JP3613250B2 - 厚板の圧延方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚板の圧延方法に係り、とくに、板厚不足、板長さ不足の発生を抑制できる厚板の仕上げ圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
厚板圧延においては、従来から、圧延開始前にプロセスコンピュータ(P/C)で決定した圧延パススケジュールに従って、自動圧延を行ってきたが、圧延材の温度分布、ゲージメータ板厚精度等の各種外乱要因により、所望の寸法形状の圧延板とならず、格落ちとなるケースが多かった。従来でも、圧延中の板厚、板長さといった圧延材の寸法についての情報は、各種センサーから入手可能であったが、入手できる情報の精度が必ずしも十分でなく、圧延板の板厚、板長さの制御が十分にできていないという問題があった。
【0003】
このような問題に対し、例えば、特開昭63−130203 号公報には、厚板仕上圧延機近傍の前後面あるいはそのいずれか一方に、圧延中の厚板の平均圧延板長さ、板厚、板クラウンを実測するための検出器を設置し、最終パスの1または数パス前の圧延後の前記各検出器による各実測値にもとづき、あらかじめ設定したパススケジュールにおける最終パスの目標板厚を許容公差内の範囲で変更して、 最終パスの圧延を行う厚板圧延方法が提案されている。特開昭63−130203 号公報に記載された技術では、最終パス前の圧延中の厚板の寸法、形状を測定して、目標板厚を変更して圧延し、 板長さ不合格率、板厚不合格率を減少できるとしている。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、厚板圧延においても、スラブの温度分布等の外乱要因により、圧延中に板曲がりを生じることが比較的多い。特開昭63−130203 号公報に記載された技術では圧延中に圧延板の板曲がり量を精度良く測定しておらず、板曲がりが生じた場合に、所定寸法の製品板の採取ができずに不合格となり格落ちとなる場合があり、歩留りが低下するという問題があった。とくに、図2に示すような、長さ方向に複数枚の製品板を圧延板の全幅に亘り切断して採取する場合(いわゆる、「腹割り」する場合)には、圧延板の板曲がり量によっては、切断代(いわゆる「腹割り」代)が大きくなり、予め設定された板組通りに製品板を切断し、採取できず、不合格となる場合があった。
【0005】
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、厚板の長さ不足、板厚不足による不合格を減少できる厚板の圧延方法を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、厚板の長さ不足、板厚不足による不合格をさらに減少する方策について鋭意研究した。その結果、最終パスの前に、圧延板形状を正確に、しかも定量的に把握し、その後の目標板厚の調整に反映することが肝要であることを想到した。そして、そのためには、板厚、平均圧延板長さ、クロップ長さ等の従来から実測されている項目に加え、板曲がり量を定量的にしかも精度良く実測する必要があることに思い至った。また、板曲がり量を定量的にしかも精度良く実測できる手段として、CCDカメラを搭載した幅長計が好ましく、厚板仕上圧延機近傍の前面および/または後面に設置して、圧延途中の圧延材の寸法形状を実測し、得られた実測値から最終圧延パスの目標板厚を調整することを思い付いた。
【0007】
本発明は、上記した考えに基づいて、さらに検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨は、以下に示すとおりである。
(1)厚板仕上圧延機近傍の前面および/または後面に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器を設置し、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後に前記検出器により測定された圧延板の寸法形状から、所望の形状寸法の製品板が採取可能で、かつ適正歩留まりとなるように、予め設定した目標板厚を許容範囲内で変更して、その後の圧延を行うことを特徴とする厚板の圧延方法。
(2)厚板仕上圧延機近傍の前面および/または後面に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器を設置し、予め設定した板組が、長さ方向に複数枚の製品板を圧延板の全幅に亘り切断して採取する板組である、すなわち腹割りする、場合には、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後に前記検出器により測定された圧延板の寸法形状から、所望寸法の製品板が採取可能かどうかを検討するとともに、実測した板曲がり量に応じて製品板切断に要する切断代を予測して、該切断代が確保できるように、予め設定した目標板厚を許容範囲内で変更して、その後の圧延を行うことを特徴とする厚板の圧延方法。
(3)(1)または(2)において、前記平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器が、CCDカメラを搭載した幅長計であることを特徴とする厚板の圧延方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、厚板仕上圧延機近傍の前面および/または後面に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器を設置する。板厚を測定できる検出器としては、3ヘッド型γ線厚み計が好ましい。この3ヘッド型γ線厚み計を用いて、板幅方向両エッジ部、センター部の板厚を実測し、P/Cの下位のコンピュータで圧延板全体の平均板厚を計算することができる。
【0009】
また、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器としては、CCDカメラを搭載した幅長計とすることが好ましい。CCDカメラを搭載した幅長計は、多数のCCDカメラを圧延ラインの幅方向に配列した構成とすることが好ましく、幅長計上を通過する圧延板の幅をmmオーダーの精度で瞬時に測定することが可能な幅長計とすることが好ましい。このようにして測定された圧延板の幅を、 コンピュータ等で圧延板の長さ方向に合成し、図示することにより、圧延板の平面形状を容易に視覚化、定量化することができる。これにより、クロップ長、圧延板長さ、板曲がり量等の圧延板の寸法形状を容易に把握できる。
【0010】
本発明では、このような検出器を利用して、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を実測し、そのときの圧延板の寸法形状を把握する。
そして、同時に、P/Cから圧延板(大板)の製品板の板取りの情報を出力させ、圧延板(大板)の全幅に亘り切断し、長さ方向に複数枚の製品板を採取する、いわゆる、「腹割り」の有無を判断する。
【0011】
「腹割り」を行わない場合は、実測値から計算した平均クロップ長と、基準歩留り式で決定している基準クロップ長とを比較し、さらに、板曲がり量を考慮して、計算により、所望の形状寸法の製品板が採取可能でかつ最適歩留りとなるように、その後の圧延における目標板厚を許容範囲内で変更して、圧延する。これにより、板長さ不足の発生が防止でき、さらに歩留りが向上する。
【0012】
一方、「腹割り」を行う場合には、板曲がり量を含め把握した圧延板の寸法形状から、計算により、「腹割り」後の各製品板の板曲がり量を予測して所望寸法の製品板が採取可能かどうかを判断する。可能な場合には、さらに計算により、所望寸法の製品板の切断に要する切断代(「腹割り」代、図2参照)を予測して、該切断代が確保できるように、予め設定した目標板厚を許容範囲内で変更して、 その後の圧延を行う。所望寸法の製品板の採取が不可能な場合は、格落ち、用途変更となる。
【0013】
なお、「計算により」とは、P/Cあるいは下位のコンピュータ内で予め設定されたプログラムにしたがって行うことは言うまでもない。
すなわち、例えば、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後の圧延板が板厚が不足し圧延長さに余裕がある場合には、予め設定した目標板厚より厚い目標板厚に修正する。一方、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後の圧延板の板厚が厚く、圧延板長さに余裕がなく、長さ不足の危険性が高い場合には、許容範囲内で可能な限り薄く目標板厚を設定することが好ましい。これにより、板長さ不足の発生が防止でき、歩留りが向上する。
【0014】
このような本発明方法の手順をまとめて、図1に示す。なお、この手順における計算、判断はいずれもP/Cあるいは下位のコンピュータ内で処理するのはいうまでもない。
【0015】
【実施例】
板厚を測定できる検出器として3ヘッド型γ線厚み計、および平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器としてCCDカメラを搭載した幅長計を、それぞれ圧延機近傍の後面に設置した厚板仕上圧延機により、連鋳製スラブに仕上圧延を施し、各種板組の大板とした。本発明例では、仕上圧延に際し、最終パスの1または2パス前に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を実測して、圧延板(大板)の寸法形状を把握した。
【0016】
ついで、P/Cから入力した大板の板組み情報から、「腹割り」の有無を判断した。「腹割り」が必要な場合(図3)には、大板の寸法形状実測値に基づき、「腹割り」後の板曲がり量を予測し、所望の形状寸法の製品板が採取可能かどうか検討した(図3(a))。採取可能な場合には、「腹割り」代を予測して、製品板が採取できるように(図3(b))、その後の目標板厚を許容範囲内で変更して圧延した。一方、「腹割り」が不要の場合(図4)には、板曲がり量を考慮して製品板が採取でき、かつ最適な歩留りとなるように、その後の目標板厚を許容範囲内で変更して圧延した。
【0017】
得られた製品板の寸法(板厚、板長さ)を測定し、合格、 不合格を判定した。その結果、本発明の方法を適用した場合には、長さ不足の発生率は、0.2 %(対象厚板製品重量(15万ton 中、300ton))と低減した。なお、比較例として、板曲がり量を実測しない従来の方法(特開昭63−130203 号公報に記載の方法)では、長さ不足の発生率は0.3 %(対象厚板製品重量(16万ton 中、480ton))であった。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、厚板製品の板厚不足、板長さ不足の発生を抑制することができ、厚板製品の歩留り向上に有効に寄与し、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の手順を示す説明図である。
【図2】板曲がりのある場合の腹割り代を説明する模式図である。
【図3】腹割りが必要な場合の、本発明方法における製品採取方法を説明する模式図である。
【図4】腹割りが不要な場合の、本発明方法における製品採取方法を説明する模式図である。
Claims (3)
- 厚板仕上圧延機近傍の前面および/または後面に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器を設置し、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後に前記検出器により測定された圧延板の寸法形状から、所望の形状寸法の製品板が採取可能で、かつ適正歩留まりとなるように、予め設定した目標板厚を許容範囲内で変更して、その後の圧延を行うことを特徴とする厚板の圧延方法。
- 厚板仕上圧延機近傍の前面および/または後面に、板厚、平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器を設置し、予め設定した板組が長さ方向に複数枚の製品板を採取する板組である場合には、最終パスの1パスまたは数パス前の圧延後に前記検出器により測定された圧延板の寸法形状から、所望寸法の製品板が採取可能かどうかを検討するとともに、実測した板曲がり量に応じて製品板切断に要する切断代を予測して、該切断代が確保できるように、予め設定した目標板厚を許容範囲内で変更して、その後の圧延を行うことを特徴とする厚板の圧延方法。
- 前記平均圧延長さ、クロップ長、および板曲がり量を測定できる検出器が、CCDカメラを搭載した幅長計であることを特徴とする請求項1または2に記載の厚板の圧延方法。
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