JP3605787B2 - 粉体状高分子化合物の溶解方法 - Google Patents
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- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体状高分子化合物の溶解方法に関し、詳しくはハロゲン化銀写真感光材料の製造工程における親水性コロイド、例えばゼラチンの効率的な溶解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高分子化合物の粉体を溶解する場合に、いわゆる「ママコ」とか「ダマ」が発生するという問題があった。「ママコ」あるいは「ダマ」は、粉体が凝集した塊状物であって、粉体状高分子、例えばゼラチン等を溶解する際、粉体に溶媒である水が十分浸透しない間に高温にさらされた場合、該粉体の表面のみが溶解してゲル状の高濃度の薄層となり、内部が粉体のままで溶解しない状態になることである。
【0003】
このため、粉体状高分子化合物の溶解にあたっては、内部まで十分に溶媒を浸透させてから温度を上げ溶解することが必要となり、できれば該高分子化合物を溶媒で膨潤してから溶解することが望ましい。しかしながらこのような方法では、時間がかかり、かつ膨潤した高分子化合物の撹拌にも多大な動力が必要となり、工業的に実施するには問題が多い。
【0004】
また、溶解中に泡が発生し、効率的な溶解ができないという問題、泡による故障(例えば、ハロゲン化銀写真感光材料の塗布の際、泡による塗布ムラ)が生じた。
【0005】
そのため、従来よりこの問題に対していくつかの対策が提案されている。例えば低温の溶媒に粉体を添加、分散させた後、強力な撹拌のもとに昇温、溶解させる方法であるが、なお、時間的に十分短縮されていない。
【0006】
また、高分子化合物の溶解温度以上の溶媒温度を用いる方法についても提案されている。例えば特開昭50−97587号、同62−234534号、特開平4−150933号等に記載されており、超音波照射による方法、あるいは脱泡との併用等種々提案されているが、作業効率、費用あるいは確実性の点でいずれも十分満足できるものではない。また特開平2−275290号の方法では、撹拌動力エネルギー密度が5〜15kwh/lであって、撹拌動力エネルギー密度から判断すると十分満足できる効率ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような問題に対して、本発明の課題は、粉体状高分子化合物、特にゼラチンについて、溶解が単時間で行え、設備費ならびにランニングコストも安く、しかもママコ、泡を発生することのない粉体状高分子化合物の溶解方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記手段により達成される。
【0009】
1.溶媒を撹拌機を有する恒温ジャケット付きタンク内に投入して温度30〜39℃で、撹拌レイノルズ数が2.0×105以上となる様に撹拌しつつ、高分子化合物の粉体を投入して、分散後、40℃までは1℃/min以上の速度で昇温し、さらに50〜60℃まで昇温することを特徴とする粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0010】
2.溶媒として脱気水を使用することを特徴とする前記1に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0011】
3.減圧状態で溶解することを特徴とする前記1又は2に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0012】
4.粉体状高分子化合物の溶解濃度が10〜30%の範囲にあることを特徴とする前記1、2又は3に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0013】
5.前記粉体状高分子化合物がゼラチンであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0014】
6.前記撹拌機が、撹拌翼径がタンク内径の1/3以上である4枚ピッチドパドル、又はTKコンビミックスであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0015】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0016】
本発明でいうママコを発生する粉体状高分子化合物としては、例えば次のようなものの粉体が挙げられる。ゼラチン、ゼラチン誘導体、アラビアゴム、ガム、澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム等溶解度の熱依存性が高く、吸湿膨潤性のものである。
【0017】
本発明では特にハロゲン化銀写真感光材料用バインダーとして用いられるゼラチンを主たる対象とするがこれに限定されるものではない。
【0018】
本発明における脱気水とは、使用温度における飽和溶存酸素量に対して70%以下の溶存酸素量である水をいい、溶存酸素が少なければ少ない程好ましい。溶存酸素量はDOメーターmodel58(日科機装[株]製)測定器により測定したものとする。脱気水を溶媒として用いることにより撹拌により混入または発生する泡を溶解し、泡として顕在化することによる故障の発生を防止することができる。
【0019】
本発明においては、減圧状態で溶解することが好ましいが、減圧することにより溶媒の溶存酸素を低下させることでゼラチン水溶液の脱泡が可能となり、さらに脱泡効果が期待できる。このことは特にハロゲン化銀写真感光材料のように塗布に際して気泡の発生が大きな塗布故障を誘発する場合には極めて重要な問題となる。
【0020】
本発明における減圧状態とは、300Torr以下で一定減圧値で減圧する状態をいう。
【0021】
本発明において溶解する粉体状高分子化合物の溶解濃度は、本発明を効果より奏する点で、10〜30%であることが好ましい。。
【0022】
本発明に用いられる撹拌装置は粉体状高分子化合物を投入する撹拌翼付近の撹拌レイノルズ数が2.0×105以上であれば得に限定しないが、撹拌翼径がタンク内径1/3以上である4枚ピッチドパドル又はTKコンビミックスであることが好ましい。
【0023】
図1はこれらの撹拌装置を装着した恒温ジャケット付きタンクの断面図である。図1において、1は溶解槽、2は恒温ジャケット、5は温度センサーである。
【0024】
図1(a)は4枚ピッチドパドル撹拌機を装着した例であって、3dは撹拌機を示す。4は邪魔板である。
【0025】
図1(b)はTKコンビミックス撹拌機を装着した例である。TKコンビミックスはアンカーミキサー(3c)+TKホモミキサー(3a)+TKホモディスパー(3b)から構成されている。
【0026】
本発明において、撹拌レイノルズ数とは撹拌翼近傍の液の流動状態を示すパラメータで、撹拌レイノルズ数Rは下記式により算出することができる。
【0027】
R=μd2/υ
μ:翼回転数、d:翼径、υ:液の動粘度
本発明における溶解槽中の撹拌レイノルズ数2.0×105以上が必要である。本発明の技術的な制約からして自ずと上限はある。
【0028】
本発明の粉体状高分子化合物をタンク内に添加するには、まず前記撹拌装置を有するタンク中の好ましくは脱気された溶媒の温度を30〜39℃、好ましくは30〜35℃とし、投入位置とその周辺の撹拌機の撹拌レイノルズ数2.0×105以上になるように撹拌する。この中に粉体状高分子化合物を添加するに当たっては、ママコの発生を防ぎ、分散した状態にするために、当然のことながら撹拌速度の速い撹拌羽根の翼端付近に徐々に添加することが好ましく、工業的には翼端部分のできるだけ広い面積に分散して、徐々に(10kg/min以下)添加することが望ましい。粉体状高分子化合物の添加、分散後、急速(1℃/min)に温度を40℃まで上げ、さらに45〜60℃まで上げ、溶解後40℃まで下げる。
【0029】
本発明により、膨潤速度と溶解速度のバランスを効率よく取ることができるのである。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を例証する。
【0031】
実施例1
図1は恒温ジャケット付きタンクであって、タンク直径は1000mmである。図1(a)には4枚ピッチドパドル撹拌機(直径400mm)、図1(b)にはTKコンビミックス撹拌機(アンカーミキサーの直径880mm、ホモディスパーの直径200mm、ホモミキサーの直径150mm)(特殊機化[株]製)の例を示した。
【0032】
上記それぞれの撹拌機を装着したタンクに、溶媒として35℃に温めた水又は脱気水(溶存酸素量2ppm)800lを投入し、投入後、投入付近の撹拌翼付近の撹拌レイノルズ数が4.7×105になるように回転させ、その後高分子化合物の粉末としてゼラチンをエアー搬送により投入した。タンク内の撹拌動力のエネルギー密度は1.4kwh/l、ゼラチン投入期間は10kg/minとした。
【0033】
ゼラチン投入終了後より恒温ジャケットの温水を調節してタンク内の温度を1℃/minの上昇速度で40℃まで急速昇温させた。その後、そのままの場合とタンク内を300Torrで減圧した場合について、30分かけて50℃まで昇温させ、ゼラチン投入後40分で溶解させた。
【0034】
その時のタンク内の温度を温度センサーで測定した状態を図2に示す。40分後、溶解したゼラチン液を濾過し、未溶解物を調査したがいずれの撹拌機を用いた場合にも未溶解物は確認されず完全に溶解された。
【0035】
また、溶解したゼラチン液をサンプリングして泡の量を測定した。上記、常圧かつ通常の溶解水を用いた場合はゼラチン溶液1000ml中に泡量が30mlあったのに対して、常圧で溶解水に脱気水を用いた場合は、0.01mlであり、脱気水と減圧を併用した場合には、泡量は0.001mlであった。これにより、脱気水及び/又は減圧した場合の効果は明らかである。
【0036】
実施例2
実施例1で下記条件を変更した以外は実施例1と同様に行った。
【0037】
溶媒としては39℃の温水を使用し、撹拌レイノルズ数を7.3×105とした。溶解時間は35分で、実施例1と同様に溶解したゼラチン液を濾過した結果、未溶解のゼラチンは認められず、完全に溶解されていた。
【0038】
比較例1
実施例1で下記条件を変更した以外は実施例1と同様に行った。
【0039】
溶媒として25℃の温水を使用し、撹拌レイノルズ数は1.0×105とした。ゼラチン投入後80分後に実施例1と同様にしてチェックしたところ未溶解物が散見された。
【0040】
比較例2
実施例1で下記条件を変更した以外は実施例1と同様に行った。
【0041】
溶媒として60℃の温水を使用し、撹拌レイノルズ数は1.5×105とした。ゼラチン投入後80分後に実施例1と同様にしてチェックしたところ未溶解物が散見された。
【0042】
【発明の効果】
本発明により粉体状高分子化合物、特にゼラチンについて、溶解が単時間で行え、設備費ならびにランニングコストも安く、しかもママコ、泡を発生することのない粉体状高分子化合物の溶解方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の恒温ジャケット付きのタンクの1例を示す断面図である。
【図2】タンク内の温度を温度センサーで測定した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 溶解槽
2 恒温ジャケット
4 邪魔板
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体状高分子化合物の溶解方法に関し、詳しくはハロゲン化銀写真感光材料の製造工程における親水性コロイド、例えばゼラチンの効率的な溶解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高分子化合物の粉体を溶解する場合に、いわゆる「ママコ」とか「ダマ」が発生するという問題があった。「ママコ」あるいは「ダマ」は、粉体が凝集した塊状物であって、粉体状高分子、例えばゼラチン等を溶解する際、粉体に溶媒である水が十分浸透しない間に高温にさらされた場合、該粉体の表面のみが溶解してゲル状の高濃度の薄層となり、内部が粉体のままで溶解しない状態になることである。
【0003】
このため、粉体状高分子化合物の溶解にあたっては、内部まで十分に溶媒を浸透させてから温度を上げ溶解することが必要となり、できれば該高分子化合物を溶媒で膨潤してから溶解することが望ましい。しかしながらこのような方法では、時間がかかり、かつ膨潤した高分子化合物の撹拌にも多大な動力が必要となり、工業的に実施するには問題が多い。
【0004】
また、溶解中に泡が発生し、効率的な溶解ができないという問題、泡による故障(例えば、ハロゲン化銀写真感光材料の塗布の際、泡による塗布ムラ)が生じた。
【0005】
そのため、従来よりこの問題に対していくつかの対策が提案されている。例えば低温の溶媒に粉体を添加、分散させた後、強力な撹拌のもとに昇温、溶解させる方法であるが、なお、時間的に十分短縮されていない。
【0006】
また、高分子化合物の溶解温度以上の溶媒温度を用いる方法についても提案されている。例えば特開昭50−97587号、同62−234534号、特開平4−150933号等に記載されており、超音波照射による方法、あるいは脱泡との併用等種々提案されているが、作業効率、費用あるいは確実性の点でいずれも十分満足できるものではない。また特開平2−275290号の方法では、撹拌動力エネルギー密度が5〜15kwh/lであって、撹拌動力エネルギー密度から判断すると十分満足できる効率ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような問題に対して、本発明の課題は、粉体状高分子化合物、特にゼラチンについて、溶解が単時間で行え、設備費ならびにランニングコストも安く、しかもママコ、泡を発生することのない粉体状高分子化合物の溶解方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記手段により達成される。
【0009】
1.溶媒を撹拌機を有する恒温ジャケット付きタンク内に投入して温度30〜39℃で、撹拌レイノルズ数が2.0×105以上となる様に撹拌しつつ、高分子化合物の粉体を投入して、分散後、40℃までは1℃/min以上の速度で昇温し、さらに50〜60℃まで昇温することを特徴とする粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0010】
2.溶媒として脱気水を使用することを特徴とする前記1に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0011】
3.減圧状態で溶解することを特徴とする前記1又は2に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0012】
4.粉体状高分子化合物の溶解濃度が10〜30%の範囲にあることを特徴とする前記1、2又は3に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0013】
5.前記粉体状高分子化合物がゼラチンであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0014】
6.前記撹拌機が、撹拌翼径がタンク内径の1/3以上である4枚ピッチドパドル、又はTKコンビミックスであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
【0015】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0016】
本発明でいうママコを発生する粉体状高分子化合物としては、例えば次のようなものの粉体が挙げられる。ゼラチン、ゼラチン誘導体、アラビアゴム、ガム、澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム等溶解度の熱依存性が高く、吸湿膨潤性のものである。
【0017】
本発明では特にハロゲン化銀写真感光材料用バインダーとして用いられるゼラチンを主たる対象とするがこれに限定されるものではない。
【0018】
本発明における脱気水とは、使用温度における飽和溶存酸素量に対して70%以下の溶存酸素量である水をいい、溶存酸素が少なければ少ない程好ましい。溶存酸素量はDOメーターmodel58(日科機装[株]製)測定器により測定したものとする。脱気水を溶媒として用いることにより撹拌により混入または発生する泡を溶解し、泡として顕在化することによる故障の発生を防止することができる。
【0019】
本発明においては、減圧状態で溶解することが好ましいが、減圧することにより溶媒の溶存酸素を低下させることでゼラチン水溶液の脱泡が可能となり、さらに脱泡効果が期待できる。このことは特にハロゲン化銀写真感光材料のように塗布に際して気泡の発生が大きな塗布故障を誘発する場合には極めて重要な問題となる。
【0020】
本発明における減圧状態とは、300Torr以下で一定減圧値で減圧する状態をいう。
【0021】
本発明において溶解する粉体状高分子化合物の溶解濃度は、本発明を効果より奏する点で、10〜30%であることが好ましい。。
【0022】
本発明に用いられる撹拌装置は粉体状高分子化合物を投入する撹拌翼付近の撹拌レイノルズ数が2.0×105以上であれば得に限定しないが、撹拌翼径がタンク内径1/3以上である4枚ピッチドパドル又はTKコンビミックスであることが好ましい。
【0023】
図1はこれらの撹拌装置を装着した恒温ジャケット付きタンクの断面図である。図1において、1は溶解槽、2は恒温ジャケット、5は温度センサーである。
【0024】
図1(a)は4枚ピッチドパドル撹拌機を装着した例であって、3dは撹拌機を示す。4は邪魔板である。
【0025】
図1(b)はTKコンビミックス撹拌機を装着した例である。TKコンビミックスはアンカーミキサー(3c)+TKホモミキサー(3a)+TKホモディスパー(3b)から構成されている。
【0026】
本発明において、撹拌レイノルズ数とは撹拌翼近傍の液の流動状態を示すパラメータで、撹拌レイノルズ数Rは下記式により算出することができる。
【0027】
R=μd2/υ
μ:翼回転数、d:翼径、υ:液の動粘度
本発明における溶解槽中の撹拌レイノルズ数2.0×105以上が必要である。本発明の技術的な制約からして自ずと上限はある。
【0028】
本発明の粉体状高分子化合物をタンク内に添加するには、まず前記撹拌装置を有するタンク中の好ましくは脱気された溶媒の温度を30〜39℃、好ましくは30〜35℃とし、投入位置とその周辺の撹拌機の撹拌レイノルズ数2.0×105以上になるように撹拌する。この中に粉体状高分子化合物を添加するに当たっては、ママコの発生を防ぎ、分散した状態にするために、当然のことながら撹拌速度の速い撹拌羽根の翼端付近に徐々に添加することが好ましく、工業的には翼端部分のできるだけ広い面積に分散して、徐々に(10kg/min以下)添加することが望ましい。粉体状高分子化合物の添加、分散後、急速(1℃/min)に温度を40℃まで上げ、さらに45〜60℃まで上げ、溶解後40℃まで下げる。
【0029】
本発明により、膨潤速度と溶解速度のバランスを効率よく取ることができるのである。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を例証する。
【0031】
実施例1
図1は恒温ジャケット付きタンクであって、タンク直径は1000mmである。図1(a)には4枚ピッチドパドル撹拌機(直径400mm)、図1(b)にはTKコンビミックス撹拌機(アンカーミキサーの直径880mm、ホモディスパーの直径200mm、ホモミキサーの直径150mm)(特殊機化[株]製)の例を示した。
【0032】
上記それぞれの撹拌機を装着したタンクに、溶媒として35℃に温めた水又は脱気水(溶存酸素量2ppm)800lを投入し、投入後、投入付近の撹拌翼付近の撹拌レイノルズ数が4.7×105になるように回転させ、その後高分子化合物の粉末としてゼラチンをエアー搬送により投入した。タンク内の撹拌動力のエネルギー密度は1.4kwh/l、ゼラチン投入期間は10kg/minとした。
【0033】
ゼラチン投入終了後より恒温ジャケットの温水を調節してタンク内の温度を1℃/minの上昇速度で40℃まで急速昇温させた。その後、そのままの場合とタンク内を300Torrで減圧した場合について、30分かけて50℃まで昇温させ、ゼラチン投入後40分で溶解させた。
【0034】
その時のタンク内の温度を温度センサーで測定した状態を図2に示す。40分後、溶解したゼラチン液を濾過し、未溶解物を調査したがいずれの撹拌機を用いた場合にも未溶解物は確認されず完全に溶解された。
【0035】
また、溶解したゼラチン液をサンプリングして泡の量を測定した。上記、常圧かつ通常の溶解水を用いた場合はゼラチン溶液1000ml中に泡量が30mlあったのに対して、常圧で溶解水に脱気水を用いた場合は、0.01mlであり、脱気水と減圧を併用した場合には、泡量は0.001mlであった。これにより、脱気水及び/又は減圧した場合の効果は明らかである。
【0036】
実施例2
実施例1で下記条件を変更した以外は実施例1と同様に行った。
【0037】
溶媒としては39℃の温水を使用し、撹拌レイノルズ数を7.3×105とした。溶解時間は35分で、実施例1と同様に溶解したゼラチン液を濾過した結果、未溶解のゼラチンは認められず、完全に溶解されていた。
【0038】
比較例1
実施例1で下記条件を変更した以外は実施例1と同様に行った。
【0039】
溶媒として25℃の温水を使用し、撹拌レイノルズ数は1.0×105とした。ゼラチン投入後80分後に実施例1と同様にしてチェックしたところ未溶解物が散見された。
【0040】
比較例2
実施例1で下記条件を変更した以外は実施例1と同様に行った。
【0041】
溶媒として60℃の温水を使用し、撹拌レイノルズ数は1.5×105とした。ゼラチン投入後80分後に実施例1と同様にしてチェックしたところ未溶解物が散見された。
【0042】
【発明の効果】
本発明により粉体状高分子化合物、特にゼラチンについて、溶解が単時間で行え、設備費ならびにランニングコストも安く、しかもママコ、泡を発生することのない粉体状高分子化合物の溶解方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の恒温ジャケット付きのタンクの1例を示す断面図である。
【図2】タンク内の温度を温度センサーで測定した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 溶解槽
2 恒温ジャケット
4 邪魔板
Claims (6)
- 溶媒を撹拌機を有する恒温ジャケット付きタンク内に投入して温度30〜39℃で、撹拌レイノルズ数が2.0×105以上となる様に撹拌しつつ、高分子化合物の粉体を投入して、分散後、40℃までは1℃/min以上の速度で昇温し、さらに50〜60℃まで昇温することを特徴とする粉体状高分子化合物の溶解方法。
- 溶媒として脱気水を使用することを特徴とする請求項1に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
- 減圧状態で溶解することを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
- 粉体状高分子化合物の溶解濃度が10〜30%の範囲にあることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
- 前記粉体状高分子化合物がゼラチンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
- 前記撹拌機が、撹拌翼径がタンク内径の1/3以上である4枚ピッチドパドル、又はTKコンビミックスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体状高分子化合物の溶解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01032798A JP3605787B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | 粉体状高分子化合物の溶解方法 |
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