JP3612827B2 - 粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規にして有用なる粉体塗料用樹脂組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、カルボン酸と反応可能なる官能基を有する多官能性ビニル系共重合体と、多価カルボン酸と、熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体とを、必須の皮膜形成成分として含有することから成る、とりわけ、平滑性および鮮映性などのような、いわゆる仕上がり外観にも優れるし、しかも、耐擦傷性などにも優れた塗膜を与えるという、極めて実用性の高い粉体塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ基含有ビニル系重合体を樹脂成分とし、これと、硬化剤としての多価カルボン酸化合物を用いた形の粉体塗料が、特に、耐候性に優れた塗膜を形成し得るという処から、広く、利用されている。
【0003】
しかしながら、この種の粉体塗料は、耐擦傷性などに劣るという欠点を有しており、斯かる耐擦傷性を改良しようとすると、塗膜の仕上がり外観が低下し、結局の処は、諸性能のバランスを取ることが、頗る、困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来型技術に従う限りは、どうしても、とりわけ、平滑性および鮮映性などのような、いわゆる仕上がり外観と、耐擦傷性などとのバランスの取れた、極めて実用性の高い粉体塗料を得るということは、当業界の強い要望でありながら、その実現化は不可能という有り様であった。
【0005】
しかるに、本発明者らは、とりわけ、平滑性および鮮映性などに代表されるような、仕上がり外観と、耐擦傷性などとのバランスの取れた、極めて実用性の高い粉体塗料を得るべく、鋭意、研究を開始した。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一にかかって、とりわけ、平滑性および鮮映性などのような、いわゆる仕上がり外観にも優れるし、しかも、耐擦傷性などにも優れた塗膜を与えるという、極めて実用性の高い粉体塗料用樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上述したような問題(解決課題)を解決するために、鋭意、検討を重ねた結果、熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するという、特定のビニル系共重合体の存在下で、多価カルボン酸と反応可能なる官能基を有する多官能性ビニル系共重合体と、多価カルボン酸とを、加熱硬化せしめることにより、あるいは此の加熱硬化と活性エネルギー線硬化とを併用することにより、とりわけ、平滑性や鮮映性などといった、いわゆる外観をを損なうことなく、耐擦傷性などに優れた塗膜が得られるということを見出すに及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0008】
すなわち、本発明は、基本的には、カルボン酸と反応可能なる官能基を有するという、特定の多官能性ビニル系共重合体と、多価カルボン酸と、熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体とを、必須の皮膜形成成分として含有することから成る、極めて実用性の高い粉体塗料用樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
このように、本発明は、それぞれ、カルボン酸と反応可能なる官能基を有する多官能性ビニル系共重合体(A)と、多価カルボン酸(B)と、0℃以下のガラス転移温度を有し、かつ熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体(C)とを必須の皮膜形成成分として含有し、前記ビニル系共重合体(C)の添加量が、前記多官能性ビニル系共重合体(A)及び前記多価カルボン酸(B)の総量に対して0.5〜3重量%なる範囲内である粉体塗料用樹脂組成物を請求するというものであるし、
【0010】
それと同時に、カルボン酸と反応可能なる官能基を有する多官能性ビニル系共重合体(A)と、多価カルボン酸(B)とから成る組成物に対して、さらに、0℃以下のガラス転移温度を有し、かつ熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体(C)を0.5〜3重量%なる範囲内で添加してなるものを必須の皮膜形成成分として含有することから成る粉体塗料用樹脂組成物をも請求するというものであるし、
【0011】
また、上記したカルボン酸と反応可能なる官能性基を有する多官能性ビニル系共重合体(A)がエポキシ基を有するビニル系共重合体であるという特定の形の粉体塗料用樹脂組成物をも請求するというものであるし、
【0012】
さらに、上記した熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体(C)がビニル基を有するものであるという特定の形の粉体塗料用樹脂組成物をも請求するというものであるし、
【0014】
さらには亦、上記した、一分子中に少なくとも1個の、下記の一般式[I−1]
【0015】
【化3】
Figure 0003612827
【0016】
(ただし、式中のR は−CH −または−CH CH −を、また、R は水素原子または炭素数が1〜12なるアルキル基を表わすものとする。)
【0017】
で示される有機基を有するという特定の化合物(D)
【0018】
または一般式[I−2]
【0019】
【化4】
Figure 0003612827
【0020】
(ただし、式中のR は−CH −または−CH CH −を、また、R は水素原子または炭素数が1〜12なるアルキル基を表わすものとする。)
【0021】
で示される有機基を有するという特定の化合物(D)を必須の皮膜形成成分として含有することから成る形の粉体塗料用樹脂組成物をも請求するというものである。
【0022】
《構成》
以下に、本発明の構成について、詳しく、説明をすることにする。
【0023】
ここにおいて、まず、上記した、カルボン酸と反応可能なる多官能性ビニル系共重合体(A)とは、たとえば、エポキシ基を有するビニル系単量体(エポキシ基含有単量体)と、これと共重合可能なる其の他のビニル系単量体とを共重合せしめることによって得られるというような形の重合体類を指称するものである。
【0024】
ここにおいて、エポキシ基含有ビニル単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、グリシジル(メタ)アクリレートもしくはβ−メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのような(メタ)アクリル酸の各種のグリシジルエステル類のほか、
【0025】
さらには、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルもしくは(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルなどのような各種のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0026】
あるいはアリルアルコールの(メチル)グリシジルエーテル、メタアリルアルコールの(メチル)グリシジルエーテル、N−グリシジルアクリル酸アミドまたはビニルスルフォン酸グリシジルなどであるが、これらは単独使用でも、2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0027】
斯かるエポキシ基含有単量体と共重合可能なる其の他のビニル系単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸または其れらのエステル類、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類、あるいは其の他の重合性不飽和結合含有単量体(いわゆるエチレン性不飽和単量体)をも使用することが出来る。これらは、単独使用でも、2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0028】
それらのうちでも、上記した(メタ)アクリル酸のエステルとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、
【0029】
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルオクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、
【0030】
(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、エチルカルビトール(メタ)アクリレートの如きアルキルカルビトール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートまたはジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレートなどである。
【0031】
また、前記した水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルもしくは(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルの如き、各種の水酸基含有(メタ)水酸基含有(メタ)アクリレート単量体;
【0032】
またはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートもしくはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどをはじめ、さらにるいは上掲したような種々の水酸基含有(メタ)アクリレート単量体を、ε−カプロラクトンで以て開環反応させた形の、いわゆるラクトン変性の水酸基含有(メタ)アクリレート類などである。
【0033】
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランもしくはγ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランの如き、各種の加水分解性シリル基を有する単量体;
【0034】
ふっ化ビニル、ふっ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレンもしくは、ヘキサフルオロプロピレンの如き、各種のふっ素含有α−オレフィン類;
【0035】
またはトリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテル、ペンタフルオロエチルトリフルオロビニルエーテルもしくはヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルの如き、各種のパーフルオロアルキル・パーフルオロビニルエーテルあるいは(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(ただし、アルキル基の炭素数としては、1〜18なる範囲内のもの)の如き、各種の含フッ素ビニル単量体類などをはじめ、
【0036】
さらには、燐酸エステル基を有する(メタ)アクリル単量体も亦、使用することが出来るが、斯かる類のものとして特に代表的なもののみを例示するにとどめるならば、モノ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]フォスフェート、酸性燐酸(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリロイルオキシエチル燐酸フェニールなどである。
【0037】
また、共重合可能なる其の他の単量体、就中、その他の重合性不飽和結合含有単量体(いわゆるエチレン性不飽和単量体)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、フマル酸、マレイン酸またはイタコン酸などで代表されるような各種の多価カルボキシル基含有単量体と、炭素数が1〜18なる範囲内のモノアルキルアルコールとのモノ−ないしはジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンまたはビニルトルエンの如き、各種の芳香族ビニル化合物;
【0038】
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−iso−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−iso−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−アミル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヘプチル(メタ)アクリルアミドもしくはN−2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、
【0039】
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−iso−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−isoーブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドもしくはN−アミロキシメチルアクリルアミド、
【0040】
N−ヘキシロキシ(メタ)アクリルアミド、N−ヘプチロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−2−エチル−ヘキシロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドの如き、各種のアミノ基含有アミド系不飽和単量体類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくはジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如き、各種のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;
【0041】
tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、ピロリジニルエチル(メタ)アクリレート、ピペリジニルエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルオキサゾリンもしくは(メタ)アクリロニトリルの如き、各種の含窒素単量体;
【0042】
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、C なる分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニル、C10なる分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニル、C11なる分岐状(分枝状)脂肪族カルボン酸ビニルもしくはステアリン酸ビニルの如き、各種の脂肪族カルボン酸ビニル;またはシクロヘキサンカルボン酸ビニル、メチルシクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルもしくはp−tert−ブチル安息香酸ビニルの如き、環状構造を有するカルボン酸のビニルエステル類;
【0043】
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシn−ブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルの如き、アルキルビニルエーテル類;または塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、上掲のフルオロオレフィン類以外の、各種ハロゲン化オレフィン類;あるいはエチレン、プロピレンもしくはブテン−1の如き、各種のα−オレフィン類などである。
【0044】
ビニル系共重合体は、常法により、合成することが出来るが、その際には、ラジカル重合開始剤として、公知慣用の種々のものを使用することが出来る。
【0045】
かかるラジカル重合開始剤として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロペン)2塩酸塩、2−tert−ブチルアゾ−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロピオンアミド)2水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロペン]もしくは2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)の如き、各種のアゾ化合物;または過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、カリウムパーサルフェート(過硫酸カリウム)もしくはtert−ブチルパーオキシネオデカノエート、
【0046】
tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−ラウレート、tert−ブチルパーオキシイソフタレートもしくはtert−ブチルパーオキシアセテートなどをはじめ、
【0047】
さらには、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシドまたはジ−tert−ブチルパーオキシドの如き、各種の、それぞれ、ケトンパーオキシド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類またはパーオキシジカーボネート類などであるし、さらには亦、過酸化水素などである。
【0048】
また、必要に応じて、連鎖移動剤をも用いることが出来るが、斯かる連鎖移動剤として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸エステル、メルカプトエタノールまたはα−メチルスチレン・ダイマーなどである。
【0049】
以上に掲げたような、当該エポキシ基含有多官能性ビニル系共重合体(A)を調製するに当たっての、とりわけ、前記したエポキシ基含有単量体の使用量としては、使用する単量体類の約5〜80重量%の範囲内が、好ましくは、20〜60重量%の範囲内が、さらに好ましくは、30〜55重量%の範囲内が適切である。
【0050】
此のエポキシ基含有ビニル系単量体の使用量が約5重量%よりも少ないという場合には、どうしても、得られる塗膜の、とりわけ、機械的物性などが低下し易くなって来るようになるし、
【0051】
一方、約50重量%を超えて余りに多くなるという場合には、どうしても、とりわけ、塗膜外観などが低下し易くなって来るようになり、ひいては、本発明の効果を発揮することが出来ないということになるので、いずれの場合も好ましくない。
【0052】
また、当該エポキシ基含有多官能ビニル系共重合体(A)の数平均分子量としては、大約1,000〜大約10,000なる範囲内が適切であるし、好ましくは、1,500〜5,000なる範囲内が適切である。約1,000よりも小さいという場合には、どうしても、塗膜の、とりわけ、機械的物性などが劣るというようになるし、一方、約10,000を超えて余りに大きくなるという場合には、どうしても、塗膜の、とりわけ、平滑性などが低下し易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0053】
さらに、当該共重合体(A)の、環球法による軟化点としては、約80℃〜約150℃なる範囲内が適切であり、約80℃よりも低いというような場合には、どうしても、粉体塗料の、とりわけ、耐ブロッキング性などが劣り易くなるし、一方、約150℃を超えて余りにも高くなるというような場合には、どうしても、塗膜の、とりわけ、平滑性などが劣り易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0054】
以上に掲げて来たような単量体、就中、ビニル系単量体から、当該共重合体(A)を得るには、公知慣用の種々の方法が適用できるが、就中、溶液ラジカル重合法によるのが、最も簡便である。
【0055】
次いで、前記した多価カルボン酸(B)としては、たとえば、脂肪族系ないしは芳香族系の種々の化合物が使用できる。こうした、脂肪族系ないしは芳香族系の多価カルボン酸として特に代表的なるもののみを例示するにとどめるならば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、1,12−ドデカン2酸、1,20−アイコサン2酸または1,24−テトラアイコサン2酸、
【0056】
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸あるいは此等の酸無水物などであるが、これらのうちでも、1,12−ドデカン2酸または1,20−アイコサン2酸などの使用が、特に望ましい。
【0057】
前述したエポキシ基含有多官能性ビニル系共重合体(A)と、当該多価カルボン酸(B)との配合割合としては、前者共重合体(A)中のエポキシ基と、後者(B)成分化合物中のカルボキシル基との当量比で以て、前者:後者が、約0.5〜約1.5なる範囲内に入るような比率が適切であり、斯かる割合で以て使用するのが望ましい。
【0058】
次いで、前記した、0℃以下のガラス転移温度を有し、かつ熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体(C)とは、当該共重合体(C)中に、つまりは、その分子側鎖ないしは分子鎖末端位に、此の重合可能なる官能性基として、たとえば、有機基を、就中、ビニル基を有するという特定の共重合体、つまり、ビニル基含有ビニル系共重合体を指称するというものであり、
【0059】
斯かるビニル基含有ビニル系共重合体(C)という、特定の共重合体としては、当該共重合体中に、此の重合可能なる官能性基として、特に、ビニル基を有するというようなものが、いずれも、包含され得るけれども、
【0060】
それらのうちでも特に代表的なるもののみを例示するにとどめることにすれば、一分子中に、少なくとも、それぞれ、エポキシ基、カルボキシル基およびビニル基を併有するという形の共重合体などであり、
【0061】
とりわけ、こうした特定の官能基を有するビニル系共重合体などであり、就中、アクリル樹脂であり、さらに詳述するならば、こうした特定の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体〔(メタ)アクリレート系共重合体〕などである。
【0062】
したがって、当該ビニル系共重合体(C)の調製法としては、就中、上記したビニル基含有ビニル系共重合体(C)の調製法としては、たとえば、前述した、エポキシ基を有するビニル系共重合体(A)に、カルボキシル基と、此の、熱および/または活性エネルギー線で重合可能なるビニル基とを併せ有する単量体とを反応せしめるか、
【0063】
あるいはカルボキシル基を有するビニル系共重合体(カルボキシル基含有ビニル系共重合体)に、エポキシ基と、此の、熱および/または活性エネルギー線で重合可能なるビニル基とを併せ有する単量体とを反応せしめるというようなものがあるが、こうした種々の方法により得ることが出来る。
【0064】
なお、当該ビニル系共重合体(C)を調製するに際しては、前述したエポキシ基含有ビニル系共重合体(A)を調製する際に用いられるような、種々のビニル単量体と、ラジカル重合開始剤とが、さらには、連鎖移動剤とが、そのまま、使用できる。
【0065】
当該ビニル系共重合体(C)なる成分の添加量としては、成分(A)および成分(B)からなる組成物に対して、当該(C)成分を、約0.1〜約10重量%なる範囲内となるようにする割合が適切であって、斯かる範囲内で以て添加するというようにするのが望ましく、就中、0.5〜3重量%なる範囲内で以て添加するというようにするのが、さらに望ましい。
【0066】
約0.1重量%未満の添加量の場合には、どうしても、当該共重合体(C)の添加効果が認められ難くなるし、一方、約10重量%を超えて余りに多くなるという場合には、どうしても、粉体塗料それ自体の塗装適性ならびに安定性などに欠点が出易くなって来るので、いずれの場合も好ましくない。
【0067】
ここにおいて、上記したカルボキシル基含有ビニル単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸またはビニル酢酸などであるが、就中、(メタ)アクリル酸が、好適に使用され得る。
【0068】
また、上記したエポキシ基を有するビニル単量体としては、前述した、エポキシ基を有する多官能性ビニル系共重合体(A)の調製の際に使用されるような、種々のエポキシ基含有単量体が、そのまま、使用できる。
【0069】
当該共重合体(C)を調製する際に使用する、こうした、カルボキシル基含有単量体とエポキシ基含有単量体との割合としては、これらの両原料成分の当量比で以て、約0.1〜約1.1なる範囲内になるような比率が適切であり、こうした割合で以て使用するのが望ましい。
【0070】
当該官能性基を有するビニル系共重合体(C)を熱重合せしめるというような場合には、ラジカル重合開始剤を併用してもよく、かかる重合開始剤としては、勿論、上述したようなエポキシ基含有ビニル系共重合体(A)や、ビニル基含有ビニル系共重合体(C)を合成する際に用いたラジカル重合開始剤が、そのまま、使用できる。
【0071】
熱および/または活性エネルギー線で重合可能なる官能性基、就中、ビニル基を有するビニル系共重合体(C)を、活性エネルギー線を用いて重合せしめるというような場合には、その際に用いるべき、上記活性エネルギー線として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、α線、β線、γ線、中性子線、X線または電子線などに代表されるような、各種の電離性放射線や、紫外線などをはじめ、さらには、可視光といった類の光などである。
【0072】
通常、電離性放射線の照射によって硬化させるというような場合には、直接、ラジカル重合せしめるというようにすれればよい。また、上記した、紫外線または可視光線の照射によって硬化させるというような場合には、約1,000〜約8,000オングストロームなる範囲内の波長領域で以てラジカルを発生し得るような、各種の光開始剤を添加して、此のラジカル重合を行なわしめるというようにすればよい。
【0073】
かかる光開始剤としては、公知慣用の種々の化合物が、いずれも、使用できるが、それらのうちでも特に代表的なもののみを挙げるにとどめれば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(「ダロキュア 1173」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ2−メチルプロパン−1−オン(「ダロキュア 1116」)もしくは1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(「イルガキュア 184」)、
【0074】
4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(「ダロキュア 2959」)、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン(「イルガキュア 907」)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(「イルガキュア 651」)の如き、各種のアセトフェノン類;
【0075】
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの如き、各種のベンゾイン類;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンの如き、各種のベンゾフェノン類;
【0076】
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンの如き、各種のチオキサントン類;4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(別名=ミヘラーズケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、α−アシロキシムエステル、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート(「バイキュア 55」)、2−エチルアンスラキノンの如き、各種のアンスラキノン類;
【0077】
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(「ルシリン TPO」)の如き、各種のアシルフォスフィンオキサイド類;あるいは3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン[日本油脂(株)製の「BTTB」]またはアクリル化ベンゾフェノンといったような種々の化合物などである。
【0078】
可視光硬化用光開始剤として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、カンファーキノン、3−ケトクマリン、アンスラキノン、α−ナフチル、アセナフテン、ベンジル、p,p’−ジメトキシベンジルもしくはp,p’−ジクロロベンジルの如き、各種のジカルボニル系;または2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンもしくは2,4−ジメチルチオキサントンの如き、各種のチオキサントン系;
【0079】
あるいは2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(「ルシリン TPO」)、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドもしくはベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイドの如き、各種のアシルホスフィンオキサイド系などであるし、さらには、α−アシロキシムエステル(「カンターキュア PDO」)などといったような、種々の化合物などである。
【0080】
上掲したような光開始剤は、単独使用でも2種以上の併用でもよいことは、勿論である。斯かる光開始剤および/またはラジカル重合開始剤と併用して、硬化効率を高めるというために用いられる、いわゆる増感剤としては、公知慣用の種々の増感剤が利用し適用できるが、それらのうちでも特に代表的なるもののみを例示するにとどめることにすれば、まず、アミン類としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンもしくはn−ブチルアミンまたはN−メチルジエタノールアミン、
【0081】
あるいはジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルまたは重合性3級アミン(「ウベクリル P−104、P−105もしくはP−115」)などである。
【0082】
さらには、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物またはニトリル類などであるし、さらには、その他の含窒素化合物などである。
【0083】
一分子中に少なくとも1個の、前掲した一般式[I−1]または[I−2]で示されるような特定の有機基を有する化合物(D)としては、これらの両一般式で以て示されるような種々の化合物が使用できるし、また、グアナミン化合物としては、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ステログアナミンまたはスピログアナミンなどといった種々のものが使用できる。
【0084】
さらに、アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドおよびグリオキザールよりなる群から選ばれる、少なくとも1種の化合物が使用できる。
【0085】
ここにおいて、n−ブチル化メラミン樹脂として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、「スーパーベッカミン L−164」[大日本インキ化学工業(株)製の、高不揮発分タイプ商品]などであるし、また、ヘキサメトキシメチル化メラミンとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
【0086】
「サイメル 300、301もしくは303」[三井サイアナミッド社製品]などであるし、さらに、2種以上のアルコールで以て変性した形のメラミン樹脂として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、「サイメル 232、238もしくは266」(同上社製品)などである。
【0087】
酸アミド化合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、「プリミド(PRIMID) XL−552」(アメリカ国ローム・アンド・ハース社製品)などである。
【0090】
ここにおいて、上記「プリミド XL−552」なる化合物は、下記の一般式で以て示されるような、同上社製の酸アミド系のものである。
【0091】
【化6】
Figure 0003612827
【0092】
当該化合物(D)の添加量としては、前述した、それぞれ、(A)成分、(B)成分および(C)成分なる3成分から構成される組成物に対して、約0.1〜約50重量%なる範囲内で添加するというのが望ましく、0.5〜30重量%なる範囲内で添加するというが、さらに望ましい。
【0093】
約0.1重量%未満の場合には、どうしても、当該化合物(D)の添加の効果が認められ難くなって来るようになるし、一方、約50重量%を超えて余りに多くなるという場合には、どうしても、粉体塗料の、とりわけ、塗装適性ならびに安定性などに欠点が出易くなって来るようになるので、いずれの場合も好ましくない。
【0094】
当該化合物(D)を添加使用しようとする場合には、とりわけ、硬化促進のために、酸触媒を使用してもよいということは、勿論である。斯かる酸触媒として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、燐酸、蟻酸、(無水)琥珀酸、蓚酸、メタンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸、ドデシルベンゼンスルフォン酸、ジノニルナフタレンスルフォン酸もしくはジノニルナフタレンジスルフォン酸の如き、各種のアルコキシナフタレンスルフォン酸および/または此等のアルカリ金属−、アルカリ土類金属−ないしはアミン塩などである。
【0095】
かくして得られる、本発明の粉体塗料用樹脂組成物には、それぞれ、エポキシ系、ポリエステル系またはポリアミド系の如き、各種の合成樹脂などをはじめ、さらには、顔料、流動調節剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ベンゾイン類、帯電防止剤または酸化防止剤などのような、通常、用いられる部類の、公知慣用の種々の塗料用添加物を、
【0096】
必要に応じて、1種または2種以上、加えるということが出来るのは、勿論であり、したがって、本発明に係る粉体塗料用樹脂組成物は、こうした諸々の塗料用添加物を添加した形で、あるいは添加しない形で、目的とする粉体塗料として実用に供せられる。
【0097】
かかる添加剤のうちでも、特に、紫外線吸収剤、光安定剤あるいは酸化防止剤として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(「シーソーブ 100」)、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(「シーソーブ 101」)もしくは2,2’−ジヒドロキシ−4,4’メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4メトキシ−5ースルフォベンゾフェノンの如き、各種のベンゾフェノン系;
【0098】
2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(「チヌビン 328」)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール(「チヌビン P」)、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2Hベンゾトリアゾール(「チヌビン 900」)の如き、各種のベンゾトリアゾール系;フェニルサリシレート(「シーソーブ 201」)の如き、各種のサリシレート系;
【0099】
エチル−2−シアノー3,3’−ジフェニルアクリレート(「シーソーブ 501」)の如き、各種の置換アクリロニトリル系;2−エトキシ−2’−エチルオキザックアシッドビスアニリド(「チヌビン 312」)の如き、各種のシュウ酸アニリド系;[2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケル(II)(「シーソーブ 612NH」)の如き、各種のニッケル錯体系;
【0100】
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(「チヌビン 292」)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(「チヌビン 770」)、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(「チヌビン 144」)の如き、各種のヒンダード・アミン系;
【0101】
あるいは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(「スワノックス BHT」または「BHT スワノックス」)またはテトラキス−[メチレン−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)](「イルガノックス 1010」)の如き、各種のフェノール系などである。
【0102】
なお、「シーソーブ」、「チヌビン」、「スワノックス BHT」または「イルガノックス」は、それぞれ、順に、シブロ化成(株)製の商品名であり、スイス国チバ・ガイギー社製の商品名であり、精工化学(株)製の商品名であるし、そして、同じく、スイス国チバ・ガイギー社製の商品名である。
【0103】
また、着色剤として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、まず、有機顔料としては、ベンチジンエローまたはハンザエローあるいはレーキッド4Rの如き、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドCまたはカーミン6Bあるいはボルドー10の如き、各種の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルーまたはフタロシアニングリーンの如き、各種の銅フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキあるいはメチルバイオレットレーキの如き、各種の塩素性染め付けレーキ;
【0104】
キノリンレーキあるいはファストスカイブルーの如き、各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系またはチオインジゴ系あるいはペリノン系の如き、各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドBの如き、各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレットの如き、各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタールの如き、各種の縮合アゾ顔料などをはじめ、さらには、アニリンブラックなどである。
【0105】
次いで、無機充填剤として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、黄鉛またはジンククロメートあるいはモリブデートオレンジの如き、各種のクロム酸塩;紺青の如き、各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラあるいは酸化クロームグリーンの如き、各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッドあるいは硫化水銀の如き、各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウムおよび硫酸鉛の如き、各種の硫酸塩;
【0106】
珪酸カルシウムあるいは群青の如き、各種の珪酸塩;炭酸カルシウムあるいは炭酸マグネシウムの如き、各種の炭酸塩;コバルトバイオレットあるいはマンガン紫の如き、各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉あるいは真鍮粉の如き、各種の金属粉末顔料などであるし、さらには、これらの金属フレーク顔料やマイカ・フレーク、あるいは金属酸化物などを被覆した形のマイカ・フレーク顔料や雲母状酸化鉄顔料などといった、いわゆるメタリック顔料類や、パール顔料類などであるし、
【0107】
さらに、体質顔料として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、石膏、アルミナ白、クレー、シリカ、シリカ白、タルク、沈降性炭酸マグネシウムあるいはカオリンなどであるが、さらには、カーボンブラックなども亦、使用することが出来る。
【0108】
粉体塗料を製造するには、公知慣用の、いずれの方法をも採用し適用することが出来るが、通常は、上掲したような種々の成分を混合せしめてからに、加熱ロールや、エクストルーダーなどのような、各種の溶融混練機により、約80〜約180℃程度の温度で以て、充分に溶融混合せしめ、冷却ののち、粉砕化せしめるということによって、目的とする粉体塗料と為すという方法が採られている。
【0109】
また、塗装方法としても、静電吹付法あるいは流動浸漬などのような、公知慣用の種々の塗装方法などによって、被塗物(基材)を塗装し、通常、かくして得られる塗装物を、約150〜約210℃なる範囲内の温度の焼付炉などで以て焼き付けを行なうということによって、目的とする。粉体塗装による塗膜を得ることが出来る。
【0110】
上記した基材類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アルミニウム、ステンレス・スチール、クロム・メッキ、トタン板またはブリキ板の如き、各種の金属素材ないしは金属製品;あるいは瓦;ガラス;または各種の無機質建材などであり、
【0111】
さらに具体的には、自動車車体または自動車(用)部品、二輪車または二輪車(用)部品などをはじめ、門扉またはフェンスの如き、各種の建材;アルミサッシの如き、各種の建築内外装用資材;あるいはアルミホイルなどのような種々の鉄または非鉄金属の素材ないしは諸製品などである。
【0112】
そして、かくして得られる、本発明に係る粉体塗料用樹脂組成物は、特に、自動車上塗り用として、自動車中塗り用、自動車部品用、建材用、各種金属製品用の塗料などとして、それぞれ、ソリッドカラー用、メタリックコートのクリヤー用、あるいは水性メタリックベースと組み合わせた形のクリヤー用などとして、広範に、利用し適用することが出来る。
【0113】
【実施例】
次に、本発明を、合成例、参考例、実施例、比較例、応用例および比較応用例により、一層、具体的に説明することにするが、これらの例示例は、飽く迄も、一態様でしかなく、本発明は、決して、これらの例示例のみによって限定されるものではない。以下において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基準であるものとする。
【0114】
合成例1 〔エポキシ基含有ビニル系共重合体(A)の調製〕
温度計、撹拌機、還流冷却器および窒素導入口を備えた反応容器に、キシレンの100部を入れ、130℃にまで昇温する。
【0115】
これに、グリシジルメタクリレートの30部、n−ブチルメタクリレートの25部、メチルメタクリレートの30部およびスチレンの15部と、重合開始剤としての、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの4部とからなる混合物を、5時間に亘って滴下した。
【0116】
滴下終了後も、同温度に、10時間のあいだ保持して、残りの単量体(残モノマー)の重合反応を行なって、此の反応を完結せしめた。重合反応終了後は、かくして得られる樹脂の溶液を、約30Torrの減圧下に保持して、キシレンを剤を除去せしめるということにより、不揮発分が99.5%で、環球法による軟化点が105℃で、かつ、数平均分子量が3,100なる、固形の目的共重合体を得た。
【0117】
合成例2および3〔ビニル基含有ビニル系共重合体中間体(M)の調製〕
温度計、攪拌機、還流冷却器および窒素導入口を備えた反応容器に、キシレンの100部を入れて、130℃にまで昇温する。次いで、これに、第1表に示すような量、のそれぞれ、単量体と重合開始剤とからなる混合物を、5時間に亘って滴下した。
【0118】
滴下終了後も、同温度に、10時間のあいだ保持して、残モノマーの重合反応を行ない、此の反応を完結せしめるということによって、目的とする中間体を得た。以下、これらを、それぞれ、(M−1)および(M−2)と略記する。
【0119】
【表1】
Figure 0003612827
【0120】
合成例4〜6〔ビニル基含有ビニル系共重合体(C)の調製〕
温度計、攪拌機、還流冷却器および空気導入口を備えた反応容器に、第2表に示すような量の、それぞれ、中間体(M)と、アクリル酸と、ハイドロキノンモノメチルエーテルの0.01部と、トリフェニルフォスフィンの0.08部とを仕込んで、100℃にまで昇温して反応せしめ、さらに、110℃にまで昇温して、反応を完結せしめた。
【0121】
その後は、かくして得られる樹脂の溶液を、約30Torrの減圧下に保持して、溶剤を除去せしめるということにより、第2表に示すような性状値を有する目的共重合体(C)を得た。
【0122】
【表2】
Figure 0003612827
【0123】
参考例1(本発明に係る粉体塗料用樹脂組成物を用いて、複層塗膜形成方法を実施するための、水性ベースコート用水分散性樹脂の調製例)
【0124】
合成例1と同様の反応容器に、脱イオン水の680部、過硫酸アンモニウムの2部および「Triton x−200」▲1▼の15部を仕込み、95℃に加熱して、下記のような単量体成分(アクリル・モノマー成分)の水性乳化液を、此の95℃の反応系に、4時間かけて滴下した。
【0125】
滴下終了後も、さらに、3時間のあいだ、同温度に保持した。その後は、反応液を冷却してから、ジメチルエタノールアミンの5部と、脱イオン水の40部とを添加した。かくして、固形分が45%なる、溶剤に不溶なる架橋性微粒子を含む形の、水分散型アクリル樹脂の、乳白色の、安定なる分散液を得た。以下、これを水分散性樹脂(E−1)と略記する。
【0126】
Figure 0003612827
【0127】
Figure 0003612827
【0128】
註) ▲1▼………ローム・アンド・ハース社製の、アニオン性界面活性剤の商品名
【0129】
▲2▼………花王アトラス(株)製の、ノニオン性界面活性剤の商品名
【0130】
参考例2(水性ベースコート塗料用増粘剤の調製例)
「アクリゾール ASE−60」(ローム・アンド・ハース社製の、増粘剤の商品名;固形分=28%)の64部に、ジメチルエタノールアミンの6部および脱イオン水の530部を添加して、固形分が3%なる目的物を得た。以下、この増粘剤を(P)と略記する。
【0131】
実施例1〜11
これらの諸例は、いずれも、粉体塗料の調製例であるが、まず、第3表ならびに第4表に示すような配合で以て混合せしめ、しかるのち、それぞの混合物を、「コニーダー PR−46型」(スイス国ブス社製の、一軸混練機の商品名)なる混練機により、加熱混練せしめた。
【0132】
かくして得られた、それぞれの混練物を粗粉砕化せしめたのち、さらに、微粉砕化せしめるということにより、平均粒径が30〜40ミクロン(μm)なる、各種の粉体塗料を調製した。
【0133】
比較例1〜7
これらの諸例は、いずれも、対照用の粉体塗料の調製例であるが、実施例1〜11と同様にして、第3表ならびに第4表に示すような配合で以て混合せしめ、加熱混練せしめ、粗粉砕化せしめたのち、さらに、微粉砕化せしめた。
【0134】
以下、それぞれの目的塗料を、粉体塗料(T−1)〜(T−18)と略記することにするが、それらのうちの、粉体塗料(T−5)、同(T−10)および同(T−18)は、顔料としての酸化チタンが配合されているという形のものであるし、粉体塗料(T−1)〜(T−11)なる、それぞれの塗料は、いずれも、本発明品であり、他方、粉体塗料(T−12)〜(T−18)なる、それぞれの塗料は、いずれも、対照品である。
【0135】
【表3】
Figure 0003612827
【0136】
《第3表の脚註》
(注1) 石原産業(株)製の、酸化チタンの商品名
【0137】
(注2) アメリカ国モンサント社製の、ビニル共重合体系流展剤の商品名
【0138】
【表4】
Figure 0003612827
【0139】
【表5】
Figure 0003612827
【0140】
【表6】
Figure 0003612827
【0141】
【表7】
Figure 0003612827
【0142】
《第4表の脚註》
(注1) 「イルガキュアー 184」の略記であって、チバガイギー社製の、光開始剤の商品名である。
【0143】
(注2) 三井サイアナミド社製の、イミノ基含有メチル化メラミンの商品名
【0144】
【表8】
Figure 0003612827
【0145】
【表9】
Figure 0003612827
【0146】
参考例3(水性ベースコート用塗装剤の調製例)
参考例1で得られた水分散性樹脂(E−1)の100部と、参考例2で得られた増粘剤(P)の10部と、「サイメル 300」の5部と、触媒としてのパラトルエンスルフォン酸の1.0部と、「アルミペースト分散液#4919」[東洋アルミニウム(株)製の、アルミペーストの商品名]の3部と、「アルミペースト分散液#55−519」(同上社製品)の1.5部とに、
【0147】
イソプロパノールの12部を混合せしめ、脱イオン水で以て、20℃における、「フォード・カップ No.4」による粘度が16秒となるように調整せしめることによって、水性ベースコート用の塗装剤を得た。以下、これを(X−1)と略記する。
【0148】
応用例1
粉体塗料(T−1)〜(T−3)を、粉体塗装用静電スプレー塗装機で以て、燐酸亜鉛処理を施した、0.8mm厚の梨地鋼板上に塗装せしめ、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行なうということによって、試験板を得た。
【0149】
それらの結果は、まとめて、第5表に示すが、此の応用例1の場合については、次表に示す通りである。
【0150】
《塗膜物性評価》
【0151】
かくして得られた、それぞれの硬化塗膜についての、塗膜諸物性の評価判定を行なった。つまり、膜厚、塗膜の平滑性、塗膜の鮮映性、耐擦傷性ならびに基材密着性などという諸々の性能についての観察ないしは測定を行なった。それらの諸性能の評価判定の結果は、次のような要領で行なったものである。
【0152】
膜厚…………………電磁膜厚計で測定。
【0153】
塗膜の平滑性………目視判定により、優、良、可または不可という四段階の評価判定で行なった。
【0154】
優…………非常にスムーズな平滑なる塗面の場合
良…………小さいラウンドが認められる場合
可…………大きなラウンドが認められる場合
不可………大きなラウンドに加え、細かいチリ肌が認められ、著しく、塗膜外観を損なっている場合
【0155】
塗膜の鮮映性………光沢計を用いて、60度光沢(60度鏡面反射率%)を測定した。
【0156】
耐擦傷性……………耐クレンザー性を測定した。
【0157】
測定方法は、5%クレンザー水分散液を、ネルに浸して、50往復のラビングを行なった。
そして、此のラビング前後の光沢(20度鏡面反射率%)を測定し、これより求めた光沢保持率(%)で表示した。
【0158】
基材密着性…………応用例2ならびに此の応用例2の対照例たる比較応用例2以外の場合については、つまり、応用例1および3〜10ならびに比較応用例1および3〜7の場合については、それぞれ、JIS K5400に準じて、各別に、碁盤目密着性という試験法により評価判定を行ない、粘着テープ剥離後の塗膜残存量で以て表示した。
【0159】
層間密着性…………他方の、それぞれ、応用例2ならびに此の応用例2の対照例たる比較応用例2の両例の場合については、まず、塗板(硬化塗膜の形成された試験板)を、各別に、40℃の温水中に、10日間のあいだ浸漬せしめ、次いで、引き上げてから30分後に、常法により、それぞれの塗面上に、クロス・カットを入れ、粘着テープによる剥離試験を行なって、それぞれ、優、良および不可なる、次に示すような評価判定基準に基づく、都合、3ランクによる評価判定を行なった。
【0160】
優…………全く、剥離が認められない場合
良…………ベースコートとトップコートとの間で、剥離が認められる場合
不可………著しく、層間剥離が認められる場合
【0161】
【表10】
Figure 0003612827
【0162】
応用例2
次に示すような、いわゆる複層塗膜形成方法に従って、塗膜を形成せしめることによって得られた硬化塗膜について、塗膜諸性能の評価判定の試験を行なった。その際の被塗物基材としては、次のような前処理を施した形のものを用いた。
【0163】
すなわち、「ボンデライト #3030」[日本パーカライジング(株)製の、燐酸亜鉛系処理剤]で以て処理された軟鋼板に、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料を電着せしめ、次いで、その上に、アミノ・ポリエステル樹脂系中塗り塗料を塗装せしめた形のものを用いた。
【0164】
まず、水性ベースコート用メタリック塗装剤(X−1)を、温度が25℃で、かつ、相対湿度が65〜70%なる塗装雰囲気下で、乾燥膜厚が20μmになるように、それぞれ2回に分けて塗装せしめた。こうした2回の塗装の間に、2分間のセッティングを設けた。
【0165】
1回目の塗装時における、スプレー・ガンのエアー圧を5Kg/cm とし、塗料の流速を400m/分とするという一方で、2回目の塗装時には、塗料の流速を200m/分とし、被塗物とスプレー・ガンとの距離は40cmと為した。なお、被塗物(基材)上における塗布面が、常に、垂直となるように、此の被塗物(基材)を保持するという要領で行なった。
【0166】
こうした2回に亘る塗装ののち、30℃の温度で、5分間のあいだ、風乾せしめた。しかるのち、室温にまで冷却してから、粉体塗料(T−1)〜(T−3)を、粉体塗装用静電スプレー塗装機で以て塗装せしめ、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行なって、試験板を得た。
【0167】
【表11】
Figure 0003612827
【0168】
応用例3
ジ−tert−ブチルパーオキシドを添加した形の粉体塗料(T−4)を、応用例1と同様の方法により塗装して得られた塗装板を、170℃において、20分間のあいだ焼付けを行なって、試験板を得た。
【0169】
応用例4
「タイペーク CR−93」を配合して調製した形の粉体塗料(T−5)を、応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行なって、試験板を得た。
【0170】
【表12】
Figure 0003612827
【0171】
応用例5
光開始剤としての「イルガキュアー 184」(スイス国チバ・ガイギー社製品)を添加して調製した形の粉体塗料(T−6)を、応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行ない、さらに、80W/cmの高圧水銀灯により、1,000ミリ・ジュール(mJ)/cm なる紫外線の照射を行なって、試験板を得た。
【0172】
応用例6
粉体塗料(T−3)と、酸チタンを配合して調製した形の粉体塗料(T−5)との二つの粉体塗料を、応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行ない、さらに、電子線照射装置(ESI社製の、エレクトロ・カーテン)により、加速電圧が165キロ・ボルト(KV)なる条件で以て、6メガ・ラド(Mrad)なる電子線照射を行なうということによって、試験板を得た。
【0173】
【表13】
Figure 0003612827
【0174】
応用例7
光開始剤「イルガキュアー 184」を添加した形の粉体塗料(T−6)を、応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、145℃において、15分間のあいだ加熱溶融して、平滑なる塗面を形成せしめたのち、80W/cmなる高圧水銀灯により、1,000mJ/cm なる紫外線照射を行なって、表面層を紫外線硬化せしめ、しかるのち、再度、此の塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼付けを行なって、試験板を得た。
【0175】
応用例8
粉体塗料(T−3)および粉体塗料(T−5)なる二つの粉体塗料を用いて、応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、145℃において、15分間のあいだ加熱溶融するということによって、平滑なる塗面を形成せしめたのち、さらに、電子線照射装置(ESI社製の、エレクトロ・カーテン)により、加速電圧が165KVなるという条件で以て、6Mradなる電子線照射を行なって、表面層を電子線硬化せしめ、しかるのち、再度、此の塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼付けを行なうということによって、試験板を得た。
【0176】
【表14】
Figure 0003612827
【0177】
応用例9
前掲の一般式[I−1]で示される有機基を有する化合物(D)としての「サイメル 327」を添加した形の粉体塗料(T−7)と;前掲の一般式[I−2]で示される有機基を有する化合物(D)を添加した形の粉体塗料(T−8)および粉体塗料(T−9)なる二つの粉体塗料と;
【0178】
酸化チタンと、前掲の一般式[I−1]で示される有機基を有する化合物(D)としての「サイメル 327」を添加して形の粉体塗料(T−10)とを用い、応用例1と同様の方法により塗装し、次いで、かくして得られた塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行なうということによって、試験板を得た。
【0179】
【表15】
Figure 0003612827
【0180】
【表16】
Figure 0003612827
【0181】
応用例10
それぞれ、前掲した一般式[I−1]で示される有機基を有する化合物(D)としての「サイメル 327」と、光開始剤としての「イルガキュアー 184」とを添加した形の粉体塗料(T−11)を、
【0182】
応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼付けを行ない、さらに、80w/cmなる高圧水銀灯により、1,000mJ/cm なる紫外線照射を行なうということによって、試験板を得た。
【0183】
【表17】
Figure 0003612827
【0184】
比較応用例1
対照品として、熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体(C)を添加せずに調製した、それぞれ、粉体塗料(T−12)および(T−13)を、応用例1および2と同様の方法ににより塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行なうということによって、対照用の、二種の試験板を得た。
【0185】
塗膜物性評価
【0186】
かくして得られた、それぞれの硬化塗膜について、各種の塗膜物性の評価判定を行なった。つまり、膜厚、塗膜の平滑性、塗膜の鮮映性、耐磨耗性ならびに基材密着性などという諸々の性能についての観察ないしは測定をを行なった。それらの諸性能の評価判定は、前述のような要領で行なったものである。
【0187】
【表18】
Figure 0003612827
【0188】
【表19】
Figure 0003612827
【0189】
比較応用例2
対照品として、熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体(C)を添加せずに調製した、酸化チタンを配合した形の粉体塗料(T−14)を用いて、応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行なって、対照用の試験板を得た。
【0190】
比較応用例3
対照品として、熱/および活性エネルギー線により重合可能なる官能基を、実質的に、有していないという形のビニル系共重合体系流展剤の一つである「モダフローレジン」を添加せしめることによって調製した形の粉体塗料(T−13)を、応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行なうということによって、対照用の試験板を得た。
【0191】
【表20】
Figure 0003612827
【0192】
比較応用例4
対照品として、熱/および活性エネルギー線により重合可能なる官能基を、実質的に、有していないという形の、ビニル系共重合体系流展剤の一つである「モダフローレジン」と、酸化チタンとを配合せしめるということによって調製した形の粉体塗料(T−15)および粉体塗料(T−18)なる二つの粉体塗料を、応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行なうということによって、対照用の、二種の試験板を得た。
【0193】
【表21】
Figure 0003612827
【0194】
比較応用例5
対照品として、熱/および活性エネルギー線により重合可能なる官能基を、実質的に、有していないという形のビニル系共重合体系流展剤の一つである「モダフローレジン」と、さらに、光開始剤「イルガキュアー 184」とを添加せしめるということによって調製した形の粉体塗料(T−16)を、
【0195】
応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行ない、さらに、80W/cmなる高圧水銀灯にて、1,000mJ/cm 紫外線照射をも行なって、対照用の試験板を得た。
【0196】
比較応用例6
対照品として、熱/および活性エネルギー線により重合可能なる官能基を、実質的に、有していないという形のビニル系共重合体系流展剤の一つであるビニル系共重合体系流展剤「モダフローレジン」を添加せしめるということによって調製した形の粉体塗料(T−17)を、
【0197】
応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行ない、さらに、電子線照射装置(ESI社製の、エレクトロ・カーテン)により、加速電圧が165KVなるという条件で以て、6Mradの電子線照射をも行なうということによって、対照用の試験板を得た。
【0198】
比較応用例7
対照品として、熱/および活性エネルギー線により重合可能なる官能基を、実質的に、有していないという形のビニル系共重合体系流展剤の一つである「モダフローレジン」と、酸化チタンとを配合せしめるということによって調製した形の粉体塗料(T−18)を、
【0199】
応用例1と同様の方法により塗装した塗装板を、180℃において、20分間のあいだ焼き付けを行ない、さらに、電子線照射装置(ESI社製の、エレクトロ・カーテン)により、加速電圧が165KVなる条件で以て、6Mradの電子線照射をも行なって、対照用の試験板を得た。
【0200】
【表22】
Figure 0003612827
【0201】
【発明の効果】
本発明に係る粉体塗料用樹脂組成物は、従来型技術に従う、対照用の粉体塗料用樹脂組成物(対照品)に比して、とりわけ、平滑性、鮮映性ならびに層間密着性などの諸性能は、同等以上であるし、しかも、耐擦傷性などにも優れるという顕著なる効果を有するものであることが認められる。
【0202】
こうした卓越した諸性能ないしは諸物性は、これまでの粉体塗料にあっては、頗る、両立化が困難であったという背景を考慮するならば、それこそ、本発明そのものが、斯かる諸性能ないしは諸物性の両立化にとって、極めて有効なる技術であるということを示していよう。

Claims (5)

  1. カルボン酸と反応可能なる官能基を有する多官能性ビニル系共重合体(A)と、多価カルボン酸(B)と、0℃以下のガラス転移温度を有し、かつ熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体(C)とを、必須の皮膜形成成分として含有し、前記ビニル系共重合体(C)の添加量が、前記多官能性ビニル系共重合体(A)及び前記多価カルボン酸(B)の総量に対して0.5〜3重量%なる範囲内であることを特徴とする、粉体塗料用樹脂組成物。
  2. さらに一分子中に少なくとも1個の一般式[I−1]
    Figure 0003612827
    (ただし、式中のR1 は−CH2 −または−CH2 CH2 −を、また、R2 は水素原子または炭素数が1〜12なるアルキル基を表わすものとする。)で示される有機基を有する化合物(D)または一般式[I−2]
    Figure 0003612827
    (ただし、式中のR1 は−CH2 −または−CH2 CH2 −を、また、R2 は水素原子または炭素数が1〜12なるアルキル基を表わすものとする。)で示される有機基を有する化合物(D)を、必須の皮膜形成成分として含有する、請求項1に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
  3. カルボン酸と反応可能なる官能基を有する多官能性ビニル系共重合体(A)と、多価カルボン酸(B)とから成る組成物に対して、さらに、0℃以下のガラス転移温度を有し、かつ熱および/または活性エネルギー線により重合可能なる官能性基を有するビニル系共重合体(C)を0.5〜3重量%なる範囲内で添加した形の組成物から成ることを特徴とする、粉体塗料用樹脂組成物。
  4. 前記した、カルボン酸と反応可能なる官能性基を有する多官能性ビニル系共重合体(A)がエポキシ基を有するビニル系共重合体である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記ビニル系共重合体(C)が、該官能基として、ビニル基を有するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
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