JP3611509B2 - 知識共有促進システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄積されたユーザの知識、経験等の履歴情報を、複数人のユーザに共有化させる知識共有促進システムの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
博物館の見学者や、学会での参加者等に、個別的にガイド情報の提供を行ない、きめ細かな案内を実現するためのロボットガイドシステム等が提案されている。
【0003】
文献1:角 康之他著「C−MAP:Context−awareな展示ガイドシステムの試作」、情報処理学会誌、Vol.39,No.10,pp.2866−2878 には、展示を見学する見学者に対して、携帯ガイドシステムを提供し、ユーザの見学履歴を取得することで、展示情報と複数の見学者の見学履歴とを意味構造を有するグラフとしてグラフ表示する手法が開示されている。
【0004】
このような手法を利用することで、見学者同士は興味の近い他の見学者の存在や、自分がまだ知らなかった関連情報を発見することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の文献1に開示された手法は、基本的に各ユーザが個人個人で利用することを想定しており、複数ユーザ間の出会いや、知識共有を直接促進することは可能でなかった。
【0006】
また、システムから提示されたグラフ表示から、どれが大事な情報であるかを見つけたり、関連性を読取る作業そのものはユーザ自らが行なう必要があり、博物館等での通りすがりの見学者同士の出会いや知識交換を促進する手段としては不向きである。
【0007】
一方で、文献2:「西田豊明著、「分身エージェントに基づくコミュニティコミュニケーション支援」、bit誌 July 1999/vol.31,No.7,pp103−108」は、複数ユーザが予め登録しておいた知識の集合を利用し、ディスプレイ上に表示された各ユーザの分身(エージェント)間に擬似的な対話をさせることで、それを見ているユーザへの知識伝達を支援するシステムが開示されている。
【0008】
この文献2に開示されたシステムを利用することで、ユーザはコミュニティの中に貯えられた知識の関連を理解することを助けられる。
【0009】
しかしながら、そのような擬似的対話をシステムに行なわせるには、各自が特定の形式で知識システム内に書き下したり、ユーザがシステム動作時に対話のトリガとなるキーワードを入力する必要がある。
【0010】
さらに、この文献2の他に、これまでにも、人間同士の対話にエージェントが参加する構成は、いくつか提案されてきた。
【0011】
たとえば、長尾ら(文献3:Katashi Nagao and Akikazu Takeuchi. Social interaction: Multimodal conversation with social agents. In AAAI−94, pp.22−28,1994.)は、複数の人の対話に参加する疑似化エージェントの社会性とコミュニケーションのマルチモダリティに着目したエージェントシステムを提案している。
【0012】
中西ら(文献4:中西英之,Katherine Isbister,石田亨,Clifford Nass. 仮想空間でのコミュニケーションを補助するヘルパーエージェントの設計。インタラクション2000,pp.107−114.情報処理学会,2000.)は、仮想空間内での初対面のユーザ間の会話を活性化するために、話題を提供するヘルパーエージェントを提案した。西本ら(文献5:西本一志,間瀬健二,中津良平,グループによる発散的思考における自律的情報提供エージェントの影響,人工知能学会誌,Vol.14, No.1, pp.58−70, 1999.)は、ブレインストーミング型議論の活性化を目的として、議論内容をモニタリングし、それに関連するドキュメントをデータベースから自動検索し、ユーザに提供する話題提供エージェントを提案した。
【0013】
しかしながら、これらエージェントは共通して、第三者として対話に参加するものである。
【0014】
さらに、ユーザ間の知識共有といった目的を有する先行事例としては、大勢の会議参加者の間の実世界インタラクションを促進することを目的としたMeme Tag(文献6:Richard Borovoy, Fred Martin, Sunil Vemuri, Mitchel Resnick, Brian Silverman, and Chris Hancock. Meme Tags and Community Mirrors: Moving from conferences to collaboration. In Proceedings of CSCW’98, pp.159−168. ACM, 1998.)や、個人に帰属したエージェント同士がユーザ同士の出会い/対話をお膳立てしてくれるHyper Dialog(文献7:Katashi Nagao and Yasuharu Katsuno. Agent augmented community: Human−to−human and human−to−environment interactions enhanced by situation−aware personalized mobile agents. In Toru Ishida, editor, Community Computing and Support Systems, Vol.1519 of Lecture Notes in Computer Science, pp.342−358. Springer, 1998.)がある。さらに、他の先行事例として、文献8:「Masayuki Okamoto, Hideyuki Nakanishi, Toshikazu Nishimura, and Toru Ishida. Silhouettell. In Toru Ishida, editor, Community Computing and Support Systems, Vol.1519 of Lecture Notes in Computer Science, pp.316−329, Springer, 1998」および文献9:「Henry Lieberman, Neil W. Van Dyke, and Adrian S. Vivacqua. Let’s browse: A collaborative browsing agent. Knowledge−Based Systems, Vol.12, No.8, pp.427−431, 1999.」には、複数ユーザによる協調的なWebブラウジングを支援するシステムが開示されている。
【0015】
しかし、文献2以外のこれら文献3〜文献9に開示されているシステムも共通して、前もって準備された知識ベースやWeb上のリソースなどにより、比較的静的な情報を知識源とするものとして構成されている。したがって、たとえば、博物館の見学者に対するガイドシステムのように、そのときどきに訪れている見学者の興味や嗜好に依存して動的に変化する情報を知識源として用いることが必要なシステムには適さないという問題がある。
【0016】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、複数のユーザの個別的な履歴情報に基づいて、複数のユーザ間で、各ユーザの有する履歴情報の関連性を相互に伝達することで、ユーザ同士の出会いや知識交換を促進する知識共有促進システムを提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、ユーザ個人に帰属したエージェントを用いて、動的に蓄積されるユーザの個人情報を活用し、他のユーザとの出会いやより深い知識共有/創造を支援することを可能とする知識共有促進システムを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の知識共有促進システムは、複数のユーザ間の知識の共有化を行なう知識共有促進システムであって、各ユーザに対応して、ユーザを特定するための個人プロファイル情報と所定の対象に対する見学履歴情報とを含む個人情報を格納するためにユーザがそれぞれ保持する複数の携帯端末を備え、見学履歴情報は、見学期間中に入力される見学者自身の所定の対象に対する評価データを含み、所定場所に設置され、複数のユーザのうち所定場所において時間を共有するユーザの履歴情報をそれぞれの携帯端末から取得するための通信手段と、通信手段により取得された履歴情報の内容を分析し、コンピュータグラフィックスにより生成され各ユーザに対応するエージェント間での擬似会話として履歴情報の分析結果を構成するための制御手段とを備え、制御手段は、エージェント間での擬似会話において、対話セットのテンプレートに対応するオブジェクトルールを格納するためのオブジェクトルール格納手段と、複数のユーザから与えられた個人情報の比較に応じてオブジェクトルールの選択および結合を行うためのメタルールを格納するメタルール格納手段と、メタルールおよびオブジェクトルールに基づいて、擬似会話を構成するための対話生成部とを含み、制御手段に制御されて、エージェントの擬似会話を出力するための第1の表示手段をさらに備える。
請求項2記載の知識共有促進システムは、請求項1記載の知識共有促進システムの構成に加えて、対話生成部は、個人情報の比較に応じて、所定の対象のうち評価の相違している対象に関する擬似会話を構成する。
【0019】
請求項3記載の知識共有促進システムは、請求項1記載の知識共有促進システムの構成に加えて、各携帯端末は、ユーザに対して、各ユーザに対応するエージェントと当該ユーザとの対話として見学案内データを表示出力するための第2の表示手段と、ユーザからの入力を受けるための入力手段とを含み、エージェントは、対応するユーザが見学期間中は、第2の表示手段に表示され、対応するユーザが所定場所に到達した際にエントリ手続きを行なうと、第1の表示手段に表示される。
【0020】
請求項4記載の知識共有促進システムは、請求項3記載の知識共有促進システムの構成に加えて、各携帯端末は、見学履歴情報を格納するための履歴情報格納手段と、所定の対象に関連するキーワードに対する重み係数を格納するための興味キーワード格納手段と、携帯端末の動作を制御するための端末制御手段とをさらに含み、端末制御手段は、キーワードに対する重み係数を、見学期間中に入力される対応する見学者自身の所定の対象に対する評価データに応じて更新する。
【0021】
請求項5記載の知識共有促進システムは、請求項1記載の知識共有促進システムの構成に加えて、対話生成部は、所定の対象のうち複数のユーザの一方がまだ見ていない未見学対象について、複数のユーザのうち未見学対象を見学済みの他方のユーザに対応するエージェントが、未見学対象についての感想とともに推薦する疑似会話を構成する。
【0022】
【発明の実施の形態】
[知識共有促進システムの全体構成]
以下では、本発明の実施の形態として、博物館等の展示見学を行なう複数ユーザが、各々の展示見学履歴に関する知識の共有化を促進するための知識共有促進システムの構成について説明する。
【0023】
ただし、以下の説明で明らかとなるように、本発明はこのような場合に限定されることなく、たとえば学会の参加者のように、各々のユーザが履歴情報、たとえば、「何を」、「いつ」、「どこで」、それに関する情報を獲得し、かつその情報について「どのような」感想を有しているかという情報を、複数ユーザ間で共有することに意義が存在するような状況において広く適用可能なものである。
【0024】
図1は、本発明に係る知識共有促進システム100の構成の概略を示す概略ブロック図である。
【0025】
図1を参照して、ユーザ1およびユーザ2は、博物館の展示に対する案内情報の提供を受けるために、それぞれ個別に携帯ガイド端末101および102を有している。
【0026】
携帯ガイド端末101および102は、特に限定されないが、たとえば、赤外線等によりホストコンピュータ10と接続されており、携帯ガイド端末101および102の各々は、このホストコンピュータ10から、各ユーザの有する携帯端末101または102に対して、ユーザが見学している展示物に対する展示情報を与えるための表示装置と、ユーザがデータを入力するための入力装置とを備えている。
【0027】
ユーザ1および2が展示物の見学をしている期間中に、各展示物等に対して予め定められたアンケートがホストコンピュータ10から各ユーザの有する携帯ガイド端末101または102に出力され、ユーザがこのアンケートに答えており、このアンケートに対するデータがそれぞれの携帯ガイド端末101または102に蓄積されているものとする。さらに、ユーザは、各展示物を見学した際に、当該展示物に対する感想等のメモを携帯ガイド端末101または102に入力し、この感想に関する情報も、それぞれの携帯ガイド端末101または102に蓄積されているものとする。
【0028】
このような見学期間中においては、たとえば、ユーザ1の携帯ガイド端末101には、コンピュータグラフィックにより表現されたガイドエージェントが表示され、このガイドエージェントの会話や所作等によりユーザ1に対して情報が提示される構成となっているものとする。
【0029】
図1に示した例では、たとえば、博物館において、見学者が立ち寄りやすいような場所に、比較的大きなディスプレイ20が設置され、その前に立ったユーザ(見学者)1および2の知識共有促進のサービスが行なわれている。
【0030】
このような知識共有サービスを提供するディスプレイ20の置かれている領域を、「エージェントサロン」と呼ぶ。すなわち、ディスプレイ20には、複数の赤外線センサ30が設けられており、ユーザ1およびユーザ2が、それぞれが有する携帯ガイド端末101および102から、このエージェントサロンへのエントリを指示すると、この赤外線センサ30により、このようなエントリ情報が検出され、ホストコンピュータ10は、この場合二人のユーザがエージェントサロンへのエントリを行なったことを検出する。
【0031】
ここで、各携帯ガイド端末101および102には、上述のとおり、ユーザ1および2がこのエージェントサロンにやって来るまでに見学した見学履歴に関する情報が格納されており、このような見学履歴情報が、たとえば、赤外線センサ30を介して、ホストコンピュータ10に送信される。ここで、ホストコンピュータ10へのデータの送信手段としては、赤外線センサ30のほかに、電波を用いた無線通信などを用いてもよい。
【0032】
このような見学履歴情報が携帯ガイド端末101および102からホストコンピュータ10に送信されると、ホストコンピュータ10では、各ユーザ1および2にそれぞれ対応するガイドエージェント11および12をディスプレイ20上に表示する。
【0033】
すなわち、ユーザ1および2にとっては、それまでの見学期間中には、携帯ガイド端末101または102に表示されていたガイドエージェントが、あたかも、ディスプレイ20上に乗り移ったかのような表示がなされることになる。
【0034】
ホストコンピュータ10では、ユーザ1およびユーザ2の見学履歴情報を比較しながら、たとえば、共通の見学場所の抽出や、その見学場所に対する各ユーザの感想の情報が抽出される。ディスプレイ20上では、各ユーザに対応したエージェント11および12が、このようにして抽出された情報を、ユーザ1およびユーザ2に代わって、エージェント11および12同士の会話としての文字出力および音声出力として出力する。これにより見学履歴の共通点に関する情報が、双方のユーザ1および2に与えられる。
【0035】
つまり、コンピュータ10からは、単に情報がそのまま出力されるのではなく、このエージェント間の会話として、エージェント同士があたかも情報交換を行なっているようにして情報の提示が行なわれる。
【0036】
さらに、ユーザ1およびユーザ2との間で見学履歴について異なった見学地の情報や、同一の見学地についての異なった感想等が存在する場合は、同様にして、ディスプレイ20上のエージェント間の会話として、このような異なった見学履歴の情報等に関する対話も擬似的に行なわれ、ユーザ1およびユーザ2に対して、そのような情報の提示が行なわれる。
【0037】
以上の説明では、ユーザ1およびユーザ2の二人のユーザがエージェントサロンに登録した場合を説明したが、このような場合に限定されることなく、たとえば、三人あるいはそれ以上のユーザがこのエージェントサロンにエントリすることで、相互の見学履歴情報を共有化させることも可能である。
【0038】
すなわち、本願に係る知識共有促進システム100の動作をまとめると、博物館や展示会での利用を想定したシステムにおいて、展示会場で、見学者は掌サイズの携帯ガイド端末101、102や、会場の展示ブースごとに設置され、ホストコンピュータ10により制御される情報キオスクを利用することで、展示情報や見学会でのサービスを受けることができる。
【0039】
知識共有促進システム100は、ユーザのガイドシステムの利用履歴から、ユーザの見学履歴(いつどの展示を見学したか)、興味(どの見学にどうゆう観点で興味を持ったか)に関する情報を抽出する。このような情報は、上述したとおり、ホストコンピュータ10から、ユーザ1およびユーザ2が保持している携帯ガイド端末101または102を介して、ユーザに対して行なわれたアンケートの結果に対する情報であってもよいし、各展示物に応じて、ユーザが携帯端末101または102に対して入力した情報であってもよい。
【0040】
上述のような見学を行なっている間は、携帯ガイド端末や情報キオスク上には、各ユーザごとに見学に同伴してくれるガイドキャラクタ(ガイドエージェント)がコンピュータグラフィックスとして現れ、ユーザはそのガイドエージェントとの対話を通して、個人ガイドのサービスを利用することができる。
【0041】
逆に、システムはその対話を通して、ユーザの見学履歴や興味を獲得することになる。
【0042】
図2は、携帯ガイド端末101に貯えられたユーザの見学履歴に関する情報を示す情報テーブルの概念図である。
【0043】
携帯端末101中には、見学者がいつ、どれぐらいの時間、どの場所の見学を行なったかという情報、ならびにユーザが各展示物に対して行なった質問や、ユーザ自身が入力した各展示物に対する感想あるいはユーザ1に対してガイドエージェントからの質問としてユーザに行なわれたアンケートに対する回答等が、タイムテーブルとして記録されている。
【0044】
再び、図1に戻って、知識共有促進システム100の動作について、より詳しく説明する。
【0045】
上述のとおり、各ユーザの携帯ガイド端末101および102中には、ガイドエージェントが表示されており、このガイドエージェントによりユーザは各見学場所についての情報の提供を受ける。
【0046】
ユーザ1およびユーザ2が、エージェントサロンに到着し、各ユーザが携帯ガイド端末101および102を介してこのエージェントサロンにエントリすると、各ユーザのガイドエージェント(コンピュータグラフィックスで象徴される)がエージェントサロンのディスプレイ20に乗り移って、表示される。
【0047】
エージェントサロンに乗り移ったガイドエージェント同士が、システム内部で、各ユーザの見学履歴や興味の共通部分と相違部分を検出する。
【0048】
上記の結果に応じて、対話のプランニングをホストコンピュータ10が行ない、ユーザの前で対話を始める。それを各ユーザ達は横から見て、他のユーザが有している見学履歴に対する情報を共有することができる。
【0049】
たとえば、エージェント間の会話としては、以下のようなことを行なうことが可能である。
【0050】
ある1つのガイドエージェント11が会話の主導権を持ち、たとえば、画面上に表示された会場地図上を、それまでに見学してきた経路を再現しながら動く。その途中で、もしも他のガイドエージェント12(つまりそのユーザである見学者2)も見学した展示があった場合には、その展示に関する各ユーザの感想や評価を見学者自身に成り代わってその感想等をしゃべる。あるいは、場合によっては、その展示ごとの展示者の代理エージェントを呼出す。各展示に関するユーザの感想や評価は展示見学中に手元の携帯ガイド端末101または102上に表示されたガイドエージェントの対話の中で取得されている。
【0051】
たとえば、共通して見学した展示にもかかわらず、その展示に対する評価が異なる場合、つまり、ユーザ(見学者)1は展示1を面白いと感じたが、ユーザ(見学者)2はつまらないと感じた場合などは、その展示についての以下のような会話が行なわれる。つまり、見学者Aのガイドキャラクタが「展示1は面白かったよ。」と言うと、見学者2のガイドキャラクタが「えー、あれはつまらなかったよ。」と言うような会話を行なう。
【0052】
このような会話を行なうことで、ユーザ(見学者)1とユーザ(見学者)2は、同じ対象(ここでは展示1)に対する異なる見解を持っていることを即座に知ることができ、より効率的に知識共有のための話題に到達することができる。
【0053】
さらに、たとえば、見学者1が展示1、展示2、展示3および展示4の見学を行なっており、見学者2が展示2、展示4、展示5および展示6の見学を行なっているとする。この場合、二人が展示2および展示4を共通して見学していること、つまり、ある程度興味を共有していることを、2つのガイドエージェントは知ることができる。
【0054】
ユーザ(見学者)2は、まだ見ていない展示1および展示3を、ユーザ(見学者)1には、展示5および展示6を、相手方が有している感想とともに、他方の見学者に対して伝達できるような会話を行なうことで、それらの展示を見学することを推薦することも可能となる。
【0055】
すなわち、本発明に係る知識共有促進システム100においては、複数の人の知識、経験、興味をシステム中に表現し、大画面ディスプレイ20の前に複数のユーザが到達した場合に、各自の携帯ガイド端末中に貯えた各種の見学履歴が1個所に集められ、互いに共通点や相違点がホストコンピュータ10により自動的に検出される。ホストコンピュータ10は、ディスプレイ20を介して、ユーザの理解を促進するような形態で、これら各自の履歴の共通点、相違点を提示する。
【0056】
つまり、各自の見学履歴の共通点や相違点の検出結果をグラフ表示等の理解しやすい表示でユーザに提示したり、その結果を利用して、興味の共通点や相違点に関する話題を生成してユーザに提示する。
【0057】
このようなことを行なうことで、ユーザは自分達のそれまでの見学履歴や興味をいちいち自分達で開示し合わなくても、いわば、以心伝心的に互いにの背景を共有することができ、容易に、各見学者間においてより適した話題に関する情報を獲得することが可能になる。
【0058】
つまり、エージェントサロンは、情報キオスクの一種として設計され、展示会場の待ち合わせ場所や会議のバンケット会場のようなところに設置される。
【0059】
1人のユーザで利用することを想定した通常の情報キオスクとは異なり、エージェントサロンは複数ユーザで同時に利用する。それまでの見学履歴に応じてユーザ間の興味や経験の交換をし合ったり、共有した興味に基づいた情報をネットワーク上から引き出したりすることで、初対面の者同士でも有益なおしゃべりや議論ができるような、言わば「出会いの場」、「たまり場」として利用されることになる。ユーザ間のおしゃべりを促進する手段として、各ユーザに帰属したエージェント間の会話を通して、より「面白い」話題にユーザを誘導することがエージェントサロンの特徴である。
【0060】
[知識共有システムの詳細構成および動作]
以下、エージェント間の対話生成、その演出の手法の大略を説明する。
【0061】
再び図1を参照して、2人のユーザが、エージェントサロンを利用している場合の動作シナリオをその流れに従って、詳しく説明すると、以下のとおりである。
【0062】
1)赤外線通信等を利用して、各ユーザの個人情報を持つガイドエージェント11,12が、携帯ガイド端末101、102からエージェントサロンに乗り移り、アニメ−ションキャラクタとしてディスプレイ20上に表示される。
【0063】
2)乗り移ったエージェント11および12に付随する情報に基づいて、ホストコンピュータ10において、内部的に、各ユーザ1および2のそれまでの見学履歴やそれに対する興味についての情報の共有部分と相違部分が検出される。
【0064】
3)その検出結果をもとに、ホストコンピュータ10は、エージェント同士の会話のプランを立て(台本を作り)、ユーザの前でエージェント11とエージェント12に展示/会議に関する会話を行わせる。その会話を観察することにより、ユーザ1および2は展示/会議に関する知識や経験を効果的に、楽しく交換/共有することができる。
【0065】
4)エージェントサロンはネットワークに接続されており、展示/会議に関する情報や他の参加者に関する情報にアクセスできるので、共通話題の展示/発表に関する詳細情報(ホームページ)にアクセスしたり、展示者/発表者のエージェントをサロン上に呼出すことができる。
【0066】
[携帯ガイド端末101の構成]
以下では、まず、上述のような「エージェントサロン」の動作を可能とするための携帯ガイド端末101の構成について説明する。
【0067】
図3は、図1に示した携帯ガイド端末101の構成を説明するための概略ブロック図である。なお、携帯ガイド端末102も、同様の構成を有する。
【0068】
図3を参照して、携帯ガイド端末101は、ユーザ1からの情報入力を受けるためのデータ入力部1010(例えば、キーボード)と、携帯ガイド端末101中に蓄積されたデータまたはデータ入力部1010等を介して外部から与えられた情報に基づいて、ガイド動作を行うための演算処理を行うための演算処理部1020と、演算処理部1020へのデータの入力または演算処理部1020からのデータ出力を仲介するためのデータ入出力インターフェース部1030と、データ入出力インターフェース部1030を介して演算処理部1020から与えられるデータに基づいて、エージェント11やガイド内容を表示するための表示部1040と、携帯ガイド端末101と外部との間でデータのやり取りを行うためのデータ通信部1050と、ユーザ1についての個人情報のうち個人プロファイル情報を格納して、演算処理部1020との間でデータを授受するための個人プロファイル情報データベース1060と、ユーザ1についての個人情報のうち興味キーワードおよび興味キーワードに対する重み係数データを格納して、演算処理部1020との間でデータを授受するための興味キーワードデータベース1062と、ユーザ1についての個人情報のうち見学履歴に関する情報を格納して、演算処理部1020との間でデータを授受するための見学履歴データベース1064と、他のユーザとの間で交換した情報を格納して、演算処理部1020との間でデータを授受するための交換情報データベース1070とを含む。
【0069】
上述した個人情報について、さらに詳しく説明すると以下とおりである。
「個人プロファイル情報」とは、ユーザ1の名前、所属、イベントでの参加資格(発表者/見学者)、ホームページのURL等を含み、ユーザ登録時に得られる。
【0070】
「見学履歴に関する情報」とは、それまでのユーザの見学履歴および見学した展示に対する個人的評価を含む情報であり、図2に示したテーブルとして格納される。たとえば、ユーザの感想としては、「興味深い/まあまあ/あまり興味ない」の3段階からユーザが携帯ガイド端末101に対して入力を行なったものが格納されている。なお、携帯ガイド端末101を個別の展示の展示ディスプレイと接続した時間と、その展示IDなども一緒に格納する構成としてもよい。
【0071】
興味キーワードデータベース1062に格納されるデータは、ユーザ1の個人的興味に関するデータである。
【0072】
図4は、このような興味キーワードデータベース1062に格納されるデータの構成を示す概念図である。つまり、予めイベントごとに準備されたキーワードセットと各キーワードに対する重み係数を利用し、予め定められたキーワードの順序に対応して並べられた複数の重み係数からなるキーワードベクトル(以下、「興味キーワードベクトル」とよぶ)で、ユーザ1の興味を定量化している。
【0073】
この各キーワードに対する重み係数は、上述した「ユーザの感想」に応じて更新される。すなわち、たとえば展示場所(または展示ID)に対応して、それと関連するキーワードが何であるかを、演算処理部1020は、データ通信部1050を介して接続するシステム全体の制御部(図示せず)から検索し、「ユーザの感想」に応じて、対応するキーワードの重み係数を更新する。さらに、キーワードの重み係数は、ユーザ1の「ユーザの感想」に基づくだけでなく、後に説明するような他のユーザとの情報交換の結果、相手方からの推薦などに応じても更新される。
【0074】
交換情報データベース1070に格納されるデータは、情報交換をした相手を特定するためのデータ、情報交換した相手のキーワードベクトル、情報交換した相手がそれまでに見学した展示のリストなどのデータである。
【0075】
図5は、このような交換情報データベース1070に格納されるデータの構成を示す概念図である。
【0076】
たとえば、情報の交換相手P1の興味キーワードベクトルが格納されているために、ユーザ1の携帯ガイド端末101は、ユーザ1自身の興味キーワードベクトルとの比較により、ユーザP1の嗜好がユーザ1の嗜好とどの程度一致しているかを判断することが可能となる。また、情報交換の際に、ユーザP1がそれまでに見学した展示とそれに対するユーザP1の「ユーザの感想」のリストが格納されている。
【0077】
携帯ガイド端末101では、たとえば、興味キーワードベクトルの一致の程度に応じて、より嗜好の一致している情報交換相手が見学し、なおかつ興味があったという感想を残している展示の中で、まだ見学していないものがあれば、それを優先的に推薦する。
【0078】
このような処理を行うことで、他のユーザとの情報交換により、ユーザ1は、その後の見学において、携帯ガイド端末101から、より自分の嗜好にあった展示場所に関する情報を得ることができる。
【0079】
なお、交換情報データベース1070には、さらに、他の携帯ガイド端末ユーザとの名刺交換に関するデータや、名刺交換をした相手のユーザIDとその時間などのデータを格納する構成とすることも可能である。
【0080】
[ホストコンピュータ10の構成]
ホストコンピュータ10がエージェントサロンを動作させるために行う機能は、主に、以下の3つの部分で構成されている。
【0081】
1)対話生成機能
各エージェントが持っているユーザ情報をもとに、より「面白い」対話プランを生成する。ユーザ間の知識共有や機能を促進するための戦略や発言テンプレートを持つ知識ベースシステムとして実現される。
【0082】
2)対話表示機能
与えられた台本に従ってエージェントの発話や動作を制御/表示する機能である。また、複数のエージェントの入退場や、ユーザとの簡単なインタラクションなどを、サロン全体の進行を制御する。
【0083】
3)連想的情報探索機能
ネットワークを介して利用できるコミュニティ情報やウェブページを閲覧するためのビジュアルインターフェイスで構成される。展示/発表とそれに参加する人の間の意味的関係を表わすネットワークとして表示され、膨大な量の知識源からユーザ個人の興味に基づいて連想的に情報を探索することを支援する。
【0084】
ディスプレイ上には、上述したような連想的情報探索システムに対応する表示も同時に出力されており、その上に、アニメ−ションキャラクタも重畳表示されている。ディスプレイ20は、タッチパネルとなっており、ユーザは直接自分の指で上述した連想的情報探索システムのアイコン操作をしてコミュニティ情報を閲覧したり、エージェントとの簡単な対話を行なうことができる。
【0085】
各エージェントがサロン上に登場する際に、それに合わせて対応するユーザのアイコンを連想的情報探索システム上に表示する。それに応じて連想的情報探索システム上には、そのユーザがそれまでの見学/聴講で興味を示したものとユーザアイコンの間にリンクが表示される。そうすることで、エージェントサロンを利用している複数ユーザ間の興味の関係(重なりや相違)を可視化することができる。
【0086】
図6は、ホストコンピュータ10の構成のうち、上記対話生成機能および対話表示機能を実現するための機能部分を抜き出して示す概略ブロック図である。
【0087】
図6を参照して、ホストコンピュータ10中には、赤外線センサ30を介してユーザ1およびユーザ2等からの情報入力を受けるためのデータ通信部110と、ホストコンピュータ10のデータ入出力を制御するためのデータ入出力インターフェース部120と、ユーザからの個人情報を格納するためのデータベース1030と、後に説明する対話生成ルールのうちメタルールを格納するためのメタルールデータベース140と、対話生成ルールのうちオブジェクトルールを格納するためのオブジェクトルールデータベース150と、ユーザからの個人情報の比較結果に基づいて、メタルールおよびオブジェクトルールに従ってエージェント間の会話の台本を作成するための対話生成部160と、対話生成部160で生成された台本にしたがって、データ入出力インターフェース部120を介してディスプレイ20に出力されるエージェントの映像の表示および音声の出力を制御するための対話表示部170とを含む。
【0088】
[エージェント間の対話生成の仕組み]
上述したようなホストコンピュータ10のシステム構成のうち、以下では、対話生成部160の構成についてさらに詳しく説明する。
【0089】
対話生成部160は、現在サロン内に入場している複数エージェントが持っている各ユーザの個人情報を入力として、より「面白い」対話の台本を作成するように動作する。この動作を実現するために、ある程度再利用性のある対話のテンプレートや、「面白い」対話にするための戦略をルールとして書き下し、そのルールを利用して対話プランニングをする。
【0090】
なお、ある程度区切りがよく、再利用性があるようなエージェント間のやり取り(会話)の一かたまりを、ここでは「対話セット」と呼ぶこととする。対話プランニングは、新たなエージェントがサロンに入場するたびになされ、1つ以上の対話セットが実行されることになる。
【0091】
エージェントの退場は、基本的にはユーザによりオンデマンドで、たとえば、ディスプレイ20をタッチパネルとして利用することでなされるが、退場そのものを対話の一演出として盛り込むことも可能である。
【0092】
対話生成ルールは、以下の2種類に分類される。
オブジェクトルール…手元にあるデータをもとに典型的な対話セットのテンプレートを埋めることで、個別の対話セットを作成するルールであり、オブジェクトルールデータベース150に格納される。
【0093】
メタルール…現在の状況に応じて、より「面白い」対話にするためにオブジェクトルールを選択して利用するための戦略ルールであり、メタルールデータベース140に格納される。複数の対話セットをつなげて、対話全体の流れをスムーズにするような演出に関わるルールもここに属する。
【0094】
対話生成部160への入力として与えられるデータは、上述したような携帯ガイド端末内のエージェントが管理している個人情報である。
【0095】
こういった個人情報を利用して生成される対話セットの例を以下に示す。
以下のような対話セットのテンプレートがオブジェクトルールとして書き下される。
【0096】
OR1)ある1つのガイドエージェントが会話の主導権を持ち、それまでに見学/聴講してきた展示/発表を紹介する。その途中で、もしも他のガイドエージェント(つまりそのユーザ)も見学/聴講した展示/発表があった場合には、その展示/発表に関する各ユーザの評価をユーザ自身になり代わってしゃべったり、場合によっては、その展示/発表の展示者/発表者エージェントを呼出す。
【0097】
OR2)共通して見学/聴講した展示/発表にもかかわらず、その展示/発表に対する評価が異なる場合(ユーザAは展示/発表1を興味深いと感じたが、ユーザBはあまり興味がないと感じた場合)、その展示についての会話を始める。たとえば、ユーザ1のエージェント11が「展示1は面白かったよ。」と言うと、ユーザ2のエージェント12が「えっー、あれはつまらなかったよ。」と言う(議論モード)。そうすることで、ユーザ1とユーザ2は同じ対象(ここでは展示1)に対して異なる見解を持っていることを即時に知ることができ、より効率的に知識共有のための話題に到達することができる。
【0098】
OR3)ユーザAが1,2,3,4の展示を見学している場合で、ユーザBが2,4,5,6を見学しているときは、2人が2,4の展示を共通して見学していること(つまり、ある程度興味を共有していること)を2つのエージェントは知ることができる。したがって、ユーザBにはまだ見ていない1と3を、逆にユーザAには5と6を見学することを推薦することができる(推薦モード)。
【0099】
オブジェクトルールを利用するメタルール、つまり、ある戦略に基づいて対話を制御するルールとしては、以下のようなものが考えられる。
【0100】
MR1)複数ユーザの見学履歴を見比べたときに、共通して見学した展示の数があるしきい値を超えている場合は、彼らは興味が近いと解釈し、見学履歴の相違部分を互いに推薦し合う対話セット(推薦モード)を採用する。
【0101】
MR2)ユーザの見学履歴量に著しく差がある場合には、見学履歴の豊富なユーザのエージェントが会話の主導権を持つ。
【0102】
MR3)2人のユーザの年齢があるしきい値以上の差がある場合は、上記オブジェクトルールの「面白かった」、「つまらなかった」の対話セット(議論モード)を採用することは控える。
【0103】
MR4)どのユーザの見学履歴もまたほとんど空に近い場合、ユーザプロファイルに基づいた自己紹介をするだけで、自発的にエージェントはサロンから退場する。
【0104】
上記のとおり、オブジェクトルールは再利用性が高く、比較的、どのような場面でも通用する一般的なルールである。したがって、博物館とは異なるアプリケーションに適用する場合でも大きな変更は必要ない。
【0105】
一方、メタルールは、システムの適応領域に応じてそれが適しているか否かが全く異なる場合があり、デザイナーの直感が反映される部分である。したがって、異なるアプリケーションへの適用にあたっては、大幅な変更が必要となる可能性がある。
【0106】
このように対話生成ルールをオブジェクトルールとメタルールの階層に分けることにより、異なるアプリケーションにも「エージェントサロン」のシステムを柔軟かつ容易に適用することが可能となる。
【0107】
つまり、エージェントサロンが博物館で利用される場合には、各ユーザの見学履歴に応じて今後の見学の推薦をし合うことは役立つかもしれないが、口頭発表に基づく学会で利用される場合には、既に発表が終わってしまったものを推薦しても意味がない。また、テーマパークのようなところでは、「面白かった」、「つまらなかった」の対話をすることはそれほど問題ないと思われるが、学会等では、話題としては控えるのが適当である、というようにメタルールを変更すればよい。
【0108】
図6を参照して対話生成部160の動作を説明すると、まず、各ユーザの個人情報がデータベース130に格納されると、対話生成部160は、それら個人情報を比較して、互いの共通/相違部分を自動的に検出する。さらに、対話生成部160は、このような検出結果に応じて、メタルールデータベース140に格納されたメタルールに基づいてエージェント間の会話の方針を決定する。続いて、対話生成部160は、この方針に従って、オブジェクトルールデータベース150中に格納された「対話セット」に個人情報のデータを当てはめ、エージェント間の会話の台本を作成する。
【0109】
以上説明したように、前もって準備された知識ベースやWeb上のリソースなどを、比較的静的な情報を知識源として用いるのではなく、本発明に係るエージェントサロンは、ユーザ個人が蓄積している携帯ガイド端末の中に常駐するパーソナルエージェントが逐次蓄えているユーザの個人情報を用いて、対面したユーザ間の出会いと知識共有を演出する。それらの情報は、実時間/実空間に根差したものであるから、エージェントサロンで提供された情報は、各ユーザのその後の行動(見学)に即座に影響を与える可能性がある。
【0110】
本発明に係るエージェントサロンが行なっていることは、各ユーザの個人情報を比較して、互いの共通/相違部分を自動的に検出し、それをユーザに提示することである。このような観点からすると、エージェントサロン上の連想的情報探索システムも同じような役割を果たしている。しかし、それだけでは、可視化された知識空間の中から共有/相違部分を読取り、それらをさらなる議論に役立てる作業はすべてユーザ任せとなってしまう。
【0111】
本発明に係るエージェントサロンの特徴は、ユーザ間の知識/興味の共有/相違部分を自動的に読取り、それをストーリーとして表現することである。そのようにすることで、ユーザ間の情報伝達のコスト削減、よりカジュアルな利用、ユーザの情報理解と利用の促進が期待できる。
【0112】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明に係る知識共有促進システムでは、履歴情報の各ユーザ間の比較結果が、擬似会話としてユーザに提供されるので、複数のユーザの個別的な履歴情報に基づいて、複数のユーザ間で、各ユーザの有する履歴情報の関連性を相互に伝達することで、ユーザ同士の出会いや知識交換を促進することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る知識共有促進システムの構成を示す概念図である。
【図2】各ユーザの携帯ガイド端末に貯えられた見学履歴情報を示す概念図である。
【図3】図1に示した携帯ガイド端末101の構成を説明するための概略ブロック図である。
【図4】興味キーワードデータベース1062に格納されるデータの構成を示す概念図である。
【図5】交換情報データベース1070に格納されるデータの構成を示す概念図である。
【図6】ホストコンピュータ10の構成のうち、上記対話生成機能および対話表示機能を実現するための機能部分を抜き出して示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
1,2 ユーザ(見学者)、10 ホストコンピュータ、20 大画面ディスプレイ、30 赤外線センサ、100 知識共有促進システム、101,102携帯ガイド端末、110 データ通信部、120 データ入出力インターフェース部、130 データベース、140 メタルールデータベース、150 オブジェクトルールデータベース、160 対話生成部、170 対話表示部、1010 データ入力部、1020 演算処理部、1030 データ入出力インターフェース部、1040 表示部、1050 データ通信部、1060 個人プロファイル情報データベース、1062 興味キーワードデータベース、1064 見学履歴データベース、1070 交換情報データベース。
Claims (5)
- 複数のユーザ間の知識の共有化を行なう知識共有促進システムであって、
各前記ユーザに対応して、前記ユーザを特定するための個人プロファイル情報と所定の対象に対する見学履歴情報とを含む個人情報を格納するために前記ユーザがそれぞれ保持する複数の携帯端末を備え、
前記見学履歴情報は、見学期間中に入力される見学者自身の前記所定の対象に対する評価データを含み、
所定場所に設置され、前記複数のユーザのうち前記所定場所において時間を共有するユーザの前記履歴情報をそれぞれの前記携帯端末から取得するための通信手段と、
前記通信手段により取得された前記履歴情報の内容を分析し、コンピュータグラフィックスにより生成され各前記ユーザに対応するエージェント間での擬似会話として前記履歴情報の分析結果を構成するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記エージェント間での擬似会話において、対話セットのテンプレートに対応するオブジェクトルールを格納するためのオブジェクトルール格納手段と、
前記複数のユーザから与えられた前記個人情報の比較に応じて前記オブジェクトルールの選択および結合を行うためのメタルールを格納するメタルール格納手段と、
前記メタルールおよび前記オブジェクトルールに基づいて、前記擬似会話を構成するための対話生成部とを含み、
前記制御手段に制御されて、前記エージェントの擬似会話を出力するための第1の表示手段をさらに備える、知識共有促進システム。 - 前記対話生成部は、前記個人情報の比較に応じて、前記所定の対象のうち評価の相違している対象に関する擬似会話を構成する、請求項1記載の知識共有促進システム。
- 各前記携帯端末は、
前記ユーザに対して、各前記ユーザに対応するエージェントと当該ユーザとの対話として見学案内データを表示出力するための第2の表示手段と、
前記ユーザからの入力を受けるための入力手段とを含み、
前記エージェントは、対応するユーザが見学期間中は、前記第2の表示手段に表示され、前記対応するユーザが前記所定場所に到達した際にエントリ手続きを行なうと、前記第1の表示手段に表示される、請求項1記載の知識共有促進システム。 - 各前記携帯端末は、
前記見学履歴情報を格納するための履歴情報格納手段と、
前記所定の対象に関連するキーワードに対する重み係数を格納するための興味キーワード格納手段と、
前記携帯端末の動作を制御するための端末制御手段とをさらに含み、
前記端末制御手段は、
前記キーワードに対する重み係数を、見学期間中に入力される前記対応する見学者自身の前記所定の対象に対する評価データに応じて更新する、請求項1記載の知識共有促進システム。 - 前記対話生成部は、前記所定の対象のうち前記複数のユーザの一方がまだ見ていない未見学対象について、前記複数のユーザのうち前記未見学対象を見学済みの他方のユーザに対応する前記エージェントが、前記未見学対象についての感想とともに推薦する疑似会話を構成する、請求項1記載の知識共有促進システム。
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