JP3607254B2 - 建築用断熱部材,建築用断熱部材の製造方法及び建築用断熱部材の施工方法 - Google Patents

建築用断熱部材,建築用断熱部材の製造方法及び建築用断熱部材の施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の壁等に用いられる建築用断熱部材,建築用断熱部材の製造方法及び建築用断熱部材の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築用断熱部材として、例えば、特開平11−293802号公報に掲載されたものが知られている。
これは、図35に示すように、矩形の成形型枠1に、被覆材2を敷設し、糊等の接着剤と混合したかんな屑等の木材チップCの集合を入れ、この木材チップCの集合の上に被覆材3を被せ、それからこの木材チップCの集合を加圧型4で圧縮して成形し、その後、乾燥して建築用断熱部材の製品としている。
この建築用断熱部材を建物の壁に用いることにより、通気性や吸湿性を良くして居住の快適性を向上させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来の建築用断熱部材にあっては、糊等の接着剤を使用しているので、この接着剤が通気性,吸湿性等に少なからず障害を与えることから、より一層の改善が望まれている。また、接着剤が固化すると、それだけ、熱伝導率が高くなるので、断熱性能が低下してしまうという問題もある。更に、火災時や焼却処分時には、接着剤の燃焼により有害ガスの発生が懸念され、また、製造においても、糊等の接着剤を使用し、乾燥もさせるので、それだけ、煩雑になっており、製造効率が悪いという問題もあった。更に、接着剤が使用されていることから、建築用断熱部材を廃棄するときに、再資源化が極めて難しいという問題もあった。
【0004】
これを解決するために、糊等の接着剤を使用しないで、木材チップCのみを用いることも考えられるが、単に木材チップCのみにしても、接着剤を使用しない分、形状が不安定になってしまうという欠点がある。
尚、従来においては、壁の外壁材と内壁材との間に木材チップを充填する技術もあるが、ブロック状の部材を用いる技術ではないので、施工が難しく、搬送もしにくい等の欠点を有する(例えば、特開平2−183031号公報掲載)。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、接着剤を用いることなく木材チップのみを用いてブロック状に形成できるようにするとともに、形状を安定させて木材チップを保持できるようにし、通気性や吸湿性の向上を図るとともに、断熱性の向上を図り、更に、廃棄時に容易に再資源化ができるようにし、施工を容易にできる建築用断熱部材を提供することを目的とする。
また、このような建築用断熱部材を容易に製造できる建築用断熱部材の製造方法を提供することを目的とする。
更に、このような建築用断熱部材を容易に施工できる建築用断熱部材の施工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の建築用断熱部材は、木材チップの集合を所要の幅(断熱部材の厚さに相当)で略平行に存在する2つの外側面及び該外側面の周囲に存在する4つの周端面を備えた略矩形のブロック状に形成してなる建築用断熱部材において、上記木材チップの集合を、上記外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納した構成としている。
ここで、木材チップは、樹木の内、木部を小片にしたもの、あるいは、樹皮を小片にしたもの、あるいはまた、これらの混合をいう。
これにより、木材チップの集合は、外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納されているので、この圧縮力により、全体の形状が安定化させられ、形状が保持される。特に、上記の従来の接着剤を使用した厚さ方向(幅方向)への圧縮とは異なり、外側面に沿う所定方向(面方向)への圧縮であることから、厚さ方向の吸湿膨張が発生せずに崩れにくくなり、形状を安定させて保持できる。
また、木材チップの集合は、従来のように接着剤を用いることなく木材チップのみを用いてブロック状に形成されているので、接着剤の影響がないことから、通気性や吸湿性の向上が図られるとともに、熱伝導度も低く設定でき、断熱性の向上も図られる。
【0007】
そして、必要に応じ、上記所定方向に直交し互いに相対向して設けられ上記木材チップの集合を押える一対の押え板を設けた構成としている。押え板によってこれに接する木材チップの平面確保が確実になり、この点でも、その形状が安定化させられ、形状が保持される。
また、必要に応じ、上記一対の押え板に巻回されて上記木材チップの集合を押える紐を設けた構成としている。搬送時等において、紐によってより一層押えが確実になり、この点でも、その形状が安定化させられ、形状が保持される。
【0008】
そしてまた、必要に応じ、上記木材チップとして、カール状の木材チップを用いた構成としている。カールしているので、木材チップ相互が絡み合って結合し易いとともに、嵩密度が低いことから圧縮後の密度を低くしても形状保持が容易になり、形状が安定化させられる。また、圧縮比を低くできるので、通気性や吸湿性の向上が図られるとともに、熱伝導度も低く設定でき、断熱性の向上も図られる。
【0009】
また、必要に応じ、上記木材チップの集合の圧縮比R(R=圧縮後の密度ρ/圧縮前の嵩密度ρ )がR≧1.2である構成としている。
望ましくは、上記木材チップの集合の圧縮比R(R=圧縮後の密度ρ/圧縮前の嵩密度ρ )がR≧1.5である構成としている。
より望ましくは、上記木材チップの集合の圧縮比R(R=圧縮後の密度ρ/圧縮前の嵩密度ρ )がR≧1.8である構成としている。圧縮比が小さいと、弾性による保持が低下する。
また、必要に応じ、上記木材チップの集合の所定方向の圧縮弾性率EがE≧3MPaである構成としている。特に、フラット状(平面状)の木材チップにおいて有効になる。即ち、上記のカール状の木材チップは、比較的圧縮比が小さくても形状保持が確実であるが、フラット状(平面状)の木材チップでは、圧縮比が小さいと形状保持しにくくなる。しかしながら、圧縮弾性率を大きくすることにより、形状保持を確実にすることができる。
【0010】
更に、必要に応じ、上記木材チップの集合の厚さDをD=0.1mとしたとき、厚さ方向の熱伝導率λがλ≦0.1W/mKになるように木材チップの集合を構成している。
望ましくは、上記木材チップの集合の厚さDをD=0.1mとしたとき、厚さ方向の熱伝導率λがλ≦0.085になるように木材チップの集合を構成している。
より望ましくは、上記木材チップの集合の厚さDをD=0.1mとしたとき、厚さ方向の熱伝導率λがλ≦0.07になるように木材チップの集合を構成している。熱抵抗を高くして、優れた断熱性能を奏することができる。例えば、「日本住宅性能表示基準」において、II地域,等級3で求められる熱抵抗を発揮させることができる。
【0011】
具体的には、上記木材チップの集合の密度ρがρ≦150Kg/m である構成としている。
より望ましくは、上記木材チップの集合の圧縮後の密度ρがρ≦100Kg/m である構成としている。
上記の熱伝導率を低くすることに寄与し、熱抵抗を高くして、優れた断熱性能を奏することができる。
【0012】
また、上記の課題を解決するための本発明の建築用断熱部材の製造方法は、木材チップの集合を所要の幅で略平行に存在する2つの外側面及び該外側面の周囲に存在する4つの周端面を備えた略矩形のブロック状に形成してなり、該木材チップの集合を、上記外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納するとともに、上記所定方向に直交し互いに相対向して設けられ上記木材チップの集合を押える一対の押え板を設け、上記一対の押え板に巻回されて上記木材チップの集合を押える紐を設けた建築用断熱部材の製造方法において、
上記木材チップの集合が収容される上側の開口を有し上記建築用断熱部材の2つの外側面及び3つの周端面を成形する成形型枠と、該成形型枠の開口から挿入されて上記収容された木材チップの集合を圧縮するとともに他の1つの周端面を成形する加圧型とを備えた成形装置を用い、
上記成形型枠に紐をその両端が開口に臨むように入れ、該紐が外側に位置するように成形型枠の底面に一方の押え板を設け、次に、成形型枠にその開口から木材チップの集合を収容し、該木材チップの集合の上に他方の押え板を載置し、それから、該押え板を加圧型により圧縮して木材チップの集合を所要形状に成形し、次に、圧縮状態で紐の両端を結着し、その後、該紐で結着した木材チップの集合を袋体に収納する構成としている。
あるいはまた、上記成形型枠に袋体を収容し、該袋体内に紐をその両端が開口に臨むように入れ、該紐が外側に位置するように袋体の底面に一方の押え板を設け、次に、袋体内に木材チップの集合を収容し、該木材チップの集合の上に他方の押え板を載置し、それから、該押え板を加圧型により圧縮して木材チップの集合を所要形状に成形し、次に、圧縮状態で紐の両端を結着して製造する構成としている。
これにより、木材チップの集合を圧縮して紐で押え板を介して結着するだけで、木材チップの集合を所要形状に成形できるので、製造を極めて容易に行なうことができる。
【0013】
更に、上記の課題を解決するための本発明の建築用断熱部材の製造方法は、木材チップの集合を所要の幅で略平行に存在する2つの外側面及び該外側面の周囲に存在する4つの周端面を備えた略矩形のブロック状に形成してなり、該木材チップの集合を、上記外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納するとともに、上記所定方向に直交し互いに相対向して設けられ上記木材チップの集合を押える一対の押え板を設けた建築用断熱部材の製造方法において、
上記木材チップの集合が収容される上側の開口を有し上記建築用断熱部材の2つの外側面及び3つの周端面を成形する成形型枠と、該成形型枠の開口から挿入されて上記収容された木材チップの集合を圧縮するとともに他の1つの周端面を成形する加圧型とを備えた成形装置を用い、
上記成形型枠の底面に一方の押え板を設け、上記成形型枠にその開口から木材チップの集合を収容し、該木材チップの集合の上に他方の押え板を載置し、それから、該押え板を加圧型により圧縮して木材チップの集合を所要形状に成形し、その後、圧縮状態で該木材チップの集合を押し出して該木材チップの集合の付勢力を押え板を介して押える袋体に収納する構成としている。
これにより、木材チップの集合を圧縮して、袋体に収納するだけで良いので、製造を極めて容易に行なうことができる。また、袋体によって木材チップの集合の付勢力を押え板を介して押えるようにしたので、構造も簡単になり、コストダウンが図られる。
【0014】
また、上記の課題を解決するための本発明の建築用断熱部材の施工方法は、木材チップの集合を所要の幅で略平行に存在する2つの外側面及び該外側面の周囲に存在する4つの周端面を備えた略矩形のブロック状に形成してなり、該木材チップの集合を、上記外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納した建築用断熱部材の施工方法において、
建築用断熱部材を所定方向の内向きに押圧して縮めた状態で、この建築用断熱部材を建材間に配置し、建築用断熱部材をその弾性力により建材間に弾持させる構成としている。
この場合、必要に応じ、上記建材間に建築用断熱部材を複数列設する構成としている。
これにより、建築用断熱部材を押圧して縮めて離すだけで、建材間に装着できるので、装着が極めて容易に行なわれ、施工効率を大幅に向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る建築用断熱部材,建築用断熱部材の製造方法及び建築用断熱部材の施工方法について説明する。
【0016】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る建築用断熱部材M(「マット」ともいう)は、木材チップCの集合を所要の幅(断熱部材の厚さDに相当)で略平行に存在する2つの外側面10及び該外側面10の周囲に存在する4つの周端面11を備えた略矩形のブロック状に形成してなるもので、木材チップCの集合を、外側面10に沿う所定方向Z(1つの対辺方向)の外向きに付勢力(F)を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体20に収納して構成されている。
袋体20としては、例えば、紙,布,樹脂等適宜の材質のものが用いられる。大きさは適宜に定められ、例えば、縦長さ(所定方向Z長さ)WをW=430mm,横長さLをL=1350mm,厚さDをD=100mmに定めている。
また、所定方向Zに直交し互いに相対向して設けられ木材チップCの集合を押える一対のベニヤ板等の木製の押え板12が設けられている。
更に、一対の押え板12に巻回されて木材チップCの集合を押える複数の樹脂製紐13が設けられている。
【0017】
木材チップCとしては、実施の形態では、所謂プレーナー屑といわれる木部がカール状に形成された木材チップCが用いられている(図7(a)(b)参照)。例えば、ベイマツとベイヒバが混合(混合比4:6)されたプレーナー屑を、5.5mmメッシュの篩にかけて、平均寸法が11mm×14mm×0.5mmなる大きさのものを用いた。
【0018】
そして、木材チップCの集合の圧縮比R(R=圧縮後の密度ρ/圧縮前の嵩密度ρ )がR≧1.2、望ましくは、R≧1.5、より望ましくは、R≧1.8になるように木材チップCの集合を圧縮した。
また、木材チップCの集合の厚さDをD=0.1mとしたとき、厚さ方向の熱伝導率λがλ≦0.1W/mKになるように、望ましくは、λ≦0.085W/mK、より望ましくは、λ≦0.07W/mKになるように木材チップCの集合を構成した。
具体的には、木材チップCの集合の密度ρがρ≦150Kg/m 、望ましくは、ρ≦100Kg/m に設定した。
【0019】
次に、この実施の形態に係る建築用断熱部材の製造方法について説明する。
図2に示す工程図を用いて説明すると、この製造方法は、成形装置30を用いる。この成形装置30は、木材チップCの集合が収容される上側の開口31を有し建築用断熱部材Mの2つの外側面10及び3つの周端面11を成形する成形型枠32を備えている。成形型枠32は、上型32aと下型32bに分離可能になっている。また、成形型枠32の開口31から挿入されて収容された木材チップCの集合を圧縮するとともに他の1つの周端面11を成形する加圧型33を備えている。この加圧型33は、開口面積よりも小さく、加圧状態で紐13が巻回可能になっている。
【0020】
この成形装置30を用いて、木材チップCの集合を成形するときは、先ず、成形型枠32に紐13をその両端が開口31に臨むように入れ(1−1)、紐13が外側に位置するように成形型枠32の底面に一方の押え板12を設け(1−2)、次に、成形型枠32にその開口31から木材チップCの集合を収容し(1−3)、木材チップCの集合の上に他方の押え板12を載置し(1−4)、それから、押え板12を加圧型33により圧縮して木材チップCの集合を所要形状に成形し(1−5)、次に、この状態で上型32aを外し(1−6)、圧縮状態で紐13の両端を結着する(1−7)。この場合、木材チップCの集合を圧縮して紐13で押え板12を介して結着するだけで、木材チップCの集合を所要形状に成形できるので、製造を極めて容易に行なうことができる。
その後、紐13で結着した木材チップCの集合を袋体20に収納する(1−8)。袋体20の開口は、粘着テープ等で封止すれば良い。これにより、建築用断熱部材Mの製品が完成する(1−9)。
尚、この製造方法において、最初に成形型枠32に袋体20を収容しておいても良い。即ち、先ず、成形型枠32に袋体20を収容し、この袋体20内に紐13及び一方の押え板12を入れ、次に、袋体20内に木材チップCの集合を収容し、この木材チップCの集合の上に他方の押え板12を載置して加圧型33により圧縮し、その後、紐13の両端を結着し、最後に袋体20の開口を粘着テープ等で封止するように製造しても良く、適宜変更して良い。
【0021】
このように製造された建築用断熱部材Mにおいては、木材チップCの集合は、外側面10に沿う所定方向Zの外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体20に収納されているので、この圧縮力により、その形状が安定化させられ、形状が保持される。特に、上記の従来の接着剤を使用した厚さ方向(幅方向)への圧縮とは異なり、外側面10に沿う所定方向Z(面方向)への圧縮であることから、厚さ方向の吸湿膨張が発生せずに崩れにくくなり、形状を安定させて保持できる。
また、木材チップCの集合は、押え板12によって押えられているので、この面の水平が確保され、付勢力も平均化されて、押えが確実になり、この点でも、その形状が安定化させられ、形状が保持される。更に、紐13が巻回されて押えられているので、より一層押えが確実になり、この点でも、その形状が安定化させられ、形状が保持される。
【0022】
次に、このように製造された建築用断熱部材Mを用いて、例えば、建物の壁を構築する建築用断熱部材の施工方法について説明する。
図3に示すように、予め、壁を構成する複数の建材としての柱40を土台41に立設しておく。そして、例えば、手作業で、建築用断熱部材Mを所定方向Zの内向きに押圧して縮めた状態で、この建築用断熱部材Mを柱40間に配置し、それから、手を離す。これにより、建築用断熱部材Mは、その弾性力により柱40間に弾持させられる。このようにして、弾持させた建築用断熱部材Mにより壁を構築する。この際、建築用断熱部材Mの大きさにもよるが、柱40間に建築用断熱部材Mを複数列設してよい。
この場合、建築用断熱部材Mを押圧して縮めて離すだけで、柱40間に装着できるので、装着が極めて容易に行なわれ、施工効率を大幅に向上させることができる。
【0023】
このようにして装着された建築用断熱部材Mにおいては、木材チップCの集合は、外側面10に沿う所定方向Zの外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体20に収納されているので、この圧縮力により、その形状が安定化させられ、形状が保持される。特に、上記の従来の接着剤を使用した厚さ方向(幅方向)への圧縮とは異なり、外側面10に沿う所定方向Z(面方向)への圧縮であることから、厚さ方向の吸湿膨張が発生せずに崩れにくくなり、形状を安定させて保持できる。
また、木材チップCの集合は、押え板12によって押えられているので、押えが確実になり、この点でも、その形状が安定化させられ、形状が保持される。
更に、木材チップCの集合は、従来のように接着剤を用いることなく木材チップCのみを用いてブロック状に形成されているので、接着剤の影響がないことから、通気性や吸湿性の向上が図られるとともに、熱伝導度も低く設定でき、断熱性の向上も図られる。
【0024】
特に、木材チップCとしては、実施の形態では、所謂プレーナー屑といわれるカール状の木材チップCを用い、圧縮比R(R=圧縮後の密度ρ/圧縮前の嵩密度ρ )がR≧1.2、望ましくは、R≧1.5、より望ましくは、R≧1.8になるように木材チップCの集合を圧縮し、木材チップCの集合の厚さDをD=0.1mとしたとき、厚さ方向の熱伝導率λがλ≦0.1W/mKになるように、望ましくは、λ≦0.085W/mK、より望ましくは、λ≦0.07W/mKになるように木材チップCの集合を構成し、具体的には、木材チップCの集合の密度ρがρ≦150Kg/m 、望ましくは、ρ≦100Kg/m に設定したので、後述の試験結果からも分かるように、形状安定性、断熱性に優れる。
【0025】
次に、図4に示すように、本発明の別の実施の形態に係る建築用断熱部材について説明する。別の実施の形態に係る建築用断熱部材Mは、上記と略同様に構成されるが、上記と異なって、紐13がなく、押え板12で押えられた木材チップCの集合のみを、可撓性の袋体20に収納して構成されている。即ち、木材チップCの集合を所要の幅で略平行に存在する2つの外側面10及び該外側面10の周囲に存在する4つの周端面11を備えた略矩形のブロック状に形成してなるもので、木材チップCの集合を、外側面10に沿う所定方向Z(1つの対辺方向)の外向きに付勢力(F)を有するように押え板12を介して弾性圧縮して可撓性の袋体20に収納して構成されている。他の構成は上記と同様である。
【0026】
この別の実施の形態に係る建築用断熱部材の製造方法は、以下のようになる。図5に示す工程図を用いて説明すると、この製造方法は、成形装置30を用いる。この成形装置30は、木材チップCの集合が収容される上側の開口31を有し建築用断熱部材Mの2つの外側面10及び3つの周端面11を成形する成形型枠32を備えている。成形型枠32の両側壁は、着脱可能になっている。また、成形型枠32の開口31から挿入されて収容された木材チップCの集合を圧縮するとともに他の1つの周端面11を成形する加圧型33を備えている。更に、一方の側壁側に、両側壁の脱時に成形された木材チップCの集合を他方の側壁側へ押し出して、他方の側壁側に用意され木材チップCの集合を押え板12を介して押える袋体20に押し入れる押し出し機構35が設けられている。
【0027】
この成形装置30を用いて、木材チップCの集合を成形するときは、先ず、成形型枠32の底面に一方の押え板12を設け(2−1)、次に、成形型枠32にその開口31から木材チップCの集合を収容するとともに、木材チップCの集合の上に他方の押え板12を載置し(2−2)、それから、押え板12を加圧型33により圧縮して木材チップCの集合を所要形状に成形し(2−3)、その後、成形型枠32の両側壁を外して押し出し機構35により、圧縮状態で木材チップCの集合を押し出して袋体20に収納する(2−4)。袋体20の開口は、粘着テープ等で封止すれば良い。これにより、建築用断熱部材Mの製品が完成する(2−5)。
この場合、木材チップCの集合を圧縮して、袋体20に収納するだけで良いので、製造を極めて容易に行なうことができる。また、袋体20によって押え板12を介して木材チップCの集合の付勢力を押えるようにしたので、構造も簡単になり、コストダウンが図られる。
【0028】
このように製造された建築用断熱部材Mを用いて、建物の壁を構築する際は、上記と同様に行なう。
この建築用断熱部材Mにおいては、木材チップCの集合は、外側面10に沿う所定方向Zの外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体20に収納されているので、この圧縮力により、その形状が安定化させられ、形状が保持される。特に、上記の従来の接着剤を使用した厚さ方向(幅方向)への圧縮とは異なり、厚さ方向の吸湿膨張が発生せずに崩れにくくなり、形状を安定させて保持できる。
また、木材チップCの集合は、従来のように接着剤を用いることなく木材チップCのみを用いてブロック状に形成されているので、接着剤の影響がないことから、通気性や吸湿性の向上が図られるとともに、熱伝導度も低く設定でき、断熱性の向上も図られる等、上記と同様の作用,効果を奏する。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。図6には、本発明の実施例に係る建築用断熱部材(「試験体」あるいは、「小片マット」とも言う)を、表にして示している。各実施例は、図1及び図2に示した実施の形態と同じ製造方法で製造した。建築用断熱部材の大きさは、W(Z),L(X)=200mm,D(Y)=50mmとした。袋体には厚さ0.1mmのポリエチレンシートを用いた。押え板には厚さ2.6mm、密度783kg/m のMDF(中密度繊維板)を用いた。木材チップは図6に示す2分類4種類のもので、気乾状態のものを用いた。尚、嵩密度は、底面積20cm×20cmの直方体容器に木材チップ400gを手撒きし、木材チップ上面に2kgf(5gf/cm )を負荷してマット高さを計測し、算出した。
【0030】
[実施例1]
実施例1に係る建築用断熱部材としては、図7(a)の写真に示すように、プレカット工場のプレーナー屑(カール状)の内篩い分けで大きいもの(「PL」とする)を用い、5種類の密度のものを作成した。各々、実施例1−1,実施例1−2,実施例1−3,実施例1−4,実施例1−5とする。
【0031】
[実施例2]
実施例2に係る建築用断熱部材としては、図7(b)の写真に示すように、プレカット工場のプレーナー屑(カール状)の内篩い分けで小さいもの(「PS」とする)を用い、4種類の密度のものを作成した。各々、実施例2−1,実施例2−2,実施例2−3,実施例2−4とする。
【0032】
[実施例3]
実施例3に係る建築用断熱部材としては、図7(c)の写真に示すように、実験室的にリングフレーカーで製造したフラット状木材チップのもの(「RF」とする)を用い、5種類の密度のものを作成した。各々、実施例3−1,実施例3−2,実施例3−3,実施例3−4,実施例3−5とする。
【0033】
[実施例4]
実施例4に係る建築用断熱部材としては、図7(d)の写真に示すように、実験室的にハンマーミルで製造したフラット状木材チップのもの(「HM」とする)を用い、3種類の密度のものを作成した。各々、実施例4−1,実施例4−2,実施例4−3とする。
【0034】
【実験例】
これらの各実施例について、各2体作製し、型枠除去前後のZ方向圧縮応力および袋体で周囲被覆後のZ方向圧縮弾性率を測定した。また、各実施例に係る建築用断熱部材のY方向の熱伝導率を、ASTM(C518)に準拠して1試料2熱流計方式(高温板30℃、低温板20℃)で測定した。(1条件4回)。
【0035】
また、後で詳述するが、熱伝導率測定後、各実施例の建築用断熱部材を内径50cmの回転ドラム(12rmp、回転軸は水平)に1分間投入して落下衝撃を附与し、木材チップマットの崩れを観察して形状安定性を評価した。評価は5段階(1;健全、2;マット崩壊が表面の木材チップ剥離のみで、その面積が外側面(見付け面)の1/3未満、3;同様に1/3以上、4;マット崩壊が内部まで及ぶが、その深さがマット厚さの2割未満、5;同2割以上)とした。
以下詳しく説明する。
【0036】
1.各密度の試験体作成時におけるプレス反力を測定し、密度:プレス反力の関係を見た。
測定項目は以下のとおりである。
σ :所定の密度までの圧縮で生じた圧縮応力
σ :直ちに型枠を取り除き、外側面拘束を解放したときの圧縮応力
σ :30分放置後の圧縮応力
マットの被覆を完成し、小片堆積方向の圧縮弾性率を測定(σ−ε関係より)
(ただし、マットの座屈を避けるため、付与した歪は最大5%(10mm)とした)
【0037】
結果を図8乃至図11に示す。
図8(表1)は圧縮応力σ (KPa)を示す。
図9(表2)は圧縮応力σ (KPa)を示す。
図10(表3)は圧縮応力σ (KPa)を示す。
図11(表2−1)は型枠除去による圧縮応力の残存比(σ /σ )を示す。
図12(表3−1)は30分放置後の圧縮応力の残存比(σ /σ )を示す。
【0038】
これらの結果から以下の点を考察できる。
1)型枠中で所定密度の試験体を得るに必要な圧縮力(σ ×圧縮面積)に関して、
▲1▼σ は、製造装置を開発する際のプレス圧力設計に必要なデータである。
▲2▼σ は試験体密度の増加とともに直線的に増加するが、密度が高くなると指数的な増加傾向を示す。
▲3▼密度とσ の関係は、カールを伴う小片(PL、PS)とフラットな小片(RF、HM)で明瞭に異なる。その結果、前者の方が高い圧縮力を必要とし、これは小片マットの嵩密度(プレス前の見かけ密度)が関与する。
【0039】
2)型枠除去後の圧縮応力(σ )に関して、
▲1▼型枠を除去すると、圧縮応力はσ の1〜5割にまで低下する。
▲2▼低下の程度は、カール小片であるPL、PSで大きく、応力の残存は1〜3割、かつ低密度ほど残存は小さい。この原因として、マット圧縮時に発生する側面抵抗がカール小片では大きいことが推察される。
▲3▼型枠除去により、試験体密度と圧縮応力の関係はσ の場合に比べ小片形状の影響を受け難い関係へと変化する。
【0040】
3)圧縮応力の緩和(σ からσ への変化)に関して
▲1▼木材は粘弾性体であるため、圧縮した小片マットにおいても応力緩和を生じる。
▲2▼本実験の場合、緩和は初期5分以内で大きく、その後は極めて穏やかな変化となった。
▲3▼30分緩和後の圧縮応力(σ )は、σ の8〜9割であり、小片の種類や試験体密度との明瞭な関係は認められなかった。
【0041】
上記の結果から表1に対応して、試験体密度と型枠中での圧縮応力の関係(図13(a))、密度をマット圧縮比に換算した場合の関係(図13(b))を見た。
また、表2に対応して、試験体密度と型枠除去後の圧縮応力の関係(図14(a))、密度をマット圧縮比に換算した場合の関係(図14(b))を見た。
更に、表3に対応して、試験体密度と型枠除去+30分緩和後の圧縮応力の関係(図15(a))、密度をマット圧縮比に換算した場合の関係(図15(b))を見た。
【0042】
2.試験体のZ方向圧縮弾性率
上述したように、断熱材を施工する際は、Z方向に若干縮めて根太や間柱の間に挟み込むことになる。それに要する力が大きい場合は施工後の断熱材保持に優れる反面、施工性は悪化する可能性がある。一方、その力が小さすぎると断熱材保持力が発現されず、壁体内などで隙間が発生する可能性がある。したがって、施工時に負荷されるZ方向荷重を適切に設定する必要があり、これはZ方向弾性率に依存する。
図16(表4)にZ方向圧縮弾性率(MPa)を示す。
【0043】
また、図17(表4−1)に、荷重試算例を示す。これは、試験体をZ方向に5mm(ε=5/200=0.025)圧縮するのに要する荷重を圧縮弾性率から計算したものである。この場合、圧縮面積を5×20=100cm としている。
更に、表4に対応して、試験体密度と試験体Z方向の圧縮弾性率の関係(図18(a))、密度をマット圧縮比に換算した場合の関係(図18(b))を見た。
【0044】
3.試験体に内在するZ方向圧縮応力とZ方向圧縮弾性率の関係
図19(表5)及び図20に示すように、試験体に内在するZ方向圧縮応力とZ方向圧縮弾性率の関係を示した。
これから分かるように、試験体密度とZ方向圧縮弾性率の関係が、試験体密度と圧縮応力の関係と類似したことより、内在する圧縮応力と圧縮弾性率が密接に関係することが推測されるが、図20のグラフに示すとおり小片の種類ごとに、ほぼ直線関係が認められた。これは、図21に示す、圧縮応力とマット歪(圧縮率)との関係(模式図)からも容易に推察される。
【0045】
4.形状安定性の評価とその指標
形状安定性を下記の5段階で評価した。各指標(小片マットの状態)を図22乃至図26に示す。
1:健全(マットの崩壊がほとんど認められない)(図22)
2:マット崩壊が表面の小片剥離のみで、その面積が外側面(「見付け面」ともいう)の1/3未満(図23)
3:マット崩壊が表面の小片剥離のみで、その面積が見付け面の1/3以上(図24)
4:マット崩壊が内部まで及ぶが、その深さがマット厚さの2割未満(1cm未満)(図25)
5:マット崩壊が内部まで及び、その深さがマット厚さの2割以上(図26)
【0046】
衝撃付与方法は、試験体を内径50cmの回転ドラム(ポリプロピレン製、回転軸は水平)に入れ、ドラムを12rpmで1分間回転させ、試験体に回転と落下衝撃を与えた。試験体は360度回転を12回受け、毎回最大50cmの落下衝撃を受けた。
そして、上記の指標で評価した結果を図27及び図28に示す。
図27(表6)には、試験体作成直後の形状安定性の評価結果を示す。
図28(表7)には、衝撃付与後の形状安定性の評価結果を示す。
【0047】
この結果を、図29に示すように、マット圧密方向の圧縮応力(型枠除去+30分放置後KPa)と試験体密度(Kg/m )との係わりから検討した。
また、同様に、図30に示すように、マット圧密方向の圧縮応力(型枠除去+30分放置後KPa)と圧縮比(試験体密度/マット嵩密度)との係わりから検討した。
【0048】
これらの結果から、形状安定性に優れる製造条件について、上記の密度−圧縮応力関係、圧縮比−圧縮応力関係を用いて考察すると以下のことが言える。
▲1▼同じ圧縮応力が発生していても、形状安定性は小片タイプで異なる。ここでは、カール状小片であるPL、PSと、フラット状のRF、HMを区別して考える。
▲2▼カール状小片の場合、比較的小さな圧縮応力から形状安定が発現し、指標3以上となる条件は、圧縮応力が数KPa以上、または圧縮比が1.5程度以上となる。
▲3▼フラット状小片では圧縮応力が大きくても形状安定性に乏しく、指標3以上得るには1.8程度以上の圧縮比または50KPa程度以上の圧縮応力が必要。
【0049】
更に、上記の結果から、図31に示すように、試験体Z方向の圧縮弾性(MPa)と試験体密度(Kg/m )との関係を見た。
また、図32に示すように、試験体Z方向の圧縮弾性率(MPa)と圧縮比(試験体密度/マット嵩密度)との関係を見た。
【0050】
この結果から、形状安定性に優れる製造条件について、上記の密度−圧縮弾性率関係、圧縮比−圧縮弾性率関係を用いて考察すると以下のことが言える。
▲1▼同じ圧縮弾性率をもっていても、形状安定性は小片タイプで異なる。ここでは、カール状小片であるPL、PSと、フラット状のRF、HMを区別して考える。
▲2▼カール状小片の場合、比較的小さな圧縮弾性率でも形状安定性が発現され、指標3以上となる条件は、圧縮弾性率が0.5MPa程度以上、または圧縮比が1.5程度以上となる。
▲3▼フラット状小片では圧縮弾性率が大きくても形状安定性に乏しく、指標3以上得るには3MPa程度以上の圧縮弾性率または圧縮比を1.8程度以上とする必要あり。
【0051】
更に、熱伝導率に及ぼす試験体密度および小片形状の影響についてみた。図33(表8)及び図34に、熱伝導率λ(W/mK)と、試験体密度ρ(kg/m )との関係を示す。
【0052】
この結果から、熱伝導率に関する考察をすると以下のことが言える。
▲1▼小片の区別無しに全体を眺めると、密度と熱伝導率は正の相関が高い。
▲2▼試験体密度が同一の場合、カール状小片の方がフラット状に比べて熱伝導率が小さい。その理由は、マット構造から見て、カール状小片は熱伝導の大きい繊維方向が熱流方向に近づく確率がフラット状小片よりも小さいからと考えられる。
▲3▼小型のカール状小片であるPSは最も断熱性に優れた。その理由は、上記の理由に加えて、小片間の空隙体積を小さくしやすいことに起因すると考えられる。
【0053】
更に、形状安定性を含めた考察をすれば、以下のことが言える。
▲1▼同じ小片タイプであれば、断熱材密度を高めるほど形状は安定するが、断熱性能は低下する。
▲2▼形状安定性の合格範囲を指標1〜3までとすれば、カール状小片を用いる場合、PLでは密度を60Kg/m まで低下させてλ=0.070程度が得られ、PSでは密度100Kg/m 程度で熱伝導率の最小値λ=0.065程度が得られる。フラット状小片を用いる場合、薄い小片であるRFでは密度150Kg/m 前後で適度な形状安定が達成されるが、λは0.085程度となる。さらに、厚い小片であるHMの場合は、密度を180Kg/m 程度まで上げなければ形状が安定せず、密度の高さに起因してλは0.095程度となり、断熱性能は良好とは言えない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の建築用断熱部材によれば、木材チップの集合を、外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納したので、この圧縮力により、全体の形状が安定化させられ、形状が保持される。特に、上記の従来の接着剤を使用した厚さ方向への圧縮とは異なり、外側面に沿う所定方向への圧縮であることから、厚さ方向の吸湿膨張が発生せずに崩れにくくなり、形状を安定させて保持できる。
また、木材チップの集合は、従来のように接着剤を用いることなく木材チップのみを用いてブロック状に形成されているので、接着剤の影響がないことから、通気性や吸湿性の向上を図ることができるとともに、熱伝導度も低く設定でき、断熱性の向上を図ることができる。
更に、接着剤を用いないので、廃棄の際に、再資源化が可能になり、この点でも極めて有用になる。
【0055】
即ち、近年、廃棄物処理や資源有効利用の促進がいわれ、木質材料の研究開発においても、低質材,残材,廃材等を原料とした再資源化技術が一層強く求められている。近年急増しているプレカット製材工場からは、モルダー屑,プレーナー屑が大量に発生している。これらの小片木材チップは、既乾燥であるため乾燥コストが省け、鋸屑よりも寸法が大きく軽量に形成し易い等の利点を有し、本発明では、これらの製材工場からの廃材を原料として作成することができ、有効な利用が期待される。
【0056】
そして、木材チップの集合を押える一対の押え板を設けた場合は、押え板によってこれに接する木材チップの平面確保が確実になり、この点でも、全体の形状を安定化させて保持することができる。
この場合、一対の押え板に巻回されて木材チップの集合を押える紐を設けた場合には、紐によってより一層押えが確実になり、この点でも、全体の形状を安定化させて保持することができる。
【0057】
そしてまた、木材チップとして、カール状の木材チップを用いた場合には、カールしているので、木材チップ相互が絡み合って結合し易いとともに、嵩密度が低いことから断熱材密度を低く設定しても形状保持が容易になり、全体の形状を安定化させて保持することができる。また、圧縮比を低くできるので、通気性や吸湿性の向上を図ることができるとともに、熱伝導度も低く設定でき、断熱性の向上を図ることができる。
【0058】
また、木材チップの集合の圧縮比R(R=圧縮後の密度ρ/圧縮前の嵩密度ρ )を、R≧1.2、望ましくは、R≧1.5、より望ましくは、R≧1.8である構成とした場合には、より一層保持が確実になり、全体の形状を安定化させて保持することができる。
また、木材チップの集合の所定方向の圧縮弾性率EがE≧3MPaである構成とした場合には、特に、フラット状(平面状)の木材チップにおいて有効になる。即ち、カール状の木材チップは、比較的圧縮比が小さくても形状保持が確実であるが、フラット状の木材チップでは、圧縮比が小さいと形状保持しにくくなる。しかしながら、圧縮弾性率を大きくすることにより、形状保持を確実にすることができる。
更に、木材チップの集合の厚さDをD=0.1mとしたとき、厚さ方向の熱伝導率λがλ≦0.1W/mK、望ましくは、λ≦0.085W/mK、より望ましくは、λ≦0.07W/mKになるように木材チップの集合を構成した場合には、熱抵抗を高くして、優れた性能を発揮させることができる。
具体的には、木材チップの集合の密度ρがρ≦150Kg/m 、より望ましくは、ρ≦100Kg/m である構成とした場合には、熱伝導率を低くすることに寄与し、熱抵抗を高くして、優れた断熱性能を奏することができる。
【0059】
また、本発明の建築用断熱部材の製造方法において、成形型枠に紐をその両端が開口に臨むように入れ、紐が外側に位置するように成形型枠の底面に一方の押え板を設け、次に、成形型枠にその開口から木材チップの集合を収容し、木材チップの集合の上に他方の押え板を載置し、それから、押え板を加圧型により圧縮して木材チップの集合を所要形状に成形し、次に、圧縮状態で紐の両端を結着し、その後、紐で結着した木材チップの集合を袋体に収納する構成とした場合、あるいはまた、先に成形型枠に袋体を収容し、この袋体内に紐をその両端が開口に臨むように入れ、紐が外側に位置するように袋体の底面に一方の押え板を設け、次に、袋体内に木材チップの集合を収容し、木材チップの集合の上に他方の押え板を載置し、それから、押え板を加圧型により圧縮して木材チップの集合を所要形状に成形し、次に、圧縮状態で紐の両端を結着して製造する構成とした場合には、木材チップの集合を圧縮して紐で押え板を介して結着するだけで、木材チップの集合を所要形状に成形できるので、製造を極めて容易に行なうことができる。
【0060】
更に、本発明の建築用断熱部材の製造方法において、成形型枠の底面に一方の押え板を設け、成形型枠にその開口から木材チップの集合を収容し、この木材チップの集合の上に他方の押え板を載置し、それから、押え板を加圧型により圧縮して木材チップの集合を所要形状に成形し、その後、圧縮状態で木材チップの集合を押し出して木材チップの集合の付勢力を押え板を介して押える袋体に収納する構成とした場合には、木材チップの集合を圧縮して、袋体に収納するだけで良いので、製造を極めて容易に行なうことができる。また、袋体によって木材チップの集合の付勢力を押えるようにしたので、構造も簡単になり、コストダウンを図ることができる。
【0061】
また、本発明の建築用断熱部材の施工方法によれば、建築用断熱部材を所定方向の内向きに押圧して縮めた状態で、この建築用断熱部材を建材間に配置し、建築用断熱部材をその弾性力により建材間に弾持させる構成としたので、建築用断熱部材を押圧して縮めて離すだけで、建材間に装着できることから、装着が極めて容易に行なわれ、施工効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る建築用断熱部材の構成を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る建築用断熱部材の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る建築用断熱部材の施工方法を示す図である。
【図4】本発明の別の実施の形態に係る建築用断熱部材の構成を示す一部切欠き斜視図である。
【図5】本発明の別の実施の形態に係る建築用断熱部材の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の実施例1〜4に係る建築用断熱部材の内容を示す図である。
【図7】実施例に係る建築用断熱部材に使用した木材チップを示す図面代用写真であり、(a)は実施例1に係る木材チップの写真、(b)は実施例2に係る木材チップの写真、(c)は実施例3に係る木材チップの写真、(d)は実施例4に係る木材チップの写真である。
【図8】実施例に係る試験体の所定の密度までの圧縮で生じた圧縮応力σ を示す表図である。
【図9】実施例に係る試験体の型枠を取り除き外側面拘束を解放した直後の圧縮応力σ を示す表図である。
【図10】実施例に係る試験体の型枠を取り除き外側面拘束を解放してから30分放置後の圧縮応力σ を示す表図である。
【図11】実施例に係る試験体の型枠除去直後の圧縮応力の残存比(σ /σ )を示す表図である。
【図12】実施例に係る試験体の型枠除去30分放置後の圧縮応力の残存比(σ /σ )を示す表図である。
【図13】実施例に係る試験体の圧縮応力に係る結果を示し、(a)は試験体密度と型枠中での圧縮応力の関係を示すグラフ図、(b)は密度をマット圧縮比に換算した場合の関係を示すグラフ図である。
【図14】実施例に係る試験体の圧縮応力に係る結果を示し、(a)は試験体密度と型枠除去後の圧縮応力の関係を示すグラフ図、(b)は密度をマット圧縮比に換算した場合の関係を示すグラフ図である。
【図15】実施例に係る試験体の圧縮応力に係る結果を示し、(a)は試験体密度と型枠除去+30分緩和後の圧縮応力の関係を示すグラフ図、(b)は密度をマット圧縮比に換算した場合の関係を示すグラフ図である。
【図16】実施例に係る試験体のZ方向圧縮弾性率を示す表図である。
【図17】実施例に係る試験体の荷重試験例の結果を示す表図である。
【図18】実施例に係る試験体のZ方向圧縮弾性率に係る結果を示し、(a)は試験体密度と試験体のZ方向の圧縮弾性率の関係の関係を示すグラフ図、(b)は密度をマット圧縮比に換算した場合の関係を示すグラフ図である。
【図19】実施例に係る試験体に内在するZ方向圧縮弾性率を示す表図である。
【図20】実施例に係る試験体に内在するZ方向圧縮応力とZ方向圧縮弾性率の関係を示すグラフ図である。
【図21】実施例に係る試験体の圧縮応力とマット歪(圧縮率)との関係を示すグラフ図である。
【図22】形状安定性を評価する指標及びその指標に対応した試験体の状態を示し、指標1を示す図面代用写真である。
【図23】形状安定性を評価する指標及びその指標に対応した試験体の状態を示し、指標2を示す図面代用写真である。
【図24】形状安定性を評価する指標及びその指標に対応した試験体の状態を示し、指標3を示す図面代用写真である。
【図25】形状安定性を評価する指標及びその指標に対応した試験体の状態を示し、指標4を示す図面代用写真である。
【図26】形状安定性を評価する指標及びその指標に対応した試験体の状態を示し、指標5を示す図面代用写真である。
【図27】実施例に係る試験体の作成直後の形状安定性の結果を示す表図である。
【図28】実施例に係る試験体の衝撃付与後の形状安定性の結果を示す表図である。
【図29】実施例に係る試験体において、マット圧密方向の圧縮応力(型枠除去+30分放置後)と実施例に係る試験体密度との関係を示すグラフ図である。
【図30】実施例に係る試験体において、マット圧密方向の圧縮応力(型枠除去+30分放置後)と圧縮比(密度/嵩密度)との関係を示すグラフ図である。
【図31】実施例に係る試験体において、試験体Z方向の圧縮弾性と試験体密度との関係を示すグラフ図である。
【図32】実施例に係る試験体において、試験体Z方向の圧縮弾性率と圧縮比(密度/嵩密度)との関係を示すグラフ図である。
【図33】実施例に係る試験体の熱伝導率を示す表図である。
【図34】実施例に係る試験体において、熱伝導率と試験体密度との関係を示すグラフ図である。
【図35】従来の建築用断熱部材の一例をその製造方法とともに示す図である。
【符号の説明】
M 建築用断熱部材
C 木材チップ
10 外側面
11 周端面
12 押え板
13 紐
20 袋体
Z 所定方向
30 成形装置
31 開口
32 成形型枠
33 加圧型
40 柱(建材)
41 土台

Claims (18)

  1. 木材チップの集合を所要の幅で略平行に存在する2つの外側面及び該外側面の周囲に存在する4つの周端面を備えた略矩形のブロック状に形成してなる建築用断熱部材において、
    上記木材チップの集合を、上記外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納したことを特徴とする建築用断熱部材。
  2. 上記所定方向に直交し互いに相対向して設けられ上記木材チップの集合を押える一対の押え板を設けたことを特徴とする請求項1記載の建築用断熱部材。
  3. 上記一対の押え板に巻回されて上記木材チップの集合を押える紐を設けたことを特徴とする請求項2記載の建築用断熱部材。
  4. 上記木材チップとして、カール状の木材チップを用いたことを特徴とする請求項1,2または3記載の建築用断熱部材。
  5. 上記木材チップの集合の圧縮比R(R=圧縮後の密度ρ/圧縮前の嵩密度ρ )がR≧1.2であることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の建築用断熱部材。
  6. 上記木材チップの集合の圧縮比R(R=圧縮後の密度ρ/圧縮前の嵩密度ρ )がR≧1.5であることを特徴とする請求項5記載の建築用断熱部材。
  7. 上記木材チップの集合の圧縮比R(R=圧縮後の密度ρ/圧縮前の嵩密度ρ )がR≧1.8であることを特徴とする請求項6記載の建築用断熱部材。
  8. 上記木材チップの集合の所定方向の圧縮弾性率EがE≧3MPaであることを特徴とする請求項1,2または3記載の建築用断熱部材。
  9. 上記木材チップの集合の厚さDをD=0.1mとしたとき、厚さ方向の熱伝導率λがλ≦0.1W/mKになるように木材チップの集合を構成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載の建築用断熱部材。
  10. 上記木材チップの集合の厚さDをD=0.1mとしたとき、厚さ方向の熱伝導率λがλ≦0.085W/mKになるように木材チップの集合を構成したことを特徴とする請求項9記載の建築用断熱部材。
  11. 上記木材チップの集合の厚さDをD=0.1mとしたとき、厚さ方向の熱伝導率λがλ≦0.07W/mKになるように木材チップの集合を構成したことを特徴とする請求項10記載の建築用断熱部材。
  12. 上記木材チップの集合の密度ρがρ≦150Kg/m であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11記載の建築用断熱部材。
  13. 上記木材チップの集合の圧縮後の密度ρがρ≦100Kg/m であることを特徴とする請求項12記載の建築用断熱部材。
  14. 木材チップの集合を所要の幅で略平行に存在する2つの外側面及び該外側面の周囲に存在する4つの周端面を備えた略矩形のブロック状に形成してなり、該木材チップの集合を、上記外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納するとともに、上記所定方向に直交し互いに相対向して設けられ上記木材チップの集合を押える一対の押え板を設け、上記一対の押え板に巻回されて上記木材チップの集合を押える紐を設けた建築用断熱部材の製造方法において、
    上記木材チップの集合が収容される上側の開口を有し上記建築用断熱部材の2つの外側面及び3つの周端面を成形する成形型枠と、該成形型枠の開口から挿入されて上記収容された木材チップの集合を圧縮するとともに他の1つの周端面を成形する加圧型とを備えた成形装置を用い、
    上記成形型枠に紐をその両端が開口に臨むように入れ、該紐が外側に位置するように成形型枠の底面に一方の押え板を設け、次に、成形型枠にその開口から木材チップの集合を収容し、該木材チップの集合の上に他方の押え板を載置し、それから、該押え板を加圧型により圧縮して木材チップの集合を所要形状に成形し、次に、圧縮状態で紐の両端を結着し、その後、該紐で結着した木材チップの集合を袋体に収納することを特徴とする建築用断熱部材の製造方法。
  15. 木材チップの集合を所要の幅で略平行に存在する2つの外側面及び該外側面の周囲に存在する4つの周端面を備えた略矩形のブロック状に形成してなり、該木材チップの集合を、上記外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納するとともに、上記所定方向に直交し互いに相対向して設けられ上記木材チップの集合を押える一対の押え板を設け、上記一対の押え板に巻回されて上記木材チップの集合を押える紐を設けた建築用断熱部材の製造方法において、
    上記木材チップの集合が収容される上側の開口を有し上記建築用断熱部材の2つの外側面及び3つの周端面を成形する成形型枠と、該成形型枠の開口から挿入されて上記収容された木材チップの集合を圧縮するとともに他の1つの周端面を成形する加圧型とを備えた成形装置を用い、
    上記成形型枠に袋体を収容し、該袋体内に紐をその両端が開口に臨むように入れ、該紐が外側に位置するように袋体の底面に一方の押え板を設け、次に、袋体内に木材チップの集合を収容し、該木材チップの集合の上に他方の押え板を載置し、それから、該押え板を加圧型により圧縮して木材チップの集合を所要形状に成形し、その後、圧縮状態で紐の両端を結着して製造することを特徴とする建築用断熱部材の製造方法。
  16. 木材チップの集合を所要の幅で略平行に存在する2つの外側面及び該外側面の周囲に存在する4つの周端面を備えた略矩形のブロック状に形成してなり、該木材チップの集合を、上記外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納するとともに、上記所定方向に直交し互いに相対向して設けられ上記木材チップの集合を押える一対の押え板を設けた建築用断熱部材の製造方法において、
    上記木材チップの集合が収容される上側の開口を有し上記建築用断熱部材の2つの外側面及び3つの周端面を成形する成形型枠と、該成形型枠の開口から挿入されて上記収容された木材チップの集合を圧縮するとともに他の1つの周端面を成形する加圧型とを備えた成形装置を用い、
    上記成形型枠の底面に一方の押え板を設け、上記成形型枠にその開口から木材チップの集合を収容し、該木材チップの集合の上に他方の押え板を載置し、それから、該押え板を加圧型により圧縮して木材チップの集合を所要形状に成形し、その後、圧縮状態で該木材チップの集合を押し出して該木材チップの集合の付勢力を押え板を介して押える袋体に収納することを特徴とする建築用断熱部材の製造方法。
  17. 木材チップの集合を所要の幅で略平行に存在する2つの外側面及び該外側面の周囲に存在する4つの周端面を備えた略矩形のブロック状に形成してなり、該木材チップの集合を、上記外側面に沿う所定方向の外向きに付勢力を有するように弾性圧縮して可撓性の袋体に収納した建築用断熱部材の施工方法において、
    建築用断熱部材を所定方向の内向きに押圧して縮めた状態で、この建築用断熱部材を建材間に配置し、建築用断熱部材をその弾性力により建材間に弾持させることを特徴とする建築用断熱部材の施工方法。
  18. 上記建材間に建築用断熱部材を複数列設することを特徴とする請求項17記載の建築用断熱部材の施工方法。
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