JP3611856B2 - 多発性硬化症に関与するmsrv1ウイルスおよびmsrv2病因性及び/又は感染性の作因、核酸成分およびその応用 - Google Patents

多発性硬化症に関与するmsrv1ウイルスおよびmsrv2病因性及び/又は感染性の作因、核酸成分およびその応用 Download PDF

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Description

多発性硬化症(MS)は、原因不明の中枢神経系(CNS)の脱髄疾患である。
多くの研究が、ウイルス性疾患であるという説を支持しているが、調べられた既知のウイルスは、いずれも求める原因ではかった。MSに関して数年間探されたウイルスの評価が、E.Norrby(1)とR.T.Johnson(2)によってまとめられている。
付随的に、1943〜1960年のフェロー(Faro)諸島(3)、サルジニア(4)、ノルウェー(5)、および移住民における研究(6)に見られるように、外因性及び/又は感染性のファクターである可能性が、MSの局地的流行もしくは“クラスター(群)”の存在から示唆されている。示唆された外因性ファクターの中でもウイルスは最もよく研究され、ウイルスが病因であることは、慣例的に想到される。
MSに自己免疫反応に例えることのできる現象が観察されることから、“本質的に”自己免疫を病因とする仮説(7および8)が導かれる。しかしながら、CNS中のある成分に対するこの自己免疫は、MSに特異的でなく、かつ感染に関わるか否かは別にしてCNSの炎症に共通であることが判明した(9、10、11および12)。さらに、免疫抑制療法では、MSに対して決定的な結果を得ることができない(13)。“自己免疫”の症状は、ウイルスに由来する機構、すなわち細胞に由来する分子に結合したウイルスの決定基に対する共感作(cosensitization)、分子模倣現象(14)、あるいはレトロウイルスの超抗原の発現によって(15)促進されるらしい。
レトロウイルスが本疾患の起源であるということに基づいた説が、ある研究によって支持されている。元来は成人T細胞白血病の作因(agent)として知られたHTLV−Iウイルスに係る神経学的症状の最近の発見(16)が、多くの著者(17、18、19、20、21、22、23)をして、このヒトレトロウイルスのMSにおける関与を期待させたが、成功しないか、交差反応を示唆する結果となった。
最近、既知のヒトレトロウイルスとは異なるレトロウイルスが、MS患者から単離された(24、25および26)。また、これらの著者は、このレトロウイルスが、in vitroで伝染(トランスミット)し得たこと、MS患者がこのレトロウイルスによって軟髄細胞の感染に係るタンパク質を認識できる抗体を作り出したこと、およびその抗体の発現が、あるヘルペスウイルスのイメディエートアーリー遺伝子によって強烈に刺激され得たことを示すことができた(27)。
上記結果の全てが、少なくとも一つの未知のレトロウイルス、もしくはH.Perron(24)によって公開された方法に基づいて検出され“LM7様RT"活性として定性分析される逆転写酵素活性を備えたウイルスの、MSにおける役割を示している。(24)によって特定された刊行物の内容を、参照として本明細書に取り込む。
最近、本出願人の研究により、二人の異なるMS患者に由来する天然の単離物で感染された二つの連続する細胞系統が、国際特許公開第9320188号公報に記載された培養方法から得られるようになった。この文献の内容を、参照として本明細書中に取り込む。これらの二つの系統は、ヒト脈絡叢細胞から誘導され、LM7PCおよびPLI−2と称され、ブダペスト条約の規定により、それぞれ92072201および93010817の番号で、1992年7月22日および1993年1月8日にECACCに寄託された。さらに、LM7様RT活性を備えたウイルス単離物も、“株”の総称でECACCに寄託された。POL−2と称される、PLI−2系統にかくまわれた“株”もしくは単離物は、1992年7月22日にV92072202の番号で寄託された。MS7PGと称される、LM7PC系統によってかくまわれた“株”または単離物は、1993年1月8日にV93010816の番号で寄託された。
生物学的および形態学的基準によって特徴づけられた上述の培養物および単離物から出発すると、次の段階は、これらの培養物中に生成されたウイルス粒子に関連する核酸物質を特徴づける努力を行うことである。
しかして、本発明の主題は、以下の通りである。
(i) 生物学的な物質として、単離または精製された状態で、多発性硬化症に関与する二つの病因性及び/又は感染性の作因、すなわち逆転写酵素活性を備え、内在性レトロウイルス成分のファミリーに関連するヒトウイルス、または前記ウイルスの変異体を含む第一作因、および第二作因または第二作因の変異体を有する組成物であって、これら二つの病因性及び/又は感染性の作因が、それぞれ1992年7月22日にV92072202の受付番号でECACCに寄託されたPOL−2および1993年1月8日にV93010816の受付番号でECACCに寄託されたMS7PGと称される株、およびこれらの変異体から選択された同一のウイルス株に由来する組成物、
(ii) 生物学的な物質として、単離または精製された状態で、多発性硬化症に係る二つの病因性及び/又は感染性の作因、すなわち逆転写酵素活性を備え、内在性レトロウイルス成分のファミリーに関連するヒトウイルス、または前記ウイルスの変異体を含む第一作因、および第二作因または第二作因の変異体を有する組成物であって、これら二つの病因性及び/又は感染性の作因が、それぞれ1992年7月22日に92072201の受付番号でECACCに寄託されたPLI−2および1993年1月8日に93010817の受付番号でECACCに寄託されたLM7PCと称される系統から選択された同一の細胞系統、および少なくとも一つの病因性及び/又は感染性の作因を生産することのできる全ての感染細胞の培養物、及び/又はこれらの変異体によって生産される組成物、
(iii) 単離または精製された状態で、二つの病因性及び/又は感染性の作因、すなわち、ゲノムが、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含むウイルスまたは前記ウイルスの変異体を含む第一作因、およびゲノムが、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11およびSEQ ID NO12、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含む第二の病因性及び/又は感染性の作因を含む組成物、
(iv) 少なくとも一つの核酸断片、すなわち、ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含む第一断片、及び/又は、ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含む第二断片を、特にプローブとして用いることを特徴とする、多発性硬化症に係る第一の病因性及び/又は感染性の作因、及び/又は第二の病因性及び/又は感染性の作因を検出する方法、
(v) 少なくとも一つの核酸断片、すなわち、ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含む第一核酸断片、及び/又は、ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含む第二核酸断片を含むことを特徴とする、診断、予防または治療用組成物、
(vi) 少なくとも一つの前記病因性及び/又は感染性の作因に属すると推定されるRNA及び/又はDNA、及び/又はそれらの相補RNA及び/又はDNAを、第一ヌクレオチド断片および第二ヌクレオチド断片を含む組成物と接触させ、前記第一断片のヌクレオチド配列は、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含み、かつ前記第二断片のヌクレオチド配列は、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含むことを特徴とする、生物試料において、多発性硬化症に係る病因性及び/又は感染性の作因の組み合わせを検出及び/又は同定するための方法、
(vii) (vi)に記載した第一ヌクレオチド断片によって部分的または完全にコードされた第一ポリペプチド、及び/又は、(vi)に記載した第二ヌクレオチド断片によって部分的または完全にコードされた第二ポリペプチドを含む組成物を用いることを特徴とする、生物学的試料における多発性硬化症に係る第一の病因性及び/又は感染性の作因、及び/又は第二の病因性及び/又は感染性の作因を検出する方法、
(viii) (vii)に記載した第一ポリペプチド及び/又は第二ポリペプチドを含むことを特徴とする、及び/又は前記第一ポリペプチドに特異的な抗体等の第一リガンド、及び/又は前記第二ポリペプチドに特異的な抗体等の第二リガンドを含むことを特徴とする診断、予防または治療用組成物、
(ix) 1992年7月22日に92072201の受付番号でECACCに寄託されたPLI−2と称される細胞系統、または、前記PLI−2から得られた抗体もしくはこの抗体と免疫学的交差反応を示す他の抗体を産生することが可能である、誘導された全ての細胞系統もしくはこの細胞系統の全ての子孫、
(x) 1992年7月22日にV92072202の受付番号でECACCに寄託されたPOL−2と称されるウイルス株、または、前記POL−2株から得られた抗原もしくは該抗原と免疫学的交差反応を示す他の抗原を産生することが可能である、誘導された全ての株もしくはこの株の全ての子孫、
(xi) 1993年1月8日に93010817の受付番号でECACCに寄託されたLM7PCと称される細胞系統、または、前記LM7PCから得られた抗体もしくは該抗体と免疫学的交差反応を示す他の抗体を産生することが可能である、誘導された全ての細胞系統もしくはこの細胞系統の全ての子孫、
(xii) 1993年1月8日にV93010816の受付番号でECACCに寄託されたMS7PGと称されるウイルス株、または、前記MS7PG株から得られた抗原もしくは該抗原と免疫学的交差反応を示す他の抗原を産生することが可能である、誘導された全ての株もしくはこの株の全ての子孫、
(xiii) 生物学的な物質として、ウイルス株POL−2およびMS7PGのいずれかの株、およびこれらの株の一方または他方のウイルスの抗原に相当する少なくとも一つの抗原向けの少なくとも一つの抗体によって認識される、少なくとも一つの抗原を有するウイルスからなる種々の株から選択された逆転写酵素活性を有するウイルス株を起源とする、内在性レトロウイルスの要素のファミリーおよび多発性硬化症に関する、逆転写酵素活性を有する精製または単離されたウイルス性物質、
(xiv) 生物学的な物質として、ウイルス株PLI−2およびLM7PCのいずれかの細胞系統、もしくは前記PLI−2細胞系統によって作られた一方または他方のウイルスの抗原に相当する少なくとも一つの抗原向けの少なくとも一つの抗体によって認識される、少なくとも一つの抗原を有するウイルスを作ることのできる感染した細胞培養物によって作られる、内在性レトロウイルスの要素のファミリーおよび多発性硬化症に関する、逆転写酵素活性を有する精製または単離されたウイルス性物質、
(xv) ゲノムが、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含むことを特徴とするウイルス性物質、
(xvi) ゲノムのpol遺伝子が、ERV−9またはHSERV−9レトロウイルスゲノムのpol遺伝子に属するヌクレオチド配列と、特に少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%の相同性を示す等価のヌクレオチド配列を有することを特徴とする、多発性硬化症に係るレトロウイルス性物質、
(xvii) ゲノムのpol遺伝子が、ERV−9またはHSERV−9レトロウイルスゲノムのpol遺伝子にコードされたペプチド配列と少なくとも50%、好ましくは70%の相同性を示すペプチド配列をコードすることを特徴とする、多発性硬化症に係るレトロウイルス性物質、
(xviii) ゲノムのpol遺伝子が、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列にコードされるペプチド配列と、少なくとも30個連なるアミノ酸のどこの配列に対しても、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%の相同性を示すペプチド配列をコードすることを特徴とする、多発性硬化症に係るレトロウイルス性物質、
(xix) ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO1、SEQ ID NO2、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO8、SEQ ID NO9およびこれらの相補配列から選択された配列と少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含むヌクレオチド断片、
(xx) (xix)に記載された断片のヌクレオチド配列の少なくとも一部と同じまたは等価のヌクレオチド配列、特に、10個連なるモノマーのどこの配列に対しても、前記断片の少なくとも一部と少なくとも70%の相同性を示すヌクレオチド配列を含むことを特徴とする、上述のウイルス性物質のRNAまたはDNAの合成による増幅のための特定のプライマー;本発明の好ましいプライマーは、SEQ ID NO16、SEQ ID NO17、SEQ ID NO18、SEQ ID NO19、SEQ ID NO20、SEQ ID NO21、SEQ ID NO22、SEQ ID NO23、SEQ ID NO24、SEQ ID NO25、SEQ ID NO26、SEQ ID NO31、SEQ ID NO32、SEQ ID NO33およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列を有する、
(xxi) (xix)に記載された断片のヌクレオチド配列の少なくとも一部と同じまたは等価のヌクレオチド配列、特に、10個連なるモノマーのどこの配列に対しても、前記断片の少なくとも一部と少なくとも70%の相同性を示すヌクレオチド配列を含むことを特徴とする、上述のウイルス性物質のRNAまたはDNAと特異的にハイブリダイズすることができるプローブ;本発明の好ましいプローブは、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5、SEQ ID NO6、SEQ ID NO7、SEQ ID NO16、SEQ ID NO17、SEQ ID NO18、SEQ ID NO19、SEQ ID NO20、SEQ ID NO21、SEQ ID NO22、SEQ ID NO23、SEQ ID NO24、SEQ ID NO25、SEQ ID NO26、SEQ ID NO31、SEQ ID NO32、SEQ ID NO33およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列を有する、
(xxii) 生物学的試料において、上述のウイルス性物質を検出、分離または同定するための、(xxi)記載のプローブもしくは(xx)記載のプライマーの使用、
(xxiii) 生物学的試料において、上記ウイルス性物質を検出、分離または同定する方法であって、前記ウイルスに属すると推定されるRNA及び/又はDNA、及び/又はこれらに相補的なDNA及び/又はRNAを、(xxi)記載の少なくとも一つのプローブと接触させることを特徴とする方法;有利な実施態様としては、RNA及び/又はDNA、またはこれらに相補的なDNA及び/又はRNAをプローブと接触させる前に、このRNA及び/又はDNAを(xx)に記載の少なくとも一つの増幅プライマーとハイブリダイズさせ、このRNA及び/又はDNAを増幅する、
(xxiv) 生物学的試料において、多発性硬化症に係るウイルス性物質の発現を定量する方法であって、前記ウイルスに特異的なRNA及び/又はDNA、及び/又はこれらに相補的なDNA及び/又はRNAを(xxi)に記載の少なくとも一つのプローブと接触させ、適切な条件で増幅を行い、このRNA及び/又はDNAを検出することを特徴とする定量方法、
(xxv) 生物学的な物質として、(xiii)、(xiv)、(xv)、(xvi)、(xvii)または(xiv)記載のウイルス性物質とは異なる、多発性硬化症に係る精製または単離された病原性及び/又は感染性の作因であって、上記ウイルス株POL−2およびMS7PGのいずれかを起源とし、この種々の株は前記ウイルス株の一つまたは他の病原性及び/又は感染性の作因の抗原に対応する少なくとも一つの抗原向けの少なくとも一つの抗体によって認識される少なくとも一つの抗原を含む病原性及び/又は感染性の作因を有し、前記株の各ウイルス性物質とは異なる作因、
(xxvi) 生物学的な物質として、(xiii)、(xiv)、(xv)、(xvi)、(xvii)または(xix)に記載のウイルス性物質とは異なる、精製または単離された多発性硬化症に係る病原性及び/又は感染性の作因であって、上記細胞系統PLI−2およびLM7PC、および前記細胞系統PLI−2およびLM7PCによって作られた一つまたは他の病原性及び/又は感染性の作因の抗原に対応する少なくとも一つの抗原向けの少なくとも一つの抗体によって認識される少なくとも一つの抗原を含む病原性及び/又は感染性の作因を作ることのできる感染した細胞培養物によって作られ、前記株の各ウイルス性物質とは異なる作因、
(xxvii) SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12およびこれらの相補配列から選択された配列を有するヌクレオチド配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含む核酸を有することを特徴とする病原性及び/又は感染性の作因、
(xxviii) SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12、これらの相補配列、およびこれらと等価の配列であって、特に、100個連なるモノマーのどこの配列に対しても、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO12およびこれらの相補配列から選択された配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%の相同性を示すヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を含むことを特徴とするヌクレオチド断片、
(xxix) (xxv)、(xxvi)または(xxvii)に記載の病原性及び/又は感染性の作因のRNAまたはDNAの合成による増幅のための特異的プライマーであって、(xxviii)に記載の断片のヌクレオチド断片の少なくとも一部と同じまたは等価のヌクレオチド配列、特に、10個連なるモノマーのどこの配列に対しても、前記断片の少なくとも一部と少なくとも90%の相同性を示すヌクレオチド配列を含むことを特徴とするプライマー;本発明に係る好ましいプライマーは、SEQ ID NO13、SEQ ID NO14、SEQ ID NO15、SEQ ID NO27、SEQ ID NO28、SEQ ID NO29、SEQ ID NO30、SEQ ID NO34、SEQ ID NO35、SEQ ID NO36、SEQ ID NO37およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列を有する、
(xxx) (xxv)、(xxvi)または(xxvii)に記載の病原性及び/又は感染性の作因のRNAまたはDNAと特異的にハイブリダイズし得るプローブであって、(xxviii)に記載の断片のヌクレオチド配列の少なくとも一部と同じまたは等価のヌクレオチド配列、特に、10個連なるモノマーのどこの配列に対しても、前記断片の少なくとも一部と少なくとも90%の相同性を示すヌクレオチド配列を含むことを特徴とするプローブ;本発明に係る好ましいプローブは、SEQ ID NO10、SEQ ID NO11、SEQ ID NO13、SEQ ID NO14、SEQ ID NO15、SEQ ID NO27、SEQ ID NO28、SEQ ID NO29、SEQ ID NO30、SEQ ID NO34、SEQ ID NO35、SEQ ID NO36、SEQ ID NO37およびこれらの相補配列から選択されたヌクレオチド配列を有する、
(xxxi) 生物学的試料において、(xxv)、(xxvi)または(xxvii)に記載の病原性及び/又は感染性の作因を検出及び/又は同定するための、(xxx)記載のプローブ及び/又は(xxix)記載のプライマーの使用、
(xxxii) 生物学的試料において、(xxv)、(xxvi)または(xxvii)に記載の病原性及び/又は感染性の作因を検出、分離または同定する方法であって、前記作因に属すると推定されるRNA及び/又はDNA、及び/又はこれらに相補的なDNA及び/又はRNAを、(xxx)記載の少なくとも一つのプローブと接触させることを特徴とする方法;有利な実施態様では、RNA及び/又はDNA、またはこれらの相補的なDNA及び/又はRNAをプローブと接触させる前に、このRNA及び/又はDNAを(xxxi)記載の少なくとも一つの増幅プライマーとハイブリダイズさせ、このRNA及び/又はDNAを増幅する、
(xxxiii) 生物学的試料において、(xxv)、(xxvi)または(xxvii)に記載の、多発性硬化症に係る病原性及び/又は感染性の作因の発現を定量する方法であって、前記作因に特異的なRNA及び/又はDNA、及び/又はこれらに相補的なDNA及び/又はRNAを(xxx)に記載の少なくとも一つのプローブと接触させ、前記RNA及び/又はDNAを増幅することを特徴とする定量方法、
(xxxiv) (xxi)記載の少なくとも一つのプローブもしくは(xxx)記載の少なくとも一つのプローブ、及び/又は(xx)記載の少なくとも一つのプライマーもしくは(xxix)記載の少なくとも一つのプライマーを含むことを特徴とする、多発性硬化症に係る少なくとも一つの病原性及び/又は感染性の作因の発現を阻害するための、診断、予防または治療用組成物、
(xxxv) (xix)記載の断片及び/又は(xxxviii)記載の断片を含むRNAまたはDNA、および特に複製ベクター、
(xxxvi) (xix)記載のヌクレオチド断片又は(xxxviii)記載の断片の少なくとも一部によってコードされたことを特徴とする、多発性硬化症に係るウイルスのゲノムのヌクレオチド配列によってコードされた少なくとも5、好ましくは10個のアミノ酸を有するポリペプチド、
(xxxvii) (xxxvi)記載の少なくとも一つのポリペプチドを含むこと、あるいは前記ポリペプチドの少なくとも一つに特異的な抗体等のリガンドを含むことを特徴とする診断及び/又は治療及び/又は予防用組成物、
本発明を詳細に記載する前に、明細書および請求の範囲で使用した種々の用語について定義する:
−株または単離物とは、例えば、ウイルス及び/又はバクテリア及び/又は寄生虫等を含み、病原性及び/又は抗原性能を作りだし、培養物または生きた宿主によってかくまわれた、感染性及び/又は病原性の生物学的画分を意味するもので、例えば上記の定義に係るウイルス株は、病原性の原生生物等の共感染作因を含むことができる、
−本明細書中で使用される“MSRV"という用語は、多発性硬化症に係る病原性及び/又は感染性の作因を示し、特にウイルス種、前記ウイルス種の弱毒性の株、もしくはこの種から誘導された欠陥干渉粒子を示す。ウイルス、特にRNAを有するウイルスは、特に比較的高い割合で自然変異(28)による多様性を有することが知られており、これは以下の等価物の観念を定義する上で考慮すべきことである、
−ヒトウイルスは、ヒトに感染することができるウイルスを意味する、
−本発明を実施する際に遭遇する天然あるいは誘導された変形物に鑑み、上記および請求の範囲に定義された発明の主題は、特に相同のヌクレオチドまたはペプチド配列の、以下に定義された異なる生物学的物質の均等物または誘導物を含むとされる、
−本発明に係るウイルスまたは病原性及び/又は感染性の作因の変異体は、前記ウイルス及び/又は前記病因性及び/又は感染性の作因の少なくとも一つの対応する抗原向けの少なくとも一つの抗体によって認識される少なくとも一つの抗原、及び/又は、例えば、当業者によく知られた特定のハイブリダイゼーション条件下で、SEQ ID NO13ないしSEQ ID NO38から選択されたヌクレオチド配列およびこれらの相補配列を有するプライマー等の、前記ウイルス及び/又は病原性及び/又は感染性の作因に特異的な少なくとも一つのハイブリダイゼーションプローブ及び/又は少なくとも一つのヌクレオチド増幅プライマーによって検出されるゲノムを含む。
−本発明によれば、ヌクレオチド断片またはオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、モノマーが並んだものもしくは生体高分子であって、天然の核酸の情報の配列によって特徴づけられ、予め決められた条件下でいかなる他のヌクレオチド断片ともハイブリダイズすることができ、この配列は、種々の化学構造のモノマーを含むとともに、天然の核酸の分子から得ることができ、及び/又は遺伝子組換え及び/又は化学的合成によって得ることができる、
−しかして、モノマーは、構成要素が、糖、リン酸基および窒素塩基とされた、普通の核酸のヌクレオチドとすることができる;RNAでは糖がリボースであり、DNAでは糖が2−デオキシリボースである;核酸がDNAかRNAかによって窒素塩基はアデニン、グアニン、ウラシル、シトシンおよびチミンから選択される;またヌクレオチドは、三つの構成要素の少なくとも一つを修飾することができ、例えば、塩基では、イノシン、5−メチルデオキシシチジン、デオキシウリジン、5−(ジメチルアミノ)デオキシウリジン、2,6−ジアミノプリン、5−ブロモデオキシウリジンおよびハイブリダイゼーションを促進する他の修飾された塩基等の修飾塩基を生じる修飾を起こすことができる;糖では、修飾は、少なくとも一つのデオキシリボースをポリアミドで置換したもの(29)、かつリン酸基では、修飾は、ジホスファート、アルキル−およびアリルホスホナートおよびホスホロチオアートエステル等から選択されたエステルによって置換することからなる、
−“情報の配列”は、モノマーが並んだ一連のものを意味し、その化学的特性および参照方向への並びは、天然の核酸と同質の機能情報の項目を構成すると否とに関わらない、
−ハイブリダイゼーションは、適切な作用条件下で、十分相補的な配列を有する二つのヌクレオチド断片が対になって複合体構造、好ましくはヘリックスの形態で、特にダブルまたはトリプルの複合体構造を形成する間の工程を意味する、
−プローブは、化学的に合成されたヌクレオチド断片、あるいは長いヌクレオチド断片を分解または酵素的に切断することによって得られたヌクレオチド断片を含み、少なくとも6個のモノマー、有利的には10〜100個のモノマー、そして好ましくは10〜30個のモノマーを含み、特定の条件下でハイブリダイゼーションの特異性を有するもので;好ましくは、10個より少ないモノマーを有するプローブは単独で使用せずに、他の同じくらい短いプローブ等の存在下で用いられる;ある特定の条件下では、100個のモノマーより大きいサイズのプローブを使用することもできる;プローブは、特に診断の目的で使用することもでき、このようなプローブとしては、例えば捕捉及び/又は検出プローブとされる、
−捕捉プローブは、適切な手段、すなわち直接または間接的に、例えば共有結合または受動的な吸着によって固体状の支持体に固定することができる、
−検出プローブは、特に放射性同位元素、特にペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼから選択された酵素、および発色性、蛍光性または発光性の基質を加水分解することができる酵素、発色性の化学化合物、発色性、蛍光性または発色性化合物、ヌクレオチド塩基の類似体およびビオチンから選択された標識手段によって標識することができる、
−本発明の診断目的に使用されるプローブは、特に、“ドットブロット”(30)、“サザンブロット”(31)、標的にRNAを用いる以外は“サザンブロット”技術と同様の“ノーザンブロット”、およびサンドウィッチ技術(32)と称される技術等の、既知のあらゆるハイブリダイゼーション技術に用いることができる;本発明では、捕捉プローブおよび検出プローブが少なくとも部分的に異なるヌクレオチド配列を持たなければならないという理解の上で、特異的な捕捉プローブ及び/又は特異的な検出プローブを含むサンドウィッチ技術を用いることが有利である、
−また、本発明は、特に翻訳及び/又は転写等の複製現象、及び/又は前記DNA及び/又はRNAの分解を妨げるために、in vivoまたはin vitroでRNA及び/又はDNAとハイブリダイズし得るプローブを含む、
−プライマーは、少なくとも6個のモノマー、有利的には10〜30個のモノマーを有し、例えばPCR(ポリメラーゼチェーン反応)等の増幅技術、シークエンシング等の延長工程、逆転写方法等において、酵素による重合反応の開始用に特定の条件下でハイブリダイゼーションの特異性を有するプローブである、
−関係する技術における適用または使用に関して、機能的に対応する生体高分子が、同一ではなくても、実質的に同じ役割を果たことができるならば、二つのヌクレオチド配列またはペプチド配列は、互いにまたは基準の配列に対して等価もしくは誘導されたものと称される;自然の可変性、特に変異が同定される種の自然変異、もしくは相同な配列であるような誘導された可変性の結果として得られた場合には、二つの配列は等価物とされる。相同性に関しては以下に記載する。
−変異性は、配列の自然または誘導された修飾を意味し、特にヌクレオチド及び/又はヌクレオチド断片の置換及び/又は挿入及び/又は欠失、及び/又は一端または両端における配列の伸長または短縮を意味するものである:不自然な変異性は、遺伝子工学技術によるもので、例えば、核酸の増幅用に選択された合成プライマーの選択、変性(デジェネレート)等である;この多様性は、参照と見なされるあらゆる出発配列の修飾に明らかにすることができ、前記参照配列に対する相同性の度合いで表すことができる。
−相同性は、比較される二つのヌクレオチドまたはペプチド断片が同一である度合いを特徴づける;参照のヌクレオチドまたはペプチド配列と、ヌクレオチドまたはペプチド配列を直接比較することによって決定される同一部の割合によって測定される。
−この同一の割合は、一方でSEQ ID NO1〜SEQ ID NO9(MSRV−1)に同定された断片、および他方でSEQ ID NO10〜SEQ ID NO12(MSRV−2)に同定された断片と相同である本発明で扱われたヌクレオチド断片、さらに一方でSEQ ID NO16〜SEQ ID NO26およびSEQ ID NO31〜SEQ ID NO33に同定されたプローブおよびプライマーと相同なプローブおよびプライマー、および他方でSEQ ID NO13〜SEQ ID NO15、SEQ ID NO27〜SEQ ID NO30およびSEQ ID NO34〜SEQ ID NO37に同定されたプローブおよびプライマーと相同なプローブおよびプライマーに特に決定されており、例えば、以下に詳細に説明するプロトコルに基づいてLM7PCおよびPLI−2系を起源とするMSRV−1ウイルスRNAの断片から得られた核酸の異なる遺伝的共通配列の間に観察される最小の同一の割合は、図2に記載された領域では67%とされる。
−参照配列に等価のヌクレオチド配列を所有するものであれば、どんなヌクレオチド断片も、等価もしくは参照配列から誘導されたものと称される;この定義に基づいて、以下のものが参照のヌクレオチド断片に等価である:
a)参照断片に相補的なものと部分的にハイブリダイズすることができる断片
b)他の分類学上のグループを起源とする他の断片を用いたものより、参照断片を用いた整列が、より大なる数の同一の連続塩基の証明となる断片
c)種の天然の変異体から得られる、または得ることができる断片
d)参照断片に適用された遺伝子工学技術から得ることのできる断片
e)参照断片にコードされたペプチドに相同または同一であるペプチドをコードする少なくとも8個の連続したヌクレオチドを含む断片、
f)少なくとも一つのモノマーの挿入、欠失または置換、もしくはその一方または両方の端における伸長または減縮による参照断片とは異なる断片;例えば、ポリペプチドをコードしないヌクレオチド配列が、その一方または両方の端に位置する参照断片に対応した断片、
−ポリペプチドは、特に少なくとも二つのアミノ酸のペプチド、特に人の介入によって、抽出され、分離され、本質的に単離され、合成されたオリゴヌクレオチドまたはタンパク質、特に化学的合成によって、または組換え生物体で発現することによって得られたものを意味すると解する、
−ヌクレオチド断片に部分的にコードされたポリペプチドは、前記ヌクレオチド断片に含まれた少なくとも9個の連続したモノマーによってコードされた少なくとも3個のアミノ酸を有するポリペプチドを意味する、
−極性、疎水性及び/又は塩基度及び/又は酸度及び/又は中性度等の各物理化学的特性が実質的に同一であれば、アミノ酸は他方のアミノ酸の類似体(アナログ)と称する;しかして、ロイシンは、イソロイシンの類似体である。
−比較されるポリペプチドが、特に同じ抗原性、免疫学的、酵素学的及び/又は分子認識特性等の同じ特性を本質的に有するならば、等価または参照のポリペプチドから誘導されたものと称する;特に以下に挙げるものは、参照のポリペプチドに等価である:
a)少なくとも一つのアミノ酸が、類似のアミノ酸によって置換された配列を有するポリペプチド、
b)前記参照ポリペプチド及び/又は前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド断片の、自然または誘導された変異によって得られた等価のペプチド配列を有するポリペプチド
c)前記参照ポリペプチドのミモトープ(mimotope)、
d)一つ以上のアミノ酸が、L型から、逆のD型に置換されたポリペプチド、
e)配列に、例えば、アミン基のアセチル化、チオール基のカルボキシル化、カルボキシル基のエステル化等のアミノ酸の側鎖の修飾が導入されたポリペプチド、
f)配列内の一つ以上のペプチド結合が、例えばcarba、retro、inverso、retro−inverso、還元されたおよびメチレンオキシ結合等で修飾されたポリペプチド、
g)その少なくとも一つの抗原が、参照のポリペプチドの抗原で認識されるポリペプチド。
−本発明では、比較された二つのペプチド断片の相同性を特徴づける同一の割合が、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%である。
逆転写酵素活性を有するウイルスは、遺伝的にRNAおよびDNAの形態で同様に特徴づけられることから、ウイルスのDNAおよびRNAの両方を、逆転写酵素活性(MSRV−1)等を有するウイルスに係る配列を決めるために調べる。
病原性及び/又は感染性の作因(MSRV)−2が、感染した細胞のDNAとRNAの両方に検出されることから、DNAまたはRNAの形態にも特徴づけられる。
“第一ヌクレオチド配列”等の、本明細書および請求の範囲に用いられた順序表現は、特別な順序を表すためのものではなく、本発明をより明確に記載するためのものである。
添付された図面を参照して記載された以下の詳細な説明により、本発明をよりよく理解することができる。
−図1は、Shih(33)のプロトコルに従ってLM7培養物から得られたMSRV−2A型の配列を示す;この配列は、SEQ ID NO10に同定されている。
−図2は、LM7PCおよびPLI−2系統を起源とするウイルスDNAから、“pol"領域においてPCR技術で増幅されたMSRV−1B配列の一般的な核酸の共通配列を示し、SEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5およびSEQ ID NO6に同定され、増幅プライマーと共通に一致するものはSEQ ID NO7を有する。
−図3は、Shih(33)によって記載された“pol"領域におけるPCRによって得られたMSRV−1B型の配列の系統樹を示す。
−図4は、各MSRV−1B/“PCR pol"型のファミリーに対する機能的な読み枠の定義を与えるもので、前記ファミリーA〜Dは、それぞれ図2記載のSEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5及びSEQ ID NO6のヌクレオチド配列によって与えられたものである。
−図5は、MSRV−2B配列の共通配列の例を与えるもので、SEQ ID NO11に同定されている。
−図6は、MS患者から得た培養物中のBリンパ球にから作られたビリオンの精製勾配から得たスクロース画分中の逆転写酵素(RT)活性を、dpm(1分当たりの崩壊)で示したものである。
−図7は、図6と同じ条件下における、多発性硬化症ではない対照から得たBリンパ球系統の培養物中の逆転写酵素活性の分析を示す。
−図8は、クローンPSJ17のヌクレオチド配列を示す(SEQ ID NO9)。
−図9は、M003−P004と称されるクローンのヌクレオチド配列SEQ ID NO8を示す。
−図10は、クローンF11−1のヌクレオチド配列SEQ ID NO2を示し、プライマー領域の二つの矢印の間に位置する部分は、F11−1のクローニングに用いられたプライマーの選択によって負わされた可変性に対応している;同図には、アミノ酸への翻訳が示されている。
−図11は、ヌクレオチド配列SEQ ID NO1、およびSEQ ID NO1の可能な機能的読み枠をアミノ酸で示しており、同図には、レトロウイルスの逆転写酵素の共通配列に下線が施されている。
−図12は、MSRV2EL1と称されるクローンのヌクレオチド配列SEQ ID NO12を示す。
−図13は、連続した3つの図13/18〜15/18に分けられており、6つの可能な読み枠による、プライマーSEQ ID NO13を含むSEQ ID NO12のアミノ酸への翻訳を示す。
−図14は、MSRV2−EL1配列(SEQ ID NO12)を有するMSRV2−A配列(SEQ ID NO10)の並びを示し、SEQ ID NO13(クローニングの尾から分離されたもの)に同定されたプライマーのハイブリダイゼーション領域が四角で囲まれており、SEQ ID NO14に同定されたプライマーのハイブリダイゼーション領域が、[]の間に示されている。
−図15は、SEQ ID NO14およびSEQ ID NO15によって同定されたプライマーから得られた増幅生成物のPCRの結果を、エチジウムブロミドに浸したアガロースゲルの紫外線照射写真の形態で与えるものである。
−図16および17は、SEQ ID NO16、SEQ ID NO17、SEQ ID NO18およびSEQ ID NO19によって同定されたプライマーから得られた増幅生成物のPCRの結果を、エチジウムブロミドに浸したアガロースゲルの紫外線照射写真の形態で与えるものである。
図18は、MSRV−1のSEQ ID NO1とHSERV9と称される内在性レトロウイルスのSEQ ID NO1との間の相同性のマトリックス形態での表示を与えるもので、相同性が、少なくとも65%の箇所は連続した線で示され、線が欠けている箇所は65%より低い相同性を意味する。
実施例1:LM7系統の細胞培養から精製された感染性の作因の調製におけるRNA依存性DNAポリメラーゼの遺伝子の保存領域を増幅することによるMSRV−2Aと称されるMSRV−2クローンの調製
分子的な試みは、外因性および内在性のレトロウイルス、またはB型肝炎ウイルス等の逆転写酵素(RT)活性を有する酵素をコードするウイルスのpol遺伝子、そして疑うまでもなく、RNA依存DNAポリメラーゼの遺伝子、もしくは使用された増幅プライマーによって定義された領域に十分な配列の相同性を示す酵素の遺伝子の比較的保存された領域を増幅することが可能なPCR技術(33)を用いることに本領がある。このPCR技術は、それまで−80℃に冷凍されていた原型のLM7培養物(24)の上清から、プロトコル(34)に基づいて得られた感染性の作因の精製された調製物から抽出された核酸に対して使用された。LM7様のRT活性のピークを含む画分を、グアニジンチオシアナートを含む一定体積のバッファーに取り込み(35)、核酸をP.Chomzynskiによって記載された技術に基づいて抽出するまで−80℃に保存した(35)。
PCR反応の前に、製造者の説明に従って、最も近いログファクターに対する、試料中のRNAの量の近似値に基づいて、“cDNA合成システムプラス”キット(Amersham)を用いた、いわゆる“ランダム”プライマー(混合されたヘキサヌクレオチド)で、試料のRNAを相補的DNA(cDNA)に翻訳した。
cDNAのPCR増幅後に得られたDNAを、TAクローニング(商標)キット(British Biotechnology)を用いてプラスミドに挿入した。2μlのDNA溶液を、5μlの無菌蒸留水、1μlの10倍濃縮されたリゲーションバッファー“10xリゲーションバッファー”、2μlの“pCRTMベクター”(25ng/ml)および1μlの“TA DNAリガーゼ”と混合した。この混合物を、12℃で一晩インキュベートした。以下の工程は、TAクローニング(商標)キットの説明に従って行った。操作の最後に、培養し、かついわゆる“ミニプレップ(miniprep)”操作(36)によって取り込まれたプラスミドの抽出を行うために、組換えられたバクテリアの白色のコロニーを取り出した。各組換えコロニーから抽出されたプラスミドを、適当な制限酵素で切断し、アガロースゲルで分析した。“TAクローニングキット”のクローニングプラスミドに存在するSp6プロモーターに相補的なプライマーとハイブリダイゼーションさせた後に、ゲルをエチジウムブロミドに浸して紫外線照射下で検出された挿入物を所有するプラスミドを、挿入物の配列決定のために選択した。次いで、配列決定の前の反応を、シークエンシングキット“プリズム・レディー・リアクション・キット・ダイ・デオキシターミネーター・サイクル・シークエンシング・キット”(Applied Biosystemsの照合番号401384)の使用に推奨された方法によって行い、自動配列決定をApplied Biosystemsのモデル373A“オートマティック・シークエンサー”装置で、製造者の説明に従って行った。
得られた配列を、核酸配列のコンピューター化されたデータバンク、ジーンバンク(商標)で、マックベクター(商標)およびジーンワークス(商標)といったソフトウエアを用いて分析し、核酸配列の読み枠から推定されるアミノ酸配列をスイスプロット(Swiss Prot)(商標)で分析した。溶解されたLM7の上清を起源とするウイルス試料から得られたスクロース勾配で逆転写酵素活性のピークで精製された配列の分析は、予想される“pol"領域において既知のレトロウイルスと部分的に相同性を示す他の配列の個々が表現する範囲(常に5%より小さいか、希に10%)と比べて、クローンの大半を示した(約42%のクローン)。このクローンは、MSRV2−Aと称され、SEQ ID NO10に同定された(図1参照)。PCRプライマーの間の増幅された領域は、SEQ ID NO11(図5参照)に同定された、対応する配列MSRV2−Bと相同であり、実施例2に記載されている。PCRプライマーに位置する配列に見られる違いは、別の技術的な条件下で用いられた、混合物の形態の退化プライマーの使用によって説明される。完全に最新のジーンバンク(商標)データバンクの疑問は、同じ配列または十分な相同性を表す配列を示すことができなかった。
この配列は、図1に示されている。この配列は、末端に二つのPCRプライマーを有する枠に読み取り枠を有するが、これらのプライマー間の予想された領域における既知のレトロウイルスの配列のセットより短い。下流プライマーに先行する配列があるが、上流プライマーの配列の後に、45塩基対の欠如(15アミノ酸)が観察された。しかしながら、読み枠はオープンであって、プライマーを含む全体の配列を妨害するものではなく、推定されるアミノ酸配列は、既知のレトロウイルスの対応する領域と十分な相同性を示す。PCRプライマーの内側の配列において、レトロウイルスおよび逆転写酵素活性(33)を有する既知のウイルスのこのpol領域に通常かなりよく保存されたアミノ酸、Glu、Arg、Gln、ProおよびAspは、新規配列の読み枠に正しい配置で保存されていることがわかる。
最後に、この配列が、データバンクに既に記載されたレトロウイルスの配列と十分に異なることから、MSRV−2Aと称される新規の感染性及び/又は病原性の作因に属するものであると提唱することができる。この作因は、原則としては、得られた配列の分析に基づいて、レトロウイルスに係るものであるが、この配列を得るために用いた技術から、例えばB型肝炎ウイルス、HBV(33)のように、逆転写酵素活性を付随的に備えた酵素をコードするゲノムを備えたRNAウイルスであるかもしれない。さらに、このPCR増幅技術に用いられた退化プライマーのランダムな性質は、予期せぬ配列の相同性または関連する酵素の遺伝子に保存された部位により、原核または真核の病原性及び/又は共感染性の作因(原生生物)を起源とする核酸の増幅を非常によく行うことができる。
実施例2:LM7PCおよびPLI−2系統を起源とするビリオン調製物のレトロウイルスの保存されたpol領域の“重ね合わせ(NESTED)"PCR増幅による、レトロウイルスMSRV−1および共感染性の作因MSRV2をそれぞれ定義づける、MSRV−1BおよびMSRV−2Bと称されるクローンの調製
Shih(33)によって公開された技術から誘導されたPCR技術を使用した。この技術は、DNアーゼで反応媒体の全ての構成要素を処理することによりわずかな混入DNAの全てを除去することができる。付随的に、異なるがオーバーラップするプライマーを二つの連続したPCR増幅サイクルに用いることにより、始めに少量であるとともに、RNAに対するDNアーゼの為の作用が働くことによって試料中でさらに減少したRNA量から合成されたcDNAを増幅する機会を増すことができる。実際に、DNアーゼは、85℃で10分間熱して、試料中に残ったこの酵素が不活性化する前に全ての少量の混入DNAを除去することができるような過剰な活性の条件下で用いられる。Shih(33)によって記載されたPCR技術のこの変形を、一方でPLI−2系統(ECACC No.92072201)で生成された“POL−2"単離物(ECACC No.V92072202)、および一方でMS7PC系統(ECACC No.93010817)で生成されたMS7PG単離物(ECACC No.V93010816)からH.Perron(34)によって記載された技術に基づいてスクロース勾配で精製された感染性粒子の画分の核酸から合成されたcDNAに用いた。これらの培養物は、国際特許公開WO93/20188およびWO93/20189の主題をなす方法に基づいて得られた。
TAクローニングキット(商標)を用いた上記技術によって増幅された生成物をクローニングし、実施例1に記載したオートマティック・シークエンサーを用いた配列の分析を行った後に、最新の利用可能なバージョンのジーンバンク(商標)データバンクでジーンワークス(商標)ソフトウエアを用いて配列を分析した。
上記の試料からクローン化され、配列決定された配列は、特に二つの型の配列に対応する:クローンの大半(PLI−2培養物のPOL−2単離物を起源とするクローンの55%、およびLM7PC培養物のMS7PG単離物を起源とするクローンの67%)に見られる第一の型の配列は、ERV−9またはHSERV−9と称される内在性ヒトレトロウイルスに似ているが別の“pol"配列のファミリーに対応しており、第二の型の配列は、前にMSRV−2と称された感染性及び/又は病原性の作因に帰する配列に非常に強い相同性を有する配列に対応する。
クローンの大半を示す第一の型の配列は、配列の可変性が、配列の4つのサブファミリーを定義することができる配列からなる。HIV−1レトロウイルス(37)でよく知られているように、同じレトロウイルスを起源とする類似の種である、あるいは生産細胞内で共制御されたいくつかの内在性プロウイルスへの障害となった結果であると見なすことができるため、これらのサブファミリーは互いに十分に似ている。これらの多かれ少なかれ不完全な内在性の構成要素は、内在性レトロウイルスの同一のファミリーに属することから(38)、複製し得るプロウイルスによって生成される同一の制御シグナルに敏感である。内在性レトロウイルスのこの新規のファミリー、もしくは、類似の種の世代を培養物中に得ることができ、以下の共通配列を含むレトロウイルスのこの新規の種は、MSRV−1Bと称される。
図2は、この実験で配列決定された種々のMSRV−1Bの配列の一般的な共通配列を示しており、これらの配列は、それぞれSEQ ID NO3、SEQ ID NO4、SEQ ID NO5およびSEQ ID NO6に同定されている。これらの配列はジーンバンク(商標)データベースにX57147およびM37638に示されたHSERV9配列と70%〜88%の範囲の核酸の相同性を示す。これらの配列の系統樹は、図3に示されている。この図において、サブファミリーA、B、CおよびDは、MS7PGおよびPOL−2単離物から精製されたビリオンの純粋なRNA試料において、繰り返し行われた類似の実験で優勢になった配列を示している。これらのファミリーの配列から、おそらくは外因性のレトロウイルスMSRV−1Bの種々の類似の種、もしくは外因性のレトロウイルスMSRV−1Bの異なるサブファミリーを表す4つの“共通”核酸配列が定義される。これらの代表的な共通配列は、アミノ酸への翻訳とともに図4に示されている。機能的な読み枠は、これらのMSRV−1B配列の各サブファミリーに対して存在し、機能的な読み取り枠が、それぞれの場合において、核酸配列の下の二行目に示されたアミノ酸配列に対応しているのがわかる。SEQ ID NO7に同定され、“pol"領域におけるPCR技術によって得られたMSRV−1B配列の一般的な共通部分は、図2に示されている。
配列決定されたクローンの大半を示す第二の型の配列は、図5に図示された配列MSRV−2Bに示され、SEQ ID NO11に同定されている。PCRプライマー間の増幅された領域は、実施例1に記載された、PCRプライマー間のMSRV2−A配列(図1のSEQ ID NO10)と、一つの塩基を除いて相同である。PCRプライマーに対応する配列に観察される違いは、異なる技術条件下で用いられた混合形態における退化プライマーの使用により説明される。
配列MSRV−2A(SEQ ID NO10)とMSRV−2B(SEQ ID NO11)とは、明らかに相同、または等価でさえあり、同じ生物体から誘導されたものであると共に、データバンクに既に記載されたレトロウイルスの配列とは十分に異なるため、この配列領域は、MSRV−2と称される新規の感染性の作因に属すると考えられる。この感染性の作因は、原則としては、得られた第一の配列の分析に基づいて、レトロウイルスに係るものであるが、この配列を得るために用いた技術から、例えばB型肝炎ウイルス、HBV(33)のように、逆転写酵素活性を付随的に備えた酵素をコードするゲノムを備えたDNAウイルスであるかもしれない。さらに、このPCR増幅技術に用いられた退化プライマーのランダムな性質は、予期せぬ配列の相同性または関連する酵素の遺伝子に保存された部位により、原核または真核の病原性及び/又は共感染性の作因(原生生物)を起源とする核酸の増幅を非常によく行うことができる。
実施例3:新規のMSからBリンパ球の調製物のレトロウイルスの保存されたpol領域の“重ね合わせ"PCR増幅による、ファミリーMSRV−1およびMSRV2を定義づける、MSRV−1BおよびMSRV−2Bと称されるクローンの調製
シクロスポリンAの適切な濃度を有する適切な培養液に血液のリンパ系細胞を培養した後に、Epstein−Barrウイルス(EBV)にセロポジティブなMS患者のBリンパ球の培養における自己不朽化によって得られた自発的リンパ芽球系からH.Perron(34)によって記載された技術、および実施例2に記載のプロトコルに基づいて、スクロース勾配の“LM7様”逆転写酵素活性のピークにおけるビリオンの精製された画分に存在するRNA核酸物質を増幅かつ配列決定するために、Shih(33)の技術に基づいて修飾された同じPCR技術を使用した。この系で生産されたビリオンの精製勾配から得られたスクロース画分中の逆転写酵素活性を図6に示す。同様に、多発性硬化症ではない対照から同じ条件下で得られたB系統の培養液の上清を同じ条件下で処理し、スクロース勾配の画分中の逆転写酵素活性の検定は、一貫して否定的(バックグラウンド)であって、図7に示されている。MS B系の勾配の3番目の画分と非MS対照の勾配の逆転写酵素活性のない3番目の画分を、Shih(33)によって導かれた上記と同じRT−PCR技術により分析し、実施例1および2に記載したものと同じクローニングおよび配列決定を行った。
MSRV−1およびMSRV−2型の配列が、MS Bリンパ芽球系を起源とする“LM7様”逆転写酵素活性のピークに係る物質のみに見られるということは、特に注目するべきことである。これらの配列は、ランダムに選択された26個の組換えクローンの対照の(非MS)Bリンパ芽球系の物質には見られない。cDNA合成段階に用いられた商業的な逆転写酵素を起源とするMo−MuLV型混入配列、および特定のレトロウイルスの相似性が全くない配列のみが、このPCR技術によって生産された相同のポリメラーゼ配列の“共通の”増幅の結果として、この対照に見られた。さらに、対照試料中の増幅反応に競合する濃縮された標的が欠如しているために、わずかな混入物が増幅される。この結果の違いが、明らかに高い重要性を有する(カイ自乗、p<0.001)。
実施例4:PLI−2系を起源とするビリオン調製物と内在性逆転写酵素を反応させることによる、レトロウイルスMSRV−1を定義するクローンPSJ17の調製
この試みは、これと同じ単離物に存在する逆転写酵素活性を用いて、単離物中のおそらくはレトロウイルスRNAから逆転写されたDNA配列を得ることを意図したものである。この逆転写酵素活性は、理論的には、プライマーtRNAに結合したレトロウイルスRNAの存在下、もしくはレトロウイルス粒子(39)で既に逆転写された短い鎖のDNAとハイブリダイズしたときのみに機能することができる。しかして、細胞性核酸が混入した物質中の特定のレトロウイルス配列の調製は、ウイルスの逆転写酵素活性でウイルスRNAを特定の酵素的増幅することにより、作者らによって最適化された。最後に、作者らは、ウイルスに含まれるRNAの逆転写のこの酵素活性が、in vitroで効果的になる、特別な物理化学的条件を決定した。これらの条件は、以下に示したプロトコルの技術的記載に対応する(内在性RT反応、精製、クローニングおよび配列決定)。
分子的な試みは、PLI−2系統の培養物の上清から得られた濃縮されてはいるが未精製のビリオンの調製物を用いることに本領があり、調製は以下の方法に基づくものである:培養物の上清を毎週2度回収し、細胞の破片を除くために10000rpmで30分間予備遠心し、−80℃で冷凍するか、以下の工程に用いる。新鮮もしくは解凍された上清を、4℃、2時間、100000g(またはタイプ45T LKB−HITACHIローターで30000rpm)で30%グリセロール−PBSの緩衝剤に遠心する。上清を除去した後、沈澱物を少量のPBSにとり、濃縮されてはいるが未精製のビリオンの画分を構成する。濃縮されてはいるが未精製のウイルス試料を、以下に記載するように、いわゆる内在性逆転写酵素反応を行うために使用した。上記のプロトコルに基づいて精製され、約1−5百万dpmの逆転写酵素活性を含む200μlのビリオンを、液相が現れるまで37℃で溶解し、氷上に移した。5倍に濃縮されたバッファーを以下の組成で調製した:500mM Tris−HCl pH8.2;75mM NaCl;25mM MgCl2;75mM DTTおよび0.10%のNP40。100μlの5Xバッファー+25μlのdATPの100mM溶液+25μlのdTTPの100mM溶液+25μlのdGTPの100mM溶液+25μlのdCTPの100mM溶液+100μlの滅菌蒸留水+200μlのPBS中のビリオンの懸濁液(RT活性は5百万DPM)を混合し、42℃で3時間インキュベートした。インキュベーション後、反応混合物を、バッファー化されたフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール混合物(Sigma、照合番号P3803)に直接添加し;水相を回収し、一定量の滅菌蒸留水を有機相に加えて残留した核酸物質を再抽出する。回収された水相を合わせて、3Mの酢酸ナトリウムpH5.2を1/10体積+2体積のエタノール+1μlのグリコーゲン(Boehringer−Mannheim参照番号901393)を添加して、含まれている核酸を沈降させ、こn試料を−20℃で4時間または+4℃で一晩放置する。遠心後に得られた沈殿物を、70%エタノールで洗浄し、60mlの蒸留水に再懸濁した。この反応生成物を、以下に記載したプロトコルに基づいて精製、クローン化および配列決定した:端部に対を形成していないアデニンを備えた平滑末端DNAを生成した:“埋立”反応を最初に行った:予め精製された25μlのDNA溶液を、等モルのdATP+dGTP+dTTP+dCTPを含有する2μlの2.5mM溶液/1μlのT4DNAポリメラーゼ(Boehringer−Mannheim参照番号1004786)/5μlの10X“制限酵素用インキュベーションバッファー”(Boehringer−Mannheim参照番号1417975)/1μlの1%ウシ血漿アルブミン溶液/16μlの滅菌蒸留水と混合した。この混合物を、11℃で20分間インキュベートした。この混合物に50μlのTEバッファーと1μlのグリコーゲン(Boehringer−Mannheim参照番号901393)を添加し、核酸をフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(Sigma、照合番号P3803)で抽出し、上述のように酢酸ナトリウムで沈澱させた。遠心後のDNA沈澱物を、10μlの10mM TrisバッファーpH7.5に再懸濁した。5μlのこの懸濁物を、20μlの5X Taq DNAバッファー、20μlの5mM dATP、1μl(5U)のTaq DNAポリメラーゼ(AmplitaqTM)および54μlの滅菌蒸留水と混合した。この混合物を、溶液の表面上に油膜を張った状態で75℃で2時間インキュベートした。インキュベーション後に油膜下の水溶液に懸濁されているDNAを、上述のようにして沈澱させ、2μlの滅菌蒸留水に再懸濁した。得られたDNAを、TAクローニングキットTMを用いてプラスミドに挿入した。2μlのDNA溶液を、5μlの滅菌蒸留水、1μlの10倍に濃縮されたリゲーションバッファー“10Xリゲーションバッファー”、2μlの“pCRTMベクター”(25ng/ml)および1μlの“TA DNAリガーゼ”と混合した。この混合物を、12℃で一晩インキュベートした。以下の段階を、TAクローニングキット(商標)(British Biotechnology)の説明に従って行った。操作の終わりに、培養し、かついわゆる“ミニプレップ(miniprep)”操作(36)に基づいて取り込まれたプラスミドの抽出を行うために、組換えられた(白色)バクテリアの白色のコロニーを回収した。各組換えコロニーから抽出されたプラスミドを、適当な制限酵素で切断し、アガロースゲルで分析した。TAクローニングキットのクローニングプラスミドに存在するSp6プロモーターに相補的なプライマーとハイブリダイゼーションさせた後に、ゲルをエチジウムブロミドに浸して紫外線照射下で検出された挿入物を所有するプラスミドを、挿入物の配列決定のために選択した。次いで、配列決定の前の反応を、シークエンシングキット“プリズム・レディー・リアクション・キット・ダイ・デオキシターミネーター・サイクル・シークエンシング・キット”(Applied Biosystems、照合番号401384)の使用に推奨された方法によって行い、自動配列決定をApplied Biosystemsの“モデル373Aオートマティック・シークエンサー”装置で、製造者の説明に従って行った。
反応混合物中に存在するDNA断片からクローン化された配列のコンピューター化されたデータバンクにおける識別により、レトロウイルスの型の配列が示された。対応するクローンPSJ17が、完全に配列決定され、図8に示すSEQ ID NO9に同定され、得られた配列をデータバンク、最新の“ジーンバンク”(商標)で“ジーンワークス”(商標)ソフトウエアを用いて分析した。上述の配列は、データバンクの分析からは見いだすことができなかった。ある既知のレトロウイルスの構成要素と、部分的のみの相同性が見いだされた。最も使用できる比較的相同性は、参考文献(40)に基づいて、ERV−9、またはHSERV−9と称される内在性レトロウイルスと関連している。
実施例5:クローン“POL MSRV−1B"によって定義された5'領域とクローンPSJ17によって定義された3'領域との間に含まれる核酸配列のPCR増幅
5種のオリゴヌクレオチド、M001、M002−A、M003−BCD、P004およびP005を、精製されたPOL−2ウイルスを起源とするRNAを増幅するために定義した。基準対照反応を、混入物の存在をチェックするために行った(水での反応)。増幅は、実施例2に記載したプロトコルに従うRT−PCR段階からなり、次いで欧州特許公開第0569272号公報に記載のPCRプロトコルに基づく“重ね合わせ"PCRを行う。最初のRT−PCRサイクルにおいて、プライマーM001およびP004またはP005を用いた。第二のPCRサイクルにおいて、プライマーM002−AまたはM003−BCDおよびプライマーP004を用いた。プライマーは、以下のように配置する。
Figure 0003611856
得られた、M003−P004と称される“重ね合わせ”増幅産物は図9に示され、これはSEQ ID NO8に対応する。
実施例6:逆転写酵素活性のピークで精製されたウイルス試料における、既に同定された配列を用いたMSRV−1レトロウイルスゲノムの一部の増幅およびクローニング
Frohman(41)によって公開された技術から導かれたPCR技術を用いた。この誘導された技術は、増幅されるゲノムの3'末端における特定のプライマーを用いて、分析されるゲノムの5'領域への配列の伸長を可能にする。この変形した技術は、上記のように精製されたビリオンの画分に使用される製品“5'−AmpliFINDERTM RACE Kit"を提供する会社“Clontech Laboratories Inc.,(Palo−AltoCalifornia,USA)の文献に記載されている。
cDNAの合成およびPCR増幅用のキットプロトコルで用いられた特定の3'プライマーは、それぞれ以下のMSRV−1配列に相補的である:
Figure 0003611856
PCRに由来する生成物は、従来の方法(36)に基づくアガロースゲルで精製した後に、10mlの蒸留水に再懸濁した。Taqポリメラーゼの特徴の一つは、二つのDNA鎖のそれぞれの3'末端にアデニンを添加することであるため、得られたDNAをTAクローニングキットTM(British Biotechnology)を用いてプラスミドに直接挿入した。2μlのDNA溶液を、5μlの滅菌蒸留水、1μlの10倍に濃縮されたリゲーションバッファー“10Xリゲーションバッファー”、2μlの“pCRTMベクター”(25ng/ml)および1μlの“TA DNAリガーゼ”と混合した。この混合物を、12℃で一晩インキュベートした。以下の段階を、TAクローニングキット(商標)(British Biotechnology)の説明に従って行った。操作の終わりに、培養し、かついわゆる“ミニプレップ”操作(36)に基づいて取り込まれたプラスミドの抽出を行うために、組換えられた(白色)バクテリアの白色のコロニーを選択した。各組換えコロニーからのプラスミド調製物を、適当な制限酵素で切断し、アガロースゲルで分析した。TAクローニングキット(商標)のクローニングプラスミドに存在するSp6プロモーターに相補的なプライマーとハイブリダイゼーションさせた後に、挿入物の配列決定用に、ゲルをエチジウムブロミドに浸して紫外線照射下で検出された挿入物を所有するプラスミドを選択した。次いで、配列決定の前の反応を、シークエンシングキット“プリズム・レディー・リアクション・キット・ダイ・デオキシターミネーター・サイクル・シークエンシング・キット”(Applied Biosystems、照合番号401384)の使用に推奨された方法によって行い、自動配列決定をApplied Biosystemsの“モデル373Aオートマティック・シークエンサー”装置で、製造者の説明に従って行った。
この技術を、一方のPLI−2系統によって生成された“POL−2"単離物、および一方のLM7PC系統によって生成されたMS7PG単離物から、スクロースで以下に記載するように精製されたビリオンの二つの画分に最初に適用した:培養物の上清を毎週2度回収し、細胞の破片を除くために10000rpmで30分間予備遠心し、−80℃で冷凍するか、以下の工程に用いる。新鮮もしくは解凍された上清を、4℃、2時間、100000g(またはタイプ45T LKB−HITACHIローターで30000rpm)で30%グリセロール−PBSの緩衝剤に遠心する。上清を除去した後、沈澱物を少量のPBSにとり、濃縮されてはいるが未精製のビリオンの画分を構成する。濃縮されたウイルスを、滅菌されたPBSバッファー(15〜50%重量/重量)におけるスクロース勾配に適用し、スウィングアウトローターで+4℃、12時間35000rpm(100000g)で超遠心した。10個の画分を回収し、H.Perron(24)に記載された技術に基づいて逆転写酵素活性を検定するために、ホモジェナイゼーション後に各画分から20μlを取り出した。“LM7様"RT活性のピークを含む画分を滅菌したPBSに希釈し、ウイルス粒子を沈澱させるために35000rpm(100000g)で1時間超遠心した。得られた精製されたビリオンの沈澱物を、RNAの抽出に適した少量のバッファーに取り込む。上述のcDNA合成反応を、精製された細胞外のビリオンから抽出されたこのRNAに対して行った。上述の技術に係るPCR増幅は、クローンF1−11を得ることを可能にし、SEQ ID NO2に同定されたこのクローンの配列が、図10に示されている。
このクローンは、図11に示したように、以前に配列決定された別のクローンと、MSRV−1レトロウイルスの“pol"遺伝子を表す領域を定義することができる。SEQ ID NO1と称されるこの配列は、その端部が互いに重複する種々のクローンから再構成され、プライマー、および全体の読み枠を人為的に妨げる増幅またはクローニング技術に係る人為産物を調整する。
図11では、アミノ酸への翻訳と共に、可能な読み枠が核酸配列の下に示されている。
実施例7:MSRV−2で感染した培養物における、既に同定された配列を用いた一部のMSRV−2ゲノムの捕捉、増幅およびクローニング
H.Perron(24)によって記載されたものと類似する“LM7様”逆転写酵素活性を発現する細胞培養物の上清を、数週間定期的に回収し、10%のグリセロールを添加して−80℃に冷凍保存した。上清のセットを、超遠心で感染粒子を濃縮し、かつスクロース勾配で平衡化するまで遠心して精製するために解凍した;次いで逆転写酵素活性を、H.Perron(34)によって記載された方法に基づき、勾配で回収された異なる画分で測定した。
RNAの精製を意図したプロトコル(35)に基づいて核酸を抽出するために、逆転写酵素活性のピークを示す異なる画分を集めたが、抽出された核酸は、DNアーゼで処理しなかった。Shih(33)によって記載された技術から誘導されたPCR増幅を、欧州特許公開第0569272号公報記載のRNA増幅方法に基づいてDNアーゼ非処理の核酸試料に直接行った。その全体量は、100μlで、200ngのRNA、1μlのRNAガード、およびShih(33)によって記載された直接(DNA)のPCRに使用されるものと同じ33μmolプライマーの混合物(MOP)を含有し、0.25mMの各dNTP、10μlの10Xバッファー、2.5uのTaq酵素および0.4μlのRT酵素(RT−AMV;10u)を試料に添加する。増幅サイクルは、以下のようにして行われる:RNAの変性65℃/10分、cDNAの合成50℃/8分、次いでサイクルは、Shih(33)によって記載されたPCRと同じである。対照基準の反応を、混入物が入っていないことをチェックするために行った(水との反応)。精製物を10%アクリルアミドゲルで分析した。
次いで、RT−PCRによって増幅された試料を、実施例1記載の技術に基づいてクローン化および配列決定した。
RT−PCR生成物から配列決定されたクローンの大半は、実施例1ないし3に記載したようにMSRV−2A配列およびその等価物のMSRV−2Bに相当する。
少なくとも一部が逆転写酵素活性に関わる、感染性粒子を含むこれらの精製された画分を起源とするこの核酸物質に存在する配列を確認した後、残りの核酸物質を、実施例1ないし3に同定および記載したMSRV2配列を有する核酸の特定の取り込みを行うために使用した。
前の段階において、MSRV2配列を有する遺伝的物質を、単一のプライマーを用いて50サイクルの一方向PCR技術によって増幅した。このプライマーは、3'末端でビオチン分子と結合し、3'から5'への一方向増幅を行うことができ、SEQ ID NO38に同定された以下の配列に対応する。
Figure 0003611856
その後、アビジンと結合したマグネチックビーズ[Dynabeads(商標)]を含む溶液で、製品(Dynal)の説明書に従って捕捉し、ビオチンに結合していない核酸を除去できるような温度で一連の洗浄を行い、3'における特定のプライマーと、不規則な配列を有する10塩基(10mer)のオリゴヌクレオチドの溶液によって与えられる5'末端におけるプライマーを用いてPCRをこれらの洗浄されたビーズに直接行った。
3'から5'の向きに配向された特定の増幅プライマーは、SEQ ID NO13に同定された配列に相当する。
Figure 0003611856
これらのプライマーを用いて35℃で40サイクル以上行ったPCRは、第一のPCR段階で特別にビオチン化され、Dynabeads(商標)のビーズに捕捉された遺伝物質を増幅することができた。実施例1記載の技術に基づいて、前記第二のPCR段階によって増幅されたDNAの“TAクローニング”キット用いたクローニングおよび組換えクローニングの配列決定を行い、748塩基対の配列が得られた。この核酸配列SEQ ID NO12は、図12に示されている。この伸長された配列を、後にMSRV−2EL1と称する。
プライマーSEQ ID NO13に相補的な逆の配列が3'端に存在し、図12において四角で囲まれている。このプライマーの上流に、MSRV−2AおよびMSRV−2Bクローンに既に同定された配列が見られる。
6つの可能な読み枠に基づいたこの配列のアミノ酸への翻訳は、図13に示されている。
MSRV−2EL1配列(SEQ ID NO12)を用いたMSRV2−A配列(SEQ ID NO10)の整列を図14に示す。MSRV−2Aを得るために用いられた退化プライマーに対応する領域にいくつかの差異が見られること以外は、MSRV−2A配列は、伸長された配列と厳密に同じであることに注意すべきである。この領域は、この図では下線が施されており、さらにプライマーSEQ ID NO13(クローニングの尾部とは別)のハイブリダイゼーション領域は四角で囲んであり、プライマーSEQ ID NO14のハイブリダイゼーション領域は[]の中に示されている。この領域のMSRV−2ゲノムの真の配列は、MSRV−2A(およびMSRV−2Bも同様)の場合のように、厳密性の低いハイブリダイズされたプライマーによらない、MSRV−2EL1のものであろう。
従って、MSRV−2EL1配列は、MSRV−2ゲノムの新規に配列決定された領域に対応する。これは、本実施例に記載されたクローニングに使用された核酸における特定の増幅を行う、MSRV−2EL1およびMSRV−2Aに定義された新規のPCRプライマーを用いて確認された。
以下の実施例は、記載された細胞培養物、またin vivo、MS患者において、LM7型ウイルスの単離(24)をさせる、対応する感染性の作因の存在との関連性を確証する特定のMSRV2増幅の種々の結果を与える。
MSRV−2EL1配列に係る、1994年8月に改訂されたジーンバンク(商標)データバンクの疑問の結果は、既知の遺伝子配列との重要な相同性を全く示さなかった。しかしながら、このMSRV−2EL1配列の6つの可能な読み枠に基づくアミノ酸への可能性のある翻訳の疑問は、バクテリア、ウイルスもしくは細胞の配列と部分的な相同性を示した。
正常のヒトDNAへの特定のプライマーでのPCR増幅の欠如は、この配列が細胞由来のものではないことを示している。このため、MSRV−2は、ヒトにとって外的な感染性の作因である。しかしながら、MSRV−2AおよびMSRV−2Bと称される第一の配列の要素を同定することを可能にした、Shih(33)によって記載された技術の多用性に基づいて用いられたプライマーの混合物の退化した特徴が、レトロウイルスまたはRNA依存性DNAポリメラーゼをコードする遺伝子に属さないゲノムを予期せず増幅する。MS患者を起源とする培養物におけるMSRV−1のほとんど変化のない共検出および逆転写酵素活性の発現は、少なくとも一方がレトロウイルス(MSRV−1)である、異なる二つの作因の間の病原性の関連によって説明される。
以下の実施例に記載されたこれら二つのタイプの配列の患者における検出が、病原性の関連性を支持する。しかしながら、これらの要素の一つだけが、MSに引き起こされる病原性を説明するのに十分である。
実施例8:MS患者または基準対照を起源とするヒトの細胞の異なる試料における特定のMSRV−2配列の検出
MSRV−2EL1配列(SEQ ID NO12)は、PCR技術によって特定のDNAまたはRNAを増幅するために用いられるオリゴヌクレオチドプライマーのいくつかの対を検出することを可能にした。
以下に同定されたプライマーは、異なるヒトの細胞におけるMSRV−2ゲノムの特定の検出を、欧州特許公開第0569272号公報記載のRNA増幅方法に基づいたRT−PCR段階によって行うことを可能にした。
使用されたプライマーは以下のものである:
− 5'プライマー、SEQ ID NO14に同定されたもの
Figure 0003611856
− 3'プライマー、SEQ ID NO15に同定されたもの
Figure 0003611856
PCRを、互いにつながった一連の35サイクル、cDNA合成段階後、1分間94℃、1分間54℃および1分間72℃で行う。
異なる細胞型(35)から抽出された全RNAを、DNアーゼで処理しないで、このRT−PCR反応に使用した。
図15は、異なるウェルに別々に適用されたPCR増幅生成物の電気泳動を行ったエチジウムブロミドに浸したアガロースゲルの紫外線照射下における写真を用いたPCRの結果を表している。
1番のウェルは、DNA分子量マーカーの混合物を含み、2〜9番のウェルは、それぞれ以下の細胞の全体のRNAから増幅された生成物を示している:
2− LM7PC(ECACC No.93010817);
3− PLI2(ECACC No.92072201);
4− ヒトの髄芽細胞;
5− MCR−5(ヒト胚肺繊維芽細胞);
6− 健康的な提供者を起源とするヒトの血液の単核細胞;
7− 種々のMS患者の末梢血液から取られたBリンパ芽球系の混合物を起源とする細胞
8− MS患者の末梢血液から取られたBリンパ芽球系を起源とする細胞
9− 核酸を含まない基準対照(“水”の対照)。
MS患者を起源とする試料で増幅され(LM7PC、PLI2、Bリンパ球系統)、MSではない対照を起源とする試験の細胞では増幅されない(MRC5、血液単核細胞および髄芽)、予想の大きさに対応する約700塩基対の特定のDNAのバンドの存在が観察された。
実施例9:MS患者もしくは基準対照を起源とする血漿の種々の試料における特定のMSRV−1およびMSRV−2配列の検出
実施例8に記載されたものと類似するPCR技術を、EDTA上にMS患者またはMSではない対照から血液試料を取って得られた血漿中のMSRV−1およびMSRV−2ゲノムを検出するために使用した。
血漿からのRNAの抽出は、グアニジニウムチオシアナートを含む一定量のバッファーを、採取後−80℃で冷凍保存された1mlの血漿に添加した後に、P.Chomzynski(35)によって記載された技術に基づいて行った。
MSRV−2に対して、実施例8に記載されたものと同じ条件下かつ同じプライマーを用いて、PCRを行った。
しかしながら、DNアーゼで処理していない核酸の試料に対する“重ね合わせ"PCRによる二つの連続した増幅における以下のPCRプライマーを用いて類似の結果が得られた。
ハイブリダイゼーション温度48℃の40サイクルの第一段階に使用されたプライマーは、以下のものである。
− 5'プライマー、SEQ ID NO27に同定されたもの
Figure 0003611856
患者の試料における第一のPCR用であって、5'MSRV−2 PCRプライマーに対応する、
− 3'プライマー、SEQ ID NO28に同定されたもの
Figure 0003611856
患者の試料における第一のPCR用であって、3'MSRV−2 PCRプライマーに対応する。
この段階の後に、10μlの増幅生成物を得て、既に増幅された領域内に位置したプライマーで、第二のいわゆる“重ね合わせ"PCR増幅を行う。この第二の段階を、プライマーハイブリダイゼーション(“アニーリング”)温度50℃で、35サイクル以上行う。反応液の体積は、100μlである。
この第二の段階に用いたプライマーは、以下のものである。
− 5'プライマー、SEQ ID NO29に同定されたもの
Figure 0003611856
患者の試料における重ね合わせPCR用であって、5'MSRV−2 PCRプライマーに対応する、
− 3'プライマー、SEQ ID NO30に同定されたもの
Figure 0003611856
患者の試料における重ね合わせPCR用であって、3'MSRV−2 PCRプライマーに対応する。
MSRV−1に対して、二段階で増幅を行った。さらに、核酸試料を、DNアーゼで予め処理して、RT−PCR増幅がMSRV−1RNAから独占的に起こることを確かめるために、RTを用いない対照のPCR(AMV逆転写酵素)を二つの増幅段階に行った。RTを用いない陽性(ポジティブ)の対照の場合には、RNAの最初の試料を再度DNアーゼで処理し、再度増幅する。
RNアーゼ活性のないDNアーゼで処理するプロトコルは、以下に示す通りである:抽出されたRNAを、“RNアーゼ阻害剤”(Boehringer−Mannheim)の存在下で、10μl中に1μgの終濃度となるようにDEPCで処理した水に分注する:これらの10μlに、1μlの“RNアーゼのないDNアーゼ”(Boehringer−Mannheim)と、0.1M/lの酢酸ナトリウムおよび5mM/lのMgSO4を含む1.2μlのpH5バッファーを添加する;この混合物を20℃で15分間インキュベートし、95℃で15分間“サーモサイクラー”中に移す。
第一のMSRV−1 RT−PCR段階を、欧州特許公開第0569272号公報に記載されたRNA増幅方法の変形に基づいて行う。特に、cDNA合成段階は、42℃で1時間行い、PCR増幅を53℃のプライマーハイブリダイゼーション(“アニーリング”)温度で40サイクル以上行う。反応液の体積は、100μlである。
この第一段階に使用されたプライマーは、以下のものである。
− 5'プライマー、SEQ ID NO16に同定されたもの
Figure 0003611856
− 3'プライマー、SEQ ID NO17に同定されたもの
Figure 0003611856
この段階の後に、10μlの増幅生成物を得て、既に増幅された領域内に位置したプライマーで第二のいわゆる“重ね合わせ"PCR増幅を行う。この第二の段階を、プライマーハイブリダイゼーション(“アニーリング”)温度53℃で、35サイクル以上行う。反応液の体積は、100μlである。
この第二の段階に用いたプライマーは、以下のものである。
− 5'プライマー、SEQ ID NO18に同定されたもの
Figure 0003611856
− 3'プライマー、SEQ ID NO19に同定されたもの
Figure 0003611856
図16は、異なるウェルに別々に適用されたPCR増幅生成物の電気泳動を行ったエチジウムブロミドに浸したアガロースゲルの紫外線照射下における写真の形態のPCRの結果を表している。
上の写真は、特定のMSRV−2増幅の結果を示している。
8番のウェルは、DNA分子量マーカーの混合物を含み、1〜7番のウェルは、4人のMSではない健康的な対照(1〜4番のウェル)および病状が異なる段階の3人のMS患者(5〜7番のウェル)を起源とする血漿の全体のRNAから増幅された生成物をそれぞれ示す。
この一連において、MSRV−2核酸物質が、試験された3人の内の一人のMSの血漿に検出され、4人の対照の血漿には一人も検出されなかった。より広い範囲で得られた別の結果が、これらの結果を確証した。
下の写真は、MSRV−1“重ね合わせ"RT−PCRによる特定の増幅の結果を示す。
1番のウェルは、AMV逆転写酵素を添加せずに水だけで生成されたPCR生成物を含み;2番のウェルは、AMV逆転写酵素を添加して水だけで生成されたPCR生成物を含み、3番のウェルは、DNA分子量マーカーの混合物を含み;4〜13のウェルは、Perron(34)によって記載されたプロトコルに基づいて、MSRV−1およびMSRV−2で感染した培養物の上清を起源とするビリオンの小球を遠心して平衡化したスクロース勾配画分(下方向へ向けて回収)から抽出された全体のRNAから増幅された生成物を含み、14番のウェルには何も添加せず、15〜17番のウェルには、異なる段階の病状の3人のMS患者を起源とする血漿から抽出されたRNAの増幅された生成物を添加した。
MSRV−1レトロウイルスゲノムは、H.Perron(24)によって記載された技術に基づいて測定された逆転写酵素活性のピークを含むスクロース勾配画分に、非常に強い強度を伴って確かに見られる(勾配の画分5、8番のウェルに添加されたもの)。第一の画分(4番のウェル)には、勾配の表面に浮いた溶解された粒子から放出されたRNAに対応すると思われるわずかな増幅が起こり、同様に、低い強度の増幅を起こすMSRV−1ゲノムのいくつかのコピーを有する最後の画分(チューブの底)に沈澱した集合破片でも同じことが起こった。
この一連の試験における3人のMS血漿の一つのMSRV−1RNAが、非常に強力な増幅を起こすことがわかった(17番のウェル)。
この一連の試験において、極端に小さい数で血漿中に存在する細胞外ウイルスの粒子に対応すると思われるMSRV−1レトロウイルスRNAゲノムが、試験された3人の内の一人のMSにおける“重ね合わせ"RT−PCRによって検出された。より広い範囲で得られた他の結果は、これらの結果を確証するものである。
さらに、これらのPCR技術によって増幅された配列の特異性を確認し、F.Mallet(42)によって記載され、かつ仏国特許文献FR2663040に記載された“ELOSA"技術によって評価した。
MSRV−1に関して、上述の重ね合わせPCRの生成物を、実施例2および図2、3および4に記載のサブファミリーに対応する、MSRV−1の共通配列Aと共通配列B+C+Dを分けて検出することができる二つのELOSAシステムにおいて試験してもよい。実際に、共通配列B+C+Dによく似た配列は、培養物から精製、あるいはMS患者の細胞外の生物学的流体において増幅されたMSRV−1ビリオンを起源とするRNA試料に必須に観察されるが、共通配列Aによく似た配列は、正常なヒトの細胞性DNAに必須に観察される。
サブファミリーAのPCR生成物の捕捉および特定のハイブリダイゼーション用のELOSA/MSRV−1システムは、5'末端にアミン結合を有するキャプチャーオリゴヌクレオチドcpV1Aと、ビオチニル化された検出オリゴヌクレオチドdpV1Aを使用し、これらは、それぞれ以下の配列を有する。
− SEQ ID NO31に同定されたcpV1A
Figure 0003611856
SEQ ID NO16およびSEQ ID NO17によって同定されたプライマーを用いて行われたMSRV−1重ね合わせPCRの生成物用のELOSA捕捉オリゴヌクレオチドに対応し、任意に、患者の試料におけるSEQ ID NO18およびSEQ ID NO19によって同定されたプライマーとの増幅を行ってもよい。
− SEQ ID NO32に同定されたdpV1A
Figure 0003611856
SEQ ID NO16およびSEQ ID NO17によって同定されたプライマーを用いて行われたMSRV−1重ね合わせPCRの生成物のサブファミリーA用のELOSA捕捉オリゴヌクレオチドに対応し、任意に、患者の試料におけるSEQ ID NO18およびSEQ ID NO19によって同定されたプライマーとの増幅を行ってもよい。
サブファミリーB+C+DのPCR生成物の捕捉および特定のハイブリダイゼーション用のELOSA/MSRV−1システムは、ビオチニル化された同じ検出オリゴヌクレオチドdpV1Aと、5'末端にアミン結合を有し、以下の配列を有するキャプチャーオリゴヌクレオチドcpV1Bを使用する。
− SEQ ID NO33に同定されたdpV1B
Figure 0003611856
SEQ ID NO16およびSEQ ID NO17によって同定されたプライマーを用いて行われたMSRV−1重ね合わせPCRの生成物のサブファミリーB+C+D用のELOSA捕捉オリゴヌクレオチドに対応し、任意に、患者の試料におけるSEQ ID NO18およびSEQ ID NO19によって同定されたプライマーとの増幅を行ってもよい。
このELOSA検出システムにより、MS患者のDNアーゼ処理された血漿から増幅されたPCR生成物が、一つもサブファミリーAの配列を含有しないこと、および全てがサブファミリーB、CおよびDの共通配列に陽性であることを確認することができる。
MSRV−2に関して、以下のPCR増幅プライマーを用いて、感染した細胞培養物を起源とする単離物において類似のELOSA技術を行った。
− SEQ ID NO34に同定された5'プライマー、
Figure 0003611856
培養物からの試料のPCR用の5'MSRV−2PCRプライマーに対応する、
− SEQ ID NO35に同定された3'プライマー、
Figure 0003611856
培養物からの試料のPCR用の3'MSRV−2PCRプライマーに対応する、
そして、5'末端にアミン結合を備えた捕捉オリゴヌクレオチドcpV2およびビオチニル化された検出オリゴヌクレオチドdpV2は、それぞれ以下の配列を有する:
− SEQ ID NO36に同定されたcpV2
Figure 0003611856
プライマーSEQ ID NO34およびSEQ ID NO35、または任意にShih(33)によって記載された退化プライマーを用いて行われたMSRV−2 PCRの生成物用のELOSA捕捉オリゴヌクレオチドに対応する。
− SEQ ID NO37に同定されたdpV2
Figure 0003611856
プライマーSEQ ID NO34およびSEQ ID NO35、または任意にShih(33)によって記載された退化プライマーを用いて行われたMSRV−2 PCRの生成物用のELOSA検出オリゴヌクレオチドに対応する。
患者からの試料における増幅用に前述したものと異なる一組のプライマーを用いたこのPCR増幅システムは、in vitroの培養物および分子生物学の研究用に用いられた核酸の試料のMSRV−2との感染を確かめることができる。
病原性及び/又は感染性の作因のゲノムのPCR検出の第一の結果を考慮して、自由な“ウイルス”が、神経系の外側を、適切な毒性の段階で、患者の血流中を循環することができる。これは、MSの活性段階の患者の血液脳関門における“ギャップ”のほとんど変化しない存在に適合する。
しかして、成された発見および本発明者によって開発された方法の結果として、MSRV−1及び/又はMSRV−2の感染及び/又は再活性化の診断を行うこと、および患者の生物学的流体中の上記作因の検出を“ネガティブにする”効能に基づいてMSの治療法を検討することが考えられる。さらに、MSの神経学的な症状を未だ示していない患者における早期検出が、神経学的な疾患の始まりに対応する病変段階に先立つことに関する連続した臨床経過に関してより効果的な処置をすることができる。現在、神経学的な病変の症状が始まる前にMSの診断を行うことができず、このため既に重大となった中枢神経系の病変を示唆する病状が現れる前に処理を行うことができない。このため、ヒトにおけるMSRV−1及び/又はMSRV−2の感染及び/又は再活性化の診断は、決定的に重要で、本発明はこれを行う手段を提供する。
しかして、MSRV−1及び/又はMSRV−2の感染及び/又は再活性化の診断を行うこととは別に、患者の生物学的流体における上記作因の検出を“ネガティブにする”効能に基づいてMSにおける治療法を検討することができる。
Figure 0003611856
Figure 0003611856
Figure 0003611856
配列表
(1) 一般的な情報
(i) 出願人:
(A) 名称:BIOMERIEUX
(B) 街名:なし
(C) 都市名:MARCY L'ETOILE
(E) 国名:フランス
(F) 郵便番号:69280
(ii) 発明の名称:MSエクステンション
(iii) 配列の数:38
(iv) コンピューターが読み込むことのできる形態:
(A) 媒体の型:フロッピーディスク
(B) コンピューター:IBM PC互換機
(C) オペレーティングシステム:PC−DOS/MS−DOS
(D) ソフトウェア:PatentIn Release #1.0,バージョン#1.30(EPO)
(2) 配列番号(SEQ ID NO):1の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:1158塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):1:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):2の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:297塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):2:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):3の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:85塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):3:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):4の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:86塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):4:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):5の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:85塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):5:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):6の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:85塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):6:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):7の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:111塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):7:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):8の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:645塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):8:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):9の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:741塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):9:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):10の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:93塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):10:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):11の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:96塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):11:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):12の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:748塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):12:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):13の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:18塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):13:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):14の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):14:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):15の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:18塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):15:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):16の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:23塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):16:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):17の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:19塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):17:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):18の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:21塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):18:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):19の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:塩基対
(B)型:24ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):19:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):20の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:15塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(ix) 特徴:
(B)ロケーション:5、7、10、13
(C)他の情報:Gはイノシン(i)を示す
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):20:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):21の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:21塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):21:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):22の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:21塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):22:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):23の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):23:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):24の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:22塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):24:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):25の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:18塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):25:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):26の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):26:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):27の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):27:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):28の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:18塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):28:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):29の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):29:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):30の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):30:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):31の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:26塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):31:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):32の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:23塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(ix) 特徴:(B)ロケーション:6、12、19
(D)他の情報:Gはイノシン(i)を示す
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):32:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):33の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:24塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):33:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):34の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:22塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):34:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):35の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:22塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):35:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):36の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:20塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):36:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):37の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:22塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):37:
Figure 0003611856
(2) 配列番号(SEQ ID NO):38の情報:
(i) 配列の特徴:
(A)長さ:40塩基対
(B)型:ヌクレオチド
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii) 配列の種類:cDNA
(xi) 配列の記載:配列番号(SEQ ID NO):38:
Figure 0003611856

Claims (15)

  1. 生物学的サンプルにおける多発性硬化症に関連するウイルスの存在を検出するための方法であって、当該方法は、以下の工程
    (i)前記生物学的サンプルに由来する少なくとも一つの核酸、または当該核酸に相補的な少なくとも一つの相補的核酸を、前記ウイルスの核酸とハイブリダイズ可能な以下から選択される少なくとも一つの検出プローブ、すなわち
    SEQ ID NO:1−9で表されるヌクレオチド配列の部分配列を有し、その部分配列の部分で多発性硬化症ウイルスに由来する核酸と特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列のヌクレオチドフラグメント、または当該フラグメントに相補的なヌクレオチドフラグメントと接触させる工程、および
    (ii)前記生物学的サンプル中において前記少なくとも一つのプローブにハイブリダイズした配列を検出する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 多発性硬化症の診断プローブとして、多発性硬化症に関連するウイルスの核酸とハイブリダイズすることができ、かつ、
    SEQ ID NO:1−9で表されるヌクレオチド配列の部分配列を有し、その部分配列の部分で多発性硬化症ウイルスに由来する核酸と特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列のヌクレオチドフラグメント、または当該フラグメントに相補的なヌクレオチドフラグメント
    を含むことを特徴とする多発性硬化症の診断組成物。
  3. 多発性硬化症の病原ウイルスを保有する、寄託番号93010817として1993年1月8日にECACCに寄託されたLM7PCと称される細胞系統。
  4. 多発性硬化症の病原ウイルスである、寄託番号V93010816として1993年1月8日にECACCに寄託されたMS7PGと称されるウイルス株。
  5. ゲノムが、SEQ ID NO:1−9で表されるヌクレオチド配列、および、当該ヌクレオチド配列に相補的な相補配列からなる群から選択されたヌクレオチド配列を含むことを特徴とする、請求項4に記載のウイルス株。
  6. ゲノムのpol遺伝子が、SEQ ID NO:1−9で表されるヌクレオチド配列、および、当該ヌクレオチド配列に相補的な相補配列からなる群から選択されたヌクレオチド配列によってコードされたペプチド配列をコードすることを特徴とする、請求項4に記載のウイルス株。
  7. 多発性硬化症に関連するウイルスのRNAまたはDNAを重合により増幅するための特異的プライマーであって、
    SEQ ID NO:1−9で表されるヌクレオチド配列の部分配列を有し、その部分配列の部分で多発性硬化症ウイルスに由来する核酸と特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列のヌクレオチドフラグメント、または当該フラグメントに相補的なヌクレオチドフラグメントであり、
    SEQ ID NO:1−9で表されるヌクレオチド配列を増幅することを特徴とするプライマー。
  8. SEQ ID NO:16−19、21−25、31−33で表されるヌクレオチド配列を有し、多発性硬化症ウイルスに由来する核酸と特異的にハイブリダイズするヌクレオチドフラグメント、または当該フラグメントに相補的なヌクレオチドフラグメントであることを特徴とする、請求項7記載の特異的プライマー。
  9. 多発性硬化症に関連するウイルスのRNAまたはDNAと特異的にハイブリダイズすることができるプローブであって、
    SEQ ID NO:1−9で表されるヌクレオチド配列の部分配列を有し、その部分配列の部分で多発性硬化症ウイルスに由来する核酸と特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列のヌクレオチドフラグメント、または当該フラグメントに相補的なヌクレオチドフラグメント
    であることを特徴とする多発性硬化症検出用プローブ。
  10. SEQ ID NO:4−7、16−19、21−25、31−33で表されるヌクレオチド配列を有し、多発性硬化症ウイルスに由来する核酸と特異的にハイブリダイズするヌクレオチドフラグメント、または当該フラグメントに相補的なヌクレオチドフラグメントであることを特徴とする、請求項9記載のプローブ。
  11. 生物学的サンプルにおいて、多発性硬化症に関連するウイルスを検出または同定する方法であって、前記生物学的サンプルに由来する少なくとも一つの核酸、または当該核酸に相補的な少なくとも一つの相補的核酸を、請求項9または10に記載の少なくとも一つのプローブと接触させることを特徴とする方法。
  12. 前記少なくとも一つの核酸または相補的核酸を前記少なくとも一つのプローブと接触させる前に、前記少なくとも一つの核酸または相補的核酸を請求項7または8に記載の少なくとも一つの特異的プライマーを用いて増幅させることを特徴とする、請求項11記載の方法。
  13. 生物学的サンプルにおいて、多発性硬化症に関連するウイルスの発現を定量する方法であって、前記生物学的サンプルに由来する少なくとも一つの核酸、または当該核酸に相補的な少なくとも一つの相補的核酸を、請求項9または10に記載の少なくとも一つのプローブと接触させ、前記核酸を検出することを特徴とする方法。
  14. 前記少なくとも一つの核酸または相補的核酸を前記少なくとも一つのプローブと接触させる前に、前記少なくとも一つの核酸または相補的核酸を請求項7または8に記載の少なくとも一つの特異的プライマーを用いて増幅させることを特徴とする、請求項13記載の方法。
  15. SEQ ID NO:1−9で表されるヌクレオチド配列の部分配列を有し、その部分配列の部分で多発性硬化症ウイルスに由来する核酸と特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列のヌクレオチドフラグメント、または当該フラグメントに相補的なヌクレオチドフラグメントから選択されるヌクレオチドフラグメントを含む複製ベクター。
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