JP3604325B2 - 棒先付きねじ用転造ダイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被転造素材の外周面を塑性変形させて、おねじ等が設けられたねじ部とそのねじ部より外径が小さな棒先部とを有する軸状部材を転造する棒先付きねじ用転造ダイスに関し、特に、被転造素材の外周面がスリップすることを防止して、かかるスリップに伴って軸状部材のねじ部のおねじ等が剥離して破損することを防止することができる棒先付きねじ用転造ダイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
棒先付きねじ部品は、おねじが形成されたねじ部と、そのねじ部の先端に設けられる円柱状の棒先部とを備え、かかる棒先部の外径はねじ部の外径より小さくされている。このような棒先付きねじ部品の製造は、例えば、一対の転造平ダイスにより軸状素材であるワークの外周面を塑性変形させて、その外周面に棒先部とねじ部とを同時に転造することにより行われる。この製造に使用される転造平ダイスの1面には、棒先付きねじ部品のねじ部を転造するために複数のねじ山及びねじ溝を有する転造ねじ面と、その転造ねじ面に沿って並設され、棒先付きねじ部品の棒先部を転造する平面状の平坦部とが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した転造平ダイスでは、棒先付きねじ部品の棒先部を転造する平坦部が平面状に形成されるため、かかる平坦部に当接した軸状素材の外周面が平坦部上でスリップして、かかるスリップに伴って転造ねじ面により転造されたおねじが剥離して破損してしまうという問題点があった。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、被転造素材の外周面がスリップすることを防止して、かかるスリップに伴って軸状部材のねじ部のおねじ等が剥離して破損することを防止することができる棒先付きねじ用転造ダイスを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダイスは、被転造素材の外周面に当接され、その外周面を塑性変形させて、おねじ等が設けられたねじ部とそのねじ部より外径が小さな棒先部とを有する軸状部材を転造するものであり、軸状部材のねじ部のねじ溝を形成するダイスねじ山と軸状部材のねじ部のねじ山を形成するダイスねじ溝とを有するねじ転造面と、そのねじ転造面に沿って並設され、軸状部材の棒先部にねじ溝を形成する棒先用ダイスねじ山と軸状部材の棒先部にねじ山を形成する棒先用ダイスねじ溝とを有する棒先用転造面とを備え、その棒先用転造面における棒先用ダイスねじ山の山頂は前記ダイスねじ山の山頂より高くされ、且つ、前記棒先用ダイスねじ溝の谷底は前記ダイスねじ山の山頂より低くされると共に、前記棒先用ダイスねじ山のねじ山高さは、前記ダイスねじ山のねじ山高さ以下とされ、さらに、前記棒先用転造面のピッチは、前記ねじ転造面のピッチと略等しくされると共に、前記棒先用ダイスねじ溝の谷底の切取り高さは、その棒先用ダイスねじ溝の谷底の幅が前記ダイスねじ溝の谷底の幅より大きく形成されるように、前記ダイスねじ溝の谷底の切取り高さより大きくされている。
【0006】
この請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダイスによれば、ねじ転造面によって被転造素材の外周面に軸状部材のねじ部のおねじ等が転造される場合、被転造素材の外周面には軸状部材の棒先部が同時に転造され、その棒先部には棒先用転造面の棒先用ダイスねじ溝および棒先用ダイスねじ山によってねじ山およびねじ溝が形成される。また、棒先用ダイスねじ山の山頂はダイスねじ山の山頂より高くされ、且つ、棒先用ダイスねじ溝の谷底はダイスねじ山の山頂より低くされ、さらに、棒先用転造面のピッチは、ねじ転造面のピッチと略等しくされると共に、棒先用ダイスねじ溝の谷底の切取り高さは、その棒先用ダイスねじ溝の谷底の幅がダイスねじ溝の谷底の幅より大きく形成されるように、ダイスねじ溝の谷底の切取り高さより大きくされている。このため、転造後の軸状部材は、その棒先部のねじ溝の谷底がねじ部のねじ溝の谷底より低く、棒先部のねじ山の山頂がねじ部のねじ溝の谷底より高く転造される。しかも、かかる場合に、棒先用ダイスねじ山の高さはダイスねじ山の高さ以下なので、転造後の軸状部材における棒先部のねじ山高さは、軸状部材のねじ部におけるねじ山高さ以下に転造されるのである。
【0007】
請求項2記載の棒先付きねじ用転造ダイスは、請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダイスにおいて、前記棒先用転造面のリード角は、前記ねじ転造面のリード角と略等しくされている。
【0008】
請求項3記載の棒先付きねじ用転造ダイスは、請求項1または2に記載の棒先付きねじ用転造ダイスにおいて、前記棒先用ダイスねじ山の山頂と前記ダイスねじ山の山頂との高低差は略0.05mm以上かつ前記ダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされており、前記棒先用ダイスねじ溝の谷底と前記ダイスねじ山の山頂との高低差は略0.05mm以上かつ前記ダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされている。
【0009】
請求項4記載の棒先付きねじ用転造ダイスは、請求項1から3のいずれかに記載の棒先付きねじ用転造ダイスにおいて、前記ダイスねじ溝の谷底と前記棒先用ダイスねじ溝の谷底とに連通する切欠き溝を備え、その切欠き溝の谷底は前記ダイスねじ溝の谷底から前記棒先用ダイスねじ溝の谷底へ向けて上昇傾斜されている。
【0010】
この請求項4記載の棒先付きねじ用転造ダイスによれば、請求項1から3のいずれかに記載の棒先付きねじ用転造ダイスと同様に作用する上、切欠き溝によって、軸状部材におけるねじ部のねじ山と棒先部のねじ山との境界部分の転造が行われる。しかも、切欠き溝の谷底はダイスねじ溝の谷底から棒先用ダイスねじ溝の谷底へ向けて上昇傾斜されるので、転造された軸状部材のねじ部と棒先部との境界部分では、ねじ部のねじ山が棒先部のねじ山の頂部から徐々に外周方向へ***するように形成される。
【0011】
請求項5記載の棒先付きねじ用転造ダイスは、請求項1から4のいずれかに記載の棒先付きねじ用転造ダイスにおいて、前記切欠き溝の溝幅は前記ダイスねじ溝の谷底から前記棒先用ダイスねじ溝の谷底へ向けて漸減されている。
【0012】
この請求項5記載の棒先付きねじ用転造ダイスによれば、請求項1から4のいずれかに記載の棒先付きねじ用転造ダイスと同様に作用する上、切欠き溝によって、軸状部材におけるねじ部のねじ山と棒先部のねじ山との境界部分の転造が行われる。しかも、切欠き溝の溝幅はダイスねじ溝の谷底から棒先用ダイスねじ溝の谷底へ向けて漸減されるので、転造された軸状部材のねじ部と棒先部との境界部分では、ねじ部のねじ山の山頂幅が漸増するように形成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施例である棒先付きねじ用平転造ダイス(以下、単に「転造ダイス」と称す)1の平面図であり、図1(b)は、図1(a)の側面図である。尚、図1では、後述するワーク10の転造を行う一対の転造ダイス1のうち、転造盤(図示せず)に固定される一方の転造ダイス1を図示しており、かかる固定される転造ダイス1に対して平行移動される他方の転造ダイス1の図示を省略している。
【0014】
転造ダイス1は、軸状素材の外周面におねじを有するねじ部および棒先部を転造する工具であり、図2(a),(b)に示すワーク10の軸部11の外周面を塑性変形させて、その外周面におねじ部21及び棒先部22を転造して図2(c)に示す棒先付きねじ部品(以下、単に「ねじ部品」と称す。)20を製造することができる工具である。
【0015】
なお、以下本実施例では、JIS規格B0205(メートル並目ねじ)に規格されるメートル並目ねじのおねじ、特に、ねじの呼びがM8×1.25のおねじを転造することができる転造ダイス1について説明する。
【0016】
ここで、図2を参照して、転造ダイス1により転造されるワーク10、及び、そのワーク10から製造されるねじ部品20について説明する。図2(a)は、転造前のワーク10の正面図であり、図2(b)は、転造後のねじ部品20の正面図であり、図2(c)は、図2(b)に示すねじ部品20における棒先部22の拡大図である。図2(a)に示すように、ねじ部品20の素材であるワーク10は、主に、略円柱状の軸部11と、その軸部11の一端側に設けられる略六角柱状の頭部12とを備えている。このワーク10の軸部11の外周面には、転造ダイス1によってねじ部21及び棒先部22が一括して転造される。
【0017】
図2(b)に示すように、ねじ部品20は、棒先付き六角ボルトの一種である。このねじ部品20は、転造ダイス1によって、ワーク10の軸部11の外周面にねじ部21が転造されると共に、そのねじ部21の転造と同時に棒先部22が転造されたものである。また、ねじ部21の外周面には本ねじ山21a及び本ねじ溝21bが螺旋状に形成されており、棒先部22の外周面には棒先ねじ山22a及び棒先ねじ溝22bが螺旋状に形成されている。
【0018】
ねじ部21及び棒先部22は境界部分23を介して連設されている。また、ねじ部品20は、その棒先部22の外径dがねじ部21の外径Dより小さくされており(d<D)、ねじ部品20をナット等のめねじ内へねじ込む場合には、棒先部22をナットのめねじ内へ挿入することによって、かかるナット等をねじ部21の本ねじ山21aの始端S(図2(b)右側)へと案内することができる。
【0019】
ここで、図2(c)に示すように、本ねじ山21aのねじ山高さ(基準ねじ山高さ)H1の値は、棒先ねじ山22aのねじ山高さ(基準ねじ山高さ)H2の値以上とされている(H1≧H2)。また、棒先ねじ山22aの山頂は本ねじ溝21bの谷底に比べて高低差ΔH1だけ高くされ、棒先ねじ溝22bの谷底は、本ねじ溝21bの谷底に比べて高低差ΔH2だけ低くされている。更に、棒先部22の棒先ねじ溝22bのピッチ及びリード角は、ねじ部21の本ねじ溝21bのピッチ及びリード角と略等しくされ、且つ、棒先部22の棒先ねじ山22aのねじ山角度はねじ部21の本ねじ山21aのねじ山角度と略等しくされている。
【0020】
上記のように構成されたねじ部品20によれば、その棒先部22がナット等のめねじ内へ傾いて挿入された場合でも、棒先部22の棒先ねじ山22a及び棒先ねじ溝22bがナット等のねじ溝及びねじ山と螺合して、かかるナット等をねじ部21側へ向けて円滑に案内することができる。しかも、棒先部22の外径dはおねじ部21の外径Dより小さくされるので、棒先ねじ山22a及び棒先ねじ溝22bとナット等のねじ溝及びねじ山との間に若干の隙間を設けることができる。このため、棒先部22がナット等のめねじ内へ傾いて挿入された場合でも、棒先部22がナット等のめねじ内で焼き付くことを防止することができる。
【0021】
また、図2(c)に示すように、ねじ部21と棒先部22との境界部分23には、ねじ部21の本ねじ山21aの始端Sと、棒先部22の棒先ねじ溝22bの終端Eとが設けられている。ねじ部21の本ねじ山21aの始端Sは、棒先ねじ溝22bの終端Eの近傍であって、棒先ねじ山22aの山頂に設けられている。本ねじ山21aには、その始端Sからねじ部21側(図2(c)左側)へ向けてねじ山高さ及びねじ山幅が漸増する境界本ねじ山23aが螺旋状に凸設されている。即ち、ねじ部21の本ねじ山21aは棒先部22の棒先ねじ山22aの頂部から徐々に軸部11の外周方向へ***するように形成されている。更に、棒先ねじ溝22bには棒先部22側(図2(c)右側)からその終端Eへ向けて溝深さ及び溝幅が漸減する境界棒先ねじ溝23bが螺旋状に凹設されている。
【0022】
このように境界部分23には、境界本ねじ山23a及び境界棒先ねじ溝23bが設けられるので、棒先部22がナット等のめねじ内へ傾いて挿入された場合でも、かかる境界本ねじ山23a及び境界棒先ねじ溝23bによって、そのナット等の傾きを修正することができる。しかも、境界本ねじ山23aは、本ねじ山21bの始端Sからねじ部22側(図2(c)左側)へ向けてねじ山高さ及びねじ山幅が漸増されるので、棒先部22がナット等のめねじ内へ傾いて挿入された場合に、かかる境界本ねじ山23aとナット等のねじ山とが噛み合って焼き付くことを防止することができる。
【0023】
図1に戻って説明する。転造ダイス1は、転造に適した合金工具鋼又は高速度工具鋼等の金属材料で略直方体状に形成されており、主に、その1面(図1手前側)に本ねじ転造面2と、その本ねじ転造面2に沿って並設される棒先転造面3とが設けられている。本ねじ転造面2は、ワーク10の軸部11(図2(a)参照)にねじ部21(図2(b)参照)の転造を行うものであり、この本ねじ転造面2には、転造ダイス1の長手方向一端側(図1右側)に食付き部2aが設けられている。この食付き部2aは、その始端(図1右側)から終端(図1左側)へ向けて所定の食付き角κ1で上昇傾斜されている。尚、この食付き角κ1は、固定側の転造ダイス1において略1°40′とされ、移動側の転造ダイス1において略0°とされる。
【0024】
食付き部2aの終端(図1左側)には、その食付き部2aと連続して仕上げ部2bが設けられ、この仕上げ部2bの終端、即ち、転造ダイス1の長手方向他端側(図1左側)には、仕上げ部2bと連続して逃げ部2cが設けられている。この逃げ部2cは、その始端(図1右側)から終端(図1左側)へ向けて所定の逃げ角κ3で下降傾斜されている。尚、この逃げ角κ3は、固定側の転造ダイス1において略3°00′とされ、移動側の転造ダイス1において略0°とされる。
【0025】
これらの食付き部2a、仕上げ部2b及び逃げ部2cで構成された本ねじ転造面2には、複数のねじ部用ねじ山4が刻設されている。複数のねじ部用ねじ山4は、それぞれ食付き部2aの始端(図1右端)から逃げ部2cの終端(図1左端)へ向けて連続して形成されている。この複数のねじ部用ねじ山4は、転造ダイス1の長手方向(図1左右方向)に対してリード角βで食付き部2aの始端から逃げ部2cの終端へ傾斜して刻設されている。リード角βは、転造平ダイス1により転造されるねじ部品20のねじ部21(図2(b)参照)のリード角と略等しくされており、略3°10′とされている。
【0026】
一方、棒先転造面3は、ワーク10の軸部11(図2(a)参照)に棒先部22(図2(b)参照)の転造を行うものであり、本ねじ転造面2の長手方向と略同一方向に沿って連続して形成されている。この棒先転造面3の長手方向一端側(図1右側)には食付き部3aが設けられており、この食付き部3aは、その食付き部3aの始端(図1右側)から仕上げ部3bの始端(図1左側)へ向けて所定の食付き角κ2で上昇傾斜されている。
【0027】
この食付き角κ2は、本ねじ転造面2における食付き角κ1より大きくされており(κ2>κ1)、この結果、本ねじ転造面2に比べて、棒先転造面3をワーク10の軸部11の外周面に食い込み(食付き)易くすることができるのである。尚、この食付き角κ2は、固定側の転造ダイス1において略2°00′とされ、移動側の転造ダイス1において略0°とされる。
【0028】
食付き部3aの終端には食付き部3aと連続して仕上げ部3bが設けられ、この仕上げ部3bの終端、即ち、転造ダイス1の長手方向他端側(図1左側)には、仕上げ部3bと連続して逃げ部3cが設けられている。この逃げ部3cは、本ねじ転造面2の逃げ部2cと同様に、その逃げ部3cの始端(図1右側)から終端(図1左側)へ向けて所定の逃げ角κ3で下降傾斜されている。
【0029】
これらの食付き部3a、仕上げ部3b及び逃げ部3cで構成された棒先転造面3には、複数の棒先用ねじ山5が刻設されている。複数の棒先用ねじ山5は、それぞれ食付き部3aの始端(図1右端)から逃げ部3cの終端(図1左端)へ向けて連続して形成されている。この複数の棒先用ねじ山5は、転造ダイス1の長手方向(図1左右方向)に対してリード角βで食付き部3aの始端から逃げ部3cの終端へ傾斜して刻設されている。
【0030】
ここで、棒先転造面3における棒先用ねじ山5のリード角βは、本ねじ転造面2におけるねじ部用ねじ山4のリード角βと略等しくされるので、ワーク10の軸部11の外周面に転造されるねじ部21及び棒先部22のリード角を略等しく形成することができるのである。
【0031】
図3は、図1のIII−III線における本ねじ転造面2及び棒先転造面3の部分的な拡大断面図であり、図1に示すねじ部用ねじ山4及び棒先用ねじ山5の傾斜方向(リード角β分の傾き方向)との直交方向(図1のIII−III線方向)に本ねじ転造面2及び棒先転造面3を切断した断面図である。図2に示すように、転造平ダイス1の本ねじ転造面2には、ねじ部品20のねじ部21の本ねじ溝21bを形成するため、断面視略台形状に形成された複数のねじ部用ねじ山4がピッチ(間隔幅)Pで形成されており、このピッチPは略1.25mmとされている。
【0032】
各ねじ部用ねじ山4は、その頂部に円弧状に形成された山頂4aが設けられ、各ねじ部用ねじ山4の両側面には略八の字状の傾斜面であるフランク4b,4bが設けられている。このねじ部用ねじ山4は、フランク4b,4b間の角度が所定のねじ山角度(ねじ山の角度)αとされており、このねじ山角度αは略60°とされている。また、ねじ部用ねじ山4の高さ、即ち、その山頂4aから後述するねじ部用ねじ溝6の谷底6aまでの距離はねじ山高さ(基準ねじ山高さ)Haとされており、このねじ山高さHaは略0.677mmとされている。
【0033】
本ねじ転造面2には、ねじ部品20のねじ部21の本ねじ山21aを形成するため、互いに隣り合うねじ部用ねじ山4,4の間部分に窪んだ空間部分である複数のねじ部用ねじ溝6が設けられている。ねじ部用ねじ溝6は、隣り合ったねじ部用ねじ山4,4の互いに対向するフランク4b,4bの間に設けられ、ねじ部用ねじ溝6の底部には、ねじ部品20のねじ部21の本ねじ山21aにおける山頂を形成するための平面状の谷底6aが設けられている。
【0034】
一方、転造平ダイス1の棒先転造面3には、ねじ部品20の棒先部22の棒先ねじ溝22bを形成するため、断面視略台形状に形成された複数の棒先用ねじ山5がピッチ(間隔幅)Pで形成されている。この各棒先用ねじ山5のピッチPは、ねじ部用ねじ山4のピッチPと等しく、略1.25mmとされている。
【0035】
各棒先用ねじ山5は、その頂部に円弧状に形成された山頂5aが設けられ、各棒先部用ねじ山5の両側面には略八の字状の傾斜面であるフランク5b,5bが設けられている。尚、棒先用ねじ山5とねじ部用ねじ山4との間部分に設けられるねじ部用ねじ溝6は、隣り合ったねじ部用ねじ山4と棒先用ねじ山5の互いに対向するフランク4b,5bの間に設けられている。
【0036】
棒先用ねじ山5はフランク5b,5b間の角度が所定のねじ山角度αとされており、このねじ山角度αは、ねじ部用ねじ山4のねじ山角度αと等しく、略60°とされている。また、棒先用ねじ山5の高さ、即ち、その山頂5aから後述する棒先用ねじ溝7の谷底7aまでの距離はねじ山高さ(基準ねじ山高さ)Hbとされており、このねじ山高さHbは略0.332mmとされている。
【0037】
このように、棒先用ねじ山5のねじ山高さHbの値はねじ部用ねじ山4のねじ山高さHaの値以下とされるので、ねじ部品20における棒先ねじ山22aのねじ山高さH2の値を本ねじ山21aのねじ山高さH1の値以下にすることができる。このため、棒先用ねじ山5によるワーク10の圧下量はねじ部用ねじ山4によるワーク10の圧下量以下とされるので、その分、ねじ部品20の棒先部22に棒先ねじ山22a及び棒先ねじ山22bを転造する際に生じる転造負荷を軽減することができる。
【0038】
棒先転造面3には、ねじ部品20の棒先部22の棒先ねじ山22aを形成するため、互いに隣り合う棒先用ねじ山5の間部分に窪んだ空間部分である複数の棒先用ねじ溝7が設けられている。棒先用ねじ溝7は、隣り合った棒先用ねじ山5,5の互いに対向するフランク5b,5bの間に設けられ、棒先用ねじ溝7の底部には、ねじ部品20の棒先部22の棒先ねじ山22aにおける山頂を形成するための平面状の谷底7aが設けられている。棒先転造面3における谷底7aの切取り高さhbは、本ねじ転造面2における谷底6aの切取り高さhaより大きくされている。このため、棒先転造面3における谷底7aの幅は、本ねじ転造面2における谷底6aの幅より大きく形成されている。
【0039】
また、棒先用ねじ山5の山頂5aはねじ部用ねじ山4の山頂4aより高低差Δh1分だけ高くされ、且つ、棒先用ねじ溝7の谷底7aはねじ部用ねじ山4の山頂4aより高低差Δh2分だけ低くされている。このため、転造ダイス1によれば、ねじ部品20の棒先ねじ山22aの山頂を本ねじ溝21bの谷底に比べて高低差ΔH1だけ高く、且つ、棒先ねじ溝22bの谷底を本ねじ溝21bの谷底に比べて高低差ΔH2だけ低く、形成することができるのである。
【0040】
具体的に、高低差Δh1,Δh2は略0.05以上、且つ、ねじ部用ねじ山4のねじ山高さHaの略1/2以下とされている。即ち、本実施例の高低差Δh1,Δh2は、略0.05mm以上かつ略0.3385(=0.677÷2)mm以下の範囲とされており、かかる範囲内で適宜設定される。例えば、これらの高低差Δh1,Δh2は、棒先用ねじ山5のねじ山高さHbの値がねじ部用ねじ山4のねじ山高さHaの値以下(Hb≦Ha)で、且つ、棒先用ねじ溝7における谷底7aの切取り高さhbがねじ部用ねじ溝6における谷底6aの切取り高さhaより大きく(hb>ha)なるように設定される。このように、上記範囲で高低差Δh1,Δh2を設定することによって、転造後のねじ部品20は、その棒先部22によるナット等の案内をより円滑に行うことができるのである。
【0041】
また、これらの高低差Δh1,Δh2を設定する場合、これらの高低差Δh1,Δh2は、高低差Δh3が略0.2mmとなるように設定される。このように高低差Δh3を略0.2mmとすることにより、ねじ部品20の棒先部22によるナット等の案内を更に円滑行うことができるのである。尚、高低差Δh3はねじ部用ねじ溝6の谷底6aと棒先用ねじ溝7の谷底7aとの高低差であり、かかる谷底7aは、谷底6aより高低差Δh3分、高くされている。
【0042】
図4(a)は、図1のIVA−IVA線における部分断面図であり、図4(b)は、図4(a)のB−B線における部分断面図である。図4(a)に示すように、棒先用ねじ山5は、その本ねじ転造面2側の端部(図3(a)右側)に略円弧状の面取り面8が設けられており、この面取り面8は棒先用ねじ山5の山頂5aからねじ部用ねじ山4の山頂4aへ向けて下降傾斜されている。このような面取り面8を棒先用ねじ山5の本ねじ転造面2側の端部に設けることによって、ねじ部品20の境界棒先ねじ溝23bの溝深さを、棒先部22側から棒先ねじ溝23bの終端Eへ向けて漸減するように形成することができる。尚、面取り面8の曲率半径は略0.1〜0.5mmの範囲とされている。
【0043】
また、ねじ部用ねじ溝6と棒先用ねじ溝7との間には、上述したねじ部品20の境界本ねじ山23a(図2(c)参照)を形成するため、ねじ部用ねじ溝6と棒先ねじ溝7とに連通する切欠き溝9が設けられている。この切欠き溝9は、ねじ部用ねじ溝6の谷底6aと棒先用ねじ溝7の谷底7aとに連通する谷底9aを備え、この谷底9aは、ねじ部用ねじ溝6の谷底6aから棒先用ねじ溝7aへ向けて上昇傾斜されている。このような谷底9aを有する切欠き溝9を設けることによって、ねじ部品20の境界本ねじ山23aを、本ねじ山21aの始端Eからねじ部21側へ向けてねじ山高さが漸増するように形成することができるのである。
【0044】
更に、図4(b)に示すように、切欠き溝9は、その谷底9aの両端に斜面9b,9bが設けられており、この各斜面9b,9b及び谷底9aにより、境界本ねじ山23aの外形に適合した断面視略V字状に形成されている。しかも、この切欠き溝9の溝幅は、ねじ部用ねじ溝6の谷底6aから棒先用ねじ溝7の谷底7aへ向けて漸減されている。このように切欠き溝7を形成することによって、ねじ部品20の境界本ねじ山23aを、本ねじ山21aの始端Sからねじ部21側へ向けてねじ山幅が漸増するように形成することができるのである。
【0045】
以上説明したように、本実施例の転造ダイス1によれば、本ねじ転造面2によってワーク10の外周面にねじ部品20のねじ部21を転造する場合、棒先転造面3によってねじ部品20の棒先部22を転造することができると共に、棒先用ねじ山5及び棒先用ねじ溝7によって、棒先部22に棒先ねじ溝22b及び棒先ねじ山22aを形成することができる。
【0046】
このため、棒先転造面3により転造されるねじ部品20の棒先部22は、その棒先部22の外周面に棒先用ねじ山5及び棒先用ねじ溝7が食い込みつつ転造されるので、ワーク10の軸部11が棒先転造面3との当接面でスリップすることを防止することができる。よって、かかるスリップに伴ってワーク10の外周面に転造された本ねじ山21aが剥離することがなく、ねじ部品20のねじ部21が破損することを防止することができるのである。
【0047】
また、棒先用ねじ山5の山頂5aはねじ部用ねじ山4の山頂4aより高くされ、且つ、棒先用ねじ溝7の谷底7aはねじ部用ねじ山4の山頂4aより低くされると共にねじ部用ねじ溝6の谷底6aより高くされる。このように本ねじ転造面2および棒先転造面3の各ねじ山4,5及びねじ溝6,7を形成することにより、ねじ部品20のねじ部21及び棒先部22の転造を円滑に行うことができるのである。
【0048】
更に、ねじ部品20の棒先部22を転造する棒先転造面3は、その棒先転造面3におけるねじ山角度α、ピッチP及びリード角βが本ねじ転造面2におけるねじ山の角度α、ピッチP及びリード角βと略等しくされている。よって、この棒先転造面3は、ねじ部品20の棒先部22におけるねじ山の角度、ピッチ、リード角を、ねじ部品20のねじ部21におけるねじ山の角度、ピッチ、リード角と略等しく形成することができる。
【0049】
このため、転造後のねじ部品20をナット等のめねじへねじ込む場合には、ねじ部品20の棒先部22の各ねじ山22a及びねじ溝22bをナット等のめねじに螺合させて案内することができ、更に、かかる案内によりねじ部品20のねじ部21の各ねじ山21a及びねじ溝21bのナット等のめねじへのねじ込みを円滑に行うことができるのである。
【0050】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0051】
本実施例では、例えば、ねじの呼びがM8×1.25のメートル並目ねじ(metric coares thread)を転造する転造ダイス1について具体的な数値を示して説明したが、必ずしも係る数値にのみ限定されるものではなく、例えば、本実施例の転造ダイスの各数値を、JIS規格B0205に規格されたメートル細目ねじ等の他種類のメートルねじ、インチねじ、ユニファイねじ又は台形ねじ等の各種ねじに応じて設定しても良い。
【0052】
また、本実施例では、ねじ部品20の本ねじ溝21b及び棒先ねじ溝22bのピッチを略等しくするため、転造ダイス1におけるねじ部用ねじ山4及び棒先用ねじ山5のピッチPを略等しくしたが、例えば、転造ダイス1におけるねじ部用ねじ溝6及び棒先用ねじ溝7のピッチを略等しく(いわゆる谷基準で)形成することによって、本ねじ山21a及び棒先ねじ山22aのピッチが略等しい(いわゆる山基準の)ねじ部品20を転造することもできる。
【0053】
本実施例では、ねじ部品20の棒先ねじ山22aのねじ山角度をねじ部21の本ねじ山21aのねじ山角度と略等しく形成するため、転造ダイス1の棒先転造面3のねじ山角度αを本ねじ転造面2のねじ山の角度αと略等しくした。しかしながら、ねじ部品20の棒先ねじ山22aのねじ山角度は、必ずしも、ねじ部21の本ねじ山21aのねじ山角度と略等しく形成する必要はなく、棒先ねじ山22aのねじ山角度を本ねじ山21aのねじ山角度より小さくしても良い。例えば、棒先ねじ山22aのねじ山角度を略50°又は略55°とする一方、本ねじ山21aのねじ山角度を略60°としても良い。
【0054】
このように、ねじ部品20における棒先ねじ山22aのねじ山角度を本ねじ山21aのねじ山角度より小さく形成する場合、転造ダイス1の棒先転造面3のねじ山角度αは、本ねじ転造面2のねじ山の角度αより小さくされる。例えば、棒先転造面3のねじ山角度αを略50°又は略55°とし、本ねじ転造面2のねじ山の角度αを略60°としても良い。
【0055】
更に、例えば、ねじ部品20のねじ部21をメートル並目ねじで形成し、棒先部22を丸ねじ(round thread,knuckle thread)又は電球ねじ(electric socket and lamp-base thread)等で形成しても良い。かかる場合、転造ダイス1の棒先転造面3の棒先用ねじ山5及びねじ溝7は、丸ねじ又は電球ねじ等のねじ山(ねじ溝)に適合した形状に形成されるのである。尚、丸ねじとは、台形ねじの山の頂と谷底とに曲率半径が大きな丸味を付けたねじである。また、電球ねじとは、電球の口金及び受け金に用いるねじであり、丸味付けされた山の頂と谷底とが交互に連続して連なると共にその山の頂および谷底における丸味の曲率半径が略等しく形成されたねじである。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダイスによれば、ねじ転造面によって被転造素材の外周面に軸状部材のねじ部のおねじ等を転造する場合、被転造素材の外周面には棒先用転造面によって軸状部材の棒先部が転造されると共に、その軸状部材の棒先部には棒先用ダイスねじ溝および棒先用ダイスねじ山によってねじ山およびねじ溝が形成される。即ち、棒先用転造面により転造される軸状部材の棒先部は、その棒先部の外周面に棒先用ダイスねじ溝および棒先用ダイスねじ山が食い込みつつ転造されるので、被転造素材の外周面が棒先用転造面との当接面でスリップすることを防止することができる。よって、かかるスリップに伴って被転造素材の外周面に転造されたおねじ等が剥離することがなく、軸状部材のおねじ等が破損することを防止することができるという効果がある。
【0057】
また、かかる場合に、棒先用ダイスねじ山の山頂はダイスねじ山の山頂より高くされ、且つ、棒先用ダイスねじ溝の谷底はダイスねじ山の山頂より低くされる。このように、ねじ転造面および棒先用転造面の各ねじ山およびねじ溝を形成することにより、軸状部材のねじ部および棒先部の転造を円滑に行うことができるという効果がある。しかも、棒先用ダイスねじ山の高さはダイスねじ山の高さ以下とされるので、転造後の軸状部材の棒先部のねじ山高さを、かかる軸状部材のねじ部のねじ山高さ以下とすることができる。よって、棒先用ダイスねじ山による被転造素材の圧下量はダイスねじ山による被転造素材の圧下量以下とされるので、軸状部材の棒先部にねじ山及びねじ溝を転造する際に生じる転造負荷を軽減することができるという効果がある。
さらに、棒先用ダイスねじ山の高さがダイスねじ山の高さ以下である上に、棒先用転造面のピッチは、ねじ転造面のピッチと略等しくされると共に、棒先用ダイスねじ溝の谷底の切取り高さは、その棒先用ダイスねじ溝の谷底の幅がダイスねじ溝の谷底の幅より大きく形成されるように、ダイスねじ溝の谷底の切取り高さより大きくされるので、転造後の軸状部材の棒先部のねじ山の山頂を、かかる軸状部材のねじ部のねじ溝の谷底に比べて高 く、且つ、転造後の軸状部材の棒先部のねじ溝の谷底を、かかる軸状部材のねじ部のねじ溝の谷底に比べて低く形成することができる。よって、転造後の軸状部材は、その棒先部によるナット等の案内を円滑に行うことができるという効果、換言すれば、棒先部によるナット等の案内を円滑に行うことができる軸状部材を得ることができるという効果がある。
【0058】
請求項2または3に記載の棒先付きねじ用転造ダイスによれば、請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダイスの奏する効果に加え、軸状部材の棒先部を転造する棒先用転造面は、その棒先用転造面のピッチ及びリード角がねじ転造面のピッチ及びリード角と略等しくされている。よって、この棒先用転造面は、軸状部材の棒先部におけるピッチ、リード角を、軸状部材のねじ部におけるピッチ、リード角と略等しく形成することができるという効果がある。
【0059】
このため、例えば、転造後の軸状部材をナット等のめねじ内へ螺入する場合には、かかるナット等のめねじを軸状部材の棒先部のねじ山及びねじ溝に螺合させつつ案内することができ、かかる案内により軸状部材のねじ部のナット等への螺入を円滑に行うことができるという効果がある。
【0060】
特に、請求項3記載の棒先付きねじ用転造ダイスによれば、請求項1または2に記載の棒先付きねじ用転造ダイスの奏する効果に加え、更に、棒先用ダイスねじ山の山頂とダイスねじ山の山頂との高低差は略0.05mm以上、且つ、ダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされ、棒先用ダイスねじ溝の谷底とダイスねじ山の山頂との高低差は略0.05mm以上、且つ、ダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされている。よって、被転造素材から転造される軸状部材は、その棒先部のねじ溝の谷底とねじ部のねじ溝の谷底との高低差が略0.05mm以上かつダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされ、棒先部のねじ山の山頂とねじ部のねじ溝の谷底との高低差が略0.05mm以上かつダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされる。このように軸状部材の棒先部におけるねじ山およびねじ溝が上記の範囲で形成されることにより、かかる棒先部によるナット等のめねじの案内を更に円滑に行うことができるという効果がある。
【0061】
請求項4記載の棒先付きねじ用転造ダイスによれば、請求項1から3のいずれかに記載の棒先付きねじ用転造ダイスの奏する効果に加え、切欠き溝により転造された軸状部材における棒先部とねじ部との境界部分では、かかる境界部分に形成されるねじ部のねじ山を、棒先部のねじ山の山頂から徐々に外周方向へ***するように形成することができる。このように軸状部材のねじ部のねじ山は棒先部との境界部分で徐々に外周方向へ***されるので、軸状部材がナット等のめねじ内へ螺入される場合に、軸状部材におけるねじ部と棒先部との境界部分でナット等のめねじが焼き付くことを防止することができるという効果がある。
【0062】
請求項5記載の棒先付きねじ用転造ダイスによれば、請求項1から4のいずれかに記載の棒先付きねじ用転造ダイスの奏する効果に加え、切欠き溝により転造された軸状部材の棒先部とねじ部との境界部分では、かかる境界部分に形成されるねじ部のねじ山の山頂幅を漸増するように形成することができる。このように軸状部材のねじ部のねじ山における山頂幅は棒先部との境界部分で漸増されるので、軸状部材がナット等のめねじ内へ螺入される場合に、軸状部材のねじ部と棒先部との境界部分でナット等のめねじが焼き付くことを更に防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施例である棒先付きねじ用平転造ダイスの平面図であり、(b)は、(a)の側面図である。
【図2】(a)は、転造前のワークの正面図であり、(b)は、転造後の棒先付きねじ部品の正面図であり、(c)は、(b)に示す棒先付きねじ部品における棒先部の拡大図である。
【図3】図1のIII−III線における本ねじ転造面及び棒先転造面の部分的な拡大断面図である。
【図4】(a)は、図1のIVA−IVA線における部分断面図であり、(b)は、(a)のB−B線における部分断面図である。
【符号の説明】
1 棒先付きねじ用転造平ダイス(棒先付きねじ用転造ダイス)
2 本ねじ転造面(ねじ転造面)
3 棒先転造面(棒先用転造面)
4 ねじ部用ねじ山(ダイスねじ山)
4a 山頂(ダイスねじ山の山頂)
5 棒先用ねじ山(棒先用ダイスねじ山)
5a 山頂(棒先用ダイスねじ山の山頂)
6 ねじ部用ねじ溝(ダイスねじ溝)
6a 谷底(ダイスねじ溝の谷底)
7 棒先用ねじ溝(棒先用ダイスねじ溝)
7a 谷底(棒先用ダイスねじ溝の谷底)
9 切欠き溝
9a 谷底(切欠き溝の谷底)
10 ワーク(被転造素材)
20 棒先付きねじ部品(軸状部材)
21 ねじ部
21a 本ねじ山(軸状部材のねじ部のねじ山)
21b 本ねじ溝(軸状部材のねじ部のねじ溝)
22 棒先部
Ha ねじ山高さ(ダイスねじ山のねじ山高さ)
Hb ねじ山高さ(棒先用ダイスねじ山のねじ山高さ)
P ピッチ
α ねじ山角度(ねじ山の角度)
β リード角
ha 切取り高さ(ダイスねじ溝の谷底の切取り高さ)
hb 切取り高さ(棒先用ダイスねじ溝の谷底の切取り高さ)

Claims (5)

  1. 被転造素材の外周面に当接され、その外周面を塑性変形させて、おねじ等が設けられたねじ部とそのねじ部より外径が小さな棒先部とを有する軸状部材を転造する棒先付きねじ用転造ダイスにおいて、
    軸状部材のねじ部のねじ溝を形成するダイスねじ山と軸状部材のねじ部のねじ山を形成するダイスねじ溝とを有するねじ転造面と、
    そのねじ転造面に沿って並設され、軸状部材の棒先部にねじ溝を形成する棒先用ダイスねじ山と軸状部材の棒先部にねじ山を形成する棒先用ダイスねじ溝とを有する棒先用転造面とを備え、
    その棒先用転造面における棒先用ダイスねじ山の山頂は前記ダイスねじ山の山頂より高くされ、且つ、前記棒先用ダイスねじ溝の谷底は前記ダイスねじ山の山頂より低くされると共に、前記棒先用ダイスねじ山のねじ山高さは、前記ダイスねじ山のねじ山高さ以下とされ、さらに、前記棒先用転造面のピッチは、前記ねじ転造面のピッチと略等しくされると共に、前記棒先用ダイスねじ溝の谷底の切取り高さは、その棒先用ダイスねじ溝の谷底の幅が前記ダイスねじ溝の谷底の幅より大きく形成されるように、前記ダイスねじ溝の谷底の切取り高さより大きくされていることを特徴とする棒先付きねじ用転造ダイス。
  2. 前記棒先用転造面のリード角は、前記ねじ転造面のリード角と略等しくされていることを特徴とする請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダイス。
  3. 前記棒先用ダイスねじ山の山頂と前記ダイスねじ山の山頂との高低差は略0.05mm以上かつ前記ダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされており、前記棒先用ダイスねじ溝の谷底と前記ダイスねじ山の山頂との高低差は略0.05mm以上かつ前記ダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の棒先付きねじ用転造ダイス。
  4. 前記ダイスねじ溝の谷底と前記棒先用ダイスねじ溝の谷底とに連通する切欠き溝を備え、その切欠き溝の谷底は前記ダイスねじ溝の谷底から前記棒先用ダイスねじ溝の谷底へ向けて上昇傾斜されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の棒先付きねじ用転造ダイス。
  5. 前記切欠き溝の溝幅は前記ダイスねじ溝の谷底から前記棒先用ダイスねじ溝の谷底へ向けて漸減されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の棒先付きねじ用転造ダイス。
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