JP3608198B2 - 海域探査レーダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、海上の物体及び海洋の状態を遠隔監視する海域探査レーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
海域探査レーダは、海洋レーダを応用したものである。海洋レーダについての解説は、郵政省通信総合研究所季報Vol.37,No.5,pp.383〜391「海洋レーダのデータ処理」(梅原、他)と、オーム社「地球観測計測」(岡本編著)、1999年第1版、pp.274〜284に記述されている。
本発明は、FMCW(Frequency Modulation Continuous Wave:周波数変調連続波)を用いる海洋レーダの受信方式に関するものである。海洋レーダにはFMICW(Frequency Modulation Interrupted Continuous Wave)方式を採用する海洋レーダも多くあるが、これはFMCW方式の一種であり、この発明においてはどちらの方式を用いて速度を推定してもよく、本質的に違いはない。ここでは、同様に扱い総称としてFMCWとして扱う。
【0003】
図7は、一般的な海流のドップラースペクトルを表す図である。
図7において、1は負の海流速のスペクトル、2は正の海流速のスペクトルである。Vdは海流速度、V0は後述する式(1)で与えられる速度である。Vxは海上物の速度である。
図8は、一般的な海流と海上物のドップラースペクトルを表す図である。
図9は、一般的な海上物のドップラースペクトルが海流ドップラースペクトルに近接する状態を表す図である。
図8、9において、1、2、Vd、Vo、Vxは図7におけるものと同じものである。3は海上物の速度のスペクトルである。
【0004】
海洋レーダは、水平方向に電波を照射して、FMCWレーダ方式で、海表面のドップラー速度の水平分布を推定する。ビーム方向の海流速度がVdである場合、海流からの反射エコーは、図7に示されるように負の速度−V0+Vdのスペクトル1と、正の速度+V0+Vdのスペクトル2を持つ速度スペクトルが得られる。V0は式(1)より与えられる。
V0=0.5√(C・g/π・f0)・・・(1)
ここで、f0は、海洋レーダの送信波の周波数、gは重力加速度、Cは光速、πは円周率であり、この式(1)に基づいて速度V0は、送信周波数f0によって一意に決まる。そして、海洋レーダのエコースペクトルには、海流の速度成分として−V0+VdとV0+Vdにスペクトルが現れる。
【0005】
海洋レーダでは、観測域内の海洋上に存在する物体の速度も検出する。その物体とは、例えば、船舶、洋上のブイ、陸地(例:島)などが挙げられる。海洋レーダは、こうした海洋上の物体(以下では海上物と記述する。)も検出することがあり、そのビーム方向の速度成分がVxである場合、図8に示されるようにVxの速度を持った海上物の速度のスペクトル3が海流速スペクトル1、2に重なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8のように、海上物の速度のスペクトル3が海流速スペクトル1、2と十分離れていれば、別の速度をもった物体であるという認識が容易にできる。すなわち、海洋レーダで海流速だけでなく、海上物の存在とその速度を検出することが容易である。
海上物を検出する時に、状況によって、図9のように海上物の速度が、海流の速度に近接して、海上物の速度のスペクトル3と海流速のスペクトル1、2が重なり合ったり近接することがある。例えば、23MHzの場合には、V0は約3m/sになり、このV0に近い速度の船舶の速度スペクトルは重なり合う。このような場合には、それぞれのスペクトルを弁別するのが困難であり、海上物の検出が困難であった。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、2系統で異なる送信周波数を用いる海洋レーダによって抽出された速度スペクトルデータを合成することによって、海流と海上物の速度スペクトルが重なり合う悪影響を取り除き、海流と海上物それぞれの正しい速度を推定することができる海域探査レーダを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる海域探査レーダにおいては、第一の周波数の電波を海上物に送信して第一の速度スペクトルデータを得るよう構成された第一の海洋レーダ、第一の周波数とは異なる第二の周波数の電波を海上物に送信して第二の速度スペクトルデータを得るよう構成された第二の海洋レーダ、第一の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第一の速度データを得る第一の速度検出器、第二の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第二の速度データを得る第二の速度検出器、第一の速度データ及び第二の速度データを用いて海上物の速度を検出する速度分析器、第一の速度スペクトルデータから海流速及び海上物の速度を含む速度検出を行い第三の速度データを得る第一の簡易速度検出器、第二の速度スペクトルデータから海流速及び海上物の速度を含む速度検出を行い第四の速度データを得る第二の簡易速度検出器、第三の速度データ及び第四の速度データ並びに速度分析器の出力を用いて海流速を検出する海流速分析器を備えたものである。
【0009】
また、第一の周波数の電波を海上物に送信して第一の速度スペクトルデータを得るよう構成された第一の海洋レーダ、第一の周波数とは異なる第二の周波数の電波を海上物に送信して第二の速度スペクトルデータを得るよう構成された第二の海洋レーダ、第一の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第一の速度データを得る第一の速度検出器、第二の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第二の速度データを得る第二の速度検出器、第一の速度データ及び第二の速度データを用いて海上物の速度を検出する速度分析器を備え、第一の速度検出器及び第二の速度検出器は、同一の速度検出器を時分割で用いたものである。
【0010】
また、第一の海洋レーダ及び第二の海洋レーダは、同一の海洋レーダを時分割で用いたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による海域探査レーダを示すブロック図である。
図1において、4は海洋レーダで、送信周波数の異なる2系統が設けられ、海洋レーダ4A(第一の海洋レーダ)は、第一の周波数の電波を送信し、海洋レーダ4B(第二の海洋レーダ)は、第一の周波数とは異なる第二の周波数の電波を送信する。5は海洋レーダ4から出力される速度スペクトルデータで、5A(第一の速度スペクトルデータ)、5B(第二の速度スペクトルデータ)は各々4A、4Bに対応する。6は速度スペクトルデータ5をもとにピーク検出などを行って速度を検出する速度検出器で、6A(第一の速度検出器)、6B(第二の速度検出器)は5A、5Bに対応する。7は速度検出器6によって検出された速度データで、7A(第一の速度データ)、7B(第二の速度データ)は6A、6Bに対応している。8は速度データ7A、7Bをもとに分析を行う速度分析器、9は速度分析器8による速度分析結果である。
【0012】
海洋レーダ4は、次のように構成される。
41はアンテナで、41A、41Bは4A、4Bに対応する。42はアンテナ41に接続され、電波を送受信する送受信機で、42A、42Bは4A、4Bに対応する。43は送受信機42で受信された信号を解析し、ビーム方向とレンジビン毎に速度スペクトルデータ5を出力する信号処理装置で、43A、43Bは4A、4Bに対応する。
【0013】
図2は、この発明の実施の形態1による海域探査レーダを説明するための2系統の海洋レーダの海流と海上物の速度スペクトルを表す図である。
図2において、3は海上物の速度のスペクトル、10Aは海洋レーダ4Aによって受信される負の海流速スペクトルA、10Bは海洋レーダ4Bによって受信される負の海流速スペクトルB、11Aは海洋レーダ4Aによって受信される正の海流速スペクトルA、11Bは海洋レーダ4Bによって受信される正の海流速スペクトルBである。
図3は、この発明の実施の形態1による海域探査レーダの処理手順を解説する図であり、図3(a)、図3(b−A)、図3(b−B)、図3(c−A)、図3(c−B)、図3(d)は、スペクトルを処理して海上物の速度検出する様子を示している。
図3において、3は海上物の速度のスペクトル、12Aは海洋レーダ4Aによって受信される海流速スペクトル、12Bは海洋レーダ4Bによって受信される海流速スペクトルである。13は海上物の速度である。
【0014】
次に、動作について説明する。
海洋レーダ4の2系統が異なる送信周波数を用いる場合には、式(1)に従って、海流速のスペクトルの現れる位置が異なる。海洋レーダ4A、4Bでは、同じ地点を観測しても、図2のように、それぞれスペクトルA(10A、11A)とスペクトルB(10B、11B)のように異なる速度にスペクトルのピークが現れる。
例えば、海洋レーダ4AのA系統と4BのB系統がそれぞれ16MHzと25MHzを送信する場合、式(1)の結果から、スペクトルAのV0は、約4m/sになり、スペクトルBのV0は約3m/sになる。
図2において、海上物の速度のスペクトル3が現れた場合には、A系統の海流速のスペクトル11Aに近接して、その両者のスペクトルを区別するのが困難になる。一般に海洋レーダでは、この例のような場合、負側の海流速のスペクトル10Aでも、海流速を推定可能であるが、海況によっては、負側の海流速のスペクトル10Aが、正側の海流速のスペクトル11Aに比べて弱く、負側の海流速のスペクトル10Aでは速度推定が不可能な場合がある。
【0015】
本発明のレーダにおいては、このような場合においても、B系統の海流速のスペクトル10B、11Bは、海上物の速度のスペクトル3から離れており、それぞれのスペクトルの区別は可能である。
まず、図2に示すように、海流速のスペクトル10A、11Aの付近に検索領域A−とA+を設定し、海流速のスペクトル10B、11Bの付近に検索領域B−とB+を設定し、残る領域をCとする。
【0016】
海上物の速度推定の手順は、次の通りである。
(手順1)速度検出器6Aは、速度スペクトルデータ5Aを入力として、検索領域B−、B+、Cそれぞれでピーク検出などの手法を用いて速度検出を行う。この検出結果を、速度データ7Aとして出力する。
(手順2)速度検出器6Bは、速度スペクトルデータ5Bを入力として、検索領域A−、A+、Cそれぞれでピーク検出などの手法を用いて速度検出を行う。この検出結果を、速度データ7Bとして出力する。
(手順3)速度分析器8は、速度データ7A、7Bを入力として、領域A−、A+、B−、B+、Cから全ての速度検出結果を合わせて、速度分析結果9として出力する。ただし、速度データ7Aと7Bでは、領域Cが重複しているので、両領域で同じ速度もしくは近似した速度が検出された場合には、同一のものとしてそのどちらか片方の速度だけを選択して出力する。
A系統では領域A−内とA+内において、また、B系統では領域B−内とB+内において、速度検出を行っていないが、速度分析器8がこの領域を補完するように合成しているので、全ての観測速度領域内において、海流速のスペクトルを誤検出することなく、海上物の速度の検出は可能になる。
【0017】
データ処理の具体例を図3に示す。図3(a)の通り、A系統の海洋レーダ4Aによって受信される海流速スペクトル12A、B系統の海洋レーダ4Bによって受信される海流速スペクトル12Bがある。この例では、海上物の速度のスペクトル3が海流速スペクトル12Aに近接している。
A系統の海洋レーダ4Aによって受信された海流速スペクトル12Aは、図3(b−A)のようになり、B系統の海洋レーダ4Bによって受信された海流速スペクトル12Bは、図3(b−B)のようになる。A系統の速度検出器6Aでは領域B−とB+とCの中において、B系統の速度検出器6Bでは領域A−とA+とCの中において、速度検出を行うので、両系統の海流速とその近傍のスペクトルは無視され(図3(cーA、c−B))、速度検出器6Aはピークを検出せず、速度検出器6Bは海上物の速度のスペクトル3のピークを検出し、海上物の速度13を速度データ7Bとして出力する。速度データ7A、7Bを速度分析器8が合成した結果、図3(d)のとおり、海上物の速度13を含む速度分析結果9が出力される。結果として、海流の速度は検出されず、海上物の速度13のみが得られている。このようにして、海上物の検出が可能になる。
【0018】
なお、図1のシステムにおいて、アンテナ41A、41B、送受信機42A、42B、信号処理装置43A、43B、速度検出器6A、6Bを共通の機器として、時分割などの運用によって全部または一部を共有化することは可能であり、物理的な機器の構成に変化はあっても論理的にデータや信号の処理は同じであるが、ここでは詳細について説明は行わない。
【0019】
実施の形態1によれば、送信周波数の異なる2つの海洋レーダから得られる速度スペクトルデータから、海流スペクトルのエコースペクトル及びその近傍を除去し、2つのデータで補完することにより、海流のスペクトルと間違えることなく、海上に存在する物体の検出と速度推定が可能になる。
【0020】
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による海域探査レーダを示すブロック図である。
図4において、4〜6、9、41〜43は図1におけるものと同一のものである。速度検出器6は1系統のみ設けられている。14は速度スペクトルデータ5A、5Bを合成するスペクトル合成器、15はスペクトル合成器14によって合成された合成速度スペクトルデータである。
図5は、この発明の実施の形態1による海域探査レーダの処理手順を解説する図であり、図5(a)、図5(b−A)、図5(b−B)、図5(c−A)、図5(c−B)、図5(d)、図5(e)はスペクトルを処理して海上物の速度検出する様子を示す。
図5において、3、12A、12B、13は図3におけるものと同一のものである。
【0021】
次に、動作について説明する。
実施の形態2は、実施の形態1と同様にアンテナ41A、送受信機42A、信号処理装置43Aで構成される海洋レーダ4Aと、アンテナ41B、送受信機42B、信号処理装置43Bで構成される海洋レーダ4Bの2系統を備えており、速度スペクトルデータ5A、5Bをそれぞれ出力する。
次に、スペクトル合成器14では、速度スペクトルデータ5A、5Bを入力として合成結果を合成速度スペクトルデータ15として出力する。速度検出器6は、合成速度スペクトルデータ15を入力し、ピーク検出などの方法によって速度検出を行い、速度分析結果9を出力する。
【0022】
図5にデータ処理の例を示す。
実施の形態1と同様に、図5(b−A、b−B)のように速度スペクトルデータ5A、5Bが出力される。図4のスペクトル合成器14は、速度スペクトルデータ5Aからは、領域B−、B+、Cを選択して、速度スペクトルデータ5Bからは、領域A−、A+、Cを選択して、それぞれ欠損する領域を補完させ、図5(d)のような合成速度スペクトルデータ15を出力する。
図4の速度検出器6は、合成速度スペクトルデータ15を入力として、スペクトルのピーク検出を行い、図5(e)のような速度推定結果を持つ速度分析結果9を出力する。
【0023】
実施の形態2によれば、速度スペクトルデータの段階で海流速のスペクトルを除去し、速度検出器6を用いることで、海流の速度は検出されずに、海上物の速度13のみが得られ、海上物の検出が可能になる効果がある。
【0024】
実施の形態3.
実施の形態1は、海流速のスペクトルのまぎれこむ可能性のある領域の速度データを除去して、その結果として所望の海上物の速度を速度分析結果として出力するものであったが、速度データから、海上物の速度を除去し、残る海流側を検出することも可能である。
図6は、この発明の実施の形態3による海域探査レーダを示すブロック図である。
図6において、4〜9は図1におけるものと同一のものである。16は速度スペクトルデータ5から海流及び海上物の速度を含む速度データを検出する簡易速度検出器で、16A(第一の簡易速度検出器)、16B(第二の簡易速度検出器)は5A、5Bに対応する。17は簡易速度検出器16によって検出された速度データで、17A(第三の速度データ)、17B(第四の速度データ)は16A、16Bに対応する。18は速度データ17A、17B及び速度分析結果9をもとにして、海流速を分析する海流速分析器、19は海流速分析器18によって分析された海流速分析結果である。
【0025】
次に、動作について説明する。
図6に示される海域探査レーダは、速度スペクトルデータ5A、5Bから速度データ17A、17Bを出力する簡易速度検出器16A、16Bを有し、海流速分析器18が速度データ17A、17Bと速度分析結果9を入力とし、海流速分析結果19を出力する点で、図1とは異なるが、図1と同じ部分においては同じ動作をする。
簡易速度検出器16は、速度検出器6と同様の動作をするが、速度スペクトルデータ5から検索領域を設けることなく速度の推定を行う。その結果、出力される速度データ17には、海上物だけではなく、海流の速度推定結果も含まれる。
海流速分析器18は、速度分析結果9からの海上物の速度を入力し、2つの速度データ17A、17B中の海上物の速度に等しいか、もしくは近似する速度データを除外して、海流速を抽出する。ただし、図7に示されるとおり、抽出される海流速Vx1、Vx2はオフセットを持っている。実際の海流速Vdは、Vx1とVx2とは次式の関係があり、V0は式(1)で与えられるので、この式に基づいて換算できる。
Vx1=−V0+Vd・・・(2)
Vx2=+V0+Vd・・・(3)
このように、速度データから海上物の速度を除去することにより、弁別して所望の海流速が推定可能になる。
【0026】
実施の形態3によれば、海上に存在する物体の速度を参照して、速度データから海流の速度を弁別し、所望の海流速が推定可能になるという効果がある。
【0027】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
第一の周波数の電波を海上物に送信して第一の速度スペクトルデータを得るよう構成された第一の海洋レーダ、第一の周波数とは異なる第二の周波数の電波を海上物に送信して第二の速度スペクトルデータを得るよう構成された第二の海洋レーダ、第一の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第一の速度データを得る第一の速度検出器、第二の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第二の速度データを得る第二の速度検出器、第一の速度データ及び第二の速度データを用いて海上物の速度を検出する速度分析器、第一の速度スペクトルデータから海流速及び海上物の速度を含む速度検出を行い第三の速度データを得る第一の簡易速度検出器、第二の速度スペクトルデータから海流速及び海上物の速度を含む速度検出を行い第四の速度データを得る第二の簡易速度検出器、第三の速度データ及び第四の速度データ並びに速度分析器の出力を用いて海流速を検出する海流速分析器を備えたので、2つの速度データで補完することにより、海流速のスペクトルと間違えることなく、海上物の速度推定が可能になると共に、海上物の速度を参照して、海流速が推定可能になる。
【0028】
また、第一の周波数の電波を海上物に送信して第一の速度スペクトルデータを得るよう構成された第一の海洋レーダ、第一の周波数とは異なる第二の周波数の電波を海上物に送信して第二の速度スペクトルデータを得るよう構成された第二の海洋レーダ、第一の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第一の速度データを得る第一の速度検出器、第二の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第二の速度データを得る第二の速度検出器、第一の速度データ及び第二の速度データを用いて海上物の速度を検出する速度分析器を備え、第一の速度検出器及び第二の速度検出器は、同一の速度検出器を時分割で用いたので、2つの速度データで補完することにより、海流速のスペクトルと間違えることなく、海上物の速度推定が可能になると共に、物理的な機器の構成を簡単にすることができる。
【0029】
また、第一の海洋レーダ及び第二の海洋レーダは、同一の海洋レーダを時分割で用いたので、物理的な機器の構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による海域探査レーダを示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による海域探査レーダを説明するための2系統の海洋レーダの海流と海上物の速度スペクトルを表す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による海域探査レーダの処理手順を解説する図である。
【図4】この発明の実施の形態2による海域探査レーダを示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態2による海域探査レーダの処理手順を解説する図である。
【図6】この発明の実施の形態3による海域探査レーダを示すブロック図である。
【図7】一般的な海流のドップラースペクトルを表す図である。
【図8】一般的な海流と海上物のドップラースペクトルを表す図である。
【図9】一般的な海上物のドップラースペクトルが海流ドップラースペクトルに近接する状態を表す図である。
【符号の説明】
3 海上物の速度のスペクトル、4 海洋レーダ、
5 速度スペクトルデータ、6 速度検出器、7 速度データ、
8 速度分析器、9 速度分析結果、
10A 負の海流速スペクトルA、10B 負の海流速スペクトルB、
11A 正の海流速スペクトルA、11B 正の海流速スペクトルB、
12A,12B 海流速スペクトル、13 海上物の速度、
14 スペクトル合成器、15 合成速度スペクトルデータ、
16 簡易速度検出器、17 速度データ、18 海流速分析器、
19 海流速分析結果、41 アンテナ、42 送受信機、
43 信号処理装置。
Claims (3)
- 第一の周波数の電波を海上物に送信して第一の速度スペクトルデータを得るよう構成された第一の海洋レーダ、上記第一の周波数とは異なる第二の周波数の電波を上記海上物に送信して第二の速度スペクトルデータを得るよう構成された第二の海洋レーダ、上記第一の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第一の速度データを得る第一の速度検出器、上記第二の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第二の速度データを得る第二の速度検出器、上記第一の速度データ及び第二の速度データを用いて上記海上物の速度を検出する速度分析器、上記第一の速度スペクトルデータから海流速及び海上物の速度を含む速度検出を行い第三の速度データを得る第一の簡易速度検出器、第二の速度スペクトルデータから海流速及び海上物の速度を含む速度検出を行い第四の速度データを得る第二の簡易速度検出器、上記第三の速度データ及び第四の速度データ並びに速度分析器の出力を用いて海流速を検出する海流速分析器を備えたことを特徴とする海域探査レーダ。
- 第一の周波数の電波を海上物に送信して第一の速度スペクトルデータを得るよう構成された第一の海洋レーダ、上記第一の周波数とは異なる第二の周波数の電波を上記海上物に送信して第二の速度スペクトルデータを得るよう構成された第二の海洋レーダ、上記第一の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第一の速度データを得る第一の速度検出器、上記第二の速度スペクトルデータから海流速付近の成分を除去した速度検出を行い第二の速度データを得る第二の速度検出器、上記第一の速度データ及び第二の速度データを用いて上記海上物の速度を検出する速度分析器を備え、上記第一の速度検出器及び第二の速度検出器は、同一の速度検出器を時分割で用いたことを特徴とする海域探査レーダ。
- 第一の海洋レーダ及び第二の海洋レーダは、同一の海洋レーダを時分割で用いたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の海域探査レーダ。
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