、前記再生指示としては、具体的には、例えば、ミーティング参加者またはプレゼンターによる所定の再生指示手段を用いた再生指示等が該当する。
【0022】
また、前記再生手段は、前記再生指示に基づき、前記記憶手段に記憶された前記ミーティングデータを前記データ配信装置ごとに再生することが好ましい。
【0023】
これによれば、ミーティング参加者は、過去のミーティングデータをデータ配信装置ごとに再生する指示を行うことにより、データ配信装置ごとにプレーバックすることができる。
【0024】
具体的には、例えば、複数のミーティング参加者が個別の入力装置を用いて入力データを配信している場合、各入力装置ごと、すなわち、ミーティング参加者ごとにプレーバックすることができる。
【0025】
また、ミーティング状況を撮像するための撮像手段を含み、
前記データ制御手段は、撮像結果である撮像データを前記ミーティングデータの一部として前記記憶手段に所定の単位ごとに記憶し、
前記再生手段は、前記再生指示に基づき、前記記憶手段に記憶された前記ミーティングデータを前記所定の単位ごとに再生することが好ましい。
【0026】
ここで、ミーティング状況としては、例えば、説明者(プレゼンター)またはミーティング参加者が、スクリーンの前やタブレット上において指示棒やレーザーポインタや手指で指示した画像およびこれらの指示が反映された画像等が該当する。
【0027】
すなわち、撮像対象には再生されるプレゼンテーションデータだけでなくミーティング参加者の指示を反映した画像等も含まれるため、撮像結果によって指示位置や指示内容を即座に再生することができ、ミーティングでの説明者とミーティング参加者とのやりとりといったミーティング状況を適切に把握することができる。
【0028】
同様に、ミーティング状況を録音するための録音手段を含み、前記データ制御手段は、録音データを前記ミーティングデータの一部として前記記憶手段に所定の単位ごとに記憶することが好ましい。
【0029】
ここで、ミーティング状況としては、例えば、説明者またはミーティング参加者の発話または会話等が該当する。これによれば、音声も合わせて再生できるため、ミーティング状況をさらに適切に把握することができる。
【0030】
なお、ここで、前記所定の単位としては、例えば、章単位、節単位、ページ単位等を適用できる。すなわち、例えば、ミーティング参加者が第3章の第2節の部分の再生指示を行えば当該部分を即座にプレーバックすることができる。
【0031】
また、前記ミーティングデータ生成装置は、
所定のプレゼンテーション用データが記憶された記憶手段に、前記変換手段により変換された配信データを、前記データ配信装置ごとに管理しながら記憶し、前記データ配信装置ごとの再生指示に基づき、前記記憶手段から前記配信データおよび前記プレゼンテーション用データの少なくとも一部を含むミーティングデータを読み出すためのデータ制御手段を含み、
前記通信用インタフェース部は、読み出したミーティングデータを前記データ配信装置へ向け送信することが好ましい。
【0032】
これによれば、データ配信装置からのミーティングデータ配信要求に応答できる。すなわち、例えば、ミーティングデータ配信要求を行うデータ配信装置が処理能力の低い装置である場合に、ミーティングデータの生成を処理能力の高いミーティングデータ生成装置に依頼して分散処理すること等が可能になる。
【0033】
また、本発明に係るミーティングシステムは、伝送路を介して接続された複数の処理装置間で、仮想機械で解釈可能な共通形式の配信データを送受信してミーティングデータを生成するミーティングシステムにおいて、
前記複数の処理装置のうち少なくとも1台は、他の処理装置に対して所定のサービスを要求するための要求装置であり、
前記複数の処理装置のうち少なくとも1台は、前記要求装置に対して所定のサービスを提供するための提供装置であり、
前記要求装置は、
前記所定のサービスの要求を示す配信データを生成し、前記共通形式の配信データに変換するための配信データ生成手段と、
変換した配信データを他の処理装置へ向け送信するための送信手段と、
を含み、
前記提供装置は、
前記仮想機械を有し、他の処理装置からサービス要求を示す配信データを受信し、前記仮想機械を用いて変換するための変換手段と、
変換した配信データに基づき、当該サービスを提供可能かどうか判別する判別手段と、
当該サービスが提供可能な場合は当該サービスを提供するサービス提供手段と、
を含むことを特徴とする。
【0034】
本発明によれば、各処理装置がお互いに提供サービスを確認することができるため、ミーティングを実現するための装置として種々の処理装置を柔軟に入れ替えて多様なミーティングを行えるミーティングシステムを実現できる。すなわち、例えば、プロジェクタが印刷サービスの提供を要求する配信データを配信した場合、当該サービスを提供するプリンタが印刷を行う等の機能を実現できる。
【0035】
また、本発明に係る他のミーティングシステムは、所定の伝送路を含むネットワークを介して接続された複数の処理装置間で、仮想機械で解釈可能な共通形式の配信データを送受信してミーティングデータを生成するミーティングシステムにおいて、
前記処理装置を制御する制御装置を有し、
前記処理装置は、前記仮想機械を実装し、ミーティングデータを生成するミーティングデータ生成装置を含み、
前記制御装置は、
前記処理装置の前記ネットワークとの接続状態を管理するための管理手段と、前記処理装置間での前記配信データの伝送を制御するための伝送制御手段と、
を含むことを特徴とする。
【0036】
本発明によれば、制御装置でサービスの要求応答を一元管理することにより、サービスをより迅速に提供することができる。これにより、ミーティングで使用される種々の処理装置を柔軟に入れ替えて多様なミーティングを行う場合でも、要求応答の速いミーティングシステムを実現でき、ミーティング参加者にとっての使い勝手が向上する。
【0037】
また、前記ミーティングデータ生成装置は、プロジェクタを含むことが好ましい。
【0038】
これによれば、プロジェクタを用いることにより、大規模なミーティングにも対応したミーティングシステムを実現できる。
【0039】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、伝送路を介してデータ配信装置から仮想機械で解釈可能な配信データが配信され、この配信データを反映したミーティングデータを生成するためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体において、
前記仮想機械を実装したコンピュータを、
前記配信データを受信する手段と、
当該配信データを、前記仮想機械を用いて解釈する手段と、
この解釈結果に基づき、前記ミーティングデータを生成する手段として機能させるためのプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0040】
本発明によれば、配信データの形式を共通化して当該配信データを自装置で解釈可能な形式に変換する仮想機械を用いることにより、各処理装置間でのデータのやりとりが容易となる。これにより、種々の処理装置を柔軟に入れ替えることのできるミーティングシステムを実現できる。
【0041】
ここで、仮想機械とは、共通のファイルフォーマットを読み、そこで指定されている操作を行うことのできる手段を意味し、具体的には、例えばJAVA仮想機械等を適用できる。
【0042】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、仮想機械を実装し、この仮想機械を用いてミーティングデータの処理を行う処理装置へ向け、伝送路を介して前記仮想機械で解釈可能な配信データを配信するための情報を記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体において、
コンピュータを、
前記仮想機械で解釈可能な配信データを生成する手段と、
生成した配信データを配信する手段として機能させるためのプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0043】
本発明によれば、配信データの形式を共通化し、他の処理装置での仮想機械で解釈可能な配信データ生成、配信することにより、当該配信データを受信した処理装置は、配信データの配信装置の機種やメーカー等を意識せずに配信データを処理することができる。したがって、各処理装置間でのデータのやりとりが容易となる。これにより、種々の処理装置を柔軟に入れ替えることのできるミーティングシステムを実現できる。
【0044】
また、前記情報記憶媒体において、前記プログラムは、
プレゼンテーション用データと、
コンピュータを、
複数の入力手段を有する前記処理装置から配信される前記入力データを含む前記解釈が行われた状態の配信データを、前記入力手段ごとに管理しながら記憶手段に記憶する手段と、
再生指示により前記記憶手段から前記入力データおよび前記プレゼンテーション用情報の少なくとも一部を含むミーティングデータを再生する手段として機能させるためのプログラムと、
を含んでもよい。
【0045】
これによれば、ミーティング参加者は、過去のミーティングデータを指示により即座にプレーバックすることができる。
【0046】
また、前記情報記憶媒体において、前記記憶手段に記憶する手段は、前記入力データを含む前記解釈が行われた状態の配信データを、前記処理装置ごとに管理しながら記憶手段に記憶し、
前記ミーティングデータを再生する手段は、前記再生指示により前記記憶手段から前記配信データおよび前記プレゼンテーション用データの少なくとも一部を含むミーティングデータを前記処理装置ごとに再生してもよい。
【0047】
これによれば、ミーティング参加者は、過去のミーティングデータを処理装置ごとに再生する指示を行うことにより、処理装置ごとにプレーバックすることができる。
【0048】
具体的には、例えば、複数のミーティング参加者が個別の入力装置を用いて入力データを配信している場合、各入力装置ごと、すなわち、ミーティング参加者ごとにプレーバックすることができる。
【0049】
また、前記情報記憶媒体は、コンピュータを、ミーティング状況を撮像する手段として機能させるためのプログラムを記憶し、
前記記憶手段に記憶する手段は、撮像結果を含む前記配信データを前記記憶手段に所定の単位ごとに記憶し、
前記ミーティングデータを再生する手段は、前記再生指示に基づき、前記記憶手段に記憶された前記撮結果を含む配信データを前記所定の単位ごとに再生してもよい。
【0050】
ここで、ミーティング状況としては、例えば、説明者(プレゼンター)またはミーティング参加者が、スクリーンの前やタブレット上において指示棒やレーザーポインタや手指で指示した画像およびこれらの指示が反映された画像等が該当する。
【0051】
すなわち、撮像対象には再生されるプレゼンテーションデータだけでなくミーティング参加者の指示を反映した画像等も含まれるため、撮像結果によって指示位置や指示内容を即座に再生することができ、ミーティングでの説明者とミーティング参加者とのやりとりといったミーティング状況を適切に把握することができる。
【0052】
なお、ここで、前記所定の単位としては、例えば、章単位、節単位、ページ単位等を適用できる。すなわち、例えば、ミーティング参加者が第3章の第2節の部分の再生指示を行えば当該部分を即座にプレーバックすることができる。
【0053】
また、前記配信データは、画像データ、画像生成用オブジェクト、画像生成制御用オブジェクト、画像表示用オブジェクト、画像表示制御用オブジェクトのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0054】
これによれば、ミーティングで用いられる種々のデータを効率よくやりとりできるミーティングシステムを実現できる。
【0055】
また、前記伝送路は、IEEE1394バスを含んで構成されていることが好ましい。
【0056】
これによれば、各処理装置間で配信データ等を高速にやりとりできる。特に、画像データ等は伝送データ量が多いが、IEEE1394バスを適用することによりリアルタイム処理も容易に行うことができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本実施の形態に係るミーティングシステムの好適な実施例について図面を参照しつつ説明する。
【0058】
本実施の形態に係るミーティングシステムとしては、例えば、複数の表示装置と入力装置を双方向への接続性を有する通信路またはシステムバスで接続したミーティングシステム等がある。より具体的には、例えば、あるミーティング参加者が、表示装置の投影または表示する画面を示しながら、同時に、別のミーティング参加者が、入力装置を用いて画面に表示される画像に情報を付加するミーティングシステム、単体としても適用可能なミーティングシステムが複数存在し、遠隔地にそれぞれ配置され、各ミーティングシステム間が通信経路で同期的に接続され、遠隔地の参加者が同じミーティングに参加する事を支援するミーティングシステム等がある。
【0059】
(ミーティングシステムの構成についての説明)
図1は、本実施の形態の一例に係るミーティングシステムの概略図である。
【0060】
図1に示すように、ミーティングシステムは、入力装置400と、出力装置600と、ミーティングデータを生成するミーティングデータ生成手段として機能するとともに、ミーティングデータを再生するミーティングデータ再生手段としても機能するミーティングデータ処理装置2と、処理装置700を含んで構成されており、これらの装置は、高速な伝送路であるIEEE1394バス300を介して接続されている。
【0061】
ミーティングデータ処理装置2は、入力装置400から配信データが配信され、この配信データに基づきミーティングデータを生成し、出力装置600へ向け生成したミーティングデータを送信するほか、処理装置700とも配信データの送受信を行う。
【0062】
具体的には、入力装置400としては、例えば、タブレット、マウス、キーボード、スキャナ、デジタルカメラ、情報携帯端末、携帯電話、指示棒等が該当する。なお、入力装置400がミーティングデータ処理装置2へ配信する情報(配信データ)としては、例えば、タブレットでデジタイズされた座標情報、タブレット上のポインティングデバイスの移動の軌跡をデジタイズした情報、マウス装置の軌跡を座標化した情報、キーボード入力された文字情報、サンプリングされた画素情報、デジタイズされた音声情報等が該当する。また、出力装置600としては、例えば、ディスプレイ、情報携帯端末、プリンタ等が該当する。
【0063】
また、ミーティングデータ処理装置2としては、例えば液晶プロジェクタ等が該当し、処理装置700としては、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)や、WS(ワークステーション)、NC(ネットワークコンピュータ)、サーバ装置、ホスト装置等が該当する。
【0064】
すなわち、これらの装置は複数のミーティング参加者により1つのミーティングの場において用いられ、これらの装置が相互に関連してミーティングデータの生成および再生が行われ、1つのミーティングシステムが構成される。
【0065】
なお、PC等のコンピュータとしての処理装置700はミーティングシステムの必須の構成ではない。処理装置700の構成要素としては、プロセッサ、ROM、RAM、二次記憶装置などであるが、いずれもミーティングデータ生成装置の構成要素の一部とみなしてもよい。装置全体の可搬性、再利用性等を考慮の上で、別筐体に格納した結果として、処理装置700が分離した形で記述している。
【0066】
ミーティングシステムは、1つの机を囲んでミーティングが行われるような小規模なミーティングだけでなく、複数国間での会議のような遠隔地の複数の装置を相互接続したミーティングにおいても適用される。
【0067】
まず、1台の液晶プロジェクタを中心とした小規模なミーティングでの実施形態について説明し、次に複数の装置が関連する遠隔地間のミーティングでの実施形態について説明していく。
【0068】
(ミーティング状況の説明)
図2は、本実施の形態の一例に係るミーティング状況の説明図である。
【0069】
ここでは、ミーティングデータ処理装置2としての液晶プロジェクタ200により図1に示すミーティングデータ44がスクリーン1020に投射され、プレゼンター1000が指示棒1010を用いてプレゼンテーションを行っている。
【0070】
一方、ミーティング参加者1002は、入力装置400としてのタブレット410を用いて、データを入力している。入力されたデータは、IEEE1394バス300を介して液晶プロジェクタ200の通信用インタフェース部30に配信され、液晶プロジェクタ200は配信されたデータに基づき、ミーティングデータ44の一部を構成するポイントデータ1012を投射する。
【0071】
ここで、ポイントデータ1012とは、例えば、投射されている画像の一部に文字を書き入れる文字データ、投射されている画像の一部に図形を書き入れる図形データ、投射されている画像中の文字に下線を引く下線データ、投射されている画像の一部を○で囲む○データ等が該当する。
【0072】
ミーティング参加者1002は、プレゼンテーションデータに加えて、タブレット410によるポイントデータ1012を見ることになる。
【0073】
実際のミーティングの場では、ミーティング中においても、プレゼンテーションデータのうち第何章の第何節かを特定し、プレゼンター1000の動きも含めてもう一度見たい場合や、ミーティング参加者1002が指摘した箇所を確認したい場合等がある。
【0074】
このような場合、PCのアプリケーションプログラムで作成したプレゼンテーションデータであれば、プレゼンテーションデータだけであれば第何章の第何節といったことを指定して再生することは可能である。しかし、この方法はミーティング参加者1002がタブレット410を用いて付加した情報や、付加した時刻を再生することはできない。
【0075】
また、ミーティング全体をビデオ等で撮影して再生することは可能であるが、第何章の第何節といったことを指定して再生するには早送りや巻き戻しをしなければならないため時間がかかる上、複数のミーティング参加者がいる場合に特定のミーティング参加者1002が指摘した箇所だけを再生することは不可能である。
【0076】
これらのことが実現できれば、多様で効率的なミーティングを行うことができる。
【0077】
これらのことを実現するため、本実施の形態に係る液晶プロジェクタ200は、図1に示すように、PCとしての処理装置700を用いて生成されたプレゼンテーションデータに、説明者等の指示する画像等を撮像する撮像部60、ミーティングでの会話等を録音してデジタイズする録音部70、入力装置400等を用いて情報を付加し、当該情報を個々の装置に割り当てたアドレスに結びつけて管理テーブル42を用いて管理しながらミーティングデータ44として記憶部40に記憶している。
【0078】
次に、本実施の形態に係るミーティングシステムについてより具体的に説明する。
【0079】
図3は、本実施の形態の一例に係るミーティングシステムの構成図である。
【0080】
図3に示すように、4人のミーティング参加者1002がそれぞれタブレット410−1〜4を操作してデータ入力を行う場合、各タブレット410ごとに入力データを記憶部40に記憶する。
【0081】
同様に説明者であるプレゼンター1000の発言は、録音部70によって録音され、ミーティング参加者1002の会話や発言は、各ミーティング参加者1002ごとに設けられた録音手段である音声デジタイズ装置72によってサンプリングされ、音声メモとして、プレゼンター1000およびミーティング参加者1002ごとに記憶部40に記憶される。
【0082】
なお、録音部70、音声デジタイズ装置72−1〜4、タブレット410−1〜4には、重複のない機器アドレスが割り当てられている。
【0083】
また、音声情報の一部は、予め登録された所定のキーワードに関しては音声認識される。音声認識結果は、ミーティングデータへの付加情報として文字コード変換して記録されたり、装置制御命令として解釈される。後者の場合、あらかじめ登録した「早送り」、「巻き戻し」等の用語は、液晶プロジェクタ200の動作制御を行う制御命令に翻訳され、図1に示す制御部90に入力される。
【0084】
また、図1に示す生成部10により生成されて記憶部40に記憶されたミーティングデータ44は、図1に示す再生部20により各プレゼンター1000や、各ミーティング参加者1002ごとに再生される。
【0085】
次に、ミーティングデータ44について詳細に説明する。
【0086】
(ミーティングデータの説明)
図4は、本実施の形態に係るミーティングデータ44および管理テーブル42のデータ構造の一例を示す概略図である。
【0087】
ミーティングデータ44は、[ミーティングデータ開始]タグから[ミーティングデータ終了]タグまでに、データフィールドを複数個含む電子ファイルである。
【0088】
また、ミーティングデータ44は、あらかじめ準備された固定的なプレゼンテーションデータ1420と、ミーティング状況に応じて変化する可変的な付加データ1440とを含む。プレゼンテーションデータ1420は、通常は、PCのOSのファイルシステムで管理され、二次記憶装置としての記憶部40に保持される。
【0089】
一方、付加データ1440は、液晶プロジェクタ200の組み込みOSの機能により動作する制御部90により管理され、記憶部40に記憶される。
【0090】
さらに、ミーティングデータ44は、ミーティングの所定の単位毎に、ラベルによる識別がなされる。
【0091】
ここで、所定の単位としては、例えば、章単位、節単位、表示されるシートのページ単位等が該当する。例えば、章単位、節単位という単位を適用した場合、第何章の第何節という指示が可能となり、プレゼンテーションにおいては特に効果的な指示が可能となる。
【0092】
図4に示すように、本実施の形態に係るプレゼンテーションデータ1420は、第1章、第1節、1ページのように、各単位でラベル付けがされている。また、プレゼンテーションデータ1420の[画像]タグ等には、付加データの画像データのアドレスを示すポインタが設けてあることにより、結果として、ミーティングデータ42全体が第何章、第何節、何ページという指定によりデータを読み出すことが可能になっている。なお、図中、符号の矢印を除き、矢印はポインタの所在とその指し示す箇所の一例を示す。
【0093】
また、例えば、ページ単位という単位を適用した場合、印刷配布される資料の単位と1対1に対応する。PCを用いたプレゼンテーションでは、1枚のシートの部分に、動画像や音声メモを付加することが可能であるが、これはあくまで一つのページを形成するフレームがあり、それを形成するデータの一部に、動作を含む部分が包含されると解釈できる。
【0094】
PC印刷の分野で公知の技術の一つに、ドキュメントの体裁および印刷情報を記述できる言語(ページ記述言語)があり、広く普及したものの一つにAdobe社のPostScript言語がある。ミーティングデータ44の記述は、このPostScript言語の記述を想定すると理解しやすい。すなわち、ページ単位に、画像情報、文字情報等を、プログラム言語で記述する手法を適用できる。
【0095】
当該プログラム言語の中に、ピクセルの集合による画素を内包する記述が可能である。ミーティングデータ44の記述言語の場合は、この概念を一歩進めて、プログラム記述によって、サンプリングされた音声を再生する部分、アニメーションを再生する部分を内包する。汎用のプログラム言語でありインタープリタを用いて処理されるものの公知例としてBASIC言語があるが、ページ単位での画像の記述等の概念を含んでいない点では、PostScript言語と仕様を異にするが、音声データの再生、アニメーションの再生などの用途には好適である。
【0096】
本実施形態では、双方の特徴を少しずつ備えるインタープリタ言語としてJAVA言語を実施例に挙げているに過ぎない。JAVA言語の場合、例えば、AWT(Abstracted Window Tools)やSwing等の処理系に依存しない様に抽象化された描画のためのクラス定義がある。なお、JAVAは、米国SunMicrosystems社の商標である。
【0097】
アプリケーションソフトウェアは、クラスの機能を利用して所望の処理を行うための機能を実現する。
【0098】
例えば、描画クラスの内の直線発生機能を利用したい場合、直線発生機能の実行を要求する命令語が、前記クラスへのメッセージ発生を受け持つ。この命令語を含むプログラム片を実行することで、例えば図1に示す変換部50内の仮想機械500としてJAVA仮想機械が実装されていれば、任意の処理系の上で、直線画素を描画することが可能となる。同様に、単位時間当たりに複数回の描画を行う画像生成のプログラムを与えれば、アニメーションの再現が可能となる。
【0099】
また、音声データも、同様に、音声のサンプリングデータの処理をJAVA言語で記述している。
【0100】
これら、プログラムは、人間が読解可能ないわゆる高級言語と呼ぶ文字コード記述されたソースコードのレベルで開発、記憶される。なお、ミーティングデータ44の記述は、JAVA言語に限られるものではない。例えば、本出願人による特開平6−4498のPASCAL言語に基づく言語等の各種の高級言語を適用できる。
【0101】
また、特開平6−4498の図1が開示するように、このような高級言語記述されたプログラムは、コンパイラによって、中間言語インタープリタが解釈し実行可能な中間言語オブジェクトに変換される。本実施の形態では、このような手順で発生された中間言語オブジェクトをミーティングデータ44として用いる。
【0102】
図4では、[ページ開始]タグから[ページ終了]タグまでが1つのシートに関連付けられた単位である。この1つの処理単位には[画像]タグ、[音声]タグが格納される。[画像]タグは、一連の可変長フィールドのラベルとなっている。可変長フィールドには、上述のように、高級言語記述からコンパイルされた結果生成された中間言語記述によって、描画命令が格納される。また、ピクセルの集合として表現される静止画像データも、画素転送の描画命令に結び付られて可変長フィールドに格納される。
【0103】
[音声]タグについても同様に、可変長フィールドにデータが格納される。
【0104】
なお、図4のプレゼンテーションデータ1420および付加データ1440は、一般のコンピュータ上の電子ファイルと同様に書き換え可能である。
【0105】
付加データ1440の書き換え部分は、[付加データ開始]タグから[付加データ終了]タグに囲まれた可変長のデータ部に記憶される。この可変長のデータ部には、タブレット等によって付加される画像データや、マイク等によって付加される音声データが格納される。
【0106】
画像データは、[画像データ開始]タグから[画像データ終了]タグまでの間に記憶され、音声データは、[音声データ開始]タグから[音声データ終了]タグまでの間に記憶される。
【0107】
なお、本実施例では、原始プレゼンテーションデータ(プレゼンテーションデータ1420)に、ミーティング時に付加される各種の付加データ1440を付加したデータをミーティングデータ44と呼び、原始プレゼンテーションデータと区別している。どちらもコンピュータで処理可能な電子ファイルである。
【0108】
具体的には、音声デジタイズ装置72に入力された音声データは、音声デジタイズ装置72に内蔵されたマイクアンプ部にて認識可能なレベルに増幅された後、音声デジタイズ装置72に内蔵されたサンプリング処理部によってデジタル信号にサンプリングされる。このデータはアプリケーションソフトウェアに基づき制御部90によってミーティングデータ44の一部である付加データ1440として記憶部40に記憶される。
【0109】
記憶部40には、プレゼンテーションデータ1420および配信された付加データ1440を含むミーティングデータ44のほか、制御部90により用いられるデータ管理のための管理テーブル42等が記憶されている。
【0110】
管理テーブル42は、入力装置400等の装置を識別して管理するためのテーブルであり、装置を識別するためのID、装置名、当該装置の使用者を識別するためのデータを含む。
【0111】
例えば、プレゼンター1000が指示棒1010を用いて操作した結果は、付加データ1440の一部として記憶部40に記憶される。この画像データは、装置IDと結びつけられて記憶されるため、例えば、プレゼンター1000の動作を再現する場合は、管理テーブル42から辿って付加データ1440に記憶された当該画像データを再現することができる。
【0112】
また、付加データ1440として画像データに時刻データを付加することにより、時刻を指定してミーティングデータ42を再現することも可能となる。
【0113】
このように、本実施の形態によれば、第何章といった指定により即座にミーティング状況を再現できるとともに、プレゼンター1000やミーティング参加者1002といった個別の指定や、時刻の指定等によって選択的にミーティング状況を再現することができる。
【0114】
次に、入力装置400の役割について説明する。入力装置400の1つであるタブレット410は、デジタイズユニット、座標検出処理部、I/Oコントローラ、IEEE1394バスクラスドライバを含んで構成されている。
【0115】
タブレット410のI/Oコントローラは、SBP−2プロトコルのtarget側node capabilityを実装している。一方、液晶プロジェクタ200のI/Oコントローラは、SBP−2プロトコルのinitiator側node capabilityを実装したSBP−2ドライバを制御する。
【0116】
SBP−2ドライバによって、液晶プロジェクタ200のローカルメモリである記憶部40は、共有メモリとしてIEEE1394バス300に公開される。
【0117】
タブレット410側のIEEE1394バスクラスドライバによって、液晶プロジェクタ側のIEEE1394バスクラスドライバと、IEEE1394−1995で規定されているバスレベルのトランザクションが行われる。このトランザクションを通じ、タブレット410は、IEEEバスクラスドライバを通じてSBP−2ドライバにログインし、前記共有メモリ空間へのアクセス許可を得る。
【0118】
ログインが許容された場合、タブレット410がIEEE1394バスクラスドライバを通じてログアウト処理を行うまで、液晶プロジェクタ側の共有メモリ空間である記憶部40は、タブレット410からアクセスが可能となる。
【0119】
タブレット410に対して、ミーティング参加者1002が行ったポインティング動作は、デジタイズユニットで位置検出された上、座標検出処理部で相対位置換算が行われ、ポインティング座標と、一連の軌跡データとして変換される。上述したSBP−2プロトコルの動作によって、このポインティング座標データおよび軌跡データは、液晶プロジェクタ200が提供する共有メモリ空間に記憶される。
【0120】
共有メモリ空間は、液晶プロジェクタ200から見た場合、ローカルメモリ空間である。このため、液晶プロジェクタ200は、組み込みOSのカーネルによって、必要に応じて仮想機械500のプロセスまたはスレッドの管理するメモリ空間に、この共有空間を割り付けたり、コピーすることができる。別の観点でみれば、液晶プロジェクタ200の仮想機械500のプロセスまたはスレッドからは、タブレット410の上の使用者のポインティング動作の軌跡が、随時監視(モニター)できることになる。
【0121】
次に、実際のミーティングシステムでのミーティングデータ生成処理について説明する。
【0122】
(ミーティングシステムでの処理手順についての説明)
図5は、本実施の形態の一例に係るミーティングシステムでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0123】
ミーティングが開始されると、ミーティングデータ生成処理が開始され、ミーティングが終了するまでミーティングデータ生成処理は行われる。
【0124】
まず、ミーティングが開始され、ミーティングが終了する前であれば(ステップ2)、制御部90により記憶部40にミーティングデータ44が記憶されていく(ステップ4)。
【0125】
PC等により生成されたプレゼンテーションデータが記憶部40に記憶されている場合(ステップ6)、再生部20によって制御部90により記憶部40から読み出されたプレゼンテーションデータ1420が再生される(ステップ8)。
【0126】
すなわち、液晶プロジェクタ200によりプレゼンテーションデータが投射され、音声がある場合は音声も再生される。
【0127】
プレゼンテーションデータがない場合(ステップ6)は外部的には何もせずに内部処理を続行する。
【0128】
また、外部入力データがある場合(ステップ10)、制御部90は、入力元ごとに入力データを管理しながら記憶部40に記憶する(ステップ12)。
【0129】
具体的には、例えば、タブレット410から配信される描画指示情報等を含む配信データが配信された場合、配信データのほか、当該タブレット410の識別情報等も併せて記憶することにより入力元ごとに管理テーブル42を用いて管理しながら記憶する。
【0130】
なお、配信データ等の一部は付加データ1440として記憶される。また、付加データ1440としては、タブレット410から入力されるデータだけでなく、図2に示す撮像部60による撮像範囲1060に含まれる撮像データも含まれる。すなわち、プレゼンター1000が指示棒1010や手指を用いて指示した画像の位置データ等も付加データ1440として記憶される。
【0131】
このようにしてミーティングデータ44が生成される。
【0132】
外部入力データがない場合(ステップ10)は、外部的には何もせずに内部処理を続行する。
【0133】
また、ミーティング参加者1002からリモコン等の再生指示手段が操作されて再生指示が出された場合(ステップ14)、制御部90は、再生指示の指定によって所定単位ごとにミーティングデータ44を読み出す(ステップ16〜20)。
【0134】
例えば、再生指示が入力元ごとという指定であれば(ステップ16)、入力元ごとにミーティングデータ44を再生する(ステップ18)。
【0135】
また、再生指示が入力元ごとでないという指定であれば(ステップ16)、指定された部分のミーティングデータを再生する(ステップ20)。具体的には、例えば、制御部90は、プレゼンテーションデータ1420に対応した第何章第何節が指定されたか判別し、当該部分に対応したミーティングデータ44を記憶部40から読み出す。これにより、再生部20は当該部分を再生すれば、指定された部分のデータ再生が可能となる。
【0136】
もちろん、入力元ごとか指定部分という2者択一の選択だけでなく、2つを合わせて両方同時に選択できるように構成することも可能である。
【0137】
以上のようにしてミーティングデータの生成処理および再生処理は行われる。以上は入力装置400としてタブレット410を用いた場合であるが、次に入力装置400としてPC420を用いた場合について説明する。
【0138】
(入力装置としてPCを用いる場合のミーティングシステムの例)
図6は、本実施の形態の他の一例に係るミーティングシステムの機能ブロック図である。
【0139】
液晶プロジェクタ202と、外部記憶装置240とがIEEE1394バス300を介して接続され、液晶プロジェクタ202とPC420とが光ファイバー網310を介して接続されている。
【0140】
このようなミーティングシステムは、遠隔地間を結んで会議が行われる場合等に用いられる。ここでは、アメリカにあるPC420から日本にある液晶プロジェクタ202に描画命令が出される場合を想定する。
【0141】
すなわち、日本の会場で液晶プロジェクタ200を用いたプレゼンテーションが行われており、アメリカにいるミーティング参加者1002は、PC420を用いてプレゼンテーション画面を表示しながら日本の液晶プロジェクタ200で生成されるプレゼンテーション画像に書き込みを行う例について説明する。
【0142】
ここで、PC420は、プレゼンテーション画面の表示されるWebブラウザ、OS(オペレーティングシステム)、TCP/IP(Transmisssion Control Protocol/Internet Protocol)、PPP(Point to Point Protocol)等のソフトウェアを有する制御部422と、ATMスイッチを有する送受信部424とを含んで構成されている。
【0143】
また、液晶プロジェクタ202は、CGI(Common Gateway Interface)、httpd(Hyper Text TransferProtocol Daemon)、描画用API(ApplicationProgramming Interface)等のソフトウェアを有する生成部12と、仮想機械502を有する変換部52と、分散OSカーネル、TCP/IP、PPP、デバイスドライバ等のソフトウェアを有する制御部92と、送受信部(ATMスイッチを含む)、IEEE1394バスクラスドライバを有する通信用インタフェース部32とを含んで構成されている。
【0144】
また、外部記憶装置240は、制御部290と、IEEE1394バスクラスドライバ等を有する通信用インタフェース部292とを含んで構成されている。
【0145】
次に、本ミーティングシステムでのミーティングデータ生成処理について説明する。
【0146】
まず、PC420の画面にはアメリカでのプレゼンテーション画像が表示されている状態で、PC420を操作するミーティング参加者1002が、画面のWebブラウザ上でプレゼンテーション画像に対して書き込みを行うための操作を行う。
【0147】
この操作命令は、制御部422でTCP/IP等のプロトコルに準拠した形式に変換されるとともに、操作命令を含む配信データはコンパイラによってミーティングデータ生成可能なデータ形式に変換できる形式に変換され、送受信部424により光ファイバー網310を介して液晶プロジェクタ202へ向け送信される。
【0148】
液晶プロジェクタ202では、送信された配信データを通信用インタフェース部32で受信し、制御部94により転送制御等が行われる。送信された配信データは、仮想機械500を用いてミーティングデータ生成可能なデータ形式に変換され、生成部12によりミーティングデータが生成される。
【0149】
PC420から配信された配信データおよび生成されたミーティングデータは、通信用インタフェース部32によりIEEE1394バス300を介して外部記憶装置240へ向け送信され、外部記憶装置240では送受信部292によって受信した配信データおよびミーティングデータを、制御部290により処理装置ごとおよび所定単位ごとに管理しながら記憶する。
【0150】
また、生成されたミーティングデータは、液晶プロジェクタ202を用いて日本の会場で表示されるとともに通信用インタフェース部32によりPC420へ向け送信される。PC420では受信したミーティングデータを再び画面に表示する。
【0151】
これらの送受信処理およびデータ伝送は、ミーティングデータのような大きなデータを伝送するにも関わらず、IEEE1394バス302および光ファイバー網310を用いているため、きわめて高速に行われる。
【0152】
これにより、米国にいるミーティング参加者1002は、日本のプレゼンテーション会場にいて液晶プロジェクタ202を操作するのと同様の感覚で遠隔地から液晶プロジェクタ202を操作できる。
【0153】
また、配信データおよびミーティングデータは、外部記憶装置240に記憶されており、かつ、PC420と外部記憶装置240との間も高速な伝送路で接続されているため、PC420からの操作に応じて所望の部分を即座に再生できる。
【0154】
したがって、遠隔地間でミーティングを行う場合でも迅速にミーティングデータをプレーバックすることのできるミーティングシステムを実現できる。
【0155】
さらに、ミーティングのジャーナル(履歴)を記憶する外部記憶装置240をプロジェクタ202と別体にすることにより、外部記憶装置240を構成するハードディスクをRAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)構成にしてデータの信頼性を高めるとともに大容量の記憶容量を確保する場合も、液晶プロジェクタ202自体の大きさを変更しなくて済み、汎用性の高い液晶プロジェクタ202を実現できる。
【0156】
このようにミーティングデータを記憶するための記憶装置を、液晶プロジェクタ202と別体にした場合でも、液晶プロジェクタ202と外部記憶装置240との間の通信はきわめて高速に行われるため、性能上の問題はほとんどない。
【0157】
以上は、入力装置400としてPC420を用いた例であるが、次に、入力装置400としてサーバ装置を用いて配信データを配信する場合について説明する。
【0158】
(データ配信装置としてサーバ装置を用いる場合のミーティングシステムの例)
図7は、本実施の形態の他の一例に係るミーティングシステムの機能ブロック図である。
【0159】
本実施例でのミーティングシステムは、ミーティングデータを再生する液晶プロジェクタ200とサーバ装置100とを含んで構成されている。
【0160】
液晶プロジェクタ200は、上述した液晶プロジェクタ200と同様のものである。
【0161】
サーバ装置100は、表示用データ、制御用データ、部品オブジェクト等の記憶された記憶部102と、送受信部104と、記憶部102および送受信部104のデータ伝送を制御する制御部106とを含んで構成されている。
【0162】
ここで、表示用データとしては、例えば、画像データ、プレゼンテーションデータ、ミーティングデータ等が該当し、制御用データとしては、具体的には、例えば、デバイスドライバ、座標等の描画範囲を指定するためのデータ、線や円等の描画するオブジェクト種別を指定するためのデータ等が該当する。
【0163】
特に、画像データは2種類の形式で生成されることを意識して処理系を設計する必要がある。第1の種類は、画像全体が画素の集合として形成される場合である。自然画像の写真をイメージスキャナー装置でサンプリングした場合、個々のピクセルは階調を伴うカラーデータとして、また、画像全体はこのピクセルの集合として定義できる。
【0164】
第2の種類は、何らかの命令語から画素が発生される場合である。例えば、直線、ベジエ曲線、円弧等の組み合せによって図形表現を行う処理系において、直線発生命令(一般には描画開始座標、終端座標、線幅を指定する)は、対象となる処理系の解像度や座標系に合わせて、点列を発生し、画素形成することで図形の一部を描画する。
【0165】
多くの場合、コンピュータ装置の画像表示システムは、前者のピクセルの集合による図形表現とともに、後者の命令語による図形表現を行う。また、アウトラインフォントを用いた文字の発生は、元の文字形状が、直線・曲線の描画命令で記述されているため、後者の例に属する。後述するが、命令語による画素発生は、複数の液晶プロジェクタを用いて、広い範囲の領域に描画する応用例で、分散処理を必要とする好適な例である。
【0166】
画素の発生を何らかの描画命令で行う場合、その操作を行うプログラムが必要であり、かつ、このプログラムが、対象となるプロセッサを包含するハードウェアの上で実行可能な形式であることが必要である。本実施形態ではこのようなプログラムの実行単位を「部品オブジェクト」と呼んでいる。
【0167】
部品オブジェクトは、画像の生成または再生を行うためのソフトウェアの一部分となるものである。具体的には、例えばJAVAアプレットやJAVA Beans等が該当する。
【0168】
例えば、サーバ装置100がWebサーバであり、記憶部102に種々のミーティングデータ生成用のデータが記憶されている形態を想定する。
【0169】
液晶プロジェクタ200は、サーバ装置100からデバイスドライバ、JAVAアプレット等をダウンロードできる。
【0170】
これにより、液晶プロジェクタ200は容易に機能拡張することができる。すなわち、新たな形態のミーティングを開催する必要が生じた場合に、ミーティングの主催者がサーバ装置100に必要な情報を記憶し、ミーティング参加者1002は、サーバ装置100から必要な情報を液晶プロジェクタ200に組み入れることにより、迅速に新たな形態のミーティングに対応することができる。
【0171】
具体的には、例えば、現状では液晶プロジェクタ200に画面の一部に線が引ける機能がある場合に、画面の一部を○で囲む機能を有する部品オブジェクトを受信し、ミーティングデータ生成用プログラムに組み込んで画面の一部を○で囲む機能を追加することができる。
【0172】
また、ハードウェアではなく、ソフトウェアを用いて機能拡張できるため、液晶駆動回路等の簡略化を行うことができる。すなわち、一般に、液晶プロジェクタにおいては、画像データは、ADコンバータでデジタル信号に変換され、第1のフレームメモリに画像情報が記憶される。その後、画像情報は、デジタルフィルタ回路によりコンボリューションされ、第2のフレームメモリに記憶される。そして、液晶コントローラによって液晶ライトバルブに表示するため、第2のフレームメモリ内の画像データは一定のサイクルで読み出される。
【0173】
なお、ここで、コンボリューションとは、画像のフィルタリング技術の1つであり、画像の鮮鋭さに応じてタップ係数を変化させ、画質を変化させるためのものである。
【0174】
これらの駆動回路においては、入力される画像データの違い等により位相差による画像劣化が生じるが、この位相差を少なくするためには、高性能なPLL回路等が必要となる。また、複数台の解像度の異なる液晶プロジェクタを相互に接続することを想定した場合、画像の補完を行うための画像処理によるスケーリング回路が必要となるが、このような画像処理は画像劣化を生じるものである。
【0175】
一方、本実施形態のように、仮想機械500の実装された液晶プロジェクタ200の各部を動作させるアプリケーションソフトウェアを用いて、液晶プロジェクタ200に入力される画像データに対して、液晶の画素数に応じてデータ変換を行うようにすれば、スケーリング回路による画像処理に伴う画像劣化を生じさせることなく、フレームメモリを複数設ける必要もないため、回路構成を簡略化することができる。
【0176】
このようなアプリケーションソフトウェアとしては、例えば、仮想機械500を介して入力される画像データの表示イメージをVRAMに展開し、VRAM内の表示イメージを、液晶コントローラを通じて液晶パネルに映す処理を行うソフトウェアを適用できる。
【0177】
以上、液晶プロジェクタ200と入力装置400を中心に説明してきたが、液晶プロジェクタ200と出力装置600についても同様な作用効果が奏される。
【0178】
すなわち、例えば、液晶プロジェクタ200を用いてミーティングデータを生成し、通信用インタフェース部30を用いて出力装置600へ向け生成したミーティングデータを送信する。
【0179】
ここで、出力装置600として、例えばプリンタを適用した場合、ミーティング参加者1002は出力指示により、当該ミーティングデータを印刷することができる。
【0180】
また、出力装置600として、例えばディスプレイを適用した場合、ミーティング参加者1002は出力指示により、当該ミーティングデータを表示することができる。
【0181】
このような場合の出力指示も入力装置400ごとおよび所定の単位ごとに行うことができ、ミーティング参加者1002は自分の要求したミーティングデータを指示により即座に得ることができる。
【0182】
以上のように、液晶プロジェクタ200を中心にミーティングシステムを構成することも可能であるが、制御装置を用いれば新たな形態のミーティングシステムも実現可能になる。
【0183】
(制御装置を用いたミーティングシステムの例)
図8は、制御装置900を用いたミーティングシステムの概略図である。
【0184】
伝送路であるIEEE1394バス300で構成されるネットワークを介して、1台の制御装置900と、ミーティングデータ処理を行う複数の処理装置が接続され、各処理装置間で配信データが送受信されてミーティングデータが生成される。
【0185】
制御装置900は、記憶部910と、各処理装置のネットワークとの接続状態を管理するとともに記憶部40内のデータを管理する管理部920と、制御装置900内のデータの伝送を制御する伝送制御部930とを含んで構成されている。
【0186】
また、処理装置としては、例えば、情報携帯端末402、スキャナ404、液晶プロジェクタ200、PC400、プリンタ602等の種々の装置が適用される。
【0187】
このような形態において、ミーティングデータの処理は以下のように行われる。
【0188】
図9は、制御装置900を用いたミーティングシステムでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0189】
最初に制御装置900が起動してIEEE1394バス300に接続している状態において、他の処理装置もIEEE1394バス300に接続する(ステップ32)。
【0190】
ある処理装置が接続すると、接続したことおよび当該処理装置が提供するサービスを示すパケットを含む配信データが制御装置900に送られる。ここで、サービスとは各処理装置が提供する機能のことである。
【0191】
制御装置900は、上記パケットを含む配信データを受信すると、管理部920を用いて登録済みの提供サービスを記憶部910に記憶された管理テーブルで確認し(ステップ34)、既に同一の提供サービスが登録されている場合は優先度等を調整する(ステップ36)。
【0192】
管理部920は、提供サービス確認後、提供サービスを管理テーブルに登録する(ステップ38)。
【0193】
図10は、管理テーブル912の一例を示す図である。
【0194】
管理テーブル912には、主に、各処理装置を識別するためのID、当該処理装置が提供するサービス、当該処理装置の状態が記憶される。この識別用のIDには、多数の処理装置がネットワークに接続した場合でも重複しないID値が割り振られる。
【0195】
制御装置900は、サービス要求を示すパケットを含む配信データを受信すると(ステップ40)、管理部920を用いて管理テーブル912を検索し、当該サービス要求に応答できるサービスを提供している処理装置を検索する。
【0196】
例えば、情報携帯端末402からミーティングデータの一部を印刷して欲しいという要求が出された場合、制御装置900は、管理部920を用いて管理テーブル912を検索して印刷というサービスを提供している処理装置を探し、当該サービスを提供するプリンタ602を見つけて状態を確認し処理できる状態にある場合、伝送制御部930は、サービスを要求した情報携帯端末402とサービスに応答するプリンタ602との間の接続を確立する。
【0197】
一旦接続を確立すれば制御装置900を介在させずに要求する処理装置と応答する処理装置の間でミーティングデータ等の配信データを送受信することが可能になる。
【0198】
この場合は、例えば、接続確立後、情報携帯端末402からミーティングデータの一部がプリンタ602に送信され、プリンタ602が印刷というサービスを提供する(ステップ42)。
【0199】
このように、制御装置900を用いれば、サービスを一元管理でき、適用するミーティングの場に併せて柔軟に処理装置を変更することのできるミーティングシステムを実現できる。
【0200】
このようなミーティングシステムにおいても制御装置900および各処理装置に仮想機械500を実装することが好ましい。仮想機械500を適用することにより、配信データを送信する際に送り先の機種やOS等を意識せずに済み、装置構成の自由度が増し、より多様なミーティングを行えるようになるからである。
【0201】
このような制御装置900と複数の処理装置を接続する技術としては、例えば、米国SunMicrosystems社によるJiniがあるが、制御装置900の記憶部910に図4に示すミーティングデータ44を記憶して更新、管理できる点でJiniとは一線を画する。
【0202】
以上説明してきた例では、1台の処理装置が1つのサービスを提供する例について説明してきたが、次に、複数台のミーティングデータ再生装置が1つのサービスを提供する例、すなわち、分散処理を行いながらミーティングデータを再生する場合について説明する。
【0203】
(分散処理についての説明)
現在多くの商用PCのOSの下で開発されるアプリケーションソフトウェアは、コンパイルによって、直接マイクロプロセッサが解釈可能な機械語への翻訳を行う。この手法においては、一般的に、アプリケーションソフトウェアの開発段階から当該アプリケーションソフトウェアが使用されるマイクロプロセッサのアーキテクチャや、OSのサービスルーチンとのプログラム間インターフェース(API:Application Programming Interfaceと呼ばれることが多い。)を意図してプログラミングする必要がある。
【0204】
ところで、本実施形態のミーティングシステムにおいては、液晶プロジェクタ200または処理装置700として用いられるPCまたはWSを中心として、ミーティングデータ44または原始プレゼンテーションデータが翻訳、実行される。
【0205】
液晶プロジェクタ200は、実際の商品化の都度、使用者に最適な装置を適切な価格で提供する上でも、あるマイクロプロセッサに限定して設計することはできないし、処理装置700に関しても同じことが言える。また、処理装置700として、PCやWSを使う場合だけでなく、外出先からの利用のように携帯情報端末を使う場合も想定すべきである。
【0206】
このような種々の仕様の異なるマイクロプロセッサや、APIを異にするOSの混在環境を前提にした場合、個々の環境の差を抽象化し、共通に利用可能な環境を提供する目的で、仮想機械のインタープリタ(例えば仮想機械500)を用いる。
【0207】
仮想機械のインタープリタを用いるだけで解決できる問題点は、主に異なるマシンアーキテクチャの差の吸収(実行環境の抽象化)という点である。
【0208】
一方、ミーティングシステムで送受信される配信データは、動画像のような重いデータであり、かつ、ミーティングが何時間にも及ぶ場合もあり大量のデータが送受信される。
【0209】
このような重くかつ大量のデータを効率よく扱うためには、仮想機械のインタープリタだけでなく、高速な伝送路とともに各装置で動的に処理負荷を分散する動的な分散処理を行う仕組みが必要になる。
【0210】
図11は、分散して画像表示を行う場合の画像表示を示す図であり、図11(A)は1台の液晶プロジェクタのみを用いた画像表示を示す図であり、図11(B)は4台の液晶プロジェクタを用いて分散して画像表示を行う場合の画像表示を示す図である。
【0211】
1台の液晶プロジェクタ200で画像表示を行う場合、液晶プロジェクタ200にミーティングデータを配信するPCではUXGA表示、すなわち、1600×1200ドットの表示が可能であるが、当該液晶プロジェクタ200がXGA表示、すなわち、1024×768ドットの表示までしか対応していない状態で、プレゼンターの指示により、ポインタがPCでは表示可能であるが液晶プロジェクタ200では表示不可能な座標(1500、920)を示す場合がある。
【0212】
このような場合、図11(A)に示すように、実際には液晶プロジェクタ200では表示できない。このため、プレゼンターは自分の操作通りにポインタが動かないため効果的なプレゼンテーションが行えないことになる事態も生じうる。
【0213】
このような事態を避けるため、図11(B)に示すように、PCで表示対応している表示領域をサポートできるように4台の液晶プロジェクタ200を用いて、4つの画像1210−1〜4を分担して投射することが可能である。
【0214】
図12は、4台の液晶プロジェクタ200−1〜4を用いて分散して画像表示を行う場合の模式図である。
【0215】
本来は1つの画像を分担して表示する場合、どの装置がどこまでを担当するか決めておく必要がある。4台の液晶プロジェクタを用いて、ある画像を空間的に分割して表示するのは、典型的な並列処理である。原始プレゼンテーションファイルを、処理装置700のアプリケーションソフトウェアを用いて作成する段階で、このような並列処理に適する並列構文を記述しておくと処理上好都合である。特開平6−4498は、cobegin、coendに包含される並列実行単位を書いて翻訳する方法を開示しており、本実施形態にも適用可能である。
【0216】
図13は、仮想機械500を用いた場合の通信方式を示す模式図であり、図13(A)は従来の通信方式を示す模式図であり、図13(B)は本実施の形態に係る仮想機械500を用いた場合の通信方式を示す模式図である。
【0217】
上述した動的な分散処理を行うために単純に仮想機械500をプロジェクタ200に搭載しただけでは、アプリケーションソフトウェア、すなわち、応用層プログラム12を作成する段階でどの液晶プロジェクタ200がどの描画領域を担当するか十分に意識して作成する必要がある。
【0218】
一般に、プログラムのある実行単位が並列に処理されるためには、次の2つの条件を満たす必要がある。まず、第1に、OSを含め、対象プログラムの処理系が、あるプログラム片、言い換えれば、実行単位を平行して実行できる資源を持つことが必要であり、より具体的には、並列化の個数に対応する独立したプロセッサ装置が必要である。第2に、対象プログラム自体が、並列して実行可能な処理単位を持ち、それが処理系に判断出来るように、記述されていることが必要である。
【0219】
なお、本実施形態において「分散実行」とは、並列実行の広い概念であり、ある処理単位を、別の処理系に分散して実行した場合のうち、時間的に平行して処理することが望ましく、結果をある時点で同期する必要がある特別な場合を「並列実行」と呼ぶ。
【0220】
例えば、図13(A)に示すように、2台の液晶プロジェクタ200−5、6をIEEE802.3バス192で接続した場合、イメージ的には、各応用層プログラム12−5、6がお互いを意識した接続が確立されることになる。最初に原始プレゼンテーションデータの解釈を開始する液晶プロジェクタ200−5は、プログラムのステートメント中に自己の表示範囲を超えた部分を検出した場合、その部分を液晶プロジェクタ200−6と分散処理しようと試みる。
【0221】
この時、具体的な動作としては、液晶プロジェクタ200の組み込みOSの伝送制御プログラムを読み取った制御部が、IEEE802.3バス192により液晶プロジェクタ200−6への接続回線を開き、分散処理の対象範囲を伝送する。
【0222】
応用層プログラム12−5は、組み込みOSのサービスルーチンを用いて、ネットワークの接続、回線のオープン、処理部分の伝送という処理を順次実行する必要がある。他方の応用層プログラム12−6は、同じくネットワークの接続、回線のオープンの許容、処理部分の受信というサーバ側の処理を実行することが求められる。
【0223】
複数の液晶プロジェクタを利用するのに、これだけの処理を求められるとしたら、原始プレゼンテーションファイルとして記述された応用層プログラム12−5、6の仕様は複雑なものとなり、毎回実行環境に合わせて専用に書き下すことが必要となる。
【0224】
上述したように、ここで見る応用層プログラム12とは、実はプレゼンテーション資料作成のための別の応用層プログラムが生成した、原始プレゼンテーションデータである。図4で例示したとおり、原始プレゼンテーションデータの中身は、仮想機械500が実行する中間言語オブジェクトの命令語の集合と解釈できる。
【0225】
利用を簡便にするためには、応用層プログラムには、最初からある程度の並列処理を前提に複数の並列構文を交えて記述しておき、実行環境が並列処理を許す場合は、並列実行できるように設計することが必要である。代わりに、仮想機械500が、実行段階において、動的かつ自律的に他の仮想機械と通信しあい、処理を分散してもよい。
【0226】
前者のあらかじめ複数の並列処理構文を記述する手法としては、本出願人による特開平6−4498で開示されている中間言語インタープリタ間の通信方式を実装することが可能である。
【0227】
また、後者の実行段階において、動的かつ自律的に他の仮想機械と通信し合う方式としては、例えば、JAVA仮想機械を用いて実現する手法、マルチエージェントによる手法等を適用できる。
【0228】
このような手法を用いることにより、16台、64台等と液晶プロジェクタの台数を増やしていった場合でも、原始プレゼンテーションデータを再度作り直す必要はない。
【0229】
本実施の形態では、図13(B)に示すように、各ノード間のメモリ資源の遠隔アクセスを実現するIEEE1394バス300を適用する。
【0230】
本出願人による特開平6−4498で開示されている中間言語インタープリタ間の通信方式を実装する方式の場合は、ある液晶プロジェクタ200−1の仮想機械500−1のマスター側インタープリタは、ロード段階において、他の液晶プロジェクタ装置200−2のメモリ空間上で実行されるプロセスであるスレーブ側インタープリタの作業領域に中間言語記述されたオブジェクトコードを読み込み、次にスタック初期化データを読み込み、このデータの指示に従いスタックに初期状態のデータを格納しスタックポインタを設定する。
【0231】
次に、テーブル初期化データを読み込み、実行時ブロック管理テーブル、共有資源管理テーブルの内容を初期設定する一連の動作を行う。こうした動作は、RS232Cシリアル回線等を用いた通信や、UNIX系のOSに普通に見られるネットワークファイルシステムなどのトランスポート層以上に実装した上位層プロトコルの助けを借りて実現する事は不可能ではない。しかし、現実的な処理速度でリモートメモリアクセスを行う上では、IEEE1394のバストランザクションを用いて実装する必要がある。
【0232】
これによって、応用層プログラム12−1、2を作成する際に描画担当領域等を意識せずに作成でき、イメージ的には、応用層プログラム12−1、2から1段下がった仮想機械500同士で仮想的な接続が確立されたようになる。
【0233】
次に、仮想機械500としてJAVA仮想機械を用いた場合の本実施の形態に係る分散処理について詳述する。
【0234】
図14は、本実施の形態に係る分散処理を行う場合の機能ブロック図である。
【0235】
液晶プロジェクタ200−1は、データ配信装置である他の液晶プロジェクタ200−2等から配信される配信データを、生成または再生可能なデータ形式に変換するための仮想機械500の実装された変換部50と、入力装置400から変換部50で変換可能な配信データを受信するための通信用インタフェース部30とを含む。
【0236】
また、液晶プロジェクタ200は、変換部50で変換された配信データに基づきミーティングデータを生成する生成部10と、生成したミーティングデータを記憶部40に他の液晶プロジェクタ200ごとかつ所定単位ごとに管理しながら記憶し、他の液晶プロジェクタ200ごとかつ所定単位ごとにミーティングデータを読み出す制御部90と、読み出されたミーティングデータを再生する再生部20とを含む。
【0237】
なお、記憶部40には、プレゼンテーション用データおよび配信された配信データを含むミーティングデータ44のほか、制御部90により用いられる管理用デーブル42等が記憶されている。
【0238】
また、記憶部40は、他の液晶プロジェクタ200等から通信用インタフェース部30を介してアクセス可能となっている。
【0239】
次に、本実施の形態で用いられる仮想機械500について説明する。
【0240】
図15は、プロジェクタ200におけるソフトウェア部とハードウェア部の機能ブロック図である。
【0241】
ソフトウェア部は、音声処理用API(Application Programming Interface)および画像処理用APIを有する生成部10と、複数の命令語、命令語へのディスパッチャ、複数のデバイスドライバ、ランタイムライブラリを有する制御部90と、仮想機械500とを含んで構成されている。
【0242】
なお、音声処理用APIや、画像処理用APIに代えて音声処理用クラス、画像処理用クラスを実装してもよい。
【0243】
本実施の形態で用いられる仮想機械500とは、共通のファイルフォーマットを読み、そこで指定されている操作を行うことのできる手段を意味し、具体的には、例えばJAVA仮想機械や、上述した特開平6−4498に開示されている並列処理可能なインタープリタを実装した仮想機械等を適用できる。
【0244】
JAVA仮想機械の実装方式としては、ソフトウェア部で実装するインタプリタ方式、コンパイラ方式、ハードウェア部で実装する専用CPU方式等を適用できるが、本実施の形態ではソフトウェア部に実装している。
【0245】
仮想機械500は、プログラムカウンタ、スタックを1つずつ有する複数のスレッドと、ヒープ領域を含んで構成されている。すなわち、スタック、ヒープ領域は作業領域であり、記憶部40としても機能する。
【0246】
また、スレッドは複数あるため、いわゆるマルチスレッド処理が可能である。これにより、分散処理時の実行性能や、同時実行性を向上させることができる。
【0247】
また、ハードウェア部は、表示部を含む再生部20と、ビデオコントローラを有する制御部90と、ビデオRAM(V−RAM)領域を有する記憶部40と、IEEE1394リンク層とIEEE1394物理層を有する通信用インタフェース部30とを含んで構成されている。
【0248】
次に、複数の液晶プロジェクタ200−1、2を用いた実際の表示処理について説明する。
【0249】
液晶プロジェクタ200−1がマスターとして機能し、液晶プロジェクタ200−2がスレーブとして機能するものとする。
【0250】
液晶プロジェクタ200−1は、画像1210−1、すなわち、座標(0,0)〜座標(1024,768)を描画しているものとする。この描画情報は記憶部40に記憶されている。
【0251】
2台目の液晶プロジェクタ200−2がIEEE1394バス300に接続されると、マスターである液晶プロジェクタ200−1と液晶プロジェクタ200−2が配信データを送受信するようになる。
【0252】
この段階で、液晶プロジェクタ200―2は、液晶プロジェクタ200−1が既に動作していることを判断することができるとともに、液晶プロジェクタ200−1の記憶部40−1の描画情報を参照することにより、液晶プロジェクタ200−1の担当している描画領域を確認できる。
【0253】
液晶プロジェクタ200−2は、この確認後、自分の表示すべき画像情報を液晶プロジェクタ200−1の記憶部40−1から読み出して仮想機械500で自装置で処理可能なデータ形式に変換し、V−RAM領域に書き込み、ビデオコントローラを用いて表示部で表示を行う。
【0254】
上述したように、記憶部40内のスタック領域はスレッドごとに存在する。マルチスレッド処理によってあるスレッド内のスタック領域が使用中であっても、別のスレッドのスタック領域を使うことができるため、記憶部40を共有した場合でも同時実行性はほとんど低下しない。
【0255】
また、IEEE1394バス300およびIEEE1394バスインタフェースを適用することにより、配信データを高速に送受信することができるため、記憶部40を共有した場合でも、各液晶プロジェクタ200は自分の記憶部40を参照するのと同じくらいの速度で他の液晶プロジェクタ200の記憶部40を参照することができる。
【0256】
また、例えば、ある液晶プロジェクタ200はVGA表示、すなわち、640×480ドット表示であり、他の液晶プロジェクタ200はSVGA表示、すなわち、800×600ドット表示であり、さらに他の液晶プロジェクタ200はXGA表示、すなわち、1024×768ドット表示であるといったように表示能力の異なる液晶プロジェクタ200が混在する場合もある。
【0257】
このような場合において、上述した座標(1500、920)を表示しなければいけない場合でも、異なる表示能力を有する液晶プロジェクタ200を相互に接続して表示することができる。例えば、マスターの液晶プロジェクタ200がVGA表示であれば、全部で9台の液晶プロジェクタ200を接続すれば、1920×1440ドットの表示領域をカバーでき、座標(1500、920)も表示することができるようになる。
【0258】
このような場合でも、スレーブである液晶プロジェクタ200がマスターである液晶プロジェクタ200の記憶部40内の描画情報を参照することにより、表示能力を自動で調整することができる。
【0259】
このように、効率的な分散処理によってミーティングデータを生成できるため、重くかつ大量のミーティングデータであっても快適に生成して再生でき、即応性の高いミーティングシステムを実現できる。
【0260】
なお、共有メモリ方式による分散処理の実現方式だけでなく、このような分散処理をオブジェクト配信方式によって行うことも可能である。
【0261】
以上、ミーティングシステムを実現する手法について説明してきたが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を用いて上述した作用効果を奏するミーティングシステムを実現することも可能である。
【0262】
(情報記憶媒体についての説明)
図16は、本実施の形態の一例に係る情報記憶媒体の機能ブロック図である。
【0263】
情報記憶媒体1400は、コンピュータ1200に読み取られるための格納情報1410に、上述した種々の機能を実現するための情報を格納している。
【0264】
コンピュータ1200は、他の処理装置1100と通信回線1300を介して通信を行うための送受信部1230と、各種データ、プログラム等を記憶する記憶部1240と、画像処理等を行う処理部1250と、画像表示等のデータ再生を行う再生部1220と、情報記憶媒体1400から情報を読み取る情報読み取り部1290とを含んで構成されている。
【0265】
これら各部のハードウェア構成としては、例えば、送受信部1230としては、IEEE1394インタフェースを有する通信機器、ATMスイッチ等、記憶部1240としては、ROM、RAM等、再生部1220としては、ディスプレイ、モニター、投射機器等、処理部1250としては、CPU、画像処理プロセッサ等を適用できる。
【0266】
また、情報記憶媒体1400としては、例えば、レーザー光により情報を読み取らせるCDROMやDVDROM等、磁気により情報を読み取らせるハードディスクや、メモリ等を適用できる。
【0267】
なお、情報記憶媒体1400を情報読み取り部1290に直接接続するのではなく、通信回線1300を介してサーバ装置にある格納情報1410をコンピュータ1200にダウンロードさせて読み取らせることも可能である。
【0268】
また、伝送路である通信回線1300としては、例えば、IEEE1394バス、光ファイバー等を適用できる。
【0269】
ここで、例えば、上述したジャーナル機能を実現する場合、格納情報1410は、伝送路である通信回線1300を介して複数の処理装置1100から配信データが配信され、この配信データを反映したミーティングデータを生成するための情報であって、プレゼンテーション用情報と、前記配信データを、前記処理装置1100ごとに管理しながら記憶部1240に記憶するための記憶用情報と、ミーティング参加者による再生指示により記憶部1240から前記配信データおよび前記プレゼンテーション用情報の少なくとも一部を含むミーティングデータを読み出すための読み出し用情報とを含んで構成する。
【0270】
これによれば、ミーティング参加者は、過去のミーティングデータを指示により即座にプレーバックすることができる。
【0271】
また、前記読み出し用情報は、再生指示に基づき、記憶部1240に記憶された前記ミーティングデータを処理装置1100ごとに読み出すための情報を含むことが好ましい。
【0272】
これによれば、どの処理装置1100からどのような配信データを受信したか判別することができる。
【0273】
また、処理装置1100ごとの配信データを反映したミーティングデータを再生することも可能になる。具体的には、例えば、複数のミーティング参加者が個別の入力装置を用いて入力データを配信している場合、各入力装置ごと、すなわち、ミーティング参加者ごとにプレーバックすることができる。
【0274】
また、格納情報1410は、ミーティング状況を撮像するための情報を含み、前記記憶用情報は、撮像データを前記ミーティングデータの一部として記憶部1240に所定の単位ごとに記憶するための情報を含み、
前記読み出し用情報は、前記再生指示に基づき、記憶部1240に記憶された前記ミーティングデータを前記所定の単位ごとに読み出すための情報を含むことが好ましい。
【0275】
これによれば、ミーティング状況の撮像結果を即座に再生することができる。撮像対象には再生されるプレゼンテーションデータだけでなくプレゼンターの動きも含まれるため、ミーティング状況を適切に把握することができる。
【0276】
同様に、格納情報1410は、ミーティング状況を録音するための録音用情報を含み、前記記憶用情報は、録音データを前記ミーティングデータの一部として前記記憶手段に所定の単位ごとに記憶することが好ましい。
【0277】
これによれば、音声も合わせて再生できるため、ミーティング状況をさらに適切に把握することができる。
【0278】
ここで、前記所定の単位としては、例えば、章単位、節単位、ページ単位等を適用できる。すなわち、例えば、ミーティング参加者が第3章の第2節の部分の再生指示を行えば当該部分を即座にプレーバックすることができる。
【0279】
また、格納情報1410は、前記読み出した情報を再生するための情報を含むことが好ましい。
【0280】
これによれば、読み出したミーティングデータを、表示、投射、音声再生等によって再生することにより、ミーティング参加者はミーティングデータを即座に確認することができる。
【0281】
また、格納情報1410は、前記読み出した情報を処理装置1100へ向け伝送するための情報を含むことが好ましい。
【0282】
これによれば、処理装置1100、例えば表示装置、印刷装置等でミーティングデータを再生、印刷等を実行することができる。
【0283】
また、上述した相互接続性を向上させるためには、格納情報1400を以下のように構成すればよい。
【0284】
例えば、格納情報1410を、仮想機械500を実装し、受信した配信データを、仮想機械500を用いて解釈するための解釈用情報と、この解釈結果に基づき、前記ミーティングデータを生成するための生成用情報とを含んで構成する。
【0285】
これによれば、配信データの形式を共通化して当該配信データを自装置で解釈可能な形式に変換する仮想機械500を用いることにより、処理装置間1100およびコンピュータ1200間でのデータのやりとりが容易となる。これにより、種々の処理装置を柔軟に入れ替えることのできるミーティングシステムを実現できる。
【0286】
また、別の構成として、格納情報1410を、仮想機械500で解釈可能な配信データを生成するための情報と、生成した配信データを配信するための情報とを含んで構成する。
【0287】
これによれば、配信データの形式を共通化し、他の処理装置1100での仮想機械500で解釈可能な配信データ生成、配信することにより、当該配信データを受信した処理装置は、配信データの配信装置の機種やメーカー等を意識せずに配信データを処理することができる。したがって、各処理装置1100間でのデータのやりとりが容易となる。これにより、ミーティングで使用される種々の処理装置1100を柔軟に入れ替えることのできるミーティングシステムを実現できる。
【0288】
さらに、別の構成として、格納情報1410は、プレゼンテーション用情報と、複数の入力手段を有する前記処理装置から配信される前記入力データを含む前記解釈が行われた状態の配信データを、前記入力手段ごとに管理しながら記憶手段に記憶するための記憶用情報と、再生指示により前記記憶手段から前記入力データおよび前記プレゼンテーション用情報の少なくとも一部を含むミーティングデータを再生するための再生用情報とを含んで構成する。
【0289】
これによれば、ミーティング参加者は、過去のミーティングデータを指示により即座にプレーバックすることができる。
【0290】
また、前記記憶用情報は、前記入力データを含む前記解釈が行われた状態の配信データを、処理装置1100ごとに管理しながら記憶部1240に記憶するための情報を含み、
前記再生用情報は、前記再生指示により前記記憶手段から前記配信データおよび前記プレゼンテーション用情報の少なくとも一部を含むミーティングデータを前記処理装置ごとに再生するための情報を含むことが好ましい。
【0291】
これによれば、ミーティング参加者は、過去のミーティングデータを処理装置ごとに再生する指示を行うことにより、処理装置1100ごとにプレーバックすることができる。
【0292】
具体的には、例えば、複数のミーティング参加者が個別の入力装置を用いて入力データを配信している場合、各入力装置ごと、すなわち、ミーティング参加者ごとにプレーバックすることができる。
【0293】
また、格納情報1410は、ミーティング状況を撮像するための情報を含み、前記記憶用情報は、撮像結果を含む前記配信データを記憶部1410に所定の単位ごとに記憶するための情報を含み、前記再生用情報は、前記再生指示に基づき、記憶部1410に記憶された前記撮像結果を含む配信データを前記所定の単位ごとに再生するための情報を含むことが好ましい。
【0294】
これによれば、ミーティング状況の撮像結果を即座に再生することができる。撮像対象には再生されるプレゼンテーションデータだけでなくプレゼンターが指示した画像等の付加情報も含まれるため、ミーティング状況を適切に把握することができる。
【0295】
なお、ここで、前記所定の単位としては、例えば、章単位、節単位、ページ単位等を適用できる。すなわち、例えば、ミーティング参加者が第3章の第2節の部分の再生指示を行えば当該部分を即座にプレーバックすることができる。
【0296】
また、前記配信データは、画像データ、画像生成用オブジェクト、画像生成制御用オブジェクト、画像表示用オブジェクト、画像表示制御用オブジェクトのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0297】
これによれば、ミーティングで用いられる種々のデータを効率よくやりとりできるミーティングシステムを実現できる。
【0298】
また、前記伝送路は、IEEE1394バスを含んで構成されていることが好ましい。
【0299】
これによれば、各処理装置間で配信データ等を高速にやりとりできる。特に、画像データ等は伝送データ量が多いが、IEEE1394バスを適用することによりリアルタイム処理も容易に行うことができる。
【0300】
以上が、相互接続性を向上させるための格納情報1410の構成であるが、次に、分散処理によるデータ処理効率の向上を図るための格納情報1410の構成について説明する。
【0301】
例えば、格納情報1410を、伝送路である通信回線1300を介して接続された複数の処理装置1100間で、仮想機械500で解釈可能な共通形式の配信データを送受信して分散処理しながらミーティングデータを生成するための情報であって、記憶部1240を他の処理装置1100と共有するための通信用インタフェース部30を実装するための情報を含んで構成する。
【0302】
これによれば、各処理装置1100からアクセス可能な記憶部1240を提供することができる。このような記憶方式を実現することにより、特に分散処理において効果的である。
【0303】
ここで、前記伝送路は、IEEE1394バスであって、前記通信用インタフェース部は、IEEE1394バスインタフェースであることが好ましい。
【0304】
これによれば、各処理装置1100は、あたかも自装置の記憶領域にアクセスするように当該共有された記憶部1240に高速にアクセスすることができる。
【0305】
また、別の構成として、格納情報1410を、伝送路である通信回線1300を介して接続された複数の処理装置1100間で、仮想機械500で解釈可能な共通形式の配信データを送受信して分散処理しながらミーティングデータを生成するための情報として構成し、前記共通形式の配信データを生成するための情報と、各処理装置1100がアクセス可能な記憶部を有する少なくとも1台の処理装置1100へ向け前記生成した配信データを送信するための情報とを含んで構成する。
【0306】
これによれば、共通形式の配信データを生成して共有形態の記憶手段に記憶することにより、各処理装置は、当該記憶部にアクセスして配信データを取得することが可能となり、分散処理において特に効果的である。
【0307】
例えば、配信データとしてJAVAアプレットを適用する場合、複数の処理装置が同時に記憶手段に記憶されたJAVAアプレットをダウンロードでき、仕様変更や機能拡張等を容易に行うことができる。
【0308】
ここで、前記伝送路は、IEEE1394バスであることが好ましい。
【0309】
これによれば、各処理装置は、あたかも自装置の記憶領域にアクセスするように共有された記憶手段に高速にアクセスすることができる。
【0310】
また、別の構成として、格納情報1410を、伝送路を介して接続された複数の処理装置1100間で、仮想機械500で解釈可能な共通形式の配信データを送受信して分散処理しながらミーティングデータを再生するための情報として構成し、各処理装置1100がアクセス可能であって前記ミーティングデータの記憶された記憶部を有する少なくとも1台の処理装置1100に対して、前記記憶部に記憶された前記ミーティングデータを読み取るための読み取り用情報と、読み取った画像データを再生するための再生用情報とを含んで構成することが好ましい。
【0311】
また、ここで、前記読み取り用情報は、読み取り要求を示す配信データを生成し、前記共通形式の配信データに変換するための情報と、変換した配信データを、前記記憶部を有する処理装置1100へ向け送信し、当該処理装置1100からミーティングデータを含む配信データを受信するための情報とを含み、前記再生用情報は、仮想機械500を実装するための情報と、受信した配信データに基づき、仮想機械500を用いて配信データを変換し、ミーティングデータを再生するための情報と含んで構成する。
【0312】
これによれば、共通形式の配信データを用いることにより、OSやメーカーの違いを吸収して画像提供側の装置種別によらずに画像データを受信して表示することができる。
【0313】
また、別の構成として、格納情報1410を、伝送路を介して接続された複数の処理装置1100間で、仮想機械500で解釈可能な共通形式の配信データを送受信して分散処理しながらミーティングデータを生成するための情報として、他の処理装置1100に対して所定のサービスを要求するための要求用情報と、他の処理装置1100に対して所定のサービスを提供するための提供用情報と、を含んで構成する。
【0314】
ここで、前記要求用情報は、前記所定のサービスの要求を示す配信データを生成し、前記共通形式の配信データに変換するための情報と、変換した配信データを他の処理装置へ向け送信するための情報とを含み、前記提供用情報は、仮想機械500を実装するための情報と、他の処理装置からサービス要求を示す配信データを受信し、仮想機械500を用いて変換するための情報と、変換した配信データに基づき、当該サービスを提供可能かどうか判断するための情報と、当該サービスが提供可能な場合は当該サービスを提供するための情報とを含む。
【0315】
これによれば、各処理装置は、お互いに情報を交換しながら画像処理を分担して行うことができる。例えば、プロジェクタから印刷サービスを要求すれば、印刷サービスを提供可能なプリンタがこれに応答して印刷が行われる。
【0316】
このような分散処理も仮想機械500を用いるとともに配信データを共通形式として各処理装置1100間でのデータのやりとりを容易にすることにより実現できる。
【0317】
また、前記配信データは、ミーティングデータ、ミーティングデータ生成用オブジェクト、ミーティングデータ生成制御用オブジェクト、ミーティングデータ再生用オブジェクト、ミーティングデータ再生制御用オブジェクトのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0318】
これによれば、これらのデータやオブジェクトは共通形式に統一されているため、分散処理における各種の画像処理の汎用性を高めることができる。
【0319】
また、前記伝送路は、IEEE1394バスを含んで構成されていることが好ましい。
【0320】
これによれば、各処理装置1100は、あたかも自装置の記憶領域にアクセスするように上述した共有された記憶手段に高速にアクセスすることができる。また、各処理装置は、上述した情報交換を高速に行うことができ、処理速度を上げることができる。
【0321】
(変形例)
なお、本発明の適用は上述した実施例に限られず、種々の変形例に対して適用可能である。
【0322】
例えば、上述した伝送路としては、IEEE1394バス300を適用した例について説明したが、高速な伝送路であれば種々のものを適用できる。具体的には、例えば、ファイバーチャネルや、衛星通信路等を適用できる。
【0323】
また、上述した実施例では、2台のミーティングデータ再生装置(液晶プロジェクタ200)を用いた分散処理について説明したが、2台のミーティングデータ生成装置や、ミーティングデータ生成装置とミーティングデータ再生装置とで分散処理することも本発明の適用範囲に含まれる。
【0324】
また、プレゼンテーションに用いるデータとしては、サンプリングされた音声、音声認識結果として得られる文字コード、タブレット等のデジタイズ装置上で、手書き文字認識された文字コード等の二次的な情報の付加が重要である。これらの認識処理には、信号処理系の演算機能に優れたDSP(Digital Signal Processor)を用いると、高速な処理を期待できる。上述した実施例から明らかな通り、本発明に係る分散処理は、仮想機械インタープリタ間の通信と自律的な処理分散に頼っている。
【0325】
従来の方式下であれば、DSPの利用の為には、アプリケーションソフトウェア(応用層プログラム)が、DSP固有の特殊な機械語を生成し、DSPシステムに配信して実行を任せる必要があった。しかし、本発明を用いれば、IEEE1394バスを介して接続されたDSPシステムの上に、仮想機械インタープリタを実装し、処理分散に加える事が可能である。結果として、応用層プログラムである原始プレゼンテーションファイルを書き換えずに、DSPの優れた計算能力という資源を利用可能である。
【0326】
さらに、上述したように、本発明を実現するためのプログラミング言語はJAVAに限られない。仮想機械の機械語を生成でき、プロセッサ資源の利用を多重化する処理を、前記機械語の段階でサポートできる言語は多数存在する。このような言語においては、本発明における上述した描画命令の記述と同様の記述ができる。本発明は、描画命令語を生成するまでに用いられる高級言語レベルの構文、字句解析の仕様に依存することなく各種の言語を用いて実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の一例に係るミーティングシステムの概略図である。
【図2】本実施の形態の一例に係るミーティング状況の説明図である。
【図3】本実施の形態の一例に係るミーティングシステムの構成図である。
【図4】本実施の形態に係るミーティングデータおよび管理テーブルのデータ構造の一例を示す概略図である。
【図5】本実施の形態の一例に係るミーティングシステムでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態の他の一例に係るミーティングシステムの機能ブロック図である。
【図7】本実施の形態の他の一例に係るミーティングシステムの機能ブロック図である。
【図8】制御装置を用いたミーティングシステムの概略図である。
【図9】制御装置を用いたミーティングシステムでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】管理テーブルの一例を示す図である。
【図11】分散して画像表示を行う場合の画像表示を示す図であり、図11(A)は1台の液晶プロジェクタのみを用いた画像表示を示す図であり、図11(B)は4台の液晶プロジェクタを用いて分散して画像表示を行う場合の画像表示を示す図である。
【図12】4台の液晶プロジェクタを用いて分散して画像表示を行う場合の模式図である。
【図13】図13は、仮想機械500を用いた場合の通信方式を示す模式図であり、図13(A)は従来の通信方式を示す模式図であり、図13(B)は本実施の形態に係る仮想機械500を用いた場合の通信方式を示す模式図である。
【図14】本実施の形態に係る分散処理を行う場合の機能ブロック図である。
【図15】プロジェクタにおけるソフトウェア部とハードウェア部の機能ブロック図である。
【図16】本実施の形態の一例に係る情報記憶媒体の機能ブロック図である。
Claims (3)
- 伝送路を介して接続された複数の処理装置間で、仮想機械で解釈可能な共通形式の配信データを送受信してミーティングデータを生成するミーティングシステムにおいて、
前記複数の処理装置のうち少なくとも1台は、他の処理装置に対して所定のサービスを要求するための要求装置であり、
前記複数の処理装置のうち少なくとも1台は、前記要求装置に対して所定のサービスを提供するための提供装置であり、
前記要求装置は、
前記所定のサービスの要求を示す配信データを生成し、前記共通形式の配信データに変換するための配信データ生成手段と、
変換した配信データを他の処理装置へ向け送信するための送信手段と、
を含み、
前記提供装置は、
前記仮想機械を有し、他の処理装置からサービス要求を示す配信データを受信し、前記仮想機械を用いて変換するための変換手段と、
変換した配信データに基づき、当該サービスを提供可能かどうか判別する判別手段と、
当該サービスが提供可能な場合は当該サービスを提供するサービス提供手段と、
を含むことを特徴とするミーティングシステム。 - 所定の伝送路を含むネットワークを介して接続され、仮想機械を実装した複数の処理装置間で、前記仮想機械で解釈可能な共通形式の配信データを送受信させる制御装置であって、
各処理装置を識別するためのID、当該処理装置が提供するサービス、当該処理装置の状態を示す管理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記管理テーブルに基づき、前記処理装置の前記ネットワークとの接続状態を管理するための管理手段と、
前記処理装置間での前記配信データの伝送を制御するための伝送制御手段と、
を含み、
前記管理手段は、サービス要求を示す配信データを受信した場合、前記管理テーブルを検索することにより、当該サービス要求に応答できるサービスを提供している処理装置を特定するとともに、当該処理装置が当該サービスを提供できる状態にあるかどうかを判別し、
前記伝送制御手段は、前記サービス要求を行った処理装置と、前記管理手段によって特定された処理装置との間で前記配信データを送受信させるために、前記サービス要求を行った処理装置と、前記管理手段によって特定された処理装置との接続を確立することを特徴とする制御装置。 - 所定の伝送路を含むネットワークを介して接続され、仮想機械を実装した複数の処理装置間で、前記仮想機械で解釈可能な共通形式の配信データを送受信させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、かつ、
コンピュータを、
各処理装置を識別するためのID、当該処理装置が提供するサービス、当該処理装置の状態を示す管理テーブルを記憶する記憶手段と、
前記管理テーブルに基づき、前記処理装置の前記ネットワークとの接続状態を管理するための管理手段と、
前記処理装置間での前記配信データの伝送を制御するための伝送制御手段として機能させるためのプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、
前記管理手段は、サービス要求を示す配信データを受信した場合、前記管理テーブルを検索することにより、当該サービス要求に応答できるサービスを提供している処理装置を特定するとともに、当該処理装置が当該サービスを提供できる状態にあるかどうかを判別 し、
前記伝送制御手段は、前記サービス要求を行った処理装置と、前記管理手段によって特定された処理装置との間で前記配信データを送受信させるために、前記サービス要求を行った処理装置と、前記管理手段によって特定された処理装置との接続を確立することを特徴とする情報記憶媒体。
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