JP3615539B2 - ロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法 - Google Patents

ロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも複数の可動部を備えたロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法に係り、特に、さまざまな環境下での使用が想定されるロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、反射的エラーが生じた際の動作を保証するロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法に係り、特に、反射的エラーの発生に対する回避処理を自律的に行なうロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法に関する。
また、本発明は、リモート・コントローラなどを介してユーザが遠隔操作を行なうことができるロボット装置(自律ロボット装置など)の動作制御装置及び動作制御方法に係り、特に、遠隔操作の最中に反射的エラーが発生したことに応答して、自律的な回避処理により動作を保証するロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法に関する。
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行なう機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の“ROBOTA(奴隷機械)”に由来すると言われている。わが国では、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
最近では、ヒトやサルなどの2足直立歩行を行なう動物の身体メカニズムや動作を模した脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている(例えば、特許文献1を参照のこと)。2足直立による脚式移動は、クローラ式や、4足又は6足式などに比し不安定で姿勢制御や歩行制御が難しくなるが、不整地や障害物など作業経路上に凹凸のある歩行面や、階段や梯子の昇降など不連続な歩行面に対応することができるなど、柔軟な移動作業を実現できるという点で優れている。
また、ヒトの生体メカニズムや動作を再現した脚式移動ロボットのことを、特に、「人間形」、若しくは「人間型」のロボット(humanoid robot)と呼ぶ。人間型ロボットは、例えば、生活支援、すなわち住環境その他の日常生活上のさまざまな場面における人的活動の支援などを行なうことができる。
人間の作業空間や居住空間のほとんどは、2足直立歩行という人間が持つ身体メカニズムや行動様式に合わせて形成されおり、車輪その他の駆動装置を移動手段とした現状の機械システムが移動するのには多くの障壁が存在する。したがって、機械システムすなわちロボットがさまざまな人的作業を代行し、さらに人間の住空間に深く浸透していくためには、ロボットの移動可能範囲が人間のそれとほぼ同じであることが好ましい。これが、脚式移動ロボットの実用化が大いに期待されている所以でもある。
高い脚式移動ロボットは、整地・不整地を問わず、あらゆる環境下での使用が想定され、機体の制御系が保証する運用条件を逸脱するような場面が多々存在する。このため、予期しない反射的エラーが発生する可能性が他の機械装置に比べて高いので、各エラーに対する回避処理をロボットが自律的に行なうことが望まれている。
また、最近では、遠隔操作によってロボットの所望の歩行動作をロボットの制御装置に指令するようにすることが考えられる(例えば、特許文献2を参照のこと)。しかしながら、遠隔操作系(遠隔操作装置など)の各種ロボットの多くは、遠隔的な操作機能にのみ重点が置かれており、操作中に予期しないエラーが発生した場合など遠隔地における安全対策にはあまり注力されていない。
特開平13−129775号公報 特開2002−210679号公報
本発明の目的は、反射的エラーが生じた際の動作を保証することができる、優れたロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、反射的エラーの発生に対する回避処理を自律的に行なうことができる、優れたロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、リモート・コントローラなどを介してユーザが遠隔操作を行なうことができる、優れたロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、遠隔操作の最中にエラーが発生したことに応答して、自律的な回避処理により動作を保証することができる、優れたロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、少なくとも複数本の可動脚を備えたロボット装置の動作制御装置又は動作制御方法であって、
操作系から入力された機体操作用コマンドを受信するコマンド受信手段又はステップと、
該機体操作用コマンドが指定する機体動作を実行する動作実現手段又はステップと、
機体上の内部状態を検出してセンサ情報を出力するセンサ手段又はステップと、
該センサ情報に基づいて機体上に発生するエラー及び/又はエラーの解除を検出するエラー検出手段又はステップと、
エラー検出に応答して前記動作実現手段又はステップによる機体操作用コマンドの処理を停止し、及び/又は、エラー解除に応答して機体操作用コマンドの処理を再開させるゲート手段又はステップと、
を具備することを特徴とするロボット装置の動作制御装置又は動作制御方法である。
ここで、前記コマンド受信手段又はステップは、TCP/IP又はその他の通信プロトコルを実装し、外部の遠隔操作装置と無線又は有線のデータ通信を行なうことができる。
また、前記動作実現手段又はステップは、機体操作用コマンドに応じて、頭、体、腕、脚といったリソース単位で処理を分配するロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュールと、各リソースに対する動作を計画し、内容に応じたロコモーション生成又はモーション再生の依頼を行なうエージェントと、前記エージェントからの依頼に応じてリアルタイムに歩容を生成し又は依頼されたモーションに応じて、各関節角度の指令値を変更するロコモーション生成又はモーション再生手段とで構成される。
本発明では、ロコモーション生成部並びにモーション再生には、ゲートという概念が導入されている。このゲートがオープンしている間は、クライアントからのコマンドを受け付けて、ロコモーション生成やモーション再生を行なうが、ゲートがクローズすると、コマンドを拒否することができる。このようなゲートのオープン/クローズ操作は、エラー検出結果に応じて行なわれる。また、ゲートのクローズ時にも、ゲートは、エラーを解除するためのコマンドには対処することができ、エラー回避動作を実現することができる。
本発明の第1の側面に係るロボット装置の動作制御装置又は動作制御方法は、前記エラー検出手段又はステップによるエラー検出結果に応じたエラー解除動作を実行するエラー解除手段又はステップをさらに備えていてもよい。
また、前記エラー検出手段又はステップは、エラーが機体や外部環境に及ぼす影響などを考慮して、トルク・リミッタ、過電流検出、挟み込み、転倒、安定判別の優先順位でエラーを検出するようにしてもよい。
また、前記エラー解除手段又はステップは、関節アクチュエータにおけるトルク・リミッタのエラーが検出されたことに応答して、トルク・リミッタの働いている箇所となる各関節アクチュエータのゲインを落とし、各関節角度指令値を計測値に変更し、トルクを下げるようにしてもよい。
また、前記エラー解除手段又はステップは、関節アクチュエータにおける過電流が検出されたことに応答して、過電流発生個所となる関節アクチュエータのゲインを落とし、各関節角度指令値を計測値に変更し、トルクを下げるようにしてもよい。
また、前記エラー解除手段又はステップは、関節における挟み込みが検出されたことに応答して、挟み込み個所となる関節アクチュエータのゲインを落とすようにしてもよい。
また、前記エラー解除手段又はステップは、機体の転倒が検出されたことに応答して、各関節アクチュエータのゲインを落とし、倒れる向きに応じた受身姿勢をとるようにしてもよい。
また、前記エラー解除手段又はステップは、機体の安定を失っていると検出されたことに応答して、倒れないように脚を踏ん張り重心を上げる動作を行なうよう前記動作実現手段又はステップに指示するようにしてもよい。
また、エラー検出に応答してロボットが未知姿勢に陥ったときに、未知姿勢から最も近い既知姿勢へと復帰し、所定の姿勢遷移モデルへ復帰させる復帰マネージャをさらに備えていてもよい。
また、本発明の第2の側面は、少なくとも複数の可動部を備えたロボット装置の遠隔操作装置又は遠隔制御方法であって、
ユーザから前記ロボット装置操作用の指示の入力を受容する入力手段又はステップと、
前記入力手段又はステップを介した前記ロボット装置操作用の指示を機体操作用コマンドに変換して前記脚式移動ロボットに転送するコマンド処理手段又はステップと、
前記ロボット装置側からのエラー検出結果を受信して前記入力手段又はステップにフィードバックするフィードバック手段又はステップと、
を具備することを特徴とするロボット装置の遠隔操作装置又は遠隔制御方法である。
前記フィードバック手段又はステップは、前記ロボット装置側からのエラー検出結果を受信したことに応答して、前記入力手段からの入力を制限するようにしてもよい。
また、前記フィードバック手段又はステップは、前記ロボット装置側からエラーの解除が通知されたことに応答して、前記入力手段からの入力制限を解除するようにしてもよい。
また、前記フィードバック手段又はステップは、前記ロボット装置側から通知されたエラー検出の種別が機体の転倒であった場合には、前記入力手段に衝撃を印加するようにしてもよい。
本発明によれば、反射的エラーが生じた際の動作を保証することができる、優れたロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法を提供することができる。
また、本発明によれば、反射的エラーの発生に対する回避処理を自律的に行なうことができる、優れたロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法を提供することができる。
また、本発明によれば、リモート・コントローラなどを介してユーザが遠隔操作を行なうことができる、優れたロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法を提供することができる。
また、本発明によれば、遠隔操作の最中に反射的エラーが発生したことに応答して、自律的な回避処理により動作を保証することができる、優れたロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置の遠隔操作装置及び遠隔操作方法を提供することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
図1には、本発明の実施に供される脚式移動ロボットの自由度構成を模式的に示している。
同図に示すロボットは、二脚二腕を有する人間型ロボットである。本ロボットは、機体に四肢が取り付けられ、肩関節ピッチ軸、肩関節ロール軸、上腕ヨー軸、肘関節ピッチ軸、前腕ヨー軸、手首ロール軸、手首ピッチ軸という7自由度からなる左右の腕部と、股関節ヨー軸、股関節ロール軸、股関節ピッチ軸、膝ピッチ軸、足首ピッチ軸、足首ロール軸という6自由度からなる左右の脚部で構成されている。
これらの各関節自由度は、実際にはアクチュエータ・モータにより実現される。本実施形態では、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータを搭載する。なお、 この種のACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2000−299970号公報(特願平11−33386号明細書)に開示されている。
機体には、加速度センサA1及びジャイロG1が搭載されている。また、左右の足底四隅には、足底面垂直方向の床反力を検出する1軸ロードセル(F1〜F8)と、床面までの距離を測定する赤外線測距センサ(D1〜D8)がそれぞれ4つ取り付けられている。また、左右の足底中央部には、それぞれ加速度センサ(A2,A3)及びジャイロ(G2,G3)が取り付けられている。
本実施形態に係る脚式移動ロボットは、「ZMP(Zero Moment Point)」を歩行の安定度判別の規範として用いている。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが路面から歩行系への反作用としての床反力並びに床反力モーメントとバランスするという「ダランベールの原理」に基づく。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形(すなわちZMP安定領域)の内側にピッチ軸及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわちZMPが存在する。要約すれば、ZMP規範とは、「歩行のあらゆる瞬間において、ZMPが足部と路面とが形成する支持多角形の内側に存在し、且つ、ロボットが路面に押す方向の力が作用すれば、ロボットが転倒(機体が回転運動)することなく安定に歩行できる」とするものである。
ZMP規範に基づく2足歩行パターン生成によれば、足底着地点をあらかじめ設定することができ、路面形状に応じた足先の運動学的拘束条件を考慮し易いなどの利点がある。また、ZMPを安定度判別規範とすることは、力ではなく軌道を運動制御上の目標値として扱うことを意味するので、技術的に実現可能性が高まる。
なお、ZMPの概念並びにZMPを歩行ロボットの安定度判別規範に適用する点については、Miomir Vukobratovic著“LEGGED LOCOMOTION ROBOTS”(加藤一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社))に記載されている。
図2には、本実施形態に係る脚式移動ロボットに適用される動作制御システムの機能構成を模式的に示している。
図示の通り、本実施形態に係る脚式移動ロボットは、機体に内部実装され自律動作を制御する思考系モジュール20によるコマンドや、機体外に実装された遠隔操作系(遠隔操作装置など)30からのコマンドに従って動作するようになっている。
思考系モジュール20は、機体上における自律的な行動や動作を実現する。
また、遠隔操作系(遠隔操作装置など)のモジュール30は、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)のような無線LAN機能を備えた計算機システムで構成され、入力デバイスとPCアプリケーション31を備えている。
入力デバイス32は、ジョイスティックやキーボード、マウスなどのユーザ入力装置で構成され、ユーザからの手動操作に基づくロボットに対する指示を受容する。
PCアプリケーション31は、ロボットと無線LAN経由で接続し、実ロボットとの間でデータ交換を行なう。PCアプリケーション31は、入力デバイス信号を常時監視し、それをロボット用のコマンドに変換し、ロボットに送信するとともに、ロボット側からの返答やエラー通知を受け取ることができる。
ゲートウェイ19は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを実装し、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30などの外部のコンピュータとの通信(無線又は有線)を実現するロボット内オブジェクトである。
ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、送られてきたコマンドに応じて、頭、体、腕、脚といったリソース単位で処理を分配する。また、姿勢遷移に関して、整合性を判断し、コマンドに対し不整合な姿勢から整合性のある姿勢へとの遷移も担当する。
復帰マネージャ12は、ロボットが未知姿勢に陥ったときに、未知姿勢から最も近い既知姿勢へと復帰し、所定の姿勢遷移モデルへ復帰させる。
エージェント群は、各リソースに対する動作を計画し、内容に応じたロコモーション生成、モーション再生などの依頼を行なう。図示の例では、エージェント群には、頭部の動作を計画するHeadAgent13A、胴体の動作を計画するBodyAgent13B、歩行動作を計画するWalkAgent13Cなどが用意されている。
ロコモーション生成部14は、エージェントからの依頼に応じて、リアルタイムに歩容を生成するオブジェクトであり、生成結果に対して、姿勢の安定化も考慮して、下肢の各関節角度を算出し、デバイスへの指令値を作成する。
モーション再生部15は、エージェントからの依頼されたモーションに応じて、各関節角度の指令値を変更する。
エラー検出部16は、常時、各デバイスからのセンサ値を参照し、エラー状態の有無を監視する。ここで言うエラー状態として、例えば、トルク・リミッタ、過電流検出、挟み込み、転倒、安定判別などを挙げることができる。エラーには、優先順位が設定されており、優先順位の高いものから検出及び回避処理を行なう。
本実施形態では、ロコモーション生成部14とモーション再生部15にはゲート(Gate)17という概念が導入されている。このゲート17がオープンしている間は、ロコモーション生成部14とモーション再生部15はクライアントからのコマンドを受け付けるが、ゲート17がクローズすると、コマンドを拒否することができる。また、ゲート17のオープン/クローズ操作は、エラー検出部16が担当する。また、ゲート17のクローズ時にも、ゲート17は、エラー検出部16からのコマンドには対処することができ、エラー回避動作を実現することができる。
デバイス・マネージャ18は、アクチュエータやセンサなど、ロボットを構成する各デバイスと通信を行ない、指令値の送信や計測値の受信を行なう。
図2に示す動作制御システムの基本動作は、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30においては、PC上のアプリケーション31で入力デバイス信号を監視し、ロボット用コマンドに変換する。作成されたコマンドは無線LAN経由でロボット内のゲートウェイ19を通して、ロボットのリソース管理及び姿勢遷移制御系モジュール11に送られる。その後、そのコマンドに対する返答が同様にPCアプリケーション31に送られる。
エラー検出時には、依頼されたコマンドがロボット内部処理によって、すべてブロックされ、操作系入力における影響がロボットに悪影響を及ぼすことはない。また、発生したエラーの種別も操作系に送られるので、それに応じた、入力デバイス32へのフィードバックを掛けることができる。また、エラー解消時には、その旨の通知が操作系に送られ、遠隔操作系(遠隔操作装置など)からの通常のコマンド入力を再開することができる。
一方、ロボットの自律行動時には、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30の代わりに思考系モジュール20からコマンド送信を行なうことができる。エラー検出時には、依頼されたコマンドがロボット内部処理によって、すべてブロックされる。また、エラー解消時には、その旨の通知が操作系に送られ、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30からの通常のコマンド入力を再開することができる。また、エラー発生時にも、思考系モジュール20においてエラー種別に応じた任意の感情表現を行なうなどの処理に利用できる。
以下、この動作制御システムの動作について説明する。
遠隔操作を行なう場合、PCアプリケーション31は、入力デバイス32を介して得られた入力情報を基にロボットに対するコマンドを発行し、これを無線LAN経由でロボットに転送する。
ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御11モジュールは、ゲートウェイ19を介して、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30からのコマンドを受信すると、該当するエージェント13によって各リソースに対する動作を計画し、その内容に応じて、ロコモーション生成部14又はモーション再生部15に動作の発現を依頼する。ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、デバイス・マネージャ18をコールして、該当するロボットの各種デバイスに対して指令値を送信する。
ロボットの各種デバイスからは、指令値に基づいて駆動したときに検出されるセンサ情報を、指令の伝播とは逆の経路で、入力デバイスまで伝達される。
また、デバイス・マネージャ18は、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30からの指令値に基づいて駆動したときに検出されるセンサ情報を、エラー検出部16にも通知する。
エラー検出部16は、センサ情報に基づいて、トルク・リミッタ、過電流検出、挟み込み、転倒、安定判別などのエラーを検出する。そして、機体上のエラーを検出すると、ロコモーション生成部14とモーション再生部15にゲート17のクローズを指示する。ロコモーション生成部14とモーション再生部15は、ゲート・クローズに応答して、ゲート17を介したクライアント(遠隔操作系30又は思考系モジュール20)からのコマンドを拒否する。
また、エラー検出部16は、ゲート17のクローズ指示とともに、ロコモーション生成部14又はモーション再生部15に対して、エラー検出時の機体動作を依頼するコマンドを発行する。
また、エラー検出部16は、エラーを検出したとき、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11に対してエラー通知を行なう。ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、ゲートウェイ19経由で遠隔操作系(遠隔操作装置など)30にエラー種別を通知する。また、思考系モジュール20にもエラー種別を通知する。
ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、エラー検出部16からのコマンドに従って、エラー回避処理を行なう。また、ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、コマンド実行に伴うステータスをエラー検出部16に返す。
エラー検出部16は、ロボットの各種デバイスからのセンサ情報に基づいて、エラーが解除されたかどうかを判別する。そして、エラーが解除されると、ロコモーション生成部14及びモーション再生部15に対してゲート17のオープンを指示する。ゲート17のオープンに伴い、ロコモーション生成部14及びモーション再生部15は、ゲート17を介したクライアントからのコマンドを受け付けることができる。
また、エラー検出部16は、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11にも、エラー解除を通知する。ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、ゲートウェイ19経由で遠隔操作系(遠隔操作装置など)30に復帰終了通知を送るとともに、思考系モジュール20にも復帰終了通知を送る。
図3には、歩行(WALK)という動作を例にとって、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30からの指示に基づいてロボットが動作する場合のシーケンスを示している。
入力デバイス32を介してユーザからのWALK指示が入力されると、PCアプリケーション31上で、ロボット用操作用のWALKコマンドに変換され、ゲートウェイ19越しにロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11に送信される。
ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30から依頼されたWALKコマンドに応じた動作を該当するエージェント13に依頼する。エージェント13は、ロコモーション生成部14又はモーション再生部15にWALKコマンドを発行する。ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、WALKコマンドに従った機体動作を実現するために各関節角度をデバイス・マネージャ18に設定し、デバイス・マネージャ18は、これに基づいてロボットの各デバイスを駆動する。
ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、コマンドに対する返答(STATUS)をエージェント13に返す。この返答は、ゲートウェイ19越しにPCアプリケーション31に返される。そして、一連のモーションが完結するまで、上記の動作を繰り返す。
デバイス・マネージャ18は、ロボットの各デバイスから取得されるセンサ情報を、エラー検出部16に供給する。エラー検出部16は、このセンサ情報に基づいて、機体上で発生したエラーを検出することができる。
ここで、WALKコマンドの実行中に、エラー検出部16が「転倒」というエラーを検出したとする。エラー検出部16は、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11にエラー通知(NOTIFY ERROR)を行ない、さらにロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、ゲートウェイ19越しにPCアプリケーション31にエラー通知を行なう。そして、PCアプリケーション31は、入力デバイス32にエラー通知をフィードバックしたり、入力デバイス32を介した入力を制限したりする。
また、エラー検出部16は、ロコモーション生成部14又はモーション再生部15に対して、WALK動作の停止(STOP)並びにゲート17のクローズ(GATE CLOSE)を指示する。ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、コマンドに対する返答(STATUS(FAIL))をエージェント13に返す。この返答は、エージェント13、復帰マネージャ12、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11を経て、ゲートウェイ19越しにPCアプリケーション31に返される。
さらに、エラー検出部16は、生じたエラーに対する回避行動をロコモーション生成部14又はモーション再生部15に指示する。初期転倒を検出したら検出回避行動を取るが、図示の例ではエラーの内容は「転倒」なので、受身姿勢をとるように、ロコモーション生成部14又はモーション再生部15に指示する。ちなみに、挟み込みを検出したら、動きを止め、該当する関節アクチュエータのゲインを低下させる。また、過電流及びトルク・リミッタを検出したら動きを緩くする。このような回避行動の指示は、対象とするエラーが解消されるまで繰り返し行なわれる。
ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、エラー回避行動を完了すると、これをエラー検出部16に通知する(COMPLETE)。そして、エラー検出部16は、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11に対して、エラー回避処理が終了した旨の通知を行なう。
ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、エラー回避処理の終了に応答して、ゲート17のオープン(GATE OPEN)をエラー検出部16に指示する。エラー検出部16は、さらにロコモーション生成部14及びモーション再生部15にゲート17のオープンを指示する。ゲート17のオープンが完了すると、ロコモーション生成部14及びモーション再生部15はエラー検出部16にこれを通知する(COMPLETE)。これ以後、ロコモーション生成部141及びモーション再生部5は、再びクライアントからのコマンドを受け付けることができる。
エラー回避行動をとった後、エラー処理のためロボットの姿勢が想定していない状態となっている可能性がある。そこで、エラー検出部16は、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11に対して、未知姿勢から最も近い既知姿勢へ復帰させるためのRECOVERYコマンドを発行する。ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、RECOVERYコマンドに応答して、復帰マネージャ12をコールする。
復帰マネージャ12は、デバイス・マネージャ18からセンサ情報を取得して、現在の未知姿勢に最も近い既知の姿勢を探索し(POSTURE DETECT)、既知姿勢への遷移を実行する。既知姿勢への遷移が完了すると、これをエラー検出部16に通知する(COMPLETE)。未知姿勢が転倒である場合、これに最も近い既知姿勢は、例えば仰向け姿勢又はうつ伏せ姿勢である。
エラー検出部16は、既知姿勢への復帰(STATUS(SUCCESS))を、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11に通知する。ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、所定の姿勢遷移モデルを用いて、既知姿勢から姿勢遷移モデル上の基本姿勢に遷移させる。既知姿勢が例えば仰向け姿勢又はうつ伏せ姿勢であれば、基本寝姿勢に設定する。
これが完了すると、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、ゲートウェイ越しにPCアプリケーション31に対してエラーからの回復終了を通知する(NOTIFY RECOVERY END)。PCアプリケーション31は、これを入力デバイス32にフィードバックする。例えば、エラー検出により入力が制限されている場合には、入力制限を解除する。この結果、入力デバイス32からの入力が再開される。
遠隔操作系(遠隔操作装置など)30からのロボット用コマンドの送信再開時に、姿勢の不整合が生じた際には、それに応じた姿勢遷移が発生して、自動的にロボット側で整合の取れた姿勢へと移行してからコマンドの実行を始める。
図示の例では、遠隔操作系(遠隔操作装置など)からWALKコマンドが送られてきたときに、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、ロボットが寝姿勢にあり受信コマンドを実行するには姿勢が不整合であることを検出する。これに応答して、所定の姿勢遷移モデルを起動して、立ち姿勢に移行させる。このため、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、エージェント13に対してSTANDUPコマンドを発行し、エージェント13はロコモーション生成部14又はモーション再生部15に立ち姿勢への遷移を指示する。ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、立ち姿勢への遷移を実現するための各関節角度をデバイス・マネージャ18に設定する。
立ち姿勢への遷移が完了すると、ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、エージェント13にSTATUS(SUCCESS)を返し、エージェント13は、これをロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11に返す。ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、姿勢遷移モデルを立ち姿勢に設定する。
その後、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30から依頼されたWALKコマンドに応じた動作を該当するエージェント13に依頼する。エージェント13は、ロコモーション生成部14又はモーション再生部15にWALKコマンドを発行する。ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、WALKコマンドに従った機体動作を実現するために各関節角度をデバイス・マネージャ18に設定し、デバイス・マネージャ18は、これに基づいてロボットの各デバイスを駆動する。
ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、コマンドに対する返答(STATUS)をエージェント13に返す。この返答は、ゲートウェイ19越しにPCアプリケーション31に返される。そして、一連のモーションが完結するまで、上記の動作を繰り返す。
デバイス・マネージャ18は、ロボットの各デバイスから取得されるセンサ情報を、エラー検出部16に供給する。エラー検出部16は、このセンサ情報に基づいて、機体上でのエラーの発生を監視する。
以下同様にして、遠隔操作系(遠隔操作装置など)からのコマンドの実行並びにエラー検出、エラー処理、既知姿勢への移行、入力再開などの動作が繰り返し行なわれる。
図4には、歩行操作時における脚式移動ロボットのエラー検出処理の手順をフローチャートの形式で示している。
脚式移動ロボットの電源を投入すると、ハードウェアの自己診断やその他の初期化処理が実行される(ステップS1)。
次いで、PCなどで構成される遠隔操作系(遠隔操作装置など)との間で、無線LANあるいはその他のネットワーク形態でのコネクションを確立し(ステップS2)、コマンドの授受が可能な状態となる。
遠隔操作系(遠隔操作装置など)30から機体操作に関するコマンドを受信すると(ステップS3)、ロボットの各リソースの管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、操作内容が現在の機体における姿勢遷移モデル上の状態と整合するかどうかを判別する(ステップS4)。
操作コマンドが姿勢遷移モデル上の状態と整合しない場合には、操作コマンドと整合性のとれた姿勢を検索して(ステップS5)、姿勢遷移を実行する(ステップS6)。
次いで、ロコモーション生成部14又はモーション再生部15は、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30から入力された操作コマンドの各パラメータ(歩幅、歩行周期、方向)に応じた各関節角を逆キネマティクスなどの手法により導出し(ステップS7)、デバイス・マネージャ18は、各足底センサの値から姿勢安定化を考慮した制御量を付加し(ステップS8)、各アクチュエータへ指令値を送信する(ステップS9)。
遠隔操作系(遠隔操作装置など)30からのコマンドの入力がなかった場合(ステップS3)、又は、入力コマンドの処理が完了した後(ステップS9)、エラー検出部16は、デバイス・マネージャ18から返されるセンサ情報に基づいてエラーの検出を行なう(ステップS10)。
エラーが検出されなかった場合には、ステップS3に戻り、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30からの次のコマンド入力を待機する。一方、エラーが検出された場合には、エラー検出部は、ロコモーション生成部14及びモーション再生部15にエラーを通知して他の動作を停止するとともに、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11にもエラー通知する(ステップS12)。ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、さらにその上位の遠隔操作系(遠隔操作装置など)へエラー種別の通知を行なう。
エラー検出部16は、機体の動作保証という観点から、エラー検出の優先順位を持っている。本実施形態では、トルク・リミッタ、過電流、挟み込み、転倒検出、安定判別の順で優先順位が与えられている。
エラー検出部16は、まず各関節アクチュエータにおけるトルク・リミッタのエラー検出を行なう(ステップS12)。
トルク・リミッタのエラー検出は、例えばモータの発生トルクを電気的に検出する電気トルク・リミッタ装置を用いて行なうことができる。関節アクチュエータ用のモータに印加される負荷トルクには、衝突などによりリンクなどの部材の破壊に至る歪みエネルギを被るインパルス的な「衝撃負荷」と、このような衝撃負荷ほど高いトルクではないが、比較的高い負荷トルクが一定時間以上継続して(すなわち定常的に)印加され部材の塑性変形を招来する「定常負荷」に大別することができる。例えば、本出願人に既に譲渡されている特願2002−367253号明細書に記載の電気トルク・リミッタ装置によれば、定常負荷すなわち負荷トルクのDC成分を、モータの出力軸に連結されたリンクに印加されるトルクとモータによる発生トルクの絶対値の和に基づいて検出し、負荷トルクが所定時間以上継続して所定の閾値を越えたことに応答して、負荷のDC成分が過大であることを認識することができる。また、モータの出力軸に与えられるエネルギの変化量がモータに印加されるトルクと角速度の積に比例するという性質に基づいて、エネルギ変化量から負荷トルクを検出し、この負荷トルクが部材の破壊に至るような閾値を越えたことに応答して、負荷のAC成分が過大であることを認識することができる。
ここでエラーが検出された場合には、トルク・リミッタの働いている箇所となる各関節アクチュエータのゲインを落とし、各関節角度指令値を計測値に変更し、トルクを下げる(ステップS13)。また、トルク・リミッタ装置に解除命令を発する。
次いで、エラー検出部16は、各関節アクチュエータにおける過電流の検出を行なう(ステップS14)。例えば、アクチュエータに電力を供給する電源制御装置には過電流保護回路が装備されており、同一アクチュエータ上に定格電流(例えば2.5A)以上の電流が所定期間(例えば3秒)継続して流れた場合に、過電流を判定する。そして、過電流が検出された場合には、過電流発生個所となる関節アクチュエータのゲインを落とし、各関節角度指令値を計測値に変更し、トルクを下げる(ステップS15)。
次いで、エラー検出部16は、各関節における挟み込みの検出を行なう(ステップS16)。例えば、ある2つのリンクがなす角(ここでは、「挟み込み空間」と呼ぶ)をαとした場合に、α<0の方向(すなわち、挟み込み空間が閉じる方向)に少なくとも一方のリンクが動作している際、同一挟み込み空間内に配置されている挟み込みセンサ(例えば、タッチ・センサ)が反応した場合に、挟み込み検出と判定する。
そして、挟み込みが検出された場合には、挟み込み個所となる関節アクチュエータのゲインを落とす(ステップS17)。挟み込み発生時には、挟み込み部位に応じた対処処理を起動する。
上半身において挟み込みが検出された場合、バランスを崩さない状態で下半身の動き(歩行動作など)をゆっくり停止させるとともに、上半身は即時動きを止めて、該当する関節のゲインを下げてから若干柔らかくするとともに、挟み込み空間を広げる安全方向に該当関節を駆動する。
一方、下半身において挟み込みが検出された場合、関節のゲインを下げて若干柔らかくするとともに、挟み込み空間を広げる安全方向に該当関節を駆動する。なお、全身の動きを止めたことによりバランスを崩した場合には、転倒制御が起動する。
次いで、エラー検出部16は、機体の転倒の有無を検出する(ステップS18)。転倒したかどうかは、例えば以下の評価式を用いて判別することができる。但し、Δαはピッチ傾斜角偏差(腰姿勢の目標ピッチ角度とジャイロなどによる計測ピッチ角度との差)であり、Δβはロール傾斜角偏差(腰姿勢の目標ロール角度とジャイロなどによる計測ロール角度との差)であり、k並びεは正の定数である。
Figure 0003615539
転倒方向に関しては、以下の評価式を用いることができる。
Figure 0003615539
Figure 0003615539
また、上記と併用して、以下の評価式により転倒判別を行なうこともできる。
Figure 0003615539
転倒を検出した場合、各関節アクチュエータのゲインを落とし、倒れる向きに応じた受身姿勢をとる(ステップS19)。
次いで、エラー検出部16は、機体の安定度判別を行なう(ステップS20)。安定を失っている場合には、倒れないように脚を踏ん張り重心を上げる動作を行なうよう、ロコモーション生成部又はモーション再生部に指示する(ステップS21)。
ステップS13、S15、S17、S19、又はS21において検出されたエラーに応じた処理を行なった後、又はエラーが検出されなかった場合、エラーが解消したかどうかを判別する(ステップS22)。
エラーが解消されなかった場合には、ステップS10に戻り、上述したエラー検出処理を繰り返し実行する。
また、エラーが解消された場合には、ロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュール11は、現在の未知姿勢に最も近い既知姿勢を検索し(ステップS23)、姿勢遷移を実行してから(ステップS24)、ステップS3に戻り、遠隔操作系(遠隔操作装置など)からの次のコマンドの入力を待機する。
また、図5には、PCなどを用いて脚式移動ロボットを遠隔で歩行操作している際に、脚式移動ロボット側でエラー検出処理が行なわれたときの遠隔操作系(遠隔操作装置など)30での処理手順をフローチャートの形式で示している。
脚式移動ロボットの電源を投入すると、ロボット側ではハードウェアの自己診断やその他の初期化処理が実行される(ステップS31:同上)。
一方、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30であるPCなどの装置上では、操作系のアプリケーションを31起動する(ステップS32)。
そして、無線LANあるいはその他のネットワークの形態で、ロボットとのコネクションを確立し(ステップS33)、コマンドの授受が可能な状態となる。
遠隔操作系(遠隔操作装置など)30では、ジョイスティック、あるいはキーボードやマウスなど、ユーザがロボット操作用のコマンドを入力するための入力デバイス32を備えている。入力デバイス32からのコマンドの入力が発生すると(ステップS34)、この入力信号を歩行コマンド(歩幅、歩行周期、方向)に変換し(ステップS35)、ゲートウェイ19経由でロボットにコマンドを送信する(ステップS36)。
これに応答して、ロボット側では、コマンドに応じて歩行又は諸動作を実行し(ステップS37)、遠隔操作系(遠隔操作装置など)30に対してステータスを返す(ステップS38)。
入力デバイス32からの入力がなかった場合(ステップS34)、又はロボットからステータスを受信した後(ステップS38)、ロボット側でエラーが検出されたかどうかを判別する(ステップS39)。
また、エラーが検出されていない場合には、ステップS34に戻り、入力デバイス32からの次のユーザ・コマンドの入力を待機する。
一方、エラーが検出されている場合には、そのエラー種別を特定する。すなわち、ステップS40では、トルク・リミッタの作動の有無を判別する。トルク・リミッタのエラー検出は、例えばモータの発生トルクを電気的に検出する電気トルク・リミッタ装置を用いて行なうことができる(同上)。
また、ステップS41では過電流検出の有無を判別する。例えば、アクチュエータに電力を供給する電源制御装置には過電流保護回路が装備されており、同一アクチュエータ上に定格電流(例えば2.5A)以上の電流が所定期間(例えば3秒)継続して流れた場合に、過電流を判定する(同上)。
また、ステップS42では挟み込みの発生の有無を判別する。例えば、ある2つのリンクがなす角すなわち挟み込み空間が閉じる方向に少なくとも一方のリンクが動作している際、同一挟み込み空間内に配置されている挟み込みセンサが反応した場合に、挟み込み検出と判定する(同上)。
また、ステップS43では機体の転倒の有無を判別する。転倒したかどうかは、例えば上述した評価式を用いて判別することができる。また、ステップS44では機体が不安定状態か否かを判別する。
トルク・リミッタの作動、過電流、挟み込み、又は不安定状態のいずれかが検出された場合には、入力デバイスからの入力を制限する(ステップS45)。また、機体の転倒を検出した場合には、例えばジョイスティックに衝撃を印加するなどの入力デバイスを介したユーザ・フィードバックを行なった後に(ステップS46)、入力デバイスからの入力を制限する(ステップS45)。
そして、エラーが解除された場合には(ステップS47)、ステップS34に戻り、入力デバイスからの次の入力を待機する。
従来、遠隔操作系(遠隔操作装置など)の各種ロボットの多くは、遠隔的な操作機能にのみ重点が置かれており、操作中に予期しないエラーが発生した場合など遠隔地における安全対策にはあまり注力されていなかった。これに対し、本実施形態に係るロボット装置においては、上述したように、ゲートのオープン/クローズという概念を導入することにより、異常状態の発生時にはユーザの操作入力を無効化し、異常状態を解消するためのロボットの内部処理を優先するような、以下の仕組みを導入した。これにより、ロボットを遠隔操作する際の異常発生時に、ロボット自身の判断により異常回復処理をした方がよい場合は、ユーザからの操作入力を保留又は拒絶し、ロボット自身が取得した外部又は内部情報に基いて、正常状態への回復処理を行なう。特に、自律ロボットと遠隔操作のハイブリット遠隔操作システムを実現する。
(1)異常状態を検出した際には、ユーザからの通常の動作指令に関してそれを無視する。
(2)異常状態が発生したこと、又はゲートがクローズしたこと、又はロボットの内部的対処処理に制御が移行したことをユーザに通知する。
(3)異常状態解消時にはゲートをオープンする。
(4)異常状態が解消したこと、又はゲートがオープンしたこと、又はロボットの制御が内部対処処理から外部入力に移行したことをユーザに通知する。
(5)ゲート・オープン後は、通常通り、ユーザの操作入力を受け付ける。
(6)ロボットが転倒状態を検出したり、トルク・リミッタを検出したりといったロボット自身が物理的衝撃を受けているであろう場合には、ゲートのクローズによる外部入力の無視を行なうだけでなく、外部入力装置にその旨が直感的に伝わるように衝撃を印加する(例えば、ジョイスティックを振動させる)。
(7)ゲート・クローズ時には、入力を無視するだけでなく、外部入力装置に直感的にその旨が伝わるような情報を印加する(例えば、ジョイスティックを硬くして操作できなくする)。
(8)ゲート・オープン時には、再度入力が可能になったことを外部入力装置に直感的にその旨が伝わるような情報を印加する(例えば、硬くなっていたジョイスティックが柔らかくなり、再度入力が可能になる)。
(9)上記の(5)、(6)、(7)に示したように、ロボットの状態に応じてユーザへのフィードバック経路を持つ。
図6には、ゲート・クローズ中におけるロボットの内部対応処理の手順をフローチャートの形式で示している。ここでは、例えば転倒検出中に遠隔操作系(遠隔操作装置など)から歩行コマンドが転送されたような状況を想定する。
前方転倒を検出すると(ステップS51)、エラー発生状態に遷移し、エラー内容が上位制御系へ通知される(ステップS52)。エラー内容は、例えば、[エラー種別ID(前方転倒):処理種別ID(エラー処理開始):リソースID(エラー発生部位):時間(発生時刻)]などからなるエラー・データとして通知される。
そして、エラー通知とともに、ゲートをクローズし、ゲート・クローズ状態となる(ステップS53)。
次いで、エラーを回避する内部対応処理を行なうためのエラー回避状態に遷移する。ここでは、まず該当アクチュエータのゲイン・ダウン並びに受身モーションを続行する(ステップS54)。上位制御系からのコマンドの入力がある場合には(ステップS55)、そのコマンドを破棄し、その旨の返答を上位制御系へ返す(ステップS56)。ここで、上位から送られてくるコマンド・データは、例えば、[コマンド種別ID:歩幅x:歩幅y:歩幅z:旋回角度:歩行周期]などで構成される。また、コマンドを破棄した際に返答するコマンド結果データは、例えば、[コマンド種別ID:ステータス(コマンド失敗を示すID):reason(失敗の理由を示すID):posture(姿勢)]などで構成される。
そして、受身モーションが静定すると(ステップS57)、姿勢復帰状態に遷移する。ここでは、まず既知姿勢への復帰処理を続行する(ステップS58)。上位制御系からのコマンドの入力がある場合には(ステップS59)、そのコマンドを破棄し、その旨の返答を上位制御系へ返す(ステップS60)。コマンドやその返答データの構成は上述と同様である。
姿勢復帰処理が完了すると(ステップS61)、姿勢復帰状態を抜けてゲート・クローズ状態となる。そして、ゲートを再びオープンし(ステップS62)、ゲート・クローズ状態を抜けてエラー発生状態となる。
次いで、エラー処理が終了した旨を上位制御系などに通知する(ステップS63)。エラー処理終了の通知は、例えば、[エラー種別ID(前方転倒):処理種別ID(エラー処理終了):リソースID(エラー発生部位):時間(終了時刻)]で構成されるエラー・データを転送することにより行なわれる。
エラー処理終了の通知により、エラー発生状態を抜け、通常状態に戻る(ステップS64)。
上述したように、実ロボット上でエラーが発生したときには、遠隔操作系(遠隔操作装置など)でユーザにフィードバックを与えるようになっている。以下では、フィードバックの印加方法について説明しておく。
遠隔操作系(遠隔操作装置など)におけるユーザ入力装置として、図7に示すようなジョイスティックを想定する。図示のジョイスティックは、xyの2軸方向それぞれにモータなどの駆動手段を搭載し、各軸に対して独立に力を印加することができる。
例えば実ロボットの転倒が発生した場合には、ジョイスティックに対し、転倒した方向に応じて荷重を加える(図8を参照のこと)。後ろ方向への転倒ならばy軸の正方向、左転倒ならx軸の負の方向へ荷重を加えるようにする。
また、トルクリミッタが発動した場合には、発動した箇所や衝撃の大きさに応じて、ジョイスティックに振動を印加する(図9を参照のこと)。例えば、手先や頭なら振動を小さく、下半身ならば大きい振動を与えるようにする。さらに衝撃の大きさに比例した振幅の振動を与える。衝撃の向きは、前進中ならば前後になど、現在行なっている動作に対応させて任意に決定してもよい。
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と称される製品には限定されない。すなわち、電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行なう機械装置あるいはその他一般的な移動体装置であるならば、例えば玩具などのような他の産業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
図1は、本発明の実施に供される脚式移動ロボットの自由度構成を模式的に示した図である。 図2は、本発明の実施形態に係る脚式移動ロボットに適用される動作制御システムの機能構成を模式的に示した図である。 図3は、遠隔操作系(遠隔操作装置など)からの指示に基づいてロボットが動作する場合のシーケンスを示した図である。 図4は、歩行操作時における脚式移動ロボットのエラー検出処理の手順を示したフローチャートである。 図5は、脚式移動ロボット側でエラー検出処理が行なわれたときの遠隔操作系(遠隔操作装置など)での処理手順を示したフローチャートである。 図6は、ゲート・クローズ中のロボットの内部対応処理の手順を示したフローチャートである。 図7は、遠隔操作系(遠隔操作装置など)のユーザ入力装置として用いられるジョイスティックの構成を示した図である。 図8は、実ロボットの転倒が発生した場合のジョイスティックにユーザ・フィードバックが与えられる様子を示した図である。 図9は、トルクリミッタが発動した場合のジョイスティックにユーザ・フィードバックが与えられる様子を示した図である。
符号の説明
11…ロボットの各リソースの管理及び姿勢遷移制御モジュール
12…復帰マネージャ
13…エージェント
14…ロコモーション生成部
15…モーション再生部
16…エラー検出部
17…ゲート
18…デバイス・マネージャ
19…ゲートウェイ
20…思考系モジュール
30…遠隔操作系(遠隔操作装置など)
31…PCアプリケーション
32…入力デバイス

Claims (22)

  1. 少なくとも複数の可動部を備えたロボット装置の動作制御装置であって、
    操作系から入力された機体操作用コマンドを受信するコマンド受信手段と、
    該機体操作用コマンドが指定する機体動作を実行する動作実行手段と、
    機体の内部状態を検出してセンサ情報を出力するセンサ手段と、
    該センサ情報に基づいて機体に発生するエラー又はエラーの解除を検出するエラー検出手段と、
    前記エラー検出手段によるエラー検出結果に応じたエラー解除動作を実行するエラー解除手段と、
    エラー検出に応答して前記動作実行手段による機体操作用コマンドの処理を停止し、エラー解除に応答して機体操作用コマンドの処理を再開させるゲート手段と、
    を具備することを特徴とするロボット装置の動作制御装置。
  2. 前記動作実行手段は、
    リソース単位で機体操作用コマンドの処理を分配し、前記機体操作用コマンドに整合する姿勢へ遷移させるロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュールと、
    リソース毎に設けられ、分配された機体操作用コマンドの処理に従って該当するリソースに関する動作を計画し、計画された動作内容に応じたロコモーション生成又はモーション再生の要求を行なうエージェントと、
    前記エージェントからの要求に応じてリアルタイムに歩容を生成し又は要求されたモーションに応じて、各関節角度の指令値を変更するロコモーション生成又はモーション再生手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のロボット装置の動作制御装置。
  3. エラー検出に応答してロボットが未知姿勢に陥ったときに、未知姿勢から最も近い既知姿勢へと復帰し、所定の姿勢遷移モデルへ復帰させる復帰マネージャをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置の動作制御装置。
  4. 少なくとも可動脚と体幹、腰を備えたロボット装置の動作制御装置であって、
    操作系から入力された機体操作用コマンドを受信するコマンド受信手段と、
    該機体操作用コマンドが指定する機体動作を実行する動作実行手段と、
    機体の内部状態を検出してセンサ情報を出力するセンサ手段と、
    該センサ情報に基づいて機体に発生するエラー又はエラーの解除を検出するエラー検出手段と、
    前記エラー検出手段によるエラー検出結果に応じたエラー解除動作を実行するエラー解除手段とを備え、
    前記動作実行手段は、
    リソース単位で機体操作用コマンドの処理を分配し、前記機体操作用コマンドに整合する姿勢へ遷移させるロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュールと、
    リソース毎に設けられ、分配された機体操作用コマンドの処理に従って該当するリソースに関する動作を計画し、計画された動作内容に応じたロコモーション生成又はモーション再生の要求を行なうエージェントと、
    前記エージェントからの要求に応じてリアルタイムに歩容を生成し又は要求されたモーションに応じて、各関節角度の指令値を変更するロコモーション生成又はモーション再生手段とを備える、
    ことを特徴とするロボット装置の動作制御装置。
  5. 少なくとも複数の可動部を備えたロボット装置の動作制御装置であって、
    操作系から入力された機体操作用コマンドを受信するコマンド受信手段と、
    該機体操作用コマンドが指定する機体動作を実行する動作実行手段と、
    機体の内部状態を検出してセンサ情報を出力するセンサ手段と、
    該センサ情報に基づいて機体に発生するエラー又はエラーの解除を検出するエラー検出手段と、
    前記エラー検出手段によるエラー検出結果に応じたエラー解除動作を実行するエラー解除手段と、
    エラー検出に応答してロボットが未知姿勢に陥ったときに、未知姿勢から最も近い既知姿勢へと復帰し、所定の姿勢遷移モデルへ復帰させる復帰マネージャと、
    を具備することを特徴とするロボット装置の動作制御装置。
  6. 前記エラー検出手段は、トルク・リミッタ、過電流検出、挟み込み、転倒、安定判別の優先順位でエラーを検出する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のロボット装置の動作制御装置。
  7. 前記エラー解除手段は、関節アクチュエータにおけるトルク・リミッタのエラーが検出されたことに応答して、トルク・リミッタの働いている箇所となる各関節アクチュエータのゲインを落とし、各関節角度指令値を計測値に変更し、トルクを下げる、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のロボット装置の動作制御装置。
  8. 前記エラー解除手段は、関節アクチュエータにおける過電流が検出されたことに応答して、過電流発生個所となる関節アクチュエータのゲインを落とし、各関節角度指令値を計測値に変更し、トルクを下げる、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のロボット装置の動作制御装置。
  9. 前記エラー解除手段は、関節における挟み込みが検出されたことに応答して、挟み込み個所となる関節アクチュエータのゲインを落とす、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のロボット装置の動作制御装置。
  10. 前記エラー解除手段は、機体の転倒が検出されたことに応答して、各関節アクチュエータのゲインを落とし、倒れる向きに応じた受身姿勢をとる、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のロボット装置の動作制御装置。
  11. 前記エラー解除手段は、機体の安定を失っていると検出されたことに応答して、倒れないように脚を踏ん張り重心を上げる動作を行なうよう前記動作実行手段に指示する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のロボット装置の動作制御装置。
  12. 少なくとも複数の可動部を備えたロボット装置の動作制御方法であって、
    操作系から入力された機体操作用コマンドを受信するコマンド受信ステップと、
    該機体操作用コマンドが指定する機体動作を実行する動作実行ステップと、
    機体の内部状態を検出してセンサ情報を出力するセンシング・ステップと、
    該センサ情報に基づいて機体に発生するエラー又はエラーの解除を検出するエラー検出ステップと、
    前記エラー検出手段によるエラー検出結果に応じたエラー解除動作を実行するエラー解除ステップと、
    エラー検出に応答して前記動作実行ステップにおける機体操作用コマンドの処理を停止した後、エラー解除に応答して機体操作用コマンドの処理を再開させるゲーティング・ステップと、
    を具備することを特徴とするロボット装置の動作制御方法。
  13. 前記動作実行ステップは、
    リソース単位で機体操作用コマンドの処理を分配し、前記機体操作用コマンドに整合する姿勢へ遷移させるロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュールと、
    リソース毎に設けられ、分配された機体操作用コマンドの処理に従って該当するリソースに関する動作を計画し、計画された動作内容に応じたロコモーション生成又はモーション再生の要求を行なうエージェントと、
    前記エージェントからの要求に応じてリアルタイムに歩容を生成し又は要求されたモーションに応じて、各関節角度の指令値を変更するロコモーション生成又はモーション再生モジュールと、
    からなるプログラム・モジュールを起動することにより実現される、
    ことを特徴とする請求項12に記載のロボット装置の動作制御方法。
  14. エラー検出に応答してロボットが未知姿勢に陥ったときに、未知姿勢から最も近い既知姿勢へと復帰し、所定の姿勢遷移モデルへ復帰させる復帰ステップをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項12に記載のロボット装置の動作制御方法。
  15. 少なくとも可動脚と体幹、腰を備えたロボット装置の動作制御装置であって、
    操作系から入力された機体操作用コマンドを受信するコマンド受信ステップと、
    該機体操作用コマンドが指定する機体動作を実行する動作実行ステップと、
    機体の内部状態を検出してセンサ情報を出力するセンシング・ステップと、
    該センサ情報に基づいて機体に発生するエラー又はエラーの解除を検出するエラー検出ステップと、
    前記エラー検出ステップにおけるエラー検出結果に応じたエラー解除動作を実行するエラー解除ステップとを備え、
    前記動作実行ステップは、
    リソース単位で機体操作用コマンドの処理を分配し、前記機体操作用コマンドに整合する姿勢へ遷移させるロボットの各リソース管理及び姿勢遷移制御モジュールと、
    リソース毎に設けられ、分配された機体操作用コマンドの処理に従って該当するリソースに関する動作を計画し、計画された動作内容に応じたロコモーション生成又はモーション再生の要求を行なうエージェントと、
    前記エージェントからの要求に応じてリアルタイムに歩容を生成し又は要求されたモーションに応じて、各関節角度の指令値を変更するロコモーション生成又はモーション再生モジュールと、
    からなるプログラム・モジュールを起動することにより実現される、
    ことを特徴とするロボット装置の動作制御方法。
  16. 少なくとも複数の可動部を備えたロボット装置の動作制御方法であって、
    操作系から入力された機体操作用コマンドを受信するコマンド受信ステップと、
    該機体操作用コマンドが指定する機体動作を実行する動作実行ステップと、
    機体の内部状態を検出してセンサ情報を出力するセンシング・ステップと、
    該センサ情報に基づいて機体に発生するエラー又はエラーの解除を検出するエラー検出ステップと、
    前記エラー検出ステップにおけるエラー検出結果に応じたエラー解除動作を実行するエラー解除ステップと、
    エラー検出に応答してロボットが未知姿勢に陥ったときに、未知姿勢から最も近い既知姿勢へと復帰し、所定の姿勢遷移モデルへ復帰させる復帰ステップと、
    を具備することを特徴とするロボット装置の動作制御方法。
  17. 前記エラー検出ステップでは、トルク・リミッタ、過電流検出、挟み込み、転倒、安定判別の優先順位でエラーを検出する、
    ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のロボット装置の動作制御方法。
  18. 前記エラー解除ステップでは、関節アクチュエータにおけるトルク・リミッタのエラーが検出されたことに応答して、トルク・リミッタの働いている箇所となる各関節アクチュエータのゲインを落とし、各関節角度指令値を計測値に変更し、トルクを下げる、
    ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のロボット装置の動作制御方法。
  19. 前記エラー解除ステップでは、関節アクチュエータにおける過電流が検出されたことに応答して、過電流発生個所となる関節アクチュエータのゲインを落とし、各関節角度指令値を計測値に変更し、トルクを下げる、
    ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のロボット装置の動作制御方法。
  20. 前記エラー解除ステップでは、関節における挟み込みが検出されたことに応答して、挟み込み個所となる関節アクチュエータのゲインを落とす、
    ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のロボット装置の動作制御方法。
  21. 前記エラー解除ステップでは、機体の転倒が検出されたことに応答して、各関節アクチュエータのゲインを落とし、倒れる向きに応じた受身姿勢をとる、
    ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のロボット装置の動作制御方法。
  22. 前記エラー解除ステップでは、機体の安定を失っていると検出されたことに応答して、倒れないように脚を踏ん張り重心を上げる動作を行なうよう前記動作実現ステップに指示する、
    ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載のロボット装置の動作制御方法。
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