JP3609611B2 - エコー除去方法およびエコーキャンセラ - Google Patents

エコー除去方法およびエコーキャンセラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はエコー除去方法およびエコーキャンセラに関し、特にたとえばハンズフリー電話やテレビ会議などでフルデュプレクスを実現するために利用される、エコー除去方法およびエコーキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハンズフリー電話やテレビ会議などにおいてフルデュプレクスを実現するために利用されるエコーキャンセラでは、通話音声を用いて適応フィルタ係数を更新し、エコーパスを推定する。この推定アルゴリズムとしては、演算量の比較的少ない学習同定法が多く用いられている。
【0003】
図9に、従来のエコーキャンセラ1の一例を示す。エコーキャンセラ1は、回線エコーを除去する回線エコーキャンセラとして構成されたものであり、学習同定法によって適応フィルタ係数を更新する。
【0004】
図9および図10を参照してエコーキャンセラ1の動作を説明する。
【0005】
エコーキャンセラ1では、まず、エコー信号y、擬似エコー信号Y、適応フィルタ係数、参照入力信号バッファ内の値x、除去誤差信号e等が初期化される(ステップS1)。そして、A/D変換器2によってディジタル化されたマイク入力信号がサンプリングされて参照入力信号Xとして参照入力信号バッファ3に入力される(ステップS3)。
【0006】
ついで、時刻jにおける、適応フィルタ4内の適応フィルタ係数Pj(i)と、参照入力信号Xすなわち参照入力信号バッファ3内の値xj(i)とが積和演算部5で数1に示すように積和演算され、時刻jにおける擬似エコー信号Yjが生成される(ステップS5)。
【0007】
【数1】
Figure 0003609611
【0008】
そして、A/D変換器6より出力されるエコー信号yjから擬似エコー信号Yjが減算器7において数2に示すように減算されて、時刻jにおける除去誤差信号ejが算出される(ステップS7)。
【0009】
【数2】
Figure 0003609611
【0010】
その後、時刻jにおける、除去誤差信号ej、適応フィルタ係数Pj(i)、参照入力信号Xすなわち参照入力信号バッファ3内の値xj(i)に基づいて、係数更新部8で数3に示すように適応フィルタ係数Pj+1(i)が更新され、時刻j+1における適応フィルタ係数とされる(ステップS9)。
【0011】
【数3】
Figure 0003609611
【0012】
上述のステップS3〜ステップS9を繰り返すことによって、適応フィルタ係数が更新されていく。
【0013】
なお、数1〜数3において、yjは時刻jにおけるエコー信号、Yjは時刻jにおける擬似エコー信号、Pj(i)は時刻jにおける適応フィルタのi番目の遅延素子の係数、xj(i)は時刻jにおける参照入力信号バッファのi番目の値、ejは時刻jにおける除去誤差信号、Nは適応フィルタのタップ数、μはステップゲインと呼ばれる緩和係数である。後述する発明の実施の形態においても同様である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述のエコーキャンセラ1による適応フィルタ係数を更新する動作では、数3によって、適応フィルタ係数は参照入力信号ベクトル方向に更新される。したがって、自己相関性の高い音声信号では学習速度が劣化する。また、適応フィルタ係数を更新する過程において、参照入力信号ベクトルのノルムによって正規化するので、音声信号の周波数成分の偏りによって、周波数成分の少ない周波数領域の学習精度が劣化する。なお、参照入力信号ベクトルとは、参照入力信号バッファ3内の値をベクトルとしてとらえたものである。
【0015】
したがって、エコーキャンセラ1のように、通話音声を用いてエコーパスの推定を行う場合には、入力信号の周波数成分に偏りがあるため、十分に学習を行った場合でもハウリングが発生する場合がある。
【0016】
因みに、一般に音声信号の周波数特性は次のようになる。
【0017】
図11(a)に示すように、有声音は、−6dB/oct(1オクターブ周波数が上昇すると、信号レベルが6dB減衰する)の特性を有し、図11(b)に示すように、無声音は、+6dB/oct(1オクターブ周波数が上昇すると、信号レベルが6dB増加する)の特性を有する。
【0018】
したがって、学習同定法を用いたエコーキャンセラの学習速度、学習精度を向上するためには、学習に使用する信号の周波数特性の偏りを少なくすることが考えられる。
【0019】
そこで、音声信号の周波数特性の偏りを少なくする白色化フィルタ9を、図12に示す位置に挿入するエコーキャンセラ1aが考えられるが、エコーキャンセラ1aでは、白色化フィルタ9の影響によって、回線出力信号の音質が劣化してしまうという問題点があった。
【0020】
それゆえにこの発明の主たる目的は、出力信号の音質が劣化することなく、学習速度および学習精度を向上できる、エコー除去手段およびエコーキャンセラを提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のエコー除去方法は、ディジタル化された入力信号を利用して適応フィルタ係数を更新しエコーを除去するエコー除去方法であって、入力信号をサンプリングして参照入力信号を得るステップ、参照入力信号を擬似的に白色化して擬似白色化信号を得るステップ、擬似白色化信号および適応フィルタ係数に基づいて擬似エコー信号を生成するステップ、エコー信号および擬似エコー信号に基づいて除去誤差信号を得るステップ、ならびに除去誤差信号、適応フィルタ係数および擬似白色化信号に基づいて適応フィルタ係数を更新するステップを備え、入力信号のサンプリング位置を通過した入力信号はそのままD/A変換されて出力信号として出力されることを特徴とする
【0022】
請求項2に記載のエコーキャンセラは、ディジタル化された入力信号を利用して適応フィルタ係数を更新しエコーを除去するためのエコーキャンセラであって、入力信号をサンプリングして得られた参照入力信号を擬似的に白色化して擬似白色化信号を得る白色化手段、擬似白色化信号および適応フィルタ係数に基づいて擬似エコー信号を生成する擬似エコー信号生成手段、エコー信号および擬似エコー信号に基づいて除去誤差信号を得る除去誤差信号算出手段、ならびに除去誤差信号、適応フィルタ係数および擬似白色化信号に基づいて適応フィルタ係数を更新する係数更新手段を備え、白色化手段は、入力信号を出力するための第1経路から分岐した第2経路上に設けられ、第1経路と第2経路との分岐点を通過した第1経路上の入力信号はそのままD/A変換されるように出力されることを特徴とする
【0025】
請求項3に記載のエコーキャンセラは、請求項2に記載のエコーキャンセラにおいて、白色化手段はIIRフィルタまたはFIRフィルタを含むものである。
【0026】
上述のように構成されるエコー除去方法およびエコーキャンセラでは、ディジタル化された入力信号をサンプリングして得られた参照入力信号が、IIRフィルタやFIRフィルタなどからなる白色化手段によって擬似的に白色化されて、周波数的な偏りが軽減された擬似白色化信号が得られる。これは、入力信号となる音声信号は周波数上昇に応じて信号レベルが変動するという特性を有する点に鑑み、音声信号の周波数上昇に応じた信号レベルの変動を軽減できるフィルタを用いて、参照入力信号をフィルタリングして白色化するものである。
【0027】
このように周波数的な偏りの軽減された擬似白色化信号と適応フィルタ係数とに基づいて擬似エコー信号が生成され、エコー信号と擬似エコー信号とに基づいて除去誤差信号が得られる。たとえば、擬似白色化信号と適応フィルタ係数とを積和演算して擬似エコー信号が生成され、エコー信号から擬似エコー信号を減算して除去誤差信号が得られる。そして、除去誤差信号、適応フィルタ係数および擬似白色化信号に基づいて適応フィルタ係数が更新される。
【0028】
また、入力信号をサンプリングして得られた参照入力信号から擬似白色化信号を得るので、擬似白色化する処理は入力信号には何ら影響を及ぼさず、入力信号がD/A変換された出力信号は音質の劣化なしに出力される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0030】
図1は、この発明の一実施形態のエコーキャンセラ10をその周辺回路とともに示したブロック図である。
【0031】
エコーキャンセラ10は、CPU12、ROM14およびRAM16を用いて構成される。
【0032】
ROM14には、上述した数1〜数3および後述する数4の計算式を含む、エコーキャンセラ10の動作を制御するためのプログラムや、予め設定されたデータが格納される。ROM14に格納されるデータとしては、適応フィルタ28(後述)のタップ数N、ステップゲインμ等が含まれる。
【0033】
RAM16には、CPU12での演算によって得られた計算値等のデータが一時的に格納される。RAM16に格納されるデータとしては、エコー信号y、擬似エコー信号Y、適応フィルタ係数、参照入力信号バッファ内の値x、除去誤差信号e等が含まれる。適応フィルタのタップ数N、ステップゲインμはRAM16に格納されてもよい。
【0034】
ROM14やRAM16に格納されたプログラム、データを用いてCPU12を動作させることによって、エコーキャンセラ10が実現される。その機能ブロック図を図2に示す。
【0035】
図2に示すエコーキャンセラ10は、回線エコーを除去する回線エコーキャンセラとして構成された例である。エコーキャンセラ10は、たとえばIIRフィルタ(無限インパルス応答フィルタ)からなる、高域強調フィルタである白色化フィルタ18を含む。白色化フィルタ18では、マイク入力信号をA/D変換器20によってディジタル化した信号をサンプリングして参照入力信号Xとして入力し、その参照入力信号Xから擬似白色化信号X1が得られる。擬似白色化信号X1は参照入力信号バッファ22に与えられ、擬似白色化信号X1は所定のタイミングで積和演算部24および係数更新部26に与えられる。積和演算部24では、擬似白色化信号X1とFIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)からなる適応フィルタ28内の適応フィルタ係数とに基づいて、擬似エコー信号Yが算出される。そして、減算器30において、A/D変換器32からのエコー信号yから擬似エコー信号Yが減算され、除去誤差信号eが得られ、D/A変換器34によってアナログ変換された後、スピーカ出力信号として出力される。係数更新部26では、擬似白色化信号X1、適応フィルタ係数、除去誤差信号eに基づいて、インパルス応答に近づくように適応フィルタ係数が更新されていく。
【0036】
ここで注目すべきは、白色化フィルタ18の挿入箇所であり、白色化フィルタ18は、A/D変換器20からD/A変換器36への経路A上ではなく、経路Aから分岐した経路B上に挿入される。これによって、D/A変換器36にはA/D変換器20からのディジタル化されたマイク入力信号がそのまま与えられるため、D/A変換器36から出力される回線出力信号の音質は劣化しなくなる。
【0037】
図2に示すエコーキャンセラ10の主要部は、等価的には図3に示すように構成される。図3からわかるように、白色化フィルタ18を挿入することによって、エコーキャンセラ10aから見たエコーパスは、H(z)・1/C(z)となる。すなわち、逆フィルタ18aから出力される回線出力信号は参照入力信号Xと等しい値となるので、エコーキャンセラ10aは、擬似白色化信号X1に基づいて、マイク入力信号Xと同様の信号が回線出力信号として出力されたときのエコーパスH(z)を推定することができる。したがって、エコーパスH(z)の推定動作に問題は生じない。
【0038】
なお、白色化フィルタ18としては、たとえば図4に示すような1次IIR型ハイパスフィルタが用いられる。この1次IIR型ハイパスフィルタは、8KHzサンプリングの信号に対してカットオフ周波数が2KHzに設定された高域強調フィルタであり、周波数が1オクターブ上がる毎に+3dBとなる(3dB強調する)。音声信号は統計的に周波数が1オクターブ上がる毎にレベルが6dB程度減衰する特性を有するが、この1次IIR型ハイパスフィルタを用いることによって、その減衰特性を軽減し、周波数的な偏りが軽減された擬似白色化信号X1が得られる。
【0039】
白色化フィルタ18は、それぞれたとえば0.5、−0.5、1.0、0.0の係数を有する乗算器37、38、40、42、1サンプル分遅延するための遅延回路44、46、および加算器48を有し、白色化フィルタ18の周波数特性は図5に示すようになる。白色化フィルタ18の係数からわかるように、白色化フィルタ18は1次の自己相関性を打ち消すような働きをする。
【0040】
なお、白色化フィルタ18を使用した場合、300Hz付近より下の周波数成分がほとんどなくなるため、その領域の学習が劣化するおそれがある。しかし、たとえば電話システムにエコーキャンセラ10を使用した場合には、その通過帯域が300〜3200Hzになるよう帯域制限をかけるため、特に問題とはならない。
【0041】
このようにエコーキャンセラ10では、白色化フィルタ18によって擬似白色化された擬似白色化信号X1を用いて、学習同定法によって適用フィルタ係数を更新する。
【0042】
図6を参照して、エコーキャンセラ10の動作を説明する。
【0043】
まず、RAM16に格納されるエコー信号y、擬似エコー信号Y、適応フィルタ係数、参照入力信号バッファ22内の値x、除去誤差信号e等が初期化される(ステップS11)。そして、A/D変換器20によってディジタル化されたマイク入力信号がサンプリングされて参照入力信号Xとして白色化フィルタ18に入力され、白色化フィルタ18によって参照入力信号Xがフィルタリングされて擬似白色化信号X1が得られ(ステップS13)、擬似白色化信号X1は参照入力信号バッファ22に入力される(ステップS15)。
【0044】
ついで、時刻jにおける、適応フィルタ28内の適応フィルタ係数Pj(i)と、擬似白色化信号X1すなわち参照入力信号バッファ22内の値xj(i)とが積和演算部24で数1に示すように積和演算され、時刻jにおける擬似エコー信号Yjが生成される(ステップS17)。そして、減算器30によって、A/D変換器32より出力されるエコー信号yjから擬似エコー信号Yjが数2に示すように減算されて、時刻jにおける除去誤差信号ejが算出される(ステップS19)。
【0045】
その後、係数更新部26によって、時刻jにおける、除去誤差信号ej、適応フィルタ係数Pj(i)、擬似白色化信号X1すなわち参照入力信号バッファ22内の値xj(i)に基づいて、数3に示すように適応フィルタ係数Pj+1(i)が更新され、時刻j+1における適応フィルタ係数とされる(ステップS21)。
【0046】
上述のステップS11〜ステップS21を繰り返すことによって、適応フィルタ係数が更新されていく。
【0047】
このようなエコーキャンセラ10によれば、周波数的な偏りの少ないすなわち自己相関性の低い、擬似的に白色化された擬似白色化信号X1を用いて学習することができるため、学習速度、学習精度を向上できる。
【0048】
また、白色化フィルタ18を経路Aから分岐した経路B上に挿入し、参照入力信号Xのみを擬似的に白色化して擬似白色化信号X1を生成するので、擬似白色化する処理はD/A変換器36によってD/A変換すべきマイク入力信号には全く影響を与えず、マイク入力信号がD/A変換され外部へ出力される信号すなわち回線出力信号の音質が劣化することもない。
【0049】
エコーキャンセラ10は、従来のエコーキャンセラ1に擬似白色化のための白色化フィルタ18を追加するだけなので、エコーキャンセラ1とほぼ同程度の処理量で、能力の向上したエコーキャンセラを実現できる。
【0050】
さらに、エコーキャンセラ10の学習法(白色フィルタ+学習同定法)と図9に示す従来のエコーキャンセラ1の学習同定法とを、数4によって評価値を算出して比較した。評価値は学習の進度を示し、学習が進めば評価値は1.0に近づく。なお、数4において、H(i)はエコーパスのインパルス応答、h(i)は学習係数である。評価値の算出は、ステップゲインμ=0.05、タップ数=128タップという共通条件の下で、図7(b)に示す音声信号を入力して行われた。
【0051】
【数4】
Figure 0003609611
【0052】
図7からわかるように、エコーキャンセラ10は、従来のエコーキャンセラ1より高速に学習が進むことがわかる。
【0053】
上述のように、学習同定法の学習速度、学習精度を改善するためには、参照入力信号Xとなる音声信号の周波数的な偏りを減らせばよい。ここで、たとえば、有声音に対して、図8(a)に示すように、周波数が1オクターブ上がる毎に5〜6dB強調する特性を有する白色化フィルタを用いれば、有声音のレベルの減衰を相殺できる。
【0054】
しかしながら、この白色化フィルタを無声音に対して用いた場合、図8(b)に示すような結果となり、さらに学習速度、学習精度が劣化すると考えられる。
【0055】
したがって、有声音と無声音とに対して、それぞれ異なった白色化フィルタを用意する必要が生じる。しかし、入力信号毎に白色化フィルタの特性を変えることは、エコーキャンセラ10からみた場合、エコーパスH(z)が変動したことになり、かえって性能が劣化する。
【0056】
実際には、通常の会話において、有声音と無声音の出現する比率は異なる。また、エコーキャンセラの制御として、無音と判断される場合には学習を停止するという処理を行った場合には、比較的レベルの低い無声音に対しては、学習が停止する頻度が増える。したがって、これらを踏まえた、全体として効果が大きく表れる白色化フィルタを用いることによって、学習速度、学習精度を向上できる。
【0057】
この発明において用いられる白色化フィルタの特性は、有声音と無声音の統計的な出現頻度や、エコーキャンセラの学習制御方法によって決定される。また、白色化フィルタとしてはFIRフィルタが用いられてもよい。
【0058】
この発明のエコーキャンセラ10は、回線エコーキャンセラだけではなく、音響エコーキャンセラにも適用できることはいうまでもない。
【0059】
また、エコーキャンセラ10は、たとえば音声録音再生機能付きファクスモデムなどに適用され得る。
【0060】
なお、CPU12に代えて、DSPが用いられてもよい。
【0061】
【発明の効果】
この発明によれば、擬似白色化フィルタを挿入することによって、周波数的な偏りの軽減された擬似白色化信号を用いて適応フィルタ係数を更新でき、エコーキャンセラを実質的に変更することなく、学習速度および学習精度を向上できる。
【0062】
また、エコーキャンセラの参照入力信号のみを擬似的に白色化して擬似白色化信号を生成するので、外部へ出力される信号の音質は劣化しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図3】図2の主要部の等価回路図である。
【図4】白色化フィルタの一例を示すブロック図である。
【図5】図4の白色化フィルタの周波数特性を示すグラフである。
【図6】この発明の実施の形態の動作の一例を示すフロー図である。
【図7】(a)は、この発明の学習法(白色化フィルタ+学習同定法)の効果を従来の学習同定法との比較において示すグラフであり、(b)は入力音声信号を示す波形図である。
【図8】白色化フィルタの特性を示すグラフである。
【図9】従来技術を示す機能ブロック図である。
【図10】図9の従来技術の動作の一例を示すフロー図である。
【図11】音声信号の周波数特性を示すグラフである。
【図12】他の従来技術を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
10 エコーキャンセラ
12 CPU
14 ROM
16 RAM
18 白色化フィルタ
22 参照入力信号バッファ
24 積和演算部
26 係数更新部
28 適応フィルタ
30 減算器
37、38、40、42 乗算器
44、46 遅延回路
48 加算器

Claims (3)

  1. ディジタル化された入力信号を利用して適応フィルタ係数を更新しエコーを除去するエコー除去方法であって、
    前記入力信号をサンプリングして参照入力信号を得るステップ、
    前記参照入力信号を擬似的に白色化して擬似白色化信号を得るステップ、
    前記擬似白色化信号および前記適応フィルタ係数に基づいて擬似エコー信号を生成するステップ、
    エコー信号および前記擬似エコー信号に基づいて除去誤差信号を得るステップ、ならびに
    前記除去誤差信号、前記適応フィルタ係数および前記擬似白色化信号に基づいて前記適応フィルタ係数を更新するステップを備え
    前記入力信号のサンプリング位置を通過した前記入力信号はそのままD/A変換されて出力信号として出力される、エコー除去方法。
  2. ディジタル化された入力信号を利用して適応フィルタ係数を更新しエコーを除去するためのエコーキャンセラであって、
    前記入力信号をサンプリングして得られた参照入力信号を擬似的に白色化して擬似白色化信号を得る白色化手段、
    前記擬似白色化信号および前記適応フィルタ係数に基づいて擬似エコー信号を生成する擬似エコー信号生成手段、
    エコー信号および前記擬似エコー信号に基づいて除去誤差信号を得る除去誤差信号算出手段、ならびに
    前記除去誤差信号、前記適応フィルタ係数および前記擬似白色化信号に基づいて前記適応フィルタ係数を更新する係数更新手段を備え
    前記白色化手段は、前記入力信号を出力するための第1経路から分岐した第2経路上に設けられ、
    前記第1経路と前記第2経路との分岐点を通過した前記第1経路上の前記入力信号はそのままD/A変換されるように出力される、エコーキャンセラ。
  3. 前記白色化手段はIIRフィルタまたはFIRフィルタを含む、請求項2に記載のエコーキャンセラ。
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