JP3599338B2 - 外部カニューレの内側に内部カニューレを固定するためのコネクター - Google Patents

Description

背景
本発明は、外部および内部カニューレ、および内部カニューレを外部カニューレに接続する固定装置を含む気管開口装置、および内部カニューレを外部カニューレに固定する方法に関する。
従来技術の説明
気管開口チューブは、患者の呼吸を補助するために使用される。該チューブは、閉塞部の下に開けた穿刺穴を通して患者の喉に挿入する。適所に設置された場合、チューブは、酸素または空気供給源と気管との直接接続を提供するものである。
一般的な型の気管開口チューブは、内部および外部カニューレを備えており；内部カニューレは、外部カニューレ内に適合させてある。内部カニューレを備えた多くの気管開口チューブの場合、内部カニューレには、ベンチレーター（換気装置）への接続用コネクターヘッドが備えられている。支障があるならば、内部カニューレを取り外す。内部カニューレを取り外すと、外部カニューレは、気管への酸素または空気路を維持する。その取り外しを補助するために、さらに、患者に不快感を与えるのを避けるために、使い捨てカニューレは、外部カニューレから容易にはずされるべきである。取り外しの容易さは、患者をベンチレーターに接続している場合、患者は、設備交換中、自発呼吸できないようであるので、特に、重要である。
従来技術のチューブの多くは、内部カニューレの外部カニューレへの手動クランピングを採用している。クランダールの米国特許第4,009,720号は、ホックに取り付けた短い、片持ち作動アーム（cantilevered actuator arms）を有する２つのクランプの付いた装置を採用している。該クランプは、使い捨てカニューレに接続されており、作動アームは、クランプの接続点と実質的に同一平面にある。片持ち作動アームを押すことにより、クランプを操作し、それによって、ホックを可撓性蝶番のトルクに対抗して、開口状態へと回転させる。一旦、使い捨てカニューレを外部カニューレ内に適切に挿入すれば、圧力がゆるみ、ホックがカニューレを一緒に固定する。蝶番の伸ばし過ぎ（over−extension）による破損を避けるために、止め具がクランプに設けられている。同様の装置がクランダール等の米国特許第3,639,624号、クランダール等の米国特許第4,135,505号、エイセルの米国特許第5,067,496号、およびアベルの米国特許第5,067,515号に開示されている。
これらのクランプは、内部カニューレを外部カニューレに適切に固定するものであるが、気管開口チューブをベンチレーターに接続したままでも患者が内部カニューレをはずすことができるので、不測的に外れてしまうことが起こる。このような事態の発生は、気道が閉塞されて、深刻な損傷や、更には死に至る可能性があり得るので、特に有害である。従って、内部カニューレの取り外しが容易に可能であり、更には、気管開口チューブをベンチレーターに接続する場合に不測的に外れることに対する安全性を提供する、固定装置への要望が高まっている。
本発明
本発明は、固定装置によって連結された内部および外部カニューレを用いる気管開口チューブアセンブリー（組み立て品）の改良に関する。改良点は、ベンチレーターに接続する場合に、患者が不慮に内部カニューレを外部カニューレから外してしまうことを防ぐ、内部および外部カニューレに対する固定装置である。内部カニューレの一部は、外部カニューレ内に残っており、残りは、外部カニューレの外側にある。内部カニューレは、その末端と外接し、外部カニューレの外側に位置する先細のコネクターヘッドを含む。コネクターヘッドは、空気または酸素供給源との連結面を提供する。コネクターヘッドと合致した関係にある先細の内腔を有する容易に取り外し可能なコネクターを、コネクターヘッドに取り付ける。コネクターヘッドおよび内部カニューレと連結させた固定装置は、内部カニューレを気管開口チューブアセンブリー内に確実に保持するためのものである。この装置は、コネクターヘッドから離れたところに位置し、内部カニューレにピボット状に（回転可能に）接続させた、縦長のハンドル（the elongated handle）を有するクラスプ（留め金）を含み、このようにして、クラスプの、内部カニューレおよび気管開口チューブアセンブリーに向かう方向および離れる方向への移動を可能にする。ハンドル部とコネクターヘッドとの間の空間は、コネクターをコネクターヘッドに適合させるに十分であり、そのため、コネクターは、ハンドルとコネクターヘッドの間にあり、ハンドルは、コネクターと境界を接する。コネクターをコネクターヘッドに取り付けると、ハンドルは、その固定位置外への動きを妨げられる。
本発明の方法は、上記のとおり内部および外部カニューレを動かないようにするという操作を記載するものである。この操作を始めるには、縦長のハンドルを備えた固定装置が外部カニューレのホック固定カラーに接触するまで、内部カニューレの遠位端を外部カニューレ内に挿入する。この時点で、縦長のハンドルにコネクターヘッド方向へ圧力をかける。クランピング装置は、その可撓性蝶番を中心に旋回し、開口状態まで動く。続いて、内部カニューレを、コネクターヘッドがホック固定面に接触するまで挿入する。ハンドルにかけた圧力をゆるめる。ベンチレーターコネクターをコネクターヘッドに取り付けて、コネクターヘッドとハンドルとの間の空間をふさぎ、それによって、この操作を完了する。このときハンドルは、固定状態にある。この逆の操作工程により、内部カニューレを外部カニューレから取り外す。
従って、本発明の目的は、外部および内部カニューレが互いに動かないように固定されている気管開口チューブアセンブリーを提供することである。
本発明の他の目的は、不測的にはずれるのを防ぐ固定装置を有する気管開口チューブアセンブリーを提供することである。
本発明の更なる目的は、患者に与える不快感を最小にして容易に取り外すことができる固定装置を提供することである。
本発明の別の更なる目的は、内部および外部カニューレの改良接続方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
図１は、気管開口チューブアセンブリーの俯かん図である。
図２は、外部カニューレに部分的に挿入された内部カニューレの俯かん図であり、部分的に断面図である。
図３は、図２の切断線３−３に沿って表した、ラッチ（掛け金）、コネクターヘッド、内部カニューレ、および外部カニューレの横断図である。
図４は、模型的に図解した、開いた状態の、外部カニューレに挿入された内部カニューレ、および固定装置の側面図であり、部分的に断面図である。
図５は、コネクターヘッドに部分的に挿入されたコネクターを含む、図４の側面図であり、部分的に断面図である。
発明の詳細な説明
図１に示したように、典型的な気管開口チューブアセンブリー10は、内部カニューレ14と外部カニューレ12を含んで成る。カニューレ12、14は、固定装置32により動かないように一緒に固定してある。固定装置32は、患者がカニューレ12、14をはずすのを防ぐものである。しかしながら、介護者には、患者に不快感をほとんど、または、全く与えることなく、固定装置32を容易に外すことができる。
図１および３を参照すると、外部カニューレ12は、弓状の肘形チューブであり、近位端18と遠位端40を有する。外部カニューレ12は、内腔58を含有する。内腔58は、内部カニューレ14を適合させるに充分な直径を有する。使用時に、介護者が、近位端18の一部は患者の首の外側に残したままで、首に開けた穿刺穴から遠位端40を患者の気道に挿入する。
図１、２、および３に示したように、内部カニューレ14は、近位端30および遠位端39を有する。好ましい実施態様では、内部カニューレ14は、遠位端39方向に張り出した（フレア）部分を有する弓状の肘形チューブである。内部カニューレ14は、患者身体外部の酸素供給源から患者の肺への酸素の通路を提供する縦内腔37を含む。内部カニューレ14は、外部カニューレ12内に適合している。内部カニューレ14の、外側に張り出した遠位端39は、外部カニューレ12の内腔内表面57に接触する。これにより、カニューレ12、14の遠位端39、40を一緒にしっかりと固定する。
頂部13と基部15を有するコネクターヘッド28を内部カニューレ14上に設ける。基部15は、固定装置32が一体的に形成または取り付けられる表面を提供する。好ましい実施態様では、基部15は、コネクター頂部13よりも大きい円周を有する円筒形であり、そのため、コネクターヘッド28は、先細形である。加えて、基部15は、外部カニューレ12の内腔58の円周よりも大きい円周を有する。その結果、基部15の円周の方が大きいことにより、外部カニューレ12の内腔58内へのコネクターヘッド28の挿入を防ぐ。
コネクターヘッド28の頂部13は、空気供給源の取り付け部分である。コネクターヘッドは、内部カニューレ14の内腔37に通じる縦内腔36を有する。コネクターヘッド内腔36は、周囲空気、または空気供給機からコネクター21（図５参照）を経る空気路を提供するものである。
図５を参照すると、ベンチレーターコネクター21は、コネクターヘッド28に噛み合っている。好ましくは、コネクター21は、先細のコネクターヘッド28に噛み合うように適応させた縦長の先細内腔（図示せず）を有する。このようなコネクターの一例には、ISOコネクターがある。
カニューレ12、14は、固定装置32により互いに動かないようになっている。固定装置32は、厳密な接続位置17で内部カニューレ14に取り付ける。固定装置32は、少なくとも２つのハンドル19とホック27を含む。
頂部31と底部38を有するハンドル19は、接続位置17から実質的に垂直に伸び、コネクターヘッド28に対して実質的に平行であるように引き伸ばされている。ハンドル頂部31の近くに、圧点34があり、そこへ圧力をかけて、固定装置32を開く。ハンドル19は細長いので、その圧点34は、固定装置32の接続位置17から離れたところにある。
ハンドル19は、コネクターヘッド28とは一定の間隔が空いたところにある。コネクターヘッド28からハンドル19までの距離は、ベンチレーターコネクター21の厚さと実質的に等しい。その厚さは、コネクターヘッド28の外壁23からコネクター21の外面の最近位までの距離として測る。コネクター21とコネクターヘッド28との摩擦適合は、コネクター21をコネクターヘッド28に挿入するときに、達成される。
コネクター21をコネクターヘッド28に取り付けると、コネクターヘッド28方向へのハンドル19の動きは制限される。加えて、ハンドル19の長さおよびハンドル19とコネクター21との空間的関係は、ハンドル19がコネクターヘッド28方向に過剰に動くのを防ぐ。要するに、コネクター21は、ハンドル19の止め具として働く。
ホック固定カラー29は、外部カニューレ12に外接するものであり、外部カニューレ12の周囲に固定してある。カラー29は、好ましくは外方に張り出しており、ホック27との接続を容易にしてある。内部カニューレ14を外部カニューレ12に挿入する場合、コネクターヘッド28の基部15が、ホック固定カラー29と隣接し、ホック27が張り出したホック固定カラー29にしっかりと引っ掛かる。
ホック27は、接続位置17からハンドルとは反対方向の内部カニューレ方向に伸びている。掛止したとき、ホック27は、張り出したカラー29のところで、外部カニューレ12と接触する。カラー29を囲んでホック27に接触させることにより、外部カラー29を固定し、それによって、外部カニューレ12内の内部カニューレ14の移動を妨げる。
固定装置32は、ピボット蝶番33を有する。蝶番33により、固定装置32の、コネクターヘッド28方向、およびそれから離れる方向への移動が可能になる。加えて、蝶番33は、動きに対する抵抗力を与える。その結果、固定装置32は、ハンドル19からの圧力がゆるむと、その元の位置に戻る。
好ましい実施態様では、蝶番33は、実質的にてこの支点として機能する。ハンドル19およびホック27は、蝶番33を中心に蝶番式に旋回する。ハンドル19は、実質上蝶番33から一定の間隔を空けた所にあるため、蝶番33のトルクに抵抗してコネクターヘッド28方向へハンドル19を動かすには、最小限の作用力しか必要としない。しかしながら、一旦、圧力がゆるむと、固定装置32は、その元の位置に戻る。
チューブアセンブリー10を適所に固定するために、膨張性カフ20を外部カニューレ12の遠位端40近くに設けることができる。このカフが膨らんで患者の気管に接触し、カニューレ12を適所に固定する。更に、ネックプレート24を設けることもできる。ネックプレート24は、外部カニューレ12が穿刺穴から出る位置で外部カニューレ12に取り付ける。プレート24の取り付け手段は、バンド（図示せず）である。このバンドは、ネックの周りに、かつネックプレート24と提携して伸び、チューブ10を適所に固定する。
この装置10は、様々なプラスチック材料から構成できる。しかしながら、内部カニューレ14は、可撓性ポリビニルクロリドから作成するのが好ましい。反対に、コネクターヘッド28は、もっと堅い材料、例えば、ポリプロピレンから作成すべきである。その他の材料、例えば、ポリエチレンやポリオキシメチレンを採用することもできる。外部カニューレ12は、ポリビニルクロリドやポリウレタンから作成できる。ホック固定カラー29は、堅い材料、例えば、ポリスルホン、ポリカーボネート、またはポリエーテルイミドから作成できる。
好ましい実施態様の構造を記載すると、本願発明の気管開口チューブアセンブリーを接続する操作は、図２、４、および５を参照すれば、理解できる。総括すると、その操作は、内部および外部カニューレ14、12の接続を含む。内部カニューレ14を外部カニューレ12中に挿入し、固定装置32の使用により、固定する。
該操作を始めるには、内部カニューレ14を、固定装置32により妨げられて更に挿入できなくなる位置まで、外部カニューレ12中に挿入する。次いで、ハンドル19にコネクターヘッド28方向に圧力をかける。この時点で、固定装置32は、図４に模型的に示すように、開口状態にある。
続いて、内部カニューレ14を、コネクターヘッド28により妨げられてそれ以上挿入できなくなる位置まで、更に外部カニューレ12中に挿入する。次いで、ハンドル19への圧力を緩めると、蝶番33での抵抗力により、固定装置32はその元の位置に戻り、それによって、ホック固定カラー29の辺りのホック27をクランプし、外部カニューレ12と内部カニューレ14を一緒に固定する。そうすると、コネクター21をコネクターヘッド28に挿入でき、該操作は完了する。
好ましい実施態様の記載は、非常に特定的であるが、本発明の精神から逸脱することなく、様々な修飾がなされ得ることを意図するものである。従って、本発明の範囲は、好ましい実施態様の記載より、むしろ添付の請求の範囲によって示されるものである。

Claims (8)

1. 外部カニューレ、および外部カニューレ内にある内部カニューレ；
   内部カニューレと共に一体的に形成され、コネクターと一致するように適合させたコネクターヘッド；
   縦内腔を有し、それを通してコネクターヘッドに取り付ける、容易に脱着可能なコネクター；
   内部カニューレを確実に外部カニューレに保持する、コネクターヘッドおよび内部カニューレと連結した固定装置であって、コネクターヘッドから一定間隔を空けたところに伸びており、かつ、内部カニューレにピボット状に接続させたハンドル部、およびハンドル部とは反対方向に伸びており、かつ、内部カニューレにピボット状に接続させたホック部を含み、そのため、ハンドル部は内部カニューレに向かう方向および離れる方向に動くことができ、かつこのような動きによりホック部を反対方向に動かせる固定装置；
   を含んでなり、ここで、ハンドル部とコネクターヘッドの間の空間はコネクターをコネクターヘッドに適合させるに十分であり、そのためコネクターがハンドル部とコネクターヘッドの間にある、気管開口チューブアセンブリー。
2. ハンドル部とコネクターヘッドとの間の距離が、コネクターヘッドの外壁から、コネクターがコネクターヘッド上にあるときにハンドル部がコネクターと境界を接するようなコネクターの外表面の最も近い位置まで測定した場合、コネクターの厚さと実質的に等しい、請求の範囲第１項記載のアセンブリー装置。
3. ハンドル部とコネクターヘッドとの間の距離が、コネクターをコネクターヘッドに適合させ得るに十分であるが、コネクターを装置したとき、外部カニューレから内部カニューレが外れてしまう程十分にハンドル部の蝶番式旋回を可能にするものではない、請求の範囲第１項記載のアセンブリー装置。
4. コネクターが、ハンドル部が過剰に動くのをを妨げるための止め具である、請求の範囲第１項記載のアセンブリー装置。
5. コネクターヘッドが先細である、請求の範囲第１項記載のアセンブリー装置。
6. コネクターヘッドとコネクターがISO標準に合致する、請求の範囲第５項記載のアセンブリー装置。
7. 外部カニューレが、ホックと噛み合うカラーを有する、請求の範囲第５項記載のアセンブリー装置。
8. ａ）使い捨てカニューレと共に一体的に形成されるコネクターヘッド、および使い捨てカニューレにピボット状に接続した縦長のハンドル部を有する固定装置、を有する使い捨てカニューレを用意し；
   ｂ）外部カニューレを用意し；
   ｃ）使い捨てカニューレを、その動きが固定装置により妨げられるまで、外部カニューレ内に挿入し；
   ｄ）固定装置のハンドル部をコネクターヘッド方向へ圧し；
   ｅ）使い捨てカニューレを、その動きがコネクターヘッドの構造により妨げられるまで挿入し；
   ｆ）ハンドル部への圧力をゆるめ、それによって、使い捨てカニューレを外部カニューレに固定し；さらに、
   ｇ）コネクターヘッド上にコネクターを挿入すること、
   を含んでなる、気管開口チューブアセンブリーの組み立て方法。

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