JP3606560B2 - 基板処理装置 - Google Patents
基板処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3606560B2 JP3606560B2 JP2000346645A JP2000346645A JP3606560B2 JP 3606560 B2 JP3606560 B2 JP 3606560B2 JP 2000346645 A JP2000346645 A JP 2000346645A JP 2000346645 A JP2000346645 A JP 2000346645A JP 3606560 B2 JP3606560 B2 JP 3606560B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wafer
- processing
- heat treatment
- unit
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウエハ上に層間絶縁膜を形成するための基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程においては、例えばSOD(Spin on Dielectric)システムにより層間絶縁膜を形成している。このSODシステムでは、ウエハ上に塗布膜をスピンコートし、化学的処理または加熱処理等を施して層間絶縁膜を形成している。
【0003】
例えばゾル−ゲル方法により層間絶縁膜を形成する場合には、まず半導体ウエハ(以下、「ウエハ」と呼ぶ。)上に絶縁膜材料、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)のコロイドを有機溶媒に分散させた溶液を供給する。次に、溶液が供給されたウエハをゲル化処理し、次いで溶媒の置換を行う。そして、溶媒の置換されたウエハを加熱処理している。
【0004】
このような加熱処理は、ウエハ上の溶媒からソルベントを飛ばすためのベーク処理、重合反応により成膜するためのキュア処理、更にポーラスを生成するためのポストトリートメント処理等、温度条件等の異なる複数の熱処理工程を伴う。
【0005】
従来のSODシステムでは、これら各熱処理工程に応じた温度や圧力に設定された個別の加熱処理装置を使って、例えばロット単位でウエハを加熱処理装置間で持ち運ぶことが行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかるシステム構成では、結果的にウエハの待機時間が長くなり処理効率が悪い。そこで、例えばSODシステムの工程に必要な塗布装置や一連の加熱処理装置等をそれぞれユニット化すると共にこれらのユニットを一体化して、これらのユニット間を搬送装置によりウエハを一枚づつ搬送するいわゆる枚葉式の装置構成が考えられる。
【0007】
しかしながら、そのような装置構成では、以下の問題がある。
【0008】
第1に、ユニット間で頻繁にウエハを搬送する必要であるため、搬送に要するトータル時間が長くなり、処理効率を低下させるという、問題がある。加えて、このようなウエハの搬送工程は、温度管理面やパーティクル付着等の悪影響を及ぼすことが多い。
【0009】
第2に、上述のような加熱処理ユニットにおける処理温度は、例えば現状では最大で800℃程度とかなり高温に達するため、塗布ユニット等も含めたユニット間の熱的干渉が大きく、精密な温度での塗布処理や加熱処理ができない、という問題がある。
【0010】
そこで、本発明の第1の目的は、基板の搬送時間を短縮し、基板の処理効率を向上させることができる基板処理装置を提供することをにある。
【0011】
本発明の第2の目的は、ユニット間の熱的干渉を極力抑えることができる基板処理装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明の基板処理装置は、区画化された第1の処理領域と第2の処理領域とを備え、前記第1の処理領域に、基板上に絶縁膜材料を塗布する塗布部が配置され、前記第2の処理領域に、前記塗布部により絶縁膜材料が塗布された基板に対して複数種類の加熱処理を施す加熱処理部が配置され、前記第2の処理領域内を温調する温調部が設けられた壁部材が前記第2の処理領域を囲繞するように配置され、少なくとも前記塗布部から前記加熱処理部へ基板を搬送する搬送装置を有することを特徴とする。
ここで、前記第2の処理領域に不活性気体を導入して前記第2の処理領域の雰囲気を該不活性気体によりコントロールする手段を更に具備するようにしても構わない。また、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間に配置された断熱部材を更に具備することであってもよい。更に、前記加熱処理部における複数種類の加熱処理は、少なくとも基板をベーク処理するための加熱処理及び基板をキュア処理するための加熱処理を含むようにしても構わない。
【0013】
本発明では、搬送装置により塗布部から加熱処理部へ基板を搬送するように構成する一方で、加熱処理部を塗布部により絶縁膜材料が塗布された基板に対して複数種類の加熱処理を施すように構成したので、加熱処理部間での基板の搬送を極力抑え、搬送時間を極力短縮できる。従って、基板の処理効率を向上させることができる。また、加熱処理部の数を減らすことができるので、システム全体で発生する熱量を少なくでき、結果的にユニット間の熱的干渉を極力抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0015】
図1〜図3は本発明の一実施形態に係るSODシステムの全体構成を示す図であって、図1は平面図、図2は正面図、図3は背面図である。
【0016】
このSODシステム1は、基板としての半導体ウエハ(以下、ウエハと呼ぶ。)WをウエハカセットCRで複数枚たとえば25枚単位で外部からシステムに搬入しまたはシステムから搬出したり、ウエハカセットCRに対してウエハWを搬入・搬出したりするためのカセットブロック10と、SOD塗布工程の中で1枚ずつウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを所定位置に多段配置してなる第1の処理領域としての第1の処理ブロック11と、同じくウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを所定位置に多段配置してなる第2の処理領域としての第2の処理ブロック12とを一体に接続した構成を有している。
【0017】
後述するように、第1の処理領域としての第1の処理ブロック11にはSOD塗布処理ユニット(SCT)が配置され、第2の処理領域としての第2の処理ブロック12には加熱処理系の処理ユニットが配置されるようになっている。このように加熱処理系の処理ユニットを第2の処理ブロック12に集中的に配置すると共に、塗布処理系の処理ユニットをこの領域とは別の領域である第1の処理ブロック11に配置することによって加熱処理系の処理ユニットが塗布処理系の処理ユニットに熱的悪影響を及ぼすことが少なくなる。
【0018】
また、第1の処理領域としての第1の処理ブロック11と第2の処理領域としての第2の処理ブロック12との間には、例えば真空層からなる断熱部材としての断熱壁51が設けられている。上記のように加熱処理系の処理ユニットと塗布処理系の処理ユニットとをそれぞれ区画化された別の領域に配置することに加えて、これらの領域間にこのような断熱壁51を配置することで、加熱処理系の処理ユニットが塗布処理系の処理ユニットに熱的悪影響を及ぼすことが更に少なくなる。
【0019】
更に、第2の処理ブロック12の上部には、第2の処理領域である第2の処理ブロック12内に例えば窒素ガス等の不活性気体を導入して第2の処理領域である該第2の処理ブロック12内の雰囲気を該不活性気体によりコントロールする不活性気体導入部52が設けられ、第2の処理ブロック12の下部には、第2の処理領域である第2の処理ブロック12内を排気する排気部53が設けられている。このように第2の処理領域である第2の処理ブロック12内の雰囲気を該不活性気体によりコントロールすることで、後述するウエハWの熱処理や搬送の際の酸化を防止することができる。特に、第2の処理ブロック12内に熱処理系のユニットを集中的に配置しているので、このような雰囲気コントロールを効率よく行うことができる。
【0020】
カセットブロック10では、図1に示すように、カセット載置台20上の突起20aの位置に複数個たとえば4個までのウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を第1の処理ブロック11側に向けてX方向一列に載置され、カセット配列方向(X方向)およびウエハカセットCR内に収納されたウエハのウエハ配列方向(Z垂直方向)に移動可能なウエハ搬送体21が各ウエハカセットCRに選択的にアクセスするようになっている。さらに、このウエハ搬送体21は、θ方向に回転可能に構成されており、後述するように第1の処理ブロック11側の第4の組G4の多段ユニット部に属する受け渡し・冷却プレート(TCP)にもアクセスできるようになっている。
【0021】
第1の処理ブロック11では、図1に示すように、中心部に垂直搬送型の第1の主搬送体22が設けられ、その周りに全ての処理ユニットが1組または複数の組に亙って多段に配置されている。この例では、5組G1,G2,G3,G4,G5の多段配置構成であり、第1および第2の組G1,G2 の多段ユニットはシステム正面(図1において手前)側に並置され、第4の組G4の多段ユニットはカセットブロック10に隣接して配置され、第3の組G3の多段ユニットは第2の処理ブロック12に隣接して配置されている。
【0022】
図2に示すように、第1の組G1、また第2の組G2では、カップCP内でウエハWをスピンチャックに載せて絶縁膜材料を供給し、ウエハを回転させることによりウエハ上に均一な絶縁膜を塗布するSOD塗布処理ユニット(SCT)と、カップCP内でウエハWをスピンチャックに載せてHMDS及びヘプタン等のエクスチェンジ用薬液を供給し、ウエハ上に塗布された絶縁膜中の溶媒を乾燥工程前に他の溶媒に置き換える処理を行うソルベントエクスチェンジ処理ユニット(DSE)とが下から順に2段に重ねられている。
【0023】
第2の組G2 では、SOD塗布処理ユニット(SCT)が上段に配置されている。なお、必要に応じて第2の組G2 の下段にSOD塗布処理ユニット(SCT)やソルベントエクスチェンジ処理ユニット(DSE)等を配置することも可能である。
【0024】
SOD塗布処理ユニット(SCT)及びソルベントエクスチェンジ処理ユニット(DSE)ではスピンコート法によりウエハW上に溶剤を塗布するものであったが、例えば絶縁膜材料やエクスチェンジ用薬液等の溶剤を吐出するノズルをウエハW上で例えばXY方向に走査させることでウエハW全面に溶剤を塗布するいわゆるスキャン塗布方式を用いても勿論構わない。このようなスキャン塗布方式を用いることで溶剤を無駄を極力少なくすることが可能となる。
【0025】
図3に示すように、第3の組G3 では、受け渡し・冷却プレート(TCP)と、2つの冷却処理ユニット(CPL)と、トランジションユニット(TRS)とが下から順に多段に配置されている。
【0026】
第4の組G4 では、受け渡し・冷却プレート(TCP)と、3つの冷却処理ユニット(CPL)と、トランジションユニット(TRS)と、更に冷却処理ユニット(CPL)とが多段に配置されている。
【0027】
受け渡し・冷却プレート(TCP)は下段にウエハWを冷却する冷却板、上段に受け渡し台を有する2段構造とされ、カセットブロック10と第1の処理ブロック11との間でウエハWの受け渡しを行う。トランジションユニット(TRS)も同様にカセットブロック10と第1の処理ブロック11との間でウエハWの受け渡しを行う。冷却処理ユニット(CPL)はウエハWが載置される冷却板を有し、ウエハWを冷却処理する。
【0028】
またこのSODシステム1では、既述の如く第1の主搬送体の背面側にも破線で示した第5の処理ユニット群G5 の多段ユニットが配置できるようになっているが、この第5の処理ユニット群G5 の多段ユニットは、案内レール25に沿って第1の主搬送体22からみて、側方へシフトできるように構成されている。従って、この第5の処理ユニット群G5 の多段ユニットを図示の如く設けた場合でも、前記案内レール25に沿ってスライドすることにより、空間部が確保されるので、第1の主搬送体22に対して背後からメンテナンス作業が容易に行えるようになっている。なお第5の処理ユニット群G5 の多段ユニッ卜は、そのように案内レール25に沿った直線状のスライドシフトに限らず、図1中の一点鎖線の往復回動矢印で示したように、システム外方へと回動シフトさせるように構成しても、第1の主搬送体に対するメンテナンス作業のスペース確保が容易である。
【0029】
第2の処理ブロック12では、既述のように、ウエハWに加熱処理を行うユニットが属する第6の組G6がシステム正面側に配置され、同様にウエハWに加熱処理を行うユニットが属する第7の組G7がシステ背面側に配置されている。第6の組G6と第7の組G7との間には、第4の組G4、第6の組G6及び第7の組G7にアクセスしてウエハWの搬送を行う第2の主搬送体23が配設されており、この第2の主搬送体23は第1の主搬送体22と同様な垂直搬送型の構成でなっている。
【0030】
なお、このSODシステム1は例えばクリーンルーム内に配置され、例えば第1の主搬送機構22上は大気圧に設定されたクリーンルームよりも高い気圧の雰囲気に設定されており、これにより第1の主搬送体22上より発生したパーティクルをSODシステム1外に排出し、その一方でクリーンルーム内のパーティクルがSODシステム1内に進入するのを防止している。
【0031】
図2及び図3に示すように、第6の組G6では、マルチファンクショナルホットプレートキュア装置(MHC)が2段、マイクロ波や電子線を照射して膜を例えば300℃〜500℃程度で加熱・改質させるためのマイクロ波処理ユニット(MW)、例えば300℃〜500℃程度の処理温度となる電子線処理ユニット(EB)がそれぞれ1段、下から順に設けられている。一方の第7の組G7では、エージング処理ユニット(DAC)と、例えば80℃〜250℃程度の低温で加熱処理する2つの低温加熱処理ユニット(LHP)と、紫外線を照射して膜を例えば常温〜100℃程度で加熱・改質させるための紫外線処理ユニット(UV)とが、下から順に設けられている。エージング処理ユニット(DAC)は例えば程度15℃〜80℃の温度の密閉化可能な処理室内にNH3+H2Oを導入してウエハWをエージング処理し、ウエハW上の絶縁膜材料膜をウェットゲル化する。
【0032】
図4及び図5は上記マルチファンクショナルホットプレートキュア装置(MHC)の斜視図及び断面図である。
【0033】
このマルチファンクショナルホットプレートキュア装置(MHC)は、加熱処理室151と、これに隣接して設けられた温調処理室152とを有している。この加熱処理室151は、温調処理室152との間でウエハWの受け渡しを行うために開閉可能なゲートバルブ174の機構によって密閉可能に形成されている。
【0034】
加熱処理室151内のほぼ中央部には、ウエハWを加熱処理するための熱板156が配置されている。この熱板156内には、例えばヒータ(図示せず)が埋設され、その設定温度は例えば80〜250℃とすることが可能とされている。また、この熱板156には同心円状に複数、例えば3個の孔157が上下に貫通しており、これらの孔157にはウエハWを支持する支持ピン158aが昇降可能に介挿されている。これら支持ピン158aは熱板156の裏面において連通部材159に接続されて一体化されており、連通部材159はその下方に配置された昇降シリンダ160によって昇降されるようになっている。そして、昇降シリンダ160の昇降作動によって支持ピン158aは熱板156表面から突出したり、没したりする。
【0035】
また、熱板156の表面にはプロキシミティーピン161が複数配置され、ウエハWを加熱処理するときにウエハWが直接熱板156に接触しないようにされている。これにより、加熱処理時にウエハWに静電気が帯電しないようになっている。
【0036】
更に、加熱処理室151には、加熱処理室151内に不活性ガス、例えば窒素ガスを供給するための窒素供給機構162が設けられており、上部に形成された窒素供給口182から制御部167の命令により室内に窒素を供給するようになっている。また一方で加熱処理室151内に反応性ガス、例えば酸素を供給するための酸素供給機構180が設けられており、上部に形成された酸素供給口183から制御部167の命令により室内に酸素を供給するようになっている。この酸素供給制御は、加熱処理室151内に設けられた酸素濃度を計測する酸素センサ172aの計測結果に基づいて行われる。
【0037】
一方、加熱処理室151の下部には減圧用の排気口168が設けられており、この排気口168は例えば真空ポンプ170に接続され、真空ポンプ170の作動によって加熱処理室151内が大気圧よりも低い気圧、例えば0.1torr前後に設定することが可能にされている。
【0038】
更に、加熱処理室151には室内の温度を計測するための温度センサ172bが取り付けられている。この温度センサ172bによる計測結果は制御部167に伝えられ、制御部167はこの計測結果に基づき熱板156の加熱温度を調整するようになっている。
【0039】
温調処理室152には第2の主搬送体23との間でウエハWの搬入出を行うための窓部181が設けられており、この窓部181はシャッタ164によって開閉可能に構成されている。
【0040】
また、温調処理室152内には、ウエハWを載置してウエハWの温度を調整するための移送温調板176がガイドプレート177aに沿って移動機構177bにより水平方向に移動自在に構成されている。移送温調板176の設定温度は、例えば15〜250℃であり、温調されるウエハWの適用温度範囲は、例えば200〜800℃である。移送温調板176は、ゲートバルブ174を介して加熱処理室151内に進入することができ、加熱処理室151内の熱板156により加熱された後のウエハWを支持ピン158aを介して受け取って温調処理室152内に搬入し、ウエハWを温調するようになっている。
【0041】
移送温調板176の下方には、加熱処理室151内における支持ピン158aと同様な構成の支持ピン158bが昇降可能に設けられている。これら支持ピン158bは移送温調板176の裏面において支持部材159に接続されて一体化されており、支持部材159はその下方に配置された昇降シリンダ160によって昇降されるようになっている。
【0042】
なお、上記真空ポンプ170やガス供給機構162、180のガスボンベ等は、図2及び図3に示すように、マルチファンクショナルホットプレートキュア装置(MHC)の下方に配置されたケミカル室30内に配設さている。
【0043】
次に以上のように構成されたこのSODシステム1の処理工程について、図6に示すフローを参照しながら説明する。
【0044】
まずカセットブロック10において、処理前のウエハWはウエハカセットCRからウエハ搬送体21を介して処理ブロック11側の第3の組G3に属する受け渡し・冷却プレート(TCP)における受け渡し台、又はトランジションユニット(TRS)へ搬送される。
【0045】
受け渡し・冷却プレート(TCP)における受け渡し台に搬送されたウエハWは第1の主搬送体22を介して冷却処理ユニット(CPL)へ搬送される。そして冷却処理ユニット(CPL)において、ウエハWはSOD塗布処理ユニット(SCT)における処理に適合する温度まで冷却される(ステップ1)。
【0046】
冷却処理ユニット(CPL)で冷却処理されたウエハWは第1の主搬送体22を介してSOD塗布処理ユニット(SCT)へ搬送される。そしてSOD塗布処理ユニット(SCT)において、ウエハWはSOD塗布処理が行われる(ステップ2)。
【0047】
SOD塗布処理ユニット(SCT)でSOD塗布処理が行われたウエハWは第1の主搬送体22、第4の組G4に属する受け渡し・冷却プレート(TCP)における受け渡し台、又はトランジションユニット(TRS)、第2の主搬送体23を介してエージング処理ユニット(DAC)へ搬送され、エージング処理され、ウエハW上の絶縁膜材料がゲル化される(ステップ3)。
【0048】
エージング処理ユニット(DAC)でエージング処理されたウエハWは第2の主搬送体23、第4の組G4に属する受け渡し・冷却プレート(TCP)における受け渡し台、又はトランジションユニット(TRS)、第1の主搬送体22を介してソルベントエクスチェンジ処理ユニット(DSE)へ搬送される。そしてソルベントエクスチェンジ処理ユニット(DSE)において、ウエハWはエクスチェンジ用薬液が供給され、ウエハ上に塗布された絶縁膜中の溶媒を他の溶媒に置き換える処理が行われる(ステップ4)。
【0049】
ソルベントエクスチェンジ処理ユニット(DSE)で置換処理が行われたウエハWは第1の主搬送体22、第4の組G4に属する受け渡し・冷却プレート(TCP)における受け渡し台、又はトランジションユニット(TRS)、第2の主搬送体23を介して低温加熱処理ユニット(LHP)へ搬送される。そして低温加熱処理ユニット(LHP)において、ウエハWは低温加熱処理される(ステップ5)。
【0050】
低温加熱処理ユニット(LHP)で低温加熱処理されたウエハWは第2の主搬送体23を介して紫外線処理ユニット(UV)へ搬送される。そして、紫外線処理ユニット(UV)において、ウエハWは172nm前後の波長の紫外線による処理が行われる(ステップ6)。この紫外線による処理では、窒素ガスが噴出され紫外線処理ユニット(UV)内が窒素ガス雰囲気とされ、その状態で紫外線照射ランプから紫外線が、例えば1分間照射される。
【0051】
なお、ここで紫外線処理に代えて、又は紫外線処理後に適宜第6の組G6に属する電子線処理ユニット(EB)による電子線処理やマイクロ波処理ユニット(MW)によるマイクロ波処理を行うようにしてもよい。
【0052】
次に紫外線による処理が施されたウエハWは第2の主搬送体23、第4の組G4に属する受け渡し・冷却プレート(TCP)における受け渡し台、又はトランジションユニット(TRS)、第1の主搬送体22を介して第4の組G4に属する冷却処理ユニット(CPL)へ搬送される。そして冷却処理ユニット(CPL)においてウエハWは冷却される(ステップ7)。
【0053】
冷却処理ユニット(CPL)で冷却処理されたウエハWは第1の主搬送体22を介して再びSOD塗布処理ユニット(SCT)へ搬送される。そしてSOD塗布処理ユニット(SCT)において、ウエハWは2回目のSOD塗布処理が行われる(ステップ8)。その際、ウエハW上に既に塗布されている絶縁膜材料の表面は上記の紫外線による処理により低接触角となるように改質されているので、その上に更に絶縁膜材料を塗布してもその表面に凹凸は生じない。
【0054】
SOD塗布処理ユニット(SCT)でSOD塗布処理が行われたウエハWは第1の主搬送体22を介してエージング処理ユニット(DAC)へ搬送され、エージング処理され、ウエハW上の絶縁膜材料がゲル化される(ステップ9)。
【0055】
エージング処理ユニット(DAC)でエージング処理されたウエハWは第1の主搬送体22を介してソルベントエクスチェンジ処理ユニット(DSE)へ搬送される。そしてソルベントエクスチェンジ処理ユニット(DSE)において、ウエハWはエクスチェンジ用薬液が供給され、ウエハ上に塗布された絶縁膜中の溶媒を他の溶媒に置き換える処理が行われる(ステップ10)。
【0056】
ソルベントエクスチェンジ処理ユニット(DSE)で置換処理が行われたウエハWは第1の主搬送体22、第4の組G4に属する受け渡し・冷却プレート(TCP)における受け渡し台、又はトランジションユニット(TRS)、第2の主搬送体23を介して低温加熱処理ユニット(LHP)へ搬送される。そして低温加熱処理ユニット(LHP)において、ウエハWは低温加熱処理される(ステップ11)。
【0057】
低温加熱処理ユニット(LHP)で低温加熱処理されたウエハWは第2の主搬送体23を介してマルチファンクショナルホットプレートキュア装置(MHC)へ搬送され、所定の低酸素濃度での高温加熱処理、及び温調処理が行われることになる(ステップ12)。
【0058】
ここで図4及び図5に示されるように、ウエハWを第2の主搬送体23が温調処理室152の窓部181から室内に進入し、支持ピン158bを介して移送温調板176に載置される。そしてゲートバルブ174が開きウエハWは温調されながら加熱処理室151内に搬送され、支持ピン158aが熱板156表面から突出した状態で支持ピン158a上にウエハWが受け渡される。このように加熱前のウエハWを温調しながら搬送することにより熱履歴均一化に寄与する。
【0059】
ウエハWが熱板に受け渡されると、移送温調板176は元の位置に戻り、ゲートバルブ174が閉じることによって加熱処理室151内に密閉空間が形成される。そして、窒素供給機構162により加熱処理室151内に窒素ガスの供給を開始するとともに、真空ポンプ170により室内の減圧を開始し、更に熱板156による加熱処理を開始する。
【0060】
所定時間の加熱処理が終了すると、再び窒素供給機構162により加熱処理室151内への窒素ガスの供給を開始して、加熱処理室151内が大気圧になるまで窒素ガスを噴出させる。そして支持ピン158が上昇して熱板156の表面から突出し、ゲートバルブ174が開く。このとき、加熱処理室151内への窒素ガスの供給を継続させることにより、加熱処理室151を温調処理室152に対して陽圧とすることにより、温調処理室152から加熱処理室151内へのパーティクルの侵入を防止することができる。
【0061】
そして、ウエハWは移送温調板176により受け渡され取出され、例えば23℃で温調されながら温調処理室152内に搬送され、支持ピン158bを介して第2の主搬送体23に受け渡される。
【0062】
その後ウエハWは受け渡し・冷却プレート(TCP)における冷却板へ搬送される。そして受け渡し・冷却プレート(TCP)における冷却板において、ウエハWは冷却処理される(ステップ13)。
【0063】
受け渡し・冷却プレート(TCP)における冷却板で冷却処理されたウエハWはカセットブロック10においてウエハ搬送体21を介してウエハカセットCRへ搬送される。
【0064】
このように本実施例によるSODシステムにおいては、第1及び第2の主搬送体22、23を使って枚葉式に塗布処理系のユニットと加熱処理系のユニットと更には冷却処理系のユニット等との間でウエハWを搬送するように構成する一方で、マルチファンクショナルホットプレートキュア装置(MHC)によりウエハWに対して複数種類の加熱処理を施すように構成したので、加熱処理系の間でのウエハWの搬送を極力抑え、搬送時間を極力短縮できる。従って、ウエハWの処理効率を向上させることができる。また、マルチファンクショナルホットプレートキュア装置(MHC)を採用したことで加熱処理部の数を減らすことができる。これにより、システム全体で発生する熱量を少なくでき、結果的にユニット間の熱的干渉を極力抑えることができる。
【0065】
図7は本発明の変形例を示しており、この例は、第2の処理領域である第2の処理ブロック12を囲繞する壁部材201に第2の処理領域内である第2の処理ブロック12内を温調する温調部202を設けたものである。温調部202は、具体的には、例えば壁部材201に埋め込まれたヒータ203と冷却配管204とにより構成され、図示を省略した制御部の制御の元でヒータ203に供給される電力や冷却配管204に供給される冷却水の温度や量が制御されるようになっている。このような温調部202を有することで第2の処理領域である第2の処理ブロック12内の温度管理をより精密に行うことができる。なお、壁部材201の上下間を例えば3つの領域R1〜R3の領域に分割してそれぞれの領域を上記の温調部202により別個に管理することにより、より精密な温度管理に加えて第2の処理領域である第2の処理ブロック12内の気流管理も行うことができる。例えば、上方の領域の方が下方の領域よりも温度を高めることによって意図的に上昇気流を発生させ、これによりウエハWから発生する昇華物等をウエハWに悪影響を与えることなく外部に確実に排出することができるようになる。従って、この場合には窒素ガス等の導入を下方から行い、排気を上部で行う方がより好ましい。
【0066】
なお、本発明は以上説明した実施形態には限定されない。
【0067】
例えば、上記実施形態では、絶縁膜材料を2度塗り場合を例にとり説明したが、1度塗り或いは3度塗り以上であっても勿論構わない。
【0068】
また、本発明は、例えば露光現像工程におけるレジスト塗布や現像処理のようい溶液供給と加熱処理を伴う他の処理システムにも当然適用できる。
【0069】
更に、上記の実施形態では、基板としてシリコンウエハを例に取り説明したが、ガラス基板等の他の基板にも本発明を適用できる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板の搬送時間を短縮し、基板の処理効率を向上させることができる。また、ユニット間の熱的干渉を極力抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板処理装置が適用されるSODシステムの全体構成を示す平面図である。
【図2】図1に示すSODシステムの正面図である。
【図3】図1に示すSODシステムの背面図である。
【図4】本発明に係るマルチファンクショナルホットプレートキュア装置(MHC)の斜視図である。
【図5】図4に示すマルチファンクショナルホットプレートキュア装置(MHC)の断面図である。
【図6】本実施形態によるSODシステムの処理工程を示すフロー図である。
【図7】本発明の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 SODシステム
11 第1の処理ブロック(第1の処理領域)
12 第2の処理ブロック(第2の処理領域)
51 断熱壁
52 不活性気体導入部
DAC エージング処理ユニット
EB 電子線処理ユニット
LHP 低温加熱処理ユニット
MHC マルチファンクショナルホットプレートキュア装置
MW マイクロ波処理ユニット
SCT SOD塗布処理ユニット
UV 紫外線処理ユニット
W ウエハ
Claims (4)
- 区画化された第1の処理領域と第2の処理領域とを備え、
前記第1の処理領域に、基板上に絶縁膜材料を塗布する塗布部が配置され、
前記第2の処理領域に、前記塗布部により絶縁膜材料が塗布された基板に対して複数種類の加熱処理を施す加熱処理部が配置され、
前記第2の処理領域内を温調する温調部が設けられた壁部材が前記第2の処理領域を囲繞するように配置され、
少なくとも前記塗布部から前記加熱処理部へ基板を搬送する搬送装置を有することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、
前記第2の処理領域に不活性気体を導入して前記第2の処理領域の雰囲気を該不活性気体によりコントロールする手段を更に具備することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置において、
前記第1の処理領域と前記第2の処理領域との間に配置された断熱部材を更に具備することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の基板処理装置において、
前記加熱処理部における複数種類の加熱処理は、少なくとも基板をベーク処理するための加熱処理及び基板をキュア処理するための加熱処理を含むことを特徴とする基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000346645A JP3606560B2 (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | 基板処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000346645A JP3606560B2 (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | 基板処理装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004233620A Division JP4048192B2 (ja) | 2004-08-10 | 2004-08-10 | 基板処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002151485A JP2002151485A (ja) | 2002-05-24 |
JP3606560B2 true JP3606560B2 (ja) | 2005-01-05 |
Family
ID=18820482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000346645A Expired - Fee Related JP3606560B2 (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | 基板処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3606560B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4435542B2 (ja) * | 2002-11-18 | 2010-03-17 | 東京エレクトロン株式会社 | 絶縁膜形成装置 |
JP5968996B2 (ja) * | 2014-12-18 | 2016-08-10 | 株式会社日立国際電気 | 基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラム |
-
2000
- 2000-11-14 JP JP2000346645A patent/JP3606560B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002151485A (ja) | 2002-05-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3494435B2 (ja) | 基板処理装置 | |
KR100628584B1 (ko) | 기판처리장치 및 기판처리방법 | |
JP3535457B2 (ja) | 基板の熱処理装置 | |
US6936134B2 (en) | Substrate processing apparatus and substrate processing method | |
JP3769426B2 (ja) | 絶縁膜形成装置 | |
US20070197046A1 (en) | Substrate processing method and substrate processing apparatus | |
JP3585215B2 (ja) | 基板処理装置 | |
JP3333748B2 (ja) | 塗布膜形成装置および硬化処理装置および硬化処理方法 | |
JP2003007795A (ja) | 基板処理装置 | |
JPWO2003001579A1 (ja) | 基板処理装置及び基板処理方法 | |
JP3599322B2 (ja) | 基板処理装置及び基板処理方法 | |
JP2009076869A (ja) | 基板の処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 | |
JP3606560B2 (ja) | 基板処理装置 | |
JP3813877B2 (ja) | 基板の処理方法 | |
JP4048192B2 (ja) | 基板処理装置 | |
JP2010129808A (ja) | 基板処理システムおよび基板処理方法 | |
JP2002324790A (ja) | 基板処理装置 | |
JP4043022B2 (ja) | 成膜装置及び成膜方法 | |
JP2002151569A (ja) | 基板処理装置 | |
JP4051358B2 (ja) | 基板処理装置 | |
JP4037431B2 (ja) | 基板の処理方法及び基板の処理装置 | |
JP2002151487A (ja) | 基板処理装置 | |
JP2002151504A (ja) | 基板処理方法及び基板処理装置 | |
JP3808710B2 (ja) | 基板の処理装置 | |
JP3530810B2 (ja) | 基板処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040615 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040810 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040928 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041004 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071015 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101015 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |