JP3611972B2 - 眼鏡装用シミュレーション方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンピュータ制御による表示画面上で、眼鏡を構成する各パーツを定めていくことにより装用者が装用する眼鏡をシミュレーションする眼鏡装用シミュレーション方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に眼鏡フレームを講入する場合、顧客は店頭に並んでいる既製の眼鏡フレームから選択する。このため、顧客が選択できる眼鏡フレームのデザインバリエーションは、おのずと限られていた。したがって逆に顧客の満足を得るには、それを販売する店舗は多くの在庫をもつことが必要不可欠であった。
【0003】
また、サイズにおいても、人の顔は千差万別であり、各顧客にフィットする眼鏡フレームを提供するにはあらゆるサイズバリエーションを準備する必要があった。特に、サイズについては、メガネフレームを製造するメーカは、顔の幅が大きい人は、顔の縦幅も大きく、さらには頭の前後方向も長いものと仮定してその設計をおこなっている。逆に顔の幅が狭い人は、顔の縦幅も小さく、また頭の前後方向も短いものと仮定して設計する。
【0004】
したがって、例えば顔の横幅が狭くて、頭の前後方向か長い頭部形状をした顧客の揚合、美容的に眼鏡フレームのフロント幅が狭いものか好ましくても、テンプルが短くてかけられないといった不具合が発生していた。
【0005】
このような問題を一挙に解決できるシステムとして、本発明者等は、先にコンピユータ上で顧客の要求に応じて、フレームのサイズを変えたり、レンズの形状を変えたりする、いわゆるオーダーメイドシステムを提案した(特願平9ー127614号)。このシステムは、装用者の顔のサイズにフィットすることは勿論のこと、その感性にもストレートに沿った自由なデザインを有する、いわゆるオーダーメイドの眼鏡を迅速に注文できるので極めて有用である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記システムは、オーダーメイドであるがゆえに、玉型形状や、パーツの取り付く位置を事前に設定しておくことは極めて困難である。それゆえ、デザインされた玉型形状やパーツについて製造可能か否かの事前のチェックや既存の設計を手直しする等の繁雑な作業が必要であった。その結果、顧客のサイズに対する要請や好みをほぼ完全に満たすことができる半面、納期やコストについての要請に対しては必ずしも十分に応えるものではなかった。
【0007】
本発明は、上述の背景のもとでなされたものであり、店舗に在庫をもつことなく、顧客のサイズや好みのデザインをほとんど無数のバリエーションの中から選定可能とするとともに、納期及び製造コストを画期的に低減することを可能にする眼鏡装用シミュレーション方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために第1の発明は、
コンピュータ制御による表示画面上で、眼鏡を構成する各パーツを定めていくことにより装用者が装用する眼鏡をシミュレーションする眼鏡装用シミュレーション方法であって、
前記コンピュータに、前記各パーツの形状情報を含むパーツを定めるために必要な情報をテーブルにした1以上のパーツテーブルと、互いのパーツの連結の可否を含む連結に必要な情報をテーブルにした1以上のパーツ結合テーブルとを格納しておき、
前記表示画面上に呼び出されたパーツが他のパーツに連結可能であるか否か等の連結に必要な情報を前記パーツ結合テーブルによって確認しながら眼鏡を構成する各パーツを定めていくことを特徴とする眼鏡のシミュレーション方法である。
【0009】
第2の発明は、
第1の発明にかかる眼鏡装用シミュレーション方法において、
前記表示画面上で表示されたパーツ以外のパーツを前記パーツテーブルから呼び出して表示する際には、前記結合テーブルを参照して前記表示されたパーツと連結可能なパーツのみを選定して呼び出すことを特徴とする眼鏡装用シミュレーション方法である。
【0010】
第3の発明は、
第1又は第2の発明にかかる眼鏡装用シミュレーション方法において、
前記表示画面に、眼鏡を構成する各パーツが予め定められている眼鏡のベースモデルを表示し、このベースモデルを基にしてその各パーツを変更しながら定めていくことを特徴とする眼鏡装用シミュレーション方法である。
【0011】
第4の発明は、
第1ないし第3のいずれかの発明にかかる眼鏡装用シミュレーション方法において、
前記眼鏡を構成するパーツ又は各パーツを組み合わせた眼鏡を、予め取り込んだ人物の肖像に重ねて表示することを特徴とする眼鏡装用シミュレーション方法である。
【0012】
第5の発明は、
第1ないし第4のいずれかの発明にかかる眼鏡装用シミュレーション方法において、
前記パーツテーブル及び又はパーツ結合テーブルには、パーツ製造に必要な情報及び又はパーツを連結して眼鏡を製造する際に必要な情報が含まれていることを特徴とする眼鏡装用シミュレーション方法である。
【0012】
第6の発明は、
コンピュータ制御による表示画面上で、眼鏡を構成する各パーツを定めていくことにより装用者が装用する眼鏡をシミュレーションする眼鏡装用シミュレーション装置であって、
前記コンピュータに、前記各パーツの形状情報を含むパーツを定めるために必要な情報をテーブルにした1以上のパーツテーブルと、互いのパーツの連結の可否を含む連結に必要な情報をテーブルにした1以上のパーツ結合テーブルとを格納しておく機能と、
前記表示画面上に呼び出されたパーツが他のパーツに連結可能であるか否か等の連結に必要な情報を前記パーツ結合テーブルによって確認しながら眼鏡を構成する各パーツを定めていく機能とを有することを特徴とする眼鏡のシミュレーション装置である。
【0013】
【実施の形態】
図1は本発明の実施例にかかる眼鏡装用シミュレーション方法の概要を示すフローチャート図、図2は実施例に係る眼鏡装用シミュレーション方法を実施する装置の概要を示すブロック図である。以下、これらの図面を参照にして実施例の眼鏡装用シミュレーション方法及び装置を説明する。
【0014】
この実施例の眼鏡装用シミュレーション方法を実施する装置の構成は、図2に示されるように、店頭対話システム100と、この店頭対話システム100に通信回線を通じて接続されるホストコンピュータ200と、このホストコンピュータ200に通信回線を通じて接続される製造工場の端末装置301,302から構成される。
【0015】
店頭対話システム100は、コンピュータ本体101と、表示画面101aと、入力キーボード101bもしくはマウス101c等とからなるコンピュータ装置をメインにし、さらに、このコンピュータ装置に肖像画像を入力するための肖像撮影装置102や必要に応じて顔面計測器104等が設けられている。
【0016】
コンピュータ本体101には、前記表示画面101a上で、眼鏡を構成する各パーツを定めていくことにより装用者が装用する眼鏡をシミュレーションするプログラムソフトが格納されている。この格納されているソフトが有する機能の概要は、以下の通りである。なお、コンピュータ本体101には、この実施例の眼鏡装用シミュレーションのシステムの外にオーダーメイドシステム等の他のプログラムソフトも格納されている。
【0017】
a.操作者との対話形式で、各パーツの形状情報を含むパーツを定めるために必要な情報をテーブルにした1以上のパーツテーブルと、互いのパーツの連結の可否を含む連結に必要な情報をテーブルにした1以上のパーツ結合テーブルとを格納しておき、表示画面上に呼び出されたパーツが他のパーツに連結可能であるか否か等の連結に必要な情報をパーツ結合テーブルによって確認しながら眼鏡を構成する各パーツを定めていく機能。
【0018】
b.表示画面上で表示されたパーツ以外のパーツをパーツテーブルから呼び出して表示する際には、結合テーブルを参照して表示されたパーツと連結可能なパーツのみを選定して呼び出す機能。
【0019】
c.表示画面に、眼鏡を構成する各パーツが予め定められている眼鏡のベースモデルを表示し、このベースモデルを基にしてその各パーツを変更しながら定めていく機能。
【0020】
d.眼鏡を構成するパーツ又は各パーツを組み合わせた眼鏡を、予め取り込んだ人物の正面や側面の顔面画像に重ねて表示する機能。
【0021】
この実施例の装置の特徴は、以上の機能を備えることによって、店舗に在庫をもつことなく、ほとんど無数のバリエーションの中から顧客のサイズや好みのデザインを選定可能とするとともに、納期及び製造コストを画期的に低減することを可能にしていることである。
【0022】
ホストコンピュータ200は、パーツの画像データベース、設計データベース、発注チェックデータベース及び受注データベース等が格納されているほかに、受注データに基づいて、作業指示票を作成し、製造工場の端末装置301,302にパーツやレンズ製造に必要なデータを送るプログラムソフトが格納されている。
【0023】
次に、上述の構成の眼鏡装用シミュレーション方法によってシミュレーションを行う場合の操作手順等を図1を参照にしながら説明し、あわせて本実施例の眼鏡装用シミュレーション方法及び装置の内容をより詳しく説明する。
【0024】
まず、対話システム100のキーボード101bもしくはマウス101cを通じてシミュレーションをスタートさせる。これにより、表示画面101aはタイトル画面になる。図示しないが、この画面には、オーダーメイド、パターンメイド及びユーテリティーの表示がなされ、クリック操作もしくはキーボード操作によりいずれかのシステムに進めるようになっている。この実施例の眼鏡装用シミュレーション方法は、パターンメイドのシステムとして構成されているので、パターンメイドを選ぶ。
【0025】
そうすると、画面はパターンメイドの画面になり、シミュレーション開始等のボタンが表示される。シミュレーション開始を選択すると、肖像撮影の画面になる。画面に表示された指示内容にしたがい、デジタルカメラ等の肖像撮影装置102によって、眼鏡装用者の正面の顔面画像と側面の顔面画像とを撮影し、コンピュータ本体101にその肖像データを取り込む。
【0026】
次に、画面の案内にしたがって、ステップを進めると、フレームデザイン選択の画面になる。この画面では、「ベースサンプルから」、「玉型から」、「ヨロイテンプルから」及び「ブリッジから」という、表示がなされ、いずれかのコースを選択できるようになっている。例えば、「ベースサンプルから」というコースは、予め定められたパーツが組み合わされて完成されている幾つかの眼鏡がベースモデルとして表示される。操作者は、そのいずれかのベースモデルを選定し、各パーツを変更する操作を繰り返して好みの眼鏡にする。
【0027】
なお、ここで、パーツとは、ブリッジ、ヨロイ、テンプル、モダンといった眼鏡フレームを構成する主要な部品、並びに、オーナメント、宝石、七宝といった付属パーツの全てをいう。図3はフルリムフレームの構成を示す図である。フルリムフレームの揚合、ブリッジ1の両側にリム2が接合され、リム2にはブリツジ1と反対側にヨロイ3が接合される。ヨロイ3には丁番4を介して、テンプル5が接合され、テンプルエンドにはモダン6が取り付けられる。リム2内にはレンズが嵌め込まれるが、そのレンズの輪郭形状もしくはリムの内周輪郭形状を玉型という。フレームのタイプには、フルリムフレームの他に、玉型の上側等の玉型の一部にのみリムがあり玉型の下方はナイロン糸等で支えるようにしたリムロンフレームや、リムのないリムレスフレーム又はスリーピースフレームとよばれるもの等がある。
【0028】
「玉型から」というコースは、多数格納されている玉型を画面上に次々と呼び出してその中から好みの玉型を選定して決定し、次に、玉型以外のパーツを同様にして決定していくというコースである。「ヨロイテンプルから」もしくは「ブリッジから」のコースも同様にして、ヨロイテンプルもしくはブリッジから決定していくというコースである。図4は「玉型から」、「ヨロイテンプルから」及び「ブリッジから」というコースを選択した場合のフロー図を示す図である。
【0029】
以下では、「ベースサンプルから」というコースを選択した場合について、具体的に説明する。「ベースサンプルから」を選択すると、画面は「ベースにするモデルをお選び下さい」と題されたベースモデル画面になる。図5はベースモデル画面を示す図である。このベースモデル画面は、予めコンピュータ101に格納されているベースモデルの情報に基づいて作成される。
【0030】
このベースモデル画面で、フレームタイプや玉型のタイプを大まかに決定する。すなわち、図5に表示された6つのベースモデルに好みのタイプのものがない場合には、画面下の「ページメクリ」のボタンをクリックして別のベースモデル画面にスクロールする。「条件設定」をクリックしてどのタイプを優先して決定するかを定めておくこともできる。好みに近いモデルが見付かったら、そのモデルを選定する。選定したモデルについて一部のパーツが好みに合わない場合には、「カタログ」の表示をクリックする。これにより、交換可能なバリエーションを一覧することができるカタログ画面になる。
【0031】
図6はカタログ画面を示す図である。カタログ画面には、選定したベースモデルに用いている各パーツが表示されるとともに、これら各パーツと交換可能な他の各パーツが表示される。この画面で好みのパーツを選定して決定することにより、ベースモデルが決定される。
【0032】
ベースモデルが決定されると、フレームデザイン選択の工程は終了し、次にトライヤル工程に進む。図7はトライヤル画面を示す図である。トライヤル画面では、選定したベースモデルの眼鏡が、先に取り込んである顔面画像に重ねられて眼鏡が装用された人物像が表示される。画面の左側に眼鏡装用人物像(眼鏡装用肖像)が表示され、画面の右側にフィッティング(FITTING)のためのツール群が表示される。
【0033】
画面左の眼鏡装用肖像画面を見ながら、画面右のツールを駆使してよりフィットする眼鏡を構築するシミュレーションを行なう。各ツールの機能は、以下の通りである。
・玉型変更…玉型を変更する。
・パーツ変更…各パーツを変更する。
・カラー変更…フレームのカラーを変更する。
・カタログ…先に述べた交換可能なパーツを表示する。
・モデル変更…ベースモデル自体を変更する。
・サイズ変更…玉型や他のパーツのサイズを変更する。
・メガネ位置…眼鏡装用位置を左右・上下に変更する。
・レンズカラー変更…レンズのカラーを変更する。
・処方…レンズ処方を入力もしくは変更する。
・シミュレーション…レンズ度数をいれた状態での眼鏡装用状態を再現する。
・テンプル長入力…デザインが決定したらテンプル長を入力する。
・問い合わせ…各種の問い合わせをする。.
・オーダー送信…デザイン及びテンプル長さ等が決定した眼鏡を注文する送信を行なう。
【0034】
・保存…決定したデザインを一旦保存しておく。
・比較検討…保存してあるデザインを呼び出して比較検討する。
・印刷…表示画像等を印刷する。
・正面/側面…眼鏡装用顔面画像の正面像を表示するか側面像を表示するかの選択をする。
・プレビュー…肖像表示画面を2分して正面像と側面像とを並列表示する。
・拡大…表示画像を拡大する。
・再肖像取り込み…肖像を取り込み直す。
・フィルター…画像がリアルにすぎるような場合に顔面画像に一定の画像処理を施して見易くする。
・価格表示…パーツやパーツを組み合わせた眼鏡の価格を表示する。
【0035】
上記ツールのうち「玉型変更」を選択した場合には、画面が「玉型変更」画面になる。図8は「玉型変更」画面を示す図である。画面の左に眼鏡装用肖像が表示され、右側にその眼鏡に用いられているブリッジ及びヨロイテンプルに取り付け可能な玉型のみが表示される。勿論、玉型が多数ある場合には画面をスクロールできるようになっている。
【0036】
ここで、画面に表示される玉型や他のパーツのデータは、「パーツテーブル」としてコンピュータ本体101やホストコンピュータ200に格納されている。図9はパーツテーブルの1つである「玉型テーブル」の例を示す図である。図9に示されているように、玉型テーブルには、玉型の形状情報、フレームタイプ、材質、重量、価格、その他、玉型を特定し、画像表示し、さらには、発注・受注、製造に関するものまで、シミュレーションによって決定された眼鏡を速やかに製造・納入可能とするに必要な全ての情報が盛り込まれている。
【0037】
また、図10はパーツテーブルの1つである「ブリッジテーブル」の例を示す図である。図10に示されているように、ブリッジテーブルには、ブリッジの形状情報、連結基準位置(X)、連結基準位置(Y)、フレームタイプ、材質、重量、価格、その他、玉型を特定し、画像表示し、さらには、発注・受注、製造に関するものまで、シミュレーションによって決定された眼鏡を速やかに製造・納入可能とするに必要な全ての情報が盛り込まれている。このパーツテーブルは全てのパーツについて作成されて格納されている。
【0038】
ここで、「連結基準位置(X)」はリムと連結する基準位置のX座標であり、「連結基準位置(Y)」はリムと連結する基準位置のY座標である。図11はブリッジの連結基準位置を示す図である。図に示されるように、ブリッジの左右中心でかつ上限点である点Oを原点とし、水平軸及び垂直軸をそれぞれX軸及びY軸とすると、連結基準位置Cは、原点OからX軸方向で最も遠いブリッジの端部の点であり、上記XーY座標系における座標点(X,Y)で表される。
【0039】
また、ブリッジをリムに取り付ける場合、リムのどの位置に取り付けるか、あるいは、そもそもそのブリッジは選定したリムに取り付け可能なのか等の情報が必要となる。図12は最も一般的なブリッジをリムに取り付ける例を示す図である。図に示される例は、ブリッジの連結基準位置Cが、リムの内周輪郭線(玉型形状輪郭線)上に位置し、かつ、玉型の上下最大幅の中線であるデータムラインから上方に15.2mmに位置するように取り付けられる。この場合の連結基準位置座標はC(7.5 ,−3.0)である。
【0040】
この様なパーツどうしを組み合わせて連結する際に必要な情報は、「パーツ結合テーブル」として、必要なパーツ全てについて作成されて格納されている。図13はパーツ結合テーブルの1つであるブリッジ玉型結合テーブルを示す図である。この図に示されるように、テーブルの縦欄にブリッジA,B,C,…というように、多数のブリッジが掲げられ、横欄に玉型A,B,C,…というように、多数の玉型が掲げられて、縦横欄が交差する欄にその組み合わせについての結合情報が掲げられる。この結合情報は、結合不可の場合は、不可(×)とし、結合可能な場合には、上述の図12に示したように、連結基準点Cのデータムラインからの距離の値が掲げられる。
【0041】
上述の玉型画面に呼び出される玉型は、このパーツテーブルによって結合可能と判断されたもののみである。同様に、少なくとも1つのパーツが画面に表示されてそれに組み合わせる他のパーツを選定する場合には、必ずこのパーツテーブルで結合可能とされたパーツのみが呼び出され、その範囲から選定するようになっている。なお、上記パーツテーブルとパーツ結合テーブルとは別々のテーブルでなく、1つのテーブルの中に包含するようにするしても良いことは勿論である。
【0042】
図14はパーツ決定過程の説明図である。図に示されるように、まず、多数のブリッジの中から好みのブリッジAを決定する。そして次に玉型を選定するために玉型変更画面にすると、画面に呼び出されるのはブリッジAと結合可能である玉型A〜Dのみである。そこでその中から玉型Cを選定する。そして次にヨロイを選定する画面にすると、同様に、画面に呼び出されるのは玉型Cと結合可能であるヨロイA〜Dのみである。ヨロイをBに決定し、テンプル選定画面にすると、同様に、画面に呼び出されるのはヨロイBと結合可能であるテンプルA〜Dのみである。このようにして各パーツを次々に決定していく。なお、このパーツを選定する順番は任意に選ぶことができる。また、こうして選定されたパーツの組み合わせについては、ただちに製造に着手可能なデータが既にそろっているので、発注を受ければ短期間で納入できるようになっている。
【0043】
図15は図7のトライヤル画面でパーツ変更のツールをクリックしたときに表れるパーツ変更画面を示す図である。画面右のツール群の一部が変わり、「ブリッジ変更」、「パッド変更」、「モダン変更」、「宝石変更」、「オーナメント変更」、「七宝変更」のツールが表れる。このツールを用いて変更が必要なパーツを選定して決定していく。
【0044】
図16はパーツ変更画面でブリッジ変更をクリックしたときに表れるブリッジ変更画面である。この画面では変更可能なブリッジの候補が示されるので、その中から好みのブリッジを選んで決定する。
【0045】
図17はパーツ変更画面でオーナメント変更をクリックしたときに表れるヨロイテンプルオーナメント変更画面である。この画面では画面上で選択されているヨロイテンプルに取り付け可能なオーナメントの候補が示されるので、その中から好みのオーナメントを選んで決定する。
【0046】
図18はパーツ変更画面で宝石変更をクリックしたときに表れるヨロイテンプル宝石変更画面である。この画面では画面上で選択されているヨロイテンプルのオーナメントに取りける宝石を種々変えたオーナメントを表示できる。好みの宝石を選んで決定する。この画面では宝石のサイズを変えることもできる。
【0047】
図19はヨロイテンプル宝石変更画面で「拡大」をクリックしたときに表れる画面である。指定したオーナメントの拡大画像が表示される。
【0048】
図20は図7の画面のツール群におけるフレームの「カラー変更」をクリックしてさらにヨロイテンプルカラー変更を選んだときの画面である。この画面では画面上で選択されているヨロイテンプルのカラーを変更することができる。
【0048】
図21は図7の画面のツール群における「レンズカラー変更」をクリックしたときの画面である。この画面では画面上で選択されているレンズのカラーを変更することができる。横欄に「カラー濃度」をとり、縦欄に「カラー」をとったマトリクス表示がなされ、選択しやすいようになっている。
【0049】
以上の説明は、フレームデザイン選択において「ベースサンプルから」というコースを選択した場合について詳述した。この場合には、各パーツが予め組み合わされた完成した眼鏡としてのベースサンプルを画面に表示しておき、その各パーツを画面上で変更していくことにより、好みの眼鏡に仕上げるものである。
【0050】
しかし、「玉型から」、「ヨロイテンプルから」もしくは「ブリッジから」というコースを選定した場合には、それぞれのパーツが単独で肖像に重ねて表示され、それに他のパーツを選定して加えていくという方法がとられる。勿論、肖像を用いないで行なうこともできる。また、その場で取り込んだ肖像以外の肖像、あるいはイラスト肖像を用いることもできる。
【0051】
以上詳述した実施例によれば、組み合わせるべきパーツが予め用意されており、その中から選ぶという操作で好みの眼鏡をシミュレーションできるので、繁雑な操作や複雑な知識を一切必要とせず極めて簡単な操作で迅速にシミュレーションを行なうことができる。
【0052】
しかも、この方法では、パーツの種類を増やしてもほとんど問題はないので、ほとんど無数のバリエーションを揃えることが可能である。そのため、顧客のデザインに対する好みを最大限生かしつつジャストフィットサイズの眼鏡を簡単に選びだすことが可能となる。
【0053】
すなわち、例えば、図22に示されるような複雑な形状をしたヨロイテンプルや図23に示されるす接合部分の長い形状のブリッジを有するものであっても、予めパーツテーブルや結合テーブルに載せておけば、それを組み入れた眼鏡を容易にシミュレーションできる。この様な場合であっても、製造にあたってオーダーを受けてからオーダーごとにパーツを作りなおしたり、接合部分の形状を整えたりする必要がなく、既製の眼鏡フレームと同様に既存のパーツを組み上げると同様の感覚で処理が可能である。
【0054】
また、事前に眼鏡として製造可能なように、パーツ情報及びその相関情報がパーツテーブル及びパーツ結合テーブルとしてコンピュータ内に書き込んであるため、オペレータがパーツを選択する度にそれが製造可能かどうかの複雑なチェックをおこなう必要がなく、簡単にまた軽快に眼鏡フレームの形状を変形させていくことが可能となる。
【0055】
さらに、組合せが事前に決定しているため、製造図面や製造治具を事前に製作しておくことか可能で、オーダーにしたがってどの図面やどの治具を選択するかを指示だけでよいので眼鏡の製造が極めて容易である。また、これらの情報は、パーツテーブルやパーツ結合テーブルと関連づけてコンピュータに格納しておけば、オーダーと同時に自動的に決定され、より迅速な製造が可能になる。
【0056】
したがって、その製造コストを大幅に低減できるとともに、納期も大巾に短縮できる。しかも、販売店では、フレーム選定のために多種類のフレームを陳列する必要がなく、その為のスペースを他に有効に活用することを可能にするとともに、在庫を持つ必要もない。このように、顧客及び販売員にとっては、選定作業の繁雑さの軽減、選定時間の短縮、納期の短縮等のメリットが得られ、販売店にとっては、販売価格の低減、スペースの節約、納期の短縮、接客回転率の向上、在庫の大幅な縮小等のメリットが得られ、さらに、製造側にとっては、設計・製造工程の大幅な効率化・短縮化、製造コストの大幅な低減、在庫の縮小その他、様々な場面で大きなメリットが得られる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明にかかる眼鏡装用シミュレーション方法及び装置は、コンピュータ制御による表示画面上で、眼鏡を構成する各パーツを定めていくことにより装用者が装用する眼鏡をシミュレーションする眼鏡装用シミュレーション方法であって、コンピュータに、各パーツの形状情報を含むパーツを定めるために必要な情報をテーブルにした1以上のパーツテーブルと、互いのパーツの連結の可否を含む連結に必要な情報をテーブルにした1以上のパーツ結合テーブルとを格納しておき、表示画面上に呼び出されたパーツが他のパーツに連結可能であるか否か等の連結に必要な情報を前記パーツ結合テーブルによって確認しながら眼鏡を構成する各パーツを定めていくことを特徴とするもので、これにより、店舗に在庫をもつことなく、顧客のサイズや好みのデザインをほとんど無数のバリエーションの中から選定可能とするとともに、納期及び製造コストを画期的に低減することを可能にする眼鏡装用シミュレーション方法及び装置を得ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる眼鏡装用シミュレーション方法の概要を示すフローチャート図である。
【図2】実施例に係る眼鏡装用シミュレーション方法を実施する装置の概要を示すプロック図である。
【図3】フルリムフレームの構成を示す図である。
【図4】玉型から」、「ヨロイテンプルから」及び「ブリッジから」というコースを選択した場合のフロー図を示す図である。
【図5】ベースモデル画面を示す図である。
【図6】カタログ画面を示す図である。
【図7】トライヤル画面を示す図である。
【図8】「玉型変更」画面を示す図である。
【図9】パーツテーブルの1つである「玉型テーブル」の例を示す図である。
【図10】パーツテーブルの1つである「ブリッジテーブル」の例を示す図である。
【図11】ブリッジの連結基準位置を示す図である。
【図12】最も一般的なブリッジをリムに取り付ける例を示す図である。
【図13】パーツ結合テーブルの1つであるブリッジ玉型結合テーブルを示す図である。
【図14】パーツ決定過程の説明図である。
【図15】図7のフィッティング画面でパーツ変更のツールをクリックしたときに表れるパーツ変更画面を示す図である。
【図16】パーツ変更画面でブリッジ変更をクリックしたときに表れるブリッジ変更画面である。
【図17】パーツ変更画面でオーナメント変更をクリックしたときに表れるヨロイテンプルオーナメント変更画面である。
【図18】パーツ変更画面で宝石変更をクリックしたときに表れるヨロイテンプル宝石変更画面である。
【図19】ヨロイテンプル宝石変更画面で「拡大」をクリックしたときに表れる画面である。
【図20】図7の画面のツール群におけるフレームの「カラー変更」をクリックしてさらにヨロイテンプルカラー変更を選んだときの画面である。
【図21】図7の画面のツール群における「レンズカラー変更」をクリックしたときの画面である。
【図22】複雑な形状をしたヨロイテンプルの例を示す図である。
【図23】特殊な形状のブリッジを有する例を示す図である。
【符号の説明】
1…ブリッジ、2…リム、3…ヨロイ、4…丁番、5…テンプル、6…モダン。100…店頭対話システム、101…コンピュータ本体、200…ホストコンピュータ。
Claims (6)
- コンピュータ制御による表示画面上で、眼鏡を構成する各パーツを定めていくことにより装用者が装用する眼鏡をシミュレーションする眼鏡装用シミュレーション方法であって、
前記コンピュータに、前記各パーツの形状情報を含むパーツを定めるために必要な情報をテーブルにした1以上のパーツテーブルと、互いのパーツの連結の可否を含む連結に必要な情報をテーブルにした1以上のパーツ結合テーブルとを格納しておき、
前記表示画面上に呼び出されたパーツが他のパーツに連結可能であるか否か等の連結に必要な情報を前記パーツ結合テーブルによって確認しながら眼鏡を構成する各パーツを定めていくことを特徴とする眼鏡のシミュレーション方法。 - 請求項1に記載の眼鏡装用シミュレーション方法において、前記表示画面上で表示されたパーツ以外のパーツを前記パーツテーブルから呼び出して表示する際には、前記結合テーブルを参照して前記表示されたパーツと連結可能なパーツのみを選定して呼び出すことを特徴とする眼鏡装用シミュレーション方法。
- 請求項1又は2に記載の眼鏡装用シミュレーション方法において、
前記表示画面に、眼鏡を構成する各パーツが予め定められている眼鏡のベースモデルを表示し、このベースモデルを基にしてその各パーツを変更しながら定めていくことを特徴とする眼鏡装用シミュレーション方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の眼鏡装用シミュレーション方法において、
前記眼鏡を構成するパーツ又は各パーツを組み合わせた眼鏡を、予め取り込んだ人物の顔面画像に重ねて表示することを特徴とする眼鏡装用シミュレーション方法。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の眼鏡装用シミュレーション方法において、
前記パーツテーブル及び又はパーツ結合テーブルには、パーツ製造に必要な情報及び又はパーツを連結して眼鏡を製造する際に必要な情報が含まれていることを特徴とする眼鏡装用シミュレーション方法。 - コンピュータ制御による表示画面上で、眼鏡を構成する各パーツを定めていくことにより装用者が装用する眼鏡をシミュレーションする眼鏡装用シミュレーション装置であって、
前記コンピュータに、前記各パーツの形状情報を含むパーツを定めるために必要な情報をテーブルにした1以上のパーツテーブルと、互いのパーツの連結の可否を含む連結に必要な情報をテーブルにした1以上のパーツ結合テーブルとを格納しておく機能と、
前記表示画面上に呼び出されたパーツが他のパーツに連結可能であるか否か等の連結に必要な情報を前記パーツ結合テーブルによって確認しながら眼鏡を構成する各パーツを定めていく機能とを有することを特徴とする眼鏡のシミュレーション装置。
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