JP3610737B2 - 転写定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像記録装置に用いられる転写定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の画像記録装置における、トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写定着する方法の一つに、記録媒体をトナー像担持体上のトナー像を間に挟むようにしてトナー像担持体に重ね合わせてこれらトナー像担持体および記録媒体に挟まれたトナー像を加熱するとともに加圧することによりトナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写するとともに定着する、いわゆる転写同時定着方式が知られている。この転写同時定着方式は、一般に広く採用されている、トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に静電的に転写した後、記録媒体に転写されたトナー像を加熱定着する方式に比べて、記録媒体の含水率の変動による抵抗値変動に対して安定であるという利点がある。
【0003】
転写同時定着方式として、例えば、特公昭46−41679号公報、特公平3−63756号公報、特公平3−63757号公報、特公平3−63758号公報などを上げることができる。
特公昭46−41679号公報には、記録媒体をトナー溶融温度以上に加熱し、その記録媒体をトナー像を担持する中間転写体に圧接することにより中間転写体上のトナー像を記録媒体に転写する方法が開示されている。
【0004】
特公平3−63756号公報には、中間転写体上のトナー像をトナー溶融温度より低い温度の加熱ロールで加熱するとともに、記録媒体をトナー溶融温度以上に加熱しておき、上記加熱ロールとトナー溶融温度以上に加熱した押圧ロールとのニップ部で、中間転写体、トナー像、および記録媒体を重ね合わせて加熱加圧することによりトナー像を記録媒体に転写定着する方法および装置が開示されている。
【0005】
特公平3−63757号公報には、特公平3−63756号公報の転写定着装置における押圧ロールの加熱温度を、トナー溶融温度より低い温度とした転写定着する方法および装置が開示されている。
特公平3−63758号公報には、特公平3−63756号公報の転写定着装置における記録媒体の加熱温度を、トナー溶融温度より低い温度とした転写定着する方法および装置が開示されている。
【0006】
これらの方法は、加熱と冷却のサイクルが繰り返される中間転写体の過度の加熱が抑制されるので熱効率が向上するとともに、記録媒体やトナー像を予備加熱しているので特に高速記録時における加熱不足によるオフセット現象などの定着不良が防止されるという利点を有している。しかしながら、これらの方法では、記録媒体の裏面がトナー溶融温度以上に加熱されているか、あるいは、記録媒体の裏面にトナー溶融温度以上に加熱された押圧部材が接触するため、記録媒体の両面に画像記録を行う場合に、第2面目の画像記録時に第1面目の画像記録プロセスで転写定着済みの画像が再溶融し、画質が劣化するという問題点がある。
【0007】
一方、特公昭57−20632号公報、特公昭58−36341号公報、特公昭64−1024号公報、特公昭64−1027号公報、特開平6−27833号公報、特開平8−248828号公報には、中間転写体上のトナー像をトナーの溶融温度以上に加熱した後、中間転写体を記録媒体と圧接させるか、あるいは、中間転写体の内側に配置した熱源で中間転写体上のトナー像を加熱しながら記録媒体に圧接させることによりトナー像を記録媒体に転写定着する方法が開示されている。これらの方法では、記録媒体裏面が過度に加熱されることがないため、両面に画像記録を行う場合の第1面目の転写定着画像が第2面目の転写定着時に再溶融して画質が劣化するのを防止することができる。特に、特開平6−27833号公報、特開平8−248828号公報に開示されている方法では、加熱冷却サイクルが繰り返される中間転写ベルトを主に加熱しているにもかかわらず、転写ベルトが転写定着部で加熱されたのち現像部に戻る途中の高温の中間転写ベルトと、現像部から転写定着部に移動する途中の低温の中間転写ベルトとの間で熱交換を行っているので熱効率が向上し消費電力が低減する効果がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれの方法においても、記録媒体裏面の圧接体には加熱手段が備えられていないため、記録媒体が多量の熱を奪い記録媒体と接する面のトナー流動性が低下して、特に高速で連続画像記録を続けているうちに定着不良を起こしやすくなるという問題点がある。
【0009】
また、転写同時定着方式に属する方法として、特開平5−19642号公報、特開平5−249798号公報を挙げることができる。特開平5−19642号公報および特開平5−249798号公報には、加熱加圧された中間転写体、トナー像および記録媒体を重ね合わせて保持したまま冷却を行い、冷却後、トナー像が形成された記録媒体を中間転写体から分離する方法が開示されている。これらの方法では、トナーの凝集力、トナーと記録媒体との接着力が十分大きい状態となってから記録媒体を中間転写体から分離しているため、転写同時定着方式以外のカラー電子写真方式における定着工程で通常用いられる離型オイルを用いる必要がない。従って、離型オイルの使用に起因する、画像記録後の記録媒体への加筆が困難であるという問題や、記録媒体上でのオイル筋の発生などによる不具合を回避することができる。また、記録媒体上に形成されたトナー像の光沢は、中間転写体の表面形状にならうため、所望の表面形状を有する中間転写体を用いることにより任意の光沢度を有する画像を得ることができるという利点もある。
【0010】
しかし、上記の方法により、記録媒体として表面が樹脂でコートされたコート紙、特に両面が樹脂でコートされた両面コート紙を用いて画像記録を行おうとすると、記録媒体内の水分が加熱により蒸発して水蒸気となり、その水蒸気が、記録媒体と中間転写体と間の接着力の弱い部分から局所的に放出され、その周辺においてトナー像が十分冷却される前に中間転写体と記録媒体との分離が始まってしまう。このため、中間転写体と記録媒体とが早い時期に分離した部分と、十分冷却してから分離した部分との間に画像表面の光沢度に差が生じ、光沢むらとして認識されるという問題点がある。
【0011】
この光沢むらの問題を解決するためには、例えば、特開平5−27603号公報に例示されているように、転写定着部の下流側にトナー像が十分冷却されて水蒸気が再び凝集するにいたるまで十分な加圧状態が保たれるような冷却装置を設けることが有効である。しかしながら、この方法では、冷却装置と中間転写体との摩擦が大きくなり中間転写体を駆動するために大きな動力を必要とするという問題点がある。またこの方法により、特に高速で画像記録を行うためには、加圧状態を保つべき距離あるいは面積を大きくしなければならず、移動する中間転写体と記録媒体とを均一に加圧することが困難となり、中間転写体と記録媒体との相対的なずれによる画像ずれや、不均一な加圧に起因する画像乱れが生じやすい。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑み、コート紙に両面画像記録を行う場合であっても光沢むらを発生することのない、熱利用効率に優れた転写定着装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の第1の転写定着装置は、表面にトナー像を担持しながら所定の方向に循環移動することにより上記トナー像を所定の転写位置に搬送するベルト状のトナー像担持体と、
所定の記録媒体を上記転写位置に搬送する記録媒体搬送手段と、
上記転写位置に供給された記録媒体を上記トナー像担持体上のトナー像を間に挟むように上記トナー像担持体に重ね合わせてこれらトナー像担持体および記録媒体に挟まれたトナー像を加熱するとともに加圧する一対の押圧体からなる加熱加圧手段とを有し、上記加熱加圧手段により上記トナー像担持体上のトナー像を上記記録媒体に転写するとともに定着する転写定着装置において、
上記トナー像担持体の移動方向に関して上記転写位置よりも上流側において上記トナー像担持体上のトナー像をトナー溶融温度以上に加熱する第1の加熱手段、
上記記録媒体を、上記記録媒体が上記転写位置に供給される手前の位置で上記トナーの溶融温度未満の温度に加熱する第2の加熱手段、
上記一対の押圧体のうちの上記記録媒体に接する側の押圧体を上記トナーの溶融温度未満の温度に加熱する第3の加熱手段、
上記加熱加圧手段により上記トナー像担持体に重ね合わされるとともに加熱および加圧された記録媒体を、これらトナー像担持体と記録媒体とに挟まれたトナーの温度が溶融温度未満の温度にまで低下した後に上記トナー像担持体から分離する記録媒体分離手段、および
上記トナー像担持体の移動方向に関して上記転写位置よりも下流側におけるトナー像担持体の熱を、上記トナー像担持体の移動方向に関して上記第1の加熱手段による上記トナー像担持体上のトナー像の加熱位置よりも上流側における上記トナー像担持体に輸送する熱輸送体を有し上記トナー像担持体上のトナー像を予備加熱する予備加熱手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、上記の目的を達成する本発明の第2の転写定着装置は、表面にトナー像を担持しながら所定の方向に循環移動することにより上記トナー像を所定の転写位置に搬送するベルト状のトナー像担持体と、
所定の記録媒体を上記転写位置に搬送する記録媒体搬送手段と、
上記転写位置に供給された記録媒体を上記トナー像担持体上のトナー像を間に挟むように上記トナー像担持体に重ね合わせてこれらトナー像担持体および記録媒体に挟まれたトナー像を加熱するとともに加圧する一対の押圧体からなる加熱加圧手段とを有し、上記加熱加圧手段により上記トナー像担持体上のトナー像を上記記録媒体に転写するとともに定着する転写定着装置において、
上記トナー像担持体の移動方向に関して上記転写位置よりも上流側において上記トナー像担持体上のトナー像をトナー溶融温度以上に加熱する第1の加熱手段、
上記トナー像担持体の移動方向に関して上記転写位置よりも下流側におけるトナー像担持体の熱を、上記記録媒体の搬送方向に関して上記記録媒体が上記転写位置に供給される手前の位置に輸送する熱輸送体を有し、上記手前の位置を通過する記録媒体を上記トナーの溶融温度未満の温度に加熱する第2の加熱手段、
上記一対の押圧体のうちの上記記録媒体に接する側の押圧体を上記トナーの溶融温度未満の温度に加熱する第3の加熱手段、および
上記加熱加圧手段により上記トナー像担持体に重ね合わされるとともに加熱および加圧された記録媒体を、これらトナー像担持体と記録媒体とに挟まれたトナーの温度が溶融温度未満の温度にまで低下した後に上記トナー像担持体から分離する記録媒体分離手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明において、トナー像担持体とは、表面に静電潜像が形成されその静電潜像が一次帯電、露光および現像の一連の画像形成工程により顕像化されてトナー像とされたトナー像を担持する感光体、あるいは、一次帯電、露光および現像の一連の画像形成工程により感光体上に形成されたトナー像に静電気力、圧力、粘着力などを作用させることによりそのトナー像の転写を受けた中間転写体、あるいは、誘電体上に電子銃あるいはイオン銃を用いて静電潜像を形成した後、現像工程を施すことによりトナー像とされたそのトナー像を担持する誘電体などを意味している。
【0016】
なお、本発明においては、トナー溶融温度は、以下のように定義している。すなわち、加圧成形機にて成形した1.5gのトナーを、市販のフローテスタを用いて、昇温速度5℃/分で、温度60℃から150℃まで3℃きざみで昇温させながら、荷重98N(10kgf)、ノズル直径0.5mm、ノズル長さ1mmのノズルから押し出した場合のトナー流出量を測定して見掛け粘度η’(poise)を求め、この見掛け粘度η’が104poiseとなる温度をトナー溶融温度と定義している。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の転写定着装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
第1の実施形態は、本発明の第1の転写定着装置を電子写真方式のカラー画像記録装置に適用した場合の実施形態である。
【0018】
図1には、表面1aにトナー像Tを担持しながら矢印A方向に循環移動することによりトナー像Tを転写定着位置Pに搬送するベルト状の中間転写体1と、中間転写体1を駆動する駆動ロール2と、記録用紙Sを転写位置Pに搬送する用紙搬送装置50と、転写位置Pに供給された記録媒体Sを中間転写体1上のトナー像Tを間に挟むように中間転写体1に重ね合わせてこれら中間転写体1および記録媒体Sに挟まれたトナー像Tを加熱するとともに加圧する一対の押圧ロール4,5とを備え、押圧ロール4,5により中間転写体1上のトナー像Tを記録媒体Sに転写するとともに定着する転写定着装置100が示されている。用紙搬送装置50は、用紙トレイ50a、用紙搬送ローラ50b,50c,50d,50eからなる。
【0019】
さらに、この転写定着装置100は、中間転写体1の移動方向Aに関して転写位置Pよりも上流側において中間転写体1の裏面1b側に接して配置された、中間転写体1上のトナー像Tをトナー溶融温度以上に加熱するアルミニウム板3aおよびシリコンラバーヒータ3bからなる加熱部材3と、記録媒体Sが転写位置Pに供給される手前の位置で、記録媒体Sをトナーの溶融温度未満の温度に加熱する、内部にハロゲンランプ7を備えた用紙加熱ロール20a,20bと、押圧ロール4,5内部にそれぞれ備えられ、押圧ロール4,5を加熱するハロゲンランプ7と、押圧ロール4,5により中間転写体1に重ね合わされるとともに加熱および加圧された記録媒体Sを、中間転写体1と記録媒体Sとに挟まれたトナーの温度が溶融温度未満の温度にまで低下した後に中間転写体1から分離する分離ロール8と、中間転写体1の移動方向Aに関して転写位置Pよりも下流側における中間転写体1の熱を、中間転写体1の移動方向Aに関して加熱部材3よりも上流側における中間転写体1に輸送するアルミニウムブロック31、ヒートパイプ33、アルミニウムブロック32よりなるトナー像Tを予備加熱する予備加熱部30とを備えている。
【0020】
この転写定着装置100が組み込まれているカラー画像記録装置は、記録媒体の表裏両面に画像記録が行われる両面モードと、記録媒体の片面のみに画像記録が行われる片面モードとの2つの画像記録モードを有している。この画像記録モードは画像記録に先立ち、外部からの画像データに基づき、あるいは操作者からの指示に基づき設定される。この転写定着装置100には、設定された画像記録モードに応じて記録媒体の搬送経路を切り替え、記録媒体の表裏を反転するための用紙搬送経路切替器52a,52b、用紙搬送ローラ53a,53b,53c,53d,53e,53f,53gよりなる用紙反転部53が備えられている。
【0021】
本実施形態における中間転写体1は本発明にいうトナー像担持体に相当するものであり、用紙搬送装置50は本発明にいう記録媒体搬送手段に相当するものであり、加熱部材3は本発明にいう第1の加熱手段に相当するものであり、用紙加熱ロール20a,20b内部に備えられたハロゲンランプ7は本発明にいう第2の加熱手段に相当するものであり、押圧ロール5の内部に備えられたハロゲンランプ7は本発明にいう第3の加熱手段に相当するものであり、押圧ロール4,5は本発明にいう一対の押圧体に相当するものであり、この押圧ロール4,5および押圧ロール5の内部に備えられた上記ハロゲンランプ7は本発明にいう加熱加圧手段に相当するものであり、アルミニウムブロック31、ヒートパイプ33、アルミニウムブロック32よりなる予備加熱部30は本発明にいう予備加熱手段に相当するものであり、ヒートパイプ33は本発明にいう熱輸送体に相当するものであり、分離ロール8は本発明にいう記録媒体分離手段に相当するものである。
【0022】
次に、このように構成された本実施形態の転写定着装置の動作について説明する。
中間転写体1上には、図示しないトナー像形成装置による一次帯電、露光および現像の一連の電子写真方式の画像形成工程により感光体上に形成されたトナー像に静電気力、圧力、粘着力などを作用させることによって形成されたトナー像Tが担持されている。トナー像Tは、単色トナー像あるいは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像が重ね合わされて形成された多重トナー像のいずれであってもよい。
【0023】
本実施形態に用いられるトナーは、イエロー、マゼンタ、シアンなどの顔料を含有した熱可塑性のバインダ樹脂で構成し、溶融温度130℃のものが用いられている。
本実施形態では、中間転写体1は、ベース層と表面層とから成る2層構造のものが用いられており、ベース層としては、カーボンブラックを添加した厚さ75μmのポリイミドが用いられ、表面層としては、厚さ50μmの室温硬化型シリコーンゴムが用いられている。なお、本実施形態には、無端ベルト状の中間転写体1が用いられているが、ロール状の中間転写体を用いてもよい。
【0024】
中間転写体1は、中間転写体1を駆動する駆動ロール2、中間転写体1に一定の張力を付加するテンションロール6a,6b、押圧ロール4および分離ロール8により張架され、160mm/sのスピードで矢印A方向に循環移動することによりトナー像Tを転写位置Pに向けて搬送する。
転写位置Pに向けて搬送されたトナー像Tは、先ず、転写位置Pよりも上流側に配置された加熱部材3よりもさらに上流側に配置された予備加熱部30のアルミニウムブロック31により中間転写体1の裏面1b側から予備加熱される。
【0025】
予備加熱部30は、このアルミニウムブロック31と、転写位置Pよりも下流側に配置されたアルミニウムブロック32と、これら2つのアルミニウムブロック間で熱輸送を行うヒートパイプ33とからなる。アルミニウムブロック31は、中間転写体1の移動経路に沿った曲率半径800mmの曲面形状を有する部材であり、アルミニウムブロック31の、中間転写体1の移動方向Aに交わる方向にヒートパイプ33を挿通するための貫通孔が開口されている。ヒートパイプ33は、アルミニウムブロック31,32それぞれの貫通孔に挿通されて密閉された管路を形成しており、高温側のアルミニウムブロック32と低温側のアルミニウムブロック31の間で作動液が循環自在に流通するように構成されている。この予備加熱部30は、アルミニウムブロック31,32、およびヒートパイプ33の各ブロックに分割可能な構成となっており、各ブロックの間にはスペーサーとして、10mm角、厚さ0.5mmのテフロン(商品名)シートが挿入され相互に結合されている。
【0026】
このように構成したことにより、アルミニウムブロック31とアルミニウムブロック32との間でヒートパイプ33による熱交換が行われ、アルミニウムブロック31に接する中間転写体1およびトナー像Tが予備加熱されるとともに、アルミニウムブロック32に接する中間転写体1、トナー像Tおよび記録用紙Sが冷却される。
【0027】
本実施形態では、本発明の予備加熱手段に相当する予備加熱部30は、アルミニウムブロック31,32とヒートパイプ33とを組み合わせた構成としているが、本発明の予備加熱手段としては、温度差のある2つの部位のトナー像担持体にそれぞれ接触して高温の部位のトナー像担持体の熱を低温の部位のトナー像担持体に輸送する機能を有するものであればよく、その構成は上記のもののみに限定されるものではない。しかし、熱輸送の機能が定常状態となるまでの立上がり時間が短いことが望ましく、また、熱の輸送効率に支障がない範囲でより熱容量が小さくなるような構成とすることが望ましい。このような加熱手段の具体的な構成例としては、例えば、上記のヒートパイプに代表される固定式の熱良導体や、ロール状またはベルト状の循環移動体式のものを挙げることができる。このような予備加熱部30を備えることにより、中間転写体1の加熱冷却サイクルにおける熱エネルギー効率を向上させ、消費電力の少ない転写定着装置を実現することができる。
【0028】
中間転写体1上のトナー像Tは、予備加熱部30のアルミニウムブロック31により予備加熱された後、転写位置Pよりも上流側において中間転写体1の裏面1b側に接して配置された第1の加熱手段である加熱部材3によりトナー溶融温度以上の温度に加熱される。
加熱部材3は、曲率半径が800mm、曲面の長さが120mmの曲面形状の厚さ2mmのアルミニウム板3aに、シリコーンラバーヒータ3bを貼付したものを用いている。この加熱部材3は、175℃に制御されており、トナー像Tをその溶融温度130℃以上の温度に加熱する。
【0029】
本実施形態では、第1の加熱手段としての加熱部材3に、曲面形状のアルミニウム板3aにシリコーンラバーヒータ3bを貼付したものを用いているが、第1の加熱手段は、中間転写体1と中間転写体1上のトナー像Tとを予めトナー溶融温度以上に加熱できるものであれば、上記の構成のものに限らずどのような構成の加熱部材を用いてもよい。また、加熱部材は、単一の部材であっても複数の部材を組み合わせたものであってもよい。
【0030】
加熱部材3を配置する部位は、中間転写体1の裏面1bに接して配置してもよく、または、中間転写体1の表面1aから離れた位置に配置してもよい。あるいは、自己発熱体を用いて中間転写体1を構成することにより中間転写体内部から発熱するようにしてもよい。加熱部材3を配置する部位を、中間転写体1のトナー像Tを担持する表面1aから離れた位置とした場合は、加熱部材3によってトナー像Tが乱されるのを防止するため、非接触式の加熱手段、例えば、輻射熱を利用する加熱方式であることが望ましい。また、トナー像Tが複数の色からなる多重トナー像である場合は、トナーの吸光特性の差による加熱むらが生じないよう、遠赤外線加熱方式であることが望ましい。中間転写体1と中間転写体1上のトナー像Tを加熱する時間は、トナー溶融温度以上に両者が加熱される時間以上であればよいが、特に、トナー像Tの厚さが場所によって異なる多重のカラー画像では、トナーの溶融むらを防止するため、中間転写体1とトナー像Tとの厚さ方向での温度分布が一様になるよう、充分な加熱時間をとることが望ましい。中間転写体1やトナーの材質、厚さ、加熱手段などによっても異なるが、加熱時間として具体的には、0.3秒以上であることが望ましい。
【0031】
本実施形態では、中間転写体1とトナー像Tがこのように広い領域にわたって予備加熱されるため、中間転写体を高速で循環移動させることが可能となり高速の転写定着装置を実現することができる。
記録用紙Sが転写位置Pに供給される手前の位置には、記録用紙Sをトナー溶融温度未満の温度に加熱する、本発明の第2の加熱手段である用紙加熱ロール20a,20bが配置されている。記録用紙Sとしては、坪量129g/mの王子製紙(株)製OKスーパーアート紙を用いている。
【0032】
本発明の転写定着装置には、記録用紙Sとしてコート紙が用いられる場合にのみ、用紙加熱ロール20a,20bを作動させるよう制御する制御手段を備えることが好ましい。このような制御を行うことにより記録用紙Sとして普通紙が用いられる場合には、コート紙におけるような樹脂コート層による記録用紙内の水分による画像光沢むらの問題がないので、転写定着工程前に記録用紙を乾燥しておく必要がないので、用紙加熱ロール20a,20bの作動を停止させるようにすることができる。
【0033】
なお、コート紙とは、用紙基材に樹脂を結着剤とした顔料塗工層を設けた用紙のことであり、顔料塗工層片面あたりの塗工量が20g/m 前後であるものをいう。コート紙の基材としては、特に限定されるものではないが、例えば、広く知られている酸性または中性の上質紙や中質紙、更紙、再生紙、合成紙などを用いることができる。これらに使用される填料は特に限定されるものではなく、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョークなどの炭酸カルシウム類や、カオリン、焼成クレー、パイオロフィライト、セリサイト、タルクなどのケイ酸類や、二酸化チタンなどの無機填料および尿素樹脂、スチレンなどの有機顔料などを用いることができる。サイズ剤も特に限定されるものではなく、例えば、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などのサイズ剤を用いることができ、硫酸バンド、カチオン化澱粉など、適当なサイズ剤と繊維との定着剤を組み合せて使用する。このほかに、紙力増強剤、染料、pH調整剤などを添加してもよい。顔料塗工層としては、例えば、白色顔料塗工層の場合は、その顔料として、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクサイトなどの鉱物質顔料やポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホリマリン樹脂微粒子、微小中空粒子やその他の有機系顔料などを単独もしくは複数組み合せて用いることができる。また、顔料を結着するための樹脂としては、水溶性接着剤あるいはエマルジョン、ラテックスなどを単独で、あるいは混合して用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉類、ゼラチン、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミドーアクリル酸−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−アクリル樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性樹脂やアクリル系エマルジョン、酢ビ系エマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポリエステル系エマルジョン、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンラテックスなどを用いることができる。
【0034】
用紙加熱ロール20a,20bとしては、いずれも、アルミニウム製のロール基体上に厚さ2mmのシリコーンゴム層を被覆して形成したロールが用いられている。用紙加熱ロール20a,20bの内部には加熱温度が90℃に制御されたハロゲンランプ7が配置されており、トナー像Tはその溶融温度130℃未満の温度に加熱される。用紙加熱ロール20a,20bによる圧接時のニップ幅は、ロール長手方向の中央部で6mmである。
【0035】
中間転写体1は、用紙加熱ロール20a,20bにより加熱された後、転写位置Pに配置された押圧ロール4、5のニップ部に移動する。
本実施形態の転写定着装置では、図示しない制御回路により、第1の加熱手段である加熱部材3で加熱された中間転写体1上のトナー像Tが転写位置Pに到達するタイミングに合わせて、第2の加熱手段である用紙加熱ロール20a,20bで加熱された記録用紙Sが転写位置Pに到達するように制御されている。
【0036】
転写位置Pには、第3の加熱手段を構成する一対の押圧ロール4,5が備えられている。押圧ロール4,5は、アルミニウム製のロール基体上に厚さ3mmのシリコーンゴム層を被覆して形成したロールであり、押圧ロール4,5の内部にはそれぞれハロゲンランプ7が配置されており、一対の押圧ロール4,5のうちの中間転写体1の裏面1bに接する押圧ロール4の温度は140℃に制御され、記録用紙Sに接する押圧ロール5の温度は90℃、すなわちトナーの溶融温度未満の温度に制御されている。このように、中間転写体1のトナー像Tを担持しない側の押圧ロール5の温度を、中間転写体1のトナー像Tを担持する側の押圧ロール4より低い温度に制御することにより、この転写定着装置を用いて記録用紙Sの両面に画像記録を行う場合に、第1面への画像記録が終わって第2面への画像記録が行われる際に、第1面への加熱がトナー溶融温度未満の温度に抑えられているため、第1面の画像の再溶融による画質劣化を防止することができる。
【0037】
一対の押圧ロール4,5による圧接時のニップ幅は、ロール長手方向の中央部で6mmである。また、押圧ロール4,5により中間転写体1と記録媒体Sとが加熱加圧される時間は、転写定着後に十分な定着強度が得られるだけの時間に設定される。特に、カラー画像の場合は、発色が十分で、かつ中間転写体1に接する側の押圧ロール4からの熱伝導により、両面画像記録の場合の第2面への画像記録時に第1面の画像の画質が劣化しない範囲内の時間に設定する。具体的には、トナーの材質や中間転写体1の材質、厚さ、第3の加熱手段の加熱温度によっても異なるが、おおよそ0.02秒以上0.1秒以下であることが望ましい。
【0038】
この転写位置Pに、加熱部材3で加熱された中間転写体1上のトナー像Tが搬送されてくるタイミングに合わせて、用紙加熱ロール20a,20bで加熱された記録用紙Sが転写位置Pに供給される。記録用紙Sは転写位置Pに供給される前に第2の加熱手段により加熱されて十分に乾燥しているので、記録用紙Sとして両面コート紙を用いた場合でも、転写位置Pから分離ロール8に至るまでの間に、記録用紙S中の水分の蒸発により中間転写体1と記録用紙Sとが部分的に分離するようなことが起こらず、光沢むらのない画像を得ることができる。また、記録用紙Sの加熱温度はトナーの溶融温度未満に保たれているため、本実施形態の転写定着装置を用いて両面画像記録を行う場合の第2面目の画像記録時に、第1面目の画像がトナー溶融温度以上に加熱されることがなく、第1面目の画像の再溶融による画質劣化が防止される。
【0039】
以上説明した加熱加圧手段により、中間転写体1、トナー像T、記録用紙Sは加熱されるとともに加圧されて中間転写体1上のトナー像Tは記録用紙Sに転写されるとともに定着されるが、押圧ロール4,5のニップ部を通過した後、中間転写体1と記録用紙Sはトナー像Tを間に挟んで互いに密着したまま移動して予備加熱手段を構成するアルミニウムブロック32の位置に至りアルミニウムブロック32に熱を奪われて冷却される。
【0040】
アルミニウムブロック32の位置を通過した後、中間転写体1と記録用紙Sはトナー像Tを間に挟んだままさらに自然冷却されながら移動し分離ロール8の位置に至り、記録用紙Sのこしの強さにより記録用紙Sがその中間転写体1から分離され用紙搬出装置51により用紙搬送経路切替器52aに向けて搬送される。ここで、画像記録モードが片面モードに設定されている場合は、用紙搬送経路切替器52aにより記録用紙Sは機外に排出され、片面記録画像が完成する。なお、画像記録モードが両面モードに設定されていて第2面目の画像記録が終了した状態である場合は、用紙搬送経路切替器52aにより記録用紙Sは機外に排出され、両面記録画像が完成する。
【0041】
しかし、画像記録モードが両面モードに設定されていて第1面目の画像記録が終了した状態である場合は、記録用紙Sは用紙搬送経路切替器52aおよび用紙搬送ローラ53a,53b,53c,53dにより表裏が反転された後、記録用紙Sは用紙搬送経路切替器52bおよび用紙搬送ローラ53c,53d,53e,53f,53g,50c,50dにより用紙加熱ロール20a,20bに搬送されて加熱され、続いて転写位置Pに向けて搬送される。一方、中間転写体1上に第2面目の画像となるトナー像Tが形成された後、そのトナー像Tが中間転写体1により搬送されて転写位置Pに到達するタイミングに合わせて記録用紙Sも転写位置Pに供給される。加熱加圧手段による転写定着工程以降の各工程は、第面目の画像記録におけると同様である。
【0042】
この転写定着装置100を組み込んだカラー画像記録装置を用いて両面モードおよび片面モードで画像記録を行った結果、記録用紙S上に得られた画像は、両面モードの場合も、片面モードの場合も、定着強度、発色ともに良好で、光沢むらもみられなかった。
なお、記録用紙Sが分離された後の中間転写体1は、必要に応じて、冷却ファン10により、次の画像形成サイクルにおけるトナー像形成に支障のない温度まで冷却される。
【0043】
本実施形態では、トナー像の転写定着を行う加熱加圧手段および記録用紙Sの加熱を行う第2の加熱手段にそれぞれ一対のロール(押圧ロール4,5および用紙加熱ロール20a,20b)が用いられているが、これらの各手段は必ずしも一対のロールで構成されなければならないわけではなく、加熱加圧手段は、記録用紙Sを中間転写体1上に重ね合わせて中間転写体1および記録用紙Sに挟まれたトナー像Tを加熱するとともに加圧して中間転写体1上のトナー像Tを記録用紙Sに転写するとともに定着する機能を有するものであればよく、また、第2の加熱手段は、記録用紙Sを記録用紙Sが転写位置Pに供給される手前の位置でトナーの溶融温度未満の温度に加熱する機能を有するものであればよい。例えば、一対のロールの代わりに加熱ヘッドと押圧パッドとを組み合わせた構成などを挙げることができる。また、これらの各加熱手段の熱源についてもその加熱方式や配置位置などは特に限定されない。
【0044】
本実施形態では、記録媒体として記録用紙を用いているが、記録用紙の他、金属板、木製の板、織物、樹脂シートなど、トナー像の加熱加圧により画像を形成することができるものであればどのような記録媒体をも用いることができる。
なお、本実施形態では、加熱加圧手段により加熱および加圧された記録用紙Sがアルミニウムブロック32で冷却された後に中間転写体1から分離されるように構成されているが、記録用紙Sが中間転写体1から分離されるタイミングは、上記構成のみに限定されるものではなく、要は、記録用紙Sと中間転写体1とに挟まれたトナーの温度がトナーの溶融温度未満の温度にまで低下した後であればよく、例えば、加熱加圧手段による加熱加圧の直後であってもよい。また、予備加熱部30のアルミニウムブロック32の配置位置は、記録用紙Sが中間転写体1から分離される前に限定されるものではなく、中間転写体1上に次のトナー像Tが形成される以前であればどのような位置でもよく、例えば、記録用紙Sが中間転写体1から分離された後であってもよい。また、本実施形態では、記録用紙Sを中間転写体1から分離するのに記録用紙Sのこしの強さを利用しているが、例えば、剥離爪を用いて分離する方法などを採用してもよい。
【0045】
次に、本発明の転写定着装置の第2の実施形態について説明する。
図2は、本発明の転写定着装置の第2の実施形態における主要部分の概略構成図である。
図2に示すように、この転写定着装置の主要部分は、第1の実施形態(図1参照)における主要部分とは、第2の加熱手段および予備加熱手段が若干異なっている。すなわち、第1の実施形態においては、中間転写体1の移動方向に関して転写位置Pよりも下流側における中間転写体1の熱を、中間転写体1の移動方向に関して第1の加熱手段による中間転写体1上のトナー像の加熱位置よりも上流側における中間転写体1に輸送する熱輸送体(ヒートパイプ33)を有し、中間転写体1上のトナー像を予備加熱するよう構成された予備加熱手段が備えられているが、第2の実施形態においては、中間転写体1の移動方向に関して転写位置Pよりも下流側における中間転写体1の熱を、記録媒体Sの搬送方向に関して記録媒体Sが転写位置Pに供給される手前の位置に輸送する熱輸送体(ヒートパイプ33)を有し、上記手前の位置を通過する記録媒体Sをトナーの溶融温度未満の温度に加熱するよう構成された第2の加熱手段が備えられている。つまり、第1の実施形態と第2の実施形態とでは、本発明にいう熱輸送体に相当するヒートパイプの適用部位が互いに相違している。
【0046】
本実施形態における第2の加熱手段について図2を参照しながらさらに詳細に説明する。
記録用紙Sの搬送方向に関して記録用紙Sが押圧ロール4,5が対向する転写位置Pに供給される手前の位置には、記録用紙Sの搬送経路に沿って記録用紙Sの表裏面にそれぞれ接する回転ベルト45,46が設けられている。回転ベルト45は、内部にハロゲンランプ7を有する加熱ローラ41および断熱ローラ42に巻き掛けられており、回転ベルト46は、2本の断熱ローラ43,44に巻き掛けられている。さらに、回転ベルト46の記録用紙Sと接する表面に対する裏面側に接してアルミニウムブロック31が配備されている。アルミニウムブロック31はヒートパイプ33に接続され、さらにヒートパイプ33は中間転写体1の移動方向に関して転写位置Pよりも下流側に配置されたアルミニウムブロック32に接続されている。
【0047】
本実施形態では、アルミニウムブロック31は、アルミニウムブロック32よりも鉛直方向に関して上方に位置するように各部材の配置が定められている。このように、アルミニウムブロック31をアルミニウムブロック32より高い位置に配置することにより、転写同時定着された後の中間転写体1と、転写位置Pに供給される前の記録媒体Sとの間のヒートパイプ33による熱交換が効率よく行われる。
【0048】
このように構成したことにより、アルミニウムブロック31とアルミニウムブロック32との間でヒートパイプ33による熱交換が行われ、アルミニウムブロック31に接する中間転写体1およびトナー像Tが予備加熱されるとともに、アルミニウムブロック32に接する中間転写体1、トナー像Tおよび記録用紙Sが冷却される。
【0049】
この転写定着装置200を組み込んだ画像記録装置を用いて両面モードおよび片面モードで画像記録を行った結果、記録用紙S上に得られた画像は、両面モードの場合も、片面モードの場合も、定着強度、発色ともに良好で、光沢むらもみられなかった。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の転写定着装置によれば、転写同時定着方式の転写定着装置において、転写位置よりも上流側においてトナー像担持体上のトナー像をトナー溶融温度以上に加熱する第1の加熱手段、記録媒体が転写位置に供給される手前の位置で記録媒体をトナーの溶融温度未満の温度に加熱する第2の加熱手段、一対の押圧体のうちの記録媒体に接する側の押圧体をトナーの溶融温度未満の温度に加熱する第3の加熱手段、トナーの温度が溶融温度未満の温度にまで低下した後に記録媒体をトナー像担持体から分離する記録媒体分離手段、および転写位置よりも下流側におけるトナー像担持体の熱を、第1の加熱手段によるトナー像担持体上のトナー像の加熱位置よりも上流側におけるトナー像担持体に輸送する熱輸送体を有しトナー像担持体上のトナー像を予備加熱する予備加熱手段を備えたことにより、両面コート紙を用いて両面画像記録を行う場合でも光沢むらのない高画質の両面画像が得られる、消費電力の低い転写定着装置を実現することができる。
【0051】
また、本発明の第2の転写定着装置によれば、転写同時定着方式の転写定着装置において、転写位置よりも上流側においてトナー像担持体上のトナー像をトナー溶融温度以上に加熱する第1の加熱手段、転写位置よりも下流側におけるトナー像担持体の熱を、記録媒体が転写位置に供給される手前の位置に輸送する熱輸送体を有し、その位置を通過する記録媒体をトナーの溶融温度未満の温度に加熱する第2の加熱手段、一対の押圧体のうちの記録媒体に接する側の押圧体をトナーの溶融温度未満の温度に加熱する第3の加熱手段、およびトナーの温度が溶融温度未満の温度にまで低下した後に記録媒体をトナー像担持体から分離する記録媒体分離手段を備えたことにより、両面コート紙を用いて両面画像記録を行う場合でも光沢むらのない高画質の両面画像が得られる、消費電力の低い転写定着装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写定着装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の転写定着装置の第2の実施形態における主要部分の概略構成図である。
【符号の説明】
1 中間転写体
1a 表面
1b 裏面
2 駆動ロール
3 加熱部材
3a アルミニウム板
3b シリコンラバーヒータ
4,5 押圧ロール
6a,6b テンションロール
7 ハロゲンランプ
8 分離ロール
10 冷却ファン
20a,20b 用紙加熱ロール
30 予備加熱部
31,32 アルミニウムブロック
33 ヒートパイプ
41 加熱ローラ
42,43,44 断熱ローラ
45,46 回転ベルト
50 用紙搬送装置
50a 用紙トレイ
50b,50c,50d,50e 用紙搬送ローラ
51 用紙搬出装置
52a,52b 用紙搬送経路切替器
53 用紙反転部
53a,53b,53c,53d,53e,53f,53g 用紙搬送ローラ
100 転写定着装置
200 転写定着装置(主要部分)

Claims (6)

  1. 表面にトナー像を担持しながら所定の方向に循環移動することにより該トナー像を所定の転写位置に搬送するベルト状のトナー像担持体と、所定の記録媒体を前記転写位置に搬送する記録媒体搬送手段と、
    前記転写位置に供給された記録媒体を前記トナー像担持体上のトナー像を間に挟むように該トナー像担持体に重ね合わせてこれらトナー像担持体および記録媒体に挟まれたトナー像を加熱するとともに加圧する一対の押圧体からなる加熱加圧手段とを有し、該加熱加圧手段により前記トナー像担持体上のトナー像を前記記録媒体に転写するとともに定着する転写定着装置において、
    前記トナー像担持体の移動方向に関して前記転写位置よりも上流側において前記トナー像担持体上のトナー像をトナー溶融温度以上に加熱する第1の加熱手段、
    前記記録媒体を、該記録媒体が前記転写位置に供給される手前の位置で前記トナーの溶融温度未満の温度に加熱する第2の加熱手段、
    前記一対の押圧体のうちの前記記録媒体に接する側の押圧体を前記トナーの溶融温度未満の温度に加熱する第3の加熱手段、
    前記加熱加圧手段により前記トナー像担持体に重ね合わされるとともに加熱および加圧された記録媒体を、これらトナー像担持体と記録媒体とに挟まれたトナーの温度が溶融温度未満の温度にまで低下した後に該トナー像担持体から分離する記録媒体分離手段、および
    前記トナー像担持体の移動方向に関して前記転写位置よりも下流側におけるトナー像担持体の熱を、前記トナー像担持体の移動方向に関して前記第1の加熱手段による前記トナー像担持体上のトナー像の加熱位置よりも上流側における前記トナー像担持体に輸送する熱輸送体を有し該トナー像担持体上のトナー像を予備加熱する予備加熱手段を備えたことを特徴とする転写定着装置。
  2. 表面にトナー像を担持しながら所定の方向に循環移動することにより該トナー像を所定の転写位置に搬送するベルト状のトナー像担持体と、所定の記録媒体を前記転写位置に搬送する記録媒体搬送手段と、
    前記転写位置に供給された記録媒体を前記トナー像担持体上のトナー像を間に挟むように該トナー像担持体に重ね合わせてこれらトナー像担持体および記録媒体に挟まれたトナー像を加熱するとともに加圧する一対の押圧体からなる加熱加圧手段とを有し、該加熱加圧手段により前記トナー像担持体上のトナー像を前記記録媒体に転写するとともに定着する転写定着装置において、
    前記トナー像担持体の移動方向に関して前記転写位置よりも上流側において前記トナー像担持体上のトナー像をトナー溶融温度以上に加熱する第1の加熱手段、
    前記トナー像担持体の移動方向に関して前記転写位置よりも下流側におけるトナー像担持体の熱を、前記記録媒体の搬送方向に関して該記録媒体が前記転写位置に供給される手前の位置に輸送する熱輸送体を有し、該手前の位置を通過する記録媒体を前記トナーの溶融温度未満の温度に加熱する第2の加熱手段、
    前記一対の押圧体のうちの前記記録媒体に接する側の押圧体を前記トナーの溶融温度未満の温度に加熱する第3の加熱手段、および
    前記加熱加圧手段により前記トナー像担持体に重ね合わされるとともに加熱および加圧された記録媒体を、これらトナー像担持体と記録媒体とに挟まれたトナーの温度が溶融温度未満の温度にまで低下した後に該トナー像担持体から分離する記録媒体分離手段を備えたことを特徴とする転写定着装置。
  3. 前記記録媒体としてコート紙が用いられる場合にのみ前記第2の加熱手段を作動させるよう制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の転写定着装置。
  4. 前記熱輸送体が、ヒートパイプを備えたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の転写定着装置。
  5. 前記熱輸送体が、前記像担持体の移動方向に配列された複数のヒートパイプを備えたものであることを特徴とする請求項4記載の転写定着装置。
  6. 前記転写定着装置が、溶融温度90℃以上のトナーを用いて形成されたトナー像を前記記録媒体に転写するとともに定着するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の転写定着装置。
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