JP3605907B2 - コンタクト抵抗低減層を有する半導体装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は半導体装置に関し、特に窒化ガリウム系材料を使用した青色〜緑色発光ダイオード、青色〜緑色レーザーダイオード等の発光素子に関し、特に接触抵抗を大きく低減した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の青色及び緑色の発光ダイオード(LED)の高輝度化の進展には目ざましいものがあり、材料として、ZnSSe系やAlGaInN系が用いられている。現在、サファイア、SiCなどの基板上への高品質な窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体膜の成長とGaN系への高濃度p型ドーピングが可能となったことにより、高輝度の青色発光ダイオードが実現されており、図2に示すようなダブルヘテロ構造が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、表面コンタクト層にワイドバンドギャップのGaN(Eg=3.39eV)を用いているために、電極との電位障壁が大きくなりやすく、このことが動作電圧の増加を招いてしまう(図3、n型の場合、ECは伝導帯の底のエネルギー、EFはフェルミ準位、EVは価電子帯の底のエネルギー、qφBは電位障壁)。このようなワイドバンドギャップ半導体で、接触抵抗を下げるには、まず、ヘビードープした層を電極直下に挿入する、すなわちmetal−n+−n、metal−p+−pなる構造を形成する手法がある(図4、ただし、n型の場合)。n型GaNではホール濃度が1019台という高濃度までドーピングが可能であるが、一方p型GaNドーピングでは、現状では1017台レベルまでしか入らない。このために、特にp型AlGaInNからなる層とは、充分低い接触抵抗の実現は困難である。この動作電圧の増加は、素子の発熱につながり、寿命の点で大きな問題となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
我々は、MOCVDやMBE法でAlGaInN系LEDを作製するにあたり、InAlGaN系からなる層を電極との間に薄膜のGaPxN1−x(x≧0.9)層と薄膜のGaPyN1−y(y≦0.1)層を交互に積層した多層膜を挿入すること、より好ましくは1周期当りの厚層が10分子層以下である前記GaPxN1−x(x≧0.9)層及びGaPxN1−x(x≦0.1)層を挿入することにより、上記の課題を解決するに至った。
【0005】
GaPN混晶はGaNからP組成を増加させても、またGaPからN組成を増加させてもバンドギャップが減少し、中間組成でバンドギャップがゼロになってしまうという特殊なバンド構造を有している。しかし、中間組成の混晶は、ミッシビリティギャップの存在のため、成長が困難とされている。そこで、GaPリッチの薄膜とGaNリッチの薄膜からなる超格子を積層することにより、GaPNバルクと同様なバンド構造を実現することができる。そこで、ワイドバンドギャップ半導体で、接触抵抗を下げるために、非常にバンドギャップが小さいもしくはゼロである、薄膜のGaPxN1−x(x≧0.9)層と薄膜のGaPyN1−y(y≦0.1)層を交互に積層した多層膜を挿入することにより、キャリア濃度を非常に高くすることができなくても、電極と表面層との間で形成される電位障壁が大幅に低減され、オーミックコンタクトを非常に取り易くなる(図5、ただし、n型の場合)。
【0006】
この場合の多層膜の層の数は、2(1周期)以上であれば特に限定されないが、好ましくは5周期以上である。又、多い分には特に抵抗等の問題を生じない範囲で、任意に設定すればよい。
尚、本明細書においてAlGaInN系からなる層とは、Al又はInの組成が0のものを含むものとする。
【0007】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例に限定されるものではない。
(実施例)
本発明の成長に使用した装置の構成は図6に示すように中央に基板搬送室を設け、基板交換室1室と減圧MOCVD装置3台を設置してある。成長室1は通常のMOCVD装置であり、AlGaInN系化合物半導体の成長に用いる。成長室2も通常のMOCVD装置であるがAlGaInN系以外のIII−V族化合物半導体の成長に用いる。成長室3は、原料をマイクロ波励起によりラジカル分解することができ、基板表面の窒化及びAlGaInN系化合物の成長に用いる。図1に示すような構造のエピタキシャルウエハを成長手順を示す。
【0008】
まずサファイア基板を成長室3に導入し、加熱昇温する。500゜Cにおいて、成長前に窒素ガス(N2)を原料として、マイクロ波励起によりラジカル窒素を基板表面に供給し、表面の酸素(O)原子をN原子と置換させる工程、すなわち窒化を行う。この表面上に、GaNバッファ層20nmを成長させる。この後、基板を冷却し、搬送室を経て成長室1へ基板を移動させる。成長温度1000゜Cで加熱し、前記エピタキシャル膜成長基板上に、n型GaNバッファ層4μm、n型Al0.2Ga0.8Nクラッド層1μm、ZnドープIn0.1Ga0.9N活性層0.1μm、p型Al0.2Ga0.8Nクラッド層1μm、p型GaNコンタクト層1μmを順次成長させる。このとき、キャリアガスに水素を用いて、III族原料ガスに、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)を用いた。V族原料には、一般的にはアンモニア(NH3)が用いられるが、成長温度の低減のために、低温での分解効率のよいジメチルヒドラジンやアジ化エチルなどの有機金属を用いてもよい。n型ドーパントには、SiまたはGeを、p型ドーパントには、MgまたはZnを用いた。必要に応じて、成長後に引き続いて成長室内で熱処理を行い、キャリアを活性化させる。この後、基板を冷却し、搬送室を経て成長室2へ基板を移動させる。基板を700゜Cに加熱し、前記エピタキシャル膜成長基板上に厚み1分子層のGaPと厚み3分子層のGaNを交互に10周期積層した超格子を接触抵抗低減層として成長させる。このとき、キャリアガスに水素を用いて、III族原料ガスに、TMGをV族原料には、NH3及びホスフィン(PH3)を使用した。前記GaP0.2 5N0. 75接触抵抗低減層は、余り厚くすると発光した光の吸収を大きくしてしまうが、上記実施例のように、光吸収の影響のない非常に薄い薄膜でも接触抵抗の低減に、非常に有効である。また、この接触抵抗低減層は、抵抗率が非常に小さいために、表面で電流を広げる役割も果たしてくれる。
【0009】
このようにして成長したエピタキシャルウエハを表面側に電極を形成し、チップに加工した。このチップを発光ダイオードとして組み立てて発光させたところ、順方向電流20mAにおいて、発光波長420nm、発光出力800μWと非常に良好な値が得られた。このとき動作電圧は3.4Vであり、比較のために作製したp−GaN表面上に電極を形成した従来の発光ダイオードでは動作電圧が4.0Vであった。この動作電圧の低減は、素子自体の発熱の低下を意味し、素子の寿命を大きく改善できた。
【0010】
上記実施例は、発光ダイオードについてであったが、半導体レーザにも同様な効果があることはもちろん、他の半導体装置においても同様の特性の向上が得られることは言うまでもない。
【0011】
【発明の効果】
本発明により、AlGaInN系半導体層と電極の間の抵抗を低減した半導体装置が得られ、これを発光装置として用いた場合には、動作電圧を大きく低減することができ、紫外〜赤色のAlGaInN系発光素子の特性及び素子の寿命も大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の半導体装置の一例を示す説明図である。
【図2】図2は従来の半導体装置の一例を示す説明図である。
【図3】図3は、従来のAlGaInN系半導体層の上に直接電極を設置した場合のエネルギーバンドの説明図である。
【図4】図4は、従来のAlGaInN系半導体層の上にヘビードープ層を設けその上に電極を設置した場合のエネルギーバンドの説明図である。
【図5】図5は、本発明のAlGaInN系半導体層の上に薄膜のGaPxN1−x(x≧0.9)層と薄膜のGaPyN1−y(y≦0.1)層を交互に積層した多層膜を挿入して電極を設置した場合のエネルギーバンドの説明図である。
【図6】図6は、実施例1で用いた製造装置の説明図である。
Claims (3)
- AlGaInN系からなる層と電極との間に薄膜のGaPxN1−x(x≧0.9)層と薄膜のGaPyN1−y(y≦0.1)層を交互に積層した多層膜を有することを特徴とする半導体装置。
- 前記GaxP1ーxN(x≧0.9)層及びGaPyN1−y(y≦0.1)層の1周期当りの厚層が10分子層以下である請求項1記載の半導体装置。
- 該AlGaInN系からなる層がp型である請求項1又は2記載の半導体装置。
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