JP3612260B2 - 音声符号化方法及び装置並びに及び音声復号方法及び装置 - Google Patents

音声符号化方法及び装置並びに及び音声復号方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話帯域の音声、広帯域音声及びオーディオ信号等の音声信号の圧縮符号化方法及び装置並びに復号方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
低ビットレートでも比較的高音質の音声を再生できる音声符号化方式として、CELP(Code Excited Linear Prediction)方式が知られている。CELP方式の詳細は例えばM.R.Schroeder and Ata1. ”Code−Exited Linear Prediction(CELP):high quq1ity speech a very 1ow bit rates”、in Proc. ICASSP‘85. pp.937−939,1985(文献1)に示されている。CELP方式の構成を図15に示す。図15に示されるように、CELP方式では聴覚重みフィルタを用いて符号化による音声に混入する雑音(符号化雑音)の評価を行い、符号化雑音が現フレームの音声のスペクトルから決まる形状のマスキング特性にマスクされる原理(同時マスキング)を用いて雑音が聞こえにくくなるような音源の符号を選択することを特徴としている。一般に、CELPに用いる聴覚重みフィルタはホルマント重みフィルタとピッチ重みフィルタの縦続接続で構成される。ホルマント重みフィルタは入力音声のホルマントによるマスキング特性を利用し、ピッチ重みフィルタは入力音声の調和構造(ハーモニクス)によるマスキング特性を利用している。聴覚重みフィルタの伝達関数w(z)は、ホルマント重みフィルタの伝達関数Ws(z)及びピッチ重みフィルタの伝達関数Wp(z)を用いて
【0003】
【数1】
Figure 0003612260
【0004】
と表される。ピッチ重みフィルタはピッチ調和周波数成分に小さな重み、調和周波数間の成分に大きな重みをそれぞれかけることにより、符号化雑音のスペクトルを入力音声と同じピッチの調和構造に整形する働きをする。ここで、ピッチ重みフィルタの伝達関数Wp(z)はピッチ周期T0及びピッチ予測により求められたピッチ予測係数βiを用いて
【0005】
【数2】
Figure 0003612260
【0006】
と表される。ただし、Mはピッチ予測次数を制御する定数、γは雑音整形の度合を制御する定数である。
【0007】
このようにして求めたピッチ重みフィルタの周波数特性を図16に示す。図16において、ピッチ重みフィルタの周波数特性はW(f)、音声の周波数特性はS(f)で表される。この図からも分かるように、ピッチ重みフィルタはピッチ調和周波数では谷の特性を持ち、調和周波数間では山の特性を持つ。従って、符号化雑音をピッチ重みフィルタで重み付けを行うことにより、音声のピッチ調和周波数では小さな重みを付け、逆に調和周波数間では大きな重みを付けて評価することができる。
【0008】
このようにフレーム内で周波数毎の相対的な重み付けを用いて、音源の符号選択を行うことにより、符号化により生じる符号化雑音のスペクトルを図16のE(f)に示すように音声と同じピッチ周期の調和構造にすることができる。こうすると、符号化雑音は音声のスペクトルの凹凸にマスクされて聞こえにくいものとなる。このようにピッチ重みフィルタは比較的簡単な分析により得られ、かつ、主観的な符号化雑音を抑えた音声符号化を行うことができるため、CELPで用いられてきた。
【0009】
また、CELP方式では復号音声の主観品質を向上させるために、音声を復号した後にポストフィルタが用いられることが多い。一般に、CELPに用いるポストフィルタはホルマント強調フィルタとピッチ強調フィルタの縦続接続で構成される。ポストフィルタ伝達関数Hpf(z)は、ホルマント強調フィルタの伝達関数Hs(z)及びピッチ強調フィルタの伝達関数Hp(z)を用いて
【0010】
【数3】
Figure 0003612260
【0011】
と表される。ここで、ピッチ強調フィルタの伝達関数Hp(z)はピッチ周期T0及びピッチ予測係数λを用いて、
【0012】
【数4】
Figure 0003612260
【0013】
と表される。ただし、λはピッチ強調の度合を制御する定数である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際の音声は帯域によって調和構造の強さが異なっており、図17のS(f)のように調和構造が弱い帯域が存在することもある。従来のピッチ重みフィルタを用いたピッチ重み付けでは、図17のW(f)のように全帯域で整形の強さが同じであるピッチ重みフィルタを使用するためにE(f)に示される符号化雑音の調和構造と入力音声の調和構造とが異なり、復号音声の音質が劣化するという問題があった。
【0015】
また、ポストフィルタ処理におけるピッチ強調においても同様で、式5に示す伝達関数のフィルタを用いた従来のピッチ強調では、全帯域でピッチ強調の強さが同じであるためピッチ強調の不要な帯域に対してもピッチ強調が行われ、復号音声の音質が劣化するという問題があった。
【0016】
本発明は、このような問題点を解消し、図18に示すように、符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に近づけることで復号音声の音質を向上させる音声符号化及び復号方法並びに音声符号化及び復号化装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、入力音声情報信号とこの入力音声情報信号に対応する合成音声情報信号との差を表す誤差信号を生成し、周波数に従って前記誤差信号に対するピッチ重み付けの度合いを変えて重み付け信号を生成し、この重み付け信号に基づきインデックス情報を生成することを特徴とする音声符号化方法を提供する。
【0018】
このようにピッチ重み付けの度合を周波数によって変化させることにより、各周波数に適したピッチ重み付けを行い、符号化雑音の調和構造を各周波数で制御することが可能となり、復号音声の音質を向上させることができる。
【0019】
また、第2の発明は、第1の発明に係る音声符号化方法おいて、入力音声の特性に従って各周波数のピッチ重み付けの度合を変化させることを特徴とする音声符号化方法を提供する。
【0020】
このように、各周波数のピッチ重み付けの度合を入力信号の特性に従って変化させることにより、符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に対応して変化させることが可能となり、復号音声の音質を向上させることができる。
【0021】
また、第3の発明は、第2の発明に係る音声符号化方法おいて、入力音声を分析して各周波数の有声度を求め、有声度に従って各周波数のピッチ重み付けの度合を変化させることを特徴とする音声符号化方法を提供する。
【0022】
このように、各周波数のピッチ重み付けの度合を入力信号の各周波数の有声度に従って変化させることにより、符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に対応して変化させることが可能となり、復号音声の音質を向上させることができる。
【0023】
また、第4の発明は、第3の発明に係るに係る音声符号化方法において、有声度が高い周波数ではピッチ重み付けの度合を強くし、有声度が低い周波数ではピッチ重み付けの度合を弱くすることを特徴とする音声符号化方法を提供する。
【0024】
このような重み付けを行うことで、符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に近づけることができ、復号音声の音質を向上させることができる。
【0025】
また、第5の発明は、入力音声情報信号とこの入力音声情報信号に対応する合成音声情報信号との差を表す誤差信号を生成し、前記入力音声情報信号を少なくとも2つの周波数帯域に分割し、該周波数帯域毎に前記誤差信号に対するピッチ重み付けの度合いを変えて重み付け信号を生成し、この重み付け信号に基づきインデックス情報を生成することを特徴とする音声符号化方法を提供する。
【0026】
このように、ピッチ重み付けの度合を帯域毎に変化させることにより、各帯域に適したピッチ重み付けを行うことができ、符号化雑音の調和構造を帯域毎に制御し、復号音声の音質を向上させることができる。
【0027】
また、第6の発明は、第5の発明に係る方法おいて、入力音声を分析して各帯域の有声度を求め、有声度に従って各帯域のピッチ重み付けの度合を変化させることを特徴とする音声符号化方法を提供する。
【0028】
このように、各帯域のピッチ重み付けの度合を入力信号の各帯域の有声度に従って変化させることにより、符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に対応して変化させることができ、復号音声の音質を向上させることができる。
【0029】
また、第7の発明は、第6の発明に係る音声符号化方法において、有声度が高い帯域ではピッチ重み付けの度合を強くし、有声度が低い帯域ではピッチ重み付けの度合を弱くすることを特徴とする音声符号化方法を提供する。
【0030】
このような重み付けを行うことで、符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に近づけることができ、復号音声の音質を向上させることができる。
【0031】
また、第8の発明は、第5の発明に係る音声符号化方法において、入力音声を分析して各帯域の有声/無声判定を行い、有声と判定された帯域に対してはピッチ重み付けを行い、無声と判定された帯域に対してはピッチ重み付けを行わないことを特徴とする音声符号化方法を提供する。
【0032】
このように、帯域によってピッチ重み付けの度合を変化させることによって符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に近づけることができるようになり、復号音声の品質を向上させることができる。
【0033】
ここで、ピッチ重み付けの度合とは、雑音のピッチ整形の強さを指し、雑音のピッチ整形の強さは、例えば、ピッチ重みフィルタのフィルタ係数によって制御することができる。
【0034】
また、第9の発明は、符号化音声情報からインデックス情報を抽出し、このインデックス情報に基づき復号音声信号を生成し、周波数に応じてピッチ強調の度合を変化させて前記復号音声信号にピッチ強調処理を行うことを特徴とする音声復号方法を提供する。
【0035】
このように、ポストフィルタのピッチ強調の度合を周波数によって変化させることにより、各周波数に適したピッチ強調を行うことができ、復号音声の品質を向上させることができる。
【0036】
また、第10の発明は、第9の発明に係る音声復号方法において、復号音声の特性に従って各周波数のピッチ強調の度合を変化させることを特徴とする音声復号方法を提供する。
【0037】
このように、復号音声の特性に従って各周波数のピッチ強調の度合を変化させることで、復号音声にあったピッチ強調を行うことができる。
【0038】
また、第11の発明は、第10の発明に係る音声復号方法において、復号音声の各周波数の有声度に従って各周波数のピッチ強調の度合を変化させることを特徴とする音声復号方法を提供する。
【0039】
また、第12の発明は、第11の発明に係る音声復号方法において、有声度が高い周波数ではピッチ強調の度合を強くし、有声度が低い周波数ではピッチ強調の度合を弱くすることを特徴とする音声復号方法を提供する。
【0040】
また、第13の発明は、符号化音声情報からインデックス情報を抽出し、このインデックス情報に基づき復号音声信号を生成し、前記復号音声信号を少なくとも2つの周波数帯域に分割し、周波数帯域毎にピッチ強調の度合を変化させて前記復号音声信号にピッチ強調処理を行うことを特徴とする音声復号方法を提供する。
【0041】
また、第14の発明は、第13の発明に係る音声復号方法において、復号音声の各帯域の有声度に従って各帯域のピッチ強調の度合を変化させることを特徴とする音声復号方法を提供する。
【0042】
また、第15の発明は、第14の発明に係る音声復号方法において、有声度が高い帯域ではピッチ強調の度合を強くし、有声度が弱い帯域ではピッチ強調の度合を弱くすることを特徴とする音声復号方法を提供する。
【0043】
また、第16の発明は、第13の発明に係る音声復号方法において、復号音声の各帯域の有声/無声判定を行い、有声と判定された帯域に対してはピッチ強調を行い、無声と判定された帯域に対してはピッチ強調を行わないことを特徴とする音声復号方法を提供する。
【0044】
この第16の発明によれば、必要な帯域に対してのみピッチ強調を行うことができるので、復号音声の品質を向上させることができる。
【0045】
ここで、ピッチ強調の度合とは、復号音声のピッチ整形の強さを指し、ピッチ整形の強さは、例えば、ピッチ強調フィルタのフィルタ係数によって制御することができる。
【0046】
また、第17の発明は、入力音声情報信号とこの入力音声情報信号に対応する合成音声情報信号との差を表す誤差信号を生成する合成フィルタ手段と、周波数に従って前記誤差信号に対するピッチ重み付けの度合いを変えて重み付け信号を生成する重み付けフィルタ手段と、この重み付け信号に基づきインデックス情報を生成するインデックス情報発生手段とにより構成されることを特徴とする音声符号化装置を提供する。
【0047】
また、第18の発明は、入力音声情報信号とこの入力音声情報信号に対応する合成音声情報信号との差を表す誤差信号を生成する合成フィルタ手段と、前記入力音声情報信号を少なくとも2つの周波数帯域に分割する帯域分割手段と、該周波数帯域毎に前記誤差信号に対するピッチ重み付けの度合いを変えて重み付け信号を生成する重み付けフィルタ手段と、この重み付け信号に基づきインデックス情報を生成するインデックス情報発生手段とにより構成されることを特徴とする音声符号化装置を提供する。
【0048】
また、第19の発明は、符号化音声情報からインデックス情報を抽出する分離手段と、このインデックス情報に基づき復号音声信号を生成する合成フィルタ手段と、周波数に応じてピッチ強調の度合を変化させて前記復号音声信号にピッチ強調処理を行うポストフィルタ手段とで構成されることを特徴とする音声復号装置を提供する。
【0049】
また、第20の発明は、符号化音声情報からインデックス情報を抽出し、このインデックス情報に基づき復号音声信号を生成する合成フィルタ手段と、前記復号音声信号を少なくとも2つの周波数帯域に分割し、周波数帯域毎にピッチ強調の度合を変化させて前記復号音声信号にピッチ強調処理を行うポストフィルタ手段とにより構成されることを特徴とする音声復号装置を提供する。
【0050】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の音声符号化法をCELP方式に適用した第1の実施形態について説明する。CELP方式の符号化は、音声のスペクトル包絡情報の符号化と音源信号の符号化に大きく分けることができる。聴覚重みフィルタは音源信号の符号化に用いる。CELP方式ではフレーム単位に音声の分析・符号化を行う。方式によっては、フレームをさらに小さなサブフレームに分割し、サブフレーム毎に音源信号の符号化を行う方法もあるが、ここでは説明の簡単のために音源信号の符号化もフレーム単位で行うことにする。
【0051】
図1に、本実施形態に係る音声符号化方法を適用した音声符号化システムの構成を示す。この音声符号化システムによると、入力音声100の線形予測係数101を計算する線形予測分析部10及び帯域分割部の広域通過フィルタ20及び低域通過フィルタ21に入力される。広域通過フィルタ20及び低域通過フィルタ21の出力は各帯域のピッチ重みフィルタ係数112、113を求めるピッチ重みフィルタ係数算出部22,23にそれぞれ接続される。 ピッチ重みフィルタ係数算出部22,23の出力は聴覚重み付けフィルタ33のピッチ重みフィルタ29,30にそれぞれ接続される。
【0052】
線形予測分析部10の出力は線形予測係数101を符号化する線形予測係数符号化部17及び入力音声100と復号音声107の差信号108にホルマント重み付けを行うホルマント重みフィルタ25に接続される。線形予測係数符号化部17の出力は駆動音源105から復号音声107を生成する合成フィルタ18及びマルチプレクサ34に接続される。ホルマント重みフィルタ25の出力は広域通過フィルタ26及び低域通過フィルタ27を介してピッチ重みフィルタ29,30にそれぞれ接続される。帯域分割されたホルマント重み付きの差信号115、116にピッチ重み付けを行うピッチ重みフィルタ29,30の出力は加算器31に入力され、この加算器31の出力は歪み計算部32に接続される。この歪み計算部32の出力は音声のピッチ周期成分を符号化するための適応符号帳11,音声のピッチ周期以外の成分を符号化するための雑音符号帳12及び適応符号帳11から出力された適応符号ベクトル102及び雑音符号帳12から出力された雑音符号ベクトル103のクインを符号化するためのゲイン符号帳13に接続されると共にマルチプレクサ34に接続される。
【0053】
適応符号帳11及び雑音符号帳12の出力はゲイン符号帳13の出力と共にゲイン乗算器14,15にそれぞれ接続される。ゲイン乗算器14,15の出力は加算器16に接続され、この加算器16の出力は線形予測係数符号化部17の出力と共に合成フィルタ18に接続される。この合成フィルタ18の出力は入力音声と共に加算器19に入力される。加算器19の出力はホルマント重みフィルタ25に接続される。
【0054】
即ち、この実施形態では、図15に示す従来の音声符号化システムに対して更に高域成分を求める高域通過フィルタ20及び26、低域成分を求める低域通過フィルタ21及び27が追加されている。この構成において、帯域毎に算出されたピッチ重み係数112及び113を用いてピッチ重み付けを行う点が大きく異る。
【0055】
この音声符号化システムでは、まず入力音声100が5〜20ms程度の一定間隔のフレーム単位に分割されて入力される。フレーム単位の入力音声は線形予測分析部10に入力され、その周波数スペクトルの包絡形状を表す線形予測係数101が計算される。線形予測係数101は線形予測係数符号化部17で符号化された後、合成フィルタ18にフィルタ係数106として与えられる。また、線形予測係数101はホルマント重み付けを行うためにホルマント重みフィルタ25にも供給される。
【0056】
線形予測係数101の符号化の後、音源信号の符号化が行われる。音源信号の符号化では、適応符号帳11から選択された適応符号ベクトル102と雑音符号帳12から選択された雑音符号ベクトル103の各々にゲイン符号帳13から選択されたゲイン104が乗じられて足し合わされることによって駆動音源105が生成される。このようにして生成された駆動音源105は、線形予測係数符号化部17の出力により特徴づけられた合成フィルタ18に入力され復号音声107が生成される。
【0057】
入力音声100と復号音声107の差信号108が計算される。差信号108は、先ず、ホルマント重みフィルタ25に入力され、ホルマント重み付けが行われる。ホルマント重みフィルタ25は、線形予測分析部10で求められた線形予測係数101から算出されるホルマント重みフィルタ係数により特徴づけられる。例えば、ホルマント重みフィルタの伝達関数Ws(z)は、線形予測分析部10で求められたLPC係数から構成される予測フィルタの伝達関数A(z)を用いて
【0058】
【数5】
Figure 0003612260
【0059】
と表される。定数γ1,γ2の値としては、例えばr1=0.9、r2=0.4を用いることができる。なお、γ1,γ2はこの値に限定される必要はなく、異なる値を用いても良い。
【0060】
次に、ホルマント重み付けされた差信号114は高域通過フィルタ26及び低域通過フィルタ27に入力され、2つの帯域に分割された後、各帯域のピッチ重みフィルタ24、30に入力される。一方、入力音声100も高域通過フィルタ20及び低域通過フィルタ21に入力され、2つの帯域に分割された後、各帯域成分110、111はそれぞれピッチ重みフィルタ係数算出部22、23に入力される。ピッチ重みフィルタ係数算出部22、23では、入力された信号をピッチ予測して、ピッチ予測係数112、113が算出される。算出されたピッチ予測係数112、113はピッチ重みフィルタ24、30に供給される。
【0061】
ピッチ重みフィルタでは、各帯域成分に対してそれぞれ異るピッチ重み付けが行われる。ピッチ重みフィルタはピッチ重みフィルタ係数算出部で求められたピッチ重みフィルタ係数によって特徴づけられる。例えば、高域のピッチ重みフィルタの伝達関数WHp、及び低域のピッチ重みフィルタの伝達関数WLpは、ピッチ周期及びピッチ予測係数βHi,βLiを用いて、
【0062】
【数6】
Figure 0003612260
【0063】
と表される。ただし、Mはピッチ予測次数を制御する定数、γは雑音整形の度合を制御する定数である。定数γ,γの値としては、例えばγ=γ=0.4を用いることができる。なお、γ,γは別々の値を設定しても構わないし、γ,γを各帯域のピッチ強度S,Sの関数として定義し、ピッチ強度を用いて各帯域毎に制御することもできる。例えば、
【0064】
【数7】
Figure 0003612260
【0065】
と定義することができる。ただし、ζ,ζは定数である。また、ピッチ強度S,Sは予測係数βHi,βLiを用いて
【0066】
【数8】
Figure 0003612260
【0067】
と定義することができる。ただし、ピッチ強度S,Sは上式に限定されず、信号のピッチ周期の強さを示すパラメータであれば良い。
【0068】
次に、ピッチ重み付けされた高域成分117及び低域成分118は加算部31で加算され、歪み計算部32に入力される。歪み計算部32では、歪みが最小となる適応符号ベクトル、雑音符号ベクトル及びゲインベクトルが選択され、これらのベクトルを表すインデックスがマルチプレクサ34に入力される。また、マルチプレクサ34には歪み計算部32から入力されるインデックスとともに、線形予測係数符号化部17からも線形予測係数を符号化して得られるインデックスが入力される。マルチプレクサ34では、入力されたインデックスから符号化ビットストリーム122が生成され、この符号化ビットストリーム122が伝送路または蓄積媒体を経て復号側に伝送される。
【0069】
上述したように、本実施形態では帯域毎にピッチ重み付けの度合を制御できるので、入力音声が図2のS(f)に示す周波数特性を持つ場合でも、低域ではピッチ重み付けの度合を強くし、高域ではピッチ重み付けの度合を弱くすることで、符号化雑音の周波数特性を図2のE(f)のような形にすることができる。このように、符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に近づけることが可能となり、復号音声の音質を向上させることができる。
【0070】
(第2の実施形態)
本発明の音声符号化法をCELP方式に適用した第2の実施形態について説明する。図3に本実施形態に係る音声符号化方法を適用した音声符号化システムの構成を示す。図3に示される本実施形態の音声符号化システムは、図1に示した第1の実施形態の音声符号化システムに有声/無声判定部40、41と切り替え部44、45が追加された構成となっている。図3において図1と同一の番号が付されている部分は同じ動作をするものとして、ここでは本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0071】
本実施形態では、高域と低域に分割された入力音声は、それぞれ各帯域の有声/無声判定部40、41とピッチ重みフィルタ係数算出部22、23に入力され、有声/無声判定部40、41では入力された帯域制限された信号110、111を分析して、その帯域の信号が有声であるか無声であるかを判定する。有声/無声の判定は、例えばIMBE(Improved Mu1ti=Band Excitation vocoder)で用いられているアルゴリズムを使用することで実現できる。なお、IMBEの詳細は、例えばD.W.Griffin and J.S.Lim ”Multiband Exctation Vocoder”, IEEE Trans. Acoust., Speech, Signal Processing,vo1.ASSP−36, pp.1223−1235,Aug.1988(文献2)に示されている。有声/無声の判定結果はピッチ重みフィルタ係数算出部22、23と切り替え部44、45に送られる。
【0072】
有声/無声の判定結果140、141が有声の場合、ピッチ重みフィルタ係数算出部22、23では入力信号を分析して、ピッチ重みフィルタ係数112、113が算出され、ピッチ重みフィルタ係数がピッチ重みフィルタに入力される。逆に、有声/無声の判定結果140、141が無声の場合、ピッチ重みフィルタ係数算出部22、23ではピッチ重みフィルタ係数112、113の算出は行われない。
【0073】
一方、切り替え部44、45では有声/無声の判定結果142、143に従って、出力の切り替えが行われる。有声/無声の判定結果が有声の場合、切り替え部の出力はピッチ重みフィルタ24,30に入力される。逆に、有声/無声の判定結果が無声の場合、切り替え部の出力はそのまま加算部46、47に入力される。このようにして各帯域でピッチ重み付けの有/無が制御される。
【0074】
ピッチ重み付けされた高域成分及び低域成分は加算部31で加算され、歪み計算部32に入力される。歪み計算部32では、歪みが最小となる適応符号ベクトル、雑音符号ベクトル及びゲインベクトルが選択され、これらのベクトルを表すインデックスがマルチプレクサ34に入力される。
【0075】
また、マルチプレクサ34には歪み計算部32から入力されるインデックスとともに、線形予測係数符号化部17からも線形予測係数を符号化して得られるインデックスが入力される。マルチプレクサ34では、入力されたインデックスから符号化ビットストリーム122が生成され、この符号化ビットストリーム122が伝送路または蓄積媒体を経て符号化側に伝送される。
【0076】
上述したように、本実施形態では帯域毎にピッチ重み付けの有/無を制御できるので、入力音声が図4のS(f)に示す周波数特性を持つ場合でも、低域のみピッチ重み付けを行い、高域ではピッチ重み付けを行わないようにすることで、符号化雑音の周波数特性を図4のE(f)のような形にすることができる。このように、符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に近づけることが可能となり、復号音声の音質を向上させることができる。
【0077】
なお、本発明の第2の実施形態は帯域毎にピッチ重み付けの有/無の制御を行う部分が特徴的な部分であり、帯域毎にピッチ重み付けの有/無の制御が行えるような構成であれば良く、図3の構成に限定されない。例えば、図5に示すように、図3から切り替え部44、45を取り除いた構成で、ピッチ重みフィルタ係数算出部22,23において、有声/無声判定結果に基づいてピッチ重みフィルタ係数を求めるように変更することもできる。
【0078】
ここで、無声の場合はピッチ重み付けを行わないピッチ重みフィルタ係数を出力するようにしておくことで、ピッチ重み付けの有/無の切り替えと同様の操作を行うことができる。
【0079】
(第3の実施形態)
本発明の音声符号化法をCELP方式に適用した第3の実施形態について説明する。図6に本実施形態に係る音声符号化方法を適用した音声符号化システムの構成を示す。この音声符号化システムは、図15に示す従来のCELP方式と異なって、聴覚重み付け部分にピッチ重み制御フィルタ60、61、加算部62及び減算部63が追加された構成となっている。なお、ここでは本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0080】
ホルマント重み付けされた差信号114はピッチ重みフィルタ50、ピッチ重み制御フィルタ61及び減算部63に入力される。ピッチ重みフィルタ50ではホルマント重み付けされた差信号114に対してピッチ重み付けが行われ、処理された信号151がピッチ重み制御フィルタ60に入力される。ピッチ重み制御フィルタ60では入力された信号151をフィルタ処理した後、信号152として加算部62に供給する。
【0081】
一方、減算部63では、ホルマント重み付けされた差信号114とホルマント重み付けされた差信号114をピッチ重み制御フィルタ61でフィルタ処理した信号153の差信号154が求められ、この信号154が加算部62に入力される。加算部62では入力された2つの信号が加算され、加算された信号155が歪み計算部32に入力される。歪み計算部32では、歪みが最小となる適応符号ベクトル、雑音符号ベクトル及びゲインベクトルが選択され、これらのベクトルを表すインデックスがマルチプレクサ34に入力される。また、マルチプレクサ34には歪み計算部32から入力されるインデックスとともに、線形予測係数符号化部17からも線形予測係数を符号化して得られるインデックスが入力される。マルチプレクサ34では、入力されたインデックスから符号化ビットストリーム122が生成され、この符号化ビットストリーム122が伝送路または蓄積媒体を経て符号化側に伝送される。
【0082】
第3の本実施形態では、ピッチ重み制御フィルタ60、61は周波数に対してピッチの重み付けの度合を滑らかに変化させる役割をしている。例えば、ピッチ重みフィルタの周波数特性が図7のWp(f)で表され、ピッチ重み制御フィルタの周波数特性が図8のH(f)で表されるような低域通過特性となるとき、変形ピッチ重み付けフィルタの周波数特性は図9のW(f)のように周波数が高くなるに従ってピッチ重み付けの度合が弱くなっている。このような重み付けを行った場合、符号化により生じる符号化雑音のスペクトルは図9のE(f)に示すように周波数が高くなるに従って調和構造が弱くなる。また、ピッチ重みフィルタの周波数特性が図7のWp(f)で表され、ピッチ制御フィルタの周波数特性が図10のH(f)で表されるような特性となるとき、変形ピッチ重み付けフィルタの周波数特性は図11のW(f)のように中域の周波数でピッチ重み付けの度合が弱くなっている。このような重み付けを行った場合、符号化により生じる符号化雑音のスペクトルは図11のE(f)に示すように中域の周波数で調和構造が弱くなる。
【0083】
このように、ピッチ重み制御フィルタを用いることで、変形ピッチ重み付けフィルタのピッチ重み付けの度合を周波数で滑らかに変化させることができる。また、入力音声の特性に応じてピッチ重み制御フィルタの特性を変化させることもできる。例えば、入力音声を分析して周波数に対する調和構造の強さを求め、周波数に対する調和構造の強さを基にピッチ重み制御フィルタの特性を決定する。ピッチ制御フィルタの特性を調和構造が弱い周波数を減衰させるような特性にすることで、符号化雑音の調和構造を入力音声の調和構造に近づけることが可能となり、復号音声の音質を更に向上させることができる。
【0084】
(第4の実施形態)
本発明の音声復号方法をCELP方式に適用した実施形態を説明する。図12には、第4の実施形態に係る音声復号方法を適用した音声復号システムの構成が示されている。この音声復号システムでは、デマルチプレクサ70の出力が、適応符号帳11、雑音符号帳12及びゲイン符号帳13並びに線形予測係数復号部71に接続される。
【0085】
適応符号帳11及び雑音符号帳12の出力はゲイン符号帳13の出力と共にゲイン乗算部14、15にそれぞれ接続される。ゲイン乗算部14,15の出力は加算部16に接続される。この加算部16の出力は適合符号帳11に帰還され、更に線形予測係数復号部71の出力と共に合成フィルタ18に接続される。線形予測係数復号部71の出力はポストフィルタ78に接続される。
【0086】
ポストフィルタ78は、ホルマント強調フィルタ72及び変形ピッチ強調フィルタ77から構成されており、変形ピッチ強調フィルタ47はピッチ強調制御フィルタ73、ピッチ強調フィルタ74、75及び加算部76から構成されている。
【0087】
この音声復号システムでは、先ず、伝送路または蓄積媒体から得られたビットストリーム170がデマルチプレクサ70に入力される。デマルチプレクサ70では、入力されたビットストリーム170から線形予測係数を表す線形予測係数インデックス171、適応符号ベクトルを表す適応符号ベクトルインデックス172、雑音符号ベクトルを表す雑音符号ベクトルインデックス173、及びゲインベクトルを表すインデックス174が分離生成される。これらのインデックスのうち、線形予測係数インデックス171は線形予測係数復号部71に、適応符号ベクトルインデックス172は適応符号帳11に、雑音符号ベクトルインデックス173は雑音符号帳12に、ゲインインデックス174はゲイン符号帳13にそれぞれ入力される。
【0088】
線形予測係数復号部71では、入力された線形予測係数インデックス171から線形予測係数が復号され、これが合成フィルタ18にフィルタ係数として与えられる。また、適応符号ベクトルインデックス172に従って適応符号帳11から適応符号ベクトル102が選択され出力される。また、雑音符号ベクトルインデックス173に従って雑音符号帳12から雑音符号ベクトル103が選択され出力される。
【0089】
さらに、ゲインインデックス174に従ってゲイン符号帳13から適応符号ベクトル及び雑音符号ベクトルに乗じるべきゲイン104が選択され出力される。このゲインが乗算部14、15で適応符号ベクトル102及び雑音符号ベクトル103に乗じられた後、これら2つのベクトルが加算部16で足し合わされることによって復号残差波形信号105が生成され、この信号が駆動音源信号として合成フィルタ18及び適応符号帳11に入力される。
【0090】
線形予測係数復号部71で復号された線形予測係数により決定された合成フィルタ18が駆動音源信号により駆動され、復号音声信号107が生成される。その後、復号音声107の主観品質を向上させるために復号音声107に対してポストフィルタ処理が行われる。従来のポストフィルタはホルマント強調フィルタとピッチ強調フィルタの従属接続で構成されているが、本実施形態におけるポストフィルタ48はホルマント強調フィルタ72と変形ピッチ強調フィルタ73の従属接続で構成されている。変形ピッチ強調フィルタ73は図12に示されるように、ピッチ強調の度合を周波数毎に制御できるように、ピッチ強調フィルタ73、ピッチ強調制御フィルタ74、75及び加算部76から構成されている。この場合、変形ピッチ強調フィルタ77の伝達関数H’p(z)は、ピッチ強調フィルタ73の伝達関数H’p(z)、ピッチ強調制御フィルタ74、75の伝達関数H(z)を用いて、
【0091】
【数9】
Figure 0003612260
【0092】
と表される。なお、ホルマント強調フィルタ72は公知の技術を用いて構成できる。
【0093】
ここで、ピッチ強調フィルタ73の伝達関数は式5で表され、その特性が図13であり、また、ピッチ制御フィルタ74、75の特性が図8に示されるような低域通過の特性であるとき、変形ピッチ強調フィルタ47の周波数特性は、図14のH’p(z)に示されるような、高域ほど山谷の小さいものになる。このような変形ピッチ強調フィルタを用いれば、低域で強く高域で弱いピッチ強調を行うことができ、強いピッチ強調を行っても高域のスペクトルが変形しにくくなり、高域の品質の劣化を抑えたピッチ強調を行うことができる。
【0094】
図12に戻りポストフィルタ78の動作を説明する。合成フィルタ18から出力された復号音声107はホルマント強調フィルタ72に入力され、ホルマント強調フィルタ72でホルマント強調された復号音声175は加算部76、ピッチ強調制御フィルタ73及びピッチ強調フィルタ74に入力される。ピッチ強調フィルタ73に入力されたホルマント強調され本復号音声175は、ピッチ強調フィルタ73でピシチ強調された後、ピッチ強調制御フィルタ75で処理され加算部76に入力される。
【0095】
また、ピッチ強調制御フィルタ74に入力されたホルマント強調された復号音声175はピッチ強調制御フィルタ処理され、加算部76に入力される。加算部76では供給された3つの信号175、176、178が加算され、その結果が最終的な復号音声179となって出力される。
【0096】
上述したように、本実施形態におけるポストフィルタ78は、従来のポストフィルタにピッチ強調制御フィルタ74を追加することでピッチ強調の度合を周波数毎に制御できるようにしたものである。ピッチ強調制御フィルタ74はその特性を変化させることでピッチ強調の度合を自由に変化させることができ、復号音声の特性に従いピッチ強調制御フィルタの特性を変化させれば、復号音声の周波数にあった強さのピッチ強調を行うことができ、復号音声の品質を更に向上させることができる。
【0097】
なお、本発明の特徴的な部分はポストフィルタのピッチ強調に関する部分であって、音声復号方式はCELP方式に限定される必要はなく、他の復号方式を用いても構わない。
【0098】
また、ここで述べたピッチ強調方法を音声符号化の駆動音源信号を生成する部分に適用することも可能である。
【0099】
以上、本発明の実施形態を幾つか説明したが、本発明は上述した実施形態に限定される必要はなく、種々変形して実施が可能である。
【0100】
例えば、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では簡単のため高域と低域の2つの帯域に分割しているが、分割される帯域の数は2つに限定される必要はなく、2つ以上であれば構わない。また、帯域分割部は図1〜図5に示した構成に限定されない。帯域分割する方法として、信号を一旦FFTして、FFT上で周波数分割した後に逆FFTする方法や、QMFフィルタを用いて帯域分割する方法などを用でも構わない。
【0101】
さらに、本実施形態では入力音声と再生音声の差信号に対して聴覚重み付けフィルタ処理を行い聴覚重み付け歪みを求めているが、入力音声及び再生音声それぞれに聴覚重み付けを行った後に差信号を求め、聴覚重み付け歪みを求めるような構成に変形することも可能である。
【0102】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば符号化雑音の調和構造を入力音声に類似させることができるようにになり、再生音声の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における音声符号化方法を用いた音声符号化システムの構成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態における符号化雑音の周波数特性を示す図。
【図3】本発明の第2の実施形態における音声符号化方法を用いた音声符号化システムの構成を示す図。
【図4】本発明の第2の実施形態における符号化雑音の周波数特性を示す図。
【図5】本発明の第2の実施形態における音声符号化方法を用いた他の音声符号化システムの構成を示す図。
【図6】本発明の第3の実施形態における音声符号化方法を用いた音声符号化システムの構成を示す図。
【図7】本発明の第3の実施形態におけるピッチ重みフィルタの周波数特性を示す図。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるピッチ重み制御フィルタの周波数特性を示す図。
【図9】本発明の第3の実施形態における符号化雑音の周波数特性を示す図。
【図10】本発明の第3の実施形態におけるピッチ重み制御フィルタの周波数特性を示す図。
【図11】本発明の第3の実施形態における符号化雑音の周波数特性を示す図。
【図12】本発明の第4の実施形態における音声復号方法を用いた音声復号化システムの構成を示す図。
【図13】本発明の第4の実施形態におけるピッチ強調フィルタの周波数特性を示す図。
【図14】本発明の第4の実施形態における変形ピッチ強調フィルタの周波数特性を示す図。
【図15】従来の音声符号化の構成を示す図である。
【図16】従来の音声符号化における符号化雑音の周波数特性を示す第1の図。
【図17】従来の音声符号化における符号化雑音の他の周波数特性を示す図。
【図18】本発明の音声符号化における符号化雑音の周波数時性を示す図。
【符号の説明】
10…線形予測分析部
11…適応符号帳
12…雑音符号帳
13…ゲイン符号帳
14、15…ゲイン乗算部
16…加算器
17…線形予測係数符号化部
18…合成フィルタ
19…加算器
20…広域通過フィルタ
21…低域通過フィルタ
22、23…ピッチ重みフィルタ係数算出部
24…帯域分割部
25…ホルマント重みフィルタ
26…広域通過フィルタ
27…低域通過フィルタ
28…帯域分割部
29、30…ピッチ重みフィルタ
31…加算器
32…歪み計算部
33…聴覚重み付けフィルタ
34…マルチプレクサ
40、41…有声/無声判定部
44,45…切り替え部
71…線形予測係数復号部
72…ホルマント強調フィルタ
73…ピッチ強調フィルタ
74…ピッチ強調制御フィルタ
75…ピッチ強調制御フィルタ
76…加算器
77…変形ピッチ強調フィルタ
78…ポストフィルタ

Claims (18)

  1. 入力音声情報信号とこの入力音声情報信号に対応する合成音声情報信号との差を表す誤差信号を生成し、前記入力音声情報信号の特性に従って周波数毎に前記誤差信号に対するピッチ重み付けの度合いを変えて重み付け信号を生成し、この重み付け信号に基づきインデックス情報を生成することを特徴とする音声符号化方法。
  2. 前記入力音声情報信号を分析して各周波数の有声度を求め、前記有声度に従って周波数毎に前記誤差信号に対するピッチ重み付けの度合を変化させることを特徴とする請求項1記載の音声符号化方法。
  3. 前記有声度が高い周波数ではピッチ重み付けの度合を強くし、前記有声度が低い周波数ではピッチ重み付けの度合を弱くすることを特徴とする請求項2記載の音声符号化方法。
  4. 入力音声情報信号とこの入力音声情報信号に対応する合成音声情報信号との差を表す誤差信号を生成し、前記入力音声情報信号を少なくとも2つの周波数帯域に分割し、該周波数帯域毎に前記誤差信号に対するピッチ重み付けの度合いを変えて重み付け信号を生成し、この重み付け信号に基づきインデックス情報を生成することを特徴とする音声符号化方法。
  5. 前記入力音声情報信号を分析して各帯域の有声度を求め、前記有声度に従って帯域毎にピッチ重み付けの度合を変化させることを特徴とする請求項4記載の音声符号化方法。
  6. 前記有声度が高い帯域ではピッチ重み付けの度合を強くし、前記有声度が低い帯域ではピッチ重み付けの度合を弱くすることを特徴とする請求項5記載の音声符号化方法。
  7. 前記入力音声情報信号を分析して帯域毎に有声/無声を判定し、有声と判定された帯域に対してはピッチ重み付けを行い、無声と判定された帯域に対してはピッチ重み付けを行わないことを特徴とする請求項4記載の音声符号化方法。
  8. 符号化音声情報からインデックス情報を抽出し、このインデックス情報に基づき復号音声信号を生成し、復号音声信号の特性に従って周波数毎にピッチ強調の度合を変化させて前記復号音声信号にピッチ強調処理を行うことを特徴とする音声復号方法。
  9. 前記復号音声信号の各周波数の有声度に従って各周波数のピッチ強調の度合を変化させることを特徴とする請求項8記載の音声復号方法。
  10. 前記有声度が高い周波数ではピッチ強調の度合を強くし、前記有声度が低い周波数ではピッチ強調の度合を弱くすることを特徴とする請求項9記載の音声復号方法。
  11. 符号化音声情報からインデックス情報を抽出し、このインデックス情報に基づき復号音声信号を生成し、前記復号音声信号を少なくとも2つの周波数帯域に分割し、周波数帯域毎にピッチ強調の度合を変化させて前記復号音声信号にピッチ強調処理を行うことを特徴とする音声復号方法。
  12. 前記復号音声の各帯域の有声度に従って各帯域のピッチ強調の度合を変化させることを特徴とする請求項11記載の音声復号方法。
  13. 前記有声度が高い帯域ではピッチ強調の度合を強くし、前記有声度が低い帯域ではピッチ強調の度合を弱くすることを特徴とする請求項12記載の音声復号方法。
  14. 前記復号音声信号の帯域毎に有声/無声の判定を行い、有声と判定された帯域に対してはピッチ強調を行い、無声と判定された帯域に対してはピッチ強調を行わないことを特徴とする請求項11記載の音声復号方法。
  15. 入力音声情報信号とこの入力音声情報信号に対応する合成音声情報信号との差を表す誤差信号を生成する合成フィルタ手段と、前記入力音声情報信号の特性に従って周波数毎に前記誤差信号に対するピッチ重み付けの度合いを変えて重み付け信号を生成する重み付けフィルタ手段と、この重み付け信号に基づきインデックス情報を生成するインデックス情報発生手段とにより構成されることを特徴とする音声符号化装置。
  16. 入力音声情報信号とこの入力音声情報信号に対応する合成音声情報信号との差を表す誤差信号を生成する合成フィルタ手段と、前記入力音声情報信号を少なくとも2つの周波数帯域に分割する帯域分割手段と、該周波数帯域毎に前記誤差信号に対するピッチ重み付けの度合いを変えて重み付け信号を生成する重み付けフィルタ手段と、この重み付け信号に基づきインデックス情報を生成するインデックス情報発生手段とにより構成されることを特徴とする音声符号化装置。
  17. 符号化音声情報からインデックス情報を抽出する分離手段と、このインデックス情報に基づき復号音声信号を生成する合成フィルタ手段と、前記復号音声信号の特性に従って周波数毎にピッチ強調の度合を変化させて前記復号音声信号にピッチ強調処理を行うポストフィルタ手段とで構成されることを特徴とする音声復号装置。
  18. 符号化音声情報からインデックス情報を抽出し、このインデックス情報に基づき復号音声信号を生成する合成フィルタ手段と、前記復号音声信号を少なくとも2つの周波数帯域に分割し、周波数帯域毎にピッチ強調の度合を変化させて前記復号音声信号にピッチ強調処理を行うポストフィルタ手段とにより構成されることを特徴とする音声復号装置。
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