JP3600019B2 - 釘打機におけるマガジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釘打機に装着されて多数本の釘を直列状に収納するマガジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、釘打機にあって、直列状に連結された多数本の釘を収納するマガジンは、その一端部が釘打機の釘打ち出し部に接続された状態で装着され、該収納した釘をプッシャ部材の前進動によって一本ずつ釘打ち動作にしたがって順次釘打ち出し部内に供給するように構成されており、さらに、マガジン内には収納した釘が後端部側(充填口)から抜け出すことを防止する手段としストッパー部材が設けられており、このストッパー部材にあっては、一般に、マガジン内の釘の収納通路内においてバネ状の薄板から形成したストッパー片の一端を該収納通路の壁面に固定しかつほぼL状に曲折した先端当接部を該収納通路の釘の移動軌跡上に臨ませて、そのL状に曲折した先端部により収納した釘の最後尾に位置した釘を止めるようになし、また、該先端部をその弾力に抗して押えながら釘の移動軌跡上から退避させて前記最後尾の釘に対する止め状態を解除して収納した釘を抜き取るように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マガジン内に収納した釘に対して、サイズ、とくに長さ寸法の異なる別の釘を差し換える(取り換えて収納する)場合には、マガジン内に収納した釘を抜き取る作業を必要とし、また、釘打機の釘打ち出し部において釘詰まりが生起したとき、該釘打ち出し部側の開口窓部における釘の取り除き作業をし易くするためにマガジン内に収納した釘を後端部側に一時的に退避位置させるか、或いはマガジン内から一旦抜き取る作業を必要としていた。
しかしながら、上記した従来のストッパー部材にあっては、単に、L状に曲折した先端部により釘を止める構成であるため、マガジン内に収納した釘を抜き取る場合、或いは後端部側に退避する場合、ともに釘が勢いよくマガジン内を滑ってストッパ部材の先端部に当接されると、該先端部が撥ね上げられてしまい、そのL状の曲折部の内側に釘が入って連結した釘と釘との間に引っ掛かり易くなって先端部における退避動作が阻害され、結局、マガジン内から釘をそのまま抜き取ることができず、また退避位置にある釘を元の状態にそのまま復帰することが困難となる等の問題点を惹起していた。
そこで、本発明は、マガジン内に収納した釘の抜き取り作業に支障を及ぼすことなく、ストッパーとしての機能を効果的に発揮することができる釘打機におけるマガジンを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明は、直列状に連結された多数本の釘を収納する釘の収納通路が形成され、該収納通路内に収納された釘を釘打機の釘打ち出し部側に送込むためのプッシャ部材を移動可能に備えた釘打機におけるマガジンであって、前記収納通路内のほぼ後端部側にストッパー部材19を装設するとともに、このストッパー部材19は、スプリング板材からなり、釘の前記収納通路内の移動軌跡上に出入り可能な当接部19bと該当接部から釘の収納方向に延出された受け部19cとを備え、該当接部19bと受け部19cとにより、収納通路に収納された最後尾の釘の軸部を、収納通路を横切る方向と該収納通路に沿う方向の2方向で受けることを要旨とするものである。
【0005】
上記した構成によれば、マガジン内に収納した釘をその収納通路における後端部側において、該釘の移動軌跡上に位置される受け部を有する当接部と該当接部から釘の収納方向に延出された受け部とにより最後尾の釘の軸部を収納通路を横切る方向と該収納通路に沿う方向の2方向で受け、それ以上の移動を阻止するとともに、その当接部並びに受け部の撥ね上げを未然に防止するものである。
これによって、釘をマガジンの後端部側において効果的に停止させるとともに、当接部を釘の移動軌跡上から退避することによって、マガジン内からの収納した釘を容易に抜き取るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図において、1は釘打機の全体を示し、大別すると、圧縮エアーの給排制御によって往復駆動されるピストン(図示しない)が内蔵されたシリンダハウジングを主体とする本体2と、この本体2の先端部位に装設されかつ前記ピストンと一体に往復駆動される釘打出し用のドライバ(図示しない)を案内するドライバガイド3と、本体2に対しほぼ直交状態で横方向に位置されたハンドル4と、ドライバガイド3とハンドル4との間に斜状に掛装されかつ内部に多数本の釘を収納し、該釘を一本ずつドライバガイド3内に供給するマガジン5とから構成されている。
【0007】
前記マガジン5は、図4に示すように、その本体5Aが長手方向に縦断面ほぼT字状の釘の収納通路6を形成するように平板をほぼ偏平帯状に曲折して形成され、その前面側には所定の幅で長手方向に沿って開口部7が形成されている。また、収納通路6の先端部(図1において左側)は前記ドライバガイド3内に対して釘の供給(送込み)可能に連通されており、後端部(図1において右側)には直列状に連結された釘を充填するための充填口が形成されるとともに、該充填口にはゴム等の緩衝部材8aを介して該マガジン本体5Aにボルト着されたキャツプ部材8が該充填口を開閉口可能に装設されている。
【0008】
そして、前記収納通路6の開口部7の前面上下縁部には後述するプッシャ部材9を移動可能に収納案内するガイド溝10,11を形成するように上下のほぼL字状のガイド部12,13が一体的に構成されている。
【0009】
プッシャ部材9は、前記ガイド部12,13に対し、その本体部9aの上下が前記ガイド溝10,11内にその長手方向に沿って移動可能に収納位置されていて、その先端部(図1において左側)にはマガジン5の収納通路6内に位置されかつ該収納通路6内に収納された釘の最後尾の釘Nに当接する長短2個の送り爪部14a,14bを備えた爪板部15が前面側に回動可能に装設されている。
【0010】
そして、プッシャ部材9の後端部(図1において右側)には押圧用の渦巻きスプリング16が巻装され、この渦巻きスプリング16の一端はマガジン5の先端部の開口上縁部に係止されて該プッシャ部材9をマガジン5内において、常にはドライバガイド3側(釘送り方向)に付勢するように構成されている。また、プッシャ部材9の本体9aに対する爪板部15の回動支承部位には、該爪板部15、すなわち、送り爪部14a,14bを常にはマガジン5の収納通路6内に位置方向に付勢する回動復帰用のスプリング17が弾装されている。
【0011】
前記マガジン5において、図3及び図4に示すように、プッシャ部材9を収納案内するガイド溝10,11のうち下部のガイド溝11、すなわち下部のガイド部13の側片13a及びこれに対応するマガジン5の収納通路6を構成する前面側片5a、後面側片5bには、前記ドライバガイド3側(釘打ち出し部)より若干離れた後方部位に前記ガイド溝11から収納通路6を横切る方向に係入孔18a,18b,18cが整合位置されて貫設されており、この係入孔18a,18b,18cには所望の係止具T(図では単体の釘を示すが、ドライバ等の軸部でもよい。)が挿入可能となしている。
【0012】
しかして、係止具Tを係入孔18a,18b,18cにわたって挿入した状態において、該係止具Tはプッシャ部材9における前記下部のガイド溝11に収納した下部案内部9aの先端面(図1において左側)が当接可能に対向位置されるものである。
なお、係入孔18a,18b,18cの貫設位置にあっては、ドライバガイド3の近傍にあって、少なくともドライバガイド3(釘打ち出し部)部位における釘詰まり等の作業ができる範囲を残して設定することが望ましい。
【0013】
前記マガジン5の収納通路6内における後端部(図1において右側)側には収納された釘の最後尾の釘Nを一時的に保持するストッパー部材19が位置されている。このストッパー部材19は、図5に示すように、幅狭の帯状のスプリング板材(鋼板)等から形成されていて、その後端部が前記キャップ部材8とともにボルト着されかつ先端部は該締着部位から収納通路6内ほぼ中心部に向けて斜状に延出されるとともに、円弧状の曲折部19aを介して形成された釘の軸部分に当接する当接部19bと該当接部から釘の収納方向に延出する受け部19cとがほぼ直角のL字状に曲折形成されている。
【0014】
しかして、このストッパー部材19は、自身の弾性により、その先端部の曲折部19a及び当接部19b並びに受け部19cが常には収納通路6内ほぼ中心部、すなわち、釘の移動軌跡内に位置されて収納した釘の最後尾の釘Nの軸部分を受けるように構成されている。
【0015】
なお、ストッパー部材19は、収納通路6内におけるプッシャ部材9が後端部に最も後退した状態において、その送り爪部14a,14bの位置より若干前方に位置するように設定することが望ましい。
【0016】
また、前記マガジン5先端部との接合部位付近における釘打機の本体2の上端部には、図6に示すように、該マガジン5におけるプッシャ部材9を収納案内する上部のガイド溝10内に対向位置されたゴム等からなる緩衝部材20が装設されている。この緩衝部材20は竹の子状に形成した軸部20aが釘打機本体1に形成した孔部に圧入されかつ一端部には偏平の当接部20bが形成されていて、前記プッシャ部材9が当接可能に構成されている。
【0017】
前記釘打機の本体2のドライバガイド3の外周部にはコンタクトアーム21が移動(図1において上下方向)可能に装設されており、その一端側(図1において下側)の先端嵌合部が常には該ドライバガイト3の先端から突出された状態(初期状態)に位置されるように装設されている。そして、このコンタクトアーム21は、その他端側(図1において下側)がトリガ22に対し、釘打ち動作に伴って前記先端嵌合部がドライバガイド3に沿って上動されたときには該トリガ22の引込み(回動)動作を許容しかつ先端嵌合部がドライバガイト3の先端から突出された状態のときにはトリガ22の引込み(回動)動作を阻止するように連繋されている。
【0018】
この実施の形態は上述のように構成されたものであり、マガジン5内に釘、すなわち、直列状に所定の長さ連結された多数本の釘Wを収納する場合には、まず、キャップ部材8を開動作してマガジン5の収納通路6の後端部を開口し、該開口部から前記釘Wをその釘頭が該収納通路6の頭部案内面6aに沿わせるようにして収納したのち、前記キャップ部材8を閉動作してその開口部を閉鎖する。
【0019】
この場合、ストッパー部材19における曲折部19a、当接部19b、受け部19cは収納された釘Wによりその収納通路6からマガジン5の後面側片5b側にその弾力に抗して退避状態となる。
【0020】
そして、プッシャ部材9をそのまま収納通路6の後端部側に渦巻きスプリング16の付勢力に抗して移動して、その送り爪部14a,14bを収納した釘Wの最後尾に位置する釘Nの軸部に後方から当接させる。
【0021】
この場合、送り爪部14a,14bは、その爪板部15がプッシャ部材9の後方移動に伴って釘の軸部を乗り越える方向にスプリング17の付勢力に抗して逃げながら回動動作し、該送り爪部14a,14bが最後尾に位置する釘を乗り越えたときに該スプリング17の付勢力により該釘の位置する部位に復帰位置されてその状態が維持される。
【0022】
上述のようにマガジン5内に釘Wを収納した状態において、該収納した釘Wが渦巻きスプリング16の付勢力により釘送り方向に付勢されたプッシャ部材9によって釘打ち動作、すなわち、ドライバの一回の往復動に対して該ドライバガイド3内に釘を一本ずづ供給するものである。
【0023】
さて、何らかの原因により、打ち込むべき釘等がドライバガイド3内及びその周辺で詰まった、所謂、釘詰まりが生じた状態のとき、仮に、マガジン5内に釘Wが収納されている場合には該釘の最先端に位置する釘が該ドライバガイド3付近に位置されているため、この釘を後方まで移動させるか、マガジン5の収納通路6内から抜き取った状態で上記の釘詰まりに対応する除去及び確認等の作業を行なわなければならない。
【0024】
しかし、この釘を後方まで移動させるか或いは抜き取った状態、すなわちマガジン5内の前方における釘が空の状態ではプッシャ部材9が前進端に位置されてその送り爪部14a,14bがドライバガイド3内に臨むことになり、この状態では当該作業が困難であるが、本実施の形態にあっては、図3及び図4に示すように、該プッシャ部材9全体をドライバガイド3側(釘打ち出し部)より若干離れた後方部位、若しくはドライバガイド3の近傍にあって、少なくともドライバガイド3(釘打ち出し部)部位における釘詰まり等の作業ができる範囲を残した位置に形成した係入孔18a,18b,18cの後方位置まで後退させるとともに、該係入孔18a,18b,18cにわたって係止具Tを挿入すると、この係止具Tに対して前進しようとするプッシャ部材9の下部案内部9aの先端面が当接され、該プッシャ部材9はその前進が一時的に阻止され、その位置で待機される。
【0025】
この状態において、ドライバガイド3付近の開口状態が確保されるので、当該部位の釘詰まりに対応する除去及び確認等の作業を容易に行うことができるものである。
【0026】
上記作業が終了すると、係入孔18a,18b,18cから係止具Tを抜脱することによって、プッシャ部材9の前進動の拘束を解除して、通常の釘送り動作に対応するものであり、この場合は、前述した釘の収納作業に対応する。
【0027】
さて、上述した作業、或いはマガジン5内に収納した釘Wに対して、サイズ、とくに長さ寸法の異なる別の釘を差し換える(取り換えて収納する)作業にあって、釘Wをマガジン5内の後方(後端部側)に退避移動させる場合には、プッシャ部材9の爪板部15をスプリング17の付勢力に抗して前面側に若干回動して該最後尾の釘Nに対する押圧を解除したのち、該釘Wを該収納通路6の後端部側に滑らせると、同部位において最後尾の釘Nがストッパー部材19によりそれ以上の移動が阻止される。(図2参照)
【0028】
すなわち、図5に示すように、ストッパー部材19のL字状の当接部19b及び受け部19cにより最後尾の釘Nを当接させて保持し、該釘W全体がそのまま滑って収納通路6の後端部の開口から抜け落ちることを防止するものである。
この場合、受け部19cが最後尾の釘Nの軸部によってそれ以上の撥ね上げが阻止されるので、該釘Nを確実に受けてその停止状態を維持することができる。
【0029】
その後、マガジン5内から釘Wを抜き取る場合は、該ストッパー部材19全体をその弾力に抗して釘の通路外(移動軌跡か遠ざかる方向)に退避することによって、該釘W全体を収納通路6の後端部の開口から抜き取るものである。
【0030】
仮に、釘W全体が勢いよく滑り、当接部19bに強く当たった場合でも、前述した受け部19cの機能によって当接部19b全体が撥ね上げられないので、釘Nを確実に受けてその該釘を確実に止めるものであるが、万一、止められなかった場合でもストッパー部材19における受け部19cの形成部位が円弧状の曲折部19aとなしているため、前述した受け部19cの機能と相まって該曲折部位の円弧面により釘の抜け出しを阻害することなく、該円弧状の曲折部19aを乗り越え(当接部19bをその弾力に抗して押え)て円滑に収納通路6の後端部の開口から抜き出すことができる。
【0031】
また、本実施の形態においては、マガジン5先端部の接合部位付近における釘打機本体2の上端部、すなわち該マガジン5におけるプッシャ部材9を収納案内する上部のガイド溝10内に対向位置してゴム等からなる緩衝部材20が装設されているため、該プッシャ部材9の前進動端において、釘打機のドライバガイド3に与える衝撃を吸収緩和することができ、その取付けも竹の子状に形成した軸部20aを釘打機本体1に形成した孔部に圧入するのみでよく、組付けが非常にに簡単となる。
【0032】
【発明の効果】
本発明にあっては、当接部の撥ね上げを未然に防止することによって、マガジン内に収納した釘をその収納通路における後端部側において効果的に停止することができるとともに、当接部を釘の移動軌跡上から退避することによって、マガジン内からの収納した釘を容易に抜き取ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】釘打機の全体を示す一部破断を含む正面図である。
【図2】釘がストッパー部材に止められた状態を示す釘打機全体の一部破断を含む正面図である。
【図3】係入孔の要部を拡大して示す一部破断を含む拡大正面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】ストッパー部材の作動状態を示す平断面図である。
【図6】緩衝部材の取付け状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 釘打機
2 本体
3 ドライバガイド
4 ハンドル
5 マガジン
6 収納通路
19 ストッパー部材
19a 曲折部
19b 当接部
19c 受け部
Claims (1)
- 直列状に連結された多数本の釘を収納する釘の収納通路が形成され、該収納通路内に収納された釘を釘打機の釘打ち出し部側に送込むためのプッシャ部材を移動可能に備えた釘打機におけるマガジンであって、前記収納通路内のほぼ後端部側にストッパー部材19を装設するとともに、このストッパー部材19は、スプリング板材からなり、釘の前記収納通路内の移動軌跡上に出入り可能な当接部19bと該当接部から釘の収納方向に延出された受け部19cとを備え、該当接部19bと受け部19cとにより、収納通路に収納された最後尾の釘の軸部を、収納通路を横切る方向と該収納通路に沿う方向の2方向で受けることを特徴とする釘打機におけるマガジン。
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JP18906698A JP3600019B2 (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | 釘打機におけるマガジン |
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JP2000024952A JP2000024952A (ja) | 2000-01-25 |
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- 1998-07-03 JP JP18906698A patent/JP3600019B2/ja not_active Expired - Fee Related
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