JP3605347B2 - 電極内蔵セラミックスの製造方法、吸着装置及び半導体製造装置 - Google Patents

電極内蔵セラミックスの製造方法、吸着装置及び半導体製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極内蔵セラミックス製造方法、吸着装置及び半導体製造装置に関するものであり、例えば電子機能材料に用いたり、半導体製造装置等においてウエハを静電的に吸着保持して処理したり、搬送するために好適に用いられる吸着装置等、並びにこれらを用いた半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
液晶を含む半導体デバイスの製造に用いる半導体製造装置において、シリコンウエハ等の半導体を成膜やエッチング、露光などにより加工したり、搬送するためには、シリコンウエハを保持する必要がある。特に、静電的にシリコンウエハを保持する静電チャックは、真空中や腐食性ガス雰囲気での使用が可能であり、半導体の製造に適しているため、多用されている。
【0003】
窒化アルミニウムは耐食性が高く、熱伝導が高く熱衝撃性に比較的強いため静電チャックの主成分として用いられている。この窒化アルミニウムは、50℃における体積固有抵抗が1×1014Ωcm以上と絶縁体であるが、特に、最近では、特に200℃以下で使用される静電チャックにおいて、シリコンウエハの保持のためにより高い吸着力が要求されており、より高い吸着力を得るためには、抵抗を低くすることが提案されている。
【0004】
静電チャックは、吸着するために電圧を印加する電極を具備しており、電極がセラミック焼結体の内部に埋設するものがある。これにより、腐食性ガスで電極が消耗したり、蒸発した電極成分が不純物としてデバイスの不良原因になることを防ぐことができる。
【0005】
例えば、特開2000−44345号公報では、高純度の窒化アルミニウムの成形体中に金属電極を埋設し、ホットプレス焼成をすることにより、酸素を窒化アルミニウム結晶中に固溶させた窒化アルミニウム結晶相を形成し、室温での体積固有抵抗を1×10〜1×1013Ωcmとした静電チャックが提案されている。ここで言う金属とは金属線や金属板を二次元的に延びるバルク体として形成したものを示している。
【0006】
さらに、特公平5−11069号公報では、CaO、BaO、SrO、Y、CeO及びGdのうち1種以上と、Al及びAlNの1種以上を含有したW又はMoペーストをAlNの成形体に塗布し、これらを同時焼成することにより電極を形成し、電極のメタライズ強度を高め、電気抵抗の低い電極を実現している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−44345号公報に記載された窒化アルミニウム焼結体の場合、特に、厚みが大きい場合に、電極からウエハ載置面にかけて、吸着特性に影響を及ぼす体積固有抵抗が、厚み方向の変化などによると考えられるばらつきが発生しやく、量産時においてばらつき、吸着特性が低下するため、製品の信頼性が低下するという問題があった。
【0008】
また、特公平5−11069号公報に記載された静電チャックは、導電性ペーストを成形体に塗布するため、金属成分や助剤が焼成前の段階でグリーンシート内に拡散するため、密着性の良い電極を形成できるが、助剤として周期律表2a族元素のCa、Ba又は周期律表3a族元素のSr、Y、Ce、Gd等を用いているため、これらの助剤が電極近傍の窒化アルミニウム焼結体に拡散し、抵抗を高める結果、残留吸着が発生するという問題があった。
【0009】
さらに、グリーンシート作製時に結合剤や分散剤等として添加した有機化合物が焼成時に分解し、焼結体中に残留炭素として多量に残留すると、窒化アルミニウムの焼結を阻害しやすく、体積固有抵抗を高める危険性があった。また、焼結体中の酸素の含有量が高くなると、アルミニウムの酸窒化物やポリタイプが形成され、体積固有抵抗が高くなって残留吸着が発生するという問題があった。
【0010】
したがって、本発明は、窒化アルミニウムを主体とする焼結体の体積固有抵抗が、電極から一主面まで均一で、製品内のばらつきが少なく、信頼性の高い電極内蔵セラミックス製造方法、吸着装置及び半導体製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、静電チャック等の吸着装置において発生する吸着特性のばらつきや残留吸着は、電極近傍の窒化アルミニウム結晶相を主体とする焼結体(以下、単に窒化アルミニウム焼結体と言う)の体積固有抵抗が高くなるためであり、炭素、酸素及び焼結助剤の含有量を制御することにより、その体積固有抵抗を、表面近傍の焼結体の体積固有抵抗の100倍以下にでき、その結果、吸着特性のばらつきや残留吸着を抑制できるという知見に基づくものである。
【0015】
本発明の電極内蔵セラミックスの製造方法は、モリブデン粉末、タングステン粉末又は炭化タングステン粉末の少なくとも1種を主体とし、全酸素含有量が7重量%以下の電極用粉末に対して、バインダを実質上含まず、有機分散剤を0.5重量%以下の割合で混合して電極ペーストとし、窒化アルミニウムを主体とする第2の成形体を重ね、一体として焼成し、周期律表第2a、3a族元素がそれぞれ0.08重量%以下、炭素の含有量が0.02〜0.2重量%、酸素の含有量が0.3〜2重量%の焼結体を作製するものである。
【0016】
また、酸化タングステン粉末を主体とし、全酸素含有量が20重量%以下の電極用粉末に対して、バインダを実質上含まず、有機分散剤を0.5重量%以下の割合で混合して電極ペーストとし、窒化アルミニウムを主体とする第1の成形体上に前記電極ペーストにより電極パターンを形成し、該電極パターン上に窒化アルミニウムを主体とする第2の成形体を重ね、一体として焼成し、周期律表第2a、3a族元素がそれぞれ0.08重量%以下、炭素の含有量が0.02〜0.2重量%、酸素の含有量が0.3〜2重量%の焼結体を作製することを特徴とするものである。
【0017】
これにより、焼結体中の炭素の含有量を0.2重量%以下、酸素の含有量が2重量%以下にでき、その結果、焼結体の電極側焼結体の体積固有抵抗Rと主面側焼結体の体積固有抵抗Rの比R/Rが100以下にすることができる。
【0018】
さらに、前記電極用粉末が、アルミナ粉末及び/又は窒化アルミニウム粉末を含むことが好ましく、これにより、焼結体と電極との密着性が高まり、電気抵抗が高くなることがなくなり、信頼性の高い電極内蔵セラミックスが製造できる。
【0019】
また、本発明の吸着装置は、窒化アルミニウム結晶相を主体とし、体積固有抵抗が1×10〜1×1014Ωcmの焼結体と、該焼結体内部に埋設された吸着用電極と被吸着物を固定する被吸着載置面とを具備し、静電気力を利用して前記被吸着物を前記被吸着物載置面に吸着する吸着装置であって、該吸着装置が上記の方法で作製された電極内蔵セラミックスを用い、且つ該電極内蔵セラミックスの前記一主面を前記被吸着載置面として用いることを特徴とするものであり、残留吸着を抑制できる。特に、吸着用電極と被吸着物載置面との間の焼結体であることが好ましい。これにより、吸着力の高い吸着装置を実現できる。
【0020】
さらに、本発明の半導体製造装置は、吸着装置を具備する半導体製造装置であって、前記半導体製造装置の少なくとも一部の半導体製造装置構成部材および/または基板支持体に、本発明の製造方法で作製された電極内蔵セラミックスおよび/または吸着装置を用いたことを特徴とするもので、これにより信頼性が高く生産性の高い半導体製造装置を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の電極内蔵セラミックスの製造方法で作製した電極内蔵セラミックスを用いた一例としてSiウエハなどを静電的に吸着する吸着装置について説明する。
【0022】
本発明の吸着装置の一例である静電チャックを図1に示す。これは、双極タイプの静電チャック1であり、窒化アルミニウム結晶相を主体とするセラミック平板2の内部に電極3及び4が設けられている。電極3及び4には、正、負の電圧がそれぞれ印加される。したがって、図1には記載してないが、外部から電極3および4に電圧を供給するための接続端子と内部回路を含むことは言うまでもない。
【0023】
そして、セラミック平板2の一面にウエハ5などの被処理物を載置する被吸着物載置面6が設けられており、電極3および4に電圧を加えると、ウエハ5は、静電チャック1に静電的に吸着される。
【0024】
なお、セラミック平板2は電極3および4の位置から被吸着物載置面6までの間で、電極側焼結体2aと、主面側焼結体2bとに実質的に分けられ、少なくとも電極3又は4と被吸着物載置面6との間で電子が移動する。この時、電極側焼結体2aの体積固有抵抗が、主面側焼結体2bの体積固有抵抗の100倍以下であればよい。
【0025】
このように吸着装置に好適に用いられる本発明の電極内蔵セラミックスの製造方法で作製した電極内蔵セラミックスは、窒化アルミニウム焼結体からなる基板の内部に電極が設けされ、電極と焼結体の一主面との間の焼結体を電子が移動可能、すなわち電流が流れる構造を有し、焼結体により形成される。また、電極に外部電極から給電するための導電体が具備されており、窒化アルミニウム焼結体の体積固有抵抗のばらつきを小さくすることが重要である。
【0026】
すなわち、窒化アルミニウム焼結体の電極側焼結体の体積固有抵抗をR、前記主面側焼結体の体積固有抵抗をRとしたとき、体積固有抵抗比R/Rが100以下であることが重要であり、特に50以下、さらには10以下であることが好ましい。この体積固有抵抗比R/Rは、焼結体の厚み方向での体積固有抵抗のばらつきに関する指標であり、この比が1に近いほどばらつきが少なく、均一であることを示すものである。
【0027】
ここで、電極側焼結体2aとは、窒化アルミニウム焼結体の電極から表面までの厚みが1mm以上の時は、電極と焼結体との界面から0.5mmまでの範囲であり、窒化アルミニウム焼結体の電極から表面までの厚みが1mm以下の時は、その厚みの1/2程度の範囲を示す。また、主面側焼結体2bとは、窒化アルミニウム焼結体の電極から表面までの厚みが1mm以上の時は、焼結体表面から0.5mmまでの範囲であり、窒化アルミニウム焼結体の電極から表面までの厚みが1mm以下の時は、その厚みの1/2程度の範囲を示す。
【0028】
また、本発明の電極内蔵セラミックスの製造方法で作製した電極内蔵セラミックスにおいて、電極側焼結体が、炭素の含有量を0.2重量%以下、酸素の含有量が2重量%以下であることが重要である。これにより、電極側焼結体の体積固有抵抗が高くなることを抑制でき、特に、炭素の含有量を0.1重量%以下、さらには0.05重量%、酸素の含有量を1.5重量%以下、特に0.8重量%以下であることが好ましい。
【0029】
また、電極として、高融点材料で2000℃以上の焼成温度に耐え、窒化アルミニウムとの反応性が低く、熱膨張率も比較的窒化アルミニウムと近いモリブデン、タングステン又は炭化タングステンを用いることにより、焼成時の反りを小さくでき、かつ窒化アルミニウム焼結体との密着性を良好なものにできる。
【0030】
次に、本発明にかかる電極内蔵セラミックスを製造するための方法について説明する。
【0031】
まず、窒化アルミニウム焼結体を作製するための出発原料として、例えば、純度99重量%以上、粒子径が5μm以下、好ましくは3μm、さらには1μm以下のAlN粉末を用意する。用いるAlN粉末は、還元窒化法、または直接窒化法のいずれの製造方法で作製した粉末でも良い。
【0032】
AlN粉末中のAl以外の金属含有量は0.01重量%以下、Na及びCaをそれぞれ0.1重量%以下、炭素を0.1重量%以下とすることが好ましい。原料中のこれらの不純物を上記の範囲に設定すると、焼結体の体積固有抵抗を低く維持し、ばらつきを抑制しやすいためである。また、AlN混合粉末の酸素量は、0.3〜2重量%の範囲になるように調整することができる。すなわちAlを添加することにより、混合粉末中の酸素量を0.3〜2重量%に調整する。
【0033】
上記の窒化アルミニウム粉末を、成形し、所望の形状にする。成形の方法は、金型プレス、CIP、テープ成形、鋳込み等どの成型方法を用いてもよい。
【0034】
なお、焼結体中の炭素は0.1重量%以下にする必要が有り、熱分解後、残存遊離炭素の少ない成形バインダを用いるか、酸素分圧の高い条件で熱分解を行う。
【0035】
次に、電極を形成するための電極材料を調合する。一例には、モリブデン粉末、タングステン粉末及び炭化タングステン粉末のうち少なくとも1種を主体とする電極用粉末を準備することが重要である。そして、所望により、Al粉末及び/又はAlN粉末を上記の電極用粉末中と混合する。この時、混合粉末の全酸素含有量を7重量%以下にすることが重要である。これにより、酸窒化アルミニウムやポリタイプの形成を抑制でき、電極側焼結体窒化アルミニウム焼結体の体積固有抵抗を低くしやすくなる。
【0036】
また、他の構成として、酸化タングステン粉末を主体とする電極用粉末を準備することが重要である。そして、所望により、Al粉末及び/又はAlN粉末を上記の電極用粉末と混合する。この時は、混合粉末中の全酸素含有量を20重量%以下にすることが重量である。
【0037】
尚、電極と窒化アルミニウム焼結体間でのいわゆる電位障壁を小さくするために、前記電極用粉末に対してさらにTiC、TiN粉末などを添加することもある。
【0038】
これらの混合粉末に、テルピオーネ等の有機溶媒及びソルビタンソスキオネート等の有機分散剤を0.5重量%以下の割合で混合・混練して電極ペーストを作成することが重要である。
【0039】
従来の方法においては、ペースト中にもアクリル等のバインダを適当量添加するが、アクリル樹脂などの有機結合剤であるバインダは残留して容易に炭素源となり、焼成時に酸化物を主とする液相の発生を抑制したり、焼結性の低いポリタイプの形成を促進するため、窒化アルミニウム結晶の焼結を阻害する。その結果、粒界相の導電性のばらつきを誘発し、体積固有抵抗値がばらつく原因となる。
【0040】
そこで、本発明ではバインダを実質上用いず、有機分散剤を0.5重量%以下にすることにより、電極側焼結体の体積固有抵抗のばらつきを抑制できる。バインダを用いなくとも、成形体の形状を保持するに十分な結合力を有する有機分散剤を少量加えることにより、混合粉末の分散性を向上させ、同時に保形性を生じさせる。
【0041】
ここで、バインダを実質上用いないとは、具体的な例としてバインダが0.1重量%以下の量に規定できる。
【0042】
上記窒化アルミニウムの成形体の片面に、上記の電極パターンを形成した金属メッシュの上に電極ペーストを流し込み、印刷法等により塗布する。電極を塗布した成形体と、無塗布の成形は、成形の時に必要なバインダ成分を除去する。電極を塗布し脱脂を行った成形体と脱脂を行った他の成形体を、電極を挟むように重ね合わせ、カーボン型等の焼成治具に挿入する。
【0043】
焼成は、常圧焼成、ガス圧焼成法、熱間静水圧焼成(HIP)、ホットプレス法等の公知の方法で行うことができる。ホットプレスの場合、焼成は2000℃以上、20MPa以上の圧力で行うことが、ボイドが極めて少なく、電気抵抗の安定した電極内蔵セラミックスが得られやすい。
【0044】
本発明の電極内蔵セラミックスの製造方法で作製した電極内蔵セラミックスを用いることにより、電極側焼結体2aの体積固有抵抗を低く保ち、電子の移動速度が速くでき、その結果残留吸着の発生を抑制した吸着装置を実現することができる。すなわち、本発明の吸着装置は、本発明の電極内蔵セラミックスを用い、窒化アルミニウム結晶相を主体とする焼結体と、該焼結体内部に埋設された吸着用電極と被吸着物を固定する被吸着載置面とを具備した吸着装置である。そして、電極側焼結体2aに相当する吸着用電極側焼結体の体積固有抵抗をRE、主面側焼結体2bに相当する比吸着物載置面側焼結体の体積固有抵抗をRWとしたとき、体積固有抵抗比RE/RWが100以下であることが重要である。
【0045】
特に、高い吸着力を得るために、吸着用電極と被吸着物載置面との間の焼結体の50℃における体積固有抵抗値が1×10〜1×1012Ωcmであることが重要である。また、電圧を印加した時、流れる電流を低く抑制する点で、この体積固有抵抗値は、特に1×10〜1×1011Ωcm、さらには1×10〜1×1010Ωcmが好ましい。そして、被吸着物載置面に載置されたウエハは、−70〜200℃の温度範囲において好適に吸着される。
【0046】
また、図2は本発明の吸着装置の他の構造を示すもので、単極タイプの静電チャック11の例である。窒化アルミニウムを主体とするセラミック平板12の内部に電極13が埋設するように設けられ、セラミック平板12の一面にウエハ15などの被処理物を載置する被吸着物載置面16が設けられている。
【0047】
セラミック平板12は、実質的に電極側焼結体12aおよび主面側焼結体12bに分割され、少なくとも電極側焼結体12aには、本発明のセラミック抵抗体が用いられており、電極13とウエハ15との間に電圧が印可され、静電的な吸着が起こる。なお、図2には記載してないが、外部から電極13に電圧を供給するための接続端子が含まれることは言うまでもない。
【0048】
なお、図示はしないが、静電チャックの内部には高周波用電極やヒーター用電極を埋設し、使用することも可能である。これら電極には、周知の導電材料が使用でき、例えば、タンタル、白金、レニウム、ハフニウム、W、Mo、Mo−Mn、Ag、WC、C、TiN、TiB2等を例示できる。また、所望により、冷却用の冷媒の通路をセラミック平板内に設けたり、ペルチェ素子などの冷却用装置を内蔵することもできる。
【0049】
このように、本発明の電極内蔵セラミックスの製造方法で作製した電極内蔵セラミックスを用いた吸着装置の一例である静電チャックは、吸着力が高く、吸着の離脱応答性が向上し、スループットが速くなる。また、その製造方法においては、歩留まりが向上し、焼成後の熱処理も不要のため、製造コストを低減できる。
【0050】
そして、本発明の半導体製造装置は、吸着装置を具備し、本発明の電極内蔵セラミックスの製造方法で作製した電極内蔵セラミックス及び/又は吸着装置を用いることにより、生産性が高く、低コストで信頼性の高い半導体を実現できる。
【0051】
【実施例】
窒化アルミニウム焼結体には、粒子径1μmの還元窒化法で作製された窒化アルミニウム粉末に粒子径0.2μmのAl粉末を0.5重量%添加した。
【0052】
これらの混合粉末をイソプロパノールを用いて混合し、パラフィン系のバインダを加えて成型用粉末を作製した。これを直径50mm、厚み10mmの円板に成形した。
【0053】
内蔵電極には電極形成粉末、有機分散剤やバインダ等の有機化合物系の添加物を表1に示す条件で混合した。
【0054】
この混合粉末に有機溶媒としてテルピネオール、有機分散剤としてはソルビタンソスキオネートを表1に示す条件で添加し、混合・混練をした。また、比較として、アクリル樹脂系のバインダを固形分換算で1、2重量%添加した。これらの電極ペーストを用いて、成形体表面にスクリーン印刷法にて、円形上の電極を印刷した。これらの成形体を窒素中で脱脂して焼成用成形体とした。
【0055】
ホットプレスは、カーボン型に電極を塗布した成形体上に電極を塗布しない成形体を重ね合わせた成形体をセットし、表1に示す条件で焼成した。なお、カーボン型と成形体との間に所望によりカーボンシートを挿入した。また、一部の試料は、窒化アルミニウム製の鉢に入れて、窒素中で常圧焼成した。
【0056】
焼結体から、表面からの試料厚み1mmの焼結体(主面側焼結体)と電極から上下0.5mmの厚みを有する焼結体(電極側焼結体)を作製し、上下面にAgを主成分とする導電ペーストを塗布し、電極側焼結体は内部電極を対極とし、主面側焼結体は上下面を電極として、それぞれ体積固有抵抗R、Rを、JIS3端子法により、50℃で測定した。そして、体積固有抵抗比R/Rを算出し、焼結体内の体積固有抵抗のばらつきを比較した。
【0057】
酸素、炭素分析は赤外線吸収法で、また、周期率表第2族元素と周期律表第3a族元素との組成は焼結体の蛍光X線分析から分析し、総量を算出した。
【0058】
吸着特性は、焼結体の上下面を研磨し、内部電極を対極し、表面に1インチ角のシリコン基板を載せ、その時の吸着力を測定した。すなわち、吸着力は50℃で400Vを印加し吸着力を測定した。また、電圧の印加を停止し吸着力がなくなるまでの時間(除電時間)を測定し、残留吸着力として評価した。すなわち、除電時間は、電圧の印加停止から吸着力が10MPaまで低下するのに要した時間とした。結果を表1及び表2に示した。
【0059】
【表1】
Figure 0003605347
【0060】
【表2】
Figure 0003605347
【0061】
本発明の試料No.1〜11、13〜16及び21〜33は、体積固有抵抗比R/Rが100以下と体積固有抵抗のばらつきが少なく、吸着力が20kPa以上、電荷の除電時間が4.5秒以下であった。
【0062】
一方、混合粉末中の酸素が多い本発明の範囲外の試料No.12は、体積固有抵抗比R/Rが100を越え体積固有抵抗のばらつきが大きく、吸着力が15kPaと小さく、電荷の除電時間は12秒と長かった。
【0063】
また、有機分散剤又はバインダの量が多い本発明の範囲外の試料No.17〜20は、体積固有抵抗比R/Rが100を越え体積固有抵抗のばらつきが大きく、吸着力が16kPa以下と小さく、電荷の除電時間は14秒以上と長かった。
【0064】
【発明の効果】
本発明の電極内蔵セラミックスの製造方法で作製した電極内蔵セラミックスは、電極近傍の焼結体の抵抗を制御することにより、抵抗ばらつきを低く抑え、残留吸着の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着装置の構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明の他の吸着装置の他の構造を概略断面図である。
【符号の説明】
1・・静電チャック
2・・セラミック平板
2a・・電極側焼結体
2b・・主面側焼結体
3、4・・電極
5・・ウエハ
6・・被吸着物載置面

Claims (5)

  1. モリブデン粉末、タングステン粉末又は炭化タングステン粉末の少なくとも1種を主体とし、全酸素含有量が7重量%以下の電極用粉末に対して、バインダを実質上含まず、有機分散剤を0.5重量%以下の割合で混合して電極ペーストとし、窒化アルミニウムを主体とする第1の成形体上に前記電極ペーストにより電極パターンを形成し、該電極パターン上に窒化アルミニウムを主体とする第2の成形体を重ね、一体として焼成し、周期律表第2a、3a族元素がそれぞれ0.08重量%以下、炭素の含有量が0.02〜0.2重量%、酸素の含有量が0.3〜2重量%の焼結体を作製することを特徴とする電極内蔵セラミックスの製造方法。
  2. 酸化タングステン粉末を主体とし、全酸素含有量が20重量%以下の電極用粉末に対して、バインダを実質上含まず、有機分散剤を0.5重量%以下の割合で混合して電極ペーストとし、窒化アルミニウムを主体とする第1の成形体上に前記電極ペーストにより電極パターンを形成し、該電極パターン上に窒化アルミニウムを主体とする第2の成形体を重ね、一体として焼成し、周期律表第2a、3a族元素がそれぞれ0.08重量%以下、炭素の含有量が0.02〜0.2重量%、酸素の含有量が0.3〜2重量%の焼結体を作製することを特徴とする電極内蔵セラミックスの製造方法。
  3. 前記電極用粉末が、アルミナ粉末及び/又は窒化アルミニウム粉末を含むことを特徴とする請求項又は記載の電極内蔵セラミックスの製造方法。
  4. 体積固有抵抗が1×10〜1×1014Ωcmの焼結体と、該焼結体内部に埋設された吸着用電極と被吸着物を固定する被吸着載置面とを具備し、静電気力を利用して前記被吸着物を前記被吸着物載置面に吸着する吸着装置であって、該吸着装置が請求項1〜3のいずれかに記載の方法で作製された電極内蔵セラミックスを用い、且つ該電極内蔵セラミックスの前記一主面を前記被吸着載置面として用いることを特徴とする吸着装置。
  5. 吸着装置を具備する半導体製造装置であって、前記半導体製造装置の少なくとも一部の半導体製造装置構成部材および/または基板支持体に、請求1〜3項のいずれかに記載の方法で作製された電極内蔵セラミックスおよび/または請求項記載の吸着装置を用いたことを特徴とする半導体製造装置。
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