JP3611961B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵または冷凍により食品を保存する冷蔵庫の除霜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の冷蔵庫としては、特開平9−503289号公報に開示されているものがある。これによると冷蔵室用,冷凍室用として各々に蒸発器を設けており、それぞれの除霜時期は各室内に冷気を循環させる送風機の運転時間により決定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、扉が頻繁に開放されたり、庫内掃除のため長時間扉を開放されるような場合、送風機が頻繁に停止するかまたは長時間停止するため、蒸発器の着霜量が増えるにも関わらず除霜のタイミングが遅れ、その結果除霜時において、冷蔵室側の蒸発器についた霜が完全に除去されないとか、着霜量の増加により除霜時間が延長する等、効率的な除霜が行えず、そのため消費電力量を増大するという虞があった。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、冷凍室側蒸発器と冷蔵室側蒸発器をそれぞれ独立して設けた冷蔵庫において、効果的かつ効率的な除霜を行うことで、効率的な冷却を行える冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、冷蔵室,冷凍室それぞれに冷蔵室側除霜ヒータと、冷凍室側除霜ヒータを設け、また冷蔵室側除霜制御手段と、冷凍室側除霜制御手段とで冷蔵室と冷凍室の除霜を独立して制御し、さらに冷蔵室側の除霜間隔を冷凍室側の除霜間隔よりも短くすることにより、使用頻度の異なる各室の除霜を効率よく行うことができ、室内温度および収納食品保存の安定化を図ることができる。
【0006】
また、冷凍室側が除霜に入ると同時に冷蔵室側も除霜に入らせると冷凍室側の除霜ヒータの熱が冷媒を介して冷蔵室側に伝わり、冷蔵室側の除霜が効果的に行える。
【0007】
さらに冷蔵室側除霜と冷凍室側除霜を同時に実施する場合、冷蔵室単独で除霜を実施するときの除霜終了検知温度よりも高く設定することで、冷凍室側から冷媒を介して伝わる熱と、冷蔵室側除霜ヒータによる熱により、蒸発器周辺についた霜をも完全に除去可能となる。
【0008】
そして、冷蔵室側が除霜タイミングとなったとき、冷凍室側除霜タイミングまでの時間があと少し(例えば1時間以内前)となっている場合、冷蔵室側の除霜開始を、冷凍室側が除霜を開始するまで遅らすことで、冷蔵室側の除霜が短時間内に2回実施されることを防止し、効率的に除霜を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
前記の課題を解決するために本発明は、冷蔵室と冷凍室にそれぞれ除霜用ヒータ,除霜終了温度検知器、そして除霜制御手段を設け除霜を各室別に行うようにしたものである。
【0010】
前記のように冷蔵室と冷凍室の各蒸発器に付着する霜を独立的に除霜させるため、それぞれの着霜状態に応じて適確な対処ができ、関連して各室内における冷却性能を安定化することができる。
【0011】
また、冷蔵室側に冷媒制御弁と、それを制御する冷媒制御弁制御手段と、冷媒制御弁の開放時間を積算する冷媒制御弁開放時間積算手段を設けたものである。
【0012】
前記のような構成では、冷媒制御弁の開放積算時間が所定の設定値に達すると、冷媒制御弁制御手段がその信号を受け制御弁を開放し、高温冷媒を冷却器に流し除霜に入り、効果的な除霜ができ、消費電力低減にも大きく貢献する。
【0013】
また、除霜周期を冷蔵室側は冷凍室側より短く決めたものである。これは使用頻度の高い冷蔵室にとっては着霜量も多くなるため極めて効果的な除霜が可能となる。
【0014】
また、冷凍室側の除霜と冷蔵室側の除霜を同時に行なうように制御するものである。このような除霜制御によると冷凍室側の除霜ヒータにより冷媒が温度上昇し、冷蔵室側の除霜は、冷蔵室側の除霜ヒータにさらに高温冷媒の熱が伝導して完全な除霜が可能となる。
【0015】
また、冷蔵室側の除霜に入る直前に、冷凍室側の除霜も間近である(例えば1時間以内)場合、冷蔵室側の除霜を冷凍室側と同期させるため、除霜開始を遅延させるようにしたものである。このような除霜制御によると、前記と同様に冷凍室側の除霜ヒータにより温度上昇する冷媒の熱が冷蔵室側に伝導して完全な除霜が可能となる。
【0016】
さらに、冷蔵室側の除霜終了設定温度を、冷蔵室側単独で除霜を行う場合より、冷凍室側と同時に行う場合の方が高い除霜終了設定温度としたものである。このような除霜制御によると、前記と同様に冷凍室側からの冷媒を介して伝導する熱と、冷蔵室側の除霜ヒータによる熱で完全な除霜が可能となる。
【0017】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0018】
(実施例1)
図1において、1は圧縮機、2は凝縮器、3は冷蔵室側減圧装置、4は冷凍室側減圧装置、5は冷蔵室側蒸発器、6は冷凍室側蒸発器、7は冷蔵室側除霜ヒータ、8は冷凍室側除霜ヒータ、9は前記冷蔵室側蒸発器5に設置され、除霜時、冷蔵室側蒸発器5の温度を検知する冷蔵室側除霜終了温度検知器である。10は前記冷凍室側蒸発器6に設置され、除霜時冷凍室側蒸発器6の温度を検知する冷凍室側除霜終了温度検知器である。11は冷蔵室側除霜制御手段で、除霜ヒータへの通電または通電停止を決定し、冷蔵室側除霜駆動手段12で除霜ヒータの電気的接続または遮断を行う。13は冷蔵室除霜終了検出手段であり、前記冷蔵室側除霜終了温度検知器9で検知した冷蔵室側蒸発器5の温度を検出し、その検出された冷蔵室側蒸発器5の温度が前記冷蔵室側除霜制御手段11に設定された除霜終了温度より高くなったとき冷蔵室側除霜駆動手段12により、冷蔵室側除霜ヒータ7への通電を断ち除霜を終了する。14は冷凍室側除霜制御手段で、冷凍室側除霜ヒータへの通電または通電停止を決定し、冷凍室側除霜駆動手段15で冷凍室側除霜ヒータ8の電気的接続または遮断を行う。16は冷凍室除霜終了検出手段であり、前記冷凍室側除霜終了温度検知器10で検知した冷凍室側蒸発器6の温度を検出し、その検出された冷凍室側蒸発器6の温度が前記冷凍室側除霜制御手段14に設定された除霜終了温度より高くなったとき、冷凍室側除霜駆動手段15により、冷凍室側除霜ヒータ8への通電を断ち除霜を終了する。
【0019】
前記構成の冷蔵庫では、冷蔵室側,冷凍室側にそれぞれ冷蔵室側蒸発器5と冷凍室側蒸発器6、冷蔵室側除霜ヒータ7と冷凍室側除霜ヒータ8、冷蔵室側除霜終了温度検知器9と冷凍室側除霜終了温度検知器10、冷蔵室側除霜制御手段11と冷凍室側除霜制御手段14、冷蔵室側除霜駆動手段12と冷凍室側除霜駆動手段15、そして冷蔵室除霜終了検出手段13と冷凍室除霜終了検出手段16とから構成され、除霜タイミングを決定する除霜制御手段を冷蔵室側,冷凍室側とで独立させたことで、庫内温度,収納食品、そして扉開放回数等が異なる各室を、効率的に除霜できるようになる。
【0020】
(実施例2)
図1において、17は冷蔵室側減圧装置3の前に取り付けられ、冷蔵室内の温度により冷媒を供給あるいは停止するために設けられた冷媒制御弁であり、前記冷媒制御弁17の開閉は、冷蔵室温度検出手段18により検出された温度を冷媒制御弁制御手段19において設定された温度と比較し、この設定温度よりも低い場合は前記冷媒制御弁を閉鎖、高い場合は開放するように、冷媒制御弁駆動手段20により動作させる。また、前記冷媒制御弁制御手段19で比較した冷蔵室庫内温度が設定温度よりも高いと判断して前記冷媒制御弁17を開放状態にしたとき、冷媒制御弁開放時間積算手段21によりその開放時間を積算していき、積算時間が冷蔵室側除霜制御手段11に設定された時間に至ると、冷蔵室側除霜駆動手段12により冷蔵室側除霜ヒータ7を駆動させ冷蔵室側の除霜を開始する。
【0021】
前記構成の冷蔵庫は、実施例1に示した冷蔵室側と冷凍室側の除霜制御を独立した構成に、冷蔵室側蒸発器5に冷媒を供給または供給停止を行う冷媒制御弁17と冷媒制御弁制御手段19と冷媒制御弁駆動手段20と冷媒制御弁開放時間積算手段21を設け、冷蔵室側除霜タイミングを前記冷媒制御弁17の開放時の積算時間により定期的に実施できるようにしたものである。
【0022】
前記構成の冷蔵庫の除霜について、その動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0023】
まず、STEP101で冷蔵室内温度tPCと冷蔵室設定温度とを比較して冷蔵室内温度が低い場合はSTEP101に戻り、高い場合はSTEP102で冷媒制御弁17の開放時間の積算を開始し、STEP103で冷媒制御弁17を開放する。次にSTEP104で再び冷蔵室設定温度と冷蔵室庫内温度とを比較し、冷蔵室庫内温度が高い場合は、STEP104に戻り、低ければSTEP105に進み冷媒制御弁17を閉鎖し、STEP106で冷媒制御弁17の開放積算時間のカウントを終了する。STEP107では、この積算時間を設定時間と比較して設定時間より冷媒制御弁17の積算時間が短い場合はSTEP101に戻り、設定時間に至った場合は、STEP108で冷媒制御弁17の積算時間を0にリセットし、STEP109で冷蔵室側の除霜を開始する。STEP110では、冷蔵室側の蒸発器温度が設定温度以上になるまで繰り返し、設定温度以上になれば冷蔵室側除霜を終了する。以降STEP101に戻り、この動作を繰り返す。
【0024】
前記構成の除霜制御では、冷媒制御弁17が開放している時間、即ち冷蔵室の冷却動作時間を積算して除霜のタイミングを決定しているため、冷蔵室扉が頻繁に開けられたとか、冷蔵室内清掃等のため長時間の扉開放があった場合、また庫内に高温の調理済み等の食品が詰められたといった冷蔵庫内が高負荷状態で冷蔵室側蒸発器5に霜付きが発生し易い状態にあっても、安定した除霜が可能となる。
【0025】
また、図1において冷媒制御弁17は、凝縮器2と冷蔵室側減圧装置3の間に設置しているが、冷蔵室側減圧装置3と冷蔵室側蒸発器5の間に設置された場合においても同一の効果が得られる。
【0026】
(実施例3)
図1において22は冷凍室内温度を検出する冷凍室内温度検出手段であり、これにより検出された庫内温度に基づいて、圧縮機制御手段23の設定温度と比較して設定温度より冷凍室内温度が低い場合は圧縮機1を停止し、高い場合は圧縮機駆動手段24により圧縮機1を駆動させる。また圧縮機1を運転するときは、圧縮機1の運転時間を圧縮機運転積算手段25により積算していく。前記圧縮機運転積算手段25により積算された時間は、冷凍室側除霜制御手段14の設定時間と比較され、前記圧縮機1の積算時間が設定時間に至ると冷凍室側除霜制御手段14により、冷凍室側蒸発器6の除霜が開始される。
【0027】
前記のように、この実施例では、前記実施例1および実施例2による除霜制御に、さらに冷媒制御弁開放時間積算手段21の設定積算時間を短くし、図3の動作タイミングチャートに示すように冷凍室側除霜間隔より、冷蔵室側除霜間隔を小さくすることで、冷凍室側の除霜後、次の除霜までの間に、冷蔵室側の除霜が1回以上行われるようにしている。
【0028】
したがって、1日1回程度で十分な冷凍室側の除霜間隔よりも冷蔵室側の除霜間隔を短くしているので、水分を多く含む食品や、温かい食品を入れがちな冷蔵室の除霜を効果的に行い、着霜による蒸発器の目詰まり等を防止し効率よく庫内を冷却することができる。
【0029】
(実施例4)
図1において、圧縮機運転積算手段25により積算された圧縮機1の運転積算時間が冷凍室側除霜制御手段14の設定時間に至ったとき、冷凍室側の除霜を行うと同時に冷蔵室側の除霜を行うようにしたものである。
【0030】
前記のように、この実施例では、前記実施例1,実施例2および実施例3による除霜制御から、圧縮機運転積算手段25により積算された圧縮機の運転時間が、冷凍室側除霜制御手段14の設定時間と、冷蔵室側除霜制御手段11の設定時間に至ったとき、冷凍室側,冷蔵室側の除霜を同時に実施する。ここで冷蔵室側,冷凍室側それぞれの除霜制御手段の設定時間は同じである。
【0031】
前記構成の除霜制御について、その動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
まず、STEP201で冷凍室温度が設定温度まで上昇したか確認し、設定温度よりも冷凍室温度が低い場合は、STEP201を繰り返し、設定温度まで上昇していると、STEP202で圧縮機運転時間の積算を開始し、STEP203で圧縮機1の運転を開始する。STEP204では庫内温度が設定温度まで冷却されたかを確認し、設定温度よりも庫内温度が高い間はSTEP204を繰り返し、設定温度まで冷却されたと判断したなら、STEP205で圧縮機1を停止し、STEP206で圧縮機運転時間の積算を停止する。STEP207では積算された圧縮機積算運転時間が設定時間に達したかを確認し、未達の場合はSTEP201に戻る。設定時間に到達しているSTEP208でそれまでの圧縮機1の積算運転時間を0にリセットし、STEP209で冷凍室側の除霜を開始し、続いて冷蔵室側の除霜も開始する(STEP210)。次にSTEP211で冷凍室除霜終了検出手段16で検出された蒸発器温度が設定温度まで上昇したかを確認し、設定温度より冷凍室側蒸発器6の温度が高くなったとき、STEP221に進み、冷凍室側の除霜を終了する。次にSTEP222で冷蔵室側除霜終了検出手段13により冷蔵室側蒸発器温度が設定温度まで上昇したかを確認し、蒸発器温度が設定温度より低い間は、STEP222を繰り返し、設定温度より高くなったとき、STEP223で冷蔵室側の除霜を終了した後、STEP201に戻り、以降この動作を繰り返す。また、STEP211で冷凍室側蒸発器温度が設定温度より低い場合は、STEP212に進み、冷蔵室側除霜終了検出手段13により冷蔵室側蒸発器温度が設定温度まで上昇したかを確認し、冷蔵室側蒸発器温度が設定温度より低い場合は、STEP211に戻り、設定温度以上まで上昇している場合は、STEP213で冷蔵室側の除霜を終了し、STEP214へ進む。STEP214では、再び冷凍室側蒸発器温度と設定温度を比較し、冷凍室側蒸発器温度が設定温度より低い場合は、STEP214を繰り返し、設定温度以上に温度上昇していればSTEP215で冷凍室側の除霜を終了した後、STEP201に戻り、以降この動作を繰り返す。
【0033】
前記のように、この実施例では、冷凍室側が除霜タイミングとなったとき、冷蔵室側も同時に除霜を行うため、冷蔵室側の除霜は、冷蔵室側除霜ヒータ7の熱と、冷凍室側除霜ヒータ8の熱が蒸発器内の冷媒を介して冷蔵室側に伝導し、いわばホットガス除霜の効果が得られるので、冷蔵室側蒸発器5および蒸発器設置部周辺に付着した霜を、短時間内で効果的に除霜できる。また、冷凍室側からの伝導熱を有効に利用することにより、冷蔵室側除霜ヒータ容量を小さくでき、消費電力量の低減にも貢献する。
【0034】
(実施例5)
図5において、冷蔵室側の除霜タイミングtPCは冷媒制御弁17の開放時間の積算である。1回目の除霜が終了してから、冷媒制御弁17の積算時間がtPC経過し、一方冷凍室側の除霜がt1時間以内で開始するとき、冷蔵室側除霜を遅延し、冷凍室側除霜の開始と同時に実施するようにしている。
【0035】
前記のように、この実施例では前記実施例1および実施例4のように、冷凍室側と冷蔵室側の除霜制御は、独立して制御していて、しかも冷凍室側の除霜を行うとき、同時に冷蔵室側の除霜も行うように除霜制御しているが、さらに冷蔵室側の除霜が、短時間の間に2回除霜動作を行わないようにしたものである。
【0036】
前記構成の冷蔵庫の除霜制御について、その動作を図6のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
まずSTEP301で冷蔵室温度が設定温度よりも高くなったかを確認し、設定温度よりも低い場合は、STEP301を繰り返し、設定温度よりも高くなった場合は、STEP302で冷媒制御弁17の開放時間を積算する。次にSTEP303で冷媒制御弁17を開放し、STEP304で設定温度以上まで庫内温度が下がったかどうかを確認し、下がっていなければSTEP304を繰り返し、下がっていればSTEP305で冷媒制御弁17を閉鎖すると共にSTEP306で冷媒制御弁開放時間の積算を停止する。次に、STEP307で冷媒制御弁17の積算時間が設定時間に達したかどうかを判断し、達していない場合にはSTEP301に戻り、設定時間に達するとSTEP308で冷媒制御弁開放積算時間を0にリセットしてSTEP309に進む。そこでは、冷凍室側除霜開始の圧縮機積算運転時間t1時間前以内(例えば積算1時間前)でないかを判断し、t1時間以内でない場合は、STEP311へ進み、冷蔵室側の除霜を開始する。また、STEP309で圧縮機運転積算t1時間以内に冷凍室側除霜が開始されると判断した場合、STEP310に進み冷凍室側の除霜が開始されたかを判断する。冷凍室側の除霜が開始したと判断したとき、STEP311に進み冷蔵室側の除霜に入る。またSTEP310でまだ冷凍室側の除霜が開始されていないと判断すると、STEP321に進み、冷蔵室温度が冷蔵室設定温度より上昇していないかを判断し、庫内温度が上昇していない場合は、STEP310に進み、庫内温度が設定値より上昇しているならば、STEP322で冷媒制御弁17を開放してからSTEP323で再び冷凍室側の除霜が開始されたかを確認する。その結果、冷凍室側の除霜が開始されている場合はSTEP311に進み、開始されていない場合はSTEP324に進み冷蔵庫内が設定温度まで冷却されたかどうかを確認し、設定温度まで冷却されているとSTEP325に進み、冷媒制御弁17を閉鎖し、STEP310に進む。またSTEP324で庫内温度が設定温度まで冷却されていなければ、STEP323に進む。
【0038】
前記のように、この実施例では、冷蔵庫の除霜制御は冷蔵室側が除霜タイミングとなったとき、冷凍室側の除霜タイミングを確認し、圧縮機の運転積算時間がt1以内のときは、冷蔵室側の除霜を冷凍室側の除霜が開始されるまで遅延させ同時に実施するようにしたので、冷蔵室側の除霜が短時間内に2回行われることを防ぐことで、除霜による消費電力ロス等を低減し効率の良い除霜を行うことができる。
【0039】
(実施例6)
図7に示すように、この実施例の場合、実施例1,実施例2,実施例4および実施例5による冷蔵庫の除霜制御に、さらに冷蔵室側の除霜の終了温度を冷蔵室側の単独除霜のときと、冷蔵室側,冷凍室側同時除霜の場合を変えたものである。
【0040】
前記構成の冷蔵庫の除霜制御について、その動作を図8のフローチャートを参照して説明する。
【0041】
まずSTEP401において冷蔵室側の除霜を開始する。次いでSTEP402で冷蔵室側単独での実施か、冷凍室側との同時実施かを判断する。冷蔵室側の単独での実施の場合STEP403で、除霜終了温度をT1に設定し、STEP404で、設定温度T1まで冷蔵室側蒸発器温度が上昇したかを確認し、蒸発器温度がT1まで上昇するまでSTEP404を繰り返し、T1以上の温度に上昇したとき、STEP405で冷蔵室側の除霜を終了する。またSTEP402で冷凍室側と同時実施であると判断した場合、STEP421で設定温度をT1より高いT2に設定し、STEP422でT2にまで冷蔵室側蒸発器温度が上昇するまで繰り返し確認し、T2まで到達したときSTEP405に進み、冷蔵室側の除霜を終了する。
【0042】
前記のように、この実施例では、冷蔵室側単独での除霜時の終了温度より、冷蔵室側,冷凍室側同時除霜時の終了温度を高く設定しているので、冷蔵室側単独での除霜は、蒸発器のフィン間が目詰まりしない程度とし、冷凍室側を同時に行うときは、終了温度を高く設定することにより、冷凍室側除霜ヒータ8の伝導熱の効果もあり、蒸発器およびその周辺まで完全に除霜できる。また、冷蔵室側除霜ヒータ7は蒸発器の目詰まりを除去するための容量とし、冷凍室側の除霜時に冷媒を介して伝わる伝導熱を、ホットガス除霜として、最大限に有効利用することにより、除霜時の消費電力の低減が可能である。また、冷蔵室側単独での除霜は、庫内の冷却に悪影響を与える蒸発器の目詰まりを除去するだけの除霜としているため、除霜による冷蔵室内の温度上昇を抑えることができ、昇温による庫内食品へ与える悪影響をも抑制できる。
【0043】
【発明の効果】
前記で説明したように本発明は、冷蔵室側の除霜制御と冷凍室側の除霜制御とをそれぞれ独立して制御することで、使用方法の違う各室用の蒸発器に付着する霜を効果的かつ効率的に除霜できる。
【0044】
また、冷蔵室側の除霜のタイミングは、冷蔵室側の蒸発器へ冷媒を供給または停止させる機能を有する冷媒制御弁の開放時間を積算し、所定の積算時間に到達したとき除霜に入るように構成しているので、扉の開閉頻度が多い場合とか、開放時間が長かったり、また温かい料理品の収納等で冷蔵庫が過負荷状態の場合でも、冷蔵室の冷却動作時間、即ち冷媒制御弁の開放時間による安定した除霜が行われ、着霜による冷蔵庫の鈍冷といった不具合も解消することができる。
【0045】
また、冷蔵室は通常冷凍室より使用頻度が高く扉開閉が頻繁となり、収納食品も水分を多く含むものや温かい調理済みの物を入れる可能性は高く、蒸発器の着霜が多くなりがちなため、冷蔵室の除霜周期を冷凍室の除霜周期より短く設定することで合理的な除霜を行い、効率の良い冷却ができる。
【0046】
また、冷凍室側が除霜に入る場合、冷蔵室側も同時に行うようにしているので、冷凍室側の除霜ヒータの熱が冷媒を介して冷蔵室側に伝導できるため、冷蔵室側蒸発器は、冷媒によるホットガス除霜の効果を利用できる。したがって冷蔵室側の除霜ヒータ容量を小さくでき、除霜時の消費電力の低減が可能となる。
【0047】
また、冷蔵庫側が除霜タイミングとなる直前に冷凍室側の除霜タイミングを監視して冷凍室側の除霜タイミングが短時間内にある場合は、冷蔵室側の除霜を遅延し、冷凍室側の除霜と同時に行えるようにしたので、冷蔵室側が短時間に2回除霜が行われ庫内冷却ロスになることを防止することができる。
【0048】
さらに、冷蔵室側の除霜終了温度を、冷蔵室側単独での除霜時より、冷凍室側との同時除霜時の方を高く設定することで、単独での除霜時は、着霜による蒸発器の目詰まりを除去する程度とし、冷凍室との同時除霜時で蒸発器またはその周辺に付いた霜をも完全に除去できるため、冷蔵室側の除霜ヒータの小容量化と共に信頼性の高い冷却性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す冷蔵庫の除霜制御装置のブロック図
【図2】本発明の実施例2を示す冷蔵庫の除霜制御装置の動作フローチャート
【図3】本発明の実施例3を示す冷蔵庫の除霜制御のタイミングチャート
【図4】本発明の実施例4を示す冷蔵庫の除霜制御装置の動作フローチャート
【図5】本発明の実施例5を示す冷蔵庫の除霜制御の動作タイミングチャート
【図6】同、除霜制御装置の動作フローチャート
【図7】本発明の実施例6を示す冷蔵庫の除霜制御の動作タイミングチャート
【図8】同、除霜制御装置の動作フローチャート
【符号の説明】
1 圧縮機
2 凝縮器
3 冷蔵室側減圧装置
4 冷凍室側減圧装置
5 冷蔵室側蒸発器
6 冷凍室側蒸発器
7 冷蔵室側除霜ヒータ
8 冷凍室側除霜ヒータ
9 冷蔵室側除霜終了温度検知器
10 冷凍室側除霜終了温度検知器
11 冷蔵室側除霜制御手段
14 冷凍室側除霜制御手段
17 冷媒制御弁
19 冷媒制御弁制御手段
21 冷媒制御弁開放時間積算手段
Claims (5)
- 圧縮機と、凝縮器と、冷蔵室側減圧装置と、冷凍室側減圧装置と、冷蔵室側蒸発器と、冷凍室側蒸発器と、冷蔵室側除霜ヒータと、冷凍室側除霜ヒータと、除霜終了温度を検知する冷蔵室側除霜終了温度検知器と、冷凍室側除霜終了温度検知器と、各室の除霜ヒータの通電または通電停止を行う冷蔵室側除霜制御手段と、冷凍室側除霜制御手段を有し、冷蔵室側と冷凍室側の除霜を独立して制御するものであって、冷凍室側の除霜を実施するときは、冷蔵室側の除霜を同時に行うことを特徴とする冷蔵庫。
- 圧縮機と、凝縮器と、冷蔵室側減圧装置と、冷凍室側減圧装置と、冷蔵室側蒸発器と、冷凍室側蒸発器と、冷蔵室側除霜ヒータと、冷凍室側除霜ヒータと、除霜終了温度を検知する冷蔵室側除霜終了温度検知器と、冷凍室側除霜終了温度検知器と、各室の除霜ヒータの通電または通電停止を行う冷蔵室側除霜制御手段と、冷凍室側除霜制御手段を有し、冷蔵室側と冷凍室側の除霜を独立して制御するものであって、冷蔵室側が除霜のタイミングとなったとき、冷凍室側除霜タイミングが間近であるとき冷蔵室側の除霜開始を遅延させ、冷凍室側の除霜と同時に行うことを特徴とする冷蔵庫。
- 圧縮機と、凝縮器と、冷蔵室側減圧装置と、冷凍室側減圧装置と、冷蔵室側蒸発器と、冷凍室側蒸発器と、冷蔵室側除霜ヒータと、冷凍室側除霜ヒータと、除霜終了温度を検知する冷蔵室側除霜終了温度検知器と、冷凍室側除霜終了温度検知器と、各室の除霜ヒータの通電または通電停止を行う冷蔵室側除霜制御手段と、冷凍室側除霜制御手段を有し、冷蔵室側と冷凍室側の除霜を独立して制御するものであって、冷蔵室側の除霜終了設定温度を、冷蔵室側単独で除霜を行う場合より冷凍室側と同時に行う場合の除霜終了設定温度の方が高い設定温度であることを特徴とする冷蔵庫。
- 冷蔵室側に冷媒を供給、または停止する冷媒制御弁と、前記冷媒制御弁を開閉させる冷媒制御弁制御手段と、前記冷媒制御弁の開放時間を積算する冷媒制御弁開放時間積算手段とを有し、前記冷媒制御弁開放時間積算手段により積算された前記冷媒制御弁の開放時間が、設定値に達したとき冷蔵室側の除霜を開始することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
- 冷蔵室側の除霜周期は、冷凍室側の除霜周期よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
Priority Applications (1)
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JP04165098A JP3611961B2 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 冷蔵庫 |
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JP04165098A JP3611961B2 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 冷蔵庫 |
Publications (2)
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