JP3604134B2 - 検体前処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、検体前処理システムに係り、特に分注状況を表示する表示画面を備える検体前処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
親検体容器から子検体容器へ検体を分注する検体前処理システムにおいて、システムの始動のまえに、検体前処理に必要なさまざまなデータが登録される。例えば、分注モードの指定とともに、子検体容器の配列や親検体容器の選択、分注項目等が登録される。検体前処理システムは、複数の子検体容器を整列配置する子検体ラックが複数用いられるので、子検体容器の配列の登録は、各子検体ラックのデータの登録として行われる。そして、これらのデータに基づいて、検体前処理システムは、検体前処理を進める。一方、これらの処理の進行状況は逐次表示画面に文字等で表示される。そして、所定の分注が終了すると、オペレータは表示画面の内容を見て、分注が終了した子検体ラックを取除き、さらに分注を継続するときにおいては、必要な子検体ラックをセットする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、表示画面に示される処理の進行状況の内容は、文字によって、時には簡略化されたマークによって表示されるのみなので、交換すべき子検体ラックを判別しにくかった。すなわち、多数の子検体ラックが分注台上に配列され、その数は、例えば少ない場合で4個、多い場合は20個にも及ぶ。しかも、交換のタイミングは各子検体ラックによりまちまちである。このような状況の中で、オペレータは分注が終了した子検体ラックを間違いなく取除き、分注をさらに継続するための対象項目の子検体ラックを新しくセットしなければならない。したがって、表示画面の文字等の内容表示のみでは、多数の子検体ラックから取除くべき子検体ラックを判別しにくかった。
【0004】
なお、色が付けられた子検体ラックが用いられることがあったが、単に他との区別をするために漫然としか用いられておらず、ラック交換のときにその色を利用する手段がなかった。
【0005】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、表示画面に表される各子検体ラックの判別を容易にする検体前処理システムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る検体前処理システムは、検体を分注する分注ノズルと、分注台上に配列され、前記検体が収容される容器を保持する複数の容器ラックと、前記分注台上に配列される容器ラックを特定できるファイルにその容器ラックに付された色のデータを含ませ、前記各容器ラックに付された色を前記容器ラックごとに管理する管理テーブルと、前記管理テーブルを参照し、前記複数の容器ラックを複数のラックシンボルで表した状況表示画像を作成し表示器へ出力する画像形成部であって、前記各ラックシンボルに対応する前記各容器ラックについてその容器ラックを特定できる前記ファイルを参照しその容器ラックに付された色をその容器ラックに対応するラックシンボルに着色して表示器に出力する画像形成部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
かかる構成により、表示器に出力される状況表示画像には、各容器ラックが、各容器ラックに付された色(以下ラックカラーという)に相当する着色が施されて表される。したがって、状況表示画像上の各ラックシンボルの色を見れば、分注台上に配列された複数の容器ラックの中の、それに相当するラックカラーの容器ラックを容易に判別できる。
【0008】
望ましくは、前記状況表示画像上における前記複数のラックシンボルの配列は、前記分注台上の前記複数の容器ラックの配列に対応している。この構成により、分注台上の各容器ラックとの対応付けが一目瞭然となり、各容器ラックの判別がさらに容易になる。
【0009】
望ましくは、各容器の分注進行状況を管理する分注状況管理手段を備え、前記各容器ごとに、その分注進行状況に対応したステータスカラーを有する容器シンボルが、前記各ラックシンボルの中に表される。望ましくは、前記容器は、子検体容器である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、検体前処理システム10のブロック図である。検体前処理システム10は、親検体容器から検体を子検体容器に分注する作業を行う検体前処理部302と、検体前処理システム全体の制御処理を行う制御処理部304とからなる。
【0011】
検体前処理部302は、親検体容器を並べた親検体ラックを分注位置まで順次搬送する親検体ラック搬送装置12と、親検体容器の栓を取り除き分注可能にする開栓ユニット14と、親検体容器から親検体をノズルと分注ポンプを用い、子検体ラックに並べられた子検体容器に小分けする分注装置16と、容器を搬送する容器搬送装置18と、容器にラベルを貼付けるラベル貼付装置19とを備える。
【0012】
汎用のコンピュータ等で構成される制御処理部304は、演算処理部306、通信制御部308、入力部310、表示器312および記憶装置314を備え、これらは内部バスで相互に結ばれる。演算処理部306は、CPUと動作プログラムに従って制御処理を実行する。動作プログラムはソフトウェアで構成される。通信制御部308は、通信線を介して、検体前処理部302を構成する各装置の入出力部と接続され、制御処理部304と検体前処理部302との相互間でデータの伝送を行うことができる。入力部は、検体前処理を進めるための各条件を入力するために用いられ、入力された条件は記憶装置314に記憶される。また、表示器312は、検体前処理の進行状況を示す状況表示画像を表示するために用いられる。
【0013】
演算処理部306は、検体前処理部302を構成する各装置に対し工程処理を指示する工程処理制御部320と、それら各装置から処理状況データを受取り管理する分注状況管理部322と、検体前処理を進めるための各条件の登録を管理する登録部324と、状況表示画像を形成する画像形成部326とを備える。
【0014】
図2は、検体前処理システム10の平面構成図である。なお、制御処理部304は図示されていない。親検体ラック等の搬送方向を理解しやすくするため、X軸方向とY軸方向を図2中に示した。Z軸方向は紙面に垂直方向である。
【0015】
親検体ラック搬送装置12の投入部20には、親検体ラック22が手作業または別個の搬入装置を用いて外部より投入される。投入にあたっては、親検体容器の長手方向をX軸方向となるように方向が揃えられる。投入された親検体ラックは、移動機構によりY軸方向の移動経路に沿って先に送られる。移動経路の所定の分離位置に設けられたラック分離機構24は、並べられた親検体ラック22から先頭の1個の親検体ラックを分離する。分離された親検体ラックは、移動機構により、さらにY軸方向にラベル読取位置26まで送られ、その位置にセットされる。
【0016】
親検体ラック搬送装置12の検出ユニット搬送機構28は、X軸方向の第1ガイドレール30に沿い移動可能な移動アーム32を有する。移動アーム32は、ラベル読取位置26にセットされた親検体ラックの上方を越えて伸び、その先端部には、ラベルリーダー34と容器有無センサ36とがぶら下がって配置される。ラベルリーダー34と容器有無センサ36は、親検体ラックの第1ガイドレール30側の面の反対側の面に対向する。ラベルリーダー34は、例えばバーコードリーダーを用いることができ、容器有無センサ36は例えば反射型の光学式センサを用いることができる。
【0017】
かかる構成において、検出ユニット搬送機構28の制御により、移動アーム32をX軸方向に移動させることで、ラベルリーダー34と容器有無センサ36を、X軸方向すなわち親検体ラックの容器並べ方向に沿って自走させることができる。そして容器有無センサ36による各容器の有無の順次検出と、容器に貼られているラベルからラベルリーダー34による各容器のバーコードの順次読取が行われる。そのデータは、制御処理部304に伝送される。
【0018】
ラベル読取が完了した親検体ラックは、X軸方向に移動するベルトライン35により開栓ユニット14の位置に搬送される。開栓ユニット14は、各容器の開栓処理を行う。例えば採血管等のように汚染を避けるため、容器にはゴム栓等が設けられているので、分注に先立ち、開栓ユニット14により栓が取り除かれる。
【0019】
開栓処理後の親検体ラックは、ベルトライン35によりさらにX軸方向に搬送され、セッティング機構37が、親検体ラックを今度はY軸方向に移動させ、分注位置38にセットする。
【0020】
このように、親検体ラック搬送装置12と開栓ユニット14の構成により、投入部20から投入された親検体ラックは、親検体容器に貼付けられたラベルが読取られ、栓が取除かれ、分注が行われる分注位置38にセットされる。通常の分注処理を行う通常分注モードにおいても、緊急の分注処理を行う緊急分注モードにおいても、上記の工程は同様であるが、緊急分注モードのときはラベル読取において緊急親検体容器であることが読取られ、制御処理部304が以後の分注処理において異なる制御を行う。
【0021】
次に、分注装置16について説明する。ノズル搬送機構40はノズルをX軸Y軸Z軸の3軸方向に自在に搬送する機構である。ノズル搬送機構40は、X軸方向に配置された2本の第2ガイドレール42と、第2ガイドレール42上をX軸方向に移動可能な第1ベース44と、第1ベース44と一体でY軸方向に伸長した第1Y軸アーム46と、第1Y軸アーム46に沿いX軸方向に移動可能なノズル台座48とを備え、ノズル台座48にはノズル50が搭載される。ノズル50は、ノズル台座48に対し、Z軸方向に移動可能である。ノズル50は、ノズル基部とノズル基部に着脱可能なノズルチップとからなる。また、ノズル台座48は、ノズル50に配管チューブ等により接続される分注ポンプを搭載することもできる。分注ポンプは、ノズル台座48の外に別置きで配置することもできる。
【0022】
ノズル搬送機構40によりノズル50が搬送できる搬送空間内に、先ほどの分注位置38が設定されるほか、チップラック52、チップリムーバ54、通常子検体ラック56が設置される通常エリア57、及び緊急子検体ラック77が設置される緊急エリア76が設けられる。
【0023】
チップラック52は、未使用ノズルチップ58を、ノズル基部が挿入されるチップヘッド開口部を上方に向け、複数整列させて保持する。
【0024】
ノズルチップは、ノズル基部をZ軸方向に下降させたときにノズル基部にはまりあう方向に、未使用ノズルチップ58のチップヘッド開口部を上方に向け配置される。チップラック52は、システムの処理能力に応じ、複数設けることもできる。
【0025】
チップリムーバ54は、ノズル基部から使用済みのノズルチップを引っ掛けて取り外すものである。チップリムーバ54の直下には、図示されていないチップ廃棄容器が配置され、取り外された使用済みノズルチップはチップ廃棄容器に落下し、廃棄される。
【0026】
通常エリア57は、通常分注モードにおいて用いる通常子検体ラックを設置するエリアで、分注台の手前側に設けられる。ここで分注台とは、通常子検体ラック56、チップラック52、緊急子検体ラック77等が配置される作業台のことで、分注台の手前側とは、分注台に対してオペレータが面する側をいう。通常エリア57には、複数の通常子検体容器60を保持する通常子検体ラック56が少なくとも1つ設置される。例えば図1では4個の通常子検体ラック56が設置される。システムの始動のときや通常子検体ラックの交換のとき等には、オペレータが分注台の手前側から、未使用の通常子検体容器のみを保持した通常子検体ラック56を、通常エリア57に新しくセットする。
【0027】
緊急エリア76は、緊急分注モードにおいて用いる緊急子検体ラック77を設置するエリアで、分注台の奥側に設けられる。緊急エリア76には、緊急子検体ラック77が少なくとも1つ設置される。各緊急子検体ラック77は、複数の緊急子検体容器79を保持する。例えば、図1においては、5個の緊急子検体容器79を保持する緊急子検体ラック77が4個緊急エリアに設置される。緊急子検体ラック77は、可搬型で、通常子検体ラック56より小型である。
【0028】
分注シーケンスは、制御処理部304の制御の下で、以下のように行われる。まず、ノズルチップがノズル基部に取付けられていない状態から始まる。ノズル搬送機構40の動作により、ノズル基部を水平方向に移動させ、ノズル基部の位置をチップラック52の真上に移す。そして未使用ノズルチップ群の中の1つの未使用ノズルチップ58のチップヘッド開口部に向けてノズル基部を降下させる。このことでノズル基部が未使用ノズルチップ58のチップヘッド開口部に押し込まれ、ノズルが形成される。その後所定の高さまでノズル50を上昇させ、ノズル50を水平方向に移動させ、ノズル50の位置を分注位置38にある分注対象の親検体容器の真上に移す。こうして分注の準備がなされる。
【0029】
次に、ノズル50を降下させ、分注ポンプの駆動制御により、所定量の親検体をノズルチップ内に吸込む。所定量は、例えば3個の子検体容器に小分けするときは、その3個の子検体の総量である。
【0030】
次に、所定量の親検体をノズルチップ内に保持したまま、ノズル50を所定の高さまで上昇させ、ノズル50の位置を分注先の子検体容器の真上に移す。分注先の子検体容器は、通常分注モードのときは通常子検体ラック56に保持された通常子検体容器であり、緊急分注モードのときは緊急エリア76内の緊急子検体ラック77に保持された緊急子検体容器79であり、制御処理部304はその分注先を指示する。そして、その分注先の子検体容器の位置においてノズル50を下降させ、分注ポンプの駆動制御により、吸い込んだ親検体のうち所定量を吐出する。以下このシーケンスを繰り返し、1個の親検体容器から所定数の子検体容器へ、親検体が分注される。
【0031】
1個の親検体容器についての分注が完了すると、ノズル50を水平方向に移動させ、ノズル50の位置をチップリムーバ54の真上に移す。そしてノズル50を降下させ、使用済みノズルチップをチップリムーバ54に引っ掛けた後、ノズル50を所定の高さまで上昇させる。このことで使用済みノズルチップはノズル基部から取り外されチップリムーバ54の真下に配置されたチップ廃棄容器に落下する。その後上述のように、未使用ノズルチップがノズル基部に付け替えられ、次の親検体容器からの分注が同様のシーケンスを繰り返して行われる。
【0032】
1個の親検体ラックに並べられたすべての親検体容器について所定の分注が行われると、その親検体ラックは搬送経路に沿い搬送され、排出部62に送られ、自動または手作業により外部に搬出される。
【0033】
次に、容器搬送装置18について説明する。容器搬送装置18は、マニピュレータにより保持された容器をX軸Y軸Z軸の3軸方向に自在に搬送する機構である。容器搬送装置18は、ノズル搬送機構でも用いられるX軸方向に配置された2本の第2ガイドレール42と、第2ガイドレール42上をX軸方向に移動可能な第2ベース66と、第2ベース66と一体でY軸方向に伸長した第2Y軸アーム68と、第2Y軸アーム68に沿いX軸方向に移動可能なマニピュレータ台座70とを備え、マニピュレータ台座70にマニピュレータ72が搭載される。マニピュレータ72は、マニピュレータ台座70に対し、Z軸方向に移動可能である。
【0034】
第2ガイドレール42は、容器搬送装置18とノズル搬送機構40と共通に用いられるので、マニピュレータ72の移動領域は、分注位置の親検体ラックまでの広い範囲である。そこで、マニピュレータ72の動作を利用して、その移動領域の範囲内に設けられた異常親検体退避エリア74と、緊急エリア76およびラベル貼付装置19に容器を搬送することができる。
【0035】
異常親検体退避エリア74は、異常親検体と認識された親検体容器を収納するエリアである。異常親検体と認識される場合とは、例えばラベル読取位置26において容器有無の確認やラベルの読取にエラーが出た場合のほか、開栓ミス、分注ミス等を含むことができる。異常親検体と認識された親検体容器は、一旦分注位置38まで送られる。そして、制御処理部304の指示に従い、容器搬送装置18の動作により、マニピュレータ72が分注位置38の異常親検体容器の真上に移動し、下降して異常親検体容器を保持し、所定の高さに上昇して、異常親検体退避エリア74の真上に移動する。そして異常親検体退避エリア74にある異常親検体ラック75の所定の容器収納場所の位置で下降し、保持を解除し、異常親検体容器を収納する。
【0036】
また、緊急エリア76には、上述のように、緊急子検体ラック77が設置される。しかし、この緊急子検体ラック77には最初子検体容器が保持されていない場合がある。その場合は、制御処理部304の制御により、マニピュレータ72が通常子検体ラック56から未使用の通常子検体容器を保持し、緊急子検体容器79としてラベル貼付装置19へ搬送する。そしてラベル貼付装置19が所定のラベルを貼付けた後、再びマニピュレータ72がラベル貼付後の緊急子検体容器79をラベル貼付装置19から緊急子検体ラック77へ移送する。このようにマニピュレータ72の動作を利用して、通常子検体ラック56から未使用の通常子検体容器を緊急子検体容器79として、緊急子検体ラック77に移送することができる。
【0037】
この他、例えば、緊急親検体容器から通常子検体ラック56の中の分注先の子検体容器に対し分注を行い、その分注が終わった子検体容器を緊急子検体容器79として、マニピュレータ72を用い、通常子検体ラック56から、緊急子検体ラック77へ移送することもできる。
【0038】
次にラベル貼付装置19を説明する。ラベル貼付装置19は、ラベル貼付器80と、保持器82とを備え、子検体容器の搬送については移送機構84との協働が行われる。ラベル貼付器80は、子検体容器に貼る所定のラベルを用意し、保持器82が受取った子検体容器にラベルを貼付ける。ラベルの貼付処理は、ラベル読取位置26において取得した親検体容器のデータを転送し、分注と並列処理することができる。
【0039】
このように、検体前処理部302が工程処理制御部320の制御の下で、上記の一連の流れを繰り返すことで、親検体の分注とラベル貼付を効率的に行うことができる。検体前処理部302における分注進行状況等の処理の状況は、通信制御部308を介して逐次制御処理部304に伝送され、分注状況管理部322がその進行状況を管理する。そして、画像形成部326が、記憶装置314に記憶された登録データの管理テーブルを参照し、その時々刻々の分注状況を子検体ラック等と対応付けて、状況表示画像を形成し、表示器312に表示する。なお、以下において、特に断らない限り、子検体容器とは通常子検体容器を指し、子検体ラックとは通常子検体ラックを指すものとする。
【0040】
図3は、状況表示画像を形成する際に参照する管理テーブル328の一例である。管理テーブル328は階層構造をもつデータからなる。管理テーブル328のデータ内容は、最上層のプロトコル登録層の内容で示される。すなわち、分注モード指定、子検体レイアウト番号選択、親検体形状測定有無、親検体容器選択等の項目がその管理テーブル328を構成する。
【0041】
プロトコル登録層の各項目は、それぞれ、さらに下位層の複数のデータから構成される。例えば、子検体レイアウト番号選択の項目は、下位層の子検体レイアウト登録層に示される各データから構成される。子検体レイアウト登録層は、各子検体レイアウト番号について、その登録ラック数nのデータを有し、さらに、n個のラックのそれぞれについて、分注項目選択、容器形状選択、ノズル開始座標、ラック形状選択等の項目のデータを有する。
【0042】
子検体レイアウト登録層の各項目もまた、それぞれ、さらに下位層の複数のデータから構成される。例えば、n個のラックの中のある特定のラックについての分注項目選択の項目は、さらに下位層の分注項目登録層に示される各データから構成される。すなわち、項目名称、項目略称、コード、分注量設定、子検体ラベル番号、カラー選択等のデータから構成される。
【0043】
また、例えば、n個のラックの中のある特定のラックについてのラック形状選択の項目は、さらに下位層のラック形状データ層に示される各データから構成される。すなわち、ラック形状番号、ラック名称、ラックにおいて容器を保持するホール(穴)の座標、そのラックのビットマップファイル指定等のデータから構成される。ここで、ビットマップファイル指定とは、そのラックを特定できるビットマップファイル名のことで、ファイル名を指定することで、そのラックが特定できる。
【0044】
特定のラックについて、登録されているビットマップファイル名と、カラー選択とを対応付けることで、その特定のラックのラックカラーを管理テーブル328の内容とすることができる。例えばビットマップファイル名が第1ラックのラックカラーは青色、ビットマップファイル名が第2ラックのラックカラーは黄色、ビットマップファイル名が第3ラックのラックカラーはオレンジ等であることが、管理テーブル328を参照することで取得できる。
【0045】
管理テーブル328のデータは、入力部310を用いてユーザが登録することができる。登録にあたっては、管理テーブル328のデータ階層に従って、最上層から下位層に順次登録すべきデータを選択しつつ特定することで登録ができる。なお、カラー選択に当り、特定のラックのラックカラーが選択できるカラーと同色でない場合、近い色を用いることもできる。
【0046】
図4は、画像形成部により作成された状況表示画像330の一例である。状況表示画像330は、時々刻々の分注状況を、管理テーブル328を参照し、子検体ラック等を示すシンボル等の画像で表したものである。
【0047】
状況表示画像330は、図2で示す分注台上の各容器ラック等の配列に模し、それらに対応する各種のシンボル図形が配列される。すなわち、図2の4個の子検体ラック56に対応して、それぞれラックシンボル332,334,336,338が、状況表示画像330のやや右下に配列される。そして、各子検体ラック56の中に配置される各子検体容器60に対応して、各ラックシンボル332,334,336,338の中に各容器シンボル340が重ねて表される。また、図2の親検体ラックの分注位置38に対応して、親検体ラックシンボル350が、異常親検体ラック75に対応して異常親検体ラックシンボル352が、緊急子検体ラック77に対応して緊急ラックシンボル354が、それぞれ配列して表される。さらに、図2のチップラック52に対応してチップラックシンボル356が表される。また、検体前処理の各処理工程を示す工程マーク358も表される。
【0048】
各ラックシンボル332,334,336,338は、各子検体ラック56を識別できる図形に形成される。例えば各子検体ラック56の平面形状が矩形のときは矩形図形またはそれに近い図形で表される。各ラックシンボル332,334,336,338の配列は、分注台上の各子検体ラック56の配列に対応して表される。
【0049】
そして、各ラックシンボル332,334,336,338は、その対応する各子検体ラック56のラックカラーに相当する着色が施され表示される。このとき、上述の管理テーブル328にあるビットマップファイル指定、すなわちそれぞれのラックのカラー選択とビットマップファイル名との対応付けデータが参照される。例えば、ラックシンボル332のビットマップファイル名が第1ラックに対応する容器ラックであるとき、ラックシンボル332には青が着色され、ラックシンボル336のビットマップファイル名が第2ラックに対応する容器ラックであるとき、ラックシンボル336には黄色が着色され表示される。
【0050】
各容器シンボル340は、子検体容器60であることを識別できる図形に形成される。例えば子検体容器60を挿入するホール(穴)を表す丸図形とすることができる。この容器シンボル340を、各子検体ラック56内にX軸方向、Y軸方向に配置されるホール(穴)の数に対応して、各ラックシンボル332,334,336,338内に表される。
【0051】
各容器シンボル340には、子検体容器60への分注状況を示すステータスカラーが重ねて表される。ステータスカラーとは、分注進行状況を色で表したものである。例えば、子検体容器がないときは、白色のままとし、子検体容器があるときは、分注状況で色を変える。例えば分注処理前のときは薄い灰色、分注途中のときは緑色で表す。分注処理が完了したときは、その分注処理が正常完了の場合に薄い青色、正常でない終了の場合に赤色と表す。したがって、ラックシンボル中332,334,336,338について、各容器シンボル340のステータスカラーの変化の状況を見ることで、その子検体ラック56の分注の進み方や分注が正常に進んでいるかが分かる。
【0052】
工程マーク358は、検体前処理の各処理工程に対応してそれぞれ設けられ、例えば、各処理工程が処理中のときを、その処理工程の工程マークへの着色または明暗の反転により表すことができる。
【0053】
このように、画像形成部326によって、時々刻々の処理の状況を反映した状況表示画像330が形成され表示器312に表示される。そして、分注前処理が進行すると、各親検体ラックについての分注が進み、そのうちに各子検体ラックに分注処理前の子検体容器が少なくなる。そして、子検体容器に予定された分注がすべて終了した子検体ラックについては、状況表示画像330上の対応するラックシンボル332,334,336,338にそのことが識別できるように表される。例えば、そのラックシンボルを点滅させることで表すことができる。ユーザは、その点滅するラックシンボルの色を見て、例えば黄色であれば、ラックカラーが黄色のラックが交換すべきであることが容易に判別できる。
【0054】
上記説明は、通常子検体ラックおよび通常子検体容器について行ったが、緊急子検体ラックおよび緊急子検体容器についても本発明が実施できる。また、親検体ラック、異常親検体ラックについても本発明が実施できる。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る検体前処理システムによれば、表示画面に表される各子検体ラックの判別が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態における検体前処理システムのブロック図である。
【図2】本発明に係る実施の形態における検体前処理システムの平面構成図である。
【図3】管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】状況表示画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 検体前処理システム、16 分注装置、22 親検体ラック、50 分注ノズル、52 チップラック、56 通常子検体ラック、57 通常エリア、60 通常子検体容器、75 異常親検体ラック、77 緊急子検体ラック、79 緊急子検体容器、302 前処理部、304 制御処理部、312 表示器、322 分注状況管理部、324 登録部、326 画像形成部、328 管理テーブル、330 状況表示画像、332,334,336,338 ラックシンボル、340 容器シンボル、350 親検体ラックシンボル、352 異常親検体ラックシンボル、354 緊急ラックシンボル、356 チップラックシンボル、358 工程マーク。
Claims (4)
- 検体を分注する分注ノズルと、
分注台上に配列され、前記検体が収容される容器を保持する複数の容器ラックと、
前記分注台上に配列される容器ラックを特定できるファイルにその容器ラックに付された色のデータを含ませ、前記各容器ラックに付された色を前記容器ラックごとに管理する管理テーブルと、
前記管理テーブルを参照し、前記複数の容器ラックを複数のラックシンボルで表した状況表示画像を作成し表示器へ出力する画像形成部であって、前記各ラックシンボルに対応する前記各容器ラックについてその容器ラックを特定できる前記ファイルを参照しその容器ラックに付された色をその容器ラックに対応するラックシンボルに着色して表示器に出力する画像形成部と、
を備えることを特徴とする検体前処理システム。 - 請求項1に記載の検体前処理システムにおいて、
前記状況表示画像上における前記複数のラックシンボルの配列は、前記分注台上の前記複数の容器ラックの配列に対応していることを特徴とする検体前処理システム。 - 請求項1に記載の検体前処理システムにおいて、
各容器の分注進行状況を管理する分注状況管理手段を備え、
前記各容器ごとに、その分注進行状況に対応したステータスカラーを有する容器シンボルが、前記各ラックシンボルの中に表されることを特徴とする検体前処理システム。 - 請求項1、2または3に記載の検体前処理システムにおいて、
前記容器は、子検体容器であることを特徴とする検体前処理システム。
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