JP3603320B2 - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、配線電極と、非線形抵抗素子部と、液晶駆動電極とを含んで構成される液晶表示装置及びその液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8(A)、(B)に従来のMIM素子の構造を示す。図8(A)はこの従来のMIM素子の平面図であり、図8(B)は断面図である。ここで、MIM素子とは、例えばTa(タンタル)−タンタル酸化膜(Ta2 O5 )−酸化インジウムスズ(ITO)等のような下部電極−絶縁層−上部電極の3層構造で構成される非線形抵抗素子をいう。この場合、上部電極としては、ITOに限らず、例えばCr又はCrを成分とする合金等を用いることができる。
【0003】
次に、この従来のMIM素子により構成される液晶表示装置の製造方法を図8(A)〜(C)を用いて説明する。
【0004】
まず、基板108上にスパッタ法によりTa膜が形成される。次に、このTa膜がフォトエッチングによりパターニングされMIM素子部104の下部電極110及び配線電極102が形成される。そして、陽極酸化法により下部電極110の表面が酸化され、絶縁層112が形成される。次に、スパッタ法によりITO膜が形成される。そして、このITO膜はフォトエッチングによりパターニングされ、MIM素子部104の上部電極114及び液晶駆動電極106が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて、近年、この種の液晶表示装置は、例えばノート型パソコン、ワークステーション、液晶TV等に利用されるようになっている。従って、液晶パネルのサイズも9〜10インチ以上と非常に大面積化しているのが現状である。かかる現状において、前述した従来のMIM素子構造を用いた液晶表示装置では、以下の問題が生じていた。
【0006】
まず、従来のMIM素子構造では、MIM素子部104の下部電極110のみならず、配線電極102についてもTa等の比抵抗の高い材料(例えば200μΩcm)により形成されている。そして、液晶パネルが大面積化した場合にはこの配線電極102の配線長は非常に長くなり、例えば配線電極102がデータ電極であった場合には、データ信号の伝達に大きな遅延が生ずる。この結果、表示むら等の表示特性の悪化という問題が生じていた。逆に、この表示特性の悪化を回避すべく配線電極102の配線抵抗を低減するためには、配線電極102の配線幅を太くする必要がある。しかし、配線幅を太くすると、今度は、有効表示領域が少なくなり、開口率が低下するという問題が生じていた。
【0007】
このような配線電極102の配線抵抗を低減する技術として、例えば特開平3−46381号公報、特開平2−162328号公報、特開平3−103831号公報に記載された従来技術がある。これらの従来技術は、配線電極102を、連続的に成膜した2層構造(比抵抗の低い第1の電極及び比抵抗の高い第2の電極)として配線抵抗を低減するものであった。
【0008】
しかし、これらの従来技術では、図9(A)に示すように、配線電極のみならずMIM素子部104の下部電極110も必然的に2層構造(第1の電極120及び第2の電極122)となってしまう。従って、図9(A)に示すように、下部電極110の膜厚Dが非常に厚くなるという事態が生じる。そして、この膜厚Dが大きくなると、以下のような問題が生じる。
【0009】
即ち、通常、MIM素子では、MIM素子に形成される容量が小さいほど、コントラスト比等の表示特性が向上する。しかし、下部電極110の膜厚Dが厚くなると、必然的にMIM素子の幅Wが大きくなってしまう。そして、MIM素子の幅が大きくなると、このMIM素子に形成される容量が大きくなり、液晶表示装置の表示特性が非常に悪化するという問題が生じてしまう。
【0010】
また、下部電極110の膜厚Dが厚くなると、下部電極110の上方に形成される上部電極114のカバレイジ特性が悪化するという事態も生じる。そして、上部電極114のカバレイジ特性が悪化すると、上部電極114の断線等の現象が生じる。この結果、液晶表示装置に線欠陥が生じたり、信頼性が低下したりする問題が生じてしまう。
【0011】
更に、前記公報に記載された従来技術では、図9(B)〜(D)に示すような工程で2層構造の下部電極110を形成していた。即ち、まず、図9(B)に示すように、第1、第2の電極120、122となる金属膜を連続的にスパッタ法で成膜する。そして、図9(C)に示すように、レジスト124を用いて、まず第2の電極122をパターニングにより形成する。次に、図9(D)に示すように、第1の電極120をパターニングにより形成する。この場合には、先に形成された第2の電極がマスクとなり第1の電極120のパターニングが行われることになる。そしてこれにより、図9(D)に示すように、第1、第2の電極120、122にひさし形状の部分が形成さてしまう。そして、このようなひさし形状の部分が形成されると、これらの下部電極110の上方に上部電極114を形成した場合に、カバレイジ特性が非常に悪化するという事態が生じる。これにより、上部電極114の断線等の現象が生じ、液晶表示装置に線欠陥が生じたり、信頼性が低下したりする問題が生じてしまう。
【0012】
また、通常、液晶表示装置の端部にはシールエリアが設けられ、このシールエリアには液晶を封入するためのシール部材が配置されている。しかし、前記公報に記載された従来技術では、第1、第2の電極120、122を連続して形成していたため、シール部材と基板との間には、必然的に、第2の電極122(例えばTa膜)のみならず、第1の電極120(例えばAl膜)も介在することになる。このため、このAl膜が腐食するという事態が生じ、信頼性の低下等の問題が生じてしまう。
【0013】
また、通常、データ電極にはそれぞれのデータ信号に対応したRGB信号が必要となる。従って、例えば400×640ドットの液晶パネルにおいては、データ電極は640×3=1920本と非常に多数本必要となる。このため、データ電極をドライバーICによりクシ歯状に配置して駆動する必要が生じ、これにより、ドライバーICからのデータ電極の配線長に長短ができるという事態が生じる。そして、従来の液晶表示装置ではデータ電極の配線抵抗が極めて高かったため、データ電極の配線長に長短ができると、データ電極間でデータ信号の遅延に大きな差が生じるようになる。この結果、表示画面の隣会うドットにコントラスト差が生じ、ゼブラ状の縞が生じるという問題が生じてしまう。
【0014】
本発明は以上の様な問題を解決するもので、その目的をするところは、配線抵抗の少ない配線電極を有すると共に、非線形抵抗素子部の微細加工が可能であり信頼性の高い液晶表示装置を実現することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係る液晶表示装置は、一対の基板がシール部材を介して対向してなり、一方の前記基板には、複数の配線電極と、これらの配線電極に接続された非線形抵抗素子部と、液晶素子を駆動する液晶駆動電極と、が設けられてなる液晶表示装置において、前記配線電極は、Al又はAlを成分とする合金で形成される第1の金属層と、この第1の金属層を覆うようにして設けられ前記第1の金属層より比抵抗が高く陽極酸化可能であってAl又はAlを成分とする合金ではない第2の金属層と、を含んで構成され、前記非線形抵抗素子部の下部電極は、前記第2の金属層が延設されて形成され、前記シール部材と前記一方の基板との間には、前記第2の金属層が介在し、前記第1の金属層が介在しないことを特徴とする。本発明に係る液晶表示装置は、複数の配線電極と、これらの配線電極に接続された非線形抵抗素子部と、液晶素子を駆動する液晶駆動電極とを含んで構成される液晶表示装置において、前記配線電極が、比抵抗の低い第1の金属層と、この第1の金属層を覆うようにして設けられ前記第1の金属層より比抵抗が高く陽極酸化可能な第2の金属層とを含んで構成され、前記非線形抵抗素子部の下部電極が前記第2の金属層から延設されて形成されるのが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記液晶駆動電極と同一材料の導電層が、前記配線電極を構成する前記第1の金属層を保護するように前記配線電極に形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、液晶表示装置の端部に形成されたシールエリアには液晶封入のためのシール部材が配置され、このシール部材と基板との間には、前記第2の金属層が介在し、前記第1の金属層が介在していないように形成された配線電極が設けられたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記配線電極が液晶表示装置の下部基板に設けられたデータ電極となり、この下部基板に対向する上部基板には走査電極が設けられ、前記データ電極にRGBに応じたデータ信号を入力することによりカラー表示を行うことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記配線電極が液晶表示装置の下部基板に設けられた走査電極となり、この下部基板に対向する上部基板にはデータ電極が設けられ、前記データ電極にRGBに応じたデータ信号を入力することによりカラー表示を行うことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、、前記第1の金属層がAl層又はAlを成分とする合金で形成される層であり、前記第2の金属層がTa層又はTaを成分とする合金で形成される層であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記非線形抵抗素子部の下部電極がTa又はTaを成分とする合金で形成され、前記非線形抵抗素子部の上部電極及び前記液晶駆動電極が共にITOで形成されたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記非線形抵抗素子部の下部電極がTa又はTaを成分とする合金で形成され、前記非線形抵抗素子部の上部電極がCr又はCrを成分とする合金で形成され、前記液晶駆動電極がITOで形成されたことを特徴とする。また、本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、一対の基板がシール部材を介して対向してなる液晶表示装置の製造方法であって、(a)一方の前記基板上に配線電極を構成する第1の金属層を形成する工程と、(b)前記第1の金属層より比抵抗が高く陽極酸化可能であってAl又はAlを成分とする合金ではない第2の金属層を前記第1の金属層を覆うように形成するとともに、この第2の金属層を延設して非線形抵抗素子部に下部電極を形成する工程と、(c)前記下部電極を陽極酸化して前記非線形抵抗素子部に絶縁層を形成する工程と、(d)前記非線形抵抗素子部の上部電極と、液晶駆動電極とを形成する工程と、を備え、前記第1の金属層は、Al又はAlを成分とする合金で形成され、前記シール部材と前記一方の基板との間には、前記第2の金属層が介在し、前記第1の金属層が介在しないことを特徴とする。本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、(a)基板上に配線電極を構成する比抵抗の低い第1の金属層を形成する工程と、(b)前記第1の金属層より比抵抗が高く陽極酸化可能な第2の金属層を前記第1の金属層を覆うように形成するとともに、この第2の金属層を延設して非線形抵抗素子部に下部電極を形成する工程と、(c)前記下部電極を陽極酸化して非線形抵抗素子部に絶縁層を形成する工程と、(d)非線形抵抗素子部の上部電極と、液晶駆動電極とを形成するととともに、この液晶駆動電極と同一材料の導電層を前記第1の金属層を保護するように前記配線電極に形成する工程とを含むことが好ましい。また、本発明は、前記工程(d)は、非線形抵抗素子部の上部電極と、液晶駆動電極とを形成するとともに、この液晶駆動電極と同一材料の導電層を前記第1の金属層を保護するように前記配線電極に形成することを特徴とする。
【0023】
本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、(a)基板上に配線電極を構成する比抵抗の低い第1の金属層を形成する工程と、(b)前記第1の金属層より比抵抗が高く陽極酸化可能な第2の金属層を前記第1の金属層を覆うように形成するとともに、この第2の金属層を延設して非線形抵抗素子部に下部電極を形成する工程と、(c)前記下部電極を陽極酸化して非線形抵抗素子部に絶縁層を形成する工程と、(d)非線形抵抗素子部の上部電極と、液晶駆動電極とを形成するととともに、この液晶駆動電極と同一材料の導電層を前記第1の金属層を保護するように前記配線電極に形成する工程とを含むことが好ましい。また、本発明は、前記工程(d)は、非線形抵抗素子部の上部電極と、液晶駆動電極とを形成するとともに、この液晶駆動電極と同一材料の導電層を前記第1の金属層を保護するように前記配線電極に形成することを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、前記第1の金属層がAl層又はAlを成分とする合金で形成される層であり、前記第2の金属層がTa層又はTaを成分とする合金で形成される層であることを特徴とする。
【0025】
また、本発明は、前記非線形抵抗素子部の下部電極がTa又はTaを成分とする合金で形成され、前記非線形抵抗素子部の上部電極及び前記液晶駆動電極が共にITOで形成されたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、前記非線形抵抗素子部の下部電極がTa又はTaを成分とする合金で形成され、前記非線形抵抗素子部の上部電極がCr又はCrを成分とする合金で形成され、前記液晶駆動電極がITOで形成されたことを特徴とする。
【0027】
【作用】
本発明によれば、配線電極が、比抵抗の低い第1の金属層と、比抵抗の高い第2の金属層とを含んで構成されているため、配線電極の配線抵抗は、第1の金属層の比抵抗により決定され、配線抵抗の低減化を図ることができる。一方、非線形抵抗素子部の下部電極は、前記第2の金属層を延設して形成されている。このように、下部電極には第1の金属層が存在しないため、下部電極の膜厚を極めて薄くできる。特に、配線電極の配線抵抗は、前述のように第1の金属層の比抵抗により決定されるため、第2の金属層を薄くすることができ、このため更に下部電極の膜厚を薄くできる。この結果、非線形抵抗素子の微細加工等が可能となる。
【0028】
また、本発明によれば、液晶駆動電極と同一材料の導電層が、第1の金属層を保護するように配線電極に形成されている。従って、例えば第2の金属層にピンホール等が生じた場合でも、第1の金属層を効果的に保護できる。
【0029】
また、本発明によればシール部材と基板との間の配線電極には前記第2の金属層が介在し、前記第1の金属層が介在していない。従って、このシール部材の部分における水等による金属層の腐食を効果的に防止できる。
【0030】
また、本発明によれば、配線電極が下部基板に設けられたデータ電極となり、データ電極にはRGB信号に応じたデータ信号が入力される。そして、この配線電極(データ電極)の非抵抗は、前述したように極めて低くすることができる。従って、RGB信号によりカラー表示すべく配線の本数が増え、例えばクシ歯状に配線を配置してデータ電極を駆動した場合にも、データ信号の遅延を効果的に防止できる。
【0031】
また、本発明によれば、配線電極が下部基板に設けられた走査電極となり、上部基板に設けられたデータ電極にはRGB信号に応じたデータ信号が入力される。そして、配線電極(走査電極)の比抵抗は、前述したように極めて低くできるため、配線電極(走査電極)の幅を極めて細くできる。従って、RGBに応じて各ドット毎に3本あるデータ電極が透明電極となり、開口率を高めることができるとともに、前述のように配線電極(走査電極)の幅が細くなることにより、更に開口率を高めることができる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0033】
図1(A)は、本実施例を示す斜視図であり、図1(B)は、非線形抵抗素子部であるMIM素子部4の構造を示す断面図である。
【0034】
図1(A)に示すように本実施例における配線電極2は、第1の金属層20と、この第1の金属層20を覆うようにして形成された第2の金属層22とにより構成される。そして、この第2の金属層22の上部には、第1の金属層20を保護するための導電層24が形成されている。また、図1(B)に示すように本実施例における非線形抵抗素子部であるMIM素子部4は、下部電極10と、絶縁層12と、上部電極14とを含んで構成されている。ここで、下部電極10は、配線電極2の第2の金属層22を延設して形成されている。また、絶縁層12は、下部電極10を陽極酸化して形成したものである。更に、上部電極14は、液晶駆動電極6と一体に形成されており、前述した導電層24と同一の材料で形成されている。
【0035】
ここで、本実施例における第1の金属層20は比抵抗が極めて低いAl(アルミ)層で形成され(例えば3μΩcm)、その膜厚は例えば2000〜8000オングストロームとなっている。これに対して、第2の金属層22は比抵抗が比較的高く(例えば200μΩcm)陽極酸化可能なTaW(タンタルタングステン)層で形成され、その膜厚は第1の金属層20より薄く例えば1000〜3000オングストロームとなっている。また、導電層24、上部電極14、液晶駆動電極6はITO(酸化インジウムスズ)層で形成され、その膜厚は例えば500〜2000オングストロームとなっている。
【0036】
このように本実施例では、図8(A)、(B)に示す従来例と違い、配線電極2は、第1、第2の金属層20、22及び導電層24により多層に構成されている。そして、この中の第1の金属層は、比抵抗の極めて低いAl層で形成されているため、本実施例は従来例に比べて、その配線抵抗が極めて低いものとなっている。一方、MIM素子部4については、図9(A)に示した特開平3−46381号公報等に記載されたMIM素子構造と異なり、その下部電極10はTaWの1層で構成されている。従って、この下部電極10を非常に薄くでき、素子の微細化、信頼性の向上のため最適な構造となっている。
【0037】
次に、本実施例の製造方法を、図1(A)〜(B)及び図2に示す工程図を用いて説明する。
【0038】
まず、基板8(ガラス)の上部に、基板8の一部として下地9(TaOx)が形成される。これは、基板8と第2の金属層22(TaW)との密着性を高めるために行われる処理である。
【0039】
次に、この下地9が形成された基板8上に、スパッタ法により例えば2000〜8000オングストロームのAl膜が形成される。その後、このAl膜がフォトエッチングによりパターニングされ、第1の金属層20(Al)が形成される。この第1の金属層20(Al)は、配線電極2のエリアにのみ形成され、MIM素子部4のエリアには形成されない。
【0040】
ここで、前述したように第1の金属層20(Al)は第2の金属層22(TaW)に比べて極めて低い比抵抗をもっているため、配線電極2の配線抵抗は、この第1の金属層20の膜厚によりほぼ決定される。従って、本実施例においては、配線抵抗値の調整は、この第1の金属層20(Al)の膜厚を調整して行うことになる。この場合、第1の金属層20(Al)は、MIM素子部4のエリアに形成されていない。従って、この第1の金属層20(Al)の膜厚を厚くしても、MIM素子部4の素子構造になんら影響を与えることはない。即ち、本実施例によれば、MIM素子部4の素子構造になんら影響を与えることなく、第1の金属層20(Al)の膜厚を厚くすることで、可能な限り配線抵抗を小さくすることができ、液晶パネルの将来にわたる大面積化に対応できることになる。この点において本実施例は、配線抵抗をあまり低くできない従来例、あるいは、配線抵抗を低くすることは可能だが配線抵抗を低くすべく第1の金属層の膜厚を厚くするとMIM素子部に重大な影響を与える従来例に比べて、非常に優位な構成となる。
【0041】
次に、第1の金属層20(Al)のパターニング後、スパッタ法によりTaW膜を形成する。その後、このTaW膜をフォトエッチングによりパターニングして第2の金属層22及びMIM素子部4の下部電極10を一体に形成する。この場合、第2の金属層22(TaW)は、下部に形成された第1の金属層(Al)20を保護すべく、この第1の金属層20を覆うようにして形成されている。
【0042】
ここで、本実施例における配線抵抗は、前述したように、ほとんど第1の金属層20(Al)の膜厚で決定される。従って、第2の金属膜22の厚さ、即ちTaW膜の厚さは、従来例に比べて薄いものとすることができ、例えば1000〜3000オングストロームとすることができる。このように本実施例では、MIM素子部4に第1の金属層20(Al)が形成されないという優位点のみならず、第2の金属層22(TaW)についても薄くすることができるという優位点ももつ。従って、本実施例によれば、より微細加工に適したMIM素子構造を実現できることになる。
【0043】
次に、形成されたTaW膜に対する陽極酸化が、クエン酸あるいは酒石酸等を用いて行われる。この陽極酸化はMIM素子部4において下部電極10(TaW)の上部に絶縁層12を形成するために行われるものである。この場合、陽極酸化は、PHが7.0〜7.5となるようにアンモニアで調整して行われる。その理由は以下の通りである。即ち、第1の金属層20(Al)は、前述したように第2の金属層22(TaW)に覆われており、陽極酸化等の後のプロセス処理に対して保護されている。しかし、例えば第2の金属層22(TaW)にピンホールが生じた場合には、第1の金属層20(Al)が露出してしまう事態が生ずる。また、例えばAl膜の膜厚を配線抵抗を低くすべく厚くし(例えば8000オングストローム)、TaW膜の膜厚を素子の微細加工のために薄くした場合(例えば1000オングストローム)には、TaW膜がAl膜をカバレイジしきれなくなり、陽極酸化液がAl膜の部分にしみこむ事態も生ずる。以上のような場合には、ピンホール、カバレイジ不良により露出したAl膜が溶けてしまう事態が生ずる。そこで、陽極酸化を行う場合のPHを7.0〜7.5として、TaW膜のみならずピンホール等により露出したAl膜をも酸化させる。このようにすることにより、ピンホール等により露出したAl膜を、陽極酸化並びにその後に行われるプロセス処理に対して保護することが可能となるわけである。
【0044】
次に、陽極酸化終了後、200〜400℃で熱処理が行われる。この熱処理は、陽極酸化により形成された酸化膜を緻密にして、特性を向上させるために行われるものである。
【0045】
次に、スパッタ法により500〜2000オングストロームの膜厚のITO膜が形成される。そして最後に、このITO膜がフォトエッチングによりパターニングされ、MIM素子部4の上部電極14、液晶駆動電極6、及び導電層24が形成される。
【0046】
なお、この場合、本実施例では、上部電極14と液晶駆動電極6とは同一材料で形成されており、例えばITOにより形成されている。しかし、本発明はこれに限らず、上部電極14をCr又はCrを成分とする材料で形成し、液晶駆動電極6及び導電層24をITOで形成するようにしても構わない。但し、上部電極14及び液晶駆動電極6をITO等の同一材料で形成すれば、工程数を少なくできるという利点がある。また、上部電極14と液晶駆動電極6が一体に形成されるため、上部電極14の断線等を有効に防止できる。
【0047】
さて、本実施例では、ITO膜は、上部電極14及び液晶駆動電極6としてパターニングされ残されているのみならず、配線電極2の第2の金属層22(TaW)の上にもパターニングされ残されている。その理由は以下の通りである。即ち、前述したように、本実施例ではPH7.0〜7.5で陽極酸化することにより、ピンホール等により露出した第1の金属層20(Al)を保護している。しかし、ITO膜のパターニングにおいて使用されるエッチング液としては、通常、塩酸等を含む強酸が使用されるため、この露出した第1の金属層20(Al)も、エッチングされてしまうというおそれがある。そこで、第1の金属層20を2重に保護すべく、本実施例では、液晶駆動電極6と同一材料の導電層24(ITO)を、第2の金属層22(TaW)の上に形成している。この場合、導電層24(ITO)は、図1(A)に示すように第1の金属層20(Al)の上方を覆うようにして形成することが望ましい。このようにすることにより、第1の金属層20(Al)を確実に保護することができるからである。
【0048】
以上のようにして、図1(A)、(B)に示すようなMIM素子構造をもった液晶表示装置を形成することが可能となる。
【0049】
さて、図3には本実施例に係る液晶表示装置の端部に形成されたシールエリアの断面図が示される。なお、図3に示す本実施例では、データ電極50が図1(A)に示す多層構造の配線電極2となっている。そして、このデータ電極50が下部基板30側に設けられ、走査電極52が上部基板32側に設けられている。しかし、本発明はこれに限らず、走査電極52を多層構造の配線電極2として下部基板30側に設け、データ電極50を上部基板32側に設ける構成としても構わない。
【0050】
図3に示すように、下部基板30に設けられたデータ電極50には、フレキシブルテープ42に設けられた導電膜41、異方性導電膜44を介してデータ信号が入力される。そして、この下部電極30に対向して上部電極32が設けられており、この上部電極32には、RGB用のカラーフィター34及び走査電極52が形成されている。また、図3におけるシール部材40は、下部基板30と上部基板32の間に介在する液晶を封入するものであり、例えばエポキシ系の樹脂等で形成されている。
【0051】
さて、このシール部材40は液晶表示装置の端部に設けられるものである。従って、このシール部材40の下部にある金属が水分等により腐食等され、信頼性が非常に低下するおそれがある。そこで、本実施例では、図3に示すように、シール部材40と下部基板30との間にの配線電極2には第2の金属層22(TaW)は介在させるが、水分等により特に腐食等されやすい第1の金属層20(Al)については介在させない構成としている。このように構成することでシールエリアの部分で水分等による腐食等が生じる可能性が少なくなり、信頼性を大幅に向上させることができる。一方、このシール部材40の幅は例えば1.5〜2.0mm程度であり、表示領域から、はずれた部分に設けられている。従って、シール部材40の下部に介在する第2の金属層22(TaW)の幅は、非常に幅広いものとすることができる。このため、この部分に比抵抗の低い第1の金属層20(Al)が介在しなくても、この部分に形成される配線抵抗を低くすることができ、配線抵抗の高抵抗化という問題も防止できることになる。
【0052】
図4には、配線電極2がデータ電極50として使用された場合の、データ電極50の配線の形態が示される。例えば液晶パネル64が、400×640ドットのパネルでありRGBのカラー表示を行うものである場合は、データ電極50の配線数は640×3(RGB)=1920本となる。このようにデータ電極50の配線数が多くなる場合は、このデータ電極50を駆動するドライバIC60、62を、図4に示すように、液晶パネル64の両側に配置する。そして、図4に示すように、データ電極50をクシ歯状に配置して、これらのドライバIC60、62により駆動することになる。この様な場合、例えば図4のA点、B点に着目すると、ドライバIC62からB点へと至る配線長は、ドライバIC60からA点へと至る配線長よりも極めて長くなる。従って、従来のようにデータ電極の配線抵抗が極めて高い場合には、この部分でのデータ信号の遅延が非常に大きくなじるという問題が生じていた。この結果、表示画面の隣合うドット(例えばA点とB点)にコントラスト差が生じ、ゼブラ状の縞が生じるという問題が生じていた。これに対して、本実施例では、前述したように、データ電極50(配線電極2)の配線抵抗を極めて低いものとできる。従って、A点とB点のようにICドライバ60、62からの配線の長さが大きく違う部分があっても、この様なデータ信号の遅延が生じない。この結果、コントラスト差が生じ、ゼブラ状の縞が生じるのを有効に防止できる。従って、本実施例によれば、従来は大面積の液晶パネルでは表示特性が悪化するために行うことができなかったクシ歯状の配線配置によるデータ電極50の駆動が可能となった。
【0053】
なお、本実施例におけるクシ歯状の配線配置としては、図4に示すようなものに限らず、例えば図5に示すようなものも考えられる。図5における配線は、図4の場合と異なり、RGBのデータ電極が3本でひとまとまりとなって、クシ歯状に配置されている。そして、図5に示すように、このような配線配置の場合でも、A点とB点とではICドライバーからの配線の長さが全く異なり、データ信号の遅延が生じる可能性がある。しかし、本実施例では、前述のように、データ電極50の配線抵抗を極めて低くすることができるため、このような場合でも、データ信号の遅延がほとんど生じず、ゼブラ状の縞が生じるのを有効に防止できることになる。
【0054】
以上は、本実施例に係る多層構造の配線電極2をデータ電極50として使用し、これを下部基板30に形成した場合について説明した。この様な場合については図6(A)に示される。しかし、本発明に係る液晶表示装置の構成はこれに限らず、図6(B)に示すように、多層構造の配線電極2を走査電極52として使用し、これを下部基板30に設け、データ電極50を上部基板32に設ける構成としても良い。このような構成とすると、RGBのデータ電極50が透明電極で形成できるため、液晶表示装置の開口率を非常に高くすることができる。この点は、図7(A)と図7(B)とを比べてみれば明らかである。これについて以下説明する。
【0055】
図7(A)、(B)には、液晶駆動電極6間の最小距離、液晶駆動電極6・データ電極50間の最小距離、液晶駆動電極6・走査電極52間の最小距離、データ電極50の配線幅、走査電極52の配線幅の一例が示されている。ここで、開口率とは、全面積のうち液晶駆動電極6の占める面積の割合である。そして、今、仮に液晶駆動電極6のピッチを100μm×300μmとしたとする。すると、図7(A)の場合の開口率、即ち、データ電極50を下部基板30に設けた場合の開口率(A)は、
開口率(A)=(290 μm×70μm)/(300 μm×100 μm)=67.7%
となる。一方、図7(B)に示す場合の開口率、即ち、走査電極52を下部基板30に設けた場合の開口率(B)は、
開口率(B)=(270 μm×90μm)/(300 μm×100 μm)=81.0%
となる。従って、開口率(B)は開口率(A)に対して13.3%も高くなることになる。このように、本実施例では、走査電極52を下部基板30に設ける構造とすることで、開口率を大幅に高めることが可能となる。
【0056】
さて、上記では、走査電極52の配線幅を10μmと仮定して計算を行った。しかし、実際には、従来の走査電極52は多層構造となっていなかったため、配線抵抗の低減化のため、この配線幅は例えば30μm程度としなければならなかった。従って、この場合の開口率(B)’は、実際には、
開口率(B)’=(250 μm×90μm)/(300 μm×100 μm)=75.0%
となっていた。
【0057】
これに対して、本実施例では、走査電極52を多層構造として、その配線抵抗を極めて低減することができる。従って、比抵抗の高い金属でこの走査電極52を形成した場合に比べて、容易にこの走査電極52の配線幅を細くすることができる。この結果、開口率(B)も上述のように81.0%とすることができ、比抵抗の高い金属で走査電極52を形成した場合に比べて、より更に開口率を高めることができる。これにより、表示特性を更に向上させることが可能となる。
【0058】
以上のように、本実施例における配線電極2は、図1(A)、(B)に示すように、比抵抗の低い第1の金属層20(Al)と第2の金属層22(TaW)との多層構造となっているため、配線抵抗を極めて低くすることができる。一方、MIM素子部4の下部電極10はTaWの1層で形成されており、また、配線電極2においてTaW膜を厚くする必要もなくなる。従って、下部電極10の膜厚Dを極めて薄くできることになる。この結果、MIM素子の幅Wを極めて細くすることができ、MIM素子の微細加工が可能となる。このようにMIM素子の微細加工が可能となると、MIM素子に形成される容量を極めて小さくすることができ、液晶層の容量に対するMIM素子の容量の比を極めて小さくすることが可能となる。この結果、コントラスト比等の表示特性の改善を図ることができ、前述した配線電極の低抵抗化と相まって、極めて表示特性の良い液晶表示装置を実現できることとなる。
【0059】
また、Al膜の表面は凹凸が多く、これをMIM素子の下部電極10として使用すると、高電圧が付加された場合に電界集中が生じ、静電破壊等の問題が生じる場合がある。従って、下部電極10にAl膜を使用しない本実施例は、信頼性の向上という意味においても優れた構成となる。
【0060】
また、下部電極10の膜厚Dが薄くなると、下部電極10(TaW)の上方に形成される上部電極14(ITO)のカバレイジ形状が非常に良好なものとなる。この結果、上部電極14(ITO)に断線等を生じるのを防止でき、信頼性の向上を図れる。
【0061】
また、本実施例では、ITO膜は、上部電極10、液晶駆動電極6の部分のみならず、配線電極2の上部にも導電層24として残される。従って、例えば第2の金属層22(TaW)にピンホール等が生じた場合でも、第1の金属層20(Al)を効果的に保護することができ、液晶表示装置の歩留まりの向上、信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0062】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0063】
例えば、本発明における第1の金属層としては、Al膜に限らず、例えばAlを主成分とする合金(例えばAlCu、AlMg)膜等を使用することもできる。また、第2の金属層、下部電極としては、TaW膜に限らず、例えばTa膜、あるいは、Ta膜を主成分とする合金(例えばTaMo)膜等を使用することもできる。また、導電層、上部電極、液晶駆動電極としてはITO膜に限らず、SnOx膜、Al膜、Cr膜等を使用することもできる。また、本実施例では基板上部にTaOx膜を設ける場合について説明したが、これは必ずしも必要な構成要件ではない。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、配線電極の配線抵抗の低減化を容易に図ることができるとともに、非線形抵抗素子部の下部電極の膜厚を極めて薄くできる。従って、非線形抵抗素子の幅を極めて小さくすることができ、非線形抵抗素子の微細加工が可能となる。従って、非線形抵抗素子に形成される容量を極めて小さくすることができ、液晶表示装置のコントラスト比等の表示特性の改善を図ることができる。この結果、前述の配線電極の低抵抗化と相まって、極めて表示特性の良い液晶表示装置を実現でき、液晶パネルの大面積化に適した液晶表示装置を提供できる。更に、下部電極にはAl膜等の第1の金属層がないため、表面の凹凸により電界集中が生じ、静電破壊等の問題が生じる可能性が少なく、信頼性を向上できる。また、下部電極の上方に形成される上部電極のカバレイジ特性を良好なものとできるため、上部電極に断線等が生じるのを防止でき、欠陥の低減、信頼性の向上を図れる。
【0065】
また、本発明によれば、第2の金属層にピンホール等が生じた場合でも、配線電極に形成された導電層により第1の金属層を効果的に保護できる。従って、液晶表示装置の線欠陥を効果的に防止できるとともに、信頼性の向上を図ることができる。
【0066】
また、本発明によればシール部材と基板との間の配線電極には前記第1の金属層が介在していない。従って、このシール部材の部分で、金属層が水等により腐食されるのを防止でき、信頼性の向上を図ることができる。
【0067】
また、本発明によれば、下部基板に設けられたデータ電極の非抵抗を極めて低くできる。従って、カラー表示により配線の本数が増え、例えばクシ歯状の配線配置でデータ電極を駆動した場合にも、データ信号の遅延を効果的に防止できる。この結果、例えば表示画面の隣合うドットにコントラスト差が生じ、ゼブラ状の縞が生じるという問題を効果的に防止できる。
【0068】
また、本発明によれば、下部基板に設けられた走査電極の比抵抗を極めて低くできるため、走査電極の幅を極めて細くできる。従って、RGBに対応して3本あるデータ電極が透明電極となり、また、走査電極の幅を細くできるため、液晶表示装置の開口率を極めて高めることができる。これにより、液晶表示装置の表示特性を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本実施例に係る液晶表示装置の配線電極、MIM素子部の斜視図であり、図1(B)は、このMIM素子部の断面図である。
【図2】図2は、本実施例の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【図3】図3は本実施例に係る液晶表示装置のシールエリアを示す断面図である。
【図4】図4は、データ電極の配線の配置について説明するための概略説明図である。
【図5】図5も、データ電極の配線の配置について説明するための概略説明図である。
【図6】図6(A)は、配線電極をデータ電極として用いた場合の配線配置、図6(B)は、配線電極を走査電極として用いた場合の配線配置について説明するための概略説明図である。
【図7】図7(A)は、配線電極をデータ電極として用いた場合の開口率について、また、図7(B)は、配線電極を走査電極として用いた場合の開口率について説明するための概略説明図である。
【図8】図8(A)は、従来の液晶表示装置を説明するための配線電極、MIM素子部の平面図であり、図8(B)は、このMIM素子部の断面図であり、図8(C)は、従来の液晶表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
【図9】図9(A)は、下部電極が2層構造の従来のMIM素子部の断面図であり、図9(B)〜(D)は、このMIM素子部の工程図である。
【符号の説明】
2 配線電極
4 MIM素子部
6 液晶駆動電極
8 基板
10 下部電極
12 絶縁層
14 上部電極(ITO)
20 第1の金属層(Al)
22 第2の金属層(TaW)
24 導電層(ITO)
30 下部基板(ガラス)
32 上部基板(ガラス)
40 シール部材
50 データ電極
52 走査電極
Claims (12)
- 一対の基板がシール部材を介して対向してなり、一方の前記基板には、複数の配線電極と、これらの配線電極に接続された非線形抵抗素子部と、液晶素子を駆動する液晶駆動電極と、が設けられてなる液晶表示装置において、
前記配線電極は、Al又はAlを成分とする合金で形成される第1の金属層と、この第1の金属層を覆うようにして設けられ前記第1の金属層より比抵抗が高く陽極酸化可能であってAl又はAlを成分とする合金ではない第2の金属層と、を含んで構成され、
前記非線形抵抗素子部の下部電極は、前記第2の金属層が延設されて形成され、
前記シール部材と前記一方の基板との間には、前記第2の金属層が介在し、前記第1の金属層が介在しないことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1において、
前記液晶駆動電極と同一材料の導電層が、前記配線電極を構成する前記第1の金属層を保護するように前記配線電極に形成されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1又は2において、
前記配線電極が液晶表示装置の下部基板に設けられたデータ電極となり、この下部基板に対向する上部基板には走査電極が設けられ、前記データ電極にRGBに応じたデータ信号を入力することによりカラー表示を行うことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1又は2において、
前記配線電極が液晶表示装置の下部基板に設けられた走査電極となり、この下部基板に対向する上部基板にはデータ電極が設けられ、前記データ電極にRGBに応じたデータ信号を入力することによりカラー表示を行うことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記第2の金属層がTa層又はTaを成分とする合金で形成される層であることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記非線形抵抗素子部の下部電極がTa又はTaを成分とする合金で形成され、前記非線形抵抗素子部の上部電極及び前記液晶駆動電極が共にITOで形成されたことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記非線形抵抗素子部の下部電極がTa又はTaを成分とする合金で形成され、前記非線形抵抗素子部の上部電極がCr又はCrを成分とする合金で形成され、前記液晶駆動電極がITOで形成されたことを特徴とする液晶表示装置。 - 一対の基板がシール部材を介して対向してなる液晶表示装置の製造方法であって、
(a)一方の前記基板上に配線電極を構成する第1の金属層を形成する工程と、
(b)前記第1の金属層より比抵抗が高く陽極酸化可能であってAl又はAlを成分とする合金ではない第2の金属層を前記第1の金属層を覆うように形成するとともに、この第2の金属層を延設して非線形抵抗素子部に下部電極を形成する工程と、
(c)前記下部電極を陽極酸化して前記非線形抵抗素子部に絶縁層を形成する工程と、
(d)前記非線形抵抗素子部の上部電極と、液晶駆動電極とを形成する工程と、を備え、
前記第1の金属層は、Al又はAlを成分とする合金で形成され、
前記シール部材と前記一方の基板との間には、前記第2の金属層が介在し、前記第1の金属層が介在しないことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 請求項8において、
前記工程(d)は、非線形抵抗素子部の上部電極と、液晶駆動電極とを形成するとともに、この液晶駆動電極と同一材料の導電層を前記第1の金属層を保護するように前記配線電極に形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 請求項8又は9において、
前記第2の金属層がTa層又はTaを成分とする合金で形成される層であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 請求項8乃至10のいずれかにおいて、
前記非線形抵抗素子部の下部電極がTa又はTaを成分とする合金で形成され、前記非線形抵抗素子部の上部電極及び前記液晶駆動電極が共にITOで形成されたことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 請求項8乃至10のいずれかにおいて、
前記非線形抵抗素子部の下部電極がTa又はTaを成分とする合金で形成され、前記非線形抵抗素子部の上部電極がCr又はCrを成分とする合金で形成され、前記液晶駆動電極がITOで形成されたことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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