JP3614844B2 - 熱伝導基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂と無機フィラーの混合物により放熱性を向上させた回路基板に関し、特に、パワー用エレクトロニクス実装のための高放熱樹脂基板(熱伝導基板)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い、半導体の高密度、高機能化が要請されている。これによりそれらを実装するため回路基板もまた小型高密度なものが望まれている。その結果、回路基板の放熱を考慮した設計が重要となってきている。回路基板の放熱性を改良する技術として、従来のガラス−エポキシ樹脂によるプリント基板に対し、アルミニウムなどの金属基板を使用し、この金属基板の片面もしくは両面に絶縁層を介して回路パターンを形成する金属ベース基板が知られている。またより高熱伝導性を要求される場合は、アルミナや窒化アルミなどのセラミック基板に銅板をダイレクトに接合した基板が利用されている。比較的小電力な用途には、金属ベース基板が一般的に利用されるが、熱伝導を良くするため絶縁層が薄くなければならず、金属ベース間でノイズの影響を受けることと、絶縁耐圧に課題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の金属ベース基板およびセラミック基板は、性能およびコストの面で両立させることが難しいため、近年熱可塑性樹脂に熱伝導性フィラーを充填した組成物を電極であるリードフレームと一体化した射出成形による熱伝導モジュールが提案されている。この射出成形熱伝導モジュールは、セラミック基板によるそれと比べ機械的強度の面で優れている反面、熱可塑性樹脂に放熱性を付与するための無機フィラーを高濃度に充填することが困難であるため、放熱性が悪い。これは熱可塑性樹脂を高温で溶融させフィラーと混練する際、フィラー量が多いと溶融粘度が急激に高くなり混練できないばかりか射出成形すらできなくなるからである。また充填させるフィラーが研磨剤として作用し、成形金型を摩耗させ多数回の成形が困難となる。そのため充填フィラー量に限界が生じセラミック基板の熱伝導に対し低い性能しか得られないという問題点があった。
【0004】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、無機フィラーを高濃度に充填することが可能で、しかも簡易な工法によって作製される熱伝導モジュールが可能で、さらに基板の平面方向の熱膨脹係数が半導体と近く、放熱性に優れた熱伝導基板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の熱伝導基板は、混合物シートと、前記混合物シートの一方の面に設けられた第1の金属箔配線パターンと、前記混合物シートの他方の面に設けられた第2の金属箔配線パターンと、前記混合物シートに設けられ、前記第1の金属箔配線パターンと前記第2の金属箔配線パターンと電気的に接続するビアホールとを備え、
前記混合物シートは無機質フィラー70〜95重量部、熱硬化性樹脂組成物5〜30重量部とを含み、前記混合物シートの熱膨張係数が8〜20ppm/℃であり、かつ前記混合物シートの熱伝導率が1〜10W/mKであり、前記混合物シートに、さらにカップリング剤、分散剤、着色剤及び離型剤から選ばれた少なくとも1種を添加したことを特徴とする。
【0007】
前記本発明の熱伝導基板においては、熱伝導基板の抗折強度が10Kgf/mm2以上であることが好ましい。前記範囲であれば実用的な機械的強度となる。ここで抗折強度とは、下記の測定により行う。
【0008】
抗折強度の評価は、JIS R−1601(ファインセラミックの曲げ強さ試験方法)により定義された方法で評価した。評価方法は、一定寸法に加工した基板材料を試験片とし、一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加えて折れたときの、最大曲げ応力を計測することで求められる。3点曲げ強さとも呼ばれる。
試験片の形状および寸法
全長 Lr:36mm
幅 w:4.0±0.1mm
厚さ t:3.0±0.1mm
曲げ強度の計算(3点曲げの場合)
σ=3PL/2wt2
ここに σ:3点曲げ強さ(kgf/mm2)
P:試験片が破壊したときの最大荷重(kgf)
L:下部支点間距離(mm)
w:試験片の幅(mm)
t:試験片の厚み(mm)
また前記本発明の熱伝導基板においては、熱伝導基板の抗折強度が10〜20Kgf/mm2の範囲であることが好ましい。
【0009】
前記ビアホールに導電性樹脂組成物が充填されているか又はメッキによるスルーホールが形成されていることが好ましい。
【0010】
前記導電性樹脂組成物が、銀、銅及びニッケルから選ばれる少なくとも一つの金属粉を70〜95重量部と、熱硬化樹脂および硬化剤を5〜30重量部含むことが好ましい。前記配線パターンが片面粗面化された面を有する12〜200μm厚みの銅箔であることが好ましい。
【0011】
また前記本発明の熱伝導基板においては、無機質フィラーが、Al23、MgO、BN及びAlNから選ばれた少なくとも1種のフィラーであることが好ましい。これらのフィラーは熱伝導性に優れるからである。
【0012】
前記無機質フィラーの平均粒子直径が0.1〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0013】
前記熱硬化樹脂組成物の主成分が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂であることが好ましい。
【0014】
前記熱硬化樹脂組成物が臭素化された多官能エポキシ樹脂を主成分とし、さらに硬化剤としてビスフェノールA型ノボラック樹脂と、硬化促進剤としてイミダゾールを含むことが好ましい。
【0015】
前記臭素化された多官能エポキシ樹脂が60〜80重量部の範囲、硬化剤としてビスフェノールA型ノボラック樹脂が18〜39.9重量部の範囲、硬化促進剤としてイミダゾールが0.1〜2重量部の範囲であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
前記本発明の熱伝導基板用シート状物においては、半硬化又は部分硬化状態が、粘度:102〜105(Pa・s)の範囲であることが好ましい。可撓性と加工性にさらに優れるから所望の形に成型・加工が容易となる。特に好ましくは、半硬化又は部分硬化状態が、粘度:103〜104(Pa・s)の範囲である。
【0018】
ここでいうシート状物の粘度とは、以下の測定方法による。
【0019】
測定は、粘弾性測定装置(動的粘弾性測定装置MR−500、(株)レオロジ製)を用いる。シート状物を所定の寸法に加工し、コーン径17.97mm、コーン角1.15degのコーンプレートに挟み、サンプルに捩り方向の正弦波振動を与え、それにより生じたトルクの位相差などを計算し粘度を算出することで得られる。本シート状物の評価では1Hzの正弦波で歪み量0.1deg、荷重500gで25℃における値を求めた。
【0020】
以下、本発明の一実施例によるベアチップ実装用の熱伝導基板(片面配線、両面配線、多層配線基板)を図面に基づき説明する。
【0021】
図1は、本発明の参考例による熱伝導シート状物の構成を示す断面図である。図1において熱伝導シート状物100は、離型性フィルム101上に、造膜されている。その形成方法は、少なくとも無機質フィラーと熱硬化樹脂組成物と150℃以上の沸点を有する溶剤および100℃以下の沸点を有する溶剤からなる混合物スラリーを準備し、前記離型フィルム101上に造膜される。造膜の方法は、既存のドクターブレード法やコーター法さらには押し出し成形法が利用できる。そして、前記造膜されたスラリーの前記100℃以下の沸点を有する溶剤のみを乾燥することで可撓性を有する熱伝導シート状物を得ることができる。
【0022】
また同様に、少なくとも無機質フィラーと室温で固形の熱硬化樹脂と室温で液状の熱硬化樹脂組成物および100℃以下の沸点を有する溶剤の混合物スラリーを準備し、前記と同様に離型フィルム101上に造膜し、前記溶剤を乾燥することでも可撓性を有する熱伝導シート状物を得ることができる。
【0023】
前記熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂を挙げることができる。また前記無機フィラーとしては、Al23、MgO、BN、AlNを挙げることができる。前記150℃以上の沸点を有する溶剤としては、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテートを挙げることができる。
【0024】
また前記室温で液状の熱硬化樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、および液状フェノール樹脂を挙げることができる。
【0025】
さらに前記100℃以下の沸点を有する溶剤としては、メチルエチルケトン、イソプロパノール、トルエンを挙げることができる。また必要であれば、熱伝導シート状物組成物にさらにカップリング剤、分散剤、着色剤、離型剤を添加することも可能である。
【0026】
また、上記したように150℃以下の沸点を有する溶剤を添加することや室温で液状の熱硬化樹脂を添加し、100℃以下の沸点を有する溶剤を乾燥することで、適度な粘度(102〜105Pa・s)の半硬化又は部分硬化状態の熱伝導基板用シート状物が得られる。102Pa・s以下の粘度では、シート状物の粘着性が強すぎ離型フィルムから剥がせないばかりか、加工後の変形量が大きいので作業性が悪い。また、105Pa・s以上の粘度では、可撓性がなく室温での加工が困難となる。望ましくは103〜104Pa・sの範囲の粘度が作業性、加工性の面で最適である。
【0027】
この熱伝導シート状物を硬化させた基板本体として用いた熱伝導基板は、無機フィラーを大量に充填することができるので熱膨脹係数が半導体とほぼ同様にすることができるだけでなく、放熱性に優れた基板となる。
【0028】
参考例である図2A〜Eは、前記熱伝導シート状物100を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示す工程別断面図である。図2Aにおいて、200は前記のようにして作製された熱伝導シート状物であり、図2Bの201は、配線を形成するリードフレームである。リードフレーム201は、銅板を所望の形状に金型により打抜いて得ることもできるし、エッチング法で形成することも可能である。加工されたリードフレームの表面はニッケルメッキにより処理され、銅の酸化を防止したものが一般的に使用される。
【0029】
図2Cは、リードフレーム201と前記熱伝導シート状物200を重ね合せたものである。
【0030】
図2Dはリードフレームと熱伝導シート状物を加熱加圧し、リードフレームの表面まで熱伝導シート状物の可撓性を利用して熱伝導シート状物を充填し、さらに前記熱伝導シート状物の中の熱硬化樹脂を硬化させた状態を示している。次に図2Eは硬化後の熱伝導基板のリードフレームの必要部分を残してカットし、さらに取り出し電極とするためリードフレームを垂直に曲げ加工したものである。これにより熱伝導基板が作製される。その後半田による部品実装や、絶縁樹脂の充填などの工程があるが、ここでは本質ではないので省略している。
【0031】
図3(参考例)は図2により作製される熱伝導基板のリードフレーム接着面の反対側にさらに放熱性金属板302を形成したものである。
【0032】
図4A〜Fは、前記方法とは異なる両面配線を有する熱伝導基板の形成方法を示している。図4Aでは、離型性フィルム401上に造膜された熱伝導シート状物400を示している。図4Bは、上記熱伝導シート状物400の離型性フィルム401側から貫通穴402が形成されている。貫通穴の形成は、炭酸ガスやエキシマなどによるレーザー加工法や金型による加工さらには、ドリルによって形成することができる。レーザビームで穴あけ加工すると、微細なピッチで穴あけでき、しかも削り屑が出ないため好ましい。次の図4Cは、前記貫通穴402に導電性樹脂組成物403が充填されている。前記導電性樹脂組成物としては、例えば銅粉,エポキシ樹脂,及びエポキシ樹脂の硬化剤を混合してなる導電性ペーストを挙げることができる。図4Dは、さらに金属箔404を両面に重ねあわせる。この状態で加熱加圧し、図4Eのように前記熱伝導シート状物を硬化させ、最後に図4Fに示すように両面の金属箔を加工し、配線パターン405が得られる。これにより両面に配線パターンを有する熱伝導基板を得ることができる。この時、金属箔の代りに前述のリードフレームを用いることも可能であり、その際最後の配線パターン形成を省略することが可能となる。
【0033】
図5は図4により作製される熱伝導基板の両面の電気的接続方法が、導電性樹脂組成物によらず、加熱加圧による硬化後に貫通穴加工を行い、その後銅メッキ法により層間接続を行う方法により作製された熱伝導基板の断面図を示したものである。501は貫通穴に形成された銅メッキ層、502は配線パターン、500は前記熱伝導シート状物を硬化させた熱伝導基板を示している。
【0034】
図6は本発明の一実施例による熱伝導性多層配線基板の作製方法を示す工程別断面図である。図6A〜Cは図4に示した熱伝導シート状物に貫通穴加工し、導電性樹脂組成物を充填したものとまったく同じである。図6D、FおよびGは上記導電性樹脂組成物603を充填した熱伝導シート状物であり、さらにその片面に導電性樹脂組成物603を用いて配線パターン604を形成したものである。配線パターンの形成方法は、スクリーン印刷法や凹版オフセット印刷などにより形成することができる。図6Eは前記導電性樹脂組成物による配線パターンが形成されていない。
【0035】
図6Hは、前記の図6E〜Gに示す熱伝導シート状物を図のように重ねさらにその両面に金属箔605を重ねたものである。図6Iはこれを加熱加圧し、前記各々の熱伝導シート状物を硬化接着させたものであり、図6Jは、最後に最上層の配線パターン606を形成したものである。ここでの配線パターンの形成はエッチング法により行われる。エッチング法は、一般に例えば塩化第二鉄をエッチング液として用いたウエットエッチングが使用される。これにより多層配線構造を有する高密度な熱伝導基板が得られる。
【0036】
また、ここでは本来プリント基板は、半田レジストを塗布したり、文字や記号を印刷したり、挿入部品用の穴を開けるなどの工程があるが、これらの工程は公知の方法を採用できるので詳細な説明は省略している。
【0037】
参考例である図7A、Bは、前記熱伝導基板用シート状物700を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示す工程別断面図である。図7Aにおいて、700は前記のようにして作製された熱伝導基板用シート状物であり、701は配線を形成するためのリードフレームである。リードフレーム701は、銅板を所望の形状に金型により打抜いて得ることもできるし、エッチング法で形成することも可能である。加工されたリードフレームの表面はニッケルメッキにより処理され、銅の酸化を防止したものが一般的に使用される。702は、2層以上の配線層を有するプリント基板であり、配線パターン703と層間を電気的に接続するためのビア704を持っている。
【0038】
図7Bは前記リードフレーム701と熱伝導基板用シート状物700および2層以上の配線層を有するプリント基板702を加熱加圧し、リードフレーム700とプリント基板702の表面まで熱伝導基板用シート状物700の可撓性を利用して熱伝導基板用シート状物を充填し、さらに前記熱伝導基板用シート状物の中の熱硬化樹脂を硬化させた状態を示している。以降、図2のEのように熱伝導基板のリードフレームの必要部分を残してカットし、さらに取り出し電極とするためリードフレームを垂直に曲げ加工する。これにより熱伝導基板が作製される。その後半田による部品実装や、絶縁樹脂の充填などの工程があるが、このような工程は公知の方法を採用できるので詳細な説明は省略している。
【0039】
【実施例】
以下、具体的実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0040】
(実施例1)
本発明の熱伝導シート状物の作製に際し、無機フィラーと熱硬化樹脂および溶剤を混合し、十分な分散状態が得られるようにアルミナボールの玉石を混合してスラリーを作製した。実施した熱伝導シート状物組成を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003614844
【0042】
表1では無機フィラーとしてAl23の添加量を変化させた場合の熱伝導シート状物の性能を評価したもので、Al23は住友化学(株)製(AL−33、平均粒径12μm)、エポキシ樹脂として以下の組成のものを用いた。
1)熱硬化樹脂主剤 臭素化多官能エポキシ樹脂 65重量部(油化シェルエポキシ株製5049−B−70)
2)硬化剤 ビスフェノールA型ノボラック樹脂 34.4重量部(油化シェルエポキシ株製152)
3)硬化促進剤 イミダゾール 0.6量部(油化シェルエポキシ株製EMI−12)
本樹脂組成物を固形分としメチルエチルケトン樹脂で溶解したものを使用した。固形分量は70wt%である。
【0043】
表1の組成を秤量し、さらに粘度調整用に100℃以下の沸点を有するメチルエチルケトン溶剤を加えスラリー粘度が約20Pa・sになるまで添加し、前記の玉石を加え48時間ポット中で500rpmの速度で回転混合させた。この時、低沸点溶剤は粘度調整用であり、高濃度の無機フィラーを添加する上で重要な構成要素となる。ただし、後の乾燥工程で低沸点溶剤は揮発させてしまうので熱伝導シート状物組成中に残らないので表1には記載していない。次に、離型フィルムとして厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを準備し、前記スラリーをドクターブレード法でギャップ約1.4mmで造膜した。次に前記造膜シート中のメチルエチルケトン溶剤を100℃の温度で1時間放置し乾燥させた。これにより表1に示すように適度な粘度を有する可撓性熱伝導シート状物(750μm)が得られた。
【0044】
このようにして得られた熱伝導シート状物から離型フィルムを剥離し、再度耐熱性離型フィルム(PPS:ポリフェニレンサルファイト75μm厚み)で挟んで、200℃の温度で圧力50kg/cm2で硬化させた。PPS離型フィルムを剥離し、所定の寸法に加工して、熱伝導性、熱膨張係数、絶縁耐圧、抗折強度を測定した。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003614844
【0046】
なお熱伝導性は、10mm角に切断した試料の表面を加熱ヒータに接触加熱し、反対面への温度の伝わりかたから計算で熱伝導度を求めた。また表2の結果に示した絶縁耐圧は、同様に熱伝導基板の厚み方向のAC電圧による絶縁耐圧を求め単位厚み当たりに計算したものである。絶縁耐圧は、熱伝導基板の熱硬化樹脂と無機フィラーの接着性に影響を受ける。即ち無機フィラーと熱硬化樹脂の濡れ性が悪いと、その間にミクロな隙間が生じその結果、基板の強度や絶縁耐圧の低下を招くためである。一般に樹脂だけの絶縁耐圧は15KV/mm程度とされており、10KV/mm以上であれば良好な接着が得られていると判断できる。
【0047】
表1〜2の結果から、前記のような方法で作製された熱伝導シート状物から得られる熱伝導基板は、従来のガラスエポキシ基板に比べ約20倍以上の熱伝導性が得られ、また従来の射出成形法に比べても倍以上の性能が発揮できた。また熱膨張係数もAl23を90wt%以上添加したもので、シリコン半導体に近い熱膨張係数のものが得られている。また、基板としての抗折強度も15kg/mm2以上の値を示しており基板として十分な強度を有しているといえる。これにより、半導体を直接実装するフリップチップ用基板としても有望である。
【0048】
次に無機フィラーの種類を変更した場合の性能を評価した。表3にその組成を示し、表4に評価結果を示す。
【0049】
【表3】
Figure 0003614844
【0050】
【表4】
Figure 0003614844
【0051】
表3〜4から明らかな通り、無機フィラーとして、Al23以外のAlN、MgO、BNなどの粉末(7〜12μm程度)を用いることで上記と同様多量添加することができ、無機フィラー特有の性能を発揮させることができる。即ちAlNの良好な熱伝導性を利用すれば、セラミック基板に近い熱伝導性が得られる(実施例1h)。またBNを添加した場合、実施例1iに示すように高熱伝導でしかも低熱膨張性が得られる。この時の添加量の設定は、無機フィラーの密度と分散性に応じ最適な状態を得られる様にしたもので、AlNのように分散剤などを添加することでより大量に添加することができる。また熱伝導シート状物に着色を行うことで、熱放散性に富む熱伝導基板が得られる。また上記の様に無機フィラーと熱硬化樹脂の接着を改善するため、シラン系のカップリング剤を添加することで、絶縁耐圧に良好に作用している。
【0052】
表5では無機フィラーとしてAl23を用い、可撓性を付与するもう一つの方法である室温で液状の樹脂を添加した場合の熱伝導シート状物の性能を評価したもので、Al23は住友化学(株)製(AL−33、平均粒径12μm)、エポキシ樹脂として日本レック(株)製(NVR−1010、硬化剤含む)の一部を表5に示す液状樹脂で置換することで得た。
【0053】
【表5】
Figure 0003614844
【0054】
表5の組成を秤量し、さらに粘度調整用に100℃以下の沸点を有するメチルエチルケトン溶剤をスラリー粘度が約20Pa・sになるまで添加し、前記の玉石を加え48時間ポット中で500rpmの速度で回転混合させた。この時、低沸点溶剤は粘度調整用であり、高濃度の無機フィラーを添加する上で重要な構成要素となる。ただし、後の乾燥工程で低沸点溶剤は揮発させてしまうので熱伝導シート状物組成中に残らないので表5には記載していない。次に、離型フィルムとして厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを準備し、前記スラリーをドクターブレード法でギャップ約1.4mmで造膜した。次に前記造膜シート中のメチルエチルケトン溶剤を100℃の温度で1時間放置し乾燥させた。これにより表5に示すように室温で液状の樹脂を添加することで適度な粘度を有する可撓性熱伝導シート状物(750μmt厚み)が得られた。
【0055】
このようにして得られた熱伝導シート状物から離型フィルムを剥離し、再度耐熱性離型フィルム(PPS:ポリフェニレンサルファイト75μm厚み)で挟んで、200℃の温度で圧力50kg/cm2で硬化させた。PPS離型フィルムを剥離し、所定の寸法に加工して、熱伝導性、熱膨張係数、絶縁耐圧、抗折強度を測定した。結果を表6に示す。
【0056】
【表6】
Figure 0003614844
【0057】
表6から明らかな通り、室温で液状の樹脂を添加することでも熱伝導シート状物に可撓性を付与でき、しかも無機フィラー特有の性能を発揮させることができる。このことは、前記実施例の高沸点溶剤を添加する方法に比べ、熱伝導シート状物の成型加工時には溶剤が存在しないため、ボイドによる絶縁耐圧や抗折強度は良好である。
【0058】
(実施例2)
実施例1と同様の方法で作製した熱伝導シート状物を用い、リードフレームと一体化させた熱伝導基板の実施例を示す。本実施例に使用した熱伝導シート状物の組成を以下に示す。
(1)無機フィラー:、Al23、90重量%(昭和電工(株)製「AS−40」(商品名)、球状、平均粒子径12μm)
(2)熱硬化樹脂:シアネートエステル樹脂、9重量%(旭チバ(株)製、「AroCy M30」(商品名))
(3)150℃以上の沸点溶剤:ブチルカルビトール、0.5重量%(関東化学(株)試薬1級)
(4)その他の添加物:カーボンブラック、0.3重量%(東洋カーボン(株)製) 分散剤:0.2重量%(第一工業製薬(株)製「プライサーフ、F−208F」(商品名))
以上の組成で作製された熱伝導シート状物(厚み770μm)を用い、リードフレームとして厚み500μmの銅板をエッチング法で加工し、さらにニッケルメッキを施したものを重ね合わせて110℃の温度で60kg/cm2の圧力で加熱加圧した。これによりリードフレームの間隙に前記熱伝導シート状物が流れ込み、リードフレームの表面まで充填された図2Dのような構造に成形できた。この後前記リードフレームと一体化された熱伝導シート状物を乾燥機を用いて175℃の温度で1時間加熱し、前記熱伝導シート状物中の熱硬化樹脂を硬化させた。これにより低温で成形だけを行うことで短時間で処理が行え、かつ成形後まとめて硬化を行うため、全体のプロセスとして短時間大量処理が実現できた。さらに図2Eに示した様にリードフレームの外周部をカットし、端子の曲げ加工を行うことで、熱伝導基板が完成できた。また前記成形工程と硬化工程を別々に実施したが、これを加圧しながら加熱成形から硬化までを一連のプロセスで連続して行うことも可能であった。
【0059】
このようにして得られた熱伝導基板の熱伝導性を評価したところ、3.7W/mKの値が得られた。これにより従来の射出成形法や金属基板に比べ約2倍の高性能化が図れた。また信頼性の評価として、最高温度が260℃で10秒のリフロー試験を行った。このときの基板とリードフレームとの界面に特に異常は認められず。強固な密着が得られていることが確認できた。
【0060】
(実施例3)
実施例1と同様の方法で作製した熱伝導シート状物を用い、両面に金属箔配線層を有しかつその層間を導電性樹脂組成物の充填により電気接続させた熱伝導基板の実施例を示す。本実施例に使用した熱伝導シート状物の組成を以下に示す。(1)無機フィラー:Al23、90重量%(昭和電工(株)製「AS−40」(商品名)、球状12μm)
(2)熱硬化樹脂:(日本レック(株)製「NRV−1010」(商品名))
主剤−臭素化された多官能エポキシ樹脂、60重量部
硬化剤−ビスフェノールA型ノボラック樹脂、39.5重量部
硬化促進剤−イミダゾール、0.5量部
からなる混合物を9重量%
(3)150℃以上の沸点溶剤:ブチルカルビトールアセテート、0.5重量%(関東化学(株)試薬1級)
(4)その他の添加物:カーボンブラック、0.3重量%(東洋カーボン(株)製)、カップリング剤:0.2重量%(味の素(株)製「プレンアクト、KR−55」(商品名))
上記組成で作製した離型性フィルム付熱伝導シート状物を所定の大きさにカットし、前記離型性フィルム面から、炭酸ガスレーザを用いてピッチが0.2mm〜2mmの等間隔の位置に直径0.15mmの貫通孔を形成した(図4B)。
【0061】
この貫通孔に、ビアホール充填用導電性樹脂組成物403として、銅の球形状の金属粒子85重量%と、樹脂組成としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828 油化シェルエポキシ製)3重量%とグルシジルエステル系エポキシ樹脂(YD−171 東都化成製)9重量%および硬化剤としてアミンアダクト硬化剤(MY−24 味の素製)3重量%を三本ロールにて混練したものを、スクリーン印刷法により充填した(図4C)。ペーストが充填された熱伝導シート状物からポリエチレンテレフタレートフィルム401を除去した後、この熱伝導シート状物の両面に35μmの片面を粗化した銅箔を粗化面を熱伝導シート状物面側にして張り合わせ、これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力50kg/cm2で60分間加熱加圧して両面熱伝導基板を形成した(図4E)。
【0062】
これにより、熱伝導シート状物中のエポキシ樹脂の硬化により銅箔の粗化面と強固な接着が得られると同時に前記導電性樹脂組成物403中のエポキシ樹脂も硬化し、両面の銅箔と機械的、電気的接続(インナービアホール接続)が行われる。
【0063】
この両面銅張板の銅箔をエッチング技術を用いてエッチングして、インナビアホール上に直径0.2mmの電極パターンおよび配線パターンが形成された回路を形成した両面基板を得た。本方法により作製された熱伝導基板の熱伝導性能と熱膨張係数を測定したところ、熱伝導度は4.1W/mK、熱膨張係数(室温から150℃の範囲)は、10ppm/℃であり、良好な結果が得られた。この熱伝導基板を用いて半導体のフリップチップ実装を試みた。その方法は、半導体素子の電極上に公知のワイヤーボンデンイング法を用いてAuバンプを形成し、このバンプの頭頂部にAg−Pdを導電物質として含有する接着剤を塗布し、半導体素子の表面を下にしたフリップチップ方式にて、両面熱伝導基板上に形成した電極パターンと接合し、硬化させ、さらに樹脂モールドして実装を行った。このようにして得られた半導体が実装された両面熱伝導基板を、最高温度が260℃で10秒のリフロー試験を20回行った。このときの基板と半導体との接続を含んだ電気抵抗値の変化は初期接続抵抗が35mΩ/バンプに対し試験後は40mΩ/バンプと非常に小さい変化量であった。
【0064】
比較のために2mm間隔のスルーホールを形成した従来のガラスエポキシ基板では、半導体と基板の熱膨張係数が異なるために、半導体と基板の接合部で抵抗値が増大し、10回で断線した。これに対して、基板の平面方向の熱膨張係数が半導体に近い本実施例の基板では、リフロー回数による抵抗値の変化はわずかであった。
【0065】
(実施例4)
実施例1と同様の方法で作製した熱伝導シート状物を用い、両面に金属箔配線層を有しかつその層間を銅のスルーホールメッキにより電気接続させた熱伝導基板の実施例を示す。本実施例に使用した熱伝導シート状物の組成を以下に示す。(1)無機フィラー:Al23、87重量%(住友化学(株)製「AM−28」(商品名)、球状、平均粒子系:12μm)
(2)熱硬化樹脂:フェノール樹脂、11重量%(大日本インキ製「フェノライト、VH4150」(商品名))
(3)150℃以上の沸点溶剤:エチルカルビトール、1.5重量%(関東化学(株)試薬1級)
(4)その他の添加物:カーボンブラック、0.3重量%(東洋カーボン(株)製)
カップリング剤:0.2重量%(味の素(株)製「プレンアクト、KR−55(商品名)」)
上記組成で作製した熱伝導シート状物の離型フィルムを剥離した後、この熱伝導シート状物を所定の大きさにカットし、熱伝導シート状物の両面に35μmの片面を粗化した銅箔を粗化面を熱伝導シート状物面側にして張り合わせ、これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力50kg/cm2で60分間加熱加圧して両面熱伝導基板を形成した。
【0066】
これにより、熱伝導シート状物中のフェノール樹脂の硬化により銅箔の粗化面と強固な接着が得られる。銅箔を接着させた熱伝導基板をドリルを用いて0.3mm径の貫通穴加工を行ない、さらに貫通穴を含む全面に既存の方法で約20μmの厚みになるよう銅メッキを行った。この両面銅張熱伝導基板の銅箔をエッチング技術を用いてエッチングして、配線パターンが形成した両面熱伝導基板を得た(図5参照)。本方法により作製された熱伝導基板の熱伝導性能と熱膨張係数を測定したところ、熱伝導度は2.8W/mK、熱膨張係数(室温から150℃の範囲)は、18ppm/℃であり、良好な結果が得られた。
【0067】
(実施例5)
実施例1と同様の方法で作製した熱伝導シート状物を複数枚用い、複数の層に配線層を有しかつその層間を導電性樹脂組成物により電気接続させた多層配線熱伝導基板の実施例を示す。本実施例に使用した熱伝導シート状物の組成を以下に示す。
(1)無機フィラー:Al23、92重量%(住友化学(株)製AM−28)、球状、平均粒径:12μm)
(2)熱硬化樹脂:シアネートエステル樹脂、7.3重量%(三菱ガス化学製、BT2170(商品名))
(3)150℃以上の沸点溶剤:エチルカルビトール、0.2重量%(関東化学(株)試薬1級)
(4)その他の添加剤:カーボンブラック、0.3重量%(東洋カーボン(株)製)、カップリング剤、0.2重量%(味の素(株)製「プレンアクトKR−55」(商品名)
上記組成の離型フィルム(ポリエチレンテレフタレート)601付の熱伝導シート状物600を使用し、この熱伝導シート状物の片面のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、炭酸ガスレーザを用いてピッチが0.2mm〜2mmの等間隔の位置に直径0.15mmの貫通穴602を形成した。図6(b)参照。この貫通穴602に導電性樹脂組成物603として銅の球形状の金属粒子85重量%と、樹脂組成としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828 油化シェルエポキシ製)3重量%とグルシジルエステル系エポキシ樹脂(YD−171 東都化成製)9重量%および硬化剤としてアミンアダクト硬化剤(MY−24 味の素製)3重量%を三本ロールにて混練したものをスクリーン印刷法にて充填した。
【0068】
さらに離型フィルム601を剥離し、その剥離面に配線パターン形成用導電性樹脂組成物として針状のAg粉末80重量%と、樹脂組成としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828 油化シェルエポキシ製)10重量%および硬化剤としてアミンアダクト硬化剤(MY−24 味の素製)2重量%さらに溶剤としてテレピン油8重量%を三本ロールにて混練したものをスクリーン印刷法にて充填した。図6D参照。同様にして配線パターンまでを形成した別の熱伝導シート状物を2枚作製した。図6F,G参照。また同様の方法で貫通穴602に導電性樹脂組成物603を充填した状態までの熱伝導シート状物「図6E」を準備し、該熱伝導シート状物を最上面とし、図6Hの様に位置合わせして重ね合せた。重ね合せた最外層に更に銅箔(18μm厚片面粗化)を粗化面を内側に配して重ねた。この熱伝導シート状物の積層体を熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力50kg/cm2で60分間加熱加圧して多層構造熱伝導基板を形成した。
【0069】
この多層構造基板の銅箔をエッチング技術を用いてエッチングして配線パターンを形成した。この多層構造熱伝導基板は最外層部に銅箔を使用するため、半田付けによる部品実装が可能となった。また内層にはスクリーン印刷による配線パターンが形成されており、50μm程度の細線が形成可能であるとともに、導電性樹脂組成物によるインナービアが形成できるため、高密度な配線が可能となり高密度実装用基板として極めて有望である。本方法により作製された多層構造を有する熱伝導基板の熱伝導性能と熱膨張係数を測定したところ、熱伝導度は4.5W/mK、熱膨張係数(室温から150℃の範囲)は、8ppm/℃であり、良好な結果が得られた。
【0070】
次に前記と同様半導体のフリップチップ実装により本熱伝導基板のマルチチップモジュールとしての評価を行った。実施方法は、半導体素子の電極上に公知のワイヤーボンデンイング法を用いて、Auバンプを形成し、このバンプの頭頂部にAg−Pdを導電物質として含有する接着剤を塗布し、半導体素子の表面を下にしたフリップチップ方式にて、前記熱伝導基板パターン上に形成した電極と接合し、硬化させ、さらに樹脂モールドして実装を行った。この半導体が実装された基板を最高温度が260℃で10秒のリフロー試験を20回行った。このときの基板と半導体との接続を含んだ電気抵抗値の変化は初期のバンプ接続抵抗が34mΩ/バンプであったものが試験後も37mΩ/バンプと極めて安定であることが確認された。
【0071】
また、実装した半導体チップに本実施例の基板を通して一定電流を流し、1Wの発熱を連続的にさせたときの基板と半導体との接続を含んだ電気抵抗値の変化を測定したところ、本実施例の基板では、インナビアホールの数量により抵抗値の変化は問題にならない程度であった。
【0072】
なお、前記実施例1〜5では導電性樹脂組成物の導電フィラーとして銅粒子、銀粒子を使用したが、本発明では導電性粒子は銅粒子に限定されるものではなく、他の金属粒子を用いることもできる。特に、ニッケルを用いた場合でも、導電部の電気導電性を高く保持できる。
【0073】
【発明の効果】
発明の熱伝導基板は、前記熱伝導シート状物に貫通穴を形成し、該貫通穴に導電性樹脂組成物を充填し、その両面に金属箔配線パターンを形成することで両面の電気的導通を可能ならしめた高熱伝導性を有する両面熱伝導基板を実現できる。
【0074】
また、本発明の熱伝導基板は、貫通穴に銅メッキにより電気的導通を可能にした高熱伝導両面基板を実現できる。
【0075】
以上のように本発明の熱伝導シート状物を用いた熱伝導基板(片面、両面、多層配線構造を有する熱伝導基板)は、高濃度に無機フィラーを充填することができるため通常のプリント基板では得られない高い熱伝導性を有するものである。このため、今後益々増大するパワー回路用基板や高電力ロスを生じるディジタル高速LSI実装用基板として有望である。加えて半導体を直接実装するフリップチップ実装用マルチチップモジュール用基板としても有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例による熱伝導シート状物の構成を示す断面図である。
【図2】A〜Eは参考例による熱伝導シート状物を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示す工程別断面図。
【図3】図2により作製される熱伝導基板のリードフレーム接着面の反対面にさらに放熱金属板を形成した熱伝導基板の断面図。
【図4】A〜Fは本発明の一実施例による熱伝導シート状物を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示す工程別断面図。
【図5】本発明の一実施例による多層配線熱伝導基板を製造する工程を示す工程別断面図である。
【図6】A〜Jは本発明の一実施例による熱伝導性多層配線基板の作製方法を示す工程別断面図である。
【図7】A、Bは参考例による熱伝導シート状物を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示す工程別断面図である。
【符号の説明】
100 熱伝導シート状物
101 離型性フィルム
200 熱伝導シート状物
201 リードフレーム
300 熱伝導シート状物
301 リードフレーム
302 放熱性金属板
400 熱伝導シート状物
401 離型性フィルム
402 貫通穴
403 導電性樹脂組成物
404 金属箔
405 配線パターン
500 硬化した熱伝導シート状物
501 貫通穴
502 銅メッキ層
503 配線パターン
600 熱伝導シート状物
601 離型性フィルム
602 貫通穴
603 導電性樹脂組成物
604 配線パターン形成用導電性樹脂組成物
605 金属箔
606 金属箔配線パターン
700 熱伝導基板用シート状物
701 リードフレーム
702 2層以上の配線層を有するプリント基板
703 配線パターン
704 ビア

Claims (11)

  1. 混合物シートと、前記混合物シートの一方の面に設けられた第1の金属箔配線パターンと、前記混合物シートの他方の面に設けられた第2の金属箔配線パターンと、前記混合物シートに設けられ、前記第1の金属箔配線パターンと前記第2の金属箔配線パターンと電気的に接続するビアホールとを備え、
    前記混合物シートは無機質フィラー70〜95重量部、熱硬化性樹脂組成物5〜30重量部とを含み、前記混合物シートの熱膨張係数が8〜20ppm/℃であり、かつ前記混合物シートの熱伝導率が1〜10W/mKであり、前記混合物シートに、さらにカップリング剤、分散剤、着色剤及び離型剤から選ばれた少なくとも1種を添加したことを特徴とする熱伝導基板。
  2. 前記熱伝導基板の抗折強度が10Kgf/mm2以上である請求項に記載の熱伝導基板。
  3. 前記熱伝導基板の抗折強度が10〜20Kgf/mm2の範囲である請求項に記載の熱伝導基板。
  4. 前記ビアホールに導電性樹脂組成物が充填されているか又はメッキによるスルーホールが形成されている請求項に記載の熱伝導基板。
  5. 前記導電性樹脂組成物が、銀、銅及びニッケルから選ばれる少なくとも一つの金属粉を70〜95重量部と、熱硬化樹脂および硬化剤を5〜30重量部含む請求項に記載の熱伝導基板。
  6. 前記配線パターンが片面粗面化された面を有する12〜200μm厚みの銅箔である請求項に記載の熱伝導基板。
  7. 前記無機質フィラーが、Al23、MgO、BN及びAlNから選ばれた少なくとも1種のフィラーである請求項に記載の熱伝導基板。
  8. 前記無機質フィラーの平均粒子直径が0.1〜100μmの範囲である請求項に記載の熱伝導基板。
  9. 前記熱硬化樹脂組成物の主成分が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂である請求項に記載の熱伝導基板。
  10. 前記熱硬化樹脂組成物が臭素化された多官能エポキシ樹脂を主成分とし、さらに硬化剤としてビスフェノールA型ノボラック樹脂と、硬化促進剤としてイミダゾールを含む請求項に記載の熱伝導基板。
  11. 前記臭素化された多官能エポキシ樹脂が60〜80重量部の範囲、硬化剤としてビスフェノールA型ノボラック樹脂が18〜39.9重量部の範囲、硬化促進剤としてイミダゾールが0.1〜2重量部の範囲である請求項10に記載の熱伝導基板。
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