JP3613889B2 - 曲面研磨方法、及び曲面研磨装置 - Google Patents

曲面研磨方法、及び曲面研磨装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は曲面形状、特に、回転対称軸を持たない非球面形状を有したレンズ、ミラー等の光学素子や、これらを射出成形するための成形金型等を研磨する曲面研磨方法、及び曲面研磨装置に関し、特に、研磨工具の走査速度を適切化し、加工精度の向上を図った曲面研磨方法、及び曲面研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
曲面形状、特に、回転対称軸を持たない非球面形状を有したレンズ、ミラー等の光学素子や、これらを射出成形するための成形金型を研磨する、従来の曲面研磨装置として、例えば、特開平5−57606号公報に開示されるものがある。
【0003】
には、上記曲面研磨装置が示されている。この曲面研磨装置は、定盤2上において加工物3に所定の水平運動を行わせる水平駆動部1Aと、水平駆動部1Aによって移動されてきた加工物3の加工面3Aの面形状を計測する形状計測部1Bと、形状計測部1Bの計測によって得られた加工面3Aの面形状データに基づいて水平駆動部1Aによって移動されてきた加工物3の加工面3Aの研磨加工を行う研磨加工部1Cを備えて構成されている。
【0004】
水平駆動部1Aは、定盤2上にY軸方向に移動可能に設けられたY軸テーブル4と、Y軸方向に沿って配置され、Y軸テーブル4のナット(図示せず)と螺合したボールネジ5と、ボールネジ5を回転させてY軸テーブル4をY軸方向に移動させるモータ6と、Y軸テーブル4上にX軸方向に移動可能に設けられたX軸テーブル7と、X軸方向に沿って配置され、X軸テーブル7のナット(図示せず)と螺合したボールネジ8と、ボールネジ8を回転させてX軸テーブル7をX軸方向に移動させるモータ9と、X軸テーブル7上に配置され、図示しないモータによって回転するθテーブル10を有して構成されている。
【0005】
研磨加工部1Cは、定盤2に設けられたL字形の研磨フレーム11A、11B、11Cと、研磨フレーム11A、11B、11Cの先端に取付板12を介して取り付けられ、下部に取り付けられた研磨ヘッド14を自在に傾斜させると共に昇降させるZチルティング装置13を有している。
【0006】
には、Zチルティング装置13の構成が示されている。Zチルティング装置13は、3つの角15aが取付板12にそれぞれ固定される三角取付板15と、三角取付板15上に各辺にそれぞれ平行に固着された軸16A〜16C(16Cは図示せず)と、軸16A〜16Cにそれぞれ回動自在に取り付けられたブロック17A〜17Cと、ブロック17A〜17CのZ軸方向に伸びる一対の側部に、Z軸方向に伸びる一対の内側部がそれぞれスライド自在に係合したロ字形の研磨アーム18A〜18Cと、それぞれZ軸方向に伸びて、研磨アーム18A〜18Cに軸支されると共に、ブロック17A〜17Cのナット(図示せず)に螺合したボールネジ19A〜19Cと、ボールネジ19A〜19Cを回転させて研磨アーム18A〜18CをZ軸方向に移動させるモータ20A〜20Cと、研磨アーム18A〜18Cの下端にユニバーサルジョイント21A〜21Cを介して取り付けられた三角形の研磨ヘッド取付板22を有して構成されている。
【0007】
には、研磨ヘッド14の構成が示されている。研磨ヘッド14は、加工物3の加工面3Aを研磨する円柱状の研磨工具23と、研磨工具23を保持する研磨工具保持装置24と、荷重軸25を介して研磨工具23に加圧力を付加する定圧装置26と、研磨工具23を矢印D方向に往復運動させる揺動装置27を有して構成されている。
【0008】
定圧装置26は、荷重軸25に取り付けられたボイスコイルモータ、板ばね、及び荷重センサ(何れも図示せず)によって常に設定された加圧力を保つように構成されている。また、荷重軸25には、荷重軸25の軸方向の変位量を検出する変位センサ(図示せず)が取り付けられている。
【0009】
揺動装置27は、モータ28の回転軸28Aに接続されたクランク29と、クランク29の回転運動を往復運動に変換するコンロッド30と、定圧装置26のケーシングに固着され、コンロッド30から往復運動を入力してスライド軸31上をスライドするスライダ32を有して構成されている。
【0010】
以上の構成において、加工物3の研磨加工を行う場合には、まず、加工物3の加工面3Aに研磨剤を塗布し、Zチルティング装置14によって研磨ヘッド13を下降させて研磨工具23を加工面3Aに接触させる。次に、揺動装置27により研磨工具23を矢印D方向に往復運動させると共に、定圧装置26により研磨工具23に所定の加圧力を加え、研磨工具23の研磨面と加工物3の加工面3Aとで摺擦を行わせる。このとき、研磨工具23の加圧方向と加工面3Aの法線方向が常に一致するように、また、変位センサによって計測される荷重軸25の変位量が一定になるように、走査パターン、及び後述する走査速度分布に従ってY軸テーブル4、X軸テーブル7、θテーブル10、及びZチルティング装置14が同期制御され、これによって研磨ヘッド13が加工面3Aの形状に倣った走査を行って加工面3Aの研磨加工を行う。ここで、研磨量は、研磨工具23の加圧力、加工物との相対速度、滞留時間に比例し、加工面3Aの形状を目標面形状に近づけるための滞留時間分布、つまり、研磨工具23の走査速度分布は、研磨工具23の加圧力と相対速度を一定に保ったときに研磨工具23が加工面3Aを単位時間あたり除去する単位除去形状と、形状計測部1Bで計測した加工面3Aの形状と目標面形状との差から求められる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の曲面研磨装置によると、研磨工具と加工面の接触点から離れた位置を中心に研磨ヘッドの姿勢を変化させているため、研磨ヘッドの姿勢変化と共に研磨工具の水平方向位置や垂直方向位置が変化し、加工物、或いは研磨ヘッドの水平方向位置や垂直方向位置を補正しなければならないという問題がある。特に、加工面の法線方向の変化が大きい箇所ではその補正量も大きくなり、制御機構の計算速度や駆動機構の追従速度の限界から研磨工具の走査速度が指令走査速度に追従できなくなる。このため、滞留時間分布が指令値から外れることになり、加工精度が低下するという問題が生じる。
【0012】
従って、本発明の目的は研磨工具を指令走査速度で走査できるようにして、加工精度の向上を図ることができる曲面研磨方法、及び曲面研磨装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、加工物を下方から支持してX軸およびY軸方向に移動させるX軸およびY軸テーブルと、前記加工物を下方から支持してX軸およびY軸にそれぞれ平行な軸回りに傾斜させるβ軸およびα軸テーブルと、球状の研磨工具を前記加工物の加工面に前記研磨工具の荷重軸に沿って所定の押付け力で押付ける押付け手段と、
前記加工面上で前記研磨工具に前記荷重軸回りの回転運動を与える研磨運動手段と、前記X軸およびY軸テーブル、および前記β軸およびα軸テーブルを制御して、前記研磨工具の前記加工面上の接触点を中心にして前記荷重軸の姿勢を調整することにより、前記荷重軸を前記加工物の前記加工面の法線に一致させながら前記荷重軸回りに回転する前記研磨工具で前記加工面上を走査して前記加工面を研磨させる制御手段を備えていることを特徴とする曲面研磨装置を提供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の曲面研磨方法、及び曲面研磨装置を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1には、本発明の第1の実施の形態における曲面研磨装置の構成が示されている。この曲面研磨装置は、支持定盤33上に設けられ、加工物34に所定の運動を行わせる加工物駆動部35と、支持定盤33上に設けられ、研磨ヘッド37を支持して加工物34の加工面34A上に位置させる研磨ヘッド支持部36と、研磨加工の駆動を制御する駆動制御部33Aを備えて構成されている。
【0023】
加工物駆動部35は、加工物34にY軸方向の水平運動を行わせるY軸機構部38と、加工物34にX軸方向の水平運動を行わせるX軸機構部39と、X軸機構部39上に加工物34を固定する固定治具40を備えている。
【0024】
Y軸機構部38は、支持定盤33上にY軸方向に伸びて配置された2本の平行なガイド41A、41Bと、ガイド41A、41Bにスライド自在に係合したY軸テーブル42と、ガイド41A、41B間に平行に配置され、Y軸テーブル42に設けられたナット(図示ぜす)と螺合したボールネジ43と、出力軸にボールネジ43の一端が接続され、ボールネジ43を回転させてY軸テーブル42をY軸方向に移動させ、且つ、所定の位置で停止させて位置決めするサーボモータ44より構成されている。
【0025】
X軸機構部39は、Y軸テーブル42上にX軸方向に伸びて配置された2本の平行なガイド45A、45Bと、ガイド45A、45Bにスライド自在に係合したX軸テーブル46と、ガイド45A、45B間に平行に配置され、X軸テーブル46に設けられたナット(図示ぜす)と螺合したボールネジ47と、出力軸にボールネジ47の一端が接続され、ボールネジ47を回転させてX軸テーブル46をX軸方向に移動させ、且つ、所定の位置で停止させて位置決めするサーボモータ48より構成されている。
【0026】
研磨ヘッド支持部36は、支持定盤33上に設けられた支柱49A、49Bにに支持され、Z軸方向の垂直運動を行うZ軸機構部50と、Z軸機構部50に支持され、研磨ヘッド37にX軸と平行な軸を中心とした円弧方向(以下、α軸方向という)の回転運動を行わせるα軸機構部51と、α軸機構部51に支持され、Y軸と平行な軸を中心とした円弧方向(以下、β軸方向という)の回転運動を行わせるβ軸機構部52を有して構成されている。
【0027】
Z軸機構部50は、図示しないガイドにスライド自在に係合し、図示しないサーボモータ、及びボールネジによりZ軸方向に移動して、且つ、所定の位置で停止して位置決めされるZ軸スライダ53を有している。
【0028】
α軸機構部51は、Z軸スライダ53に固定され、X軸と平行な軸を曲率中心とした円弧ガイド54と、図示しないサーボモータにより円弧ガイド54に沿って移動して、所定の位置で位置決めされるα軸スライダ55を有して構成されている。
【0029】
β軸機構部52は、α軸スライダ55に固定され、Y軸と平行な軸を曲率中心とした円弧ガイド56と、図示しないサーボモータにより円弧ガイド56に沿って移動して、所定の位置で位置決めされるβ軸スライダ57を有して構成されている。
【0030】
研磨ヘッド37は、β軸スライダ57に取り付けられ、図示しない電空変換レギュレータとドライバにより空気圧が制御されることにより後述する研磨工具を加工面34Aに所定の力で押し付けるエアシリンダ58と、エアシリンダ58のシリンダ部58Aに取り付けられ、図示しないドライバによって駆動されることにより回転トルクを発生するスピンドル59と、スピンドル59の回転軸59Aの先端に取り付けられ、回転運動によって加工面34Aの研磨加工を行う略球形状の研磨工具60より構成されている。
【0031】
駆動制御部33Aは、図示しない駆動計算部によって計算された駆動データに基づいて水平駆動軸であるY軸機構部38、及びX軸機構部39と垂直駆動軸であるZ軸機構部50と傾斜駆動軸であるα軸機構部51、及びβ軸機構部52の合計5軸の駆動を同期制御して、研磨工具60の荷重軸が加工面34Aの法線と一致するように研磨工具60の走査を行わせる。
【0032】
ここで、傾斜駆動軸であるα軸機構部51、及びβ軸機構部52について説明する。
【0033】
図2は、図1のY、Z平面図を、また、図3は、図1のX、Z平面図をそれぞれ示し、α軸機構部51の円弧ガイド54は、その曲率中心OがY方向とZ方向の位置において研磨工具60の先端と一致するように構成され、また、β軸機構部52の円弧ガイド56は、その曲率中心OがX方向とZ方向の位置において研磨工具60の先端と一致するように構成されている。このため、α軸スライダ55、及びβ軸スライダ57をそれぞれの円弧ガイド54、56の曲率中心O、Oを軸にしてα軸方向、及びβ軸方向に回動運動させることにより、研磨ヘッド37を研磨工具60の先端を中心に任意の方向に傾斜させることが可能になっている。
【0034】
以下、上記曲面研磨装置を用いた曲面研磨方法を説明する。
【0035】
まず、加工物34の加工面34A上に研磨剤を塗布した後、Z軸機構部50のZ軸スライダ53を下降させて、研磨工具60を加工物34の加工面34Aの研磨開始点上に位置させると共に、エアシリンダ58の空気圧を制御して研磨工具60を所定の力で加工面34A上に押し付ける。また同時に、スピンドル59によって研磨工具60を回転させると共に、駆動制御部33Aが予め駆動計算部で計算された駆動データに基づいて、Y軸機構部38のサーボモータ44、X軸機構部39のサーボモータ48、Z軸機構部50のサーボモータ、α軸機構部51のサーボモータ、及びβ軸機構部52のサーボモータの各ドライバに所定の制御信号を出力して、Y軸テーブル42、及びX軸テーブル46の水平方向位置とZ軸スライダ53の垂直方向位置とα軸スライダ55、及びβ軸スライダ57の回転位置を同期制御することにより、加工面34Aの法線と研磨工具60の荷重軸(押付け方向)が一致するように研磨ヘッド37の姿勢を変化させながら研磨工具60で加工面34Aを走査して、加工面34Aを研磨する。このとき、研磨ヘッド37が研磨工具60の先端、つまり、加工面34Aとの接触点を中心に傾斜するようになっているため、研磨ヘッド37の姿勢変化によって研磨工具60の水平方向位置や垂直方向位置が変化することがない。このため、Y軸機構部38、及びX軸機構部39を研磨ヘッド37の走査距離に応じて、また、Z軸機構部50を加工面34Aの高さに応じてそれぞれ駆動するだけで良く、このため、加工面34Aの法線方向の変化が大きい箇所でも研磨工具60の走査速度を指令走査速度に追従させることができる。その結果、滞留時間分布を指令値に一致させることができ、加工精度の向上を図ることができる。
【0036】
図4の(a),(b) は、加工面34Aの形状変化に対応するように研磨ヘッド37の姿勢を変化させながら研磨工具60で加工面34Aを走査した時の水平駆動部の動作を示す。ここで、研磨ヘッド37の長さLを300mm、加工面34A上の走査距離Dを2mm、加工面34A上の指令走査速度を200mm/sec、加工面34Aの形状変化に対する研磨ヘッド37の傾斜角度の変化量θを4°とする。このとき、図4の(a) に示すように、研磨工具60と加工面34Aとの接触点を回転中心Pとして研磨ヘッド37の姿勢を変化させる場合では、研磨ヘッド37の姿勢変化によって研磨工具60の水平方向位置の変化がないため、水平駆動部の駆動距離Dを2mm、駆動速度を200mm/secと指令値と同じ値にすれば良い。ところが、図4の(b) に示すように、加工面34Aから離れた位置を回転中心Pとして研磨ヘッド37を姿勢を変化させる場合では、研磨ヘッド37の姿勢変化によって研磨工具60の水平方向位置が変化するため、水平駆動部の駆動距離Dを約23mm、駆動速度を2300mm/secと指令値の10倍以上の値にする必要がある。このため、駆動機構の追従速度の限界等から指令走査速度に追従できなくなり、加工精度が低下することになる。
【0037】
なお、以上の実施の形態では、5軸同期制御を行ったが、Z軸機構部50の制御を省略した4軸同期制御を行っても良い。この場合、Z軸機構部50は研磨ヘッド37を任意の一定の高さに保持するように構成されており、また、エアシリンダ58は研磨工具60の先端が所定の位置から十数mmの範囲で変化するようにシリンダ部58Aを所定の範囲で揺動させるように構成されている。更に、円弧ガイド54は、その曲率中心Oが所定の位置に研磨工具60の先端がある時のその先端位置とY方向とZ方向の位置において一致するように構成され、また、円弧ガイド56は、その曲率中心Oが所定の位置に研磨工具60の先端がある時のその先端位置とX方向とZ方向の位置において一致するように構成されている。
【0038】
以上のように構成された曲面研磨装置で研磨加工を行う場合には、まず、加工物34の加工面34A上に研磨剤を塗布した後、研磨工具60が加工物34の加工面34A上に接触する高さまでZ軸機構部50のZ軸スライダ53を下降させてその高さに固定すると共に、エアシリンダ58の空気圧を制御して研磨工具60を所定の力で加工面34A上に押し付ける。また同時に、スピンドル59によって研磨工具60を回転させると共に、駆動制御部33Aが予め駆動計算部で計算された駆動データに基づいて、Y軸機構部38のサーボモータ44、X軸機構部39のサーボモータ48、α軸機構部51のサーボモータ、及びβ軸機構部52のサーボモータの各ドライバに所定の制御信号を出力して、Y軸テーブル42、及びX軸テーブル46の水平方向位置とα軸スライダ55、及びβ軸スライダ57の回転位置の4軸を同期制御することにより、加工面34Aの法線と研磨工具60の荷重軸(押付け方向)が一致するように研磨ヘッド37の姿勢を変化させながら研磨工具60で加工面34Aを走査して、加工面34Aを研磨する。このとき、加工面34Aの高低変化によって研磨工具60が押し付けられる位置は変動するが、エアシリンダ58のシリンダ部58Aが追従揺動することにより一定の押付け力で研磨加工を行うことができる。また、研磨工具60が押し付けられる位置の変化分は、駆動データの計算時に補正される。
【0039】
図5は、X方向とZ方向の2次元において本実施の形態の有効範囲を検討したもので、加工面の高低変化量と傾斜変化量から有効範囲を示した一例である。水平一方向に対し加工面の高低変化量が20mm以内の加工物や、傾斜変化量が45°以内の加工物であれば、研磨工具60の水平方向位置の変化量は加工面全面にわたって10mm以内であり、容易に補正することができる。
【0040】
このように4軸同期制御による研磨加工でも、研磨ヘッド37の姿勢変化による研磨工具60の水平方向位置や垂直方向位置の変化量が少ないため、研磨工具60の走査速度を指令走査速度に追従させることができる。このため、滞留時間分布が指令値と一致することになり、加工精度を向上させることができる。また、4軸同期制御のため、構成を簡素化することができ、コストダウンを図ることができる。
【0041】
図6には、本発明の第3の実施の形態の曲面研磨装置が示されている。この図において、図1、図2、及び図3と同一の部分には同一の引用数字、符号を付したので、重複する説明は省略する。この曲面研磨装置は、加工物駆動部35に加工物34にβ軸方向の回転運動を行わせるβ軸機構部61と、加工物34にα軸方向の回転運動を行わせるα軸機構部62と、加工物34にZ軸方向の垂直運動を行わせるZ軸機構部68が付加され、研磨ヘッド支持部36として支持定盤33上の設けられた支柱70A、70Bと、支柱70A、70B間に固定された粱71と、粱71に支持された垂直機構部72が設けられた構成を有している。
【0042】
β軸機構部61は、支持定盤33上に設けられ、X軸と平行な軸を曲率中心とした凹状の円弧面63Aが形成された円弧ガイド63と、X軸と平行な軸を曲率中心とした凸状の円弧面64Aが形成され、円弧ガイド63にβ軸方向の回転ができるように係合したβ軸テーブル64と、β軸テーブル64に設けられたナット(図示せず)と螺合したボールネジ(図示せず)と、出力軸にボールネジの一端が接続され、ボールネジを回転させてβ軸テーブル64をY軸方向に回動させ、且つ、所定の位置で停止させて位置決めするサーボモータ(図示せず)より構成されている。ガイド63の円弧面63Aとβ軸テーブル64の円弧面64Aは、その曲率中心OがY方向とZ方向の位置において研磨工具60の先端と一致するように構成されている。
【0043】
α軸機構部62は、β軸テーブル64上に設けられ、Y軸と平行な軸を曲率中心とした凹状の円弧面65Aが形成された円弧ガイド65と、Y軸と平行な軸を曲率中心とした凸状の円弧面66Aが形成され、円弧ガイド65にα軸方向の回転ができるように係合したα軸テーブル66と、α軸テーブル66に設けられたナット(図示せず)と螺合したボールネジ(図示せず)と、出力軸にボールネジの一端が接続され、ボールネジを回転させてα軸テーブル66をX軸方向に回動させ、且つ、所定の位置で停止させて位置決めするサーボモータ67より構成されている。ガイド65の円弧面65Aとα軸テーブル66の円弧面66Aは、その曲率中心OがY方向とZ方向の位置において研磨工具60の先端と一致するように構成されている。
【0044】
Z軸機構部68は、図示しないリフターと、リフターによって加工物34の高さ方向に移動し、且つ、所定の位置で位置決めされるZ軸テーブル69より構成されている。
【0045】
垂直機構部72は、スピンドル59が固定された昇降自在なスライダ73Aを有し、研磨ヘッド37の姿勢が一定になるように研磨ヘッド37の昇降をガイドするスライド機構部73と、滑車74A、74Bに掛けられ、一端にスライダ73Aが、他端にウェイト75が接続されたワイヤ76より構成されている。ウェイト75の重量は、スライダ73Aとスピンドル59と研磨工具60の合計重量より所定の重量だけ小になっており、研磨工具60が加工面34Aの形状に応じて下降したとき、その変位量に応じた距離だけウェイト75が上昇し、研磨工具60が加工面34Aの形状に応じて上昇したとき、ウェイト75の荷重によってその変位量に応じた距離だけウェイト75が下降すると共に、研磨工具60がスライダ73Aとスピンドル59と研磨工具60の合計重量による力からウェイト75の荷重による力を差し引いた力で加工面34Aに押し付けられるようになっている。
【0046】
以下、本発明の第3の実施の形態の曲面研磨方法を説明する。
【0047】
まず、加工物34の加工面34A上に研磨剤を塗布した後、ウェイト75の荷重を調整して研磨工具60を微小な力で加工面34A上に押し付ける。また同時に、スピンドル59によって研磨工具60を回転させると共に、駆動制御部33Aが予め駆動計算部で計算された駆動データに基づいて、Y軸機構部38のサーボモータ45、X軸機構部39のサーボモータ48、β軸機構部61のサーボモータ、α軸機構部62のサーボモータ67、Z軸機構部68のリフターの各ドライバに所定の制御信号を出力して、Y軸テーブル42、及びX軸テーブル46の水平方向位置とβ軸テーブル64、及びα軸テーブル66の回転位置とZ軸テーブル69の垂直方向位置を同期制御することにより、加工面34Aの法線と研磨工具60の荷重軸(押付け方向)が一致するように、加工面34Aに対する研磨ヘッド37の姿勢を変化させながら研磨工具60で加工面34Aを走査して、加工面34Aを研磨する。このとき、加工面34Aの高低変化によって研磨工具60が押し付けられる高さは変動するが、スライド機構部73におけるスライダ73Aの昇降によって研磨工具60がその高さに応じて昇降するため、常にスライダ73Aとスピンドル59と研磨工具60の合計重量による力からウェイト75の荷重による力を差し引いた一定の押付け力で研磨加工を行うことができる。また、加工物34が研磨工具60との接触点を中心に任意の方向に傾斜するようになっているため、加工面34Aの法線と研磨工具60の荷重軸を一致させるのに、加工物34の水平方向位置や垂直方向位置を補正する必要がなく、研磨工具60の走査速度を指令走査速度に追従させることができる。その結果、滞留時間分布が指令値と一致することになり、加工精度の向上を図ることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の曲面研磨方法、及び曲面研磨装置によると、加工面の研磨走査によって加工面の法線の方向が変化したとき、研磨工具の荷重軸が法線に一致するように研磨工具の加工面上の接触点を中心にして荷重軸の姿勢を制御するようにしたため、研磨工具を指令した走査速度で走査して、加工精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す説明図。
【図2】図1のY、Z方向の平面図。
【図3】図1のX、Z方向の平面図。
【図4】研磨ヘッドの姿勢変化に基づく水平駆動部の動作を示す説明図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る加工物の加工有効範囲を示す説明図。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す説明図。
【図7】従来の曲面研磨装置を示す説明図。
【図8】従来の曲面研磨装置のZチルティング装置を示す説明図。
【図9】従来の曲面研磨装置の研磨ヘッドを示す説明図。
【符号の説明】
1A 形状計測部
1B 研磨加工部
2 定盤
3 加工物
4 Y軸テーブル
5 ボールネジ
6 モータ
7 X軸テーブル
8 ボールネジ
9 モータ
10 θテーブル
11A、11B、11C 研磨フレーム
12 取付板
13 Zチルティング装置
14 研磨ヘッド
15 三角取付板
16A、16B 軸
17A、17B、17C ブロック
18A、18B、18C 研磨アーム
19A、19B、19C ボールネジ
20A、20B、20C モータ
21A、21B、21C ユニバーサルジョイント
22 研磨ヘッド取付板
23 研磨工具
24 研磨工具保持装置
25 荷重軸
26 定圧装置
27 揺動装置
28 モータ
28A 出力軸
29 クランク
30 コンロッド
31 スライド軸
32 スライダ
33 支持定盤
33A 駆動制御部
34 加工物
34A 加工面
35 加工物駆動部
36 研磨ヘッド支持部
37 研磨ヘッド
38 Y軸機構部
39 X軸機構部
40 固定治具
41A、41B ガイド
42 Y軸テーブル
43 ボールネジ
44 サーボモータ
45A、45B ガイド
46 X軸テーブル
47 ボールネジ
48 サーボモータ
49A、49B 支柱
50 Z軸機構部
51 α軸機構部
52 β軸機構部
53 Z軸スライダ
54 円弧ガイド
55 α軸スライダ
56 円弧ガイド
57 β軸スライダ
58 エアシリンダ
58A シリンリ部
59 スピンドル
59A 回転軸
60 研磨工具
61 β軸機構部
62 α軸機構部
63 円弧ガイド
63A 円弧面
64 β軸テーブル
64A 円弧面
65 円弧ガイド
65A 円弧面
66 β軸テーブル
66A 円弧面
67 サーボモータ
68 Z軸機構部
69 Z軸テーブル
70A、70B 支柱
71 粱
72 垂直機構部
73 スライド機構部
73A スライダ
74A、74B 滑車
75 ウェイト
76 ワイヤ

Claims (1)

  1. 加工物を下方から支持してX軸およびY軸方向に移動させるX軸およびY軸テーブルと、
    前記加工物を下方から支持してX軸およびY軸にそれぞれ平行な軸回りに傾斜させるβ軸およびα軸テーブルと、
    球状の研磨工具を前記加工物の加工面に前記研磨工具の荷重軸に沿って所定の押付け力で押付ける押付け手段と、
    前記加工面上で前記研磨工具に前記荷重軸回りの回転運動を与える研磨運動手段と、
    前記X軸およびY軸テーブル、および前記β軸およびα軸テーブルを制御して、前記研磨工具の前記加工面上の接触点を中心にして前記荷重軸の姿勢を調整することにより、前記荷重軸を前記加工物の前記加工面の法線に一致させながら前記荷重軸回りに回転する前記研磨工具で前記加工面上を走査して前記加工面を研磨させる制御手段を備えていることを特徴とする曲面研磨装置。
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