JP3600926B2 - 長作動距離顕微鏡対物レンズ - Google Patents
長作動距離顕微鏡対物レンズ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動距離の長い中倍率程度の顕微鏡対物レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、生物顕微鏡、工業顕微鏡の対物レンズは、長作動距離のものが求められることが多い。生物顕微鏡では、標本を加熱ステージの中に入れて観察したいときに作動距離が必要となり、通常の対物レンズでは観察することができない場合がある。また、標本の生物細胞に直接針を刺して様々な操作をするときに、作動距離が長くないと、十分な操作ができない場合がある。工業顕微鏡においては、凹凸がある標本を見ることが多いため、標本を保護するためにも作動距離は長い方がよい。また、凹凸の大きい標本の底面を観察したい場合や標本を傾けて観察するような場合にも、対物レンズの作動距離が必要になる。
【0003】
20×程度の中倍率の対物レンズの場合、凹凸のある標本の低部の観察等において作動距離が焦点距離の2倍以上の20mm程度のものが求められている。中倍率の作動距離の長い対物レンズとしては、特開昭60−14215号記載のものや、特開昭64−63915号記載のものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来例には、作動距離が焦点距離の2倍以上の20mm程度のものはなく、十分な操作性を満たす作動距離には不足している。
【0005】
本発明は従来技術の上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来以上の長い作動距離を有しつつ、優れた結像性能を有する長作動距離顕微鏡対物レンズを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の長作動距離顕微鏡対物レンズは、物体から順に、複数の正屈折力単体レンズから構成され、物体からの光線を収斂光束に変換する第1レンズ群と、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズ成分を少なくとも1つ含み、全体で負の屈折力を持つ第2レンズ群とからなり、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
3.4<|r1 /(n1 −1)|/f ・・・(1)
2.54≦|fm /f|<5 ・・・(2)
ただし、r1 は前記第1レンズ群の最も物体側の正屈折力単体レンズの物体側の曲率半径、n1 は前記の最も物体側の正屈折力単体レンズの屈折率、fはレンズ全系の焦点距離、fm は前記第2レンズ群中の何れか1つの接合メニスカスレンズの焦点距離である。
【0007】
また、第1レンズ群中の少なくとも1つの正屈折力単体レンズのd線に対するアッべ数νd が以下の条件を満足することが望ましい。
【0008】
νd >62 ・・・(3)
さらに、第2レンズ群に負レンズと正レンズと負レンズの3枚接合レンズを含むことが望ましい。
また、その3枚接合レンズは、物体側に凸面を向けていることが望ましい。
【0009】
また、その3枚接合レンズの何れか一方の負レンズのd線に対するアッベ数をνo 、その3枚接合レンズの正レンズのd線に対するアッべ数をνt とするとき、以下の条件を満たすことが望ましい。
【0010】
νt −νo >30 ・・・(4)
また、第2レンズ群は、全て負の屈折力を持った接合レンズで構成されていることが望ましい。
【0011】
また、以下のような構成においても、本発明の長作動距離対物レンズは構成することができる。すなわち、物体から順に、複数の正屈折力単体レンズから構成され、正屈折力を有する第Iレンズ群、負の屈折力を有する第IIレンズ群、負の屈折力を有する第III レンズ群、負の屈折力を有する第IVレンズ群により構成され、以下の条件を満たすことを特徴とする構成である。
3.4<|r1 /(n1 −1)|/f ・・・(1)
ただし、r1 は前記第Iレンズ群の最も物体側の正屈折力単体レンズの物体側の曲率半径、n1 は前記の最も物体側の正屈折力単体レンズの屈折率、fはレンズ全系の焦点距離である。
【0012】
また、第IIレンズ群は、負レンズと正レンズと負レンズの3枚接合レンズであることが望ましい。
【0013】
また、第IIレンズ群は、物体側に凸面を向けたレンズであることが望ましい。
【0014】
また、その第IIレンズ群中の少なくとも1つの負レンズのd線に対するアッべ数をνo 、その3枚接合レンズの正レンズのd線に対するアッべ数をνt とするとき、以下の条件を満たすことが望ましい。
【0015】
νt −νo >30 ・・・(4)
また、第III レンズ群は、正レンズ、負レンズの接合レンズであることが望ましい。
【0016】
また、第III レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズであることが望ましい。
【0017】
また、第IVレンズ群は、接合レンズを有することが望ましい。
【0018】
さらに、以下の条件を満足することが望ましい。
3<|fII/fb | ・・・(5)
ただし、fIIは第IIレンズ群の焦点距離、fb は第IIレンズ群から第IVレンズ群までの合成の焦点距離である。
【0019】
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用について詳細に説明する。顕微鏡対物レンズの同焦位置を一定とし、作動距離を長くするには、物体側に正の屈折力を持つレンズ群を配置し、像側に強い負の屈折力を持つレンズ群を配置する必要がある。一般に、対物レンズの作動距離は長くなる程諸収差が急激に悪化する。長作動距離の顕微鏡対物レンズは、この構成でなるべく作動距離を長くしながら諸収差を良好に補正することが必要になる。
【0020】
本発明の顕微鏡対物レンズは、物体から順に、複数の正屈折力単体レンズから構成される第1レンズ群と、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズ成分を少なくとも1つ含み、全体で負の屈折力を持つ第2レンズ群とから構成される。
【0021】
第1レンズ群の最も物体側の正屈折力単体レンズは、アプラナテックに近い面を2面構成することによって収差の発生を最小限に抑えながら、物体からの発散光の光線高を下げている。また、それに続く正屈折力の単体レンズにより光線を収斂光線に変化させる。
【0022】
第1レンズ群は単体レンズにより構成した方がレンズの枚数を少なくすることができ、この結果、作動距離を長くすることができる。第1レンズ群は単体正レンズにより構成されるため、色収差が補正不足であるが、20×程度の中倍率では、後に続く第2レンズ群の接合レンズにより色収差を補正することが可能である。
【0023】
上記の(1)式は、前記単体正レンズの屈折力を規定したものである。この式の下限の3.4を越えると、アプラナテックな条件から外れ、コマ収差、球面収差が増大する。また、(1)式の範囲を越えると、最も物体側の面の曲率半径が小さくなり、作動距離を大きくすることが難しくなる。
【0024】
また、第2レンズ群は、少なくとも1つ物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズ成分を含み、全体で負の屈折力を持っている。物体からの光線は第1レンズ群により収束光線になっているので、第2レンズ群には少なくとも1つ物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズを持つことが収差補正上有利である。また、何れか1つの負のメニスカスレンズの焦点距離は上記の(2)式を満たすことが必要である。(2)式の下限の2.54を越えると、負のメニスカスレンズのパワーが大きすぎてペッツバール和がマイナス方向に大きくなり、コマ収差が補正できなくなる。(2)式の上限の5を越えると、負のメニスカスレンズで負担する負のパワーが小さくなり、その分を他のレンズが負担することになり、短波長の球面収差、コマ収差を補正することが困難になる。
【0025】
第1レンズ群の少なくとも1つの正の単レンズのd線に対するアッべ数は、(3)式を満たすことが望ましい。第1レンズ群で発生する色収差を少なくするためには、第1レンズ群の少なくとも1つのレンズを(3)式を満たす低分散ガラスを用いる必要がある。(3)式を満たさない場合には、色収差が補正不足になる。
【0026】
第2レンズ群は、第1レンズ群で補正不足の色収差を補正するための負レンズ、正レンズ、負レンズにて構成される3枚接合レンズが必要である。第2レンズ群は全体で負の屈折力を持つため、3枚接合レンズも負の屈折力を持つ負レンズ、正レンズ、負レンズの組合せにより負の屈折力を負担することが望ましい。また、この3枚接合レンズは第1レンズ群により収斂光束に変換された光線中に配置されるため、物体側に凸面を向けることによって、コマ収差の発生を小さく抑えることができる。
【0027】
この3枚接合レンズにより有効に色収差を補正するには、(4)式を満たすことが望ましい。3枚接合レンズの凹レンズと凸レンズのアッべ数の差を(4)式のように大きくすることにより、色収差を小さくすることができる。(4)式の範囲を越えると、特に短波長の球面収差を補正することができなくなる。
【0028】
また、第2レンズ群は全体として強い負のパワーを持つ必要があるため、全て負のパワーを持つレンズにより構成し、パワーを分散することが望ましい。また、長作動距離の対物レンズでは、軸上の色収差、倍率の色収差の補正が困難になるため、全ての群が接合レンズで構成されていることが望ましい。
【0029】
本発明においては、レンズ系の群構成を4群構成とすることもできる。
長作動距離顕微鏡対物レンズは、前群に正のパワー、後群に負のパワーを持つことが必要であるが、この後群の強い負のパワーを第IIレンズ群、第III レンズ群、第IVレンズ群に分散して構成している。強い負のパワーを3つの群に分散することにより、長作動距離を保ちながら各収差の発生を小さく抑えることができる。特に、強い正屈折力の第Iレンズ群で発生する正のペッツバール和は、この3つの負の屈折力を持つ群による補正が望ましい。
【0030】
本構成では、物体から発した発散光を正屈折力を有する第Iレンズ群により収斂光束にし、それを負屈折力を有する第IIレンズ群ないし第IVレンズ群によって徐々に収斂度を弱めて行き、第IVレンズ群を射出する光線、すなわち対物レンズを射出する光線が平行光になるようにする。
【0031】
すでに述べたように、第Iレンズ群の最も物体側の単体正レンズにアプラナテックに近い面を2面有することによって、球面収差、コマ収差を良好に補正しながら物体からの発散光の光線高を下げている。
【0032】
この場合の条件式(1)は、第Iレンズ群の単体正レンズの最も物体側のレンズ面の屈折力を対物レンズの焦点距離で規格化したものである。条件式(1)を満たすことによって、球面収差、コマ収差を良好に補正することができる。
【0033】
また、第IIレンズ群を負レンズと正レンズと負レンズの3枚接合レンズとすることで、色収差を効果的に補正することが可能となる。
【0034】
さらに、第IIレンズ群は収斂光束中にあるため、物体側に凸面を向けることによって、コマ収差の発生を小さく抑えることができる。
【0035】
また、第IIレンズ群の負レンズと正レンズのアッべ数は(4)式を満たすことが望ましい。(4)式を満たすことによって、色収差を十分に補正することができる。
【0036】
第III レンズ群は、正レンズと負レンズの接合レンズとすることが望ましい。これによって、色収差を効果的に補正することができる。
【0037】
さらに、第IIレンズ群射出後の光線は収斂光束になっているため、第III レンズ群は物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとすることによって、コマ収差の発生を小さく抑えることができる。
【0038】
また、第IVレンズ群が接合レンズを有することによって、色収差、中でも倍率の色収差を十分に補正することが可能となる。
【0039】
また、(5)式は、第IIレンズ群ないし第IVレンズ群の全体の負屈折力に対する第IIレンズ群の負屈折力を規定したものである。(5)式の下限の3を越えると、第IIレンズ群の負担する負の屈折力が強くなりすぎ、短波長の球面収差、コマ収差を十分に補正することができなくなる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の長作動距離顕微鏡対物レンズの実施例1〜4について説明する。
各実施例のレンズデータは後記するが、図1〜図4はそれぞれ実施例1〜4のレンズ構成を示す断面図である。
【0041】
実施例1の構成は、図1に断面図を示すように、第1レンズ群G1は、物体側に平面を向けた正の平凸レンズと凸面を物体側に向けた正メニスカス単体レンズとにより構成され、第1レンズ群G1は第Iレンズ群Iと同じである。第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと両凹レンズからなり、物体側に凸面を向けた負の3枚接合メニスカスレンズ、両凸レンズと両凹レンズからなり、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズ、両凹レンズと両凸レンズからなり、物体側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズにより構成されており、第2レンズ群G2の3枚接合メニスカスレンズが第IIレンズ群IIを、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズが第III レンズ群III を、物体側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズが第IVレンズ群IVを構成している。
【0042】
実施例2の構成は、図2に断面図を示すように、第1レンズ群G1は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズと正の両凸単体レンズとにより構成され、第1レンズ群G1は第Iレンズ群Iと同じである。第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズからなり、物体側に凸面を向けた負の3枚接合レンズ、両凸レンズと両凹レンズからなり、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズ、両凸レンズと両凹レンズからなり、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズにより構成されており、第2レンズ群G2の3枚接合レンズが第IIレンズ群IIを、物体側に凸面を向けた第1の負の接合メニスカスレンズが第III レンズ群III を、物体側に凸面を向けた第2の負の接合メニスカスレンズが第IVレンズ群IVを構成している。
【0043】
実施例3の構成は、図3に断面図を示すように、第1レンズ群G1は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズと正の両凸単体レンズとにより構成され、第1レンズ群G1は第Iレンズ群Iと同じである。第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズからなり、物体側に凸面を向けた負の3枚接合レンズ、両凸レンズと両凹レンズからなり、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズ、両凹レンズと両凸レンズからなり、物体側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズにより構成されており、第2レンズ群G2の3枚接合レンズが第IIレンズ群IIを、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズが第III レンズ群III を、物体側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズ第IVレンズ群IVを構成している。
【0044】
実施例4の構成は、図4に断面図を示すように、第1レンズ群G1は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズと正の両凸単体レンズとにより構成され、第1レンズ群G1は第Iレンズ群Iと同じである。第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズからなり、物体側に凸面を向けた負の3枚接合レンズ、両凸レンズと両凹レンズからなり、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズ、両凹レンズと両凸レンズからなり、物体側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズにより構成されており、第2レンズ群G2の3枚接合レンズが第IIレンズ群IIを、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズが第III レンズ群III を、物体側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズ第IVレンズ群IVを構成している。
【0045】
以下に、各実施例のレンズデータを示す。記号は、上記の他、NAは開口数、WDは作動距離、βは倍率、fは焦点距離である。また、r1 、r2 …は物体側から順に示した各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は物体側から順に示した各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は物体側から順に示した各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は物体側から順に示した各レンズのアッべ数である。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
上記実施例1〜4は何れも対物レンズからの射出光が平行光束となる無限遠補正型の対物レンズであり、これら単体では結像しない。そこで、例えば以下に示すレンズデータを有し、図5にレンズ断面を示す結像レンズと組み合わせて使用される。ただし、レンズデータ中、r1’、r2’…は物体側から順に示した各レンズ面の曲率半径、d1’、d2’…は物体側から順に示した各レンズ面間の間隔、nd1’ 、nd2’ …は物体側から順に示した各レンズのd線の屈折率、νd1’ 、νd2’ …は物体側から順に示した各レンズのアッベ数である。
【0051】
【0052】
この場合、実施例1〜4の対物レンズと図5の結像レンズの間の間隔は50mm〜170mmの間の何れの位置でもよいが、この間隔を120mmとした場合の実施例1〜4の収差図をそれぞれ図6〜図9に示す。ただし、これら収差図において、(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差、(d)はコマ収差を示す。これら収差図中、IHは像高を示す。なお、上記間隔が50mm〜170mmの間で120mm以外の位置においてもほぼ同様の収差状況を示す。
【0053】
以上の本発明の長作動距離顕微鏡対物レンズは例えば次のように構成することができる。
〔1〕 物体から順に、複数の正屈折力単体レンズから構成され、物体からの光線を収斂光束に変換する第1レンズ群と、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズ成分を少なくとも1つ含み、全体で負の屈折力を持つ第2レンズ群とからなり、以下の条件を満足することを特徴とする長作動距離顕微鏡対物レンズ。
3.4<|r1 /(n1 −1)|/f ・・・(1)
1.8<|fm /f|<5 ・・・(2)’
ただし、r1 は前記第1レンズ群の最も物体側の正屈折力単体レンズの物体側の曲率半径、n1 は前記の最も物体側の正屈折力単体レンズの屈折率、fはレンズ全系の焦点距離、fm は前記第2レンズ群中の何れか1つの接合メニスカスレンズの焦点距離である。
【0054】
〔2〕 以下の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
2.1<|fm /f|<4.8 ・・・(2)”
。
【0055】
〔3〕 前記第1レンズ群中の少なくとも1つの正屈折力単体レンズのd線に対するアッべ数νd が以下の条件を満足することを特徴とする上記〔1〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
νd >62 ・・・(3)
。
【0056】
〔4〕 前記第2レンズ群に負レンズと正レンズと負レンズの3枚接合レンズが含まれることを特徴とする上記〔1〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
【0057】
〔5〕 前記3枚接合レンズは、物体側に凸面を向けていることを特徴とする上記〔4〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
【0058】
〔6〕 前記3枚接合レンズの何れか一方の負レンズのd線に対するアッベ数をνo 、前記3枚接合レンズの正レンズのd線に対するアッべ数をνt とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする上記〔4〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
νt −νo >30 ・・・(4)
。
【0059】
〔7〕 前記第2レンズ群は、全て負の屈折力を持った接合レンズで構成されていることを特徴とする上記〔1〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
【0060】
〔8〕 物体から順に、複数の正屈折力単体レンズから構成され、正屈折力を有する第Iレンズ群、負の屈折力を有する第IIレンズ群、負の屈折力を有する第III レンズ群、負の屈折力を有する第IVレンズ群により構成され、以下の条件を満たすことを特徴とする長作動距離顕微鏡対物レンズ。
3.4<|r1 /(n1 −1)|/f ・・・(1)
ただし、r1 は前記第Iレンズ群の最も物体側の正屈折力単体レンズの物体側の曲率半径、n1 は前記の最も物体側の正屈折力単体レンズの屈折率、fはレンズ全系の焦点距離である。
【0061】
〔9〕 前記第IIレンズ群は、負レンズと正レンズと負レンズの3枚接合レンズであることを特徴とする上記〔8〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
【0062】
〔10〕 前記第IIレンズ群は、物体側に凸面を向けたレンズであることを特徴とする上記〔8〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
【0063】
〔11〕 前記第IIレンズ群中の少なくとも1つの負レンズのd線に対するアッべ数をνo 、前記3枚接合レンズの正レンズのd線に対するアッべ数をνt とするとき、以下の条件を満たすことを特徴とする上記〔9〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
νt −νo >30 ・・・(4)
。
【0064】
〔12〕 前記第III レンズ群は、正レンズ、負レンズの接合レンズであることを特徴とする上記〔8〕記載の長作動顕微鏡対物レンズ。
【0065】
〔13〕 前記第III レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズであることを特徴とする上記〔8〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
【0066】
〔14〕 前記第IVレンズ群は、接合レンズを有することを特徴とする上記〔8記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
【0067】
〔15〕 さらに、以下の条件を満足することを特徴とする上記〔8〕記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
3<|fII/fb | ・・・(5)
ただし、fIIは前記第IIレンズ群の焦点距離、fb は前記第IIレンズ群から第IVレンズ群までの合成の焦点距離である。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の顕微鏡対物レンズは、従来以上の長い作動距離を有しつつ、優れた結像性能を有する中倍率程度の生物顕微鏡、工業顕微鏡に適したレンズ系である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の顕微鏡対物レンズの実施例1のレンズ断面図である。
【図2】実施例2のレンズ断面図である。
【図3】実施例3のレンズ断面図である。
【図4】実施例4のレンズ断面図である。
【図5】各実施例の顕微鏡対物レンズと共に用いる結像レンズの1例のレンズ断面図である。
【図6】実施例1の球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差を示す収差図である。
【図7】実施例2の球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差を示す収差図である。
【図8】実施例3の球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差を示す収差図である。
【図9】実施例4の球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差を示す収差図である。
【符号の説明】
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
I …第Iレンズ群
II …第IIレンズ群
III …第III レンズ群
IV …第IVレンズ群
Claims (6)
- 物体から順に、複数の正屈折力単体レンズから構成され、物体からの光線を収斂光束に変換する第1レンズ群と、物体側に凸面を向けた負の接合メニスカスレンズ成分を少なくとも1つ含み、全体で負の屈折力を持つ第2レンズ群とからなり、以下の条件を満足することを特徴とする長作動距離顕微鏡対物レンズ。
3.4<|r1 /(n1 −1)|/f ・・・(1)
2.54≦|fm /f|<5 ・・・(2)
ただし、r1 は前記第1レンズ群の最も物体側の正屈折力単体レンズの物体側の曲率半径、n1 は前記の最も物体側の正屈折力単体レンズの屈折率、fはレンズ全系の焦点距離、fm は前記第2レンズ群中の何れか1つの接合メニスカスレンズの焦点距離である。 - 物体から順に、複数の正屈折力単体レンズから構成され、正屈折力を有する第Iレンズ群、負の屈折力を有する第IIレンズ群、負の屈折力を有する第III レンズ群、負の屈折力を有する第IVレンズ群により構成され、以下の条件を満たすことを特徴とする長作動距離顕微鏡対物レンズ。
3.4<|r1 /(n1 −1)|/f ・・・(1)
ただし、r1 は前記第Iレンズ群の最も物体側の正屈折力単体レンズの物体側の曲率半径、n1 は前記の最も物体側の正屈折力単体レンズの屈折率、fはレンズ全系の焦点距離である。 - 前記第1レンズ群中の少なくとも1つの正屈折力単体レンズのd線に対するアッべ数νd が以下の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
νd >62 ・・・(3) - 前記第2レンズ群に負レンズと正レンズと負レンズの3枚接合レンズが含まれ、前記3枚接合レンズは、物体側に凸面を向けていることを特徴とする請求項1記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
- 前記第2レンズ群は、全て負の屈折力を持った接合レンズで構成されていることを特徴とする請求項1記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
- 以下の条件を満足することを特徴とする請求項2記載の長作動距離顕微鏡対物レンズ。
3<|fII/fb | ・・・(5)
ただし、fIIは前記第IIレンズ群の焦点距離、fb は前記第IIレンズ群から第IVレンズ群までの合成の焦点距離である。
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