JP3608655B2 - 冷凍能力試験方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクーラの下流側にヒータを配置してクーラで冷却される空気の顕熱の低下とヒータで加熱される空気の顕熱の上昇とが釣り合うように、ヒータの投入電力を調節し、冷凍能力に釣り合う投入電力をもってクーラの冷凍能力を推定する冷凍能力試験方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品などの冷却または凍結保存を目的として冷蔵倉庫が利用されている。この冷蔵倉庫に付設される冷凍装置の実用上の能力を見出すのに基準となる条件を定めた試験法に基づいて冷凍能力を推定することがある。冷凍能力とは、一般に、単位時間に冷凍装置が被冷凍物から吸収する熱量のことであり、この値が大きければ、それだけ高い冷凍能力を有することになる。
【0003】
従来、冷凍装置の冷凍能力を測定するのに望ましいと考えられていた方法に次のものがある。第1の方法は二重の断熱壁によって囲われる検査室を設け、この検査室内にクーラとヒータとを配置して検査室内の空気の温度変化がなくなるように、ヒータの投入電力を制御し、冷凍能力と釣り合う投入電力をもって冷凍能力を推定するものである(JIS−B−8626冷凍用ユニットクーラ冷凍能力試験方法)。
【0004】
これは検査室内で熱的平衡条件が成立することを前提としており、平衡条件の成立までに無限の時間を要し、測定値を得るまでに長時間を費やさねばならない。
【0005】
さらに、第2の方法はクーラ出入口の空気の温度差と空気の質量流量および比熱との積に基づいて冷凍能力を推定するものである(JIS−B−8610冷凍用ユニットクーラの冷凍能力計算方法)。
【0006】
これはクーラを流れる空気の流量を測定するもので、クーラ経路内の幾つかの測定点で空気の流速を測定し、得られた流速から流量を算出する必要がある。しかし、クーラ経路内の気流速度はかなり低速であるので、測定は実際上多くの困難がある。
【0007】
また、第3の方法はクーラ出入口での冷媒エンタルピーの差と冷媒の質量流量との積によって冷凍能力を推定するものである。この方法ではエンタルピーは冷媒の温度測定値および圧力測定値から算出する。冷媒の質量流量は体積流量を測定し、これに冷媒の密度を乗じて算出する(JIS−B−8626冷凍用ユニットクーラ冷凍能力試験方法)。
【0008】
さらに、第4の方法は水冷式凝縮器ユニットの凝縮器出入口における冷却水の温度差と冷却水量との積から算出した冷媒流量を求め、クーラ出入口での冷媒エンタルピーの差にこの冷媒流量を乗じて冷凍能力を推定するものである。冷媒の質量流量を算出するのに代えて、冷却水の温度差と冷却水量とを測定し、2つのパラメータの積から冷媒流量を求める。これ以後、第3の方法と同様な手順で冷凍能力を算出することができる(JIS−B−8626冷凍用ユニットクーラ冷凍能力試験方法)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記試験方法にはそれぞれ次のような難点がある。第1の方法においては検査室内の温度の時間経過を逐一測定し、温度が時間的に変化しないこと、すなわち、平衡条件が成立したことを確認する必要がある。このため、検査室の熱容量が大きくなると、状態が静定するまでに多大の時間を費やさねばならない。また、検査室壁からの熱漏れが生じ易く、測定誤差により算出値に信頼が置けない難点がある。さらに、平衡条件の成立を前提としており、非定常状態では測定が殆ど不可能である。
【0010】
また、第2の方法ではクーラ経路の空気量を測定するのは気流速度があまりにも遅く、正確に測定することができない。現状規格によれば、風速測定に毎秒0.2メートル(約10%相当)の誤差を許容しており、冷却能力を算出するうえで同じ程度の誤差が生ずるのを避けることができない。一方、空気の温度の測定においても数%の誤差が生じる可能性がある。
【0011】
さらに、第3の方法においては冷媒のエンタルピーを推定するのにクーラ出入口で冷媒の温度および圧力を測定する必要がある。また、冷媒の質量流量を直接測定する手段がなく、冷媒の密度を他の実験等から推定し、冷媒の体積流量の測定値にこの密度を乗じて算出する。さらに、得られた質量流量に基づいて油の混合量を勘案して実質的な質量流量を決定する必要がある。このように冷凍能力の算出においてこれらのパラメータのすべてに測定誤差が入り込む可能性があり、冷凍能力を算出するうえで誤差が生じ易い難点がある。
【0012】
また、第4の方法においては推定の困難な冷媒の質量流量に代えて、測定の容易な冷却水量によって冷媒流量を求めることができるが、この方法も第3の方法と同様に、パラメータのすべてに測定誤差が入り込む可能性があり、冷凍能力を算出するうえで誤差が生じ易い難点がある。また、測定対象が一段と多くなり、好ましくない。
【0013】
加えて、第1および第2の方法においては冷凍能力を測定するのに顕熱のみを対象としている。このような方法でも被冷却空間の温度および湿度がほぼ一定しているならば、冷凍能力を評価するうえでほぼ正しい推定値を求めることが可能であるが、たとえば、冷蔵倉庫前室のように外気が頻繁に侵入する空間では顕熱除去能力だけでなく、潜熱除去能力も同時に測定しなければ、クーラの冷凍能力を正確に評価したことにはならない。
【0014】
本発明の目的は測定誤差が入り込むのを可能な限り抑制し、顕熱のみならず、潜熱に依存する場合も、極めて高い精度をもって冷凍能力を推定することを可能にした冷凍能力試験方法およびその装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る冷凍能力試験方法は被冷却空間内の区画された領域内を流動する空気をクーラによって冷却する第1の過程と、得られた低温の空気を電気式ヒータで加熱する第2の過程とを有し、クーラの冷凍能力を推定するにあたり、第1の過程における空気の顕熱の低下と、第2の過程における空気の顕熱の上昇とが釣り合うように、第2の過程でヒータの投入電力を調節しつつ、第1の過程で冷却前の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力と第2の過程で加熱後の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力との差を測定し、双方の電位の平衡状態が保たれるときの積算電力量に基づいてクーラの冷凍能力を推定するものである。
【0016】
このような試験方法においてはクーラの冷凍能力を推定するうえで計器を用いて各種パラメータを測定する必要がなく、測定誤差が入り込むのを確実に回避することができ、精度を格段に向上させることが可能になる。
【0017】
さらに、異なる時刻で測定する、平衡条件の成立を必要としない。このため、冷凍能力を見出すのに長時間にわたって測定することを強いられず、クーラの冷凍能力を短時間のうちに測定することができる。
【0018】
また、検査室の熱容量および熱漏れの影響を受けることがなく、測定誤差が入り込むのを避けることが可能で、精度を向上させることができる。
【0019】
本発明方法における“被冷却空間”とは冷却されるべき空気が存在する、いずれかの空間について称し、ここで、空気はクーラの蒸発管内を流れる冷媒と伝熱面を介して接触することができる。この被冷却空間は、これに限られないが、冷蔵倉庫、冷蔵室、大・小規模低温空間、居住空間、施設内空間、輸送機・船舶空間、車両空間などを含む。
【0020】
また、上記と異なる本発明の冷凍能力試験方法は第1および第2の過程に加えて、加湿器で加湿する過程を設け、冷却前の空気が保有する顕熱および加熱後の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力に加えて、冷却前の空気の潜熱に応じて発生する熱起電力と加湿後の空気の潜熱に応じて発生する熱起電力との差を測定し、双方の電位の平衡状態が保たれるときの積算電力量に基づいてクーラの除湿冷凍能力を推定するものである。
【0021】
このような試験方法においては冷凍能力を測定するうえで計器を用いて各種パラメータを測定する必要がなく、測定誤差が入り込むのを確実に回避することが可能になり、特に、顕熱だけでなく、潜熱にも依存する場合に極めて高い精度をもって冷凍能力を推定することができる。
【0022】
なお、本発明の冷凍能力試験方法は第1の過程および第2の過程について順序を入れ替えるように構成することができる。すなわち、電気式ヒータによって加熱する第1の過程とクーラによって冷却する第2の過程とを有し、第1の過程における空気の顕熱の上昇と、第2の過程における空気の顕熱の低下とが釣り合うように、第1の過程でヒータの投入電力を調節しつつ、第1の過程で加熱前の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力と第2の過程で冷却後の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力との差を測定し、双方の電位の平衡状態が保たれるときの積算電力量に基づいてクーラの冷凍能力を推定するようにしてもよい。
【0023】
また、本発明に係る冷凍能力試験装置は空気が一定の方向に流動する、断熱域を形成するダクトと、断熱域の入口近くに設けられ、空気を冷却するクーラと、断熱域の出口近くにあって空気を加熱する電気式ヒータと、クーラの上流側にあってクーラに流入する空気の顕熱に応じた熱起電力を発生する複数個の第1の熱電対と、ヒータの下流側にあってヒータから流出する空気の顕熱に応じた熱起電力を発生する複数個の第2の熱電対と、第1の熱電対から与えられる電位と第2の熱電対から与えられる電位との差を測定する電位差計と、ヒータに供給する電力量を計量する積算電力計とを備えるものである。
【0024】
さらに、本発明の冷凍能力試験装置は、望ましくは、ダクトがベルマウス状のリード部を備える。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明方法の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は冷蔵倉庫に適用したものである。図1において、本実施の形態の冷凍能力試験装置は冷蔵倉庫1の内部に冷気を供給するクーラ2および空気を加熱する電気式ヒータ3を備えている。このクーラ2およびヒータ3は保温材(図示せず)を備えたダクト4によって区画された領域、すなわち、断熱域5に直列に配置されている。断熱域5とはダクト4内の後記のゼロ位測定用平衡検出手段である第1および第2の熱電対の配置区間に従い決まる領域のことである。したがって、断熱域5を流動する空気はダクト4の入口からのみ流入し、ダクト4の出口からのみ流出することができる。このダクト4は気流の流速を一様に保つためのベルマウス状のリード部6を備える。また、ダクト4は冷気を冷蔵倉庫1内に循環させるファン7を備えている。
【0026】
さらに、冷凍能力試験装置は断熱域5の入口にクーラ2に流入する空気が保有する顕熱に応じて熱起電力を発生する第1の熱電対8a、8b、8c、8d、8eを備えており、断熱域5の出口にヒータ3から流出する空気が保有する顕熱に応じて熱起電力を発生する第2の熱電対9a、9b、9c、9d、9eを備えている。第1の熱電対8a、8b、8c、8d、8eは断熱域5入口全域に広がって流れる空気と触れるようにそれぞれの測温接点を配置されている。一方、第2の熱電対9a、9b、9c、9d、9eは断熱域5出口全域に広がって流れる空気と触れるようにそれぞれの測温接点を配置されている。第1の熱電対8a、8b、8c、8d、8eおよび第2の熱電対9a、9b、9c、9d、9eは、後に詳述されるように、熱起電力の差を測定する電位差計10と接続されている。
【0027】
また、断熱域5内のクーラ2とヒータ3との間にふく射による熱伝達を遮断する格子状のルーバ11を備えている。さらに、ヒータ3は空気温度を制御する制御装置12を備えている。図示しない電源からヒータ3に対して制御装置12を介して投入電力が供給されるようになっている。また、本実施の形態の冷凍能力試験装置はヒータ3への投入電力を計量する積算電力計13を備える。さらに、クーラ2は冷気温度を制御するコンデンシングユニット14を備えており、ファン7は回転数を制御するコントローラ15を有する。なお、冷蔵倉庫1の内部には図示しない冷却器が備えられ、外部からの侵入熱およびファン7による発生熱を相殺し、冷蔵倉庫1内の温度を一定に保持している。
【0028】
図2に第1の熱電対8a、8b、8c、8d、8eおよび第2の熱電対9a、9b、9c、9d、9eの素線結線方法を示している。第2の熱電対9aは測温接点の−脚を第1の熱電対8aの測温接点の−脚に接続している。第1の熱電対8aは測温接点の+脚を第2の熱電対9bの測温接点の+脚に接続している。他の第2の熱電対9b、9c、9d、9eも同様に測温接点の−脚を第1の熱電対8b、8c、8d、8eの測温接点の−脚に接続している。他の第1の熱電対8b、8c、8dも同様に測温接点の+脚を第2の熱電対9c、9d、9eの測温接点の+脚に接続している。最後の第1の熱電対8eは+脚を電位差計10に接続している。また、第2の熱電対9aは+脚を電位差計10に接続している。
【0029】
冷凍能力を測定するにあたり、初めに、ファン7を起動して速度を上昇させる。さらに、冷凍装置を起動してクーラ2を動作させる。同時に、ヒータ3に対して電源から電圧を印可する。ファン7の始動により冷蔵倉庫1内の空気がベルマウス状のリード部6からダクト4内に流入する。この空気はリード部6で整流されてほぼ一様な速度でクーラ2にかけて流動する。
【0030】
クーラ2を流れる空気は蒸発管(図示せず)内を流れる冷媒によって熱を奪われ、温度が降下する。続いて、低温の空気はヒータ3にかけて流動し、そこで、対流熱伝達よって加熱され、温度が上昇する。
【0031】
この測定中、クーラ2の冷凍能力についてゼロ位法で測定する。ゼロ位法とは大きさが可変である基準量を測定すべき量とは独立に用意し、この基準量を直接測定量と比較させつつ、平衡させ、平衡したときの基準量の値から測定量を知る方法を称する。本実施の形態ではこのゼロ位測定のために断熱域5入口および断熱域5出口でそのときの空気が保有する顕熱によって発生する熱起電力を測定する。
【0032】
断熱域5の入口では第1の熱電対8a、8b、8c、8e、8eが冷媒と熱交換する前の空気と触れ、その空気の顕熱に応じた値の熱起電力を発生する。一方、断熱域5の出口では第2の熱電対9a、9b、9c、9d、9eがヒータ3で加熱された空気と触れ、その空気の顕熱に応じた値の熱起電力を発生する。各熱電対8a、8b、8c、8d、8eおよび熱電対9a、9b、9c、9d、9eで生じた熱起電力の差はそれぞれ電位差計10に与えられる。
【0033】
熱電対8a、8b、8c、8d、8eおよび熱電対9a、9b、9c、9d、9eのそれぞれにおいて発生した熱起電力の差は平衡状態、すなわち、ゼロであるか、ゼロから微量ずれた値を呈する。ゼロからの僅かなずれは冷媒と熱交換する前の空気が保有する顕熱と加熱された空気が保有する顕熱との差に相当するので、ヒータ3の熱出力の調節によって熱起電力を微量増減させ、その差をさらに僅少に保ち、最終的に電位差計10の表示をゼロに保持する。電位差計10が継続してゼロを示しているとき、熱平衡状態が実現しているとみなして積算電力計13の表示を機械的に読み取り、これを記憶装置(図示せず)に保存する。読み取った積算電力量を積算時間で割って単位時間あたりの冷凍能力をワットで算出する。
【0034】
このゼロ位法による測定では電位差計10の表示がゼロであることを確認すればよく、たとえば、計器を用いて温度それ自体を読み取る必要がなく、温度測定に伴って変換誤差が入り込むのを確実に回避することができる。また、風量を測定する必要がないので、測定に伴い誤差が入り込むのを避けることができる。
【0035】
ちなみに、上記試験方法では冷凍能力の測定にあたり、計器として唯一積算電力計13が係わることになるが、これは精密級を使用することにより高い精度を得ることが可能である。
【0036】
本実施の形態においては複数個の熱電対の測温接点を接続して熱起電力の差を測定するようにしたので、クーラの冷凍能力を推定するうえで計器を用いて各種パラメータを測定する必要がなく、測定誤差が入り込むのを回避することが可能で、極めて高い精度をもって冷凍能力を推定することができる。
【0037】
また、検査室を用いて冷凍能力を測定する場合に要求される、異なる時刻で測定する平衡条件の成立を必要としない。これにより、長時間にわたって測定することを強いられず、クーラの冷凍能力を短時間のうちに測定することができる。
【0038】
さらに、検査室の熱容量および熱漏れの影響を受けることがなく、測定誤差が入り込むのを避けることができ、精度を向上させることが可能になる。
【0039】
(第2の実施の形態)
本発明方法の上記と異なる実施の形態について図3を参照して説明する。本実施の形態の冷凍能力試験装置はヒータ3の下流側に空気に水分を含ませる加湿器16を備える。この加湿器16は図示しない給水容器と結ばれており、給水容器からの水をミストとして空気中に送り込むことができる。加湿器16は空気湿度を制御する制御装置17を備えている。図示しない電源から加湿器16に対して制御装置17を介して電力が供給されるようになっている。さらに、本試験装置は加湿器16への投入電力を計量する積算電力計18を備える。
【0040】
また、冷凍能力試験装置はクーラ2上流側の断熱域5に空気の温度に応じて熱起電力を発生する第1の乾球熱電対8a、8b、8c、8d、8eおよび第1の湿球熱電対19a、19b、19c、19d、19eを備えている。さらに、本試験装置はヒータ3下流側の断熱域5に加湿後の空気の温度に応じて熱起電力を発生する第2の乾球熱電対9a、9b、9c、9d、9eおよび第2の湿球熱電対20a、20b、20c、20d、20eを備えている。
【0041】
図面が複雑化するのを避けるために図示を省略しているが、第1の湿球熱電対19a、19b、19c、19d、19eと第2の湿球熱電対20a、20b、20c、20d、20eとの素線結線方法は第1の実施の形態の素線結線方法と同じであり、最後の第1の湿球熱電対19eは+脚を電位差計21と接続し、また、第2の湿球熱電対20aは+脚を電位差計21と接続している。
【0042】
本実施の形態においては上記第1の実施の形態と同様に、顕熱に依存する場合の冷凍能力を測定することが可能であるが、これに加えて、潜熱に依存する場合の除湿冷凍能力を測定することができる。断熱域5の入口では湿分を含んだ空気が第1の乾球熱電対8a、8b、8c、8d、8eおよび第1の湿球熱電対19a、19b、19c、19d、19eの周りに流れ、それぞれ熱電対が周囲温度および湿度に応じた熱起電力を発生する。
【0043】
一方、断熱域5の出口では加湿器16からミストとして吹き出す水と混合した空気が第2の乾球熱電対9a、9b、9c、9d、9eおよび第2の湿球熱電対20a、20b、20c、20d、20eの周りに流れ、それぞれ熱電対が周囲温度および湿度に応じた熱起電力を発生する。
【0044】
第1の乾球熱電対8a、8b、8c、8d、8eおよび第2の乾球熱電対9a、9b、9c、9d、9eのそれぞれにおいて発生した熱起電力の差は平衡状態、すなわち、ゼロであるか、ゼロから微量ずれた値を呈する。ゼロからの僅かなずれは冷却される前の空気の顕熱と加熱された後の空気の顕熱との差に相当するので、ヒータ3の熱出力の調節によって熱起電力を微量増減させ、その差をさらに僅少に保ち、最終的に電位差計10の表示をゼロに保持する。
【0045】
また、第1の湿球熱電対19a、19b、19c、19d、19eおよび第2の湿球熱電対20a、20b、20c、20d、20eのそれぞれにおいて発生した熱起電力の差は平衡状態、すなわち、ゼロであるか、ゼロから微量ずれた値を呈する。ゼロからの僅かなずれは冷却される前の空気の潜熱と加湿された後の空気の潜熱との差に相当するので、加湿器16の加湿量の調節によって熱起電力を微量増減させ、その差をさらに僅少に保ち、最終的に電位差計21の表示をゼロに保持する。電位差計10および電位差計21が継続してゼロを示しているとき、熱および水分の平衡状態が実現しているとみなして積算電力計13および積算電力計18の表示を読み、読み取った積算電力量を積算時間で割って単位時間あたりの除湿冷凍能力をワットで算出する。
【0046】
このように本実施の形態においては冷凍能力を測定するうえで測定誤差が入り込むのを確実に回避することが可能で、特に、顕熱だけでなく、潜熱にも依存する場合に極めて高い精度をもって除湿冷凍能力を推定することができる。
【0047】
さらに、顕熱除去能力と同時に潜熱除去能力を測定することが可能になり、より広範な用途のクーラについて冷凍能力を推定することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、クーラの冷凍能力を推定するうえで計器を用いて各種パラメータを測定する必要がなく、測定誤差が入り込むのを確実に回避することが可能で、顕熱のみならず、潜熱にも依存する場合に極めて高い精度をもって冷凍能力を推定することができる。
【0049】
さらに、異なる時刻で測定する、平衡条件の成立を必要とせず、このため、長時間にわたって測定することを強いられず、クーラの冷凍能力を短時間のうちに測定することができる。
【0050】
また、検査室の熱容量および熱漏れの影響を受けることがなく、測定誤差が入り込むのを避けることが可能で、精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷凍能力試験装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係る熱電対素線の結線例を示す模式図。
【図3】本発明による冷凍能力試験装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
1 冷蔵倉庫
2 クーラ
3 ヒータ
4 ダクト
8a、8b、8c、8d、8e 第1の(乾球)熱電対
9a、9b、9c、9d、9e 第2の(乾球)熱電対
10、21 電位差計
13、18 積算電力計
19a、19b、19c、19d、19e 第1の湿球熱電対
20a、20b、20c、20d、20e 第2の湿球熱電対

Claims (5)

  1. 被冷却空間内の区画された領域内を流動する空気をクーラによって冷却する第1の過程と、得られた低温の空気を電気式ヒータで加熱する第2の過程とを有し、前記クーラの冷凍能力を推定するにあたり、前記第1の過程における空気の顕熱の低下と、前記第2の過程における空気の顕熱の上昇とが釣り合うように、前記第2の過程で該ヒータの投入電力を調節しつつ、前記第1の過程で冷却前の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力と前記第2の過程で加熱後の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力との差を測定し、双方の電位の平衡状態が保たれるときの積算電力量に基づいて前記クーラの冷凍能力を推定するようにした冷凍能力試験方法。
  2. 前記第1および第2の過程に加えて、加湿器で加湿する過程を設け、冷却前の空気が保有する顕熱および加熱後の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力に加えて、冷却前の空気の潜熱に応じて発生する熱起電力と加湿後の空気の潜熱に応じて発生する熱起電力との差を測定し、双方の電位の平衡状態が保たれるときの積算電力量に基づいて前記クーラの除湿冷凍能力を推定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍能力試験方法。
  3. 被冷却空間内の区画された領域内を流動する空気を電気式ヒータによって加熱する第1の過程と、得られた高温の空気をクーラで冷却する第2の過程とを有し、前記クーラの冷凍能力を推定するにあたり、前記第1の過程における空気の顕熱の上昇と、前記第2の過程における空気の顕熱の低下とが釣り合うように、前記第1の過程で該ヒータの投入電力を調節しつつ、前記第1の過程で加熱前の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力と前記第2の過程で冷却後の空気が保有する顕熱に応じて発生する熱起電力との差を測定し、双方の電位の平衡状態が保たれるときの積算電力量に基づいて前記クーラの冷凍能力を推定するようにした冷凍能力試験方法。
  4. 空気が一定の方向に流動する、断熱域を形成するダクトと、前記断熱域の入口近くに設けられ、空気を冷却するクーラと、前記断熱域の出口近くにあって空気を加熱する電気式ヒータと、前記クーラの上流側にあって該クーラに流入する空気の顕熱に応じた熱起電力を発生する複数個の第1の熱電対と、前記ヒータの下流側にあって該ヒータから流出する空気の顕熱に応じた熱起電力を発生する複数個の第2の熱電対と、前記第1の熱電対から与えられる電位と前記第2の熱電対から与えられる電位との差を測定する電位差計と、前記ヒータに供給する電力量を計量する積算電力計とを備えてなる冷凍能力試験装置。
  5. 前記ダクトがベルマウス状のリード部を備えることを特徴とする請求項4に記載の冷凍能力試験装置。
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